JP3577072B1 - バケットコンベアの残留物取出方法およびその取出装置 - Google Patents

バケットコンベアの残留物取出方法およびその取出装置 Download PDF

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Abstract

【目的】残留物の回収効率の向上、残留物の排出の確実化、構成の簡素化、コスト削減。
【構成】下部の供給口13に供給した穀粒を上下に循環回転するバケット10により揚穀し、上部の排出口14でバケット10内の穀粒を放擲し、これを反復して穀粒を揚穀し、揚穀作業が終了すると、底板20上に残留した穀粒を吹き上げ送風ノズル22からの送風により吹き上げ、底板20に沿って上方に吹き抜ける送風を前記吹き上げ送風ノズル22の送風方向下手側に設けた案内部25により前記バケット10の上昇移動路Tと交差させて、吹き上げられた穀粒を上昇するバケット10により掬って回収するバケットコンベアの残留物取出方法。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、上昇するバケットにより穀粒を揚穀するコンベアにおいて、揚穀作業終了後の残留物を取出す装置に係るものである。
【0002】
【従来技術】
従来、下部に供給口を上部に排出口を夫々設けた上下方向に長いケースと、該ケース内に設けた上下回転する無端帯と、該無端帯に所定間隔を置いて複数設けたバケットとを有し、前記ケースには底板上に残留した穀粒を吹き上げる吹き上げ送風ノズルを設けた構成は、公知である(特許文献1)。
また、従来、底板にシャッターを設け、シャッターの下方に貯蔵部を設け、作業終了後シャッターを開いて残留物を貯蔵部に取出し、取出した穀粒は供給ホッパーに戻す構成は、公知である。
【0003】
【特許文献1】
実開昭59−5509号公報、(4−5頁、図1)
【0004】
【特許文献2】
特開2001−26311号公報、(4頁、図1、図4)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記実開昭59−5509号公報(公知例1)に記載されたものは、送風ノズルにより底板から舞い上がった穀粒をバケットにより回収するものであり、図には舞い上がった穀粒がバケットに飛び込む状態が図示されているが、回収率が低く、実用化されていないのである。
即ち、残留穀粒に向けて噴風しても、穀粒は底板に沿って送風方向に移動し、底板を過ぎて上昇してもそのまま落下するので底板上に戻ることになることが判明し、それゆえ、公知例1のように送風がバケット開口部に向けて向きを変える筈がないので、バケット開口部の前で穀粒が舞い上がることはく、回収率が低いのである。
したがって、ケース内の残留物を取り出せないため、前回揚穀した穀粒と相違する品種の穀粒を揚穀すると、異種穀粒が混合するという課題が発生し、この課題は、食品アレルギーの原因となる等の別の不具合の原因となるという課題がある。
一方、特開2001−26311号公報に記載されたものは、貯蔵部から取出した残留物は、供給ホッパーへ戻すのでうまく回収できないという課題がある。即ち、本来、底板上の残留物は供給ホッパーから供給された穀粒の全てをバケットが掬えないから発生するのであり、シャッターと貯蔵部を設けてまで回収した残留物を供給ホッパーに戻したのでは、永久に回収できないという矛盾した構成となっているのである。
しかも、シャッタや貯留部等の構成を付加しているため、構成が複雑であり、コストおよび重量ともに嵩むという課題がある。
本発明は、送風ノズルを利用して吹き上げた穀粒を回収する方式でありながら、格段に回収効率を向上させ、安価なバケットコンベアの残留物取出装置を提供するものである。
【0006】
【発明の目的】
残留物の回収効率の向上、残留物の排出の確実化、構成の簡素化、コスト削減。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下部の供給口13に供給した穀粒を上下に循環回転するバケット10により揚穀し、上部の排出口14でバケット10内の穀粒を放擲し、これを反復して穀粒を揚穀し、揚穀作業が終了すると、底板20上に残留した穀粒を吹き上げ送風ノズル22からの送風により吹き上げ、底板20に沿って上方に吹き抜ける送風を前記吹き上げ送風ノズル22の送風方向下手側に設けた案内部25により前記バケット10の上昇移動路Tと交差させて、吹き上げられた穀粒を上昇するバケット10により掬って回収するバケットコンベアの残留物取出方法、および、前記バケット10は底板20および前板2または後板3に対して所定間隔の隙間Sをおいて移動するようにし、前記吹き上げ送風ノズル22により前記隙間S内を送風を通し、前記バケット10が反転して上昇工程となった場所で案内部25により送風方向を変更して前記バケット10の上昇移動路Tと交差させて、吹き上げられた穀粒を上昇するバケット10により掬って回収するように構成したバケットコンベアの残留物取出方法としたものである。
本発明は、下部に供給口13を上部に排出口14を夫々設けた上下方向に長いケース1と、該ケース1の側板4に上下に軸装したプーリ5、3と、該プーリ5、6に掛け回した上下方向に回転するベルト11と、該ベルト11に所定間隔を置いて複数設けたバケット10とを有し、前記ケース1には該ケース1の底板20上に残留した穀粒を吹き上げる吹き上げ送風ノズル22を設け、吹き上げ送風ノズル22の送風方向下手側のケース1の内壁には前記穀粒の送風方向を、バケット上昇移動路Tに対する交差方向に案内する案内部25を設けたバケットコンベアの残留物取出装置としたものであり、吹き上げ送風ノズル22からの送風はバケット上昇側21の底板20に沿って流れ、案内部25部分でバケット上昇移動路Tと交差するように向きを変え、これにより穀粒はバケット上昇移動路Tに向けて吹き上げられ、送風により吹き上げられた穀粒はバケット10の開口部26の上方に落下し、上昇するバケット10に効率よく掬い上げられて回収され、バケット10に入った穀粒は揚穀されて排出口14から排出される。
また、吹き上げられた穀粒のうち案内部25に当たった穀粒は、当たったときの反力によりケース1の内側に向けて拡散し、上昇するバケット10により回収される。
本発明は、前記案内部25は、前記底板20または前記ケース1の前板2または後板3の所定部分に内側に出っ張って前記吹き上げ送風ノズル22からの送風方向をバケット上昇移動路Tに対して交差方向へ変更するように構成したバケットコンベアの残留物取出装置としたものであり、案内部25はケース1内に出っ張って設けているので、この案内部25に当たる送風および穀粒はケース1の内側に向けて方向を変え、上昇するバケット10により回収される。
本発明は、前記案内部25は、少なくとも、その下面27を、平板部材により上方に至るに従いバケット上昇移動路Tに接近するように傾斜させて構成したバケットコンベアの残留物取出装置としたものであり、平板部材の案内部25により吹き上げ送風ノズル22からの送風をバケット上昇移動路Tに向け、また、穀粒の場合は案内部25に当たったまま送風によりバケット上昇移動路Tと交差するように案内されて上昇飛散方向を変更し、一層、バケット10に効率よく掬い上げられて回収される。
本発明は、前記案内部25は、ケース1の幅方向一杯に設けたバケットコンベアの残留物取出装置としたものであり、幅方向一杯に設けた案内部25に吹き上げ送風ノズル22からの送風および穀粒の全てが当たり、案内部25の案内精度を向上させる。
本発明は、前記案内部25は、前記供給口13を設けた側に設けると共に、供給口13の下縁より下方に位置させたバケットコンベアの残留物取出装置としたものであり、バケット10は案内部25の先端付近を通過しながら上昇して供給口13に至り、供給口13から供給される穀粒を受け止めて掬うので、穀粒を受け止めたバケット10は排出口14まで揚穀して放擲して排出する。
本発明は、前記案内部25の上面28は下方に至るに従い内側に突出させて傾斜させ、かつ、安息角以上の急傾斜に形成したバケットコンベアの残留物取出装置としたものであり、供給口13から供給された穀粒のうち案内部25の上面に落ちた穀粒は、安息角以上の急傾斜に形成した案内部25の上面に案内されて滞留することなく斜め下方のバケット上昇移動路Tに向けて落下し、上昇するバケット10に効率よく掬い上げられて回収され、バケット10に入った穀粒は揚穀されて排出口14から排出される。
【0008】
【実施例】
本発明の方法を実施しうるバケットコンベアの残留物取出装置の実施例を図面により説明すると、1はバケットコンベアBのケースであり、前板2と後板3および左右側板4により形成し、ケース1内の上下位置には軸心が左右方向のプーリ5、6を夫々設け、プーリ5およびプーリ6にバケット10を取付けた無端状のベルト11を掛け回す。
前記ケース1の上部にはモータ12を設け、モータ12により前記上側プーリ5と同軸に設けたプーリ(図示省略)を回転させ、ケース1の下方の供給口13からケース1の上部に設けた排出口14の間上下に前記バケット10を循環移動させる。
15は穀粒を張り込む供給ホッパー、16は供給ホッパー15の投入口、17は供給口13に向けて穀粒を案内する傾斜板である。
【0009】
下側プーリ6の下方のケース1内には側面視円弧状または多角形状の底板20を設ける。ケース1の所望位置には底板20上に滞留している穀粒をバケット上昇側21に向けて吹きあげる吹き上げ送風ノズル22を設ける。
吹き上げ送風ノズル22は反バケット上昇側21の所定任意位置に設ければよい。
吹き上げ送風ノズル22は前記下側プーリ6の軸心に対して平行方向であって所定径を有する筒部材により形成し、長さ方向に所定間隔をおいて複数の送風口23を設ける。吹き上げ送風ノズル22はその一端は任意の手段により閉塞させ、その他端には送風機24aに接続した送風管24を接続する。
【0010】
しかして、バケット上昇側21のケース1の内壁には、底板20に沿って吹き上げられた穀粒の飛散方向を、バケット10の移動路に向けて変更案内する案内部25を設ける。
即ち、バケット10の開口部26の先端は前板2または後板3の内面より所定間隔内側を上昇するので、底板20上の残留穀粒は、吹き上げ送風ノズル22による送風により底板20に沿って上昇し、底板20を過ぎると、そのまま落下すして、吹き上げられた穀粒の飛散方向とバケット10のバケット上昇移動路Tとは交わらず、それゆえ、せっかく吹きあげた穀粒はバケット10に入らずにそのまま落下することが多く、回収に時間を要するが、吹き上げ送風ノズル22からの送風方向を案内部25により上昇するバケット10の開口部26に向けてやると、吹き上げられて飛散する穀粒の向きも変わって、効率よくバケット10に入って回収される。
【0011】
したがって、案内部25を設けるケース1の内壁は前記底板20またはケース1の前板2または後板3の所定部分でよい。
また、案内部25は、ケース1の内壁に内側に出っ張った形状で、案内部25の下面側形状は吹き上げ送風ノズル22からの送風方向を変更できればよく、断面蒲鉾型のように円弧状でもよい。また、案内部25の上面側は穀粒が滞留しない形状であれば、ケース1内に穀粒を残留させず、好適である。
【0012】
しかして、案内部25は吹き上げ送風ノズル22の送風方向を変更させるが、案内部25に当たった穀粒は跳ね返るのではなく、それまでの送風による穀粒の慣性移動方向が案内部25により変更させられて、バケット10に入る作用も期待しており、この場合、案内部25はその下面27を平板部材により上方に至るに従いバケット上昇移動路Tに接近するように傾斜させて構成すると、案内部25に当たった穀粒はそのまま案内部25の下面27に送風により押し付けられて摺接しながら飛散方向をバケット上昇移動路Tと重ねることができ、残留穀粒の回収効率を向上させる。
また、実施例の案内部25は、ケース1の左右の側板4の幅方向一杯に設けると、一層、案内部25の案内作用を期待でき、好適である。
【0013】
しかして、案内部25はケース1の前後何れの側に設けてもよいが、前記供給口13を設けた側に案内部25を設けるときには、案内部25は供給口13の下縁より下方に位置させ、供給口13からの穀粒の流入を妨げないようにする。
この場合、案内部25の上面28は下方に至るに従い内側に突出させて傾斜させ、しかも、安息角以上の急傾斜に形成すると、案内部上面27に穀粒が滞留することを防止する。
なお、供給口13(供給ホッパー15)は側板4に設けてもよく、図8のように下側プーリ6の下方の側板4に供給口13を形成すると、供給ホッパー15の投入口の高さを低くできる。
【0014】
しかして、図9は、吹き上げ送風ノズル22の設置箇所に関する実施例であり、底板20の最も低い前記下側プーリ6の下方の最低部30と底板20のバケット10下降側部分の上縁31との間に設けている。
しかして、底板20の形状は任意であり、下側プーリ6の軸心を中心とした円弧形状のみならず、図9のように一部に傾斜板部32を設けた形状であってもよく、吹き上げ送風ノズル22からの送風による穀粒の吹き上げに悪影響を与えなければよい。
【0015】
しかして、揚穀効率と穀粒損傷防止の観点から前記バケット10は底板20に対して所定間隔の隙間Sをおいた上方を通過してから前記バケット上昇移動路Tを移動するように構成した場合、前記吹き上げ送風ノズル22は底板20の低い最低部30付近に向けて送風することにより、送風は前記隙間Sを吹き抜け、バケット10が反転して上昇工程となった部分で案内部25により穀粒飛散方向を変更するように、吹き上げ送風ノズル22と底板20と案内部25とを配置構成する。
【0016】
即ち、底板20の最低部30付近のバケット上昇側21から前板2または後板3に掛けての隙間Sを穀粒は吹き上げ送風ノズル22からの送風に乗って吹き上げられ、底板20の上方を移動するバケット10は穀粒の吹き上げの障害にならず、バケット10が反転して上昇工程となった部分まで確実に穀粒を吹き上げられて、自重落下する穀粒をバケット10が掬うので、頗る回収率を向上させ、所定時間運転すると略完全に残留物を排出する。
【0017】
この場合、吹き上げ送風ノズル22からの風量(吹き出し量)は、前記隙間Sやバケット10の大きさ等により所定量送風すればよいが、図10の実験結果の一例によれば、約150〜250リットル/分ぐらいが、案内部25に当たった穀粒が破砕されずに吹き上げられ、また、必要以上に上方まで穀粒が飛散せず、好適であった。また、吹き上げ送風ノズル22は残留穀粒を回収するものであるから、送風機の作動は手動により作動させるか、あるいは、任意の方法により揚穀作業を終了したことを検知したら、自動的に作動開始させて所定時間経過後自動停止するようにしてもよく、図10の左欄によれば所定時間ごとの残留数を4回計測した結果を示し、およそ、30秒程度運転すると、異種穀粒混合率に問題がない残留数となり、図10の右欄によれば案内部25がない場合の回収率の低さを実証している。
【0018】
次に上記構成に基づく作動について述べる。
供給ホッパー15から穀粒を張り込むと、穀粒は供給口13よりケース1内に入り回転移動するバケット10により掬われて上昇し、上部で放擲されて排出口排出口14より排出される。
しかして、バケット10の開口部26は、製造誤差、あるいは、穀粒を挟んで砕くのを防止する等の理由により底板20に対して所定の間隔を置いた上方を移動するから、搬送作業が終了したとき、底板20上には穀粒が残留してしまう。
【0019】
この場合、底板20上の残留穀粒を吹き上げ送風ノズル22により吹き上げてバケット10で回収する構成が従来より存在するが、吹き上げられた穀粒は底板20に沿って上昇し、底板20を過ぎたときはその殆どの穀粒はそのまま落下して底板20上に戻ってしまうこと、および、バケット10の開口部26のバケット上昇移動路Tは接触を防止するため前板2または後板3の内面より所定間隔内側を上昇することから、吹き上げられた穀粒の飛散方向とバケット10の上昇移動路バケット上昇移動路Tとは交わらず、それゆえ、せっかく吹きあげた穀粒はバケット10に入らずにそのまま落下することが多く、回収に時間を要する。
【0020】
本発明では、下部の供給口13に供給した穀粒を上下に循環回転するバケット10により揚穀し、上部の排出口14でバケット10内の穀粒を放擲し、これを反復して穀粒を揚穀し、揚穀作業が終了すると、供給口13より下方に位置する底板20上の残留した穀粒を吹き上げ送風ノズル22からの送風により吹き上げ、底板20に沿って上方に吹き抜けようとする吹き上げ送風ノズル22からの送風を案内部25によりバケット上昇移動路Tに向くように案内誘導するから、吹き上げ送風ノズル22からの送風がバケット上昇移動路Tと交差して、穀粒もバケット上昇移動路Tと交差するように吹き上げられて上昇するバケット10により回収される。
【0021】
即ち、バケット上昇側21のケース1の内壁に底板20に沿って吹き上げられた穀粒の飛散方向を、バケット上昇移動路Tに向けて変更案内する案内部25を設けているから、案内部25部分で吹き上げ送風ノズル22からの送風はバケット上昇移動路Tと交差するように向きを変え、この送風に案内された穀粒は上昇するバケット10に効率よく掬い上げられて回収される。
【0022】
したがって、吹き上げ送風ノズル22により吹き上げられた穀粒でもバケット10により効率よく回収でき、吹き上げ送風ノズル22によるバケットコンベアの残留物取出装置を実用化できる。
【0023】
しかして、前記案内部25は、底板20または前板2または後板3の所定部分に内側に出っ張って形成しているから、簡素な構成で吹き上げ送風ノズル22からの送風方向を変更でき、製造コストの上昇を抑制できる。
また、前記案内部25は、ケース1内のバケット上昇側21に内側に出っ張って形成しているから、穀粒が案内部25に当接すると、当った反力により少なくともケース1の内壁より内側に跳ね返ってバケット上昇移動路Tと重なり、上昇するバケット10による回収効率を向上させられる。
【0024】
この場合、案内部25は平板部材により上方に至るに従いバケット上昇移動路Tに接近するように傾斜させて構成すると、案内部25に当たった穀粒は風に押されて案内部25の傾斜方向に飛散する。
したがって、穀粒の飛散方向をバケット上昇移動路Tと重ねることができ、残留穀粒の回収効率を向上させる。
【0025】
しかして、案内部25を設けるケース1の内壁は前記底板20またはケース1の前板2または後板3の所定部分に設けているから、案内部25により穀粒は上昇するバケット10に向かって案内され、確実にバケット10により回収される。
また、案内部25は、ケース1の左右の側板4の幅方向一杯に設けると、ケース1内の幅方向のどの部分に吹き上げられた穀粒であっても、バケット10に向けて案内部25により案内され、回収精度を向上させる。
【0026】
しかして、案内部25は供給口13を設けた側に設けるときには、案内部25は供給口13の下縁より下方に位置させているから、供給口13からの穀粒は案内部25によって堰き止められることはなく、供給口13からの流入を妨げない。
また、案内部25の上面28は下方に至るに従い内側に突出させて傾斜させ、しかも、安息角以上の急傾斜に形成することで、案内部25の上面側に穀粒が滞留することも防止できる。
【0027】
しかして、図9の吹き上げ送風ノズル22の設置箇所に関する実施例では、底板20の最も低い前記下側プーリ6の下方の最低部30と底板20のバケット10下降側部分の上縁上縁31との間に設けているから、ケース1の設置スペースが狭くても、ケース1内に吹き上げ送風ノズル22を設けられ、ケース1の設置場所の自由度を向上させられる。
しかして、底板20の形状は側面視下側プーリ6の軸心を中心とした円弧形状で底板20を形成すると、穀粒は底板20上を衝突せずに滑空するように上昇させることができ、穀粒の損傷や砕粒の発生を抑制する。
【0028】
また、底板20は、円弧形状のみならず、図9のように一部に傾斜板部32を設けた側面視多角形状に形成すると、高度の加工精度が要求されず、コストを低くしたまま、残留物取出装置を提供できる。
この場合、残留物の取出にバケット10とともに移動するスクレーパを設けた構成では、スクレーパが常時摺接するように底板20は高精度な円弧形状にする必要があるが、本願ではスクレーパが不要なので、底板20を円弧形状にした場合でもそれ程の加工精度が要求されず、コストを低くしたまま、バケットコンベアの残留物取出装置を提供できる。
しかも、底板20と摺接するスクレーパが不要なため、破損したスクレーパが穀粒に混入する事態も発生しない。
【0029】
【効果】
請求項1および請求項2の発明では、底板20上の残留物を確実に取り出せ、不慮の異種穀粒の混合を防止する。
請求項3の発明では、送風ノズル22の送風方向下手側に案内部25を設けることにより、送風ノズルを利用して吹き上げた穀粒を回収する方式でありながら、格段に回収効率を向上させ、安価なバケットコンベアの残留物取出装置を提供できる。
請求項4の発明では、前記効果の他に、案内部25を簡単に構成できる。
請求項5の発明では、前記効果の他に、穀粒の吹き上げ方向を確実に変更して、回収効率を向上できる。
請求項6の発明では、前記効果の他に、一層、回収効率を向上できる。
請求項7の発明では、送風方向をバケット10の揚穀に対して効率よくでき、しかも、案内部25の存在が供給口13からの穀粒の供給に悪影響を与えない。請求項8の発明では、案内部25の存在による残留穀粒の発生を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】バケットコンベアの縦断側面図。
【図2】要部側面図。
【図3】図2の一部拡大図。
【図4】図2の一部拡大図。
【図5】バケットコンベアの一部背面図。
【図6】吹き上げ送風ノズルの断面図。
【図7】バケットコンベアの一部正面図。
【図8】バケットコンベアの実施例の背面図。
【図9】吹き上げ送風ノズルの他の実施例の側面図。
【図10】残留数説明図。
【符号の説明】
1…ケース、2…前板、3…後板、4…側板、5…プーリ、6…下側プーリ、10…バケット、11…ベルト、12…モータ、13…供給口、14…排出口、15…供給ホッパー、16…投入口、17…傾斜板、20…底板、21…バケット上昇側、22…吹き上げ送風ノズル、23…送風口、24…送風管、25…案内部、26…開口部、30…最低部、31…上縁、32…傾斜板部。

Claims (8)

  1. 下部の供給口13に供給した穀粒を上下に循環回転するバケット10により揚穀し、上部の排出口14でバケット10内の穀粒を放擲し、これを反復して穀粒を揚穀し、揚穀作業が終了すると、底板20上に残留した穀粒を吹き上げ送風ノズル22からの送風により吹き上げ、底板20に沿って上方に吹き抜ける送風を前記吹き上げ送風ノズル22の送風方向下手側に設けた案内部25により前記バケット10の上昇移動路Tと交差させて、吹き上げられた穀粒を上昇するバケット10により掬って回収するバケットコンベアの残留物取出方法。
  2. 請求項1において、前記バケット10は底板20および前板2または後板3に対して所定間隔の隙間Sをおいて移動するようにし、前記吹き上げ送風ノズル22により前記隙間S内を送風を通し、前記バケット10が反転して上昇工程となった場所で案内部25により送風方向を変更して前記バケット10の上昇移動路Tと交差させて、吹き上げられた穀粒を上昇するバケット10により掬って回収するように構成したバケットコンベアの残留物取出方法。
  3. 下部に供給口13を上部に排出口14を夫々設けた上下方向に長いケース1と、該ケース1の側板4に上下に軸装したプーリ5、3と、該プーリ5、6に掛け回した上下方向に回転するベルト11と、該ベルト11に所定間隔を置いて複数設けたバケット10とを有し、前記ケース1には該ケース1の底板20上に残留した穀粒を吹き上げる吹き上げ送風ノズル22を設け、吹き上げ送風ノズル22の送風方向下手側のケース1の内壁には前記穀粒の送風方向を、バケット上昇移動路Tに対する交差方向に案内する案内部25を設けたバケットコンベアの残留物取出装置。
  4. 請求項3において、前記案内部25は、前記底板20または前記ケース1の前板2または後板3の所定部分に内側に出っ張って前記吹き上げ送風ノズル22からの送風方向をバケット上昇移動路Tに対して交差方向へ変更するように構成したバケットコンベアの残留物取出装置。
  5. 請求項3または請求項4において、前記案内部25は、少なくとも、その下面27を、平板部材により上方に至るに従いバケット上昇移動路Tに接近するように傾斜させて構成したバケットコンベアの残留物取出装置。
  6. 請求項3または請求項4または請求項5において、前記案内部25は、ケース1の幅方向一杯に設けたバケットコンベアの残留物取出装置。
  7. 請求項3または請求項4または請求項5または請求項6において、前記案内部25は、前記供給口13を設けた側に設けると共に、供給口13の下縁より下方に位置させたバケットコンベアの残留物取出装置。
  8. 請求項3または請求項4または請求項5または請求項6または請求項7において、前記案内部25の上面28は下方に至るに従い内側に突出させて傾斜させ、かつ、安息角以上の急傾斜に形成したバケットコンベアの残留物取出装置。
JP2003162587A 2003-06-06 2003-06-06 バケットコンベアの残留物取出方法およびその取出装置 Expired - Fee Related JP3577072B1 (ja)

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