JP3576321B2 - ゴム製品補強用スチールワイヤの波付け加工装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はゴム製品補強用スチールワイヤの波付け加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ゴム製品補強用スチールコードにおいては、強度と耐久性に加えてコード外面およびコード内部にゴムが良く浸透し、耐腐食伝播性が良好であることが重要である。
この対策として、特開平5−186988号公報などにおいて、スチールコードを構成する複数本のスチールワイヤの1本以上に、コードの撚り合わせピッチ長さよりも短く、高さ(振幅)がコードの撚り合わせによる波高さよりも小さな連続した二次元的な小波くせをあらかじめ施し、かかる小波くせ付けスチールワイヤを用いて撚り合わせたスチールコードが提案されている。
かかるスチールコードによれば、小波くせ付けスチールワイヤによりスチールワイヤ間に隙間が形成されるため、ゴム浸透性がよくなり、またかかるスチールワイヤをコアに使用したスチールコードにおいては、小波くせが二次元的であるためコード自体を偏平形状にすることができるという利点がある。
しかし、従来ではこうした二次元的な小波くせを施す手段として、一般に外周面に歯部を形成した一対の歯車が用いられ、この対歯車間にスチールワイヤを通過させることによりジグザク状の波を形成するようにしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる構造では、スチールワイヤは歯車の回転によって漸次歯部と歯部の噛み合い隙間に押し込まれて塑性加工されるいわゆる金型加工であり、特に対をなす歯部の歯面同士が接触して回転トルクを伝達する関係となっているため、その歯面間でスチールフイラメントが挟圧され、それによりワイヤが圧偏されたり、傷が付いたりしやすく、また、全体として頂点部位がとがった三角形状の波となりやすい。
このため、小波くせを付けたスチールワイヤをバンチャー式撚り線機などによって撚り合わせてコードを製作したときに、前記波の側部や頂点部分に応力が集中して、断線が生じたり、切断荷重が低下したり、耐疲労性が悪くなるという問題があった。
【0004】
本発明は前記のような問題点を解消するために創案されたもので、その目的とするところは、簡単な構造でありながら頂点に緩やかな曲率を持った二次元的な小波くせを簡単に能率よく加工することができる装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明の請求項1は、フレームに軸受を介して自転可能に支持された一対の支軸に相互に噛み合う歯部を有する歯車を固定するとともに、各歯車と同軸上に円盤をそれぞれ固定し、それら1組の円盤の周縁部に回転方向と直交する方向に突出する多数の波付け用ピンを所定間隔で取付け、それら1組の円盤の波付け用ピンが最接近時に交互に並ぶように位相がずれている構成としたものである。
波付け用ピンは超硬合金など耐摩耗性にすぐれた材料からなっていてもよいし、耐摩耗性が良好な軟質の外層を有していてもよい。後者によれば軟質の外層によってスチールワイヤが無理なく曲げられるため、波の頂部の曲率を大きくし正弦波に近い波とすることができる。波付け用ピンはいずれの場合も、円盤に固定されるかまたは自転可能になっている。
好ましくは、1組の円盤は波付け用ピンの付いた面が内方に向くようにまた波付け用ピンが円周上で噛み合うように配置されている。この構成によれば、波付け用ピンを配置している1組の円盤の周縁で経路上に壁が形成され、スチールワイヤが挟まれる形となるため、スチールワイヤが波付け用ピンの間の経路から外れることを防止することができる。
なお、本発明で「スチールワイヤ」とは、スチールフィラメントとも称されるもので、一般に、直径が0.15〜0.50mmで表面にゴムとの接着性のよいめっきを有する高炭素鋼線を指す。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施例を添付図面に基いて説明する。
図1ないし図3は本発明によるゴム製品補強用スチールワイヤの波付け加工装置の基本的な実施態様を示している。
1は基台9に対する固定用部10を有するフレームであり、該フレーム1には高さ方向に所定の間隔を隔てて軸受2a,2bが固定されており、それら軸受2a,2bにはフレーム1を貫いて前方に突出する支軸3a,3bの後半部が回転自由に保持されている。
4a,4bは前記フレーム1に接近した位置において支軸3a,3bにキーなどによって固着された一対の歯車であり、外周に形成された歯部40a,40b同士が噛み合っている。
【0007】
6a,6bは前記歯車よりも大きな外径を有する1組の円盤であり、一方の円盤(この例では上側のもの)6aは歯車4aの外表面に短いボス60をもって当接され、中心にはボス60を貫いて支軸3aが突出する一方、円盤6aはボス60を貫く複数の固定ボルト7,7によって歯車4aに固定されている。そして円盤6aの周縁付近の円周上には前方に向かって突出する多数本の波付け用ピン8aが配されている。この例では円周上に16本の波付け用ピン8aが取り付けられている。
【0008】
他方の円盤6b(この例では下側のもの)は前記波付け用ピン8aの先端と接触しないようなスペースを持たせるための有底筒部61を後部に有し、該有底筒部61をもって歯車4bに当接し、有底筒部61を貫く複数の固定ボルト7によって歯車4bに固定されている。また、有底筒部61の中心には支軸3bが突出されている。そしてかかる円盤6bの周縁付近の円周上には、後方に向かって突出する多数本の波付け用ピン8bが配されている。一組の円盤6a,6bはしたがって波付け用ピン8a,8bを付けた面が上下方向で位相がずれたかたちで向かい合っている。
この例では波付け用ピン8bは16本であり、図2に示されるように、それら波付け用ピン8bのピッチ円Cbは一方の円盤6aの波付け用ピン8aのピッチ円Caとクロスしている。波付け用ピン8bの配置間隔は波付け用ピン8aと同等ではあるが、波付け用ピン8aと半ピッチ位相がずらされ、最接近位置で少なくとも3本の波付け用ピン8b,8a,8bが交互に等間隔で配列されるようになっている。これは円盤の製作時にピンの間隔Lと本数及び円盤の大きさと歯車の歯数を考慮するとともに、円盤6bの歯車4bに対する固定時に円周方向での位置を一方の円盤6aとずらして固定することで設定される。
【0009】
図2において、フレーム1には幅方向両側にブラケット11,11’が設けられており、ブラケット11には、3本の波付け用ピン8b,8a,8bの略中央線上に相当する部位に、スチールワイヤwを導入するためのガイド筒110が、他方のブラケット11’には小波くせ付けされたスチールワイヤw’を導出するためのガイド筒110’がそれぞれ固定されている。
【0010】
図4は本発明の他の態様を示しており、この例では波付け用ピン8a,8bは各円盤6a,6bにそれぞれ28本ずつ配設されている。円盤6a,6bの径が前記例と同等の場合、このように波付け用ピン8a,8bの本数を増加させてピン間隔Lを短くすることにより小波くせのピッチを短くすることができる。
【0011】
波付け用ピン8a,8bはスチールワイヤwを傷付けないように表面が滑らでかつ耐摩耗性の良好な材料たとえば超硬合金から構成されている。そして、小波くせの頂部の曲率半径を大きくするため、波付け用ピン8a,8bはスチールワイヤwの直径の3倍以上より好適には4倍以上の直径とすることが好ましい。
波付け用ピン8a,8bの長手方向と直角の断面形状は真円形に限らず、楕円形、長円形、おむすび形などでもよい。
【0012】
図5は波付け用ピン8a,8bの取付け例を示しており、(a)は波付け用ピン8a,8bの基部側を円盤6a,6bに固定している。この固定は図示するものではねじ込みであるが、圧入などてあってもよい。(b)は円盤6a,6bに軸受62,62を設け、これに波付け用ピン8a,8bの基部側を貫挿することにより自転できるようにしている。
図6は波付け用ピン8a,8bの他の例を示しており、小波くせの頂部の曲率半径を大きくするための手段として、ピン本体800の外周に耐摩耗性の良好な材料たとえばエンジニアリングプラスチックなどからなる軟質な外層801を設けたものである。この外層801はピン本体800に接着などによって一体化してもよいし、フリー回転できるようにしてもよい。
また、この図6の構造は波付け用ピン8a,8bの径の変更手段として用いてもよく、この場合には外層801を表面が滑らでかつ耐摩耗性の良好な材料たとえば超硬合金のスリーブとすればよい。
【0013】
本発明装置はスチールワイヤwの引っ張りを動力源とするのが基本であるが、場合によっては駆動式としてもよく、これも本発明に含まれる。この場合には一方の支軸3aまたは3bを軸受から突出させて減速機付きアクチュエータと直結するかあるいは、歯車やプーリなどの伝動要素を介してアクチュエータと連結すればよい。
【0014】
図8は本発明によるゴム製品補強用スチールワイヤの波付け加工装置の使用例を示している。
この使用例は、図9(a)(b)に示すように略二次元的な連続小波くせを有する1本の芯ワイヤw1とその周りの6〜8本の側ワイヤw2とを有し、コード断面形状が略同一向きの断面楕円形状となっているスチールコードを二度撚り撚線機で製造するための装置を示している。
50は巻取リール590の上流に第2偏平化装置550と過捻機540を配した二度撚り撚り線機本体であり、二度撚り撚り線機本体50の導入側から上流に向かって仮撚機140とボイス130と配線板120が順次配置されている。
【0015】
そして、芯ワイヤw1を巻収したサプライボビン60aから配線板120へのパスライン上に本発明による波付け加工装置Aが配置されている。
二度撚り撚線機本体50は、原動機500で回転される左右の中空軸520,520’に軸受により揺動自在に支持されたクレードル510を有し、クレードル510と同軸上には回転ガイド(弓)530,530’を取り付けており、中空軸520,520’付近の回転ガイド530,530’には、これらと一体に回転可能な第1ターンロール570と第2ターンロール580が配されている。
クレードル510には第2ターンロール580よりも下流側にコードの回転性を矯正する過捻機540が配され、この過捻機540の下流には偏平化装置550と引取りキャプスタン560が設けられ、さらに下流に巻取リール590が設けられている。引取りキャプスタン560は前後一対からなり、コードが数回巻き付けられるようになっている。
【0016】
60b〜60gは6〜8本の側ワイヤw2をそれぞれを巻収したサプライボビンであり、前記二度撚り撚線機本体50から離間した位置に配されている。
各サプライボビン60a〜60gには図示しないがブレーキ装置が付属されており、該ブレーキ装置により芯ワイヤw1と6〜8本の側ワイヤw2は所定の張力を付与された状態で引き出されるようになっている。
100は芯ワイヤ用の張力均等化装置であり、たとえばパウダーブレーキ付きキャプスタン100aと駆動キャプスタン100bからなっている。100cは位置制御センサであり、このセンサからの変位信号により、前記駆動キャプスタン100bを制御して芯用ワイヤ1の張力変動を抑えるようになっている。この例では位置制御センサとしてテコ式ダンサーアームが用いられている。
100’はサプライボビン60b〜60gの下流のワイヤパスライン上に配置した側ワイヤ用の張力均等化装置であり、前記芯ワイヤ用のものと同様にパウダーブレーキ付きキャプスタン100a’と駆動キャプスタン100b’からなっており、位置制御センサ100c’により駆動キャプスタン100b’の駆動が制御されるようになっている。
張力均等化装置100’は各側ワイヤw2ごとに設けられてもよいが、簡素化のため、少なくともブレーキ付きキャプスタン100a’と駆動キャプスタン100b’あるいはさらに張力センサ100c’を軸方向に長く構成して各側用ワイヤを並列状にパスさせる(共通化する)ことが好ましい。
【0017】
109は前記張力均等化装置100’よりも下流側に設けた形付け装置であり、それぞれの各側ワイヤw2のパスライン上に設けられている。図8では1つのもののみを示し他は省略している。
これら形付け装置109は板状、円錐状または円筒状の基体に複数本たとえば3〜5本のピンを一定の間隔をおいて千鳥状又は直線状に配している。各ピンは基体に対して固定であってもよいが、ベアリングを取り付けて自軸に対して回転自在であってもよい。
【0018】
配線板120は張力均等化装置100,100’の下流に設けられ、芯ワイヤw1と側ワイヤw2をそれぞれ通す孔を配設している。ボイス130は配線板120で配線された芯ワイヤw1と側ワイヤw2を集合させるためのものである。仮撚機140は上記ワイヤ束を仮撚りするためのものでワイヤ束を巻き付ける一対の仮撚りローラ140a,140bを備え、ワイヤ束軸線上を回転ガイド530,530’と同方向に回転されるようになっている。
なお、偏平化装置550はコード全体を圧縮して偏平状態を整えるするためのもので、板状またはブロック状の基体に一定の間隔をおいてそれぞれ自軸に対して回転自在の複数個(たとえば5〜10個程度)のロールを交互に配置しており、各ロールは基体の接近後退またはロール軸自体の移動によりワイヤパスライン方向に押し込み調整可能となっている。この偏平化装置550はコードに張力がかかっている状態で機能させることが必要であり、そこで、この例では引取りキャプスタン560を構成する一対のロール体の間のコード移動経路に配置されている。
【0019】
図10は本発明装置の他の使用例を示している。
この使用例は図11のように1本の芯ワイヤW1の周りに二次元的な連続小波くせをつけた1本または2本の側ワイヤw2,w2を螺旋状に巻き付け、芯ワイヤw1と側ワイヤw2,w2の間、あるいは2本の側ワイヤw2,w2の間に隙間sを形成するようにした構造のスチールコードを製造するため撚り線装置である。
撚り線装置は、撚り線装置本体50’の回転の中心軸線上にガイドロール570、580、571、581が設けられており、また、ガイドロールより内側にはガイドロールの回転とは無関係に定位置を保つ2個の側ワイヤ供給ボビン60b,60cが配置されている。そして、それら側ワイヤ供給ボビン60b,60cとガイドロール570の間のパスライン上に、本発明装置A,Aが設けられている。なお、この実施例ではボイス130を用いているが、これは特に必要ではない。
この例では本発明装置Aは各側ワイヤ供給ボビン60b,60cの経路に設けられているが、片方の側ワイヤだけに波くせ付けをする場合には、本発明装置Aを1つとしておけばよい。
撚り線装置本体50’外には、1個の芯ワイヤ供給ボビン60aが設けられている。
なお本発明装置は上記2つの使用例に限定されるものではなく、スチールワイヤに小波くせを付けた1本以上のスチールワイヤを使用してコードを製造するあらゆる場合に適用される。
【0020】
【実施例の作用】
本発明装置の使用法と作用を説明する。
本発明装置はスチールワイヤwのサプライボビンの下流の所望パスライン上に設けるもので、スチールワイヤwをフレーム1のガイド筒110から導入して波付け用ピン8b,8a,8bのピッチ円外径側を経由するように渡してからガイド筒110’から導出させる。
この状態でスチールワイヤwを下流側に引っ張れば、波付け用ピン8b,8a,8bとスチールワイヤwとの摩擦によって円盤6a,6bには回転トルクが生じ、この回転トルクは円盤6a,6bと一体化されている一対の歯車4a,4bに直接伝達されるため、それら歯車4a,4bの歯部40a,40bの噛み合い回転によって組をなす円盤6a,6bはそれぞれ互いに反対方向に等速度で滑らかに回転する。
【0021】
この回転により円盤6a,6bの周縁部のピッチ円Ca,Cbに配設されている波付け用ピン8a,8bも移動し、最接近回転角位置において図2のようにパスラインに対して上側に2本の波付け用ピン8b,8bが間隔をおいて並び、その中間点でパスラインの下側に1本の波付け用ピン8aが位置し、回転角の進行とともに漸次離間してゆく。
これによりスチールワイヤwは前記3本の波付け用ピン8b,8a,8bによって3点支持されながら押し込まれるため、図7に示すように曲げ変形される。これが円盤6a,6bの回転とスチールワイヤwの移動により持続されるため、長手方向に連続した二次元的な小波くせが形成される。
【0022】
このときの曲げ変形は、歯車による場合のような凸と凹の歯面間のキャビテイにワイヤが充填されて圧縮されるいわゆる金型加工とは異なり、3点支持式自由曲げであるため、スチールワイヤwの波中間部分に傷が付いたり、圧偏化されることがない。しかも、波付け用ピン8a,8bは直径がスチールワイヤwの直径の少なくとも3ないし4倍以上となっているため、波の頂点部分を鋭角状でなく、図7のようにアール部5,5とすることができる。
【0023】
なお、スチールワイヤwに施す小波くせのピッチ長さpや高さhを代えたい場合も簡単に対応することができる。すなわち、固定ボルト7,7を取外せば円盤6a,6bが歯車4a,4bと分離されるので、製造しようとする仕様に対応する円盤径と波付け用ピン間隔にした円盤6a,6bを歯車4a,4bにあて、固定ボルト7,7を捩じ込み、一組の円盤6a,6bの押込み量(噛み合い度合い)を調整するだけでよい。
【0024】
図8の使用例においてスチールコードを製造する場合には、原動機を駆動して撚線機本体50を図8のようにたとえば反時計方向に回転させ、仮撚機140をワイヤ束のパスラインを軸として反時計方向に回転させ、過捻機540を撚線機本体と反対方向すなわちこの例では時計方向に回転させるものである。
こうすれば、供給ボビン60aから引き出された芯ワイヤw1は前記したように円盤6a,6bの小波くせ用ピン8b,8a,8bで押し込まれるため、二次元的な波くせが連続的に施され、この状態で下流の張力均等化装置100により張力の変動を抑制されながら配線板120の中心通孔に挿通される。
一方、これと同時に6〜8本の側ワイヤw2はそれぞれ何も波くせが付けられぬまま張力均等化装置100’のキャプスタン100a’、100b’に巻き付けられて引き出され、制御センサー100c’を経た後、それぞれ型付け装置109に導かれる。それら形付け装置109は固定されているが、各側ワイヤw2は複数のピンによってしごかれ、同時に仮撚りによる捩じれが生じているため、コードの撚り合せにほぼ則した螺旋状のくせが付けられる。こうして形付けされた各側ワイヤw2は配線板120に向かい、中心通孔の外周に配されている通孔に挿通される。
【0025】
これにより前記連続小波くせ付芯ワイヤの周りに6〜8本のくせ付き側ワイヤが集められ、続いてボイス130に導かれ集合されて束となる。そしてその状態で仮撚機140に到る。この仮撚機140はパスラインを軸として撚線機本体50と同方向に公転していることから、ワイヤ束は強制的に捩りが入れられ、形付けが強化されるとともに連続小波くせ付芯ワイヤとくせ付き側ワイヤの撚り込み長さのバランスが適正化される。
【0026】
その後、前記ワイヤ束は中空軸520’を通して撚線機本体50内に導かれ、第1ターンロール570から回転ガイド530及び第2ターンロール580を通過する間に2回の撚りが入れられて撚り合わされる。このようにして撚り合わされた粗コードは、続いて過捻機540に導かれ、この過捻機540は撚線機本体50の回転方向と逆方向に公転されているため、粗コードはここで強制的に捩じりが入れられ、それにより回転性が矯正される。
過捻機540を通過した粗コードは引き取りキャプスタン560を構成する対のロールに複数回巻回されて張力が付与された状態で偏平化装置550を通過する。この偏平化装置550は固定であり、交互配置の複数組のロールがパスライン方向に所要量突出しているため、粗コードは180度対称方向から押圧される。これにより偏平形状が調整され、撚り線工程に伴う断面形状の崩れが防止され、偏平面が一定方向に揃った製品コードとなり、巻取リール590に巻取られる。以上により図9に示されるような構造のスチールコードが得られる。
【0027】
図10の実施例においては、コードの製造に当っては、芯ワイヤ供給ボビン60aから芯ワイヤw1が引き出され、この芯ワイヤw1はガイドロール570→ガイドロール580→ガイドロール571→→ガイドロール581を通過して巻取りボビン590に巻き取られる。
また、この例では側ワイヤボビン60b、60cから巻き付け用の側ワイヤw2,w2が引き出され、それらワイヤw2,w2はそれぞれ本発明装置A,A→ガイドロール571→ガイドロール581を通過して巻取りボビン590に巻取られる。
【0028】
上記過程において、芯ワイヤボビン60aから引き出された芯ワイヤw1はガイドロール570及びガイドロール580を通過することにより捻じられ、一方、側ワイヤ供給ボビン60b,60cから引き出されはワイヤw2,w2は、それぞれ本発明装置A,Aにより波くせが連続的に付けられ、その状態で1本の芯ワイヤw1の上に引き合わされる。
2本の側ワイヤw2,w2はガイドロール571、581を通過する際に芯ワイヤw1の周りに巻き付けられ、図11に示すような1+2構造のスチールコードとしてボビン590に巻き取られる。
【0029】
【発明の効果】
以上説明した本発明の請求項1によれば、フレーム1に軸受2a,2bを介して自転可能に支持された一対の支軸3a,3bに相互に噛み合う歯部40a,40bを有する歯車4a,4bを固定するとともに、各歯車4a,4bと同軸上に円盤6a,6bをそれぞれ固定し、それら1組の円盤6a,6bの周縁部に所定間隔で回転方向と直交する方向に突出する多数の波付け用ピン8a,8bを取付け、それら波付け用ピン8a,8bが最接近時に交互に並ぶように位相がずれている構成としたので、簡単な構造によりスチールワイヤに二次元的小波くせを能率よく形成することができる。
しかも、得られるスチールワイヤの小波くせが傷がなく頂点部に曲率を持った滑らかなものであるため、撚り線工程で頂点部に応力が集中せず、断線の少ない耐疲労性の良好なスチールコードとすることができというすぐれた効果が得られる。また、波付け用ピン8a,8bだけ耐摩耗性のよい材料でつくればよいため製造コストも安価とすることができ、小波くせのピッチや高さを変える場合もピン間隔や寸法を調整した一組の円盤だけ代えて、その押込み量を調整するのみで足りるため簡単であるというすぐれた効果が得られる。
【0030】
請求項2によれば、波付け用ピン8a,8bの直径がスチールワイヤ径の3倍以上となっているため、小波くせの頂点に適切な曲率のアール部を形成することができというすぐれた効果が得られる。
請求項3によれば、1組の円盤が波付け用ピン8a,8bを付けた面が内方に向くように配置されているため、スチールワイヤの経路からの離脱を防止しつつ波付け加工を行うことができるというすぐれた効果が得られる。
請求項4によれば、波付け用ピン8a,8bが自転可能なため、摩耗を一様にすることができるとともにスチールワイヤの押込みを無理なく円滑に行うことができるというすぐれた効果が得られる。
請求項5によれば、波付け用ピン8a,8bが耐摩耗性が良好な軟質の外層を有しているため、軟質な外層によってスチールワイヤが無理なく曲げられるため、波の頂部の曲率を大きくし正弦波に近い波形状とすることができるというすぐれた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるゴム製品補強用スチールワイヤの波付け加工装置の一実施例を示す斜視図である。
【図2】図1の部分切欠拡大正面図である。
【図3】図2のIII−III線に沿う部分切欠断面図である。
【図4】本発明装置の他の例を示す部分的正面図である。
【図5】本発明装置における波付け用ピンの取付け状態を示す断面図で、(a)は固定タイプ、(b)は自転タイプである。
【図6】本発明装置における波付け用ピンの他の実施例を示すもので、(a)は縦断側面図、(b)は縦断正面図である。
【図7】本発明装置による加工状態と得られた小波くせを示す拡大側面図である。
【図8】本発明装置の使用例を示す撚り線装置の概要図である。
【図9】(a)と(b)は図8の装置により製造されたスチールコードの例を示す断面図である。
【図10】本発明装置の別の使用例を示す撚り線装置の概要図である。
【図11】図10の装置により製造されたイチールコードの例を示す拡大斜視図である。
【符号の説明】
1 フレーム
2a,2b 軸受
3a,3b 支軸
4a,4b 歯車
6a,6b 円盤
8a,8b 波付け用ピン
w スチールワイヤ
40a,40b 歯部
801 外層
Claims (5)
- フレーム1に軸受2a,2bを介して自転可能に支持された一対の支軸3a,3bに相互に噛み合う歯部40a,40bを有する歯車4a,4bを固定するとともに、各歯車4a,4bと同軸上に円盤6a,6bをそれぞれ固定し、それら1組の円盤6a,6bの周縁部に回転方向と直交する方向に突出する多数の波付け用ピン8a,8bを所定間隔で取付けてなり、それら1組の円盤6a,6bの波付け用ピン8a,8bが最接近時に交互に並ぶように位相がずれていることを特徴とするゴム製品補強用スチールワイヤの波付け加工装置。
- 波付け用ピン8a,8bの直径がスチールワイヤの径の3倍以上となっている請求項1に記載のゴム製品補強用スチールワイヤの波付け加工装置。
- 1組の円盤6a,6bは波付け用ピン8a,8bの付いた面が内方に向くようにまた波付け用ピン8a,8bが円周上で噛み合うように配置されている請求項1又は2に記載のゴム製品補強用スチールワイヤの波付け加工装置。
- 波付け用ピン8a,8bが円盤6a,6bに自転可能に取り付けられている請求項1ないし3のいずれかに記載のゴム製品補強用スチールワイヤの波付け加工装置。
- 波付け用ピン8a,8bが耐摩耗性が良好な軟質の外層801を有しているものを含む請求項1ないし4のいずれかに記載のゴム製品補強用スチールワイヤの波付け加工装置。
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