JP3577274B2 - 記録媒体処理機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カード処理機等で代表される記録媒体処理機に関する。詳しくは、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する制御手段を含み玉貸しの指令に応じて玉払出器を駆動して遊技に用いる玉を貸出す玉貸しを実行する弾球遊技機と通信し、記録媒体の記録情報により特定される残額を使用して前記弾球遊技機に玉貸しを実行させるための処理を行なう記録媒体処理機に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の記録媒体処理機において、従来から一般的に知られているものに、たとえば、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する制御手段を含み玉貸しの指令に応じて玉払出器を駆動して遊技に用いる玉を貸出す玉貸しを実行する弾球遊技機と通信し、記録媒体の記録情報により特定される残額を使用して前記弾球遊技機に玉貸しを実行させるための処理を行なうものがあった。
【0004】
そして、遊技者が弾球遊技機に設けられた玉貸ボタンを押圧操作したときに、予め設定されている1回の玉貸操作により払出される貸玉額分の遊技玉を、弾球遊技機の打球供給皿内に払出し、遊技を実行可能にするものがあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、弾球遊技機で特定遊技状態が発生した場合には賞球としての遊技玉が払出されるために、特定遊技状態が発生した場合にまで貸玉の払出しを継続すると遊技者にとって必要のない貸玉が払出されてしまう不利益がある。
【0006】
本発明は係る実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、特定遊技状態が発生した場合に、必要のない貸玉が継続して払出されることを防止可能な記録媒体処理機を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明は、遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当りとなり、可変入賞球装置3のソレノイド5が励磁されて開閉板4が開成され、打玉が入賞しやすい遊技者にとって有利な第1の状態となる。:パチンコ遊技機60は特定遊技状態(大当り状態)になれば、特定遊技状態検出器554からの検出信号がカード処理機制御用マイクロコンピュータ300に入力される。)に制御する制御手段(図10の基本回路65:ランダム1カウンタとは、大当りを発生させるか否かに関する1次抽選用のカウンタである。ランダム2カウンタとは、大当りを発生させるか否かに関する2次抽選用および当り図柄決定用のカウンタである。大当りを発生させるか否かは、まずランダム1カウンタに基づく1次抽選の結果当りと決定され、さらにランダム2カウンタに基づく2次抽選の結果当りと決定する必要がある。)を含み玉貸しの指令に応じて玉払出器(図4の玉払出器63)を駆動して遊技に用いる玉を貸出す玉貸しを実行する弾球遊技機(パチンコ遊技機60)と通信し(カード処理機62のカード処理機制御部135とパチンコ遊技機60に設けられているインタフェース基板138とは電気的に接続されており、カード処理機制御部135とインタフェース基板138とが互いに情報の送受信ができるように構成されている。)、記録媒体(カード残額等の遊技者所有の有価価値が記録されている記録媒体の一例のカード)の記録情報により特定される残額(カード情報に含まれている挿入時のカード残額)を使用して前記弾球遊技機に玉貸しを実行させるための処理を行なう(カード処理機62には記録媒体読取手段の一例のカードリーダライタが設けられたカードリーダライタ制御部134が設けられており、カード挿入・排出口133からカードを挿入すればそのカードに記録されている記録情報がこのカードリーダライタにより読取られる。:カード処理機62側からパチンコ遊技機60側の払出制御用マイクロコンピュータに玉払出指令信号が出力されて…遊技玉(パチンコ玉)が打球供給皿59内に払出される。…貸玉額分のパチンコ玉の払出が終了した段階でカード処理機62内に挿入されているカードのカード残額が貸玉額分減額更新される。)記録媒体処理機(図1のカード処理機62:カード処理機62により、遊技者所有の有価価値を特定可能な情報が記録された記録媒体の記録情報を読取る記録媒体処理装置が構成されている。)であって、
前記弾球遊技機に設けられた玉貸操作のための玉貸操作手段(図1の玉貸ボタン44c)の操作を検出する玉貸操作検出手段(図8の検出回路309:遊技者が玉貸ボタン44c(図1参照)を押圧操作すれば、その押圧操作が玉貸操作検出器44dにより検出され、その検出信号がカード処理機制御用マイクロコンピュータ300に入力される。)と、
該玉貸操作検出手段が前記玉貸操作手段の操作を検出したときに(図13のSA8)、予め設定された貸玉額(図13のSA11の設定額:玉貸ボタン44cを押圧操作する。すると、カード処理機62側からパチンコ遊技機60側の払出制御用マイクロコンピュータに玉払出指令信号が出力されて後述するたとえばロータリスイッチ等からなる貸玉額設定スイッチ137(図2参照)によって予め設定されている1回の玉貸操作により払出される貸玉額(以下、単に貸玉額という)分の遊技玉(パチンコ玉)が打球供給皿59内に払出される。:カード処理機62の裏面側には、1回の玉貸し操作により払出される貸玉額を予め入力設定するための貸玉額設定スイッチ137が設けられており、図示するように、100円,200円,300円,400円,500円の5種類の金額が入力設定できるようになっている。たとえば遊技場の係員により図示のように貸玉額が300円に設定されればその300円が貸玉額としてカード処理機制御部135のマイクロコンピュータ(図示せず)に記憶される。そして、遊技者がカードをカード挿入・排出口133に挿入し、玉貸ボタン44cを押圧操作することにより自動的にこの玉貸額(300円)分のパチンコ玉が打球供給皿59内に払出されてカード残額から減額されることになる。)に相当する玉貸しを前記弾球遊技機に実行させる(図13、図14のSA11〜SA23、S27〜S33a)玉貸制御手段(図8のカード処理機制御用マイクロコンピュータ300:カード処理機制御部135(図4参照)にはカード処理機制御用マイクロコンピュータ300が組込まれている。)とを含み、
該玉貸制御手段は、
前記弾球遊技機からの前記特定遊技状態の発生を示す信号の入力の有無を判別することによって前記特定遊技状態の発生を判別する特定遊技状態判別手段(パチンコ遊技機60は特定遊技状態(大当り状態)になれば、特定遊技状態検出器554からの検出信号がカード処理機制御用マイクロコンピュータ300に入力される。:パチンコ遊技機60に特定遊技状態(大当り状態)が発生した場合には、その旨の信号が特定遊技状態検出器554からカード処理機制御用マイクロコンピュータ300に入力され)と、
前記貸玉額の範囲内の所定の最小単位額(この最小単位の貸玉の払出とは、本実施例においては、前述したように100円分の貸玉の払出である。:パチンコ遊技機側で単位額(たとえば100円)に相当するパチンコ玉(たとえば25個)が貸出されるごとに払出制御用マイクロコンピュータからカード処理機制御用マイクロコンピュータに玉貸完了信号が出力されるのであり、カード処理機制御用マイクロコンピュータではその出力信号を入力するたびに貸玉額(SA12,SA13を参照)分のパチンコ玉がすべて貸出されたか否かの判断を行ない、未だに貸出されていない未貸出分がある場合にはその未貸出分をすべて貸出すまで前記単位額(たとえば100円)のパチンコ玉の貸出を繰返し行なうのである。:S216の「貸玉数」とは玉貸単位額(たとえば100円)に相当するパチンコ玉の個数でありたとえば25個に定められている。)相当の玉貸しを指令する(SA20による玉貸指令信号が払出制御用マイクロコンピュータに与えられた場合には、後述するようにパチンコ遊技機側で単位額(たとえば100円)に相当するパチンコ玉が貸玉制御されるのであり)玉貸指令信号を前記弾球遊技機へ送信する玉貸指令信号送信手段(図13のSA20)とを含み、
前記玉貸操作検出手段が前記玉貸操作手段の操作を検出したときに、前記玉貸指令信号を送信して前記弾球遊技機に前記最小単位額相当の玉貸しを実行させることを繰り返すことにより、前記貸玉額に相当する玉貸しを前記弾球遊技機に実行させる玉貸制御を行ない(図23:パチンコ遊技機側で単位額(たとえば100円)に相当するパチンコ玉(たとえば25個)が貸出されるごとに払出制御用マイクロコンピュータからカード処理機制御用マイクロコンピュータに玉貸完了信号が出力されるのであり、カード処理機制御用マイクロコンピュータではその出力信号を入力するたびに貸玉額(SA12,SA13を参照)分のパチンコ玉がすべて貸出されたか否かの判断を行ない、未だに貸出されていない未貸出分がある場合にはその未貸出分をすべて貸出すまで前記単位額(たとえば100円)のパチンコ玉の貸出を繰返し行なうのである。:1回の貸出操作により、300円分の玉貸が行なわれるように設定されており、100円ずつ3回に分けて玉貸動作が行なわれる)、
前記玉貸制御手段は、前記貸玉額に相当する玉貸しを前記弾球遊技機に実行させるための回数分の前記玉貸指令信号の送信を終えていなくても、前記特定遊技状態判別手段により前記特定遊技状態の発生が判別されたことに応じて前記玉貸制御を中止することにより、玉貸制御の中止前に送信した玉貸指令信号に基づく前記最小単位額相当の玉貸しで前記弾球遊技機に玉の払出しを終了させること(図25(a):特定遊技状態(大当り状態)が発生した場合には、その旨の信号が特定遊技状態検出器554からカード処理機制御用マイクロコンピュータ300に入力され、所定時間が経過した後前述と同様に貸玉払出中であれば最小単位の払出で中止し、以降の玉貸の禁止をして玉貸可ランプ48dを消灯する。…特定遊技状態が発生した場合…には最小単位の貸玉の払出で中止して以降の玉貸を禁止するようにしたのである。この最小単位の貸玉の払出とは、本実施例においては、前述したように100円分の貸玉の払出である。)を特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の発明の構成に加えて、前記玉貸制御手段は、前記特定遊技状態判別手段により前記特定遊技状態の発生が判別されたことに応じて前記玉貸制御を中止するとともに、以降の前記玉貸操作手段の操作を無効とすること(図25(a):パチンコ遊技機60に特定遊技状態(大当り状態)が発生した場合には、その旨の信号が特定遊技状態検出器554からカード処理機制御用マイクロコンピュータ300に入力され、所定時間が経過した後前述と同様に貸玉払出中であれば最小単位の払出で中止し、以降の玉貸の禁止をして玉貸可ランプ48dを消灯する。:次にSA14では、玉貸可表示器48d(図1参照)を消灯する処理がなされる。一旦玉貸操作がなされてそれに基づく玉貸動作が完了するまでは次の玉貸操作を受付けないようにしているために、後述するSA33により玉貸可表示器が点灯されるまでは玉貸可表示器48dを消灯して玉貸操作ができない旨を表示するのである。)を特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の本発明は、請求項1または請求項2に記載の発明の構成に加えて、前記記録媒体処理機に挿入された前記記録媒体を排出させるために前記弾球遊技機に設けられた返却操作手段(図1の返却ボタン42c:図中42cは返却ボタンであり、玉貸可LED(玉貸可表示器)48dの点灯している期間中操作が有効なものである。この返却ボタン42cが遊技者によって押圧操作されることにより、カード処理機62内に挿入されているカードがカード挿入・排出口133から遊技者側に返却される。)の操作を検出する返却操作検出手段((図8の検出回路309:遊技者が返却ボタン42c(図1参照)を押圧操作すれば、その押圧操作が返却操作検出器42dにより検出され、その検出信号がカード処理機制御用マイクロコンピュータ300に入力される。)をさらに含み、
前記玉貸制御手段は、前記返却操作検出手段が前記返却操作手段の操作を検出したとき、または、前記玉貸操作検出手段が前記玉貸操作手段の操作を検出したときに、前記貸玉額に相当する玉貸しを前記弾球遊技機に実行させるための回数分の前記玉貸指令信号の送信を終えていなくても前記玉貸制御を中止することにより、玉貸制御の中止前に送信した玉貸指令信号に基づく前記最小単位額相当の玉貸しで前記弾球遊技機に玉の払出しを終了させること(図25(b):遊技者が玉貸ボタン44cを押圧操作してそれに伴って貸玉が払出されている最中に、遊技者が返却ボタン42cを押圧操作した場合、あるいは玉貸ボタン44cを再度押圧操作した場合…には、最小単位(100円分)の貸玉の払出で中止する。なお、返却ボタンの操作による払出の中止と玉貸ボタンの操作による払出の中止とハンドル停止による払出の中止とのうち、少なくとも1つ以上の中止機能を有するものであってもよい。)を特徴とする。
【0010】
【作用】
請求項1に記載の本発明によれば、玉貸操作検出手段の働きにより、弾球遊技機に設けられた玉貸操作のための玉貸操作手段の操作が検出される。玉貸操作検出手段の働きにより、玉貸操作手段の操作が検出されたときに、玉貸制御手段の働きにより、弾球遊技機において予め設定された貸玉額に相当する玉貸しが実行される。玉貸制御手段に含まれる特定遊技状態判別手段の働きにより、弾球遊技機からの特定遊技状態の発生を示す信号の入力の有無が判別されることによって特定遊技状態の発生が判別される。玉貸制御手段に含まれる玉貸指令信号送信手段の働きにより、貸玉額の範囲内の所定の最小単位額相当の玉貸しを指令する玉貸指令信号が弾球遊技機へ送信される。玉貸操作検出手段の働きにより玉貸操作手段の操作が検出されたときに、玉貸指令信号を送信して弾球遊技機に最小単位額相当の玉貸しを実行させることが繰り返されることにより、貸玉額に相当する玉貸しが弾球遊技機において実行される玉貸制御が行なわれる。玉貸制御手段のさらなる働きにより、貸玉額に相当する玉貸しが弾球遊技機において実行されるための回数分の玉貸指令信号の送信が終えられていなくても、特定遊技状態判別手段により特定遊技状態の発生が判別されたことに応じて玉貸制御が中止されることにより、玉貸制御の中止前に送信した玉貸指令信号に基づく最小単位額相当の玉貸しで弾球遊技機における玉の払出しが終了される。
【0011】
請求項2に記載の本発明によれば、請求項1に記載の発明の作用に加えて、玉貸制御手段の働きにより、特定遊技状態判別手段により特定遊技状態の発生が判別されたことに応じて玉貸制御が中止されるとともに、以降の玉貸操作手段の操作が無効とされる。
【0012】
請求項3に記載の本発明によれば、請求項1または請求項2に記載の発明の作用に加えて、返却操作検出手段の働きにより、記録媒体処理機に挿入された記録媒体を排出させるために弾球遊技機に設けられた返却操作手段の操作が検出される。返却操作検出手段により返却操作手段の操作が検出されたとき、または、玉貸操作検出手段により玉貸操作手段の操作が検出されたときに、玉貸制御手段のさらなる働きにより、貸玉額に相当する玉貸しが弾球遊技機において実行されるための回数分の玉貸指令信号の送信が終えられていなくても玉貸制御が中止されることにより、玉貸制御の中止前に送信した玉貸指令信号に基づく最小単位額相当の玉貸しで弾球遊技機における玉の払出しが終了される。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施の形態においては、遊技機の一例のパチンコ遊技機内に設けられた玉払出装置を示すが、本発明はこれに限らず、コインの代わりに玉を用いて遊技が行なわれるスロットマシンに設けられた玉払出装置であってもよく、また、遊技場に設置されている玉貸機に設けられたものであってもよく、遊技に用いられる玉を払出す玉払出装置であればすべて対象となる。
【0014】
図1は、本発明に係る玉払出装置が設けられたパチンコ遊技機60およびカード処理機62を示す正面図である。
【0015】
パチンコ遊技機60の左右方向一側部(図面では左側)にはカード処理機62がパチンコ遊技機60に対し分離可能な状態で設けられている。図中130は処理機使用可表示器であり、カード処理機62が作動中で使用可能である旨を点灯表示するためのものである。カード処理機62には記録媒体読取手段の一例のカードリーダライタが設けられたカードリーダライタ制御部134が設けられており、カード挿入・排出口133からカードを挿入すればそのカードに記録されている記録情報がこのカードリーダライタにより読取られる。その読取られたカード情報に含まれている挿入時のカード残額が残金額表示器(カード残高表示器)50により表示される。このカード処理機62にはCPU,ROM,RAM等が内蔵されたカード処理機制御部135が設けられており、このカード処理機制御部135によりカード処理機62全体が制御される。また、カード処理機62には、接続方向表示器131a,131bが設けられており、カード処理機62側で予め設定された接続方向の表示器が点灯表示され、遊技者がカード挿入時にどちらの遊技機で遊技が可能かが判断できる。
【0016】
遊技者がパチンコ遊技機60により遊技を行ないたい場合には、カード残額等の遊技者所有の有価価値が記録されている記録媒体の一例のカードをカード挿入・排出口133に挿入する。その挿入されたカードが適正でかつカード残額が残っている場合で玉貸操作が可能な場合には、カード処理機制御部135からパチンコ遊技機60側に玉貸可LED点灯用の制御信号が出力されて打球待機部の一例の打球供給皿59に設けられている玉貸可LED(玉貸可表示器)48dが点灯される。この玉貸可LED(玉貸可表示器)48dは玉貸操作ができる旨を点灯表示するものである。遊技者がこの玉貸可LED(玉貸可表示器)48dの点灯していることを確認して玉貸ボタン44cを押圧操作する。すると、カード処理機62側からパチンコ遊技機60側の払出制御用マイクロコンピュータに玉払出指令信号が出力されて後述するたとえばロータリスイッチ等からなる貸玉額設定スイッチ137(図2参照)によって予め設定されている1回の玉貸操作により払出される貸玉額(以下、単に貸玉額という)分の遊技玉(パチンコ玉)が打球供給皿59内に払出される。この貸玉額分の払出が終了するまでは玉貸可LED(玉貸可表示器)48dが消灯するとともに貸出中表示器46dが点滅表示される。そして貸玉額分のパチンコ玉の払出が終了した段階でカード処理機62内に挿入されているカードのカード残額が貸玉額分減額更新される。カード処理機62により、遊技者所有の有価価値を特定可能な情報が記録された記録媒体の記録情報を読取る記録媒体処理装置が構成されている。
【0017】
図中42cは返却ボタンであり、玉貸可LED(玉貸可表示器)48dの点灯している期間中操作が有効なものである。この返却ボタン42cが遊技者によって押圧操作されることにより、カード処理機62内に挿入されているカードがカード挿入・排出口133から遊技者側に返却される。このカード挿入・排出口133は、カード挿入・排出される溝部分の外周に突条が設けられており、図示右側の突条133aより左側の突条133bのほうが突出量の大きい突条に構成されており、このカード処理機62の図示左側に設置されているパチンコ遊技機(図示せず)で遊技をせんとする遊技者が間違ってこのカード処理機62のカード挿入・排出口133にカードを挿入する不都合を極力防止できるようにしている。図中132はカード挿入ランプであり、カード挿入・排出口133にカードが挿入されている所定位置に保持された状態で点灯するものである。また、打球供給皿59には、モード切換ボタン550が設けられており、玉貸操作により玉貸が行なわれる通常モードと打球貯留皿59内の玉が欠乏した場合に自動的に玉貸しを行なう自動玉貸モードとの切換え操作ができるように構成されている。551は、自動玉貸モードのときに点灯するLEDである。
【0018】
カード挿入時のカード残額と、玉貸が行なわれ減額更新された後のカードの残金額とが打球供給皿59に設けられている残金額表示器(カード残高表示器)50により表示される。打球供給皿59内でパチンコ玉が払出された状態で遊技者が打球操作ハンドル121を操作すれば、パチンコ玉が1つずつ遊技領域120内に打込まれる。遊技領域120には、複数種類の識別情報が可変表示可能な可変表示装置14が設けられている。遊技領域120には、さらに始動入賞口1a,1b,1cが設けられており、この始動入賞口1a,1b,1cに入賞した入賞玉が始動入賞玉検出スイッチ2a,2b,2cにより検出される。その始動入賞玉検出スイッチ2a,2b,2cの検出信号に基づいて、可変表示装置14が可変開始し、それぞれの可変表示部14a,14b,14cによって複数種類の識別情報の一例の図柄が可変表示された後停止制御される。なお、この可変表示装置14の可変表示中に再度打玉が始動入賞口1a〜1cのいずれかに入賞すれば、その始動入賞が記憶されて始動入賞記憶表示器10によりその入賞記憶値が表示される。この始動入賞記憶は、たとえば最大4個の始動入賞を記憶できるように構成されており、4個を上限として、始動入賞がある毎に「1」ずつ加算記憶されるとともに可変表示装置14が可変開始される毎に「1」ずつ減算更新される。なお、この可変表示装置14は、本実施の形態においては回転ドラム式の可変表示装置を示すが、本発明はこれに限らず、7セグメント,液晶,蛍光表示管,LED,エレクトロルミネセンス等の表示装置を用いたものであってもよく、また、ドットマトリックス方式の可変表示装置であってもよい。さらに、通常時可変表示しているものであってもよく、その場合には始動入賞により明るさあるいは可変表示の速度を変化させて再可変表示された旨がわかるように構成するのが望ましい。
【0019】
この可変表示装置14には、中央横一列と斜め対角線上とで合計3本の当りライン(組合せ有効列)が定められており、可変表示装置14の停止時に3本の当り列のうち或る当り列上で特定の識別情報の組合せ(たとえば777)が揃った場合には大当りとなり、可変入賞球装置3のソレノイド5が励磁されて開閉板4が開成され、打玉が入賞しやすい遊技者にとって有利な第1の状態となる。開閉板4が開成している場合に遊技領域120内に打込まれたパチンコ玉がこの可変入賞球装置3内に入賞すれば、その入賞玉が10カウント検出スイッチ8により検出される。この可変入賞球装置3の第1の状態は、打玉が所定個数(たとえば10個)入賞するかあるいは第1の状態となった後所定時間(たとえば30秒間)経過するかのうちいずれか早いほうの条件が成立することにより終了し、開閉板4が閉成されて打玉が入賞しない遊技者にとって不利となる第2の状態となる。この可変入賞球装置3内に入賞したパチンコ玉が特定入賞口(Vポケット)6に入賞すれば、その特定入賞玉が特定入賞玉検出スイッチ7により検出され、その検出出力に基づいて、可変入賞球装置3の第1の状態が終了した後再度開閉板4が開成されて第1の状態の繰返し継続制御が行なわれる。この繰返し継続制御の上限回数はたとえば10回に定められている。この繰返し継続制御の回数がラッキーナンバー・回数表示LEDとしての7セグメント表示器11により表示される。また、可変入賞球装置3の第2の状態としては、打玉が全く入賞しないのでなく打玉が入賞可能であるが入賞困難な状態であってもよい。また、始動入賞口1a,1b,1cに打玉が入賞した場合には、その1個の始動入賞玉につきたとえば5個の景品玉が打球供給皿59内に払出される。一方、始動入賞口1a〜1c以外の入賞口や可変入賞球装置内に打玉が入賞した場合には1個の入賞につき15個の景品玉が打球供給皿59内に払出される。この景品玉の払出の最中に払出ランプ126が点灯または点滅表示される。打球供給皿59には、貯留されているパチンコ玉が欠乏したことを検出する玉欠乏検出手段の一例の玉欠乏検出器A(555),B(556)が設けられている。
【0020】
この打球供給皿59内に払出される景品玉は後述する玉タンク151(図2参照)内に貯留されているのであり、この玉タンク151内の貯留玉がなくなればタンク玉センサ150a,150bが玉を検出しなくなり、その時点で玉切れ表示器(玉切れランプ)127が点灯表示して貯留玉がなくなったことを表示する。打球供給皿59は景品玉で満杯となりそれ以上貯留できなくなった余剰玉は余剰玉貯留皿122内に払出される。この余剰玉貯留皿122も満杯になった場合に、それ以降払出すべき景品玉が生じたときにその景品玉の個数またはその景品玉に相当する金額等を記憶して表示するクレジット得点表示器を打球供給皿59に設けてもよい。その場合には、打球供給皿59や余剰玉貯留皿122内のパチンコ玉が少なくなった後においてこのクレジット得点表示器に表示されている得点分の景品玉を払出す。残金額表示器(カード残高表示器)50は7セグメント表示器で構成されているが、その代わりに、複数の発光ダイオードを貸玉額や100円単位に対応させて設けてもよい。また、残金額表示器(カード残高表示器)50により貸玉額を表示してもよく、さらに別の表示器を設けてそれに1回の玉貸操作により貸出される貸玉額を表示したり、貸玉額が印刷されたシールを貼りつけたりしてもよい。図中15はスピーカであり、大当り時の効果音等が発せられる。また、576′は前面枠、577はガラス扉枠、564は前面板であり、ともに開閉自在に構成されている。565は打球供給皿59内の玉を余剰玉受皿112内に排出操作するための玉抜きレバーであり、この玉抜きレバー565の操作が図1には図示していない玉抜きレバー作動検出器552(図8参照)により検出される。
【0021】
カード処理機62の正面側には、端数表示スイッチ136が設けられている。この端数表示スイッチ136は、残金額表示器(カード残高表示器)50により表示される挿入カードの現時点における残額に予め定められた単位数(たとえば100円)未満の端数が生じた場合に表示桁を切換えることによりその予め定められた単位数(たとえば100円)未満の端数を表示させるためのものである。つまり、貸玉レートが変更されて貸出されるパチンコ玉の金銭等価価値が変わったこと等に起因して予め定められた単位数(たとえば100円)未満のカード残額が生ずる場合にこの端数表示スイッチ136を切換えると、まず1万円単位の残額がある場合には端数を切り捨てて残金額表示器(カード残高表示器)50により点滅表示され、1万円単位の残額がなくなった時点で自動的に表示器が切換わり100円未満の端数まで点灯表示される。この残金額表示器(カード残高表示器)50は幕板等に設けてもよい。図中、18は遊技効果ランプ、19はレール飾りランプ、20は風車ランプ,21は肩ランプ、22はサイドランプ、23はアタッカーランプ、24は袖ランプ、17はドラム飾りランプ、26は飾りLED(A)、27は飾りLED(B)、28はV入賞表示LEDである。また、パチンコ遊技機60については、カードの残高を使用して、内部に封入されている玉を弾発発射し、入賞に応じて得点が加算され、遊技終了時にその得点がカードまたはレシートに記録されて遊技者に付与されるものであってもよい。また、カードの挿入やパチンコ玉の投入により遊技が可能となり、入賞により得点が加算され、遊技終了時にその得点に相当するパチンコ玉が払出されるパチンコ遊技機であってもよい。
【0022】
図2は、打球供給皿59の分解斜視図である。打球供給皿59は、主構成枠体557に対し、貯留流下部552と底面カバー体558と上部側面カバー体559と下部側面カバー体561とが取付けられて構成されている。
【0023】
貯留流下部552は、パチンコ玉が流下してそのパチンコ玉を1列に整列させながら打球発射位置にまで導くためのものであり、貯留流下部552の下方裏面側には、玉欠乏検出器A(555)が設けられている。また貯留流下部552のさらに玉流下下手側位置には玉欠乏検出器B(556)が設けられている。この両玉欠乏検出器A(555),B(556)は、玉の存在を磁気の変化により検出するいわゆる近接センサで構成されており、貯留流下部552上にパチンコ玉が存在する場合には、ON信号が出力され、貯留流下部552内のパチンコ玉が少なくなって玉欠乏検出器A(555)上のパチンコ玉がなくなれば、玉欠乏検出器A(555)がOFFとなる。さらにパチンコ玉が少なくなって玉欠乏検出器B(556)の位置のパチンコ玉もなくなれば、玉欠乏検出器B(556)もOFFとなる。
【0024】
前記玉欠乏検出器A(555)は、取付部材560を介してビスにより下部側面カバー体561に取付けられる。この下部側面カバー体561の前面側には、LED基板562が設けられており、このLED基板562の前面側をレンズカバー563で覆うように構成されている。そしてこのレンズカバー563を通してLED基板562に設けられているLEDの点灯表示状態が視認できるように構成されている。
【0025】
図3は、前面板564に設けられる各種部品を示す分解斜視図である。前面枠576′に対し一側を開閉着脱可能に軸着される前面板564の前面側には、飾り枠主体569が設けられており、この飾り枠主体569の前面側に装飾カバー570,571が設けられている。また、飾り枠主体569には返却ボタン42c,玉貸ボタン44c,モード切換ボタン550が設けられている。そして、装飾カバー570,571の間に、玉抜きレバー565が横スライド可能に設けられている。この玉抜きレバー565は、スプリング566により図示右方向に押されており、遊技者がこの玉抜きレバー565をスプリング566の伸長力に抗して左方向にスライドさせることにより、打球供給皿59内に貯留されているパチンコ玉が余剰玉受皿122内に放出される。この玉抜きレバー565のスライド操作が玉抜きレバー作動検出器576により検出されてカード処理機制御用マイクロコンピュータ300に入力されるように構成されている。
【0026】
前面板564の裏面側には、LED・スイッチ基板568と圧電ブザー567とが設けられており、LEDの点灯表示が視認可能に構成されているとともに、玉払出の異常が発生した場合には圧電ブザー567から警報音が発生するように構成されている。
【0027】
前面板564の裏面側には、さらに、取付基板573を介して、スピーカ15と配線基板575とが取付けられる。スピーカ15は、収納ボックス574内に収納され押え板572により収納ボックス574側に押さえつけられた状態で、取付基板573に取付けられる。
【0028】
図4は、カード処理機およびパチンコ遊技機の一部内部構造を示す背面図である。
【0029】
カード処理機62のカード処理機制御部135とパチンコ遊技機60に設けられているインタフェース基板138とは電気的に接続されており、カード処理機制御部135とインタフェース基板138とが互いに情報の送受信ができるように構成されている。またこのインタフェース基板138と払出制御基板ボックス145内に収納されている払出集中制御基板146が電気的に接続されている。さらに、インタフェース基板138と中継端子基板139とは電気的に接続されており、この中継端子基板139と、ゲーム制御基板ボックス148内に収納されているゲーム制御用基板148′,遊技機用ターミナルボックス149,玉払出器63の払出モータ223が、それぞれ電気的に接続されている。さらに、打球供給皿59に設けられている前述した各種表示器や各種操作ボタンのスイッチがインタフェース基板138に接続されている。なお、カード処理機制御部135と打球供給皿59に設けられている各種表示器や各種操作ボタンのスイッチならびに払出制御基板ボックス145内の払出集中制御基板146とをインタフェース基板138や中継端子基板139を介することなく直接配線により接続し、払出集中制御基板146と払出モータ223とを中継端子基板139を介して接続するようにしてもよい。また、カード処理機制御部135と払出集中制御基板146とを直接コネクタにより接続するようにしてもよい。
【0030】
カード処理機62の裏面側には、1回の玉貸し操作により払出される貸玉額を予め入力設定するための貸玉額設定スイッチ137が設けられており、図示するように、100円,200円,300円,400円,500円の5種類の金額が入力設定できるようになっている。たとえば遊技場の係員により図示のように貸玉額が300円に設定されればその300円が貸玉額としてカード処理機制御部135のマイクロコンピュータ(図示せず)に記憶される。そして、遊技者がカードをカード挿入・排出口133に挿入し、玉貸ボタン44cを押圧操作することにより自動的にこの玉貸額(300円)分のパチンコ玉が打球供給皿59内に払出されてカード残額から減額されることになる。図中134はカードリーダライタおよびその制御回路を含むカードリーダライタ制御部である。
【0031】
玉払出器63は、払出モータ223が設けられており、玉誘導レール67から供給されてきたパチンコ玉がこの払出モータ223の回転力により横送りされ、その横送りされたパチンコ玉が1つずつ下方に落下して打球供給皿59内に払出される。この玉払出器63は、機構板40に設けられている金属板54に取付けられている。そして、玉払出器63の下方には、玉払出器63から払出される玉に帯電した静電気を除去するための金属カバー板55が設けられており、この金属カバー板55にはアース線56が取付けられている。
【0032】
前記玉誘導レール67は、玉タンク151内の貯留玉を2列に整列させながら流下させるものであり、その2列の流下径路にそれぞれタンク玉切れスイッチ150a,150bとレール玉切れスイッチ68a,68bとが設けられており、玉タンク151内の貯留玉がなくなったことおよび玉誘導レール67上の流下玉がなくなったことが検出され、その検出信号が遊技機用ターミナルボックス149,中継端子基板139を介して払出制御用基板ボックス145内の払出集中制御基板146に入力される。このタンク玉切れスイッチ150a,150bが玉を検出しなくなった時点で玉切れ表示器(玉切れランプ)127を点灯表示させるとともに、後述するように玉払出し速度が減速される。
【0033】
前記タンク玉切れ検出スイッチ150a,150bの下手側でかつこのレール玉切れ検出スイッチ68a,68bの上手側箇所において玉詰まりが生じた場合には、タンク玉切れ検出スイッチ150a,150bからは玉切れ状態の検出が何らされないにも関わらず、レール玉切れ検出スイッチ68a,68bからは玉切れ状態の検出が行なわれるのであり、そのような場合には玉切れランプ127が点滅するように構成されており、玉詰まりが発生したことが容易に認識できるように構成されている。玉誘導レール67により玉流下径路が構成されており、前記タンク玉切れ検出スイッチ150a,150bにより、前記玉流下径路の所定箇所に設けられ流下玉の存否を検出可能な第1の検出手段が構成されている。また、前記レール玉切れ検出スイッチ68a,68bにより、前記第1の検出手段よりも下手側の前記玉流下径路に設けられ、流下玉の存否を検出可能な第2の検出手段が、構成されている。さらに、玉切れランプ127により、前記玉流下径路の流下玉の存否の状態を報知するための流下玉状態報知手段が構成されている。
【0034】
玉タンク151には、島に設けられる補給樋152からパチンコ玉を補給玉検出器を含む補給装置153を介して供給される。この玉タンク151に供給される補給玉が補給装置153の補給玉検出器により検出されるのであり、所定個数a(たとえば10個)のパチンコ玉が供給されたことを検出して1パルスの検出信号がこの補給玉検出器から出力される。この出力信号はコネクタ154に伝達される。カード処理機62からの玉貸要求信号を受けてタンク151内のパチンコ玉を打球供給皿59に払出すのではなく遊技者が玉貸機から購入してきた貸玉を打球供給皿59内に投入して遊技を行なう従来の一般的なパチンコ遊技機の場合には、コネクタ154とホール用管理コンピュータに接続されているコネクタ155と接続し、補給玉検出器からの検出信号をホール用管理コンピュータに送信し、ホール管理用コンピュータではその送信されてきた検出信号に基づいて遊技場にとって不利益となる不利益球数を集計する。ところが、本実施の形態のように、カード処理器62からの玉貸要求信号に基づいて玉タンク151内の貯留玉の一部を打球供給皿59内に払出す方式のパチンコ遊技機においては、その遊技場にとって何ら不利益球数とはならない貸玉が補給樋152から玉タンク151に供給されることになり、その供給された貸玉が補給玉検出器により検出されてしまって不利益球数情報としてホール用管理コンピュータに入力されてしまい、ホール用管理コンピュータで正確な不利益球数を集計できない不都合が生じる。そこで、本実施の形態のパチンコ遊技機においては、ホール用管理コンピュータに接続されているコネクタ155を補給装置153の補給玉検出器に接続させるコネクタ154から外して遊技機用ターミナルボックス149に接続されているコネクタ156に接続する。そして、パチンコ玉の入賞に基づいて払出される景品玉が所定個数a(たとえば10個)に達する毎に払出集中制御基板146から所定のパルス信号を出力してその所定のパルス信号が遊技機用ターミナルボックス149,コネクタ156,コネクタ155を介してホール用管理用コンピュータに伝送されるように構成されている。このように構成することにより、パチンコ玉の貸出については何ら不利益球数情報としてのパルス信号がホール用管理コンピュータに出力されることなく、入賞に伴う景品玉の払出に関してのみパルス信号がホール用管理コンピュータに送信され、ホール用管理コンピュータでは正確な不利益球数情報を集計できる。
【0035】
遊技領域120内に打込まれて入賞口に入賞した入賞玉とアウト口に回収されたアウト玉は合流して打込玉タンク159に落下し、その打込玉が打込玉検出器(打込球カウンタ)160により検出された後島に設けられている集球樋161上に落下する。図中158,157は遊技機用ターミナルボックス149とホール用管理コンピュータとを接続するコネクタであり、単位額売上信号がこのコネタクタ158,157を介してホール用管理コンピュータに送信される。この単位額売上信号とは、カード処理機62に挿入されたカードに記録されているカード残額を使用して玉貸が行なわれた場合の一単位の売上額のことであり、一単位の売上額に相当するカード残額(たとえば100円)が使用される度にこの単位額売上信号がホール用管理コンピュータに送信され、ホール用管理コンピュータにおいて玉貸による売上額を集計できるようになっている。
【0036】
図中830はユニットボックスであり、カード処理機用の電源の機能と単位額売上信号の伝送機能とを併せもつ。このユニットボックス830には、AC100V用のコンセント831が設けられており、このコンセント831を介してAC100Vの電圧がユニットボックス830に供給されて、このユニットボックス830で所定の電圧に変圧された電圧が、接続ケーブル837を介してカード処理機制御部135に供給される。また、このカード処理機制御部135から接続ケーブル837を介してユニットボックス830に単位額売上データ等が伝送される。ユニットボックス830では、伝送されてきた単位額売上信号を、配線834を介してホール用管理コンピュータに送信するとともに、配線838を介してカード処理機用ターミナルボックスに送信する。このように、単位額売上信号は、パチンコ遊技機60からとカード処理機62からとの両方からホール用管理コンピュータに送信されることになる。その結果、いずれか一方が故障したり誤動作したりして一方の単位額売上信号が狂った場合には、他方の単位額売上信号と食違うために、異常が発生したことが即座に判断でき、売上の正確な管理が可能となる。このユニットボックス830には、通電状態を表示するための通電中表示器833と、カード処理機62に異常が生じた場合等に手動操作により電源を再立上げするためのリセットスイッチ832とが設けられている。なお、前記単位額売上信号をホール用管理コンピュータに送信する場合には、どのカード処理機での売上かを特定するためにカード処理機番号等のIDデータをも併せてホール用管理コンピュータに送信するのが望ましい。そのIDデータをユニットボックス830からホール用管理コンピュータに送信する場合には、カード処理機62をパチンコ遊技機60に接続する度にまたは電源が投入される度にカード処理機制御部135に記憶されているIDデータをパチンコ遊技機60側に送信し、払出集中制御基板146やゲーム制御用基板148′にその送信されてきたIDデータを記憶し、その記憶されているIDデータをユニットボックス830からホール用管理コンピュータに送信するようにする。
【0037】
また、ゲーム制御基板148′は、可変表示装置14のドラムユニットの中継端子基板(図示せず)および各種ランプ・LED・センサなどが接続されている中継端子基板81と配線により接続されている。ゲーム制御用基板ボックス148の背面右側には、キースイッチ75が設けられている。このキースイッチ75は、可変表示装置14の可変停止時の表示結果が特定の識別情報の組合せ(たとえば777)となる確率を可変設定するためのものであり、ノーマル位置,設定位置,確認位置の3つの位置に切換操作ができる。このキースイッチ75に所定の鍵を挿入して切換操作をすることにより確率が変更設定できるのであり、この切換操作回数に応じて異なった確率を設定することができる。なお、キースイッチ75に代えて、たとえばスライドスイッチ,押ボタンスイッチ,スナップスイッチ,プッシュプルスイッチ,ロータリスイッチ,ディジタルスイッチ等でもよい。さらに、ゲーム制御基板ボックス148内には、キースイッチ75の操作により設定された確率を表示するための設定確率表示器76a,76b,76cが設けられている。図中88は打球発射装置であり、打球モータ612を備えている。また図中41は機構板40に形成された開口であり、可変表示装置14の遊技板裏面側への突出部分がこの開口41内に収まるように構成されている。図中、53は電源スイッチであり、これを操作することにより電源を一旦切った後再投入することができ、電源の立ち上げに伴うゲーム制御基板148′のゲーム制御用マイクロコンピュータ65をリセットすることができまた、後述する確率設定操作の際に操作しやすくすることができる。
【0038】
図5は、入賞玉処理機構445の構造および作用を説明するための断面図である。入賞玉センサA(170a),B(170b)のそれぞれの脇には、払出ソレノイドA(171a),B(171b)で揺動される揺動体29a,29bが設けられている。この揺動体29a,29bは、支軸31a,31bにより回動自在に取付けられており、それぞれにウエート33a,33bが設けられている。そして払出ソレノイドB(171b)が図示のように励磁が解除されている状態では、ウエート33bの自重により揺動体29bが図示時計回り方向に回動している。その状態では、払出ソレノイドB(171b)のアクチュエータ25bが第1の入賞玉集合樋45内に入込んだ状態となり、その入込んだアクチュエータ25bにより入賞玉が入賞玉センサB(170b)内で停止された状態となる。そして払出ソレノイドB(171b)が励磁されると、図示左側の払出ソレノイドA(171a)のように、アクチュエータ25aが引寄せられて第2の入賞玉集合樋47から退避した状態となるとともに、揺動体29aがアクチュエータ25aにより押上げられて図示時計回り方向に回動してその上方端から第1の入賞玉集合樋47内に入り込む。そしてアクチュエータ25aにより支えられていた入賞玉が下方に落下するとともにその上方に位置する入賞玉が揺動体29aの上方端により支えられて保持される。以上のように、払出ソレノイドが1回励磁される毎に入賞玉が1個玉抜き径路420内に排出されて機外に排出される。
【0039】
そして、第1の入賞玉集合樋47に導かれた入賞玉が入賞玉センサA(170a)により検出されれば所定個数の景品玉が払出され、その払出が完了した段階で払出ソレノイドA(171a)を1回励磁して解除する。そして、次の入賞玉が第1の入賞玉集合樋47に存在すれば再度入賞玉センサA(170a)により検出されて、前述と同様に所定個数の景品玉が払出される。また、第2の入賞玉集合樋45に導かれた入賞玉は入賞玉センサB(170b)により検出され、所定個数k個(たとえば15個)の景品玉が払出され、払出ソレノイドB(170b)が励磁されて次の入賞玉があれば再度所定個数k個の景品玉の払出が行なわれる。以上のように、入賞玉が連続して発生したとしても、揺動体29a,29bにより、景品玉の払出が終了した入賞玉だけ流下して未だに景品玉の払出が終了していない入賞玉については流下が阻止されて第1,第2の入賞玉集合樋47,45内に証拠玉として貯留された状態となるために、景品玉の払出個数をめぐるトラブルを防止できる利点がある。なお、証拠玉を貯留する代わりにマイクロコンピュータ等で入賞個数等を記憶しておき、その記憶値に基づいて払出制御を行なうようにしてもよい。その場合には、バツクアップ電源を利用して記憶値が停電等で消去されないようにすることが望ましい。
【0040】
なお、払出ソレノイドA(171a),B(171b)が故障して励磁不能状態になれば、アクチュエータ25aまたは25bが第1の入賞玉集合樋47や第2の入賞玉集合樋45に入込んだままの状態となるため、排出ソレノイド励磁指令信号が導出されたにもかかわらず、パチンコ玉が入賞玉センサA(170a)または入賞玉センサB(170b)の内部で停止して入賞玉検出信号が継続して導出される状態となるのであり、この入賞玉センサの連続したON状態を検出して払出ソレノイドA(171a)またはB(171b)が故障した旨の判定を行なって異常状態の報知を行なうように構成されている。なお、入賞玉センサA(170a),B(170b)はパチンコ玉の通過に伴って出力信号が所定の電圧から変化するいわゆる近接スイッチにより構成されているのであるが、この入賞玉検出センサA(170a),B(170b)が断線した場合には出力信号の電圧が0Vとなるために、その0Vになった旨を検出して入賞玉センサA(170a),B(170b)が断線した旨の判定を行ない報知をしてもよい。また、この入賞玉センサA(170a),B(170b)がショートした場合には出力電圧が正常な電圧を超えた異常な電圧となってしまうのであり、その異常電圧を検出してショートした旨の判定を行ない、その旨の報知を行なうようにしてもよい。
【0041】
図6は、玉払出器63およびその周辺機器を説明するための縦断面図である。玉払出器63は機構板40側に設けられている金属板54に設けられており、玉誘導レール67から2条に整列されて送られてくるパチンコ玉が玉通路64a,64bから玉払出器63内に供給されてくる。この玉払出器63は、払出モータ223、その払出モータ223によって回転する玉送り部材800、玉送り部材800の図示左端部に形成されている切欠813内に設けられている投光器802a、玉送り部材800が半回転する毎に投光器802aからの投光を受光する半回転検出センサ802bが設けられている。さらに、投光器102a,半回転検出センサ802b,払出モータ223に接続されている各配線810が配線孔808を通って中継端子基板139を介して払出集中制御基板730に接続される。
【0042】
玉誘導レール67の屈曲部分には、玉抜き部材881が揺動自在に設けられている。この玉抜き部材881は、通常時は図示実線で示すように玉誘導レール67の屈曲部分を閉塞する姿勢となっている。そして、遊技場の係員が前面枠前方から操作棒(図示せず)の操作により玉抜き部材881を開放する操作を行なうと、玉抜き部材881が図示反時計回り方向に揺動して図示破線で示す姿勢となる。すると、玉誘導レール67の屈曲部分か開放されて玉タンク151(図4参照)内のパチンコ玉が玉誘導レール67,排出径路1を通って機外に排出される。また、遊技場の係員が前記操作棒を再度操作すると、玉抜き部材881が時計回り方向に回動して図示実施の形態に示す閉塞姿勢となり、その閉塞姿勢でロックされた状態となる。
【0043】
玉通路64a,64bのそれぞれには玉感知部材920a,920bが回動自在に設けられている。玉誘導レール67からパチンコ玉が供給されていない状態では、玉感知部材920a,920bが図示時計回り方向に回動して破線で示す姿勢となり、この玉感知部材920a,920bの回動を検出するレール玉切れスイッチ68a,68bがOFFとなる。一方、玉誘導レール67からパチンコ玉が供給されれば、その供給されてきたパチンコ玉の自重により玉感知部材920a,920bが反時計回り方向に回動し、図示実施の形態に示す姿勢となる。するとレール玉切れスイッチ68a,68bがONとなる。
【0044】
玉払出器63の下方には金属カバー板55が設けられている。この金属カバー板は、玉の流下を誘導するための起立壁部55a,55bが設けられており、玉払出器63により払出されたパチンコ玉がこの起立壁部55a,55bに誘導されてスムーズに下方に落下するように構成されている。この金属カー板55にはアース線56が取付けられており、玉払出器63により払出された玉が帯電している場合には、その玉がカバー板55に接触することによりアースされて除電される。図中、419a,419bは払出口、805a,805bは玉送り通路、880a,880bは玉通路部材、41は開口、806は玉圧受け部材である。
【0045】
図7は、玉送り部材800の回転軸に対し直交する方向から見た縦断面図である。玉払出器63の玉入口884a,884bにパチンコ玉を供給する玉通路部材880a,880bは、玉入口884a,884bの高さ位置に合わせた形状をしている。玉払出器63の玉入口884a,884bの少し下方部分では、玉圧緩和部材885が設けられており、玉通路64a,64bを通って供給されてきたパチンコ玉の玉圧がこの玉圧緩和部材885の形状部分に加えられ、玉送り通路805a,805bに加えられるパチンコ玉の玉圧が緩和される。この玉圧緩和部材885内には、空間886が形成されており、投光器802a,半回転検出センサ802bの配線がこの空間886を通して外部に引き出されるように構成されている。玉送り部材800の端部には、1対の凸部887と切込部が設けられており、この1対の凸部887の間が切欠813となる。そして、この1対の凸部887の間に投光器802aが位置するように設けられており、図7に示す状態では、投光器802aから投光された光は凸部887に遮られて半回転検出センサ802bに検出されないように構成されている。そして、玉送り部材800が図5に示す状態から45度回転することにより投光器802aから投光された光が1対の凸部887の間を通って半回転検出センサ802bに到達する状態となり、結局、玉送り部材800が半回転するごとに半回転検出センサ802bが投光器802aからの投光を受光する状態となる。図中915はカバーあり、54は金属板、55は金属カバー板、40は機構板である。
【0046】
図8は、カード処理機制御部の制御回路を示すブロック図である。
カード処理機制御部135(図4参照)にはカード処理機制御用マイクロコンピュータ300が組込まれている。カード処理機制御用マイクロコンピュータ300は以下に述べるような各種機器の動作を制御する機能を有する。このため、カード処理機制御用マイクロコンピュータ300は、たとえば数チップのLSIで構成されており、その中には制御動作を所定の手順で実行することのできるCPU301と、CPUの動作プログラムデータを格納するROM302と、必要なデータの書込および読出ができるRAM303とが含まれる。
【0047】
さらに、カード処理機制御用マイクロコンピュータ300は、入力信号を受けてCPU301に入力データを与えるとともに、CPU301からの出力データを受けて外部に出力する入出力回路304と、電源投入時にCPU301にリセットパルスを与えるパワーオンリセット回路305と、CPU301にクロック信号を与えるクロック発生回路306と、クロック発生回路306からのクロック信号を分周してリセットパルスを定期的(たとえば2msec毎)にCPU301に与えるパルス分周回路(定期リセット回路)307と、CPU301からのアドレスデータをデコードするアドレスデコード回路308とが含まれる。
【0048】
アドレスデコード回路308はCPU301からのアドレスデータをデコードし、ROM302,RAM303,入出力回路304にそれぞれチップセレクト信号を与える。
【0049】
なお、この実施の形態では、ROM302には、その内容の書換え、すなわち必要が生じた場合には、その中に格納されたCPU301のためのプログラムデータを変更することができるようにプログラマブルROMが用いられている。そして、CPU301からこのROM302内に格納されたプログラムデータに従って、かつ以下に述べる各制御信号の出力に応答して、種々の機器に対して制御信号を与える。
【0050】
カード処理機制御用マイクロコンピュータ300は、入力信号として、次のような信号が与えられる。
【0051】
遊技者が玉抜きレバー565を操作すれば、玉抜きレバー作動検出器576から玉抜き操作検出信号がインタフェース基板138,検出回路309を介してカード処理機制御用マイクロコンピュータ300に入力される。遊技場の係員が前面枠576′やガラス扉枠577や前面板564(図1参照)を開成すれば、前面枠等検出器553から開成検出信号が入力される。遊技者が玉貸ボタン44c(図1参照)を押圧操作すれば、その押圧操作が玉貸操作検出器44dにより検出され、その検出信号がカード処理機制御用マイクロコンピュータ300に入力される。遊技者がモード切換ボタン550(図1参照)を押圧操作すれば、その押圧操作がモード切換スイッチ550aにより検出され、その検出信号がカード処理機制御用マイクロコンピュータ300に入力される。パチンコ遊技機60は特定遊技状態(大当り状態)になれば、特定遊技状態検出器554からの検出信号がカード処理機制御用マイクロコンピュータ300に入力される。打球供給皿59(図1参照)内のパチンコ玉が少なくなり玉欠乏検出器A(555)の位置のパチンコ玉がなくなった場合には、玉欠乏検出器A(555)がOFFとなり、そのOFF信号がカード処理機制御用マイクロコンピュータ300に入力される。打球供給皿59内のパチンコ玉がさらに少なくなり、玉欠乏検出器B(556)の位置までパチンコ玉がなくなった場合には、玉欠乏器検出器B(556)がOFFとなり、そのOFF信号がカード処理機制御用マイクロコンピュータ300に入力される。遊技者が返却ボタン42c(図1参照)を押圧操作すれば、その押圧操作が返却操作検出器42dにより検出され、その検出信号がカード処理機制御用マイクロコンピュータ300に入力される。
【0052】
遊技場の係員が貸玉額設定スイッチ137(図4参照)を操作して貸玉額を設定することにより、その設定信号が検出回路309を介してカード処理機制御用マイクロコンピュータ300に入力される。端数表示スイッチ136(図1参照)が操作されることにより、そのスイッチ操作信号が検出回路309を介してカード処理機制御用マイクロコンピュータ300に入力される。
【0053】
払出制御用マイクロコンピュータ350からインターフェイス基板138,情報入力回路312を介して、後述する払出可能信号,玉貸準備信号,玉貸完了信号,玉貸可能信号が入力される。この情報入力回路312はフォトカプラが内蔵されており、払出制御用マイクロコンピュータ350からの前述した各種信号がフォトカプラを介してカード処理機制御用マイクロコンピュータ300に入力される。このようにフォトカプラを介して信号が入力されるために、払出制御用マイクロコンピュータ350に発生した故障による悪影響がカード処理機制御用マイクロコンピュータ300にまで及ばないために、払出制御用マイクロコンピュータ350の故障に起因してカード処理機制御用マイクロコンピュータ300まで故障してしまうという不都合が極力防止できる。
【0054】
次に、カード処理機制御用マイクロコンピュータ300は以下の回路や機器に対して制御信号を出力する。
【0055】
LED駆動回路310,インターフェイス基板138を介して、玉貸可表示器48d,カード残高表示器50(図1参照)にそれぞれ表示用制御信号を出力する。ランプ駆動回路311を介して、カード挿入表示器132,処理機使用可表示器130にそれぞれ表示用制御信号を与える。カードリーダライタ制御部134(図1,図4参照)に、後述する現在の残高データ,カード書込排出指令信号,残高ゼロデータ,カード回収指令信号を出力する。情報出力回路313,インターフェイス基板138を介して払出制御用マイクロコンピュータ350に、後述する玉貸要求信号を出力する。ユニットボックス830,カード処理機用ターミナルボックス320を介して玉貸カード集中管理コンピュータに後述する単位額売上信号を出力する。この玉貸カード集中管理コンピュータは、玉貸カードの発行会社等に設置されている集中管理コンピュータであり、日本全国の各遊技場に設置されているカード処理機62に対しカード処理機用ターミナルボックス320を介して通信回線により接続されている。ユニットボックス830を介して、ホール用管理コンピュータに単位額売上信号を送信するとともに、カード処理機62に所定の電源を供給する。
【0056】
図9は、払出制御用マイクロコンピュータに接続された各種制御回路や各種制御機器を示すブロック図である。
【0057】
払出制御用マイクロコンピュータ350は、図8に示したカード処理機制御用マイクロコンピュータ300と同様の構成を有するために、ここでは説明の繰返しを省略する。なお、払出制御用マイクロコンピュータ350は、ワンチップのマイコンで構成され、マスク化されている。払出センサ802bが中継端子基板139を介してセンサ回路352に接続されており、払出センサ802bの検出信号がセンサ回路352から払出制御用マイクロコンピュータ350に入力される。入賞玉スイッチ(入賞玉センサ)170a,170bが中継端子基板139を介してスイッチ回路351に接続されており、入賞玉スイッチ(入賞玉センサ)170a,170bの検出信号がスイッチ回路350から払出制御用マイクロコンピュータ350に入力される。タンク玉切れスイッチ150a,150bが中継端子基板139を介してスイッチ回路351に接続されており、タンク玉切れ検出信号がスイッチ回路351から払出制御用マイクロコンピュータ350に入力される。満タンスイッチ162が中継端子基板139を介してスイッチ回路351に接続されており、満タン検出信号がスイッチ回路351から払出制御用マイクロコンピュー350に入力される。レール玉切れスイッチ68a,68bが中継端子基板139を介してスイッチ回路351に接続されており、レール玉切れ検出信号がスイッチ回路351から払出制御用マイクロコンピュータ350に入力される。
【0058】
また、カード処理器制御用マイクロコンピュータ300がインタフェース基板138を介して払出制御用マイクロコンピュータ350に接続されており、カード処理器制御用マイクロコンピュータ300と払出制御用マイクロコンピュータ350との間でデータの送受信が可能となるように構成されている。ゲーム制御用マイクロコンピュータ65(ゲーム制御用基板148′)が賞球個数情報入力回路361と入賞情報出力回路362とを介して払出制御用マイクロコンピュータ350に接続されており、ゲーム制御用マイクロコンピュータ65(ゲーム制御用基板148′)からの賞球個数情報が賞球個数情報入力回路361を介して払出制御用マイクロコンピュータ350に入力され、払出制御用マイクロコンピュータ350から入賞情報が入賞情報出力回路362を介してゲーム制御用マイクロコンピュータ65(ゲーム制御用基板148′)に出力される。リセットスイッチ147がリセット回路353を介して払出制御用マイクロコンピュータ350に接続されており、リセットスイッチ147(図4参照)が操作されたことに基づいてリセット信号がリセット回路353を介して払出制御用マイクロコンピュータ350に入力される。
【0059】
さらに、払出制御用マイクロコンピュータ350はモータ回路354,中継端子基板139を介して払出モータ223にモータ駆動制御信号を出力する。払出制御用マイクロコンピュータ350はリレー回路355、中継端子基板139を介してハンドルモータ(打球モータ)612にモータ電源供給制御信号を出力する。払出制御用マイクロコンピュータ350はソレノイド回路356,中継端子基板139を介して払出ソレノイド171a,171bにそれぞれソレノイド駆動用制御信号を出力する。払出制御用マイクロコンピュータ350は情報出力回路357,中継端子基板139を介して、前述した景品玉の所定個数a(たとえば10個)の払出が行なわれた旨の情報である補給情報と、所定額(たとえば100円)の玉貸が行なわれた旨の情報である玉貸情報をホール用管理コンピュータに出力する。払出制御用マイクロコンピュータ350はブザー回路358,中継端子基板139を介してブザー359にブザー制御用信号を出力する。払出制御用マイクロコンピュータ350はランプ回路360,中継端子基板139を介して、払出ランプ126と玉切れランプ127とにそれぞれランプ制御信号を出力する。
【0060】
これら制御回路や各種機器には、電源回路363から所定の直流電圧が供給される。なお、図中146は払出集中制御基板であり、この払出集中制御基板146の一点鎖線で囲まれた範囲内に示された各種回路や各種電子機器が、払出集中制御基板146上に装着されている。
【0061】
図10は、パチンコ遊技機に使用される制御回路を示すブロック図である。
パチンコ遊技機の制御回路は、その一部がゲーム制御用基板148′に設けられており、各種機器を制御するためのプログラムに従って動作するマイクロコンピュータなどを含む基本回路65を有する。この基本回路65には、CPU91,RAM92,ROM93,I/Oポート90,サウンドジェネレータ94,クロック発生回路95が含まれている。また、パチンコ遊技機の制御回路には、電源投入時に基本回路65にリセットパルスを与えるための初期リセット回路97と、基本回路65から与えられるクロック信号を分周して定期的(たとえば2msec毎)にリセットパルスを基本回路65に与えるパルス分周回路からなる定期リセット回路98と、基本回路65からのアドレスデータをデコードし、基本回路65内のRAM92,ROM93,I/Oポート90,サウンドジェネレータ94にそれぞれチップセレクト信号を与えるアドレスデコード回路96とを含む。基本回路65には、入力信号として次のような信号が与えられる。打玉が入賞して入賞玉処理器400(図4参照)により処理されて入賞玉が入賞玉センサ170a,170b(図5参照)により検出されれば、払出集中制御基板146,中継端子基板139,入賞情報入力回路853を介して入賞情報が基本回路65に入力される。打玉が可変入賞球装置3内に入賞して10カウント検出スイッチ8により検出されれば、その検出信号がスイッチ・センサ入力回路109を介して基本回路65に入力される。可変入賞球装置3内に進入したパチンコ玉が特定入賞口(Vポケット)に入賞して特定入賞玉検出スイッチ7により検出されれば、その検出信号がスイッチ・センサ入力回路109を介して基本回路65に入力される。パチンコ玉が始動入賞口1a,1b,1cに入賞すれば、その始動入賞玉が始動入賞玉検出スイッチ2a,2b,2cにより検出され、その検出信号がスイッチ・センサ入力回路109を介して基本回路65に入力される。ステッピングモータ35a〜35cが回転して可変表示装置14の各回転ドラムが回転し、その各回転ドラムに形成されている無反射部分(図示せず)がドラムセンサ51a〜51cにより検出されれば、その検出信号がスイッチ・センサ入力回路109を介して基本回路65に入力される。ゲーム制御用基板148′には、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)99とデータ入力回路100とデータ出力回路101とが設けられており、パチンコ遊技機60の電源投入時に、このEEPROM99に記憶されている大当り発生用の確率データがデータ入力回路100を介して基本回路65に入力される。その入力された確率データはI/Oポート90,CPU91を介してRAM92にロードされる。この確率データは、少し高い第1の確率データ(設定1)と中程度の第2の確率データ(設定2)と少し低い第3の確率データ(設定3)との3種類があり、そのうちのいずれか1つの確率データがEEPROM99に記憶されている。
【0062】
RAM92にロードされた確率データが第1の確率データ(設定1)であったと仮定し、その状態でキースイッチ75が操作されたときを説明する。キースイッチ75は、ノーマル位置と設定位置と確認位置との3つの位置に切換えることが可能であり、確認位置で電源が投入されたことを条件として、ノーマルモードから設定モードにキースイッチ75が1回操作された場合には、RAM92にロードされている第1の確率データ(設定1)が第2の確率データ(設定2)に更新される。その状態で、さらにキースイッチ75が再度ノーマルモードから設定モードに操作された場合には、RAM92にロードされている第2の確率データ(設定2)が第3の確率データ(設定3)に更新される。その状態で再度キースイッチ75がノーマルモードから設定モードに操作された場合には、RAM92にロードされている第3の確率データ(設定3)が第1の確率データ(設定1)に更新される。そして、確率データの更新が行なわれる毎にEEPROM99に記憶されている確率データが更新され、キースイッチをノーマルモードにした状態で所定時間(たとえば5秒)経過した場合には、確率データが確定され、現時点におけるEEPROM99に記憶されている確率データがRAM92にロードされてそのロードされた確率データを用いて可変表示装置14の制御が行なわれる。電源投入時にキースイッチ75がノーマルモードとなっている場合には、キースイッチ75の操作による確率データの書替えができない。この実施の形態にように、確率データをEEPROM99により記憶保持するようにしたために、機械的な記憶保持に比べて確率の設定値の増減に柔軟に対応できるとともに、特に、たとえばRAM等に記憶させることに比べて、バックアップ電源を必要としないという利点がありかつ記憶保持する期間が長くなった場合には有利となる。なお、キースイッチ75等からなる確率設定操作手段は、各パチンコ遊技機に設ける代わりに、たとえば、ホール用管理コンピュータに接続されたキーボード等で構成してもよく、遊技場の管理室等において各パチンコ遊技機を指定して確率の設定操作が行なわれるようにしてもよい。
【0063】
次に、基本回路65からは以下に述べる各種回路や機器に対し制御信号が出力される。
【0064】
音回路66を介してスピーカ15に音発生用の制御信号が出力される。賞球個数情報出力回路104,中継端子基板138を介して払出集中制御基板146に対し払出されるべき景品玉の数を指定する情報である賞球個数情報が出力される。セグメント・LED回路105を介して、7セグメント表示器11,始動入賞記憶表示器10,入賞個数表示器16,設定確率表示器76a〜76c,飾りLED27,26,V表示LED28にそれぞれ表示用の制御信号が出力される。ドラムランプ回路106を介してドラムランプ25a〜25gにそれぞれランプ点灯用の制御信号が出力される。ランプ・ソレノイド大当り情報回路107を介して、ソレノイド5にソレノイド励磁用制御信号を出力するとともにドラム飾りランプ17,遊技効果ランプ18,レール飾りランプ19,風車ランプ20,肩ランプ21,サイドランプ22,センターランプ(アタッカーランプ)23,袖ランプ24にそれぞれランプ点灯(点滅)用制御信号を出力する。モータドライブ回路108を介して、各ステッピングモータ35a〜35cを駆動させるための制御信号を出力する。図中71は、大当り発生情報をホール用管理コンピュータ等に出力するための出力線である。
【0065】
なお、これら制御回路や各種機器には、電源回路102から所定の直流電圧が供給される。
【0066】
図11は、払出集中制御基板とゲーム制御用基板との間で、景品玉の払出個数データ等の送受信を行なうための回路を示す図である。
【0067】
パチンコ遊技機60のインタフェース基板138とカード処理機62のカード処理機制御部135とが接続された段階でフォトカプラ852にVL(+18V)の電圧が与えられ、ゲーム制御用基板148′に設けられているカード処理機接続情報入力回路854を介して基本回路65(図10参照)に信号が入力される。このカード処理機接続情報入力回路854を介して基本回路65に信号が入力されて初めてパチンコ遊技機60は遊技可能となる。この点に関しては後に詳しく説明する。ゲーム制御用基板148′の基本回路65には、パチンコ玉の入賞態様に応じて払出すべき景品玉の個数が記憶されている。すなわち、打玉が始動入賞口1a,1b,1c(図1参照)に入賞した場合にはn(5個)、その始動入賞口1a〜1c以外の入賞口や入賞球装置に入賞した場合にはm(15個)払出すように払出個数が記憶されている。そして、始動入賞口1a〜1cに入賞した入賞玉は入賞玉処理器400に導かれて入賞玉センサ170aにより検出され、その検出信号が入賞玉センサ回路351,フォトカプラ859aを介して入賞情報入力回路853に入力されてその入力情報が基本回路65に入力される。始動入賞口1a〜1c以外の入賞口や入賞球装置に入賞した入賞玉は、入賞玉処理器400に導かれて入賞玉センサ170bにより検出され、その検出信号が入賞玉センサ回路351,フォトカプラ859bを介して入賞情報入力回路853に入力され、その入力情報が基本回路65に入力される。基本回路65では、その入力された入賞情報に基づいてD0,D1,D2,D3の4つの出力ポートを利用して賞球個数信号を払出制御基板の賞球個数情報入力回路361に出力する。つまり、D0〜D3の4つの出力ポートにより4ビットの賞球個数信号(景品玉払出個数信号)を出力することができるために、1個〜15個の15種類の賞球個数信号を出力することが可能である。出力ポートD0から出力された信号は賞球個数情報入力回路361のフォトカプラ855で一旦光信号に変換された後再度電気信号に変換されて入力回路350に入力される。同様に、出力ポートD1,D2,D3からそれぞれ出力された賞球個数信号がフォトカプラ856,857,858により一旦光信号に変換された後再度電気信号に変換され、その電気信号が入力回路351に入力される。入力回路351に入力された賞球個数データに基づいて払出集中制御基板146が玉払出器63を制御して所定個数の景品玉が払出されるように制御する。前記各フォトカプラ855〜858には、ゲーム制御用基板148′側から供給されるカプラ電源Vpが与えられ、各出力ポートD0〜D3からの信号が対応するフォトカプラ855〜858に入力されることにより、その入力されたフォトカプラからの信号が払出集中制御基板146の入力回路351に入力される。このように、払出集中制御基板146とゲーム制御用基板148′との間のデータの送受信がフォトカプラを介して行なわれるために、互いの基板間が電気的に絶縁された状態となり、一方の基板の故障が他方の基板に悪影響を及ぼしてしまう不都合が防止できる。
【0068】
次に、カード処理機制御部135とインターフェイス基板138とが非接続状態(情報の伝達不能状態)になった場合には、フォトカプラ852からの信号が入力されなくなるために、払出集中制御基板において、カード処理機との接続エラーが発生していると判定し、その判定結果に基づいて、リレー355を作動させて打球モータ612への電流の供給を遮断して打玉が発射されない遊技不能状態とする。
【0069】
図12は、図9に示された情報出力回路357の具体的な構成を示す回路図である。
【0070】
情報出力回路357は、主として、フォトカプラ部380とブリッジダイオード381A,381Bとからなる。それぞれのブリッジダイオード381A,381Bに接続されているデータ線384,385,386,387とホール用管理コンピュータとが接続されており、ホール用管理コンピュータからは補給情報があるか否かを検出するための検出用信号がデータ線384または385のいずれかを介してブリッジダイオード381Aに出力される。このホール用管理コンピュータから出力される検出用信号は、ホール用管理コンピュータ側のコネクタとデータ線384,385に接続されているコネクタとの接続をある方向で差込接続するかまたはそれとは逆方向に差込接続するかによって、データ線384に入力されたりまたはデータ線385に入力されたりする。同様に、ホール用管理コンピュータからは玉貸情報があるか否かを検出するための検出用信号がデータ線386または387のいずれか一方に入力される。この検出用信号がデータ線386または387のいずれに入力されるかは、前述と同様に、ホール用管理コンピュータ側のコネクタとデータ線386,387に接続されているコネクタとの差込接続の方向次第で決まる。いずれにしても、データ線384あるいは385のいずれに検出信号が入力されたとしても、ブリッジダイオード381Aを介してトランジスタ382Aおよび383Aに検出用信号の電圧が印加されることとなる。同様に、データ線386または387のいずれに検出用信号が入力されたとしても、ブリッジダイオード381Bを介してトランジスタ382Bおよび383Bに検出用信号の電圧が印加されることとなる。
【0071】
払出制御用マイクロコンピュータ350は、前述したように所定個数a(たとえば10個)の景品玉の払出が行なわれた場合に1パルスの信号をフォトカプラ380A側に出力する。フォトカプラ380Aでは、その1パルス信号に基づいてトランジスタ382Aが導通状態となり、トランジスタ382Aに印加されている検出用信号の電圧がトランジスタ383Aのベースに印加されることとなり、トランジスタ383Aが導通状態となり、検出用信号がトランジスタ383Aを通ってブリッジダイオード381Aを介してデータ線384まは385のうちの検出用信号が入力されていない方のデータ線を通ってホール用管理コンピュータに入力される。
【0072】
一方、払出制御用マイクロコンピュータ350は、前述したように、所定額(たとえば100円)の玉貸が行なわれた場合に1パルスの信号をフォトカプラ380B側に出力するのであり、フォトカプラ380Bでは、その出力パルス信号に基づいてトランジスタ382Bが導通状態となる。すると、トランジスタ382Bに印加されていた入力用信号の電圧がトランジスタ383Bのベースに印加されることとなり、トランジスタ383Bが導通状態となる。トランジスタ383Bが導通状態となれば、検出用信号がトランジスタ383Bを通ってブリッジダイオード381Bを介し、データ線386または387のうちの入力用信号が入力されていない方のデータ線を通ってホール用管理コンピュータに入力される。
【0073】
このように、払出制御用マイクロコンピュータ350からホール用管理コンピュータへの補給情報と玉貸情報との送信が、フォトカプラ380A,380Bにより一旦光信号に変換された後再度電気信号に変換されて行なわれるために、払出制御用マイクロコンピュータ350とホール用管理コンピュータとで電気的に絶縁された状態となり、払出制御用マイクロコンピュータ350またはホール用管理コンピュータのうちの一方の故障が他方に悪影響を及ぼすことが防止できる利点がある。このような利点を達成する他の方法としては、フォトカプラ380A,380Bの代わりにリレーを用いることが考えられる。しかし、リレーを用いた場合には、リレーが接点を有するために、払出制御用マイクロコンピュータ350から信号がリレーに出力される度にリレーの接点がON,OFFを繰返えすこととなり、リレーの接点が早期に磨耗して耐久性が劣るという欠点が生ずる。この実施の形態は、フォトカプラを用いたために、そのようなリレーが有する耐久性の問題点は解決できる。しかし、フォトカプラの場合にはトランジスタ382A,382Bがプラス,マイナスの極性を有するために、ブリッジダイオード381A,381Bを介すことなくフォトカプラとホール用管理コンピュータとを直接接続した場合には、ホール用管理コンピュータ側のコネクタとフォトカプラに接続されているコネクタとの差込方向次第で、フォトカプラから出力される補給情報や玉貸情報がホール用管理コンピュータの入力信号の出力ポート側に入力されてしまうという不都合が生ずる。しかし、この実施の形態により、フォトカプラ380A,380Bとホール用管理コンピュータとの間にブリッジダイオード381A,381Bを仲介させたために、ホール用管理コンピュータ側のコネクタをデータ線384,385あるいは386,387に接続されているコネクタとの差込方向をいずれの方向にしても前述した不都合が生じない。
【0074】
図13ないし図16は、図9に示した制御回路の動作を説明するためのフローチャートである。
【0075】
ステップ(以下単にSという)A1により、貸玉額の設定読込が行なわれる。この「貸玉額設定読込」とは、図4で示した貸玉額設定スイッチ137により設定された貸玉額をカード処理機制御用マイクロコンピュータ300に読込む処理である。
【0076】
次にSA2に進み処理機使用可表示器130(図1参照)を点灯させて使用可能である旨の表示を行なう。次にSA3に進み、カードリーダライタ制御部からカード受付信号があったか否かの判断が行なわれ、無い場合にはSA4に進み、カードリーダライタ制御部からカード異常信号があったか否かの判断がなされ、無い場合には再びSA3に戻る。このループの巡回途中で、カードリーダライタが適正なカードを受付ければ、カードリーダライタ制御部からカード受付信号があった旨の判定が行なわれて、SA7に進む。一方、カードリーダライタ制御部からカード異常信号の出力があれば、SA4によりYESの判断がなされSA5に進み、カード異常原因をカード残高表示器50(図1参照)にコードで表示する制御が行なわれる。具体的には、挿入されたカードの読取不能、セキュリティエラー等の異常原因の種類を示すコードがカード残高表示器50により表示される。そして、SA6に進み、処理機使用可表示器130(図1参照)を点滅させる。この異常時の制御については後述の自己診断処理のフローチャートで詳細に説明する。なお、カードの記録データに異常がある場合はその異常カードを回収する指令信号をカードリーダライタ制御部134に出力する。一方、SA7ではカード挿入表示器132,玉貸可表示器48dを点灯させ、カード残高表示器50により現時点でのカードの残高の表示を行なう処理がなされる。
【0077】
次にSA8に進み、玉貸操作があったか否かの判断がなされ、ない場合にはSA8aに進み、大当り中であるか否かの判断がなされ、大当り中でない場合にはSA8cに進み、自動玉貸モード中であるか否かの判断がなされ、自動玉貸モード中でない場合にはSA9に進み、返却操作があったか否かの判断がなされ、ない場合にはSA9aに進む。SA9aでは、非操作時間チェックタイマが終了したか否かの判断がなされ終了していなければSA8に戻る。非操作時間チェックタイマとは、カード残高が残っているカードについて玉貸操作が行なわれることなくかつ返却操作も行なわれない非操作時間を計時するためのものであり、後述するSA33aによりセットされる。そして、非操作時間チェックタイマが終了した場合には、SA9bに進み、カードが放置されている旨の報知が行なわれ、遊技者が残高の残っているカードを忘失することを防止できる。
【0078】
自動玉貸モード中である場合にはSA8dに進み、上皿玉無しフラグがセットされているか否かの判断がなされ、セットされていない場合にはSA9に進む。この上皿玉無しフラグとは、打球供給皿59内の玉が欠乏した場合にセットされるものである。一方、パチンコ遊技機60が大当り中である場合にはSA8aによりYESの判断がなされてSA9に進む。このSA8aによりYESの判断がなされた場合には、SA8bにより現時点でのモードをクリアする処理をした後にSA9に進むようにしてもよい。このSA8bの処理の結果、自動玉貸モード中であった場合にはそれがクリアされて、打球供給皿59内の玉が欠乏したとしても自動的には貸玉動作が行なわれない通常モードに復帰する。
【0079】
このSA8〜SA9bのループの巡回途中で、遊技者が玉貸ボタン44cを押圧操作すれば、SA8によりYESの判断がなされてSA8eに進み、払出条件が支障なく調っているか否かの判断が行なわれる。この払出条件は、図25に示すように、前面枠やガラス扉枠や前面板が開成しておらず、特定遊技状態や入賞が発生していない場合に成立する。払出すべき条件が調っている場合にはSA11に進み、以降の玉貸指令制御に移行する。また、払出すべき条件が調っていない場合には、SA8に戻る。このSA8に戻る前に、払出すべき条件が調っていない原因(前面枠が開成している等)をカード残高表示器50等に表示させてもよい。一方、自動玉貸モード中であった場合に玉欠乏検出器A(555),B(556)等の検出信号に基づいて後述するように上皿玉無しフラグがセットされている場合にも、制御はSA8eに進む。また、遊技者が返却ボタン42cを押圧操作すれば、SA9によりYESの判断がなされてSA10に進み、玉貸可表示器48dを消灯してSA26に進み以降の挿入カードの返却のための制御が行なわれる。SA11では、挿入カードの現在残高すなわちカード残高表示器50(図1参照)に表示されている残高が貸玉額設定スイッチ137(図4参照)で設定された設定額以上であるか否かの判断が行なわれる。そして、現在残高が設定額以上であった場合にはSA12により貸玉額にその設定額をセットする処理が行なわれてSA14に進む。一方、現在残高が設定額未満であった場合にはSA13により貸玉額に現在残高をセットした後にSA14に進む。つまり、挿入カードの現在残高が設定額に満たない場合には、その設定額を貸玉額にセットしてその設定額分のパチンコ玉を払出すわけにはいかないため、挿入カードによって払出が可能な最高金額すなわち挿入カードの現在残高を貸玉額にセットする処理がなされるのである。
【0080】
次にSA14では、玉貸可表示器48d(図1参照)を消灯する処理がなされる。一旦玉貸操作がなされてそれに基づく玉貸動作が完了するまでは次の玉貸操作を受付けないようにしているために、後述するSA33により玉貸可表示器が点灯されるまでは玉貸可表示器48dを消灯して玉貸操作ができない旨を表示するのである。次にSA15に進み、払出制御用マイクロコンピュータに玉貸要求信号の出力を開始する制御がなされる。次にSA16に進み、玉貸準備確認タイマがセットされ、SA17に進み、払出制御用マイクロコンピュータから玉貸準備信号が入力されたか否かの判断がなされる。払出制御用マイクロコンピュータでは、SA15による玉貸要求信号を受けて、玉貸が可能な状態であれば玉貸のための準備制御を行なった後にSA77によりカード処理機制御用マイクロコンピュータに玉貸準備信号を出力する処理がなされる。カード処理機制御用マイクロコンピュータがSA16によりセットされた玉貸準備確認タイマが終了する以前にこの玉貸準備信号を受信すれば、SA17によりYESの判断がなされ、SA20により玉貸指令信号を払出制御用マイクロコンピュータに出力した後、払出制御用マイクロコンピュータの玉貸が終了した旨の信号の送信を待機する処理がなされる。一方、玉貸準備確認タイマが終了するまで払出制御用マイクロコンピュータから玉貸準備信号が入力されなかった場合にはSA19に進み、玉貸要求信号の出力を停止し、貸玉額をクリアする処理がなされてSA8に進む。
【0081】
パチンコ遊技機60が既に貸玉の払出を行なっている場合や入賞に伴う景品玉の払出を行なっている場合には、後述するSA100,SA101,SA76,SA77の処理が行なわれないために、玉貸準備確認タイマが終了するまで払出制御用マイクロコンピュータから玉貸準備信号の出力がなされないのであって、その場合にはSA19による処理が行なわれないのである。なお、この玉貸準備確認タイマは、たとえば10msec以上で10sec以下程度の時間である。
【0082】
一方、SA20により玉貸指令信号が出力された後に、SA21により、現在残高から単位額を減算し貸玉額から単位額を減算する処理がなされる。SA20による玉貸指令信号が払出制御用マイクロコンピュータに与えられた場合には、後述するようにパチンコ遊技機側で単位額(たとえば100円)に相当するパチンコ玉が貸玉制御されるのであり、その貸出されるパチンコ玉に相当する金額である単位額を、挿入カードの現在残高から減算するとともにSA12,SA13でセットされた貸玉額からその単位額を減算するのである。次にSA22に進み、ユニットボックスを介してカード処理機用ターミナルボックスに単位額売上信号を出力する処理がなされる。このカード処理機用ターミナルボックスに送信されてきた単位額売上信号が玉貸カード集中管理コンピュータに出力され、玉貸カード集中管理コンピュータにより玉貸カードの使用データが集計される。なお、カード処理機用ターミナルボックスから玉貸カード集中管理コンピュータへの売上信号出力はリアルタイムで行なってもよいし、一定時間毎あるいは1日毎にまとめて行なってもよい。また、SA23によりホール用管理コンピュータに単位額売上信号を出力する処理がなされる。その結果、ホール用管理コンピュータは売上情報をカード処理機とパチンコ遊技機のどちらからでも取ることができ、また双方から情報を取るようにして売上情報を比較し、一致しない場合に異常を判定することにより、故障等をいち早く発見することができる。
【0083】
次にSA27に進み、玉貸確認タイマがセットされる。この玉貸確認タイマは、パチンコ遊技機側での貸玉の払出に要する時間を考慮してたとえば10sec程度に設定されている。この玉貸確認タイマが終了する以前において払出制御用マイクロコンピュータから玉貸完了信号の入力があった場合にはSA31に進むが、この玉貸確認タイマが終了したとしても玉貸完了信号の入力がなかった場合にはSA30に進み、処理機使用可表示器130(図1参照)が消灯されてSA24に進む。そして、SA24以降の挿入カードの返却制御が行なわれる。つまり、払出制御用マイクロコンピュータから玉貸準備信号の入力があり払出制御用マイクロコンピュータにより玉貸制御が行なわれているはずであるにもかかわらず、玉貸確認タイマが終了しても玉貸完了信号が払出制御用マイクロコンピュータから送信されてこないということは、パチンコ遊技機側の玉払出装置等に何らかの異常が発生したことが考えられるのであり、その場合には挿入カードを遊技者に返却するのである。
【0084】
一方、玉貸確認タイマが終了する以前に払出制御用マイクロコンピュータから玉貸完了信号が入力されればSA31に進み、貸玉額=0であるか否かの判断がなされる。SA12,SA13によってセットされた貸玉額に相当するパチンコ玉のうちまだ払出されていない未払出分が残っている場合には貸玉額は「0」となっていないためにSA31によりNOの判断がなされてSA15に進み、払出制御用マイクロコンピュータに再度玉貸要求信号の出力がなされる。一方、貸玉額分のパチンコ玉がすべて払出されている場合には貸玉額=0となっているためにSA32に進み、現在残高=0であるか否かの判断が行なわれる。そして、挿入カードの現在残高がまだ残っている場合にはSA33に進み、玉貸可表示器48dを点灯し、SA8に進み、再度の玉貸操作,返却操作の受付動作が行なわれる。一方、SA32により現在残高=0と判断された場合にはSA34に進み、カードリーダライタ制御部に残高0,カード書込排出指令信号を出力する処理がなされる。これによりカードリーダライタ制御部は、挿入カードのカード残高を「0」に更新した後にその挿入カードを遊技者側に返却する。
【0085】
次にSA35によりカード挿入表示器を点滅させ、SA36により処理確認タイマがセットされる。この処理確認タイマは、カードリーダライタが挿入カードの残高を「0」に更新した後にその挿入カードを返却するのに十分な時間を考慮して設定されているものであり、この処理確認タイマが終了する以前にカードリーダライタ制御部からカード処理完了信号を受信しなかった場合にはSA39に進み、カード処理機異常をカード残高表示器50によりコードで表示する処理が行なわれるとともに処理機使用可表示器130が点滅制御される。具体的には、たとえば挿入カードへの残高「0」の書込不能や書込んだデータの読取確認をした場合のエラー等をコードにより表示する。
【0086】
一方、処理確認タイマの終了する以前においてカードリーダライタ制御部からカード処理完了信号の入力があった場合にはSA40に進み、カードが挿入されている旨の表示を行なうためのカード挿入表示器132(図1参照)を消灯し、SA41により玉貸異常があったか否かの判断が行なわれ、なかった場合にはSA3に進み、新たなカードのカードリーダライタへの挿入受付の制御が行なわれ、玉貸異常があった場合にはSA42に進み、払出制御用マイクロコンピュータから払出可能信号の受付制御が行なわれる。
【0087】
以上説明したように、パチンコ遊技機側で単位額(たとえば100円)に相当するパチンコ玉(たとえば25個)が貸出されるごとに払出制御用マイクロコンピュータからカード処理機制御用マイクロコンピュータに玉貸完了信号が出力されるのであり、カード処理機制御用マイクロコンピュータではその出力信号を入力するたびに貸玉額(SA12,SA13を参照)分のパチンコ玉がすべて貸出されたか否かの判断を行ない、未だに貸出されていない未貸出分がある場合にはその未貸出分をすべて貸出すまで前記単位額(たとえば100円)のパチンコ玉の貸出を繰返し行なうのである。
【0088】
図15および図16は、たとえば4msec毎に1回実行される割込プログラムを示すフローチャートであり、図15は上皿玉無し判別処理、図16は自動玉貸モード制御のフローチャートを示す。
【0089】
次に、図15に基づいて上皿玉無し判別処理について説明する。SA70により玉欠乏検出器A(555)がOFFになったか否かの判断がなされ、なっていない場合にはSA74により上皿玉無しフラグがクリアされる。玉欠乏検出器AがOFFになっている場合にはSA72に進み、所定時間が経過したか否かの判断がなされ、所定時間が経過していない場合にはそのまま割込プログラムが終了する。この所定時間が経過するまで玉欠乏検出器Aが継続してOFF状態であった場合には、SA72によりYESの判断がなされてSA73に進み、上皿玉無しフラグがセットされる。なお、SA70によりYESの判断がなされた後、SA71により、玉欠乏検出器B(556)がOFFになったか否かの判断を行なうステップを挿入してもよい。そして、玉欠乏検出器BがONの場合にはSA74に進み、OFFの場合にはSA72に進むように制御してもよい。
【0090】
次に、図16に基づいて自動玉貸モード制御を説明する。SA75により、自動玉貸操作があったか否かの判断がなされ、ない場合にはそのまま割込プログラムが終了する。一方、遊技者がモード切換ボタン550(図1参照)を操作すれば、SA75によりYESの判断がなされてSA76に進み、既に自動玉貸モードがセットされているか否かの判断がなされ、セットされていない場合にはSA77により自動玉貸モードがセットされる。一方、既に自動玉貸モードがセット中である場合にはSA78に進み、その自動玉貸モードがクリアされて通常モードに復帰する。
【0091】
前記玉欠乏検出器A(555),B(556)は、その取付け場所を適当な場所に変更してどちらか一方の玉欠乏検出器のみにしてもよい。また、玉欠乏検出器A(555),B(556)のどちらを使用するかを遊技場においてスイッチ操作等により選択できるようにしてもよい。さらには、貸玉設定額に応じて自動的に玉欠乏検出器A(555)または玉欠乏検出器B(556)に切替るようにしてもよい(たとえば、100円,200円では玉欠乏検出器Aが使用され、300円,400円,500円では玉欠乏検出器Bが使用される)。なお、貸玉設定額については、自動玉貸時(自動玉貸モード)には貸玉設定額にかかわらず一律に最小単位毎(100円毎)の払出しとするようにしてもよい。
【0092】
図17ないし図22は、図10に示した制御回路の動作を説明するためのフローチャートである。
【0093】
図17はメインルーチンが示されており、たとえば2msec毎に1回実行される。まずS1により、スタックセットの処理が行なわれ、S2より、RAMエラーがあったか否かの判断が行なわれる。この判断は図8に示された基本回路65内のRAM92の所定アドレスの内容を読出し、その値が所定の値と等しいか否かを調べることにより行なわれる。プログラムの暴走時や電源投入時直後には、RAM92の格納データは不定であるため、判断の答えはNOとなって制御S3に進む。S3では、RAMに初期データが書込まれる。このとき、EEPROM99に記憶されている大当りの発生の確率データである設定値が読込まれてRAMにロードされて以降その読込まれた値に従って定まる確率で、可変表示装置14の識別情報が表示されるように制御される。その後制御はS10に進む。S3において初期データが書込まれるため、以後このメインルーチンの実行時には、S2における判断の答えがYESとなり、制御はS4に進むこととなる。
【0094】
S4においては、I/Oポートからのデータの出力処理が行なわれ、図10に示された各種回路や機器に対し制御信号が出力される。次にS5に進み、10カウントエラーがあるか否かおよびドラムエラーがあるか否かの判断が行なわれる。この10カウントエラーでは、特定入賞玉検出スイッチ7や入賞個数検出スイッチ8がショートあるいは断線している場合であり、具体的には、特定入賞玉検出スイッチ7や10カウント検出スイッチ8の出力信号が所定時間(たとえば2.9秒)を超えて導出された場合あるいは可変入賞球装置3の1回の開成中に入賞玉が1個も検出されなかった場合に10カウントエラーありと判断される。ドラムエラーとは、可変表示装置14の回転ドラム(図示せず)が回転途中で停止したり回転制御できない状態となった場合である。10カウントエラーがなくかつドラムエラーもなかった場合にはS6に進み、プロセス処理が行なわれた後S7に進むが、10カウントエラーまたはドラムエラーがあった場合には直接S7に進み、入賞情報入力処理が行なわれ、次にS8に進み、スイッチ入力処理が行なわれて、S9に進む。
【0095】
S9では、確率設定スイッチ入力の処理が行なわれる。この確率設定スイッチ入力では、キースイッチ75(図4参照)の操作に基づいた大当り発生の確率の設定状態を入力する処理である。このS9の後制御はS10に進む。S10では、ランダム1カウンタ,ランダム2カウンタ,ランダム4カウンタの更新処理が行なわれる。このランダム1カウンタとは、大当りを発生させるか否かに関する1次抽選用のカウンタである。ランダム2カウンタとは、大当りを発生させるか否かに関する2次抽選用および当り図柄決定用のカウンタである。大当りを発生させるか否かは、まずランダム1カウンタに基づく1次抽選の結果当りと決定され、さらにランダム2カウンタに基づく2次抽選の結果当りと決定する必要がある。ランダム4カウンタとは、大当りを発生させることが決定された場合に、3本の当りラインのうちどの当りライン上に当り図柄の組合せを成立させるかを決定するための当りライン選択用のカウンタである。この当り図柄はランダム2カウンタのカウント値に基づいて決定される。そして、キースイッチ75を操作した後には、このランダム1カウンタのカウント値の上限が変化する。すなわち、設定1の場合にはランダム1カウンタは0〜41の範囲内でカウントする。設定2の場合には0〜44の範囲内でカウントする。設定3の場合には0〜49の範囲内でカウントする。一方、ランダム2カウンタは、0〜49の範囲内でカウントする。またランダム4カウンタは、0〜2の範囲内でカウントし、ピックアップされたカウント値が0のときには中段の当りラインが選択決定され、1のときには右上がり斜めの当りラインが選択決定され、2のときには右下がり斜めの当りラインが選択決定される。
【0096】
次に、S11に進み、リセット回数が0かまたは4かまたは1か2,3,5,6,7かのいずれかが判断される。このリセット回数とは、定期リセット回路98(図10参照)から基本回路65に入力されるリセット信号によって基本回路64がリセットされた回数を意味し、リセットされる毎に「0」から「1」ずつ加算されて「7」まで達し、その状態でさらに「1」加算されることにより「0」となり、「0」から再度カウントアップされるものである。このリセット回数は0の場合にはS12に進み、音データが出力されてスピーカ15から所定の音が発せられる。一方、リセット回数が4の場合にはS13に進み、出力データテーブル選択,ドラムランプデータセットの処理が行なわれてS15に進み、そのセットされたデータが出力されて、ドラムランプが点灯制御される。一方、リセット回数が1,2,3,5,6,7の場合にはS14に進み飾りLED,ランプデータがセットされてS15によりそのセットされたデータが出力され、飾りLED27,26および各種ランプ18ならびに24が点灯または点滅制御される。次に、S16に進み入賞記憶エリア格納処理が行なわれ、S17に進みランダム1カウンタ,ランダム2カウンタ,ランダム3カウンタ,ランダム5カウンタの更新処理が行なわれる。このS17による処理は、定期リセット回路98からのリセット信号に基づく基本回路65のリセットが行なわれるまでの定期リセット待ち時間を利用して繰返えしカウント値の更新処理が行なわれる。ランダム3カウンタは、大当りを発生させないことが決定された場合にどの外れ図柄で停止制御するかを決定するためのカウンタであり、0〜5831の範囲内でカウントアップされる。ランダム5カウンタは、大当りを発生させないことが決定された場合にどの外れ図柄で停止制御するかを決定するためのカウンタであり、0〜5831の範囲内でカウントアップされる。ランダム5カウンタは、ラッキーナンバ用図柄を決定するためのカウンタであり、0〜99の範囲内でカウントアップされる。なお、ラッキーナンバとは、遊技場において所定のサービスを遊技者に与えるために予め決定されている番号であり、たとえば大当り発生時にその大当りの発生したパチンコ遊技機で表示されている番号が予め決定されたラッキーナンバと一致すれば、その大当りの発生に基づいて獲得した景品玉を景品交換するこなく再度遊技に使用できる等の特典が与えられる。
【0097】
図18は、S7で示された入賞情報入力処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【0098】
この入賞情報入力処理は、パチンコ玉が入賞した場合の入賞判定処理を行なうものである。まずS18によりポート入力が行なわれる。そして、S19により、賞球データ出力フラグがセットされているか否かの判断が行なわれる。この賞球データ出力フラグは、後述するS23およびS29によりセットされS32によりクリアされるものであり、パチンコ玉の入賞が判定されたことに基づきその入賞玉に基づいて払出すべき景品玉個数データである賞球データを払出集中制御基板側に出力するために必要となるフラグである。賞球データフラグがセットされていない場合にはS20に進み、払出制御基板からセンサAに対応する情報入力があったか否かの判断が行なわれ、入賞玉センサ170a(図5参照)に対応する入賞情報信号がフォトカプラ859aから入力された場合には、S21に進み、センサA入力カウンタを「1」歩進した後S22により入力判定値(たとえば「3」)になったか否かの判断が行なわれる。センサA入力カウンタのカウント値が入力判定値に達していない場合にはS22によりNOの判断がなされる。そして次回のこのサブルーチンプログラムの実行に際し再度S20によりセンサA情報入力ありと判断された場合にはS21によりセンサA入力カウンタがさらに「1」歩進されるのであり、このセンサA入力カウンタのカウント値が入力判定値に達するまでこのS20,S21の処理が繰返えされる。そしてセンサA入力カウンタのカウント値が入力判定値に達した場合にはS23に進み、賞球データ出力フラグがセットされ、賞球データを「5」にセットし、賞球データ出力カウンタをクリアする処理が行なわれる。一方、遊技場のノイズ等に起因したノイズ信号が入賞玉センサAから入賞情報入力回路853までのライン上から入力される場合があるが、そのノイズ信号はパルス幅がほとんど0に近い一瞬発生する信号であるために、たとえばそのノイズ信号に起因してS20によりYESの判断がなされたとしても、次回のこのサブルーチンプログラムの実行時にはそのノイズ信号が消えているためにS22よりNOの判断がなされることになるのであり、ノイズ信号に起因してセンサA入力カウンタのカウント値が入賞判定値に達することがなく、ノイズ信号に基づいて誤ってS52の処理が行なわれてしまう不都合が防止できる。このノイズ対策はセンサBについても同様に施されている。すなわち、センサA情報入力がなかった場合にはS24よりセンサA入力カウンタがクリアされ、次にS25よりセンサB情報入力があったか否かの判断がなされ、ある場合にはセンサAの場合と同様にS27によりセンサB入力カウンタが「1」歩進され、S28によりそのセンサB入力カウンタのカウント値が入賞判定値に達したか否かの判断が行なわれ、達した場合にのみS29の処理がなされるのである。またセンサB情報入力がなかった場合にはS26によりセンサB入力カウンタがクリアされる。
【0099】
S23またはS29より賞球データ出力フラグがセットされた場合には次回のこのサブルーチンプログラムの実行に際してはS19によりYESの判断がなされてS30に進み、賞球データ(S23は「5」,S29の場合には「15」)がゲーム制御用基板から払出集中制御基板側に出力される。また、S30により出力カウンタが「1」歩進されてS31によりその出力カウンタのカウント値が最大値(たとえば8)に達したか否かの判断が行なわれ、最大値に達していない場合には次回のサブルーチンプログラムの実行に際して再度S30により賞球データ出力処理と出力カウンタを「1」歩進する処理が行なわれる。そして出力カウンタのカウント値が最大値に達するまでこのS30の処理が繰返えし行なわれ、最大値に達した段階でS32に進み、賞球データ出力フラグがクリアされる。このように、賞球データ出力フラグがセットされた場合には、出力カウンタが最大値に達するまで賞球データがゲーム制御用基板から払出集中制御基板に出力され続けることとなり、払出集中制御基板では、出力カウンタが最大値に達するまでの所定時間継続して入力された賞球データに基づいてその賞球データに相当する個数の検出玉の払出制御を行なう。なお、出力カウンタの値によって賞球データの出力を終了する代わりに、払出集中制御基板から、入賞球情報が入力されなくなることによって、賞球データの出力を終了するようにしてもよい。
【0100】
図19ないし図22は、図9に示す制御回路による玉払出制御動作を示すフローチャートである。S201によりカード処理機接続信号があるか否かの判断が行なわれ、ない場合にはS202に進み、リレー355(図11参照)をONにして打球モータ612を不能動化して遊技ができない状態にする。次にS203に進み、エラーコード12を表示する制御が行なわれる。このエラーコードを表示する制御は、具体的には、ブザー359から警報音を発生するとともに、払出ランプ126と玉切れランプ127(図1参照)との点滅状態の組合せによってエラー内容の表示が行なわれる。このS203によるエラーコード表示は、カード処理機62側とパチンコ遊技機60側との接続が行なわれていない旨の表示である。後述する他の処理のエラーコードの表示も、ブザー359から警報音が発せられるとともに払出ランプ126と玉切れランプ127との点滅状態の組合せでエラー内容の表示が行なわれる。
【0101】
次にカード処理機接続信号があると判断された場合にはS204に進みレール玉切れ検出があったか否かの判断がなされ、ない場合にはS208に進むが、レール玉切れ検出スイッチ68a,68b(図4参照)からレール玉切れ検出信号が入力された場合にはS205に進み、タンク玉切れ検出があったか否かの判断がなされる。タンク玉切れ検出スイッチ150a,150b(図4参照)からの玉切れ検出信号がない場合にはS206に進み、玉切れランプ127が点滅制御される。一方、タンク玉切れ検出信号の入力があった場合にはS207に進み、玉切れランプ127が点灯制御される。つまり、タンク玉切れ検出スイッチ150a,150bから玉切れ検出信号があり、しかもレール玉切れ検出スイッチ68a,68b(図4参照)からの玉切れ検出信号の入力があったということは、玉タンク151およびタンクレール67内のパチンコ玉がなくなった場合であり、その場合には玉切れランプ127が点灯制御され、玉切れが発生した旨の表示が行なわれる。一方、タンク玉切れ検出スイッチ150a,150bから玉切れ検出信号が入力されないにも関わらずレール玉切れ検出スイッチ68a,68bから玉切れ検出信号が入力されたということは、タンク玉切れ検出スイッチ150a,150bとレール玉切れ検出スイッチ68a,68bとの間の流下径路途中で玉詰まりが発生し、玉が流下しない状態となっていること、あるいは、タンク玉切れ検出スイッチ150a,150bの故障が想定され、その場合には玉切れランプ127が点滅表示されてその旨の表示が行なわれる。S207の後S207aに進み、インターバルデータを+1し、連続賞球数カウンタをクリアする制御がなされる。インターバルデータとは今回の賞球動作が終了した後次回の賞球動作が開始されるまでのインターバル時間を定めるデータであり、図22(b)に示すようにテーブルの形で記憶されている。連続賞球カウンタとは、入賞玉が発生してからそれに伴なう賞球払出動作が終了した後0.5秒経過するよりも短かい時間間隔で発生した入賞玉の連続発生回数を計数するものである。
【0102】
次にS206またはS207aの制御が行なわれた後あるいはレール玉切れ検出がなくかつS208による満タンスイッチ126に基づいた満タン検出があった場合には、S209に進み玉払出中であるか否かの判断が行なわれ、玉払出中でない場合にはS201に戻るが、玉払出中である場合にはS210に進み払出モータ223を減速させた後停止制御する。つまり、玉タンク151およびタンクレール67内のパチンコ玉がなかった場合あるいはタンクレール67の途中箇所で玉詰まりが発生した場合さらには払出された景品玉が満タン状態となりそれ以上払出されない状態となった場合には、S210により玉の払出が停止されるのである。次にS211に進み、未払出数が「0」であるか否かの判断が行なわれる。この「未払出数」は、払出すべきパチンコ玉のうち未だに払出が行なわれていないパチンコ玉の数を意味し、S216,S238によりそれぞれの値にセットされ、S251により「1」ずつ減算され、S220によりクリアされる。
【0103】
そして、未払出数が「0」の場合には、S212に進み、カード処理機制御用マイクロコンピュータから玉貸要求信号があったか否かの判断が行なわれる。このS212の判断は玉貸優先タイマがタイムアップするまで繰返し行なわれ、玉貸優先タイマが終了するまでの間にカード処理機制御用マイクロコンピュータから玉貸要求信号がなかった場合にはS222に進む。この玉貸優先タイマは、一定期間に限り入賞玉の受付よりも玉貸要求の受付の方を優先させるために設けられたものであり、後述するS275によりセットされる。一方、玉貸優先タイマが終了する以前において、カード処理機制御用マイクロコンピュータから払出制御用マイクロコンピュータに玉貸要求信号が送られてきた場合には、S213に進み、タンク玉切れスイッチが玉を検出しているか否かの判断が行なわれる。玉タンク151内にパチンコ玉がなかった場合には玉貸要求信号に基づいて玉の払出制御ができないために、S214に進んで玉切れランプを点灯させた後S215に進むが、タンク玉切れ検出スイッチ150a,150b(図4参照)により玉タンク151内にパチンコ玉が存在することが検出された場合にはS216に進み、未払出数に貸玉数をセットするとともに、払出モードを「玉貸」にセットして玉貸動作のための制御が行なわれる。この玉貸優先タイマが終了するまでは玉貸動作のための制御が優先され、玉貸優先タイマが終了して始めてS222以後の入賞玉に基づく景品玉の払出制御を行なうようにしたために、貸出すべき玉の額が200円以上の場合に、景品玉の払出制御よりも玉貸動作のための制御の方が優先されることになる。なお、S216の「貸玉数」とは玉貸単位額(たとえば100円)に相当するパチンコ玉の個数でありたとえば25個に定められている。次に、S217に進み、玉貸指令タイマがセットされた後S218に進む。そして、この玉貸指令タイマが終了するまでS218による玉貸指令信号があるか否かの判断が繰返し行なわれるのであり、その間にS218により、玉貸指令信号が送信されてきたと判断された場合には、S221に進み、貸出中表示器を点滅開始させる制御が行なわれ、S240に進むが、送信されてこない場合には、S220により未払出数がクリアされた後にS201に戻る。
【0104】
次にS240では、未払出数が「4」以下であるか否かの判断がなされ、以下でない場合にはS241により、払出モータ223を起動パターンにセットした後にS243に進む。この払出モータ223はステッピングモータが用いられており、停止状態にある払出モータ223を無理なくスムーズに加速させる必要があるため、無理なくスムーズに加速できる程度のステッピングモータの制御パターンからなる起動パターンがS221によりセットされるのである。一方、未払出数が「4」以下の場合にはS242に進み、払出モータ223のモータ速度を減速パターンにセットする処理が行なわれた後にS243に進む。払出モータ223を起動させて加速させた後一定速度で回転させてその後減速させて停止させるという一連の加速定速減速パターンに従って払出モータ223を回転制御させた場合には、その一連の制御によりどうしても「5」以上の玉が払出されることとなるのであり、その一連の制御で払出される玉数未満の玉数を払出す場合には、S242によりモータ速度をいきなり減速パターンにセットし、減速パターンを終了した後停止制御となることにより「5」未満のパチンコ玉の払出が行なわれるように制御しているのである。
【0105】
S222では、入賞玉センサA170aが玉有りを検出したか否かの判断がなされ、玉有りを検出していなければS223Aに進み、入賞玉センサB170bが玉有りを検出した場合にはS228に進み、検出していなればS223Bに進み、玉の払出が払出センサ802bにより検出されたか否かの判断がなされ、検出されていなればS201に戻る。また、払出が検出された場合にはS223Cに進み、エラーコード1の表示が行なわれてS295に進む。つまり、入賞玉が入賞玉センサAおよび入賞玉センサBにより入賞玉が検出されないにも関わらず玉の払出が検出されるということは景品玉を払出すべきでないにも関わらず玉が払出されたということになるために、S223Cによりその旨のエラー表示が行なわれるのである。一方、入賞玉センサA(170a)により玉有りが検出された場合にはS224に進み、払出モードがAとなっているか否かの判断がなされ、払出モードがAになっていない場合にはS226に進み、払出モードをAにセットするとともに、S227によりセンサA入賞情報をゲーム制御用マイクロコンピュータ側に出力する処理が行なわれてS230に進む。一方、S220により払出モードが既にAとなっていると判断された場合にはS225に進み、入賞玉センサBが玉有りを検出したか否かの判断がなされ、NOの判断の場合にはS226に進むが、YESの判断の場合にはS228に進み、払出モードをBにセットする処理が行なわれた後S229によりセンサB入賞情報をゲーム制御用マイクロコンピュータ側に出力する処理が行なわれて、S232に進む。さらに、入賞玉センサAが玉有りを検出することなく入賞玉センサBが玉有りを検出した場合にも、S228に進み、払出モードをBにセットする処理が行なわれる。この処理を行なうことにより、入賞玉の処理が入賞玉センサAと入賞玉センサBと交互に行なわれるため、一方の入賞玉処理通路に未処理の入賞玉がたまってしまう不都合を防止できる。
【0106】
次に、S230では、賞球データ入力があるか否かの判断がなされる。ゲーム制御用マイクロコンピュータから払出制御用マイクロコンピュータ側に賞球データ(賞球個数データ)の入力がない場合(入力個数が0の場合)にはS231に進み、エラーコード11を表示する制御がなされた後S295に進む。つまり、打玉の入賞が検出されてそれに基づいた賞球データがゲーム制御用マイクロコンピュータから払出制御用マイクロコンピュータ側に入力されなければならないはずのときに、その賞球データの入力がない場合にS231によりその旨のエラーコードが表示されるのである。一方、賞球データの入力がある場合にはS232に進み、その入力されたデータを読込み、S233により、読込中にデータの内容が変化したか否かの判断が行なわれる。そして、読込データに変化がない場合にはS235に進み、読込終了したか否かの判断がなされ、読込終了するまで読込中データの確認が行なわれる。このS232によるデータの読込およびその読込データの内容が変化していないか否かの判断はたとえば8回繰返して行なわれこの繰返しの最中に読込データの内容が変化した場合にS234に進み、エラーコード9の表示が行なわれた後にS295に進む。一方、8回チェックの結果すべての読込データが変化しなかった場合にはS236に進み、賞球データが復帰したか否かの判断が行なわれる。このS235により読込が終了したと判断された場合には、ゲーム制御用マイクロコンピュータから払出制御用マイクロコンピュータ側への賞球データの入力が停止されるはずであり、この段階で賞球データの入力が停止しなかった場合(入力個数が0になっていない場合)にはその旨のエラー表示がS237により行なわれた後にS295に進む。一方、賞球データの復帰が正常に行なわれた場合には玉払出条件が成立してS238に進み、未払出数をゲーム制御用マイクロコンピュータから入力された入力個数にセットする処理が行なわれ、S239により払出ランプを点滅開始する制御が行なわれてS240に進む。
【0107】
図20のS243では、払出モータを回転させる制御が行なわれ、S244により、1個払出分モータが回転したか否かの判断が行なわれ、未だに1個払出分回転していない場合にはS245に進み、玉の払出が検出されたか否かの判断が行なわれる。モータが1個払出分回転して初めて玉が1個払出されるように構成されているにも関わらず、モータが1個払出分回転していないにも関わらず玉の払出が検出された場合には、異常であるためにS246によりその旨のエラーコードが表示された後S295に進む。一方、S245によりNOの判断がなされた場合にはS266に進み、タンク玉切れ検出スイッチ150a,150b(図4参照)によるタンク玉切れの検出が行なわれたか否かの判断がなされ、玉切れ検出が行なわれていない正常な状態の場合にはS268に進み、玉切れ復帰直後であるか否かの判断がなされ、玉切れ復帰直後でない場合にはS269に進み、入賞玉処理モードを通常時のモードにセットした後にS201に戻る。すなわち、玉タンク151内にパチンコ玉が貯留されている正常な状態であるために、入賞玉に基づく景品玉の払出制御が通常どおり行なわれるために、S269により入賞玉処理モードを通常時のモードにセットし、払出ソレノイド171a,171b(図5参照)が消磁されているインターバル期間をたとえば0.5秒程度の短い期間に制御し、比較的高速で景品玉の払出制御が行なえるように制御される。一方、S266によりタンク玉切れ検出が行なわれた場合にはS267に進み、玉タンク151内の玉がなくなった旨の表示が玉切れランプ127を点灯させることにより表示され、次にS270に進み、入賞玉処理モードが玉切れ時のモードにセットされた後S201に戻る。このS270により払出ソレノイド170a,170bが消磁されるインターバル期間がたとえば0.9秒程度の長い期間となり、それに応じて、入賞玉の検出に基づいた景品玉の単位時間あたりの払出回数が比較的少なくなるように制御される。なお、払出ソレノイド170a,170bの励磁期間は、玉切れ時モードおよび通常時モードに関わらず常にたとえば0.1秒程度の期間となっている。また、S268により玉切れ復帰直後であると判断された場合には、玉タンク150内に未だ十分な玉が貯留されていないために、所定期間だけS270の処理を行なう。
【0108】
次に、S244により、1個払出分回転したと判断された場合にはS247に進み、玉の払出が検出されたか否かの判断がなされ、検出されていない場合にはS248に進み、モータを所定角度逆転させた後同じ角度だけ正転させる制御が行なわれ、次にS249により玉の払出が検出されたか否かの判断が行なわれる。つまり、1個払出分払出モータが回転したにも関わらず玉の払出が検出されない場合には、玉が途中で引っ掛かって落下しないことが考えられるため、S248により払出モータを所定角度だけ逆転させて再度正転させることにより、その玉の引っ掛かりが解消されて正常に玉が落下して払出検出が行なわれる場合があるために、そのような払出モータの逆転および正転制御を1回だけ行ない、再度の払出の検出を行なうのである。そして、再度検出の結果、払出検出された場合にはS251に進むが、それでもなおかつ払出が検出されない場合にはS250に進みその旨の異常が発生したことをコード表示するのである。一方、S251では、玉が1個払出されたために未払出数を「1」減算する処理が行なわれ、S252に進み、払出モータが玉貸か否かの判断が行なわれる。そして、払出モードが玉貸である場合にはS257に進むが、払出モードが玉貸でない場合には景品玉の払出であるためにS253に進み、景品玉払出数を「1」加算し、S254に進み、景品玉の払出数が「a」に達したか否かの判断がなされ、達していない場合にはS257に進む。この「a」は補給装置153の補給玉検出器の出力単位個数と同じ値である。そして、景品玉払出数が「a」に達した場合にはS255に進み、補給情報を遊技機ターミナルボックス149,コネクタ156,155を介してホール用管理コンピュータに出力する処理がなされる。ホール用管理コンピュータでは、この景品玉払出信号に基づいて遊技場にとって不利益となる不利益球数を検出する。このように、所定個数の景品玉が払出される毎に景品玉払出信号が1パルスだけホール用管理コンピュータに出力されるのであり、この1パルスの景品玉払出信号が出力されるのに要する景品玉の払出個数が「a」であり、たとえば10個に設定されている。そして、景品玉払出信号が出力されるとS256により景品玉払出数がクリアされてS257に進む。
【0109】
S257では、払出モータ速度が起動パターンにセットされているか否かの判断がなされ、セットされている場合にはS258に進み払出モータ速度を加速パターンに更新する処理が行なわれてS266に進む。これにより、払出モータ速度が起動時の速度から加速時の速度に移行し、払出モータ223が無理なくスムーズに加速制御される。一方、モータ速度が既に加速パターンにセットされている場合にはS259によりYESの判断がなされてS260に進み、払出モータ速度を定速パターンに更新する処理がなされてS266に進む。つまり、払出モータ速度が既に加速パターンにセットされてスムーズな加速が行なえた場合には次に加速された後の一定速度で払出モータを回転制御するのである。次に、モータ速度が既に定速パターンにセットされている場合にはS261によりYESの判断がなされてS262に進み、未払出数が「2」であるか否かの判断がなされ、未払出数が「2」になっていない場合には払出モータ速度が定速パターンのまま維持されてS266に進むが、未払出数が「2」になった場合にはS263に進み払出モータ速度を減速パターンに更新し、未払出数が残り少なくなったことに伴って払出モータの回転速度をスムーズに減速させる制御に移行する。一方、払出モータ速度が既に減速パターンにセットされている場合にはS264に進み、未払出数が「0」に達したか否かの判断がなされ、達していない場合にはモータ速度が減速パターンのままS266に進むが、達した場合にはS265に進み、払出モータ速度を停止パターンにセットして払出モータの回転を停止させた後にS271に進む。
【0110】
図21のS271では、払出モードが「玉貸」であるか否かの判断がなされ、「玉貸」である場合にはS272により、玉貸完了信号をカード処理機制御用マイクロコンピュータに出力する処理がなされ、S273に進み、貸出中表示器を消灯し、S274に進み、遊技用ターミナルボックス149,コネクタ158,157を介してホール用管理コンピュータに玉貸情報を出力する処理が行なわれる。この玉貸情報とは、単位額分(たとえば100円)のパチンコ玉がカードを用いて貸出されたことによる単位額分のパチンコ玉の売上信号を意味し、この信号を受信したホール用管理コンピュータが、カードによる売上額の集計を行なう。次にS275により玉貸優先タイマのセットが行なわれてS201に戻る。
【0111】
一方、払出モードが「玉貸」でない場合、すなわち景品玉の払出の場合には、S276に進み、払出モードがAすなわち入賞玉センサA170a(図5参照)の入賞玉検出信号に基づく玉の払出か否かの判断が行なわれ、YESと判断された場合にはS277に進み、入賞玉センサAが玉有りを検出したか否かの判断がなされる。入賞玉センサAに基づく玉の払出モードであるにも関わらず入賞玉センサAが玉を検出していない場合には入賞玉センサAの故障等の異常が発生したことが想定され、S278によりその異常がエラーコード6により表示される。一方、入賞玉センサAが玉有りを検出した場合にS279に進み、排出ソレノイドA(171a)をONにして入賞玉センサA(170a)の検出部に位置するパチンコ玉の落下を阻止しているアクチュエータ25aを退避させて入賞玉が落下可能な状態にする。次にS280に進み、排出ソレノイドAを励磁する励磁時間(たとえば0.1秒)が終了したか否かの判断がなされ、終了するまで排出ソレノイドAを励磁する。そして、終了した段階でS281に進み、排出ソレノイドAの励磁を解除してS282に進み、入賞玉センサA(170a)が玉有りを検出したかいなかの判断がなされる。排出ソレノイドA(171a)が励磁されて入賞玉が下方に排出されたはずであるにも関わらず依然入賞玉センサAが玉有りを検出している場合には、故障等の異常が発生したことが想定されるためにS283によりその異常原因をコード4によって表示させる。一方、入賞玉センサAが玉有りを検出しなくなった正常な状態の場合にはS291に進む。
【0112】
S276によりNOの判断がなされた場合にはS284に進み、入賞玉センサB(170a)の検出信号に基づく玉の払出か否かの判断がなされ、入賞玉センサAに基づく玉の払出でもなく入賞玉センサBに基づく玉の払出でもない場合には異常が発生しているために、S285によりその異常原因がコード7により表示される。一方、入賞玉センサBに基づく玉の払出の場合にはS286に進み、前述したS279ないしS283の制御と同様に排出ソレノイドB(171b)による入賞玉の排出制御が行なわれる。
【0113】
次にS291では、入賞玉処理モードが通常時のモードであるか否かの判断がなされる。この通常時とは、前記S269により入賞玉処理モードとしてセットされたものであり、通常時の場合にはS291aに進み、インターバルタイマにインターバル時間がセットされる。このインターバル時間は、インターバル時間データテーブル(図22(b)参照)に記憶されている複数の時間データのうちのある1つの時間データである。このインターバル時間データは、電源投入時に添字「2」に記憶されている760msecとなっており、S207aのステップが実行される毎に添字が「1」ずつ加算更新され、後述するS291kのステップが実行される毎に添字が「1」ずつ減算更新され、現時点における添字に対応する時間データがこのS291aによりセットされるのである。
【0114】
一方、処理モードが通常時ではない玉切れ時(S270参照)の場合にはS291bに進み、インターバルタイマに玉切れ時時間がセットされる。この玉切れ時時間はたとえば0.9秒(900msec)程度である。
【0115】
次にS291cに進み、セットされたインターバルタイマが終了したか否かの判断がなされ、終了していない場合にはS291dに進み、玉有り検出フラグがセットされているか否かの判断がなされる。この玉有り検出フラグとは、入賞玉センサA(170a)または入賞玉センサB(170b)(図5参照)が入賞玉の存在を検出している場合にセットされるものである。玉有り検出フラグがセットされていない場合にはS291eに進み、入賞玉センサAまたはBが玉有りを検出したか否かの判断がなされ、玉有りを検出していない場合にはS291cに戻る。一方、玉有りを検出している場合にはS291fに進み、玉有り検出フラグがセットされる。つまり、入賞玉の発生に基づいた景品玉の払出動作が終わった段階で入賞玉センサA(170a)または入賞玉センサB(170b)により検出されている入賞玉をソレノイドの励磁により下方に落下させた段階で既に後続の入賞玉が発生している場合、あるいは、S291cによるインターバルタイマが終了したと判断されるまでの間に後続の入賞玉が発生した場合には、S291eによりYESの判断がなされてS291fにより玉有り検出フラグがセットされるのである。次にS291gに進み、前回の賞球動作が終了した後(インターバルタイマがセットされた後)0.5秒以内であるか否かの判断がなされ、0.5秒以内の場合にはS291iに進み、連続賞球数カウンタが「1」加算され、S291jにより、その連続賞球数カウンタの値が16に達したか否かの判断がなされ、16に達していない場合にはS291cに戻る。そして、16に達した段階でS291kに進み、インターバルデータが「1」減算更新され、連続賞球数カウンタがクリアされてS291cに戻る。つまり、入賞玉が短期間の間に連続して発生し、その発生の時間間隔が、前回の賞球動作が終了してから0.5秒経過する時間よりも短い場合には、その短い時間間隔で発生した入賞玉の発生回数が連続賞球数カウンタでカウントされるのであり、そのカウント数が16に達した段階で前記S291kの処理がなされるのである。その結果、インターバル時間データテーブルの添字が「1」減算更新されるために、インターバル時間が短くなる。次にS291cにより、インターバルタイマが終了したと判断された場合にはS291mに進み、玉有り検出フラグがクリアされてS201に戻る。その後玉貸要求信号がなくかつ入賞玉が発生している場合には、S222以降の入賞玉の検出に基づいた次回の賞球動作が実行される。
【0116】
このように、入賞玉が発生してからその入賞玉に伴う賞球動作が終了した後0.5秒経過するまでの時間よりも短い時間間隔で連続して16回入賞玉が発生した場合には、インターバルデータが減算更新されて短い時間がインターバルタイマにセットされることとなるために、今回の入賞玉に基づいた賞球動作が終了してから次回の入賞玉に基づいた賞球動作が実行されるまでのインターバル時間が短くなり、早いテンポで賞球動作が実行されて単位時間当りの玉払出個数が増加する状態となる。一方、玉タンクの玉がなくなってしかもレール玉切れ状態が検出された場合には、S207aによりインターバルデータが1加算更新されてインターバル時間が長い時間に更新されるために、今回の入賞玉に基づいた賞球動作が終了してから次回の入賞玉に基づいた賞球動作が実行されるまでのインターバル時間が長くなり、遅いテンポで賞球動作が実行されることになるために、単位時間当りに払出される玉数が少なくなるので、玉タンクへの補給能力があまり高くない遊技場に設置された場合であっても、玉タンクやレールでの玉切れ現象が頻発するのを防止することができる。
【0117】
前記S291a,291c〜S291k,S291mにより、前記玉払出条件の成立状況に応じて前記玉払出手段により単位時間当りの払出個数を変動調整する払出速度調整手段が構成されている。また、前記S204,S205,S207a,S291a,S291c,S291mにより、前記玉欠乏検出手段の検出状況に応じて前記玉払出手段による単位時間当りの払出個数を変動調整する払出速度調整手段が構成されている。
【0118】
次に、図22(a)のS295では、リセット操作があったか否かの判断がなされ、ない場合にはS296により、エラーコードの種類(コード1ないしコード12)に応じてランプ,ブザーを制御する処理がなされ、リセットボタン147(図4参照)の押圧操作があった場合にS297に進み、エラーコードをクリアしてエラー発生時の状態に復帰する処理が行なわれる。なお、本実施の形態では、点灯表示と点滅表示により、流下玉状態の報知態様を異ならせるようにしたが、態様の違いを認識できるものであれば、たとえば点滅速度を異ならせたり、ランプを別個に設けて玉切れと玉詰りを専用に表示する等他の報知態様であってもよい。また、ブザーやスピーカ等により、玉切れ時と玉詰り時とで音を切換えることにより報知の態様を異ならせるようにしてもよい。
【0119】
図23は、カード処理機とパチンコ遊技機の動作タイミングを説明するためのタイミングチャートを表わす図である。
【0120】
まず電源が投入され(パワーオン)、Aの時点で玉貸準備信号線がONとなりパチンコ遊技機側の払出可能信号が出力される。次に、カードが受付けられたBの時点でカード挿入表示器132と玉貸可表示器48dとがONになる。次に、玉貸操作検出器44dがONになり遊技者の玉貸操作が検出され、Cの時点で玉貸操作有りの検出が行なわれる。この時点で、玉貸可表示器48dがOFFになって消灯されるとともに、玉貸可能信号線がONになり、カード処理機62が玉貸可能状態となる。このCの時点から所定の遅延時間a(たとえば20msec)だけ経過したDの時点で、玉貸要求信号線がONになり玉貸要求信号がカード処理機62からパチンコ遊技機60側に出力される。この所定の遅延時間aを設けた理由は玉貸可能信号線がONになったことをパチンコ遊技機側で判定するのに十分な時間を設けてノイズによる誤動作を防止するためである。
【0121】
このDの時点から、前記SA18に示した玉貸準備確認タイマT1で計測される玉貸準備信号確認時間b(b≦T1)が経過したEの時点で、払出状態信号線がONになり玉貸準備信号がパチンコ遊技機60側からカード処理機62側に出力される。この時点から玉貸指令信号確認時間cが経過したFの時点で、玉貸要求信号線がOFFになりこれを以って玉貸指令信号がカード処理機62側からパチンコ遊技機60側に出力されたものとされる。この時点からSA29に示した玉貸確認タイマT3によって計測される玉貸完了信号確認時間d(d≦T3)が経過したGの時点で、払出状態信号線がOFFになりこれを以って玉貸完了信号がパチンコ遊技機60側からカード処理機62側に出力されたものとされる。さらにこの時点から次玉貸要求信号確認時間eだけ経過したDの時点で玉貸要求信号線がONになり次の玉貸要求信号がカード処理機62側からパチンコ遊技機60側に出力されて、前述と同様に玉貸準備信号の出力,玉貸指令信号の出力,玉貸完了信号の出力が繰返される。そして、図23では、玉貸要求信号の出力,玉貸準備信号の出力,玉貸指令信号の出力,玉貸完了信号の出力を合計3回繰返し、最後の玉貸完了信号が出力された時点から次玉貸要求信号確認時間eの間に玉貸要求信号が出力されなかった場合に、玉貸可能信号線がOFFに切換わる。次に返却操作検出器42dがONになりHの時点で遊技者の返却操作有りの検出が行なわれ、その時点でカード挿入表示器132が点滅するとともに玉貸可表示器48dがOFFになり消灯する。そしてIの時点でカードが遊技者側に返却される。
【0122】
図24は、カード処理機62の動作を説明するための機能ブロック図である。図24(a)に示すように、カード処理機62に挿入されている共通カードに残高がある場合には、その挿入されている共通カードがカードリーダライタ内に保持される。その状態で、遊技者が玉貸ボタン44cを押圧操作すれば、挿入されている共通カードの残高が玉貸設定すなわち貸玉額以下であるか否かの判断がなされる。そして以下の場合には前述したように挿入されている共通カードの残額分だけの貸玉を払出す。
【0123】
一方、共通カードがカードリーダライタ内に保持されたまま所定時間が経過して所定条件が成立した場合には(図13のSA9a参照)、カード残高有りのメッセージ表示が行なわれる。このメッセージ表示は、たとえばカード残高表示器50により行なう。そして、挿入されているカードを排出するとともに排出した旨の報知を行なう。前記SA33aとSA9aにより、前記記録媒体読取手段に保持されている前記記録媒体の記録情報によって特定される遊技者所有の有価価値が残存しており、かつ、所定条件が成立したことを検出する条件検出手段が構成されている。そして、この条件検出手段の検出出力に基づいて、前記残存している有価価値を遊技者が忘失しないための動作が行なわれるのである。前記条件検出手段は打玉の発射操作が停止されたことや玉抜きレバー作動検出器552からの検出出力があったことを検出するものでもよい。
【0124】
図24(b)は、カード処理機62内に挿入されている共通カードの残高が0になった場合を示している。カード残高が0になった場合には、共通カードの一部がカード挿入・排出口133から外部に露出する程度にカードを排出し、遊技者がそのカードを引き抜くことができる状態にするとともに、第1の報知を行なう。その共通カードの一部が外部に露出した状態で0になった共通カードが保持され、その状態で所定時間が経過すれば、第2の報知を行なう。前記第1の報知により、遊技者に対し0カードを引き抜くことを促し、それにもかかわらず遊技者が0カードを引き抜かなかった場合には、第2の報知により遊技場の係員に対し0カードが放置されたままとなっている旨を知らせ、遊技場の係員がその放置されている0カードを引き抜くことができるようにする。
【0125】
図25は、カード処理機62の動作を説明するための機能ブロック図である。図25(a)に示すように、前面枠576′やガラス扉枠577や前面板564が開成されれば、前面枠等検出器553の検出信号がカード処理機制御用マイクロコンピュータ300に入力され、前面枠やガラス扉枠あるいは前面板が開放されたことが検知され、貸玉払出中であれば最小単位の払出で玉貸動作を中止するとともに、以降の玉貸を禁止し、玉貸可ランプ48を消灯する。また、パチンコ遊技機60に特定遊技状態(大当り状態)が発生した場合には、その旨の信号が特定遊技状態検出器554からカード処理機制御用マイクロコンピュータ300に入力され、所定時間が経過した後前述と同様に貸玉払出中であれば最小単位の払出で中止し、以降の玉貸の禁止をして玉貸可ランプ48dを消灯する。また、パチンコ遊技機60に入賞が発生した場合には、賞球の払出制御を行なうとともに、貸玉払出中であれば最小単位の払出で中止して以降の玉貸の禁止を行ない、玉貸可ランプを消灯する。このように、特定遊技状態が発生した場合や打玉の入賞が発生した場合には、賞品玉が打球供給皿59内に払出されるために、わざわざ貸玉を払出す必要がなくなるために、その場合には最小単位の貸玉の払出で中止して以降の玉貸を禁止するようにしたのである。この最小単位の貸玉の払出とは、本実施の形態においては、前述したように100円分の貸玉の払出である。
【0126】
図25(b)は玉貸動作中にその玉貸動作を途中で中止する場合を示している。まず遊技者が玉貸ボタン44cを押圧操作してそれに伴って貸玉が払出されている最中に、遊技者が返却ボタン42cを押圧操作した場合、あるいは玉貸ボタン44cを再度押圧操作した場合、または打球操作ハンドル121の打球操作を停止した場合には、最小単位(100円分)の貸玉の払出で中止する。なお、返却ボタンの操作による払出の中止と玉貸ボタンの操作による払出の中止とハンドル停止による払出の中止とのうち、少なくとも1つ以上の中止機能を有するものであってもよい。なお、図25、図26に示した動作の特徴部分以外の動作は、図13〜図22と同様である。
【0127】
図26は、カード残高表示器50(図1参照)の表示動作を説明するための作用説明図である。図26(a)に示すように、カード残高表示器50は、LEDまたは液晶からなる7セグメント表示器で構成されている。そして、電源投入時においては、(b)に示すように、まず中継器設定アドレスが表示され、次に貸出金額設定表示がなされ、最後に売上パルス幅設定値の表示が行なわれる。この中継器設定アドレスとは、カード処理機62を使用してのパチンコ玉の貸出に伴う売上データを遊技場のホストコンピュータであるホール用管理コンピュータに送信する際に、その送信元をホール用管理コンピュータが識別できるようにするためのデータであり、各カード処理機62によりそれぞれ異なったデータとなっている。貸出金額設定とは、1回のパチンコ玉の貸出操作に伴って払出される貸玉に相当する金額に関するデータであり、予め設定されたデータである。売上パルス幅設定値とは、カード処理機62を使用してのパチンコ玉の貸出に伴う売上データをホール用管理コンピュータに送信する際の出力パルス幅が複数種類定められており、その複数種類の中からどのパルス幅のものが設定されているかを表わすデータである。
【0128】
(c)に示すように、カード処理機62に共通カードが挿入された場合には、カード残高表示器50により、その挿入されたカードに記録されている残高が表示される。そして、(d)に示すように、玉貸ボタン44d(図1参照)が押圧操作された場合には、カード残高表示器50により、まずカード残高が表示され、次にカード残高減算点減表示が行なわれ、次に再度カード残高減算点減表示が行なわれ、最後に貸出後のカード残高が表示される。この実施の形態では、1回の貸出操作により、300円分の玉貸が行なわれるように設定されており、100円ずつ3回に分けて玉貸動作が行なわれるために、挿入されたカードの残高が表示されている段階から、100円分減算されたカード残高減算点減表示が行なわれ、さらに100円分減算されたカード残高減算点減表示が行なわれ、さらに100円分減算された最終の貸出後のカード残高表示が行なわれる。
【0129】
次に(e)に示すように、エラーが発生した場合には、カード残高表示器50により、カード残高の表示と発生したエラーの種類や原因を示すためのエラーコードの表示とが交互に切換表示される。次に(f)に示すように、端数表示スイッチ136(図1参照)が1回押圧操作された場合には、「F1」の表示が0.5秒行なわれ、次に挿入されているカードのカード残高の端数の値が1.5秒表示され、次に「F2」が0.5秒表示され、次に挿入されている共通カードのカード残高の表示が1.5秒行なわれ、次に「F3」の表示が0.5秒行なわれ、次に挿入時の共通カードのカード残高の表示が1.5秒行なわれ、次に「F4」の表示が0.5秒行なわれ、次に貸出前のカード残高の表示が1.5秒行なわれる。この貸出前のカード残高とは、複数回貸出操作が行なわれた場合における最後から2番目の貸出操作が行なわれた後のカード残高である。また、F1〜F4は、それぞれ次に表示すべき情報の種類をコード表示したものであり、たとえば「F1」は、これから端数値表示を行なう旨を意味しており、「F2」は、これからカード残高表示を行なう旨を意味している。なお、「F2」に示した種々の表示内容はその表示順序を変更してもよい。また、(f)は、端数表示スイッチ136を1回押圧操作した場合に自動的に表示切換するものを示しているが、端数表示スイッチ136を押圧操作する毎に表示切換がなされるように構成してもよい。
【0130】
(g)に示すように、端数表示スイッチ136を2回押圧操作すれば、まず「F5」が表示され、次にエラーコード内容が表示される。このエラーコード内容の表示とは、エラー履歴を表示させるためのものであり、前回発生したエラーの内容が表示される。次に「F6」が表示され、次にID番号設定値が表示され、次に「F7」が表示され、次に売上パルス幅設定表示がなされ、次に「F8」が表示され、次に貸出金額設定表示が行なわれる。F5〜F8は、次に表示すべき表示データの種類を示すためのものであり、各々0.5秒だけ表示される。そしてエラーコード内容表示等の実際のデータの表示は、1.5秒間表示される。なお、ID番号設定値とは、カード処理機62を使用して貸出される貸玉に相当する売上データをホール用管理コンピュータに送信する際に、その送信元がホール用管理コンピュータで識別できるようにするためのデータである。
【0131】
図27は、カード残高表示器50でのデータの表示における他の例を示す作用説明図である。この別実施の形態では、カード残高表示器50は液晶表示器で構成されており、文字等が表示できるように構成されている。そして、このカード残高表示器により、具体的なデータが表示されるとともに、その表示されたデータの内容を表わす文字等が同時に画面に表示される点が図26と相違する。
【0132】
図27(a)に示すように、電源投入時においては、中継器アドレス,貸出金額,売上パルス幅が、たとえば2秒等の所定の時間が経過する毎に切換表示される。(b)に示すように、貸出スイッチが押圧操作された場合には、貸出前のカード残高がまず表示された後、100円ずつ減額されたカード残高が表示される。エラー発生時においては、(c)に示すように、カード残高と発生したエラーコードの種類(原因)を示すコードとが交互に切換表示される。なお、(e)に示すように、エラー発生時においては、「エラーコード」の文字と発生したエラーの種類を示すエラーコードデータとを同時に画面に表示した後、発生したエラーの原因を示す文字を表示し、その後発生したエラーを修復するための処置を示す文章を表示するようにしてもよい。このエラー原因の文字やエラー処理の文字は情報量が多い場合にはスクロール表示させてもよい。また、エラーコード表示から端数表示スイッチ136を押圧操作することによりエラー原因,エラー処置の表示が切換表示されるようにしてもよい。
【0133】
(d)に示すように、端数表示スイッチを1回押圧操作することにより、端数,カード残高,挿入前残高,貸出前残高が切換表示される。(f)に示すように、端数表示スイッチを2回押圧操作することにより、エラーコード,ID番号,売上パルス幅,貸出金額が切換表示される。
【0134】
以上説明した実施の形態においては、玉払出条件の成立状況に応じて玉払出速度を変動調整する払出速度調整手段と、玉払出手段により払出すべき玉の欠乏状況に応じて玉払出手段による払出速度を変動調整する払出速度調整手段との2種類の調整手段を兼ね備えたものを示したが、前記2種類の払出速度調整手段のうちの一方のもののみを有するものであってもよい。またインターバルデータの減算更新は景品玉の払出状況ばかりでなく貸玉の払出状況をも加味して行なってもよい。また、前記共通カードは、磁気カードの他に、ICカード、光ディスクメモリを利用したカード、バーコードを利用したもの等、どのような種類のものであってもよい。
【0138】
【発明の効果】
請求項1に記載の本発明によれば、貸玉額に相当する玉貸しを弾球遊技機に実行させるための回数分の玉貸指令信号の送信が終了していなくても、特定遊技状態の発生に応じて玉貸制御が中止されて、玉貸制御の中止前に送信した玉貸指令信号に基づく最小単位額相当の玉貸しで玉の払出しが終了されるため、特定遊技状態が発生した場合に、必要のない貸玉が継続して払出されることを防止できる。
【0142】
請求項2に記載の本発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、特定遊技状態の発生が判別されたことに応じて玉貸制御が中止されるとともに、以降の玉貸操作手段の操作が無効になるため、誤操作による貸玉の払出しを防止できる。
【0143】
請求項3に記載の本発明によれば、請求項1または請求項2に記載の発明の効果に加えて、貸玉額に相当する玉貸しを弾球遊技機に実行させるための回数分の玉貸指令信号の送信が終了していなくても、返却操作手段または玉貸操作手段の操作があれば、玉貸制御が中止されて玉貸制御の中止前に送信した玉貸指令信号に基づく最小単位額相当の玉貸しで玉の払出しが終了される。
【図面の簡単な説明】
【図1】パチンコ遊技機およびカード処理機を示す全体正面図である。
【図2】打球供給皿の分解斜視図である。
【図3】前面板に設けられている各種機器を示す分解斜視図である。
【図4】パチンコ遊技機およびカード処理機の一部内部構造を示す全体背面図である。
【図5】入賞玉処理装置の構造および動作を示す構成図である。
【図6】玉払出器の構造を示す縦断面図である。
【図7】玉払出器の構造を示す横断面図である。
【図8】カード処理機制御用の回路を示すブロック図である。
【図9】払出制御用の回路を示すブロック図である。
【図10】ゲーム制御用の回路を示すブロック図である。
【図11】パチンコ遊技機とカード処理機との間での信号の送受信を行なうための回路を示す回路図である。
【図12】払出制御用マイクロコンピュータとホール用管理コンピュータとの間での信号の送信を行なうための回路を示す回路図である。
【図13】図8に示す制御回路の動作を説明するためのフローチャートである。
【図14】図8に示す制御回路の動作を説明するためのフローチャートである。
【図15】図8に示す制御回路の動作を説明するためのフローチャートである。
【図16】図8に示す制御回路の動作を説明するためのフローチャートである。
【図17】図10に示す制御回路の動作を説明するためのフローチャートである。
【図18】図10に示す制御回路の動作を説明するためのフローチャートである。
【図19】図9に示す制御回路の動作を説明するためのフローチャートである。
【図20】図9に示す制御回路の動作を説明するためのフローチャートである。
【図21】図9に示す制御回路の動作を説明するためのフローチャートである。
【図22】(a)は図9に示す制御回路の動作を説明するためのフローチャートであり、(b)はインターバル時間データテーブルを示す図である。
【図23】カード処理機とパチンコ遊技機の動作タイミングを示すタイミングチャートである。
【図24】カード処理機の動作を説明するための機能ブロック図である。
【図25】カード処理機の動作を説明するための機能ブロック図である。
【図26】カード残高表示器の表示動作を示す動作説明図である。
【図27】カード残高表示器の他の例における表示動作を示す動作説明図である。
【符号の説明】
60はパチンコ遊技機、62はカード処理機、63は玉払出器、146は払出集中制御基板、148′はゲーム制御用基板、350は払出制御用マイクロコンピュータ、223は払出モータ、48dは玉貸可表示器、50はカード残高表示器、150a,150bはタンク玉切れスイッチ、68a,68bはレール玉切れスイッチ、170aは入賞玉センサA、170bは入賞玉センサB、565は玉抜きレバー、553は前面枠等検出器、44cは玉貸操作ボタン、550はモード切換ボタン、555は玉欠乏検出器A、556は玉欠乏検出器B、42cは返却操作ボタン、136は端数表示スイッチ、127は玉切れランプ、126は払出ランプ、67は玉誘導レール、151は玉タンクである。
Claims (3)
- 遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する制御手段を含み玉貸しの指令に応じて玉払出器を駆動して遊技に用いる玉を貸出す玉貸しを実行する弾球遊技機と通信し、記録媒体の記録情報により特定される残額を使用して前記弾球遊技機に玉貸しを実行させるための処理を行なう記録媒体処理機であって、
前記弾球遊技機に設けられた玉貸操作のための玉貸操作手段の操作を検出する玉貸操作検出手段と、
該玉貸操作検出手段が前記玉貸操作手段の操作を検出したときに、予め設定された貸玉額に相当する玉貸しを前記弾球遊技機に実行させる玉貸制御手段とを含み、
該玉貸制御手段は、
前記弾球遊技機からの前記特定遊技状態の発生を示す信号の入力の有無を判別することによって前記特定遊技状態の発生を判別する特定遊技状態判別手段と、
前記貸玉額の範囲内の所定の最小単位額相当の玉貸しを指令する玉貸指令信号を前記弾球遊技機へ送信する玉貸指令信号送信手段とを含み、
前記玉貸操作検出手段が前記玉貸操作手段の操作を検出したときに、前記玉貸指令信号を送信して前記弾球遊技機に前記最小単位額相当の玉貸しを実行させることを繰り返すことにより、前記貸玉額に相当する玉貸しを前記弾球遊技機に実行させる玉貸制御を行ない、
前記玉貸制御手段は、前記貸玉額に相当する玉貸しを前記弾球遊技機に実行させるための回数分の前記玉貸指令信号の送信を終えていなくても、前記特定遊技状態判別手段により前記特定遊技状態の発生が判別されたことに応じて前記玉貸制御を中止することにより、玉貸制御の中止前に送信した玉貸指令信号に基づく前記最小単位額相当の玉貸しで前記弾球遊技機に玉の払出しを終了させることを特徴とする、記録媒体処理機。 - 前記玉貸制御手段は、前記特定遊技状態判別手段により前記特定遊技状態の発生が判別されたことに応じて前記玉貸制御を中止するとともに、以降の前記玉貸操作手段の操作を無効とすることを特徴とする、請求項1に記載の記録媒体処理機。
- 前記記録媒体処理機に挿入された前記記録媒体を排出させるために前記弾球遊技機に設けられた返却操作手段の操作を検出する返却操作検出手段をさらに含み、
前記玉貸制御手段は、前記返却操作検出手段が前記返却操作手段の操作を検出したとき、または、前記玉貸操作検出手段が前記玉貸操作手段の操作を検出したときに、前記貸玉額に相当する玉貸しを前記弾球遊技機に実行させるための回数分の前記玉貸指令信号の送信を終えていなくても前記玉貸制御を中止することにより、玉貸制御の中止前に送信した玉貸指令信号に基づく前記最小単位額相当の玉貸しで前記弾球遊技機に玉の払出しを終了させることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の記録媒体処理機。
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