JP3576942B2 - 周波数補間システム、周波数補間装置、周波数補間方法及び記録媒体 - Google Patents

周波数補間システム、周波数補間装置、周波数補間方法及び記録媒体 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、変調された信号のスペクトル分布を改善する周波数補間装置及び周波数補間方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
MP3(MPEG1 audio layer 3)形式のデータの配信、及び、FM(Frequency Modulation)放送やテレビジョン音声多重放送等の手法による音楽などの供給が近年盛んになっている。
これらの手法では、帯域が過度に広くなることによるデータ量の増大や占有帯域幅の広がりを避けるため、一般に、供給する対象の音楽等のうち約15kHz以上の周波数成分が除去されている。一方、一定値以上の周波数成分を除去する必要がない場合であっても、音楽等を表すオーディオ信号をMP3形式等でデータ圧縮する結果、オーディオ信号の帯域は制限されてしまうのが一般的である。
【0003】
このように、一定値以上の周波数成分が除去された音楽等は通常、音質が悪い。そこで、除去された周波数成分に代わる信号を加算することが考えられる。このための手法としては、例えば、特開平7−93900号公報に開示されている手法がある。
特開平7−93900号公報に開示されている手法は、PCMディジタルオーディオ信号をローパスフィルタに通して得られる出力オーディオ信号を、当該出力信号の絶対値成分を含む信号を乗算することにより歪みを生じさせる、という手法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、PCMディジタルオーディオ信号が表す元の音声等が、もとよりローパスフィルタの通過帯域幅を超える高域成分を有していないものである場合、特開平7−93900号公報のオーディオ信号再生装置は、元の音声等に含まれていない誤った高域成分を追加することになる。このため、出力オーディオ信号の音質は、単にローパスフィルタを通しただけで歪みを生じさせていないものに比べ、かえって悪化してしまう。
【0005】
また、このオーディオ信号再生装置は、出力オーディオ信号の波形を絶対値回路等を用いて歪ませることにより高調波を発生させるに過ぎないものである。従って、元の音声等がローパスフィルタの通過帯域幅を超える高域成分を有していたとしても、このオーディオ信号再生装置が発生させる高調波が、元の音声等に含まれていた高域成分に近似しうるものであるかは分からない。
【0006】
この発明は、上記実状に鑑みてなされたものであり、原信号の一部帯域内のスペクトル成分を抑圧したものを表す信号からも、当該帯域のスペクトル成分をもとより含まない原信号を表す信号からも、原信号に近い信号を復元できるようにするための周波数補間システム、周波数補間装置及び周波数補間方法を提供することを目的とする。
また、この発明は、オーディオ信号を高音質で復元するための周波数補間システム、周波数補間装置及び周波数補間方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するべく、この発明の第1の観点に係る周波数補間システムは、
変換する対象の原信号を取得し、取得した原信号のスペクトルが所定の被補間帯域に含まれているか否かを表す判別用データを生成する判別用データ生成手段と、
前記原信号を取得して所定の変換を施すことにより、補間される対象である被補間信号を生成する信号変換手段と、
前記被補間信号及び前記判別用データを取得するデータ取得手段と、
前記判別用データが、前記原信号のスペクトルが前記被補間帯域に含まれていることを表すか否かを判別し、表さないと判別したとき、前記データ取得手段が取得した被補間信号を外部に出力する判別手段と、
前記判別手段が、前記判別用データが前記原信号のスペクトルが前記被補間帯域に含まれていることを表すと判別したとき、前記データ取得手段が取得した被補間信号を取得し、当該被補間信号のスペクトルを表すスペクトル信号を生成するスペクトル分布生成手段と、
前記スペクトル信号が表す被補間信号のうち、スペクトルの分布に互いに相関関係がある複数の補間用帯域を抽出する相関部分抽出手段と、
前記スペクトル信号が表すスペクトルの包絡線を表す包絡線情報を抽出する包絡線抽出手段と、
前記被補間帯域内のスペクトルの分布が前記補間用帯域のいずれかの内のスペクトルの分布と実質的に同一となり、当該被補間帯域内のスペクトルの強度が前記包絡線情報が示す包絡線により表される強度に実質的に等しくなるような信号を前記被補間信号に追加して出力する補間手段と、を備える、
ことを特徴とする。
【0008】
このような周波数補間システムによれば、原信号のスペクトルが被補間帯域に分布しているかを示す判別用データが生成される。そして、判別用データが、被補間帯域内のスペクトルの存在を示しているとき、被補間信号のスペクトルのうちスペクトル分布の相関が高い部分が、包絡線に沿うようにして被補間信号の高周波側に追加され、帯域が拡張される。追加されたスペクトルは、元のスペクトルの一部の高調波成分とみなし得るので、被補間信号が帯域を制限された信号である場合、帯域が拡張された後の被補間信号は、帯域が制限される前の原信号に近いものとなる。一方、判別用データが、被補間帯域内のスペクトルの不存在を示しているとき、被補間信号はスペクトル追加を受けずに出力される。
従って、被補間信号が原信号の一部帯域内のスペクトル成分を抑圧したものであっても、当該帯域のスペクトル成分をもとより含まない原信号を表すものであっても、原信号に近い信号が復元される。そして、被補間信号がオーディオ信号を表すものであれば、このオーディオ信号が高音質で復元される。
【0009】
また、この発明の第2の観点に係る周波数補間装置は、
補間される対象である被補間信号と、当該被補間信号が表す原信号のスペクトルが所定の被補間帯域に含まれているか否かを表す判別用データを外部より取得するデータ取得手段と、
前記判別用データが、前記原信号のスペクトルが前記被補間帯域に含まれていることを表すか否かを判別し、表さないと判別したとき、前記データ取得手段が取得した被補間信号を外部に出力する判別手段と、
前記判別手段が、前記判別用データが前記原信号のスペクトルが前記被補間帯域に含まれていることを表すと判別したとき、前記データ取得手段が取得した被補間信号を取得し、当該被補間信号のスペクトルを表すスペクトル信号を生成するスペクトル分布生成手段と、
前記スペクトル信号が表す被補間信号のうち、スペクトルの分布に互いに相関関係がある複数の補間用帯域を抽出する相関部分抽出手段と、
前記スペクトル信号が表すスペクトルの包絡線を表す包絡線情報を抽出する包絡線抽出手段と、
前記被補間帯域内のスペクトルの分布が前記補間用帯域のいずれかの内のスペクトルの分布と実質的に同一となり、当該被補間帯域内のスペクトルの強度が前記包絡線情報が示す包絡線により表される強度に実質的に等しくなるような信号を前記被補間信号に追加して出力する補間手段と、を備える、
ことを特徴とする。
【0010】
このような周波数補間装置によれば、原信号のスペクトルが被補間帯域に分布しているかを示す判別用データが、被補間帯域内のスペクトルの存在を示しているとき、被補間信号のスペクトルのうちスペクトル分布の相関が高い部分が、包絡線に沿うようにして被補間信号の高周波側に追加され、帯域が拡張される。追加されたスペクトルは、元のスペクトルの一部の高調波成分とみなし得るので、被補間信号が帯域を制限された信号である場合、帯域が拡張された後の被補間信号は、帯域が制限される前の原信号に近いものとなる。一方、判別用データが、被補間帯域内のスペクトルの不存在を示しているとき、被補間信号はスペクトル追加を受けずに出力される。
従って、被補間信号が原信号の一部帯域内のスペクトル成分を抑圧したものであっても、当該帯域のスペクトル成分をもとより含まない原信号を表すものであっても、原信号に近い信号が復元される。そして、被補間信号がオーディオ信号を表すものであれば、このオーディオ信号が高音質で復元される。
【0011】
前記被補間信号は、例えば、オーディオ信号を含む前記原信号に、前記原信号の前記被補間帯域内のスペクトルが抑圧されるような手法によるデータ圧縮を施して得られる信号より構成されていてもよい。
この場合、前記周波数補間装置は、データ圧縮を施された前記被補間信号を伸長する伸長手段を更に備えていてもよく、この場合、前記判別手段が、前記判別用データが、前記原信号のスペクトルが前記被補間帯域に含まれていることを表さないと判別したとき、前記データ取得手段が取得して前記伸長手段が伸長した前記被補間信号を外部に出力するものであり、前記スペクトル分布生成手段が、前記伸長手段が伸長した前記被補間信号につき、その前記スペクトルを表す前記スペクトル信号を生成するものであればよい。
【0012】
また、この発明の第3の観点に係る周波数補間装置は、
補間される対象である被補間信号と、当該被補間信号が表す原信号のスペクトルの包絡線を表す包絡線データを外部より取得するデータ取得手段と、
前記データ取得手段が取得した被補間信号を取得し、当該被補間信号のスペクトルを表すスペクトル信号を生成するスペクトル分布生成手段と、
前記スペクトル信号が表す被補間信号のうち、スペクトルの分布に互いに相関関係がある複数の補間用帯域を抽出する相関部分抽出手段と、
補間される対象の帯域である被補間帯域内のスペクトルの分布が前記補間用帯域のいずれかの内のスペクトルの分布と実質的に同一となり、当該被補間帯域内のスペクトルの強度が前記包絡線データが示す包絡線により表される強度に実質的に等しくなるような信号を前記被補間信号に追加して出力する補間手段と、を備える、
ことを特徴とする。
【0013】
このような周波数補間装置によれば、被補間信号のスペクトルのうちスペクトル分布の相関が高い部分が、包絡線データにより示される原信号のスペクトルの包絡線に沿うようにして被補間信号の高周波側に追加され、帯域が拡張される。追加されたスペクトルは、元のスペクトルの一部の高調波成分とみなし得るので、被補間信号が帯域を制限された信号である場合、帯域が拡張された後の被補間信号は、帯域が制限される前の原信号に近いものとなる。
従って、被補間信号が原信号の一部帯域内のスペクトル成分を抑圧したものであっても、当該帯域のスペクトル成分をもとより含まない原信号を表すものであっても、原信号に近い信号が復元される。そして、被補間信号がオーディオ信号を表すものであれば、このオーディオ信号が高音質で復元される。
【0014】
また、この発明の第4の観点に係る周波数補間装置は、
補間される対象である被補間信号と、当該被補間信号が表す原信号の占有帯域を表す占有帯域データを外部より取得するデータ取得手段と、
前記データ取得手段が取得した被補間信号を取得し、当該被補間信号のスペクトルを表すスペクトル信号を生成するスペクトル分布生成手段と、
前記スペクトル信号が表す被補間信号のうち、スペクトルの分布に互いに相関関係がある複数の補間用帯域を抽出する相関部分抽出手段と、
前記スペクトル信号が表すスペクトルの包絡線を表す包絡線情報を抽出する包絡線抽出手段と、
補間される対象の帯域である被補間帯域内且つ前記占有帯域データが表す占有帯域内である帯域におけるスペクトルの分布が前記補間用帯域のいずれかの内のスペクトルの分布と実質的に同一となり、当該被補間帯域内且つ当該占有帯域内である帯域にあるスペクトルの強度が前記包絡線情報が示す包絡線により表される強度に実質的に等しくなるような信号を前記被補間信号に追加して出力する補間手段と、を備える、
ことを特徴とする。
【0015】
このような周波数補間装置によれば、被補間信号のスペクトルのうちスペクトル分布の相関が高い部分が、包絡線情報が示す包絡線に沿うようにして被補間信号の高周波側に追加され、帯域が拡張される。ただし、占有帯域データが示す占有帯域の外の帯域には、スペクトルが追加されない。追加されたスペクトルは、元のスペクトルの一部の高調波成分とみなし得るので、被補間信号が帯域を制限された信号である場合、帯域が拡張された後の被補間信号は、帯域が制限される前の原信号に近いものとなる。
従って、被補間信号が原信号の一部帯域内のスペクトル成分を抑圧したものであっても、当該帯域のスペクトル成分をもとより含まない原信号を表すものであっても、原信号に近い信号が復元される。そして、被補間信号がオーディオ信号を表すものであれば、このオーディオ信号が高音質で復元される。
【0016】
前記被補間信号は、オーディオ信号を含む前記原信号に、前記原信号の前記被補間帯域内のスペクトルが抑圧されるような手法によるデータ圧縮を施して得られる信号より構成されていてもよい。
この場合、前記周波数補間装置は、データ圧縮を施された前記被補間信号を伸長する伸長手段を更に備えていてもよく、この場合、前記スペクトル分布生成手段が、前記伸長手段が伸長した前記被補間信号につき、その前記スペクトルを表す前記スペクトル信号を生成するものであればよい。
【0017】
また、この発明の第5の観点に係る周波数補間方法は、
補間される対象である被補間信号と、当該被補間信号が表す原信号のスペクトルが所定の被補間帯域に含まれているか否かを表す判別用データを外部より取得し、
前記判別用データが、前記原信号のスペクトルが前記被補間帯域に含まれていることを表すか否かを判別し、表さないと判別したとき、取得した被補間信号を外部に出力し、
前記判別用データが前記原信号のスペクトルが前記被補間帯域に含まれていることを表すと判別したとき、取得した前記被補間信号のスペクトルを表すスペクトル信号を生成し、
前記スペクトル信号が表す被補間信号のうち、スペクトルの分布に互いに相関関係がある複数の補間用帯域を抽出し、
前記スペクトル信号が表すスペクトルの包絡線を表す包絡線情報を抽出し、
前記被補間帯域内のスペクトルの分布が前記補間用帯域のいずれかの内のスペクトルの分布と実質的に同一となり、当該被補間帯域内のスペクトルの強度が前記包絡線情報が示す包絡線により表される強度に実質的に等しくなるような信号を前記被補間信号に追加して出力する、
ことを特徴とする。
【0018】
また、この発明の第6の観点に係る周波数補間方法は、
補間される対象である被補間信号と、当該被補間信号が表す原信号のスペクトルの包絡線を表す包絡線データを外部より取得し、
取得した前記被補間信号のスペクトルを表すスペクトル信号を生成し、
前記スペクトル信号が表す被補間信号のうち、スペクトルの分布に互いに相関関係がある複数の補間用帯域を抽出し、
補間される対象の帯域である被補間帯域内のスペクトルの分布が前記補間用帯域のいずれかの内のスペクトルの分布と実質的に同一となり、当該被補間帯域内のスペクトルの強度が前記包絡線データが示す包絡線により表される強度に実質的に等しくなるような信号を前記被補間信号に追加して出力する、
ことを特徴とする。
【0019】
また、この発明の第7の観点に係る周波数補間方法は、
補間される対象である被補間信号と、当該被補間信号が表す原信号の占有帯域を表す占有帯域データを外部より取得し、
取得した前記被補間信号のスペクトルを表すスペクトル信号を生成し、
前記スペクトル信号が表す被補間信号のうち、スペクトルの分布に互いに相関関係がある複数の補間用帯域を抽出し、
前記スペクトル信号が表すスペクトルの包絡線を表す包絡線情報を抽出し、
補間される対象の帯域である被補間帯域内且つ前記占有帯域データが表す占有帯域内である帯域におけるスペクトルの分布が前記補間用帯域のいずれかの内のスペクトルの分布と実質的に同一となり、当該被補間帯域内且つ当該占有帯域内である帯域にあるスペクトルの強度が前記包絡線情報が示す包絡線により表される強度に実質的に等しくなるような信号を前記被補間信号に追加して出力する、
ことを特徴とする。
【0020】
また、この発明の第8の観点に係るコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、
コンピュータを、
補間される対象である被補間信号と、当該被補間信号が表す原信号のスペクトルが所定の被補間帯域に含まれているか否かを表す判別用データを外部より取得するデータ取得手段と、
前記判別用データが、前記原信号のスペクトルが前記被補間帯域に含まれていることを表すか否かを判別し、表さないと判別したとき、前記データ取得手段が取得した被補間信号を外部に出力する判別手段と、
前記判別手段が、前記判別用データが前記原信号のスペクトルが前記被補間帯域に含まれていることを表すと判別したとき、前記データ取得手段が取得した被補間信号を取得し、当該被補間信号のスペクトルを表すスペクトル信号を生成するスペクトル分布生成手段と、
前記スペクトル信号が表す被補間信号のうち、スペクトルの分布に互いに相関関係がある複数の補間用帯域を抽出する相関部分抽出手段と、
前記スペクトル信号が表すスペクトルの包絡線を表す包絡線情報を抽出する包絡線抽出手段と、
前記被補間帯域内のスペクトルの分布が前記補間用帯域のいずれかの内のスペクトルの分布と実質的に同一となり、当該被補間帯域内のスペクトルの強度が前記包絡線情報が示す包絡線により表される強度に実質的に等しくなるような信号を前記被補間信号に追加して出力する補間手段と、
して機能させるためのプログラムを記録したことを特徴とする。
【0021】
また、この発明の第9の観点に係るコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、
コンピュータを、
補間される対象である被補間信号と、当該被補間信号が表す原信号のスペクトルの包絡線を表す包絡線データを外部より取得するデータ取得手段と、
前記データ取得手段が取得した被補間信号を取得し、当該被補間信号のスペクトルを表すスペクトル信号を生成するスペクトル分布生成手段と、
前記スペクトル信号が表す被補間信号のうち、スペクトルの分布に互いに相関関係がある複数の補間用帯域を抽出する相関部分抽出手段と、
補間される対象の帯域である被補間帯域内のスペクトルの分布が前記補間用帯域のいずれかの内のスペクトルの分布と実質的に同一となり、当該被補間帯域内のスペクトルの強度が前記包絡線データが示す包絡線により表される強度に実質的に等しくなるような信号を前記被補間信号に追加して出力する補間手段と、
して機能させるためのプログラムを記録したことを特徴とする。
【0022】
また、この発明の第10の観点に係るコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、
コンピュータを、
補間される対象である被補間信号と、当該被補間信号が表す原信号の占有帯域を表す占有帯域データを外部より取得するデータ取得手段と、
前記データ取得手段が取得した被補間信号を取得し、当該被補間信号のスペクトルを表すスペクトル信号を生成するスペクトル分布生成手段と、
前記スペクトル信号が表す被補間信号のうち、スペクトルの分布に互いに相関関係がある複数の補間用帯域を抽出する相関部分抽出手段と、
前記スペクトル信号が表すスペクトルの包絡線を表す包絡線情報を抽出する包絡線抽出手段と、
補間される対象の帯域である被補間帯域内且つ前記占有帯域データが表す占有帯域内である帯域におけるスペクトルの分布が前記補間用帯域のいずれかの内のスペクトルの分布と実質的に同一となり、当該被補間帯域内且つ当該占有帯域内である帯域にあるスペクトルの強度が前記包絡線情報が示す包絡線により表される強度に実質的に等しくなるような信号を前記被補間信号に追加して出力する補間手段と、
して機能させるためのプログラムを記録したことを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して、この発明の実施の形態に係る周波数補間システム、周波数補間装置及び周波数補間方法を、音声信号処理装置を例として説明する。
【0024】
(第1の実施の形態)
図1は、この発明の第1の実施の形態に係る音声信号処理装置の構成を示す図である。
図示するように、この音声信号処理装置は、高域検出部1と、音声圧縮部2と、音声伸長部3と、周波数補間部4とより構成されている。
【0025】
高域検出部1は、図1に示すように、HPF(ハイパスフィルタ)11と、検波部12とより構成されている。
【0026】
HPF11は、データ圧縮を施す対象のPCM(Pulse Code Mudulation)信号が自己に供給されると、このPCM信号のうち所定の通過周波数以下の成分を遮断し、他の成分(高域成分)を検波部12へと供給する。なお、HPF11に供給される、データ圧縮を施す対象のPCM信号は、音声圧縮部2にも並行して供給される。
【0027】
なお、データ圧縮を施す対象のPCM信号は、音声等を電圧あるいは電流の変化として表すオーディオ信号を表すものである。そして、上述の通過周波数は、音声圧縮部2が後述のようにPCM信号をデータ圧縮する結果得られる圧縮データの占有帯域の上限より高い周波数であればよい。例えば、圧縮データの占有帯域の上限が14キロヘルツ程度である場合、上述の通過周波数は、例えば約16キロヘルツであればよい。
【0028】
検波部12は、HPF11よりPCM信号の高域成分が供給されると、この高域成分を検波して検波信号を生成し、この検波信号を、例えばデータ圧縮を施す対象のPCM信号が音声圧縮部2に供給されるタイミングに同期したタイミングで、音声圧縮部2へと供給する。
【0029】
音声圧縮部2は、例えば、DSP(Digital Signal Processor)や、CPU(Central Processing Unit)や、マルチプレクサ等を備え、また、記録媒体(例えば、CD−R等)へのデータの記録及び記録媒体からのデータの読み出しを行う記録媒体ドライバを備えている。
音声圧縮部2は、データ圧縮を施す対象である上述のPCM信号を供給されると、このPCM信号が表すデータに、MP3やAAC(Advanced Audio Coding)その他任意の手法によるデータ圧縮を施す。なお、データ圧縮により得られるデータ(すなわち、上述の圧縮データ)の占有帯域の上限の周波数は所定の値以下となる。
【0030】
また、音声圧縮部2は、このPCM信号に高域成分が含まれているか否かを示す外部データを、検波部12から検波信号が供給されたか否かに応じて生成する。
具体的には、音声圧縮部2は、例えば、検波部12から検波信号が供給されたとき、この検波信号に同期して自己に供給されたPCM信号に高域成分が存在することを示す外部データを生成する。一方、データ圧縮を施す対象のPCM信号が供給されたとき、このPCM信号に同期した検波信号が供給されなかったときは、このPCM信号に高域成分が存在しないことを示す外部データを生成する。
【0031】
従って、例えば、圧縮データの占有帯域の上限の周波数が約14キロヘルツであって、一方、HPF11(及び音声圧縮部2)に供給されたPCM信号のスペクトル分布が図2に示すようなものである場合(すなわち、もとより14キロヘルツ以上のスペクトル成分を実質的に含んでいない場合)、検波部12は、このPCM信号に高域成分が存在しないことを示す外部データを生成する。
【0032】
そして、音声圧縮部2は、PCM信号のデータ圧縮により得られた圧縮データと、このPCM信号に高域成分が存在するか否かを示す上述の外部データとを、互いに対応付けて、記録媒体ドライバにセットされた外部の記録媒体に記録する。
【0033】
なお、音声圧縮部2は、記録媒体ドライバに代えて、あるいは記録媒体ドライバと共に、外部の通信回線に接続されたモデムやターミナルアダプタ等より構成される通信制御装置を備えていてもよい。この場合、音声圧縮部2は、自己に供給されたPCM信号をデータ圧縮して得られた圧縮データにこのPCM信号の高域成分の有無を示す上述の外部データを付し、通信回線を介して外部へと伝送してもよい。
また、音声圧縮部2が、PCM信号にMP3形式のデータ圧縮を施すものである場合、外部データはアンシェラリコードに含まれるものとすればよい。
【0034】
音声伸長部3は、例えば、DSPやCPU等を備え、また、記録媒体ドライバを備えている。音声伸長部3は、PCM信号をMP3やAAC等の手法によりデータ圧縮したものを表す上述の圧縮データと、この圧縮データに対応付けられた上述の外部データとを、記録媒体ドライバにセットされた外部の記録媒体より読み出す。そして、読み出した圧縮データをMP3やAAC等の手法により伸長し、伸長により得られたデータを表すPCM信号を生成して、生成したPCM信号と、記録媒体から読み出した外部データとを、互いに対応付けて周波数補間部4へと(より具体的には、後述の補間要否判別部41へと)供給する。
【0035】
なお、音声伸長部3は、記録媒体ドライバに代えて、あるいは記録媒体ドライバと共に、通信制御装置を備えていてもよい。この場合、音声伸長部3は、外部データが付された圧縮データが通信回線を介して外部より自己へと供給されたとき、この外部データ及び圧縮データを受信して受信した圧縮データを伸長し、伸長により得られたデータを表すPCM信号と、受信した外部データとを、周波数補間部4へと供給するようにしてもよい。
【0036】
周波数補間部4は、図3に示すように、補間要否判別部41と、アナライザ42と、補間処理部43と、補間バンド加算部44と、シンセサイザ45とより構成されている。
【0037】
補間要否判別部41は、例えば、デマルチプレクサ等より構成されている。補間要否判別部41は、互いに対応付けられたPCM信号及び外部データを音声伸長部3より供給されると、この外部データが、高域成分の存在又は不存在のいずれを示しているかを判別する。そして、高域成分が存在していることを示すと判別すると、音声伸長部3より供給されたこのPCM信号を、アナライザ42へと供給する。
一方、補間要否判別部41は、音声伸長部3より取得した外部データが、高域成分の不存在を示すと判別した場合は、音声伸長部3より供給されたこのPCM信号を、周波数補間部4の出力信号として出力する。
【0038】
アナライザ42は、図4に示すように、n個の遅延部421−0〜421−(n−1)と、(n+1)個のサンプラー422−0〜422−nと、フィルタバンク423とより構成されている。(ただし、nは1以上の任意の整数とする。)
【0039】
遅延部421−0〜421−(n−1)は、各自に供給された信号を、この信号の周期1周期分遅らせて出力する。
遅延部421−k(kは0以上(n−1)以下の任意の整数)が出力する信号はサンプラー422−kに供給される。また、遅延部421−j(jは0以上(n−2)以下の任意の整数)は、遅延部421−(j+1)が出力する信号を供給される。遅延部421−(n−1)には、音声伸長部3が供給するPCM信号(すなわち、周波数補間部4により周波数の補間を受ける対象のPCM信号)が供給される。
従って、遅延部421−kは、遅延部421−(n−1)に供給されたPCM信号を、このPCM信号の(n−k)周期分送らせた信号を出力する。
【0040】
サンプラー422−0〜422−nは、各自に供給された信号を、周波数の補間を受ける対象のPCM信号の周波数の(n+1)分の1の周波数でサンプリングし、サンプリング結果を表す信号を、フィルタバンク423へと供給する。
【0041】
サンプラー422−kには、上述の通り、遅延部421−kが出力する信号が供給される。サンプラー422−nには、周波数補間部4により周波数の補間を受ける対象のPCM信号が、遅延部421−(n−1)に供給されるのと実質的に同時に供給される。
【0042】
フィルタバンク423は、DSPやCPU等より構成されている。
フィルタバンク423は、上述の通りサンプラー422−1〜422−nが出力する信号を供給される。
【0043】
そして、フィルタバンク423は、ポリフェーズフィルタ、DCT(Discrete Cosine Transform)、LOT(Lapped Orthogonal Transform)、MLT(Modulated Lapped Transform)あるいはELT(Extended Lapped Transform)等の手法を用い、自己に供給されたこの信号のスペクトル分布を表す1番目〜(n+1)番目までの(n+1)個の信号を生成する。そして、生成したこれら(n+1)個の信号を、補間処理部43及び補間バンド加算部44へと供給する。
【0044】
フィルタバンク423が生成するp番目(pは1から(n+1)までの整数)の信号は、サンプラー422−0〜422−nが出力する信号のスペクトル分布を(n+1)等分して得られる互いに帯域幅が等しい帯域のうち、周波数がp番目に低い帯域内のスペクトル分布を表す信号であるものとする。
【0045】
補間処理部43は、DSPやCPU等より構成されている。補間処理部43は、上述の(n+1)個の各帯域内のスペクトル分布を表す(n+1)個の信号をフィルタバンク423より供給されると、例えば以下(1)〜(5)として述べる処理を行うことにより、後述の補間用バンドとして用いる基準バンドを決定する。
【0046】
(1) 補間用バンドを決定するため、補間処理部43はまず、フィルタバンク423から供給された信号が表す各帯域のうちもっとも周波数が高い方からq個(qは1以上n以下の整数)の連続した帯域を連結して形成されるバンド(基準バンド)を特定する。また、基準バンド内のスペクトル成分の二乗平均値を求める。なお、基準バンドの最高周波数以上の帯域は、アナライザ42に供給されたPCM信号が表すオーディオ信号のスペクトルが実質的に含まれていない帯域であるものと特定される。
【0047】
(2) 一方、補間処理部43は、フィルタバンク423から供給された信号が表す各帯域のうちもっとも周波数が高い帯域を除いたうちのq個の連続した帯域を連結して形成され得るバンド(比較対象バンド)を1個特定する。そして、比較対象バンド内のスペクトル成分の二乗平均値を求める。
【0048】
(3) 基準バンド内及び比較対象バンド内の各スペクトル成分の二乗平均値を用いて、比較対象バンドのスペクトル成分の値の規格化を行う。すなわち、例えば、基準バンド内のスペクトルの二乗平均値に対する、比較対象バンド内のスペクトル成分の二乗平均値の比の値を求め、比較対象バンド内の各スペクトル成分の値にこの比の値を各々乗じて得られる積を求める。得られた積の集合が、規格化された後の比較対象バンド内のスペクトル分布を表す。
【0049】
(4) 基準バンド内のスペクトル分布と、規格化された後の比較対象バンド内のスペクトル分布との相関係数を、最小二乗法等の手法を用いて求める。
ただし、補間処理部43は、比較対象バンド内の各スペクトルの周波数を、その元来の値に、基準バンド及び比較対象バンドの各最低周波数の差を加算した周波数であるものとして扱い、相関係数を求めるものとする。
【0050】
(5) 補間処理部43は、とり得るすべてのqの値、及び、とり得るすべての基準バンド及び比較対象バンドの組み合わせについて上述(1)〜(4)の処理を行うことにより相関係数を求めると、これらの各組み合わせのうちでもっとも高い相関係数が得られた組み合わせを特定する。そして、その組み合わせに含まれる基準バンドを特定する情報を、補間バンド加算部44へと供給する。
【0051】
補間バンド加算部44は、DSPやCPU等より構成されている。補間バンド加算部44は、上述の(n+1)個の各帯域内のスペクトル分布を表す(n+1)個の信号をフィルタバンク423より供給されると、各帯域内のスペクトル分布の包絡線をなす関数を特定する。そして、特定した関数に基づき回帰計算を行う等することにより、これら各帯域のうちもっとも周波数が高い帯域より更に高周波側の帯域である被補間バンドに本来含まれているべきスペクトル成分の二乗平均値の推定値を求める。
【0052】
なお、被補間バンドの数は1個でも複数でもよく、各々の被補間バンドの帯域幅は、補間処理部43が供給する情報により特定される基準バンドの帯域幅に等しいものとする。被補間バンドが複数個ある場合、各被補間バンドは互いに重複のないように連続しており、補間バンド加算部44は、各々の被補間バンドについて、スペクトル成分の二乗平均値の推定値を求めるものとする。
【0053】
そして、補間バンド加算部44は、補間処理部43より、基準バンドを特定する情報を供給されると、特定された基準バンド(補間用バンド)をスケーリングすることにより被補間バンドのスペクトル分布を求める。
【0054】
すなわち、補間バンド加算部44は、まず、特定された基準バンド内のスペクトル成分の二乗平均値を求める。そして、求めた基準バンド内のスペクトル成分の二乗平均値に対する、被補間バンド内のスペクトル成分の二乗平均値の推定値の比の値を求め、基準バンド内の各スペクトル成分の値にこの比の値を各々乗じて得られる積を求める。得られた積の集合が、スケーリングされた後の基準バンド内のスペクトル分布を表す。
【0055】
そして、補間バンド加算部44は、スケーリングされた基準バンド内のスペクトル分布を、被補間バンド内のスペクトル分布を表すものとして扱うことにより被補間バンド内のスペクトル分布を表す信号を生成し、生成した信号を、フィルタバンク423から供給される信号と共にシンセサイザ45へと供給する。
従って、補間バンド加算部44からシンセサイザ45へは、元のPCM信号のスペクトルに補間用バンドのスペクトル成分が加算されて得られるスペクトルの分布(補間後のスペクトル分布)を表す信号が供給される。
【0056】
ただし、補間バンド加算部44は、スケーリングされた基準バンド内のスペクトル分布を、周波数が低い方からr個目(rは正の整数)の被補間バンド内のスペクトル分布として扱う場合、スケーリングされた基準バンド内の各スペクトルの周波数が、その元来の値に、基準バンドの最高周波数と、被補間バンドの帯域幅の(r−1)倍の値と、を加算した値であるものとして扱うものとする。
【0057】
なお、図5(a)及び(b)は、補間後のスペクトル分布の例を示す図である。
図5(a)は、元のPCM信号が表すオーディオ信号の7個の帯域(帯域1〜帯域7)のうち帯域7及び帯域6の組み合わせがもっとも相関係数が高かった場合である。この場合においては、図示するように、この場合の基準バンドである帯域7のスペクトル分布と実質的に同一の分布を有するスペクトルが、4個の被補間バンドA1〜A4に追加されている。
図5(b)は、元のPCM信号が表すオーディオ信号の7個の帯域のうち、帯域6及び7からなる帯域と、帯域4及び5からなる帯域との組み合わせがもっとも相関係数が高かった場合である。この場合においては、図示するように、この場合の基準バンド(つまり、帯域6及び7とからなる帯域)のスペクトル分布と実質的に同一の分布を有するスペクトルが、2個の被補間バンドB1〜B2に追加されている。
【0058】
シンセサイザ45は、図6に示すように、フィルタバンク451と、(n+1)個のサンプラー452−0〜452−nと、n個の遅延部453−0〜453−(n−1)と、加算器454−0〜454−(n−1)とより構成されている。
【0059】
フィルタバンク451は、DSPやCPU等より構成されており、上述の通り、補間バンド加算部44が出力する、補間後のスペクトル分布を表す信号を供給される。
そして、フィルタバンク451は、ポリフェーズフィルタ、DCT、LOT、MLTあるいはELT等の手法を用い、自己に供給された信号が表すスペクトル分布を有する信号を(n+1)点で等間隔にサンプリングした値を表す(n+1)個の信号を生成する。そして、生成したこれら(n+1)個の信号のうちp番目(pは1から(n+1)までの整数)の信号を、サンプラー452−(p−1)へと供給する。
【0060】
なお、フィルタバンク451が生成するこの信号が表す値のサンプリング間隔は、アナライザ42のサンプラー422−1〜422−nのサンプリング間隔に実質的に等しいものとする。
また、フィルタバンク451が生成するp番目の信号は、フィルタバンク451に供給された信号が表すスペクトル分布を有する信号を(n+1)点で等間隔にサンプリングした値のうち、サンプリングの時刻がp番目に早い値を表すものとする。
【0061】
サンプラー452−1〜452−nは、各自に供給された信号を、当該信号の(n+1)倍の周波数の信号へと変換し、変換結果を表すPCM信号を出力するものである。
サンプラー452−(p−1)には、上述の通り、フィルタバンク451が出力するp番目の信号が供給される。そして、サンプラー452−(s−1)は、自己が出力する信号を、加算器454−(p−1)へと供給する(sは1からnまでの整数)。サンプラー452−nは、自己が出力する信号を遅延部453−(n−1)へと供給する。
【0062】
遅延部453−0〜453−(n−1)は、各自に供給された信号を、この信号の周期1周期分遅らせて出力する。
遅延部453−k(kは0以上(n−1)以下の任意の整数)が出力する信号は加算器454−kに供給される。また、遅延部453−j(jは0以上(n−2)以下の任意の整数)は、加算器454−(j+1)が出力する信号を供給される。遅延部453−(n−1)には、上述の通りサンプラー452−nが出力する信号が供給される。
【0063】
加算器454−0〜454−(n−1)は、各自に供給された2個の信号の和を表す信号を出力する。
加算器454−kには、サンプラー452−kと、遅延部453−kとから信号が供給される。そして、加算器454−m(mは1以上(n−1)以下の整数)が出力する信号は遅延部453−(m−1)に供給される。加算器454−0が出力する信号は、周波数補間部4の出力信号をなす。
【0064】
加算器454−0が出力するこの出力信号は、サンプラー452−0、452−1、・・・、452−(n−1)及び452−nが出力した信号を、アナライザ42に供給されたPCM信号の周期と実質的に同一の周期で順次出力したものに相当し、そのスペクトル分布が補間後のスペクトル分布に相当するPCM信号である。
【0065】
補間後のスペクトルのうち、補間バンド加算部44により加算された被補間バンド内の成分は、最もスペクトル分布の相関が高い基準バンド及び比較対象バンドの組み合わせに含まれる基準バンドのスペクトル分布に相当するスペクトル分布を有する。従って、この被補間バンド内のスペクトル成分は、この基準バンド又は比較対象バンド内のスペクトル成分の高調波成分とみなし得るので、加算器454−0が出力する出力信号は、帯域が制限される前のオーディオ信号に近いオーディオ信号をPCM変調して得られるPCM信号となる。従って、この出力信号を用いてオーディオ信号を復元することにより、オーディオ信号が高音質で復元される。
【0066】
なお、この音声信号処理装置の構成は上述のものに限られない。
例えば、HPF11や、検波部12や、遅延部421−0〜421−(n−1)及び453−0〜453−(n−1)や、サンプラー422−0〜422−n及び452−0〜452−nや、加算器454−0〜454−(n−1)の機能を、DSPやCPUが行ってもよい。
【0067】
また、補間処理部43は、相関係数に代えて、基準バンドと比較対象バンドとの相関を表す任意の数値を、基準バンド及び比較対象バンドのスペクトル分布に基づいて求め、補間用バンドの決定に用いてよい。
【0068】
また、補間処理部43は、基準バンド及び比較対象バンドの組み合わせを特定した後、特定された組み合わせに含まれる比較対象バンドを特定する情報を補間バンド加算部44に供給してもよい。この場合、補間バンド加算部44は、特定された比較対象バンドをスケーリングすることにより被補間バンドのスペクトル分布を求めればよい。
また、補間処理部43は、上述の(3)の処理で、比較対象バンドの方を規格化してもよい。
【0069】
ただし、被補間バンドのスペクトル分布を基準バンドのスペクトル分布に基づいて求めるようにすれば、基準バンドの最高周波数は元のPCM信号のスペクトルの最高周波数を含んでいるので、基準バンド自体が、比較対象バンドの高調波成分とみなし得る可能性が高い。従って、被補間バンドのスペクトル分布を基準バンドのスペクトル分布に基づいて求めるようにすれば、加算器454−0が出力する出力信号は、被補間バンドのスペクトル分布を比較対象バンドのスペクトル分布に基づいて求めた場合に比べ、帯域が制限される前のオーディオ信号により近いオーディオ信号を表すものとなる。
【0070】
また、周波数補間部4が補間を行う対象の信号はPCM信号である必要はなく、オーディオ信号を変調して得られる変調波である必要もない。
【0071】
(第2の実施の形態)
図7は、この発明の第2の実施の形態に係る音声信号処理装置の構成を示す図である。
図示するように、この音声信号処理装置は、高域検出部1に代えて包絡線検出部5を備える点と、周波数補間部4が補間要否判別部41を備えていない点とを除き、図1に示す第1の実施の形態の音声信号処理装置と実質的に同一の構成を有している。図7の構成における周波数補間部4は、図1の構成における周波数補間部4と同様、アナライザ、補間処理部、補間バンド加算部及びシンセサイザを備えている。ただし、この音声信号処理装置の各部の動作は、後述する点で、図1の音声信号処理装置の各部の動作と異なっている。
【0072】
包絡線検出部5は、例えば、周波数補間部4のアナライザ41と実質的に同一の構成を有するアナライザと、並列−直列変換器と、LPF(ローパスフィルタ)とから構成されている。
【0073】
包絡線検出部5のアナライザは、データ圧縮を施す対象のPCM(Pulse Code Mudulation)信号が自己に供給されると、このPCM信号のスペクトル分布を表す一定の個数の信号を生成し、生成したこれらの信号を、包絡線検出部5の並列−直列変換器へと供給する。なお、データ圧縮を施す対象のPCM信号は、音声圧縮部2にも並行して供給される。
【0074】
包絡線検出部5の並列−直列変換器は、包絡線検出部5のアナライザより、データ圧縮を施す対象のPCM信号のスペクトル分布を表す各信号を供給されると、これらの信号を、周波数が低い帯域を表すもの順(又は、周波数が高い帯域を表すもの順)に、順次、包絡線検出部5のLPFへと供給する。
【0075】
包絡線検出部5のLPFは、包絡線検出部5の並列−直列変換器より、データ圧縮を施す対象のPCM信号のスペクトル分布を表す信号を順次供給されると、自己に供給されるこれら信号のうち周波数が一定の遮断周波数以上の成分を遮断し、他の成分(低域成分)を音声圧縮部2に供給する。包絡線検出部5のLPFが音声圧縮部2に供給する低域成分は、データ圧縮を施す対象のPCM信号のスペクトル分布の包絡線を表す信号をなす。
【0076】
図7の構成における音声圧縮部2は、検波部12から検波信号が供給されたか否かに応じて外部データを生成する代わりに、包絡線検出部5から供給される低域成分を表す信号(データ圧縮を施す対象のPCM信号のスペクトル分布の包絡線を表す信号)を外部データとして扱う。
すなわち、音声圧縮部2は、圧縮データと、この圧縮データの生成に用いた元のPCM信号のスペクトル分布の包絡線を表す外部データとを互いに対応付け、記録媒体ドライバにセットされた外部の記録媒体に記録する。あるいは、圧縮データにこの外部データを付し、通信回線を介して外部へと伝送する。
【0077】
図7の音声伸長部3は、PCM信号をMP3やAAC等の手法によりデータ圧縮したものを表す上述の圧縮データと、この圧縮データに対応付けられた上述の外部データとを外部の記録媒体より取得し、あるいは、通信回線を介して外部より自己へと供給された外部データ付きの圧縮データを取得する。そして、取得した圧縮データを、図1の音声伸長部3と同様にMP3やAAC等の手法により伸長し、伸長により得られたデータを表すPCM信号を周波数補間部4のアナライザへと供給する。また、取得した外部データを、周波数補間部4の補間バンド加算部へと供給する。
【0078】
図7の周波数補間部4の構成におけるアナライザは、図4に示すアナライザ42の構成と実質的に同一の構成を有しており、図4のアナライザ42と実質的に同一の処理を行う。この結果、図7の周波数補間部4のアナライザは、自己に供給された圧縮データのスペクトル分布を(n+1)等分して得られる互いに帯域幅が等しい(n+1)個の各帯域内のスペクトル分布を表す(n+1)個の信号を生成し、周波数補間部4の補間処理部へと供給する。
【0079】
図7の周波数補間部4の構成における補間処理部は、図3の構成における補間処理部43と実質的に同一の構成を有しており、図3の補間処理部43と実質的に同一の動作を行うことにより基準バンドを決定し、決定した基準バンドを特定する情報を、周波数補間部4の補間バンド加算部へと供給する。
【0080】
図7の周波数補間部4の構成における補間バンド加算部は、図3の周波数補間部4の構成における補間バンド加算部44と同様、DSPやCPU等より構成されている。図7の周波数補間部4の補間バンド加算部は、上述の(n+1)個の各帯域内のスペクトル分布を表す(n+1)個の信号を周波数補間部4のアナライザより供給され、外部データを音声伸長部3より供給されると、図3の補間バンド加算部44と実質的に同一の処理を行うことにより、補間後のスペクトル分布を表す信号を、周波数補間部4のシンセサイザへと供給する。
【0081】
ただし、図7の周波数補間部4の補間バンド加算部は、周波数補間部4のアナライザより供給される信号に基づいて各帯域内のスペクトル分布の包絡線をなす関数を特定して回帰計算を行う代わりに、自己に供給された外部データが示す包絡線をなす関数に基づき、被補間バンドに本来含まれているべきスペクトル成分の二乗平均値の推定値を求める。
【0082】
図7の周波数補間部4の構成におけるシンセサイザは、図6に示すシンセサイザ45の構成と実質的に同一の構成を有している。図7の周波数補間部4のシンセサイザは、図6のシンセサイザ45と実質的に同一の動作を行うことにより、補間後のスペクトル分布に相当するスペクトル分布を有するPCM信号を、周波数補間部4のアナライザに供給されたPCM信号の周期と実質的に同一の周期で順次出力する。
補間後のスペクトルのうち、周波数補間部4の補間バンド加算部により加算された被補間バンド内の成分は、最もスペクトル分布の相関が高い基準バンド及び比較対象バンドの組み合わせに含まれる基準バンド内のスペクトル分布に相当するスペクトル分布を有するものである。
【0083】
なお、この音声信号処理装置の構成も上述のものに限られない。
例えば、包絡線検出部5のアナライザ、並列−直列変換器及びLPFのうち少なくとも一部の機能をDSPやCPUが行ってもよいし、包絡線検出部5全体の機能を、DSPやCPUが行ってもよい。包絡線検出部5のアナライザは、公知の構成を有するFFT(高速フーリエ変換器)より構成されていてもよい。
【0084】
また、包絡線検出部5は、データ圧縮を施す対象のPCM信号のスペクトル分布の包絡線を表す信号を生成する代わりに、データ圧縮を施す対象のPCM信号の占有帯域を示す信号を生成するようにしてもよい。この場合、音声圧縮部2は、圧縮データの生成に用いた元のPCM信号のスペクトル分布の占有帯域を表すデータを外部データとして扱ってもよい。なお、占有帯域を示すデータは、例えば、PCM信号のスペクトル成分の最低周波数と当該PCM信号の占有帯域幅とを示すデータから構成されていればよく、また、PCM信号のスペクトル成分の最低周波数が既定値(例えば、0ヘルツ)である場合は、当該PCM信号の占有帯域幅を示すデータを含んでいれば十分である。
【0085】
外部データが、圧縮データの生成に用いた元のPCM信号のスペクトル分布の占有帯域を表すものである場合、周波数補間部4の補間バンド加算部は、第1の実施の形態における補間バンド加算部44と同様、周波数補間部4のアナライザより供給される信号に基づいて各帯域内のスペクトル分布の包絡線をなす関数を特定して回帰計算を行うことにより、被補間バンドに本来含まれているべきスペクトル成分の二乗平均値の推定値を求めるものとする。ただし、被補間バンドのうち、外部データが示す占有帯域を超える帯域内のスペクトル成分は実質的に存在しないものとして、被補間バンドに本来含まれているべきスペクトル成分の二乗平均値の推定値を求めるものとする。
【0086】
以上、この発明の実施の形態を説明したが、この発明にかかる周波数補間装置は、専用のシステムによらず、通常のコンピュータシステムを用いて実現可能である。
例えば、パーソナルコンピュータやマイクロコンピュータに上述の高域検出部1又は包絡線検出部5や、音声圧縮部2や、音声伸長部3や、周波数補間部4の動作を実行するためのプログラムを格納した媒体(CD−ROM、MO、フロッピーディスク等)から該プログラムをインストールすることにより、上述の処理を実行する音声信号処理装置を構成することができる。
【0087】
また、例えば、通信回線の掲示板(BBS)に該プログラムを掲示し、これを通信回線を介して配信してもよく、また、該プログラムを表す信号により搬送波を変調し、得られた変調波を伝送し、この変調波を受信した装置が変調波を復調して該プログラムを復元するようにしてもよい。
そして、このプログラムを起動し、OSの制御下に、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、上述の処理を実行することができる。
【0088】
なお、OSが処理の一部を分担する場合、あるいは、OSが本願発明の1つの構成要素の一部を構成するような場合には、記録媒体には、その部分をのぞいたプログラムを格納してもよい。この場合も、この発明では、その記録媒体には、コンピュータが実行する各機能又はステップを実行するためのプログラムが格納されているものとする。
【0089】
【発明の効果】
以上の説明のように、この発明によれば、原信号の一部帯域内のスペクトル成分を抑圧したものを表す信号からも、当該帯域のスペクトル成分をもとより含まない原信号を表す信号からも、原信号に近い信号を復元できるようにするための周波数補間システム、周波数補間装置及び周波数補間方法が実現される。
また、この発明によれば、オーディオ信号を高音質で復元するための周波数補間システム、周波数補間装置及び周波数補間方法が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態に係る音声信号処理装置の構成を示す図である。
【図2】データ圧縮する対象のPCM信号のスペクトルを表す図である。
【図3】図1の周波数補間部の構成を示す図である。
【図4】図3のアナライザの構成を示す図である。
【図5】(a)及び(b)は、補間後のスペクトル分布の例を示す図である。
【図6】図3のシンセサイザの構成を示す図である。
【図7】この発明の第2の実施の形態に係る音声信号処理装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 高域検出部
11 HPF
12 検波部
2 音声圧縮部
3 音声伸長部
4 周波数補間部
41 補間要否判別部
42 アナライザ
421−0〜421−(n−1) 遅延部
422−0〜422−n サンプラー
423 フィルタバンク
43 補間処理部
44 補間バンド加算部
45 シンセサイザ
451 フィルタバンク
452−0〜452−n サンプラー
453−0〜453−(n−1) 遅延部
454−0〜454−(n−1) 加算器
5 包絡線検出部

Claims (12)

  1. 変換する対象の原信号を取得し、取得した原信号のスペクトルが所定の被補間帯域に含まれているか否かを表す判別用データを生成する判別用データ生成手段と、
    前記原信号を取得して所定の変換を施すことにより、補間される対象である被補間信号を生成する信号変換手段と、
    前記被補間信号及び前記判別用データを取得するデータ取得手段と、
    前記判別用データが、前記原信号のスペクトルが前記被補間帯域に含まれていることを表すか否かを判別し、表さないと判別したとき、前記データ取得手段が取得した被補間信号を外部に出力する判別手段と、
    前記判別手段が、前記判別用データが前記原信号のスペクトルが前記被補間帯域に含まれていることを表すと判別したとき、前記データ取得手段が取得した被補間信号を取得し、当該被補間信号のスペクトルを表すスペクトル信号を生成するスペクトル分布生成手段と、
    前記スペクトル信号が表す被補間信号のうち、スペクトルの分布に互いに相関関係がある複数の補間用帯域を抽出する相関部分抽出手段と、
    前記スペクトル信号が表すスペクトルの包絡線を表す包絡線情報を抽出する包絡線抽出手段と、
    前記被補間帯域内のスペクトルの分布が前記補間用帯域のいずれかの内のスペクトルの分布と実質的に同一となり、当該被補間帯域内のスペクトルの強度が前記包絡線情報が示す包絡線により表される強度に実質的に等しくなるような信号を前記被補間信号に追加して出力する補間手段と、を備える、
    ことを特徴とする周波数補間システム。
  2. 補間される対象である被補間信号と、当該被補間信号が表す原信号のスペクトルが所定の被補間帯域に含まれているか否かを表す判別用データを外部より取得するデータ取得手段と、
    前記判別用データが、前記原信号のスペクトルが前記被補間帯域に含まれていることを表すか否かを判別し、表さないと判別したとき、前記データ取得手段が取得した被補間信号を外部に出力する判別手段と、
    前記判別手段が、前記判別用データが前記原信号のスペクトルが前記被補間帯域に含まれていることを表すと判別したとき、前記データ取得手段が取得した被補間信号を取得し、当該被補間信号のスペクトルを表すスペクトル信号を生成するスペクトル分布生成手段と、
    前記スペクトル信号が表す被補間信号のうち、スペクトルの分布に互いに相関関係がある複数の補間用帯域を抽出する相関部分抽出手段と、
    前記スペクトル信号が表すスペクトルの包絡線を表す包絡線情報を抽出する包絡線抽出手段と、
    前記被補間帯域内のスペクトルの分布が前記補間用帯域のいずれかの内のスペクトルの分布と実質的に同一となり、当該被補間帯域内のスペクトルの強度が前記包絡線情報が示す包絡線により表される強度に実質的に等しくなるような信号を前記被補間信号に追加して出力する補間手段と、を備える、
    ことを特徴とする周波数補間装置。
  3. 前記被補間信号は、オーディオ信号を含む前記原信号に、前記原信号の前記被補間帯域内のスペクトルが抑圧されるような手法によるデータ圧縮を施して得られる信号より構成されており、
    データ圧縮を施された前記被補間信号を伸長する伸長手段を更に備え、
    前記判別手段は、前記判別用データが、前記原信号のスペクトルが前記被補間帯域に含まれていることを表さないと判別したとき、前記データ取得手段が取得して前記伸長手段が伸長した前記被補間信号を外部に出力するものであり、
    前記スペクトル分布生成手段は、前記伸長手段が伸長した前記被補間信号につき、その前記スペクトルを表す前記スペクトル信号を生成するものである、
    ことを特徴とする請求項2に記載の周波数補間装置。
  4. 補間される対象である被補間信号と、当該被補間信号が表す原信号のスペクトルの包絡線を表す包絡線データを外部より取得するデータ取得手段と、
    前記データ取得手段が取得した被補間信号を取得し、当該被補間信号のスペクトルを表すスペクトル信号を生成するスペクトル分布生成手段と、
    前記スペクトル信号が表す被補間信号のうち、スペクトルの分布に互いに相関関係がある複数の補間用帯域を抽出する相関部分抽出手段と、
    補間される対象の帯域である被補間帯域内のスペクトルの分布が前記補間用帯域のいずれかの内のスペクトルの分布と実質的に同一となり、当該被補間帯域内のスペクトルの強度が前記包絡線データが示す包絡線により表される強度に実質的に等しくなるような信号を前記被補間信号に追加して出力する補間手段と、を備える、
    ことを特徴とする周波数補間装置。
  5. 補間される対象である被補間信号と、当該被補間信号が表す原信号の占有帯域を表す占有帯域データを外部より取得するデータ取得手段と、
    前記データ取得手段が取得した被補間信号を取得し、当該被補間信号のスペクトルを表すスペクトル信号を生成するスペクトル分布生成手段と、
    前記スペクトル信号が表す被補間信号のうち、スペクトルの分布に互いに相関関係がある複数の補間用帯域を抽出する相関部分抽出手段と、
    前記スペクトル信号が表すスペクトルの包絡線を表す包絡線情報を抽出する包絡線抽出手段と、
    補間される対象の帯域である被補間帯域内且つ前記占有帯域データが表す占有帯域内である帯域におけるスペクトルの分布が前記補間用帯域のいずれかの内のスペクトルの分布と実質的に同一となり、当該被補間帯域内且つ当該占有帯域内である帯域にあるスペクトルの強度が前記包絡線情報が示す包絡線により表される強度に実質的に等しくなるような信号を前記被補間信号に追加して出力する補間手段と、を備える、
    ことを特徴とする周波数補間装置。
  6. 前記被補間信号は、オーディオ信号を含む前記原信号に、前記原信号の前記被補間帯域内のスペクトルが抑圧されるような手法によるデータ圧縮を施して得られる信号より構成されており、
    データ圧縮を施された前記被補間信号を伸長する伸長手段を更に備え、
    前記スペクトル分布生成手段は、前記伸長手段が伸長した前記被補間信号につき、その前記スペクトルを表す前記スペクトル信号を生成するものである、
    ことを特徴とする請求項4又は5に記載の周波数補間装置。
  7. 補間される対象である被補間信号と、当該被補間信号が表す原信号のスペクトルが所定の被補間帯域に含まれているか否かを表す判別用データを外部より取得し、
    前記判別用データが、前記原信号のスペクトルが前記被補間帯域に含まれていることを表すか否かを判別し、表さないと判別したとき、取得した被補間信号を外部に出力し、
    前記判別用データが前記原信号のスペクトルが前記被補間帯域に含まれていることを表すと判別したとき、取得した前記被補間信号のスペクトルを表すスペクトル信号を生成し、
    前記スペクトル信号が表す被補間信号のうち、スペクトルの分布に互いに相関関係がある複数の補間用帯域を抽出し、
    前記スペクトル信号が表すスペクトルの包絡線を表す包絡線情報を抽出し、
    前記被補間帯域内のスペクトルの分布が前記補間用帯域のいずれかの内のスペクトルの分布と実質的に同一となり、当該被補間帯域内のスペクトルの強度が前記包絡線情報が示す包絡線により表される強度に実質的に等しくなるような信号を前記被補間信号に追加して出力する、
    ことを特徴とする周波数補間方法。
  8. 補間される対象である被補間信号と、当該被補間信号が表す原信号のスペクトルの包絡線を表す包絡線データを外部より取得し、
    取得した前記被補間信号のスペクトルを表すスペクトル信号を生成し、
    前記スペクトル信号が表す被補間信号のうち、スペクトルの分布に互いに相関関係がある複数の補間用帯域を抽出し、
    補間される対象の帯域である被補間帯域内のスペクトルの分布が前記補間用帯域のいずれかの内のスペクトルの分布と実質的に同一となり、当該被補間帯域内のスペクトルの強度が前記包絡線データが示す包絡線により表される強度に実質的に等しくなるような信号を前記被補間信号に追加して出力する、
    ことを特徴とする周波数補間方法。
  9. 補間される対象である被補間信号と、当該被補間信号が表す原信号の占有帯域を表す占有帯域データを外部より取得し、
    取得した前記被補間信号のスペクトルを表すスペクトル信号を生成し、
    前記スペクトル信号が表す被補間信号のうち、スペクトルの分布に互いに相関関係がある複数の補間用帯域を抽出し、
    前記スペクトル信号が表すスペクトルの包絡線を表す包絡線情報を抽出し、
    補間される対象の帯域である被補間帯域内且つ前記占有帯域データが表す占有帯域内である帯域におけるスペクトルの分布が前記補間用帯域のいずれかの内のスペクトルの分布と実質的に同一となり、当該被補間帯域内且つ当該占有帯域内である帯域にあるスペクトルの強度が前記包絡線情報が示す包絡線により表される強度に実質的に等しくなるような信号を前記被補間信号に追加して出力する、
    ことを特徴とする周波数補間方法。
  10. コンピュータを、
    補間される対象である被補間信号と、当該被補間信号が表す原信号のスペクトルが所定の被補間帯域に含まれているか否かを表す判別用データを外部より取得するデータ取得手段と、
    前記判別用データが、前記原信号のスペクトルが前記被補間帯域に含まれていることを表すか否かを判別し、表さないと判別したとき、前記データ取得手段が取得した被補間信号を外部に出力する判別手段と、
    前記判別手段が、前記判別用データが前記原信号のスペクトルが前記被補間帯域に含まれていることを表すと判別したとき、前記データ取得手段が取得した被補間信号を取得し、当該被補間信号のスペクトルを表すスペクトル信号を生成するスペクトル分布生成手段と、
    前記スペクトル信号が表す被補間信号のうち、スペクトルの分布に互いに相関関係がある複数の補間用帯域を抽出する相関部分抽出手段と、
    前記スペクトル信号が表すスペクトルの包絡線を表す包絡線情報を抽出する包絡線抽出手段と、
    前記被補間帯域内のスペクトルの分布が前記補間用帯域のいずれかの内のスペクトルの分布と実質的に同一となり、当該被補間帯域内のスペクトルの強度が前記包絡線情報が示す包絡線により表される強度に実質的に等しくなるような信号を前記被補間信号に追加して出力する補間手段と、
    して機能させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  11. コンピュータを、
    補間される対象である被補間信号と、当該被補間信号が表す原信号のスペクトルの包絡線を表す包絡線データを外部より取得するデータ取得手段と、
    前記データ取得手段が取得した被補間信号を取得し、当該被補間信号のスペクトルを表すスペクトル信号を生成するスペクトル分布生成手段と、
    前記スペクトル信号が表す被補間信号のうち、スペクトルの分布に互いに相関関係がある複数の補間用帯域を抽出する相関部分抽出手段と、
    補間される対象の帯域である被補間帯域内のスペクトルの分布が前記補間用帯域のいずれかの内のスペクトルの分布と実質的に同一となり、当該被補間帯域内のスペクトルの強度が前記包絡線データが示す包絡線により表される強度に実質的に等しくなるような信号を前記被補間信号に追加して出力する補間手段と、
    して機能させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  12. コンピュータを、
    補間される対象である被補間信号と、当該被補間信号が表す原信号の占有帯域を表す占有帯域データを外部より取得するデータ取得手段と、
    前記データ取得手段が取得した被補間信号を取得し、当該被補間信号のスペクトルを表すスペクトル信号を生成するスペクトル分布生成手段と、
    前記スペクトル信号が表す被補間信号のうち、スペクトルの分布に互いに相関関係がある複数の補間用帯域を抽出する相関部分抽出手段と、
    前記スペクトル信号が表すスペクトルの包絡線を表す包絡線情報を抽出する包絡線抽出手段と、
    補間される対象の帯域である被補間帯域内且つ前記占有帯域データが表す占有帯域内である帯域におけるスペクトルの分布が前記補間用帯域のいずれかの内のスペクトルの分布と実質的に同一となり、当該被補間帯域内且つ当該占有帯域内である帯域にあるスペクトルの強度が前記包絡線情報が示す包絡線により表される強度に実質的に等しくなるような信号を前記被補間信号に追加して出力する補間手段と、
    して機能させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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