JP3577262B2 - フィルタ回路およびそれを用いた高周波通信回路装置 - Google Patents
フィルタ回路およびそれを用いた高周波通信回路装置 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明はフィルタ回路およびそれを用いた高周波通信回路装置に関し、特に、入力端子に入力された信号のうちの予め定められた周波数成分を出力端子に選択的に通過させるフィルタ回路およびそれを用いた高周波通信回路装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
フィルタ回路は、低い周波数帯では、コイルやキャパシタなどの個別部品を結線して作られることが多い。しかし、マイクロ波やミリ波帯のような高周波帯では、分布定数型の回路で作られるのが一般的である。
【0003】
図18は、代表的な分布定数フィルタであるエッジカップルドフィルタの構成を示す斜視図である。このフィルタは、分布定数線路として最も一般的なマイクロストリップ線路に設けられるものである。図18において、このフィルタは、アルミナセラミックなどの絶縁体で形成された基板150を含む。基板150の裏面全面にはグランド層151が形成されている。線路152,153は高周波伝送線路であるマイクロストリップ線路の一部であり、それぞれフィルタの入力端子および出力端子を構成する。線路154,155は、いわゆるλ/2開放線路共振器を構成している。ここでいうλとは、フィルタ回路の中心周波数の近傍の周波数において、線路を伝搬する電気信号の波長のことである。マイクロストリップ線路152,153およびλ/2開放線路共振器154,155は、通常は、絶縁体基板150の表面に印刷やフォトリソグラフィなどの手段によって一括して精度よくパターニングされる。そのため、図18のような構造の平面回路フィルタは、一般的に低コストで生産性に優れたフィルタ回路として知られている。
【0004】
以下、本明細書では、図18で示したマイクロストリップ線路で構成された分布定数型フィルタ回路を中心に説明を行なう。しかし、本発明の趣旨は、このようなフィルタに限定されるものではない。コプレナ線路によるフィルタ回路や、一部の回路素子を集中定数個別部品で置換えた半集中定数型フィルタ回路などにも、容易に適用することが可能である。また、以下、本明細書では、分布定数フィルタの構造を示す図として、簡略化のため、基板を真上から見た平面図のみを示す。
【0005】
図18の構造の等価回路を図19(a)(b)に示す。以下、本明細書では、理解を容易にするために、等価回路を2段階に分けて示す。まず、図19(a)は、図18の構造と1対1で対応がとりやすいように、分布定数線路を多用して表現した等価回路である。しかし、図19(a)のような分布定数線路を含む等価回路は、後にシミュレーションを行なう際にやや不便である。市販の高周波回路シミュレータを使って計算するとして、どのメーカのどの製品を使うかによって若干ながら計算結果が異なったり、パラメータの定義方法がまちまちであったりしてわかりにくい。そこで本明細書では、図19(b)の集中定数のみによる等価回路も併記し、シミュレーションは主に集中定数のみによる等価回路を用いて行なっている。図19(a)(b)の2つの形式の等価回路は、フィルタの共振周波数の近傍においては全く等価である。これは、λ/2開放線路共振器は、その共振周波数の近傍では、一端が接地されたLC並列共振回路と等価になるためである。
【0006】
図19において、一端が接地されたコイル154aおよびキャパシタ154bを含むLC並列共振回路154と一旦が接地されたコイル155aおよびキャパシタ155bを含むLC並列共振回路155は、それぞれ図18のλ/2開放線路共振器154,155と対応している。コイル154a,155aの各々は所定のインダクタンスL1を有し、キャパシタ154b,155bの各々は所定のキャパシタンスC1を有する。共振周波数においては、λ/2開放線路共振器の中央部は等価的に接地され、両端の開放端ではインピーダンスが無限大に近くなるためである。図19のキャパシタンスC2を有するキャパシタ156,157は、図18の電磁界結合部156,157と対応している。電磁界結合部156,157では、マイクロストリップ線路152,153とλ/2開放線路共振器154,155が、互いの開放端の位置をλ/4以下程度の距離だけ離して接近して配置されている。このような場合、容量結合を主体とした電磁界結合が起こることが知られている。図19のキャパシタンスC3を有するキャパシタ158は、図18の電子界結合部158と対応している。電磁界結合部158では、線路154,155の開放端同士が接近して配置されている。このような場合、容量結合を主体とした電磁界結合が起こることが知られている。
【0007】
本発明は、特に、ミリ波帯のような超高周波帯で使用するフィルタ回路を目的としている。そこで、図19(b)の等価回路を60GHz帯で最適設計した一例を示す。図20(a)(b)は、そのフィルタの周波数特性図である。通過帯域は、本明細書では一貫して、58〜61GHzとして設計している。C1=0.3661pF、C2=0.0527pF、C3=0.02884pF、L1=0.01699nHとした。図20において、横軸は周波数[GHz]であり、縦軸はSパラメータの絶対値のdB表示である。図20には、通過特性を表わすS21と、反射特性を表わすS11を同時にプロットしてある。また、図20(a)は広帯域の特性を示し、図20(b)は通過帯域近傍の特性を示している。この図20からわかるように、図18の構造のフィルタは、バンドパスフィルタとして機能する。
【0008】
以降、フィルタ特性を表わすときには、図20で示す形式の図を用いる。また、本明細書においては、図18〜図20のように、まず構造を示し、次にその等価回路を示し、最後に等価回路のフィルタ特性の計算結果を示すことによって、フィルタの動作原理の説明を進める。ただし、本発明の実施の形態2においては、単なる計算結果ではなく、実際に試作したフィルタの測定結果を示すことによって、本発明の有効性を実証している。
【0009】
フィルタ回路の中で最も需要が高いのは、急峻度の高いバンドパスフィルタである。特に、ミリ波帯のような超高周波帯のローカルフィルタやイメージフィルタの場合、通過帯域と減衰帯域がすぐ接近していることが多いために、急峻度の高いフィルタが不可欠である。これに対して、たとえば図18のフィルタでは、特に工夫をしない限りは図20で示したように、急峻度が悪いなだらかなフィルタ特性になってしまう。そこで、このようなバンドパスフィルタの急峻度を高めるため、通過帯域のすぐ上下の周波数に減衰極を作る設計方法が研究されている。
【0010】
そのような通過帯域の上下の周波数に減衰極を持つフィルタの具体的な構造としては、既にいくつかが学会で発表されている。その中でも、ミリ波帯のような超高周波帯でも実績があり、特に構造が簡単で設計しやすい回路としては、たとえば図21に示す回路が知られている(“Low Loss Micromachined Filters For Millimeter−Wave Telecommunicatin Systems”Pierre Blondy et al.、1998 IEEE MTT−S Digest、pp. 1181−1184)。
【0011】
図21において、このフィルタはアルミナセラミックなどからなる絶縁体基板161と、その表面に形成されたマイクロストリップ線路162,163およびλ/2開放線路共振器164,165を含む。点線で囲った部分167〜170は線路162〜165同士が接近して電磁界的な結合を起している部分である。なお、上記文献(MTT−S Digest)を見る際には、以下の2点で注意が必要である。第1に、上記文献では、マイクロマシン技術によって低ロス化を実現したことが特徴とされているが、これはフィルタの動作原理の上では本質的ではなく、動作原理自体は図21のフィルタと同じである。第2に、上記文献では、λ/2開放線路共振器の数が2個の場合のフィルタ(2−Pole Filter)と、4個の場合のフィルタ(4−Pole Filter)の両方が載っている。発明の効果を議論する際には、同じ条件のフィルタ同士で比較しないと意味がない。本明細書では、一貫して、簡単化のため、λ/2開放線路共振器の数が2個の場合のフィルタ(2−Pole Filter)を中心に議論を進める。
【0012】
図22は、図21のフィルタの等価回路を示す回路図である。図22(a)は分布定数線路を多用した等価回路であり、図22(b)は集中定数のみで表わした等価回路である。図22において、一端が設置されたコイル164aおよびキャパシタ164bを含むLC並列共振回路164と一端が接地されたコイル165aおよびキャパシタ165bを含むLC並列共振回路165とは、それぞれ図21のλ/2開放線路共振器164,165と対応している。コイル164a,165aの各々は所定のインダクタンスL1を有し、キャパシタ164b,165bの各々は所定のキャパシタンスC1を有する。図22のキャパシタンスC2を有するキャパシタ168,169は、それぞれ図21の電磁界結合部168,169と対応し、図22のキャパシタンスC3を有するキャパシタ167は図21の電磁界結合部167と対応している。図22の相互誘導結合係数Kは、図21の電磁界結合部170と対応している。電磁界結合部170では、2つのλ/2開放線路共振器164,165の中央部、すなわち電流最大となる部分同士が、ほぼ平行に接近して並ぶようにして配置されている。このような場合、相互誘導磁界結合を主体とした電磁界結合が起こることが知られている。
【0013】
図22(b)の等価回路を60GHz帯で最適設計した一例を示す。図23(a)(b)は、そのフィルタの周波数特性を示す図である。C1=0.3546pF、C2=0.05981pF、C3=0.00687pF、L1=0.01846nH、K=0.0914とした。図23(a)を見ると、図20(a)と比べて次の変化があることがわかる。通過帯域の上下の周波数に減衰極が形成されており、これらの減衰極の近傍ではフィルタの急峻度が高まっている。低域側の減衰極(48GHz)では、図20(a)のS21が−30dBであるのに対して、図23(a)のS21は−50dB以下である。広域側の減衰極(69GHz)では、図20(a)のS21が−17dBであるのに対して、図23(a)のS21は−50dB以下である。すなわち、たとえば中心周波数が60GHzに対して、たまたまローカル周波数が48GHzに位置するような無線通信機の場合、図23のフィルタ特性の方が、図20のフィルタ特性よりも減衰量が多く取れるため有利である。
【0014】
図22の等価回路のフィルタは、一般的に広く知られている回路構成であり、多くの文献に記載されている。たとえば、高周波フィルタ技術の教科書として著名な「通信用フィルタ回路の設計とその応用」(小西良弘監著、総合電子出版)の2章に記載されている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のフィルタには、特にミリ波帯のような超高周波帯の無線通信機に使った場合、フィルタの急峻度がまだまだ不十分であるという問題があった。通過帯域の周波数(たとえば59〜62GHz)に対して、2つの減衰極の周波数を接近させればさせるほどフィルタ特性の急峻度は高くなる。ところが、図19のフィルタの場合、一般的な回路シミュレーションを行なってみれば容易に確認できることであるが、図23のグラフの急峻度がほぼ限界に近い。比帯域幅や減衰量などの細かな条件設定によって具体的な数字は変わるが、たとえば図23のフィルタ特性の場合、減衰極の周波数は、中心周波数で規格化して表現すると、15%以上遠く離れた周波数にしか設定できていない。これ以上無理に減衰極を近づけようとすると、フィルタ特性の波形が崩れて歪んでしまう。
【0016】
たとえばローカル信号を減衰させるためフィルタを使おうとして、中心周波数60GHzに対して、もしローカル周波数が48GHzに位置していれば、図23の特性を有する従来のフィルタでも十分である。しかし、実際の多くのミリ波帯の無線通信機では、中心周波数60GHzに対して、ローカル周波数はもっと接近した周波数、たとえば57GHzや58GHzに位置していることが多い。その場合は従来のフィルタでは、急峻度が不十分であり、減衰量が確保できない。
【0017】
なお、この問題に関して議論する際には、フィルタの急峻度というものは、比帯域幅や減衰量などの細かな条件設定によって変わることに注意する必要がある。たとえば、上記文献(MTT−S Digest)に記載された同じ条件のフィルタ(2−Pole Filter)の特性(Fig.3)を見ると、減衰極の周波数は、中心周波数で規格化して表現すると8%強まで接近させることに成功している。しかし、その主な理由は、単に、上記文献で想定しているフィルタが、本明細書で想定しているフィルタよりもかなり狭帯域(比帯域幅=3.5%)であるためである。フィルタの急峻度は、やや広帯域のフィルタで議論した方が効果がわかりやすい。そのため、本明細書にグラフを載せたフィルタは、すべて比帯域幅5%強で統一してある。また、このようにフィルタの性能を比較する際には、各種の条件が一致していないと正しい比較にならない難しさがある。そのような理由から、本明細書では条件を統一させる目的で、等価回路のシミュレーション結果を中心に、フィルタの優劣を議論している。また、等価回路の回路定数を決定する際には、人手による設計では正確な比較は難しいため、一般的な市販回路シミュレーションプログラムの最適設計機能を用いた。
【0018】
本発明は、上述の問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、フィルタ特性の急峻度が高いフィルタ回路を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るフィルタ回路は、入力端子に入力された信号のうちの予め定められた周波数成分を出力端子に選択的に通過させるフィルタ回路であって、入力端子と第1の端子、および出力端子と第2の端子をそれぞれ接続するとともに、入力端子および出力端子間を互いに相互誘導による磁界結合させるための電磁界結合回路と、第1および第2の端子間に直列接続された少なくとも3つのキャパシタと、少なくとも3つのキャパシタの間の少なくとも2つのノードにそれぞれ接続された少なくとも2つの共振器とを備えたものである。ここで、電磁界結合回路は、入力端子と第1の端子との間に接続された1次側コイルと、出力端子と第2の端子との間に接続された2次側コイルとを含み、1次側コイルの入力端子側と2次側コイルの出力端子側とが同一極性になるように1次側コイルおよび2次側コイルを結合させたトランスと等価である。
【0020】
好ましくは、フィルタ回路は、絶縁体基板上に形成された導体からなる線路パターンで構成される。第1および第2の端子は、それぞれ第1および第2の線路を含む。電磁界結合回路は、入力端子と第1の線路の一方端部との間に接続された第3の線路と、出力端子と第2の線路の一方端部との間に接続された第4の線路とを含む。第3および第4の線路は、互いに近接して平行に配置される。少なくとも2つの共振回路は、それぞれ予め定められた線路長を有する少なくとも2つの第5の線路を含む。第1の線路の他方端部と1つの第5の線路、第2の線路の他方端部ともう1つの第5の線路、および2つの第5の線路は、それぞれ互いに容量結合されて前記少なくとも3つのキャパシタを構成している。
また好ましくは、第3および第4の線路は、第1および第2の線路の開放端からフィルタ回路の中心周波数を有する信号の4分の1波長の位置で互いに近接されている。
【0021】
また、この発明に係る他のフィルタ回路は、入力端子に入力された信号のうちの予め定められた周波数成分を出力端子に選択的に通過させるフィルタ回路であって、入力端子および出力端子間に接続された第1のキャパシタと、入力端子と第1の端子、および出力端子と第2の端子をそれぞれ接続するとともに、入力端子および出力端子間を互いに相互誘導による磁界結合させるための電磁界結合回路と、第1および第2の端子間に直列接続された少なくとも3つの第2のキャパシタと、少なくとも3つの第2のキャパシタの間の少なくとも2つのノードにそれぞれ接続された少なくとも2つの共振器とを備えたものである。ここで、電磁界結合回路は、入力端子と第1の端子との間に接続された1次側コイルと、出力端子と第2の端子との間に接続された2次側コイルとを含み、1次側コイルの入力端子側と2次側コイルの出力端子側とが同一極性になるように1次側コイルおよび2次側コイルを結合させたトランスと等価である。
【0022】
好ましくは、フィルタ回路は、絶縁体基板上に形成された導体からなる線路パターンで構成される。入力端子および出力端子は、それぞれ第1および第2の線路を含む。第1および第2の端子は、それぞれ第3および第4の線路を含む。電磁界結合回路は、第1の線路と第3の線路の一方端部との間に接続された第5の線路と、第2の線路と第4の線路の一方端部との間に接続された第6の線路とを含む。第5および第6の線路は、互いに近接して平行に配置される。少なくとも2つの共振回路は、それぞれ予め定められた線路長を有する少なくとも2つの第7の線路を含む。第1および第2の線路は、互いに容量結合されて第1のキャパシタを構成する。第3の線路の他方端部と1つの第7の線路、第4の線路の他方端部ともう1つの第7の線路、および2つの第7の線路は、それぞれ互いに容量結合されて少なくとも3つの第2のキャパシタを構成している。
【0023】
好ましくは、第5および第6の線路は、第3および第4の線路の開放端からフィルタ回路の中心周波数を有する信号の4分の1波長の位置で互いに近接されている。
【0024】
また好ましくは、少なくとも2つの共振器の各々は、4分の1波長短絡線路共振器または2分の1波長開放線路共振器である。
【0025】
この発明に係るフィルタ回路は、マルチプレクサ型フィルタ回路の一部としても使用することができる。
【0026】
また、この発明に係る高周波通信回路装置は、上記のフィルタ回路を、ローカル信号またはイメージ信号を除去するための高周波フィルタとして使用したものである。
【0027】
【発明の実施の形態】
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1による分布定数フィルタの構成を示す図である。図1において、この分布定数フィルタは、アルミナセラミックのような絶縁体で形成された絶縁体基板1と、絶縁体基板1上に形成された線路パターンとを備える。絶縁体基板1の裏面全体には、グランド層すなわち接地された電極が形成されている。
【0028】
線路パターンは、線路2〜9を含む。線路2,3は、所定の間隔を空けて一直線上に配置されている。線路2,3は、マイクロストリップ線路の一部であり、それぞれフィルタの入力端子および出力端子を構成する。マイクロストリップ線路には、波長λの電気信号が伝達される。
【0029】
線路4,5は、互いに近接して平行に配置され、各々一方端部はそれぞれ線路2,3の端部に接続される。線路4,5は、それぞれ線路2,3と直交させて配置される。線路4,5は、電磁界結合部10を構成する。線路6,7は、ともにL字状に形成され、各々の一方端部はそれぞれ線路4,5の他方端部に接続される。線路6,7の一辺はそれぞれ線路2,3と平行に配置され、各々の他辺はそれぞれ線路2,3と直交する方向に配置される。線路6,7の開放端から電磁界結合部10までの距離はλ/4になるように設定されている。
【0030】
線路8,9は、ともにU字状に形成され、各々の一辺はそれぞれ線路6,7の他辺とλ/4以下程度の距離だけ離して平行に配置され、各々の他辺はλ/4以下程度の距離だけ離して平行に配置される。線路6の他辺と線路8の一辺は電磁界結合部11を構成し、線路7の他辺と線路9の一辺は電磁界結合部12を構成し、線路8,9の他辺は電磁界結合部13を構成する。線路8,9の各々は、λ/2開放線路共振器を構成する。
【0031】
図2(a)(b)は、フィルタの等価回路を示す回路図である。図2(a)は分布定数線路を多用した回路図、図2(b)は集中定数のみによる回路図である。
【0032】
図2において、線路8で構成されたλ/2開放線路共振器は、コイル8aおよびキャパシタ8bを含むLC並列共振回路と等価になる。コイル8aは、所定のインダクタンスL1を有し、その一方電極が接地されている。キャパシタ8bは、所定のキャパシタンスC1を有し、その一方電極が接地されている。これは、共振周波数においては、線路8の中央部は等価的に接地され、その両端部のインピーダンスが無限大になるからである。線路9で構成されたλ/2開放線路共振器は、コイル9aおよびキャパシタ9bを含むLC並列共振回路と等価になる。コイル9aは、所定のインダクタンスL1を有し、その一方電極は接地されている。キャパシタ9bは、所定のキャパシタンスC1を有し、その一方電極は接地されている。
【0033】
電磁界結合部11は、所定のキャパシタンスC2を有するキャパシタと等価になる。これは、線路6と8の開放端同士がλ/4以下程度の距離を空けて接近して配置されており、このような場合には容量結合を主体とした電磁界結合が生じるからである。同様に、電磁界結合部12は、所定のキャパシタンスC2を有するキャパシタと等価になる。電磁界結合部13は、所定のキャパシタンスC3を有するキャパシタと等価になる。
【0034】
電磁界結合部10では、線路4,5は、所定のインダクタンスL2を有し、互いに相互誘導係数Kで結合された2つのコイルと等価になる。これは、2本の線路4,5の開放端でない部分を近接させて平行に配置すると、相互誘導磁界結合を主体として電磁界結合が生じるからである。このフィルタでは、線路6,7の開放端から電磁界結合部10までの距離がλ/4になるように設計されているので、電磁界結合部10の位置が電流最大点となり、相互誘導磁界結合が容易に生じる。このため、狭いスペース内で効率よく相互誘導結合が生じる。
【0035】
以上より、このフィルタの等価回路では、LC並列共振回路8のコイル8aおよびキャパシタ8bの一方電極が接地され、コイル8aおよびキャパシタ8bの他方電極はキャパシタ11およびコイル4を介して入力端子2に接続される。LC並列共振回路9のコイル9aおよびキャパシタ9bの一方電極は接地され、コイル9aおよびキャパシタ9bの他方電極はキャパシタ12およびコイル5を介して出力端子3に接続される。コイル8aおよびキャパシタ8bの他方電極とコイル9aおよびキャパシタ9bの他方電極とは、キャパシタ13を介して接続される。コイル4と5は、相互誘導磁界結合される。
【0036】
図3(a)(b)は、図2に示した等価回路の周波数特性を示す図である。ここでは、C1=0.8201pF、C2=0.005445pF、C3=0.06153pF、L1=0.00786nH、L2=1.257nH、K=0.0319、中心周波数60GHzとした。
【0037】
従来のフィルタの特性図20,23と比較すると、急峻度が著しく高まっていることがわかる。すなわち、通過帯域の上下の2つの減衰極を通過帯域のぎりぎり近傍まで接近させても、フィルタ波形が歪まず、理想的な矩形に近いバンドパス特性が得られている。図3では、減衰極の周波数は、中心手段端数で規格化して表現すると8%未満しか離れていない。この値は、たとえば図23のフィルタ特性と比べれば約半分である。
【0038】
[実施の形態2]
図3を見ると、確かにフィルタ特性の急峻度は著しく高まっているが、まだ次の点に改良の余地がある。すなわち、通過帯域のすぐ近傍の減衰域(たとえば53〜56GHz)のS21は−20dB弱であるが、この減衰量をまだまだ大きくしたい。図3において減衰量を大きくできない理由は、この帯域における減衰極が1個しかないためである。1個の減衰極だけでは、狭い周波数範囲しか減衰量を増やすことができない。そこで、本発明の実施の形態2として、図4のフィルタを考案した。
【0039】
図4を参照して、このフィルタが図1のフィルタと異なる点は、線路2,3がそれぞれ線路14,15と置換されている点である。線路14,15は、マイクロ線ストリップ線路の一部であり、それぞれフィルタの入力端子および出力端子を構成する。線路14,15は一直線上に配置されている。線路14の端部と線路15の端部はλ/4以下程度の距離だけ離して近接して配置されており、電磁界結合部16を構成する。
【0040】
図5(a)(b)は、図4に示したフィルタの等価回路を示す回路図である。図5(a)は分布定数線路を多用した回路図、図5(b)は集中定数のみによる回路図である。
【0041】
図5(a)(b)において、電磁界結合部16は、所定のキャパシタンスC4を有するキャパシタと等価になる。これは、線路14,15の開放端同士がλ/4以下程度の距離を空けて接近して配置されており、このような結合は容量結合を主体とした電磁界結合が生じるからである。したがって、この等価回路では、入力端子14と出力端子15の間にキャパシタ16が接続される。他の構成は、図1および図2で示したフィルタと同じであるので、その説明は繰返さない。
【0042】
図6(a)(b)は、図5(b)に示した等価回路の周波数特性を示す図である。ここでは、C1=0.8811pF、C2=0.005513pF、C3=0.0595pF、C4=0.002618pF、L1=0.007506nH、L2=1.255nH、K=0.02913、中心周波数60GHzとした。
【0043】
図3(a)(b)と比較すると、キャパシタ16の効果によって、減衰極の数が合計4つに増えていることがわかる。このため、たとえば53〜56GHzにおける減衰量が大幅に増加している。
【0044】
図4の構造のフィルタを実際に試作し測定した結果を図7(a)(b)に示す。この試作フィルタは、通過帯域が58〜61GHzでローカル周波数が57GHzである無線通信回路のRFフィルタとして使用し、特にイメージ周波数を抑圧するために設計した。そのため、確かに通過帯域の上下の周波数に2つの減衰極ができているが、そのうち特に低周波側の減衰極を強調して設計している。
【0045】
図7(a)は広帯域のフィルタ特性を示し、図7(b)は通過帯域近傍のフィルタ特性を拡大した図である。図7(a)からわかるように、通過帯域のすぐ上下の周波数に計4個の減衰極が形成され、それによって特に低周波側の急峻度が大幅に高められている。測定結果では、通過帯域の挿入損失は−4.0〜−2.6dBであり、通過帯域のリターンロスは最小でも17dBであり、53〜56GHzのイメージ周波数帯の減衰量は最小でも20.0dBであり、実用的な性能が得られている。
【0046】
この試作フィルタは、厚みが0.15mmのアルミナセラミック基板の上に、主に銅材料によってパターニングして形成した。微細パターンの設計ルールとしては、いわゆるラインアンドスペースが50μmである。フィルタ以外の部分のマイクロストリップ線路の線幅は150μmであり、フィルタの部分については、λ/2開放線路共振器8,9をはじめ、すべての線路の線幅は50μmにした。λ/2開放線路共振器8,9の各々の長さは約710μmである。給電線路において、線幅150μmのマイクロストリップ線路から分岐して線路6,7の開放端に至るまでの総距離は約650μmである。給電線路6,7とλ/2開放線路共振器8,9との間のギャップ距離は50μmであり、2本のλ/2開放線路共振器8,9同士のギャップ距離は90μmである。
【0047】
なお、ここで示した具体的な寸法の数字は、たとえば、基板厚みや基板材料の誘電率εや微細パターニングのラインアンドスペースの設計ルールが変われば容易に変化し得るものであり、絶対的なものではない。測定には、ミリ波対応のネットワークアナライザとウェハプローブを用いた。これらの測定計は、それらのメーカが製作したLRM校正基板とLRM校正プログラムを用いて校正した。ウェハプローブはウェハプローブステーションに固定して用い、測定中に位置ずれなどの接触状態の変化が起こらないように注意して測定した。
【0048】
[実施の形態3]
本発明においては、λ/2開放線路共振器の数は2個に制限されているわけではない。広帯域のフィルタを設計するためには、通過帯域内の共振の極の数を増やす必要があり、したがってλ/2開放線路共振器の数を増やす必要があるが、本発明はそのような場合でも適用可能である。
【0049】
図8は、この発明の実施の形態3による分布定数フィルタの構成を示す図である。図8を参照して、このフィルタが図1のフィルタと異なる点は、線路8,9が線路21〜23で置換されている点である。
【0050】
線路21,22は、ともにL字状に形成され、各々の一辺はそれぞれ線路2,3と直交する方向に配置され、各々の他辺はそれぞれ線路2,3と平行に配置される。線路21,22の一辺端部は、それぞれ線路6,7の他辺端部とλ/4以下程度の距離だけ離して平行に配置される。
【0051】
線路23は、U字状に形成され、線路21,22の間に配置される。線路23の一辺端部は、線路21の一辺端部とλ/4以下程度の距離だけ離して平行に配置される。線路23の他辺端部は、線路22の一辺端部とλ/4以下程度の距離だけ離して平行に配置される。
【0052】
線路21の一辺端部と線路6の他辺端部は、電磁界結合部24を構成する。線路22の一辺端部と線路7の他辺端部は、電磁界結合部25を構成する。線路23の一辺端部と線路21の他辺端部は、電磁界結合部26を構成する。線路23の他辺端部と線路22の他辺端部は、電磁界結合部27を構成する。線路21〜23の各々は、λ/2開放線路共振器を構成する。
【0053】
このように、本発明では、λ/2開放線路共振器は、U字状とは限らない。また本発明では、λ/2開放線路共振器の開放端は、必ずしもすべてが電磁界結合に関与している必要はなく、電磁界結合を起こさずに孤立していてもよい。
【0054】
図9(a)(b)は、図8に示したフィルタの等価回路を示す回路図である。図9(a)は分布定数線路を多用した回路図、図9(b)は集中定数のみによる回路図である。
【0055】
図9において、線路21で構成されたλ/2開放線路共振器は、コイル21aおよびキャパシタ21bを含むLC並列共振回路と等価になる。線路22で構成されたλ/2開放線路共振器は、コイル22aおよびキャパシタ22bを含むLC並列共振器と等価になる。線路23で構成されたλ/2開放線路共振器は、コイル23aおよびキャパシタ23bを含むLC並列共振回路と等価になる。
【0056】
コイル21a〜23aは、それぞれ所定のインダクタンスL5〜L7を有し、各々の一方電極はともに接地されている。キャパシタ21b〜23bは、それぞれ所定のキャパシタンスC5〜C7を有し、各々の一方電極はともに接地されている。電磁界結合部24〜27は、それぞれ所定のキャパシタンスC2,C2,C3,C3を有するキャパシタと等価になる。
【0057】
以上より,このフィルタの等価回路では、LC並列共振回路21のコイル21aおよびキャパシタ21bの一方電極が接地され、コイル21aおよびキャパシタ21bの他方電極はキャパシタ24およびコイル4を介して入力端子2に接続される。LC共振回路22のコイル22aおよびキャパシタ22bの一方電極は接地され、コイル22aおよびキャパシタ22bの他方電極はキャパシタ25およびコイル5を介して出力端子3の接続される。
【0058】
LC並列共振回路23のコイル23aおよびキャパシタ23bの一方電極が接地され、コイル23aおよびキャパシタ23bの他方電極がキャパシタ26を介してキャパシタ24およびLC並列共振回路21の間のノードに接続されるとともに、キャパシタ27を介してキャパシタ25およびLC並列共振回路22の間のノードに接続される。コイル4と5は、相互誘導磁界結合される。
【0059】
この実施の形態3では、3つのλ/2開放線路共振器21〜23を設けたので、実施の形態1,2よりも広帯域のフィルタを作成することができる。
【0060】
[実施の形態4]
図10は、この発明の実施の形態4によるフィルタの構成を示す図である。このフィルタは、絶縁体基板30とその両面に形成された線路パターンとを備える。図10(a)は全体の透視図、図10(b)は基板表面のパターンを示す図、図10(c)は基板裏面のパターンを示す図である。このフィルタは、マイクロストリップ線路に設けられるフィルタではなく、コプレナ線路に設けられるフィルタである。
【0061】
図10(b)において、基板30の表面には図2の線路2,4,6に相当する線路31と、L字状の線路32と、線路31,32を囲むように形成されたグランド層33とが設けられている。線路31の先端部と線路32の一方端部は、近接して平行に配置されている。線路32の他方端部は、グランド層33に接続されている。
【0062】
図10(c)において、基板30の裏面には図2の線路3,5,7に相当する線路34と、L字状の線路35と、線路34,35を囲むように形成されたグランド層36とが設けられている。線路34の先端部と線路35の一方端部は、近接して平行に配置されている。線路35の他方端部は、グランド層36に接続されている。
【0063】
図10(a)において、線路31,34における図1の線路4,5に相当する部分は、上下に重ねて配置され、電磁界結合部37を構成する。線路31,34の先端部と線路32,35の一方端部とはそれぞれ電磁界結合部38,39を構成する。線路32の一方端部と線路35の一方端部とは、電磁界結合部40を構成する。線路38,39の各々は、λ/4短絡線路共振器を構成する。
【0064】
このフィルタの等価回路は、図2の等価回路と同じである。λ/4短絡線路共振器32,35は、それぞれLC並列共振回路8,9を構成する。電磁界結合部38,39,40は、それぞれキャパシタ11,12,13を構成する。電磁界結合部37は、相互誘導磁界結合されたコイル4,5を構成する。
【0065】
この実施の形態4では、強い相互誘導磁界結合を得るために、単層基板30の表裏のパターン間の結合を用いた。強い相互誘導磁界結合を得るためには、このような方法以外にも、2層以上の多層基板において異なる層の上下のパターンの層間結合を用いてもよい。
【0066】
[実施の形態5]
図11は、この発明の実施の形態5によるフィルタの構成を示す図である。このフィルタは、図2の回路図を準マイクロ波帯に適した形態で実現したものである。図11(a)はフィルタの斜視図、図11(b)はフィルタを上方から見た平面図である。
【0067】
図11を参照して、このフィルタは、絶縁体基板41と、複数の個別部品で構成されている。基板41の裏面全体にグランド電極42が形成され、基板41の表面には電極43〜49が形成される。電極43は、複数のビアホール50を介してグランド電極42に接続される。
【0068】
このフィルタでは、図2のLC並列共振回路8,9は、いわゆる誘電体共振器51,52によって実現されている。誘電体共振器51,52は、準マイクロ波帯で既に多用されている公知技術であり、外導体と中心導体の間にアルミナセラミックのような絶縁体が挟まれた同軸構造をしている。誘電体共振器51,52の長さはフィルタの中心周波数近辺において波長λに対してλ/4の長さに設計されており、各々の一方端51a,51bは外導体と中心導体が短絡されて電極43に接続され、各々の他方端51b,52bは開放端となっている。開放端51b,52b側では、共振器51,52の中心導体と基板41上の電極44,45とは、それぞれリードピン51c,52cで接続されている。
【0069】
図2におけるキャパシタ11〜13は、この実施の形態5では、それぞれチップコンデンサ53〜55によって実現されている。チップコンデンサ53〜55は、それぞれ電極44と46,45と47,44と45の間に接続されている。また、図2における電磁界結合部10は、このフィルタでは、個別部品のトランス56によって実現されている。トランス56は、図12に示すように、端子56c〜56fと、端子56c,56d間に接続されたコイル56aと、端子56e,56f間に接続されたコイル56bとを含む。コイル56aと56bは、相互誘導磁界結合されている。端子56c〜56fは、それぞれ、電極48,46,49,47に接続される。電極48,49は、入力端子2および出力端子3を構成する。
【0070】
このように、本発明は、ミリ波帯の分布定数回路に限定されるものではなく、個別部品を用いたあまり周波数が高くない回路でも実現することができる。
【0071】
なお、本発明は、1個の2端子フィルタ回路としてだけではなく、3端子のデュプレクサ型フィルタ回路や、3端子以上のマルチプレクサ型フィルタ回路にも容易に適用できる。
【0072】
[実施の形態6]
この実施の形態6では、実施の形態1〜5のフィルタの応用例について説明する。この実施の形態6では、屋内の無線伝送波として60GHz帯のミリ波が用いられる。60GHz帯のミリ波は、現在の衛星TV放送波に比較して、著しく周波数が高く、送受信機の無線帯域幅が広くとれるため、地上放送および衛星放送をまとめて一度に無線伝送することが可能である。加えて、この周波数帯では、酸素および水分による吸収が大きいため、隣接した家との間での遮蔽が容易である。さらにこの周波数では、1/2波長が、空気中で2.5mmであり、ICのチップサイズの大きさと同程度であり、アンテナを含めてICと一体化できる。このため、機器が小さくなるという特徴があり、軽量で小型の無線モジュールが電子機器に組込めることから、家庭内での屋内無線伝送に適した周波数帯である。
【0073】
図13および図14は、この発明の実施の形態6による高周波無線通信装置の構成を示すブロック図である。図13および図14において、この高周波無線通信装置は、ミリ波送信装置60、ミリ波受信装置76および電子機器89を備える。ミリ波送信装置60は、VHF・UHF用アンテナ61、BS用アンテナ62、CS用アンテナ63、コネクタ64、コネクタ65、放送波入力部66、周波数配列部67、アップコンバータ68、バンドパスフィルタ(BPF)68a、送信部69、電源供給部70、電源供給部71、受信部72、電源制御部73、利用機器記憶部74、およびミリ波送信アンテナ75を備える。また、ミリ波受信装置76は、ミリ波受信アンテナ77、増幅部78、バンドパスフィルタ78a、ダウンコンバータ79、周波数逆配列部80、混合/切換部81、電源制御部82、受電部83、制御信号受信部84、送信部85、アンテナ端子86、アンテナ端子87、およびコネクタ88を備える。また、電子機器89は、アンテナ端子90、放送信号受信部91、制御信号送信部92、電源供給部93、およびメモリ部94を備える。
【0074】
電子機器89がたとえばTV受信機である場合は、図14には示していないが、上記の構成内容以外に表示部などが設けられる。
【0075】
まず、ミリ波送信装置60およびミリ波受信装置76での基本的なミリ波伝送に関連する部分について説明する。
【0076】
地上放送や衛星放送からの電波は、VHF・UHF用アンテナ61、BS用アンテナ62やCS用アンテナ63を介してコネクタ64,65に入力される。コネクタ64,65はここでは2つとしているが、これに限るものではなく、接続状況に応じた数だけ設ければよい。また、ここではアンテナを接続したが、CATVなどの共同受信システムからの一括した放送波の供給端子に接続してもよい。コネクタ64,65から入力された放送波は放送波入力部66に供給される。放送波入力部66は通常、周波数帯域や変調方式などに応じて適切にゲイン設定された増幅器で構成されており、増幅された放送波は周波数配列部67に供給される。
【0077】
周波数配列部67は、図15に示すように、増幅器111,112、フィルタ113,114、周波数ミキサ115および局部発振器116を含む。増幅器111は、BSおよびCS放送信号を増幅する。フィルタ113は、増幅器111の出力信号から不要な周波数成分を除去する。増幅器112は、地上波放送信号を増幅する。周波数ミキサ115および局部発振器116は、増幅器112の出力信号の周波数を変換する。フィルタ114は、周波数変換された信号から不要な周波数成分を除去する。
【0078】
周波数配列部67に入力された信号におけるCSおよびBSの中間周波数は、共同受信の場合、コネクタ65とCS用アンテナ63との間に設けられたブロックコンバータ(図示せず)により、図17(a)に示すように、中間周波数1035MHz〜1895MHzの周波数軸上に配列されている。このような入力信号を周波数配設部67において、地上波放送信号のみを周波数ミキサ115および局部発振器116によって周波数変換し、図17(b)に示すように、周波数軸上のCS放送信号よりも高周波側に配列させる。これは、地上波放送の周波数が低いので、60GHz帯へアップコンバートされた信号は、局部発振波の近傍にくるが、本来、この局部発振波は、アンテナから放射されることなく除去されなければならない不要波であるため、地上波放送は、そのままアップコンバータとすると局部発振波とともに除去されてしまう。そのため、地上放送波は、一旦、中間周波数段階で他の周波数帯(たとえば2GHz帯)へ周波数配列部67で周波数変換される。
【0079】
このように周波数軸上に配列された放送波は、ミリ波送信装置60内のアップコンバータ68で60GHz帯にアップコンバートされるとともにバンドパスフィルタ68aによって不要波を除去され、図17(c)に示すような無線周波数となり、送信部69で電力増幅などを行なって、ミリ波送信装置60のミリ波送信アンテナ75からミリ波無線信号として出力される。
【0080】
一方、ミリ波受信装置76のミリ波受信アンテナ77で受信されたミリ波無線信号は、増幅部78で増幅され、バンドパスフィルタ78aでイメージ信号を除去された後にダウンコンバータ79でダウンコンバートされて周波数逆配列部80へ入力される。バンドパスフィルタ68a,78aは、実施の形態1〜5で説明したフィルタで構成される。
【0081】
周波数逆配列部80は、図16に示すように、増幅器121,122、フィルタ123,124、周波数ミキサ125および局部発振器126を含む。増幅器121は、再生されたBSおよびCS放送信号を増幅する。フィルタ123は、増幅器121の出力信号から不要な周波数成分を除去する。増幅器124は、再生された地上波放送信号を増幅する。フィルタ124は、増幅器122の出力信号から不要な周波数成分を除去する。周波数ミキサ125および局部発振器126は、フィルタ124を通過した信号の周波数を変換する。
【0082】
周波数逆配列部80は、図17(d)に示すように、周波数配列部67とは逆のプロセスで周波数ミキサ125と局部発振器126により、周波数軸上に並んだ中間周波数から本来の地上波周波数へ周波数変換する機能を有している。このようにして得られた放送波を電子機器89に入力し、電子機器89がTV受信機の場合はTV受信が可能となる。
【0083】
以上がミリ波送信装置60、ミリ波受信装置76を介してTV受信機などの電子機器89へ放送波をまとめてミリ波伝送するための基本的な構成である。
【0084】
次に、電子機器89からミリ波受信装置76およびミリ波送信装置60を制御するための構成を説明する。
【0085】
TV受信機などの電子機器89では放送信号受信部91によってアンテナ端子90から供給される放送波を選択して受信する。ミリ波受信装置76を使用しない従来の受信システムの場合は、アンテナ端子90に直接、VHF・UHF用アンテナ61、BS用アンテナ62やCS用のアンテナ63を接続しているが、ミリ波受信装置76を使用する場合は、アンテナ端子90をコネクタ88に接続する。
【0086】
ミリ波受信装置76には混合/切換部81およびアンテナ端子86,87が設けられており、ミリ波受信装置76を電子機器89に取付けた場合でも、アンテナ86,87に直接VHF・UHF用アンテナ61、BS用アンテナ62やCS用アンテナ63を接続して、ここからの放送波を混合/切換部81を介して使用することも可能にしている。ミリ波受信装置76を使用するときは、通常、アンテナ端子86,87の接続は必要としないが、ミリ波送信装置60からの伝送がたとえばVHF、UHFおよびBS放送のみとしていて、CS放送は別系統で同軸ケーブルで配線したい場合や、ミリ波送信装置60やミリ波受信装置76の動作を止めておきたい場合などにミリ波受信装置76を電子機器89に取付けたまま、その取付状態を変更することなくVHF・UHF用アンテナ61、BS用アンテナ62、CS用アンテナ63などを接続できるようになっている。
【0087】
電子機器89においてユーザが受信を希望するチャネルを放送信号受信部91によって選択するとき、ユーザは予め、その受信チャネルがVHF・UHF用アンテナ61、BS用アンテナ62、CS用アンテナ63などから直接入力されるものか、あるいはミリ波送信装置60およびミリ波受信装置76を介して入力されるものを受信チャネルと関連付けてメモリ部94に記憶させておく。メモリ部94に記憶された情報に基づき、選択された受信チャネルがミリ波送信装置60およびミリ波受信装置76を使用するチャネルの場合は、電源供給部93によってアンテナ端子95を介してミリ波受信装置76の動作に必要な電源を供給する。電源の供給は放送波と重畳して行なわれる。
【0088】
あるいは電子機器89がオン状態となったときに電源供給部93によって電源供給しておき、制御信号送信部92からの制御信号を重畳して電源制御部82の電源制御を必要に応じて行なってもよい。このときは、コネクタ88を通過した電源と制御信号は受電部83と制御信号受信部84によってそれぞれ放送波と分離して電源制御部82に供給される。通常は電子機器89が受信動作を必要とするときに電源供給部93から電源供給するのが消費電力を削減するのに適している。電源制御部82からは増幅部78、ダウンコンバータ79、周波数逆配列部80への電源供給が制御されているが、これ以外の電源制御の必要なブロックを含めて制御してもよい。ここではコネクタ88を通して電子機器89から電源供給できる構成としているが、電子機器89が必ずしもミリ波受信装置76への電源供給の対応を行なったものばかりではないので、電子機器89とは別にミリ波受信装置76用の電源アダプタを用いてもよいし、あるいはミリ波受信装置76自身に中にAC電源からの電源を受ける電源回路を内蔵しておいてもよい。
【0089】
また、電子機器89がCS放送を受信可能なCSチューナやTV受信機の場合、制御信号送信部92は電源の制御以外に、CS用アンテナ63へ受信チャネルによって垂直偏波を使用するか水平偏波を使用するかを指定する情報を伝送できる。また、BS放送受信の場合は、BS用アンテナ62への電源を供給するかどうかの情報を伝送する。垂直偏波か水平偏波か、あるいはBS受信かなどの情報は制御信号受信部92によって生成され、アンテナ端子90、コネクタ88を介して伝送され、制御信号受信部84によって分離される。分離されたこれらの情報は、送信部85によってミリ波送信装置60に向かって送信される。通常、送信部85から受信部72への信号伝送は赤外線を用いて送信するが、赤外線に限らず、無線、有線、音声、電力線搬送などを利用してもよい。
【0090】
特に、UHF帯の電波を用いれば、赤外線での通信とは異なり、襖、壁などの遮蔽物を透過できるため、ミリ波送信装置、ミリ波受信装置は仕切られた部屋と部屋間でも使うことができる。さらに、PHSなどのコードレス電話を組込むことにより、水平、垂直偏波制御などのための信号だけでなく、データ伝送も可能となり、双方向の通信が可能となるメリットがある。
【0091】
また、電子機器89がオフとなっていて受信を必要としないときに、上述のようにミリ波受信装置76の中の増幅部78、ダウンコンバータ79、周波数逆配列部80など、動作不要な回路ブロックへの電源供給を遮断するとともに、ミリ波送信装置60側の放送波入力部66、周波数配列部67、アップコンバータ68、送信部69などの動作不要な回路ブロックへの電源供給を制御する必要がある。このときは、1台のミリ波送信装置60からの送信出力を複数のミリ波受信装置76と電子機器89の組合せで受信している場合、たとえば電子機器89が大型の据え置きTV受信機と移動可能な液晶TV受信機であって、それぞれにミリ波受信装置76が取付けられている場合などが想定される。したがって、この場合は、大型の据え置きTV受信機である電子機器89および移動可能な液晶TV受信機である電子機器89のそれぞれが制御信号送信部92によって機器の識別情報とその機器が現在受信を必要としていることを示す情報、たとえばオンであることを示す情報をそれぞれに接続されているミリ波受信装置76へ伝送する。伝送された情報は制御信号受信部84によって分離され、送信部85によって1台のミリ波送信装置60へ向かって送信される。
【0092】
ミリ波送信装置60では、この情報を受信部72によって受信し、利用機器記憶部74に伝送する。利用機器記憶部74はユーザによって予めこのミリ波送信装置60の放送波を利用する機器を記憶させており、これらの記憶された機器群からの、機器の識別情報とその機器が現在受信必要としていることを示す情報を受信部72から得て、利用機器記憶部74に記憶された機器群のすべてがオフなどになっており、放送波を必要としない状態になれば、電源制御部73によって放送波入力部66、周波数配列部67、アップコンバータ68、送信部69などへの電源供給を遮断し、また、電源供給部70,71によってCS用アンテナ63、BS用アンテナ62などへの電源を遮断する。このようにしてミリ波送信装置60およびミリ波受信装置76が不要なときの消費電力の削減が実行できる。
【0093】
以上のように、本発明によれば、ミリ波帯のような高い周波数帯においても、急峻度に優れたフィルタを低コストの平面印刷回路で実現できる。しかも、単に狭帯域なフィルタであるから急峻度が高いというわけではなく、たとえば比帯域幅で5%以上確保しつつ同時に急峻度を高めることができる。
【0094】
また、ミリ波帯のような超高周波通信回路の場合、本発明のフィルタをRFフィルタとして用いてローカル信号やイメージ信号の除去に用いることによって、装置全体を小型化、簡略化、低コスト化できるメリットがある。
【0095】
ミリ波帯のような超高周波通信回路の場合、従来は急峻で低ロスのフィルタが平面回路では実現困難であったために、フィルタ回路としては、導波管型フィルタや充電体共振器を金属ケースに封止した構造のフィルタが使われていた。あるいは、ミキサ回路にフィルタ機能を持たせるために、バランス型のMMICミキサなどが使われていた。しかし、これらの技術はすべてサイズやコストに問題があった。しかし、本発明によれば、ミリ波帯のような超高周波帯でも単純な平面回路フィルタが実現できるために、装置全体についても筐体構造などを小型化、簡略化、低コスト化することができる。
【0096】
ミリ波帯の周波数が無線通信において注目されている理由の1つは、数百MHzから数GHzもの帯域幅を使うような超広帯域伝送が可能なためである。たとえば特願平11−327809号では、数百チャネルものテレビ映像信号のミリ波伝送システムが提案されているが、このようなシステムでは、1〜3GHzもの帯域幅が必要になる。ところが、フィルタ設計においては、一般的に、帯域幅と急峻度は矛盾する要求である。しかし、本発明のフィルタ回路においては、図7で示したとおり、3GHz以上の帯域幅と急峻度とが同時に実現できている。また、図8で示したようにλ/2開放線路共振器の数を増やせば、さらに帯域幅と急峻度が両立しやすくなる。このような特徴から、本発明のフィルタ回路は、特にミリ波帯の広帯域の無線システムに使われた場合、効果が大きい。また、特願平11−327809号で開示されているようなミリ波帯の広帯域システムの特に低コスト化および小型化を実現するためには、本発明のフィルタ回路を採用することが非常に有効である。
【0097】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0098】
【発明の効果】
以上のように、この発明に係るフィルタ回路では、入力端子と第1の端子、および出力端子と第2の端子をそれぞれ接続するとともに、入力端子および出力端子間を互いに相互誘導による磁界結合させるための電磁界結合回路と、第1および第2の端子間に直列接続された少なくとも3つのキャパシタと、少なくとも3つのキャパシタの間の少なくとも2つのノードにそれぞれ接続された少なくとも2つの共振器とが設けられ、電磁界結合回路は、入力端子と第1の端子との間に接続された1次側コイルと、出力端子と第2の端子との間に接続された2次側コイルとを含み、1次側コイルの入力端子側と2次側コイルの出力端子側とが同一極性になるように1次側コイルおよび2次側コイルを結合させたトランスと等価である。したがって、フィルタ特性の波形を劣化させることなく減衰極の周波数を中心周波数に近づけることができ、フィルタ特性の急峻度を高めることができる。
【0099】
好ましくは、フィルタ回路は、絶縁体基板上に形成された導体からなる線路パターンで構成される。第1および第2の端子は、それぞれ第1および第2の線路を含む。電磁界結合回路は、入力端子と第1の線路の一方端部との間に接続された第3の線路と、出力端子と第2の線路の一方端部との間に接続された第4の線路とを含む。第3および第4の線路は、互いに近接して平行に配置される。少なくとも2つの共振回路は、それぞれ予め定められた線路長を有する少なくとも2つの第5の線路を含む。第1の線路の他方端部と1つの第5の線路、第2の線路の他方端部ともう1つの第5の線路、および2つの第5の線路は、それぞれ互いに容量結合されて少なくとも3つのキャパシタを構成している。この場合は、フィルタ回路を平面印刷回路で実現することができ、回路の低コスト化および小型化を図ることができる。
また好ましくは、第3および第4の線路は、第1および第2の線路の開放端からフィルタ回路の中心周波数を有する信号の4分の1波長の位置で互いに近接されている。この場合は、第3および第4の線路で電流値が最大になるので、第3および第4の線路間の相互誘導磁界結合を狭いスペースで効率良く起こすことができる。
【0100】
また、この発明に係る他のフィルタ回路では、入力端子および出力端子間に接続された第1のキャパシタと、入力端子と第1の端子、および出力端子と第2の端子をそれぞれ接続するとともに、入力端子および出力端子間を互いに相互誘導による磁界結合させるための電磁界結合回路と、第1および第2の端子間に直列接続された少なくとも3つの第2のキャパシタと、少なくとも3つの第2のキャパシタの間の少なくとも2つのノードにそれぞれ接続された少なくとも2つの共振器とが設けられ、電磁界結合回路は、入力端子と第1の端子との間に接続された1次側コイルと、出力端子と第2の端子との間に接続された2次側コイルとを含み、1次側コイルの入力端子側と2次側コイルの出力端子側とが同一極性になるように1次側コイルおよび2次側コイルを結合させたトランスと等価である。したがって、フィルタ特性の波形を劣化させることなく減衰極の周波数を中心周波数に近づけることができ、フィルタ特性の急峻度を高めることができる。また、第1のキャパシタを設けたので、減衰極の数を増やすことができ、遮断帯域の減衰量を大きくとることができる。
【0101】
好ましくは、フィルタ回路は、絶縁体基板上に形成された導体からなる線路パターンで構成される。入力端子および出力端子は、それぞれ第1および第2の線路を含む。第1および第2の端子は、それぞれ第3および第4の線路を含む。電磁界結合回路は、第1の線路と第3の線路の一方端部との間に接続された第5の線路と、第2の線路と第4の線路の一方端部との間に接続された第6の線路とを含む。第5および第6の線路は、互いに近接して平行に配置される。少なくとも2つの共振回路は、それぞれ予め定められた線路長を有する少なくとも2つの第7の線路を含む。第1および第2の線路は、互いに容量結合されて第1のキャパシタを構成する。第3の線路の他方端部と1つの第7の線路、第4の線路の他方端部ともう1つの第7の線路、および2つの第7の線路は、それぞれ互いに容量結合されて少なくとも3つの第2のキャパシタを構成している。この場合は、フィルタ回路を平面印刷回路で実現することができ、回路の低コスト化および小型化を図ることができる。
【0102】
好ましくは、第5および第6の線路は、第3および第4の線路の開放端からフィルタ回路の中心周波数を有する信号の4分の1波長の位置で互いに近接されている。この場合は、第5および第6の線路で電流値が最大になるので、第5および第6の線路間の相互誘導磁界結合を狭いスペースで効率よく起こすことができる。
【0103】
また好ましくは、少なくとも2つの共振器の各々は、4分の1波長短絡線路共振器または2分の1波長開放線路共振器である。この場合は、共振器を平面印刷回路で実現することができ、回路の低コスト化および小型化を図ることができる。
【0104】
また、この発明に係るフィルタ回路は、マルチプレクサ型フィルタ回路の一部としても使用できる。この場合は、マルチプレクサ回路の高性能化、低コスト化および小型化を図ることができる。
【0105】
また、この発明に係る高周波通信回路装置では、上記フィルタ回路を、ローカル信号またはイメージ信号を除去するための高周波回路として使用する。この場合は、高周波通信回路装置の高性能化、低コスト化および小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1による分布定数フィルタの構成を示す平面図である。
【図2】図1に示したフィルタの等価回路を示す回路図である。
【図3】図2に示した等価回路のフィルタ特性を示す図である。
【図4】この発明の実施の形態2による分布定数フィルタの構成を示す平面図である。
【図5】図4に示したフィルタの等価回路を示す回路図である。
【図6】図5に示した等価回路のフィルタ特性を示す図である。
【図7】図4に示したフィルタの試作品のフィルタ特性を示す図である。
【図8】この発明の実施の形態3による分布定数フィルタの構成を示す平面図である。
【図9】図8に示したフィルタの等価回路を示す回路図である。
【図10】この発明の実施の形態4による分布定数フィルタの構成を示す図である。
【図11】この発明の実施の形態5によるフィルタの構成を示す図である。
【図12】図11に示したトランスの構成を示す回路図である。
【図13】この発明の実施の形態6による高周波無線通信装置に含まれるミリ波送信装置の構成を示すブロック図である。
【図14】図13で説明した高周波無線通信装置に含まれるミリ波受信装置および電子機器の構成を示すブロック図である。
【図15】図13に示した周波数配列部の構成を示すブロック図である。
【図16】図14に示した周波数逆配列部の構成を示すブロック図である。
【図17】図13〜図16で示した高周波通信装置の動作を説明するための図である。
【図18】従来の分布定数フィルタの構成を示す斜視図である。
【図19】図18に示したフィルタの等価回路を示す回路図である。
【図20】図19に示した等価回路のフィルタ特性を示す図である。
【図21】従来の他の分布定数フィルタの構成を示す平面図である。
【図22】図21に示したフィルタの等価回路を示す回路図である。
【図23】図22に示した等価回路のフィルタ特性を示す図である。
【符号の説明】
1,30,41,150,161 絶縁体基板、2〜7,14〜16,31,34,152,153,162,163 線路、8,9,21〜23,154,155,164,165 線路(λ/2開放線路共振器)、10〜13,16,24〜27,37〜40,156〜158,167〜170 電磁界結合部、32,35 線路(λ/4短絡線路共振器)、33,36,151 グランド層、42〜49 電極、50 ビアホール、51,52 誘電体共振器、53〜55チップコンデンサ、56 トランス、60 ミリ波送信装置、61 VHF・UHF用アンテナ、62 BS用アンテナ、63 CS用アンテナ、64,65コネクタ、66 放送波入力部、67 周波数配列部、68 アップコンバータ、68a,78a バンドパスフィルタ、69 送信部、70,71 電源供給部、72 受信部、73 電源制御部、74 利用機器記憶部、75 ミリ波送信アンテナ、76 ミリ波受信装置、77 ミリ波受信アンテナ、78 増幅部、79 ダウンコンバータ、80 周波数逆配列部、81 混合/切換部、82 電源制御部、83 受電部、84 制御信号受信部、85 送信部、86,87 アンテナ端子、88 コネクタ、89 電子機器、90 アンテナ端子、91 放送信号受信部、92 制御信号送信部、93 電源供給部、94 メモリ部、111,121,122 増幅器、113,114,123,124 フィルタ、115,125 周波数ミキサ、116,126 局部発振器。
Claims (9)
- 入力端子に入力された信号のうちの予め定められた周波数成分を出力端子に選択的に通過させるフィルタ回路であって、
前記入力端子と第1の端子、および前記出力端子と第2の端子をそれぞれ接続するとともに、前記入力端子および前記出力端子間を互いに相互誘導による磁界結合させるための電磁界結合回路、
前記第1および第2の端子間に直列接続された少なくとも3つのキャパシタ、および
前記少なくとも3つのキャパシタの間の少なくとも2つのノードにそれぞれ接続された少なくとも2つの共振器を備え、
前記電磁界結合回路は、前記入力端子と前記第1の端子との間に接続された1次側コイルと、前記出力端子と前記第2の端子との間に接続された2次側コイルとを含み、前記1次側コイルの前記入力端子側と前記2次側コイルの前記出力端子側とが同一極性になるように前記1次側コイルおよび前記2次側コイルを結合させたトランスと等価である、フィルタ回路。 - 前記フィルタ回路は、絶縁体基板上に形成された導体からなる線路パターンで構成され、
前記第1および第2の端子は、それぞれ第1および第2の線路を含み、
前記電磁界結合回路は、
前記入力端子と前記第1の線路の一方端部との間に接続された第3の線路、および
前記出力端子と前記第2の線路の一方端部との間に接続された第4の線路を含み、
前記第3および第4の線路は、互いに近接して平行に配置され、
前記少なくとも2つの共振回路は、それぞれ予め定められた線路長を有する少なくとも2つの第5の線路を含み、
前記第1の線路の他方端部と1つの第5の線路、前記第2の線路の他方端部ともう1つの第5の線路、および2つの第5の線路は、それぞれ互いに容量結合されて前記少なくとも3つのキャパシタを構成している、請求項1に記載のフィルタ回路。 - 前記第3および第4の線路は、前記第1および第2の線路の開放端から前記フィルタ回路の中心周波数を有する信号の4分の1波長の位置で互いに近接されている、請求項2に記載のフィルタ回路。
- 入力端子に入力された信号のうちの予め定められた周波数成分を出力端子に選択的に通過させるフィルタ回路であって、
前記入力端子および前記出力端子間に接続された第1のキャパシタ、
前記入力端子と第1の端子、および前記出力端子と第2の端子をそれぞれ接続するとともに、前記入力端子および前記出力端子間を互いに相互誘導による磁界結合させるための電磁界結合回路、
前記第1および第2の端子間に直列接続された少なくとも3つの第2のキャパシタ、および
前記少なくとも3つの第2のキャパシタの間の少なくとも2つのノードにそれぞれ接続された少なくとも2つの共振器を備え、
前記電磁界結合回路は、前記入力端子と前記第1の端子との間に接続された1次側コイルと、前記出力端子と前記第2の端子との間に接続された2次側コイルとを含み、前記1次側コイルの前記入力端子側と前記2次側コイルの前記出力端子側とが同一極性になるように前記1次側コイルおよび前記2次側コイルを結合させたトランスと等価である、フィルタ回路。 - 前記フィルタ回路は、絶縁体基板上に形成された導体からなる線路パターンで構成され、
前記入力端子および前記出力端子は、それぞれ第1および第2の線路を含み、
前記第1および第2の端子は、それぞれ第3および第4の線路を含み、
前記電磁界結合回路は、
前記第1の線路と前記第3の線路の一方端部との間に接続された第5の線路、および
前記第2の線路と前記第4の線路の一方端部との間に接続された第6の線路を含み、
前記第5および第6の線路は、互いに近接して平行に配置され、
前記少なくとも2つの共振回路は、それぞれ予め定められた線路長を有する少なくとも2つの第7の線路を含み、
前記第1および第2の線路は、互いに容量結合されて前記第1のキャパシタを構成し、
前記第3の線路の他方端部と1つの第7の線路、前記第4の線路の他方端部ともう1つの第7の線路、および2つの第7の線路は、それぞれ互いに容量結合されて前記少なくとも3つの第2のキャパシタを構成している、請求項4に記載のフィルタ回路。 - 前記第5および第6の線路は、前記第3および第4の線路の開放端から前記フィルタ回路の中心周波数を有する信号の4分の1波長の位置で互いに近接されている、請求項5に記載のフィルタ回路。
- 前記少なくとも2つの共振器の各々は、4分の1波長短絡線路共振器または2分の1波長開放線路共振器である、請求項1から請求項6のいずれかに記載のフィルタ回路。
- 前記フィルタ回路は、マルチプレクサ型フィルタ回路の一部として使用されている、請求項1から請求項7のいずれかに記載のフィルタ回路。
- 請求項1から請求項8のいずれかに記載のフィルタ回路を、ローカル信号またはイメージ信号を除去するための高周波フィルタとして使用したことを特徴とする、高周波通信回路装置。
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