JP3576494B2 - 電子写真装置における定着装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式を用いた複写機、プリンタ及びファクシミリ装置等における定着装置に関し、更に詳細には、定着装置を構成する加熱定着用ローラの温度検出センサや過熱防止用サーモスタット等の温度管理用センサの取り付け構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子写真装置における定着装置のうち、ヒータを内蔵した加熱定着用ローラを用いたものは、加熱定着用ローラ表面の温度が常時一定温度となるよう発熱体をコントロールするために温度検出用サーミスタなどのセンサや、加熱定着用ローラのオーバーヒートを防止するため発熱体の通電路を遮断するサーモスタットなどのセンサが設けられている。そしてこれら温度管理用センサのうちサーミスタは、温度特性を最良にするため加熱定着用ローラに微圧接触する必要があり、またサーモスタットは、加熱定着用ローラ表面を傷つけず、かつ、加熱定着用ローラからの輻射熱を受けやすく設置する必要がある。そのため、従来よりこれらサーミスタやサーモスタット等の温度管理用センサの様々な取り付け構造が提案されている。
【0003】
例えば実開平1−73865公報には、定着ユニットの支持部材である底板にバネ部材でサーミスタを取り付けた構成が示され、また特許2968345号公報には、加熱定着用ローラを覆うカバーに取り付け孔を設け、カバーの外側よりサーミスタをこの取り付け孔に挿入してカバーでサーミスタを支持し、リード線をカバー外に位置する温度制御部に接続する構成が示されている。
【0004】
また実開平6−37855号公報には、サーモスタットが加熱定着用ローラから一定距離を置いて設置できるようサーモスタットを固定する支持部材を設けた構成が示され、さらに特願平11−168227号には、樹脂製の支持部材に金属性のサーモスタット固定具を挿入し、この固定具にサーモスタットを固定して支持部材を加熱定着用ローラから所定距離だけ離して設置する構成が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これら各公報、または特願に示された構成は、いずれもサーミスタやサーモスタットなどの温度管理用センサを保持する支持部材を必要とするため部品点数が多く、また、取り付けに際して接触面が確認できない、設置場所に制約がある、などの問題がある。すなわち実開平1−73865公報に示された装置は、定着ユニットの支持部材である底板にバネ部材でサーミスタを取り付けているため、加熱定着用ローラとの接触状態が確認できないと共に交換や清掃などの場合はカバーを外す必要がある。又、特許2968345号公報のものは、カバーの外側よりサーミスタを取り付け孔に挿入する為、交換は容易であるが加熱定着用ローラに確実に接触しているかどうかの確認ができない。
【0006】
さらに実開平6−37855号公報に示されたものは、サーモスタットを固定する支持部材を要すると共にカバー内部にこの支持部材を設置せねばならず、交換や清掃などの場合はカバーを外す必要があり、特願平11−168227号のものはサーモスタットの特別な保持部材を必要とする。またこれら公報に示された装置は、いずれも温度管理用センサの接続線がカバーの外側にある為これを保持する部材を必要とし、コスト高となる問題もあった。
【0007】
上述の事情に鑑み本発明は、特別な保持部材等を用いずに温度管理用センサを精度良く簡単に固定できるようにし、部品点数の削減によるコスト低減を行うと共に作業性を改善し、併せて取り付け状態の確認や温度管理用センサへの接続線の処理も行える温度管理用センサの取り付け構造を有した電子写真装置における定着装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明においては、定着装置の筐体を、加熱定着用ローラ軸と略平行でかつ記録紙搬送方向に対して略直角の方向に第一筐体とこの第一筐体と結合する第二筐体との2つに分割可能とし、加熱定着用ローラと加圧ローラで構成される加熱ローラ対を第一筐体に収容すると共に、第一筐体の開放面上に温度管理用センサ位置決め用のリブを設け、リブと第二筐体でサーモスタット及びサーミスタなどの温度管理用センサを位置固定するようにし、あわせてこのリブに熱遮蔽面を設け、その背面側に温度管理用センサの接続線を延在させるようにした。
【0009】
こうすることで、特別な固定用部材を用いることなく温度管理用センサと接続線を固定でき、かつ温度管理用センサは第一筐体の開放面上に取り付けできるため、加熱定着用ローラとの関係が確認でき、精度良く取り付けることができると共に汚れなどが生じても簡単に掃除できる。また特別な固定用部材を用いないことと開放面上へ取り付けられることにより、組み立て作業は非常に簡単にできるとともに低コストの定着装置を提供できる。
【0010】
そのため本発明においては、電子写真装置における定着装置筐体を第一筐体と第二筐体の2つに分割可能に構成し、分割した際の前記第一筐体の開放面上に前記温度管理用センサを着脱自在に位置固定するためのリブを設けて前記温度管理用センサが定着装置の加熱定着用ローラと相対して位置固定されることを特徴とし、この際、前記第一筐体に前記加熱定着用ローラ対を収容すると共に前記リブが設けられる。また、前記定着装置筐体の第一筐体と第二筐体を、加熱定着用ローラ軸と略平行でかつ記録紙搬送方向に対して略直角方向に分割して構成するようにしてもよい。
【0011】
このように、温度管理用センサが定着装置の加熱定着用ローラと相対して位置固定されるから、リブが第一筐体の開放面上に設けられていることと相まって、温度管理用センサの取り付けに際して加熱定着用ローラとの関係を確認しながら精度良く取り付けることができ、部品点数が少なく安価で、しかも組み立て作業が簡単な定着装置を提供できる。そして、第一筐体に加熱定着用ローラと温度管理用センサを取り付けることで、温度管理用センサの取り付けに際して加熱定着用ローラとの関係を確認しながら精度良く取り付けることができ、部品点数が少なく安価で、しかも組み立て作業が簡単な定着装置を提供できる。また、定着装置筐体の第一筐体と第二筐体を、加熱定着用ローラ軸と略平行でかつ記録紙搬送方向に対して略直角方向に分割して構成したから、加熱定着用ローラは2つに分割した筐体の開放面側に収容することができ、前記したように温度管理用センサの取り付けに際して加熱定着用ローラとの関係を確認しながら精度良く取り付けることができるという効果が得られる。
【0012】
そして、これら温度管理用センサへの接続線は、電子写真装置における定着装置筐体を第一筐体と第二筐体の2つに分割可能に構成し、該第一筐体に定着装置の加熱定着用ローラが収納され、分割した際の前記第一筐体の開放面上に定着装置の加熱定着用ローラからの熱遮蔽面をリブ状に立設し、該立設したリブに温度管理用センサを取り付けると共にその背面側に温度管理用センサへの接続線を延在させたことを特徴とする。
【0013】
このようにすることで、温度管理用センサへの接続線は熱遮蔽面としたリブで守られる上に特別な保持部材を用いずとも固定することができ、前記したように作業性を改善した安価で見栄えの良い定着装置を提供することができる。
【0018】
そして温度管理用センサの固定は、前記温度管理用センサを、角部が面取りされた四角形状の固定具に取り付け、該固定具を前記リブで位置決めすることを特徴とする。
【0019】
このように、温度管理用センサ固定に四角形状の固定具を用いることで、位置決め用のリブ、及び第二筐体で温度管理用センサを確実に保持、固定することができる。
【0020】
また温度管理用センサの固定は、前記リブをガイド空間を有する複数のリブで構成し、該リブのガイド空間で温度管理用センサ側の位置規制面を保持することを特徴とする。
【0021】
このようにすることにより、前記した四角形状の固定具を用いることなく温度管理用センサを固定することができ、より少ない部品数での固定が可能となる。
【0022】
さらに温度管理用センサの固定において、前記温度管理用センサはこれを保持する貫通孔を設けたハウジングを有し、前記第一筐体の温度管理用センサ位置固定用リブにハウジングの貫通孔に係合する突起部を設けると共に前記第二筐体にハウジングの貫通孔に係合する突起部を設け、前記ハウジングの貫通孔を第一筐体側リブの突起に係合させて位置決めすると共に前記第二筐体に設けた突起部をハウジングの貫通孔に係合させて前記温度管理用センサを固定すること、及び、第二筐体の移動方向と同一延長線上に形成されていることも本発明の有効な手段である。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を例示的に詳しく説明する。但し、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りはこの発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
【0024】
図1は、本発明における定着装置を分割して示した実施例の斜視図、図2は本発明の図1における定着装置の第一筐体1、第二筐体2を組み立てた斜視図、図3はサーモスタットなどの温度管理用センサを組み込んだ説明図、図4はサーモスタットユニットの一例を示した図、図5はサーモスタットの固定方法の説明図、図6はサーモスタット取り付け構造の他の実施例、図7はサーミスタなどの温度管理用センサの取り付け方法の説明図、図8はサーミスタ取り付け方法にかかわる他の実施例の説明図、図9は本発明の定着装置を有する電子写真装置の一構成例である。
【0025】
図中1は、加熱定着用ローラ3と加圧ローラ4などの加熱定着用ローラ対を収容した第一筐体、2はこれら加熱定着用ローラ3と加圧ローラ4をカバーするための第二筐体、3は加熱定着用ローラ、4は加圧ローラ、5はヒータ、6は加熱定着用ローラ3を支持するハウジングを構成する前フレーム、7は同じく加熱定着用ローラ3を支持するハウジングを構成する後フレーム、8は定着された記録紙を加熱定着用ローラ3から分離する分離爪、9は駆動ギア、10はコネクタ、11は記録紙の搬送路、12はサーモスタットなどの温度管理用センサ、13はヒータへの接続線、14はコネクタへの接続線、15は固定具、16はビス、17はサーミスタなどの温度管理用センサ、18はビス、19はサーミスタなどの温度管理用センサへの接続線、20は熱遮蔽面、21はサーミスタなどの温度管理用センサの取り付け用角穴、22は温度管理用センサ取り付け台である。
【0026】
本発明における定着装置筐体は、PET、PBT等からなる耐熱性樹脂を用い、図1に示したように、記録紙搬送方向に対して略直角方向にローラ対を収容した第一筐体1と第二筐体2とに分割可能に構成され、この第一筐体1に第二筐体2を図2のように組み込むことで定着装置となる構成である。そして一方の第一筐体1に、加熱定着用ローラ3、加圧ローラ4、これら加熱定着用ローラ3と加圧ローラ4のローラ対を支持するハウジングを構成する前フレーム6と後フレーム7、ハウジングの一部を構成し、加圧ローラ4を支持して加熱定着用ローラ3に圧接するための加圧レバーなどからなる定着ローラユニットが装着され、記録紙は第1筐体1に収容された加熱定着用ローラ3、加圧ローラ4のニップ部を通って第2筐体2の記録紙搬送路11方向に送り出される。
【0027】
図9は、本発明の定着装置を装着した電子写真装置の断面図であり、図のように略垂直搬送路上に画像形成部を配置し、上部に排紙部とストック部、下部に給紙装置、略垂直搬送路の画像形成部に対向する側面カバー近傍に両面搬送路を構成してある。図中30は電子写真装置、31は給紙装置、32は給紙ローラ、33はレジストローラ対、34は転写ローラ、35は感光体および帯電器等の周辺器を含む画像形成手段、36はレーザユニット、37は定着装置、38は第1排出分岐手段、39は第2排出分岐手段、40は排紙ローラ対、41はスタック部、42は両面搬送路である。
【0028】
記録紙が給紙装置31から給紙ローラ部32によりレジストローラ対33へ送られ、記録紙に印字すべく画像形成手段35と転写ローラ34との間に送られる。そして、定着装置37にて記録紙上のトナーが固着され、第1排出分岐手段38、第2排出分岐手段39を経て排紙ローラ対40から通常の排紙が行われ、画像形成装置30の上面であるスタック部41へストックされる。両面時は、排紙ローラ対40に記録紙後端の僅かを残して回転を停止し、排紙ローラ対40が逆転するスイッチバック機構を採り、両面搬送路42を通ってレジストローラ対33へ再搬送されて裏面印刷が行われる。
【0029】
このように、定着装置を記録紙の搬送方向と略垂直方向に分割し、一方の筐体の内壁に定着装置内部の全ての構成部品を取り付けられるため、記録紙が進入・排出する安定した平面である外装面部分を作業面として置いたままで組み立てられ、作業効率を飛躍的に向上できる。しかも、図9に示すように、電子写真装置30の記録紙搬送路を略垂直搬送路とし、加熱定着用ローラ3と加圧ローラ4が略水平方向に並置した構成により、定着装置37の第一筐体1と第二筐体2が垂直に立った状態で電子写真装置30に載置するために、電子写真装置30への装脱着時の作業性、また電子写真装置30に載置時の保管性が向上するようになる。
【0030】
第一筐体1への第二筐体2の組み込みは、前記前フレーム6と後フレーム7の位置決めをすると共に強度を持たせるために設けられた第一筐体1のリブに、該前フレーム6と後フレーム7を差し込み、同様なリブを備えた第二筐体2を組み込む事でなされる。
【0031】
まずサーモスタットの組み込みであるが、サーモスタットユニットは、図4に示すようにヒータ5、サーモスタット12、ヒータへの接続線13、コネクタへの接続線14、第一筐体1に立設したリブに差し込んでサーモスタット12を固定するため角部が面取りされた四角形状の固定具15、サーモスタット12をこの固定具15へ固定するためのビス16などからなる。このうちヒータ5は、図3に示したように加熱定着用ローラ3の内部に入れられて加熱定着用ローラ3を加熱し、サーモスタット12は第一筐体1に立設したリブに固定される。そしてこのヒータ5へは、サーモスタット12からの接続線13経由で電力が供給され、加熱定着用ローラ3が過熱したとき、サーモスタット12が働いて電力供給を遮断するようになっている。
【0032】
そして第一筐体1には、図5に詳細を示したように、リブ部に固定具15を差し込んで回転止めと抜き止めする四角ボックス部1a、サーモスタット12を載置するためサーモスタット12の外形と同じR形状をして設けられた載置部1bが形成され、四角ボックス部1aに固定具15を差し込んだ後、サーモスタット12を載置部1bに載置してビス16で固定具15に固定する。但しこの固定具15は上方には抜き取れるため、第二筐体2に、サーモスタット12の外形と同じR形状をして形成したサーモスタット12を押さえるための面2aが設けられており、第一筐体1に第二筐体2が組み込まれたとき、この面2aでサーモスタット12が押さえられて固定される。
【0033】
またコネクタ10は、図3に示したようにこの第一筐体1に上面から取り付ける。そしてヒータへの接続線13、コネクタへの接続線14は、図3に示したように第一筐体1に設けられた加熱定着用ローラ3からの熱を遮る熱遮蔽面20の背後に配線されてリブで抜け止めされ、サーモスタット12をビス16で固定部15に固定するとき、端部が図4に示したようにサーモスタット12の端子部にビス16で固定される。そして第一筐体1に第二筐体2が組み込まれたとき、第二筐体2でこの配線部もカバーされ、外からは見えないようになる。
【0034】
このようにしてサーモスタット12を、第一筐体1に形成されたリブ1aと載置部1b、第二筐体2に形成された押さえ用の面2aで固定することにより、従来のように特別な固定具を用意することなく簡単に組み込むことができる。またこの組み込みは、第一筐体1の内部に上面より定着用ローラユニットを装着した後、加熱定着用ローラ3との距離を確認しながら、また各線の配線状況を確認しながらおこなうことができ、サーモスタット12を精度良く動作させることができると共に組立性と作業品質の確認が容易にできる。
【0035】
なお以上の説明では、サーモスタット12を固定する際、リブ1aに固定具15を差し込んだ後サーモスタット12を載置部1bに載置し、その後サーモスタット12をヒータへの接続線13、コネクタへの接続線14と共にビス16で固定部15に固定するとしたが、図4に示したようにあらかじめサーモスタット12にヒータ5のヒータへの接続線13とコネクタ10への接続線14の端子部をビス16で固定しておき、その後サーモスタット12の固定具15をリブ1aに差し込んで固定するようにしても良い。このことは、組立て作業環境に応じてフレキシブルに対応できることを示しており、コスト低減にも貢献できる。
【0036】
また以上の説明では、サーモスタット12のヒータへの接続線13とコネクタへの接続線14の接続を、ビス16で行うサーモスタットの場合について説明したが、図6のようにヒータへの接続線13とコネクタへの接続線14を、接続端子13a、14aで直接サーモスタット12の端子部12bに接続する形式のサーモスタットの場合、第一筐体1におけるリブを、ガイド空間を有する複数のリブで構成し、サーモスタット12側の位置規制面となるツバ部12aを挟むように固定すると共に第二筐体2のリブにてツバ部12aの上面を押さえるようにすれば、図5における固定具15を使用することなくサーモスタット12を固定することが可能となる。そのためこの図6に示した実施例では、さらに部品点数が削減でき、低コストが実現できる。
【0037】
つぎにサーミスタなどの温度検出センサであるが、このサーミスタ17は図7に示したように、ビス18の取り付け穴を有する弾性部材17aの先端に取り付けられている。そして第一筐体1には、前記で説明したサーモスタット12を取り付けけるために形成したリブ部の延長上に、前記リブ部の外側である配線部側からサーミスタ17を挿入するための角孔21が形成されており、さらにこの角穴21の内側のリブ部には、サーミスタ17の両端を回転防止するリブと取り付けのためのビス部が形成された温度管理用センサ取り付け台22が用意されている。そのためサーミスタ17をこの角穴21に挿入してビス18で固定し、サーミスタへの接続線19は、前記リブ部の外側に形成されたヒータへの接続線13と同じ配線部に配設され、同じ第一筐体に配設する図示していない温度調整基板に接続される。
【0038】
このようにすることで、サーミスタ17も組み込むとき加熱定着用ローラ3との接触状態を確認できると共に、サーモスタット12を取り付ける部材と同じ第一筐体1に上面より取り付けられるため作業性が数段向上する。さらにサーミスタ17は直線状のものを使用するため、加熱定着用ローラ3との接触圧のバラツキがおさえられて非常に性能が安定する。
【0039】
図8は、このサーミスタ17の第一筐体1への取り付け構造の他の実施例であり、図7に示した実施例では、サーミスタ17の取り付けにビス18を用いたが、この実施例ではさらにこのビスも使わなくて済むようにしたものである。この図8における実施例では、(A)に示したようにサーミスタ17は弾性部材17aに取り付けられ、さらにその弾性部材17aは、耐熱樹脂で成形されて貫通孔を備えた取り付け部17bとしたハウジングに取り付けられると共に、当たり部17c、サーミスタの接続線17dとを有して構成される。そしてこのサーミスタ17を取り付ける第一筐体1には、図8(B)に示したように、サーミスタ取り付け台1c、そのサーミスタ取り付け台1c上に設けられたボス1d、前記当たり部17cを受ける受け部1eが形成され、第二筐体2には、押さえボス部2bが設けられている。
【0040】
そしてサーミスタ17は、第一筐体1に設けた角穴21から矢印A方向より挿入され、サーミスタ17の取り付け部17bの貫通孔がボス部1dに装着される。その時当たり部17cは受け部1eに略当接状態になり、サーミスタ17が加熱定着用ローラに微圧接触したとき、この当たり部17cが持ち上がることで取り付け部17bがボス部1dから外れるのを防ぐ。そしてこの状態で第二筐体2における押さえボス部2bが、サーミスタ17の取り付け部17bの貫通孔に挿入されるよう第二筐体2を第一筐体1に組み込むことにより、サーミスタ17はビスなどの固定用部材を何ら用いずに固定でき、部品点数を削減できると共に組立て性も向上する。
【0041】
【発明の効果】
以上記載の如く本発明によれば、定着装置の筐体を、加熱定着用ローラ軸と略平行で、かつ、記録紙搬送方向に対して略直角の方向に第一筐体とこの第一筐体と結合する第二筐体との2つに分割可能とし、加熱定着用ローラと加圧ローラで構成される加熱ローラ対を第一筐体に収容すると共に第一筐体の開放面上に温度管理用センサ位置決め用のリブを設け、リブと第二筐体でサーモスタット及びサーミスタなどの温度管理用センサを位置固定するようにし、あわせてこのリブに熱遮蔽面を設け、その背面側に温度管理用センサの接続線を延在させるようにしたから、特別な固定用部材を用いることなく温度管理用センサと接続線を固定できる。また、温度管理用センサは開放面上に取り付けできるため加熱定着用ローラとの関係が確認しながら精度良く取り付けることができ、清掃なども簡単にできる。また特別な固定用部材を用いないことと開放面上への取り付けにより、組み立て作業は非常に簡単にできるとともに低コストの定着装置を提供でき、多大な効果をもたらすものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における定着装置を分割して示した実施例の斜視図である。
【図2】本発明の図1における定着装置の第一筐体1、第二筐体2を組み立てた斜視図である。
【図3】本発明の定着装置におけるサーモスタットの組み込み状況の説明図である。
【図4】サーモスタットユニットの一例を示した図である。
【図5】本発明におけるサーモスタットの固定状況の説明図である。
【図6】本発明におけるサーモスタット取り付け構造の他の実施例である。
【図7】本発明におけるサーミスタの取り付け構造の説明図である。
【図8】本発明におけるサーミスタ取り付け構造の、他の実施例の説明図である。
【図9】本発明の定着装置を装着した電子写真装置の断面図である。
【符号の説明】
1 第一筐体
2 第二筐体
3 加熱定着用ローラ
4 加圧ローラ
5 ヒータ
6 前フレーム
7 後フレーム
8 分離爪
9 駆動ギア
10 コネクタ
11 記録紙の搬送路
12 サーモスタット
13 ヒータへの接続線
14 コネクタへの接続線
15 固定具
16 ビス
17 サーミスタ
18 ビス
19 サーミスタへの接続線
20 熱遮蔽面
21 角穴
22 温度管理用センサ取り付け台

Claims (10)

  1. 電子写真装置における定着装置筐体を第一筐体と第二筐体の2つに分割可能に構成し、分割した際の前記第一筐体の開放面上に温度管理用センサを着脱自在に位置固定するためのリブを設けて前記温度管理用センサが定着装置の加熱定着用ローラと相対して位置固定され、前記第一筐体に前記加熱定着用ローラ対を収容すると共に前記リブを設けたことを特徴とする電子写真装置における定着装置。
  2. 電子写真装置における定着装置筐体を第一筐体と第二筐体の2つに分割可能に構成し、分割した際の前記第一筐体の開放面上に温度管理用センサ着脱自在に位置固定するためのリブを設けて前記温度管理用センサが定着装置の加熱定着用ローラと相対して位置固定され、前記定着装置筐体の第一筐体と第二筐体を、加熱定着用ローラ軸と略平行でかつ記録紙搬送方向に対して略直角方向に分割して構成したことを特徴とする電子写真装置における定着装置。
  3. 電子写真装置における定着装置筐体を第一筐体と第二筐体の2つに分割可能に構成し、該第一筐体に定着装置の加熱定着用ローラが収納され、分割した際の前記第一筐体の開放面上に前記加熱定着用ローラからの熱遮蔽面をリブ状に立設し、該立設したリブに温度管理用センサを取り付けると共にその背面側に温度管理用センサへの接続線を延在させたことを特徴とする電子写真装置における定着装置。
  4. 前記第一筐体に加熱定着用ローラ対を収容すると共に前記リブを設けたことを特徴とする請求項3に記載した電子写真装置における定着装置。
  5. 前記定着装置筐体の第一筐体と第二筐体を、加熱定着用ローラ軸と略平行でかつ記録紙搬送方向に対して略直角方向に分割して構成したことを特徴とする請求項3に記載した電子写真装置における定着装置。
  6. 前記リブで位置固定した温度管理用センサを第二筐体で抜け止めして位置固定することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載した電子写真装置における定着装置。
  7. 前記温度管理用センサを、角部が面取りされた四角形状の固定具に取り付け、該固定具を前記リブで位置決めすることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載した電子写真装置における定着装置。
  8. 前記リブをガイド空間を有する複数のリブで構成し、該リブのガイド空間で温度管理用センサ側の位置規制面を保持することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載した電子写真装置における定着装置。
  9. 前記温度管理用センサはこれを保持する貫通孔を設けたハウジングを有し、前記第一筐体の温度管理用センサ位置固定用リブにハウジングの貫通孔に係合する突起部を設けると共に前記第二筐体にハウジングの貫通孔に係合する突起部を設け、前記ハウジングの貫通孔を第一筐体側リブの突起に係合させて位置決めすると共に前記第二筐体に設けた突起部をハウジングの貫通孔に係合させて前記温度管理用センサを固定することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載した電子写真装置における定着装置。
  10. 前記リブは、第二筐体の移動方向と同一延長線上に形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載した電子写真装置における定着装置。
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