JP3575550B2 - 軌陸用ダンプトラックの操縦装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、鉄道のレールに沿って走行可能とした軌陸用ダンプトラックの操縦装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
鉄道の道床交換作業等の軌道保守作業ではレールに沿って砂利等を散布しており、この砂利等の散布は軌陸用ダンプトラックをレールに沿って走行しながらボデイをダンプ作動して行なっているのが一般である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前述のようにレールに沿って散布された砂利等は作業者が手作業、あるいは後続する作業車のバケットにより均一厚さに掻き均しするので、レールに沿って砂利等を散布する場合には所定距離毎に所定量毎に散布することが必要となる。
【0004】
しかしながら従来の軌陸用ダンプトラックはオペレータにより運転席から操縦されるので、砂利等の散布量をオペレータが目視確認できないから、従来は補助作業者が砂利等の散布量を目視してオペレータに指示、誘導しており、補助作業者が必要となってしまう。
【0005】
また、軌陸用ダンプトラックとしてはボデイを車体に対して側方に傾動するサイドダンプ型式のものが知られており、このサイドダンプ型式の軌陸用ダンプトラックによりレールのカント部においてサイドダンプして砂利を排出する際に車体傾斜して転倒することがあってオペレータにとって大変危険であるので、補助作業者が車体傾斜等を見てオペレータに指示を与えている。
このように、オペレータと補助作業者の2人を必要とする。特に夜間作業が多い軌道保守作業では人手不足の解消や危険作業の回避要求が強く、その実情に対応できる軌陸用ダンプトラックの操縦装置が望まれている。
【0006】
そこで、本発明は前述の課題を解決できるようにした軌陸用ダンプトラックの操縦装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、車体1に陸上走行用車輪と軌道走行車輪を設け、その車体1に運転室4を設けると共に、車体1にボデイ5を起伏自在に設けた軌陸用ダンプトラックの操縦装置において、
前記車体1に設けられて軌道走行用駆動源とボデイ起伏駆動源を動作制御する手段と、
この動作制御手段に動作指令を出力する遠隔操作部材10と、
前記車体1の外部に設けられ、車外から操縦する時に前記遠隔操縦部材10に接続したコード11を接続する外部コンセント13と、
前記運転室4内に設けられ、当該運転室4内で操縦する時に前記コード11を接続する内部コンセント14を備えていることを特徴とする軌陸用ダンプトラックの操縦装置である
【0008】
【作 用】
本発明によれば、遠隔操縦部材10のコード11を車体1の外部に設けた外部コンセント13に接続すれば、車体1の外部から遠隔操縦部材10を操作して軌道走行用駆動源、ボデイ起伏駆動源を動作制御できる。
また、遠隔操縦部材10のコード11を運転室4内に設けた内部コンセント13に接続すれば、運転室4内で遠隔操縦部材10を操作して軌道走行駆動源、ボデイ起伏駆動源を動作制御できる。
【0009】
【実 施 例】
図1と図2と図3に示すように、車体1には前輪2と後輪3が装着され、その車体1の前部に運転室4が設けられ、後部にボデイ5が図示しないボデイ起伏駆動源、例えばホイストシリンダにより起伏自在に設けられて通常の陸上走行用ダンプトラックを構成している。
前記車体1の前部と後部には鉄輪6を備えたアーム7が図示しないシリンダにより上下揺動自在に装着され、そのアーム7を下方に揺動することで鉄輪6をレール8に押しつけて前輪2、後輪3を浮き上げることでレール8に沿って走行可能となり、これによって軌陸用ダンプトラックを構成している。
なお、鉄輪6はアーム7に設けた軌道走行用駆動源、例えば鉄輪駆動用油圧モータにより回転駆動される。
【0010】
図2に示すように、遠隔操縦部材10に連結したコード11のプラグ12が接続される外部コネクタ13が車体1の左右側部に設けてあると共に、内部コネクタ14が運転室4内に設けられ、オペレータは運転室4内と運転室4外部、つまり車外よりそれぞれ操縦できるようにしてある。
【0011】
前記遠隔操縦部材10には図4に示すように、操作レバー15、エンジン回転数調整スイッチ16、全停止ボタン17、ホーンボタン18、第1・第2・第3ボデイダンプ方向指示ランプ19,19,19等が設けられ、その操作レバー15は前進位置Fと後進位置Rと中立位置N及びボデイ上げ位置Uとボデイ下げ位置Dに操作される。
【0012】
図5は油圧回路図であり、エンジン20の出力側にホイスト用油圧ポンプ21と第1・第2・第3油圧ポンプ22,23,24が連結され、そのホイスト用油圧ポンプ21の吐出圧油はホイスト用操作弁25でホイストシリンダ26に供給されるようになり、このホイスト用操作弁25はコントローラ27で切換えられる。
このホイスト用操作弁25、コントローラ27は従来公知のものであって運転室4に設けたホイストレバー28により操作信号が入力されるとホイスト用操作弁25が切換ってホイストシリンダ26が伸び、縮みしてボデイ5が上げ、下げ動作する。
【0013】
前記第1油圧ポンプ22の吐出圧油は第1走行弁29で鉄輪駆動用油圧モータ30の正転ポート30a、逆転ポート30bに供給され、第2油圧ポンプ23の吐出圧油は第2走行弁31で前記鉄輪駆動用油圧モータ30の正転ポート30a、逆転ポート30bに供給され、第3油圧ポンプ24の吐出圧油は走行・昇降切換弁32で第3走行弁33と昇降弁34に供給され、第3走行弁33を切換えることで鉄輪駆動用油圧モータ30の正転ポート30a、逆転ポート30bに供給されると共に、昇降弁34を切換えることでアーム昇降用シリンダ35の伸び室35a、縮み室35bに供給される。
【0014】
前記各弁はソレノイドに通電することで切換え作動する電磁弁となり、第1・第2・第3走行弁29,31,33のソレノイドには前述の操作箱10からの信号で通電され、走行・昇降切換弁32と昇降弁34のソレノイドには運転席4に設けた操作レバーからの信号で通電される。
【0015】
前記操作箱10のプラグ12が接続される外部コネクタ13と内部コネクタ14は図4に示すように主コントローラ40に接続して遠隔操縦部材10よりの各信号を主コントローラ40に入力し、主コントローラ40はこの入力信号に応じて第1・第2・第3走行弁29,31,33のソレノイド、前記コントローラ27、前記エンジン20の回転数制御部41、ブレーキ作動部42等に動作指令を出力する。
【0016】
次に作動を説明する。
オペレータが運転室4から操縦して道路を走行し踏切等でレール8上に乗り移り、その後に運転室4内の操作レバーを操作して走行昇降切換弁32と昇降弁34を切換えて昇降用シリンダ35を伸長して鉄輪6をレール8上に押しつけて前輪2、後輪3を浮き上げて軌道走行状態とする。
【0017】
次にオペレータがプラグ12を内部コンセント14に差し込み、遠隔操縦部材10の操作レバー15を前進位置F又は後進位置Rに操作することで第1・第2・第3走行弁29,31,33を切換えて鉄輪駆動用油圧モータ30を正転又は逆転して鉄輪6を正転駆動又は逆転駆動してレール8に沿って作業現場まで前進走行又は後進走行する。
このように、運転室内で操作レバー15を操作して走行する時には通常のアクセルペダルを踏み込むことでエンジン回転数をコントロールして車速をゼロから最高速まで制御できるようにしてある。
【0018】
作業現場に到着したらオペレータが運転室4から降り、プラグ12を外部コンセント13に接続して車外から操縦する。
以下車外からの操縦について説明する。
操作レバー15を中立位置N、前進位置F、後進位置Rにおいて左右に揺動して上げ位置U、下げ位置Dとするとコントローラ27よりホイスト用操作弁25に上げ信号、下げ信号が出力されて上げ位置、下げ位置に切換ってホイストシリンダ26が伸び、縮みしてボデイ5が上げ、下げ作動し、操作レバー15を左右方向の中立位置とするとコントローラ27より保持信号が出力されてホイスト用操作弁25が保持位置となってホイストシリンダ26が停止してボデイ5はその位置で保持される。
【0019】
操作レバー15を前進位置Fとすると主コントローラ40より第1走行弁29に切換え信号が出力されて前進位置となり、鉄輪駆動用油圧モータ30の正転ポート30aに第1油圧ポンプ22の吐出圧油が供給されて低速正転して鉄輪6を低速正転駆動して低速前進走行する。
この時、エンジン回転数調整スイッチ16を低速側から高速側に操作することで主コントローラ40からエンジン回転数制御部41に制御信号が出力されてエンジン回転数がアイドリング状態からハーフ状態までコントロールされるので、これにより前進速度をコントロールできる。
【0020】
操作レバー15を後進位置Rとすると前述と同様にして鉄輪6が低速逆転駆動して低速後進走行する。
【0021】
操作レバー15を中立位置Nとすると第1走行弁29が中立位置となって鉄輪駆動用油圧モータ30は停止し、これより若干前に主コントローラ40からブレーキ作動部材42に制動信号が出力されてブレーキが制動する。
【0022】
全停止ボタン17をONした時には主コントローラ40から第1走行弁29に中立信号を出力して中立位置に切換えて鉄輪駆動用油圧モータ30を停止し、エンジン回転数制御部材41に信号を出力してアイドリング状態(停止でも良い)とし、さらにブレーキ作動部材42にブレーキ信号を出力してブレーキを制動し、これと同時に主コントローラ40よりコントローラ27に信号を出力してホイスト用操作弁25を中立位置としてボデイ5をその時の位置に保持する。
【0023】
前述の第1・第2・第3ボデイダンプ方向指示ランプ19,19,19は運転席4内のダンプ方向選択レバーを切換えることでいずれか1つの指示ランプが点灯する。つまり、ボデイ5は後方、左側方、右側方の3方向にダンプ作動可能となり、ダンプ方向選択レバーによりダンプ方向を選択するようにしてある。
【0024】
以上の説明における全停止ボタン17をONした時の動作と操作レバー15を中立位置Nとした時のブレーキ作動はプラグ12を内部コンセント14に接続した時には行なわれない。
例えば、内部コンセント14には全停止ボタン17からの信号を受ける接触子とブレーキ信号を受ける接触子を設けないことで前述のようにできる。
【0025】
以上の主コントローラ40の制御信号の出力はマイクロコンピュータにより行なっても良いし、例えば図6に示すようにリレーとタイマー等を設けて行なっても良い。
図6において、43は運転席4に設けた操作レバーであり、アーム上げ位置44、切位置45、アーム下げ位置46、作業位置47、回送位置48に切換えられる。
49は前部アーム上昇限リミットスイッチ、50は前部アーム下降限リミットスイッチ、51は後部アーム上昇限リミットスイッチ、52は後部アーム下降限リミットスイッチであり、53,54は走行昇降切換弁32のソレノイド、55,56は昇降弁34の上げ、下げソレノイド、57,58は第1走行弁29のソレノイド、59,60は第2走行弁31のソレノイド、61,62は第3走行弁33のソレノイド、63,64は瞬時常開、常閉接点付オンデレータイマ、65,66,67はボデイダンプ方向を選択した時にONする第1・第2・第3スイッチである。
【0026】
外部コンセント13と内部コンセント14は図6に示すように接触子とその接続が異なり、プラグ12を外部コンセント13に接続するとリレーReがONし、内部コンセント14に接続すると操作レバー43を作業位置47とするとリレーRcがONし、回転位置48とするとリレーRc、RhがONする。
【0027】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、遠隔操縦部材10のコード11を車体1の外部に設けた外部コンセント13に接続すれば、車体1の外部から遠隔操縦部材10を操作して軌道走行用駆動源、ボデイ起伏駆動源を動作制御できる。
したがって、車体1の外部から遠隔操縦部材10により車体走行及びボデイ5の上げ、下げ操作できるので、オペレータが土砂等の散布状態を見ながら操縦できるし、車体1の傾斜状態を目視できて転倒を防止でき、1人で作業できるし安全性が向上する。
また、遠隔操縦部材10のコード11を運転室4内に設けた内部コンセント13に接続すれば、運転室4内で遠隔操縦部材10を操作して軌道走行駆動源、ボデイ起伏駆動源を動作制御できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す正面図である。
【図2】本発明の実施例を示す平面図である。
【図3】本発明の実施例を示す右側面図である。
【図4】遠隔操縦部材の平面図である。
【図5】油圧回路図である。
【図6】リレーとタイマーを用いた場合の配線図である。
【符号の説明】
1…車体、2…前輪、3…後輪、4…運転室、5…ボデイ、6…鉄輪、7…アーム、8…レール、10…遠隔操縦部材、11…コード、12…プラグ、13…外部コンセント、24…内部コンセント。

Claims (2)

  1. 車体1に陸上走行用車輪と軌道走行車輪を設け、その車体1に運転室4を設けると共に、車体1にボデイ5を起伏自在に設けた軌陸用ダンプトラックの操縦装置において、
    前記車体1に設けられて軌道走行用駆動源とボデイ起伏駆動源を動作制御する手段と、
    この動作制御手段に動作指令を出力する遠隔操作部材10と、
    前記車体1の外部に設けられ、車外から操縦する時に前記遠隔操縦部材10に接続したコード11を接続する外部コンセント13と、
    前記運転室4内に設けられ、当該運転室4内で操縦する時に前記コード11を接続する内部コンセント14を備えていることを特徴とする軌陸用ダンプトラックの操縦装置。
  2. 遠隔操縦部材10のコード11を車体1の外部に設けた外部コンセント13に接続した時には車体前後進及び車体走行速度制御、ボデイ5の上げ下げ、軌道走行用駆動源停止と同時にブレーキ作動、を可能とし、
    前記遠隔操縦部材10のコード11を運転室4内に設けた内部コンセント14に接続した時には車体前後進、ボデイ5の上げ下げ、軌道走行用駆動源停止、を可能とした請求項記載の軌陸用ダンプトラックの操縦装置。
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