JP3575065B2 - Abs制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、車両のABS制御装置に関し、特に、車両が走行中にイグニッションスイッチをオフし、再びオンした直後、又は接触不良などによってABS制御装置への電源の供給が頻繁にオンオフし、オンした直後にABS制動を行ったときに、算出される推定車体速度を速やかに実車体速度に近づけ、正常にABS制御が実施されるようにしたABS制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の車両のABS制御装置においては、特にECUが各車輪に設けられた車輪速センサからの信号データより各車輪の速度を算出し、該各車輪速度から車体の速度を推定して推定車体速度としている。ここで、該推定車体速度は、ノイズなどによって精度が低下することを防ぐためにフィルタ処理が行われていることから、車輪速度の変化に対する応答に時間を要した。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そのため、車両が走行している際に、イグニッションスイッチをオフからオンした直後、又はABS制御装置、特にECUへの電源の供給が接触不良などによってオンオフしている際において、ABS制動中にECUへの電源の供給がオフからオンし、更に、ECUへの電源の供給がオフからオンした直後にABS制動が行われると、図1で示すように、車輪速度の立ち上がりは直ちに立ち上がるのに対して、上述したように、車輪速度から算出される推定車体速度は、ノイズなどによって精度の低下を防ぐためにフィルタ処理が行われていることから、実際の車体速度である実車体速度に近付くまで時間を要し、車輪速度が0になっているにも関わらず、ECUから車輪ブレーキのブレーキ圧を減圧する減圧信号が出力されておらず、車輪のスキッドが深くなるか、又は最悪の場合、車輪がロックするというケースが生じる問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
したがって、本発明は上記問題を解決するためになされたものであり、本発明は、車輪の速度を検出する少なくとも1つ以上の車輪速センサより入力される信号から車輪の速度及び減速度を算出する車輪速度及び車輪減速度演算部と、該車輪速度及び車輪減速度演算部で算出された車輪速度から推定車体速度を算出する推定車体速度演算部と、上記車輪速度及び車輪減速度演算部で算出された車輪速度と車輪減速度、及び該推定車体速度演算部で算出された推定車体速度から車輪がロックしているか否かといった車輪の状態を判定する車輪状態判定部と、該車輪状態判定部からの制御信号により車輪ブレーキのブレーキ液圧を制御する液圧制御装置を駆動制御する液圧制御装置駆動部とからなるABS制御装置において、上記推定車体速度演算部は、上記ABS制御装置への電源供給開始時には、上記車輪速度及び車輪減速度演算部で算出された所定の車輪速度に対して、所定のフィルタ処理を禁止した後、以降は、上記車輪速度及び車輪減速度演算部で算出された各車輪速度に一定のフィルタ処理を施した値に基づいて推定車体速度を算出することを特徴とするABS制御装置を提供するものである。
【0005】
本願の特許請求の範囲の請求項2に記載の発明において、上記ABS制御装置への電源供給開始時において、上記請求項1の推定車体速度演算部は、上記車輪速度及び車輪減速度演算部で算出されたそれぞれの車輪速度の内、最高速の車輪速度を推定車体速度とすることを特徴とする。
【0006】
本願の特許請求の範囲の請求項3に記載の発明において、上記ABS制御装置への電源供給開始時において、上記請求項1の推定車体速度演算部は、上記車輪速度及び車輪減速度演算部で算出されたそれぞれの車輪速度の内、ゼロでない最高速の車輪速度を推定車体速度とすると共に、車輪速度及び車輪減速度演算部で算出されたすべての車輪速度がゼロの場合はゼロを推定車体速度とすることを特徴とする。
【0007】
本願の特許請求の範囲の請求項4に記載の発明において、上記ABS制御装置への電源供給開始時において、上記請求項1の推定車体速度演算部は、上記車輪速度及び車輪減速度演算部で算出された車輪速度において、正常な車輪速センサから算出されたそれぞれの車輪速度の内、最高速の車輪速度を推定車体速度とすることを特徴とする。
【0008】
本願の特許請求の範囲の請求項5に記載の発明において、上記ABS制御装置への電源供給開始時において、上記請求項1の推定車体速度演算部は、上記車輪速度及び車輪減速度演算部で算出された車輪速度において、ホイルスピンしていない車輪の車輪速センサから算出されたそれぞれの車輪速度の内、最高速の車輪速度を推定車体速度とすることを特徴とする。
【0009】
【作用及び効果】
特許請求の範囲の請求項1に記載の装置は、推定車体速度演算部が、上記ABS制御装置への電源供給開始時には、上記車輪速度及び車輪減速度演算部で算出された所定の車輪速度に対して、所定のフィルタ処理を禁止した後、以降は、上記車輪速度及び車輪減速度演算部で算出された各車輪速度に一定のフィルタ処理を施した値に基づいて推定車体速度を算出してABS制御を行うことから、車両が走行している際に、イグニッションスイッチをオフからオンした直後、又はABS制御装置への電源の供給が接触不良などによってオンオフしている際に、ABS制御装置への電源の供給がオフからオンした直後にABS制動を行った場合においても、推定車体速度としてそのときの実車体速度に近い車輪速度が設定されることから、車両走行中にイグニッションスイッチをオンからオフにし、更にオフからオンにした直後、又は接触不良などによってABS制御装置がオンオフしているときにおいてもABS制御を正常に行うことができる。
【0010】
特許請求の範囲の請求項2に記載の装置においては、上記ABS制御装置への電源供給開始時において、上記推定車体速度演算部は、上記車輪速度及び車輪減速度演算部で算出されたそれぞれの車輪速度の内、最高速の車輪速度を推定車体速度とすることから、車両走行中にイグニッションスイッチをオンからオフにし、更にオフからオンにした直後、又は接触不良などによってABS制御装置がオンオフしているときにおいてもABS制御を正常に行うことができる。
【0011】
特許請求の範囲の請求項3に記載の装置においては、上記推定車体速度演算部が、上記ABS制御装置への電源供給開始時において、上記車輪速度及び車輪減速度演算部で算出されたそれぞれの車輪速度の内、ゼロでない最高速の車輪速度を推定車体速度とすると共に、車輪速度及び車輪減速度演算部で算出されたすべての車輪速度がゼロの場合はゼロを推定車体速度とすることから、車両走行中にイグニッションスイッチをオンからオフにし、更にオフからオンにした直後、又は接触不良などによってABS制御装置がオンオフしているときにおいてもABS制御を正常に行うことができる。
【0012】
特許請求の範囲の請求項4に記載の装置においては、上記推定車体速度演算部が、上記ABS制御装置への電源供給開始時において、上記車輪速度及び車輪減速度演算部で正常な車輪速センサから算出されたそれぞれの車輪速度の内、最高速の車輪速度を推定車体速度とすることから、車両走行中にイグニッションスイッチをオンからオフにし、更にオフからオンにした直後、又は接触不良などによってABS制御装置がオンオフしているときにおいてもABS制御を正常に行うことができる。
【0013】
特許請求の範囲の請求項5に記載の装置においては、上記ABS制御装置への電源供給開始時において、上記推定車体速度演算部は、上記車輪速度及び車輪減速度演算部でホイルスピンしていない車輪の車輪速センサから算出されたそれぞれの車輪速度の内、最高速の車輪速度を推定車体速度とすることから、車両走行中にイグニッションスイッチをオンからオフにし、更にオフからオンにした直後、又は接触不良などによってABS制御装置がオンオフしているときにおいてもABS制御を正常に行うことができる。
【0014】
【実施例】
次に、図面に示す実施例に基づき、本発明について詳細に説明する。
図2は、本発明の制御装置を適用する車両の1つの車輪におけるABS装置を示す概略の制御系統図である。
【0015】
図2において、ブレーキペダル50の踏力をブレーキ液圧に変換するマスタシリンダ51は、車輪ブレーキ52におけるホイールシリンダ53へのブレーキ液圧の減圧、保持又は加圧を行って制動力を制御するABSアクチュエータ54を介して上記ホイールシリンダ53と配管接続されている。
【0016】
また、車輪ブレーキ52には車輪速センサ55が配置されており、上記ABSアクチュエータ54は、該車輪速センサ55より入力された信号より種々の計算及び判定を行うECU56から出力される制御信号によって、駆動制御される。なお、ホイールシリンダ53を含む車輪ブレーキ52及び車輪速センサ55は各車輪ごとに設けられているが、ここでは、代表して1つの車輪のみを示して説明を行う。
【0017】
上記ABSアクチュエータ54は、ソレノイド61を有するノーマルオープンの第1ソレノイドバルブ60と、ソレノイド63を有するノーマルクローズの第2ソレノイドバルブ62と、ホイールシリンダ53のブレーキ液圧を減圧するときに、ホイールシリンダ53の余分なブレーキ液を一時的に貯蔵するリザーバ64と、上記リザーバ64に貯蔵されたブレーキ液を上記マスタシリンダ51に送液するポンプ65と、該ポンプ65を駆動するモータ66と、逆止弁67,68とから構成されている。なお、ABSアクチュエータ54は、液圧制御装置をなしている。
【0018】
上記マスタシリンダ51は、第1ソレノイドバルブ60のバルブのポートAに配管接続され、第1ソレノイドバルブ60のバルブのポートBは、第2ソレノイドバルブ62のバルブのポートAと、ホイールシリンダ53とに配管接続され、第2ソレノイドバルブ62のバルブのポートBは、リザーバ64に配管接続される。
【0019】
更にまた、第2ソレノイドバルブ62のバルブのポートBとリザーバ64との接続部には、逆止弁67を介してポンプ65の一端が配管接続され、ポンプ65の他端は逆止弁68を介して、マスタシリンダ51に配管接続される。なお、逆止弁67は第2ソレノイドバルブ62のポートBとリザーバ64との接続部からポンプ65の方向へ、逆止弁68はポンプ65からマスタシリンダ51の方向へのみブレーキ液が流れるようになっている。
【0020】
上記ECU56は、車輪速センサ55から入力される信号から車輪の速度及び減速度を算出する車輪速度及び車輪減速度演算部70と、該車輪速度及び車輪減速度演算部70で算出された車輪速度から推定車体速度を算出する推定車体速度演算部71と、上記車輪速度及び車輪減速度演算部70で算出された車輪速度と車輪減速度、及び該推定車体速度演算部71で算出された推定車体速度から、車輪がロックしているか否かといった車輪の状態を検出する車輪状態検出部72と、第1ソレノイドバルブ60及び第2ソレノイドバルブ62の駆動制御を行うソレノイド駆動部73と、ポンプ65を駆動するモータ66の駆動制御を行うモータ駆動部74とから構成されている。なお、上記ソレノイド駆動部73とモータ駆動部74で、液圧制御装置駆動部をなしている。
【0021】
上記車輪速度及び車輪減速度演算部70は車輪速センサ55、推定車体速度演算部71及び車輪状態検出部72に接続され、上記推定車体速度演算部71は車輪状態検出部72に接続され、車輪状態検出部72はソレノイド駆動部73及びモータ駆動部74に接続されている。
【0022】
更に、ソレノイド駆動部73は、第1ソレノイドバルブ60のソレノイド61の一端と第2ソレノイドバルブ62のソレノイド63の一端とに接続され、該ソレノイド61及び63のそれぞれの他端は直流電源のプラス側端子+Vaに接続されている。また、モータ駆動部74は、モータ66の一端に接続され、モータ66の他端は直流電源のプラス側端子+Vaに接続されている。
【0023】
なお、本発明のABS制御装置においては、各車輪ごとにABSアクチュエータ54、車輪ブレーキ52、ホイールシリンダ53及び車輪速センサ55を備え、それに伴って、ECU56においても、各車輪ごとにソレノイド駆動部73及びモータ駆動部74を備えている。
【0024】
以上のような構成において、車輪速度及び車輪減速度演算部70は、上記車輪速センサ55からの交流信号を矩形波に波形処理し、この矩形波の電圧の変化するエッジ間の時間を計測し、これを基に車輪の速度を算出した後、この車輪の速度を推定車体速度演算部71及び車輪状態検出部72に出力する。推定車体速度演算部71は、車輪速度及び車輪減速度演算部70から入力された車輪の速度に対する推定車体速度を算出し、該推定車体速度を車輪状態検出部72に出力する。
【0025】
車輪状態検出部72は、例えば、車輪速度及び車輪減速度演算部70から入力された実車輪速度と推定車体速度演算部71から入力された推定車体速度の差が一定値を上回ると車輪ロックが生じたと判断して、ソレノイド駆動部73及びモータ駆動部74にブレーキ圧を減圧する減圧信号を出力し、ソレノイド駆動部73は第1ソレノイドバルブ60のソレノイド61及び第2ソレノイドバルブ62のソレノイド63に電流を流して励磁して、減圧モードの駆動を行い、モータ駆動部74はポンプ64のモータ65に電流を流すようにしてモータ65を作動させる。
【0026】
これにより、第1ソレノイドバルブ60のポートAとポートBは遮断されて、マスタシリンダ51からのブレーキ液供給路を閉じ、第2ソレノイドバルブ62のポートAとポートBが接続されてブレーキ液の排出路を開くことにより、ホイールシリンダ53側のブレーキ液がリザーバ64に流れて、ホイールシリンダ53のブレーキ液圧が下がる。そして、ホイールシリンダ53のブレーキ液圧の減圧が開始されるとポンプ65が作動して、リザーバ64内のブレーキ液を汲み上げてマスタシリンダ51に還流させる。
【0027】
また、ホイールシリンダ53のブレーキ液圧の減圧により、例えば、車輪速度と推定車体速度の差が、ある一定値よりも小さくなると、車輪状態検出部72は車輪のロックが回避されたと判断して、ソレノイド駆動部73にブレーキ圧を加圧する加圧信号を出力し、ソレノイド駆動部73は第1ソレノイドバルブ60のソレノイド61及び第2ソレノイドバルブ62のソレノイド63に流れている電流を遮断し、これにより、第1ソレノイドバルブ60のポートAとポートBを接続されて、マスタシリンダ51からのブレーキ液供給路を開き、第2ソレノイドバルブ62のポートAとポートBが遮断されてブレーキ液の排出路を閉じることにより、ホイールシリンダ53のブレーキ液圧が再加圧される。
【0028】
次に、図2で示した本発明のABS制御装置の実施例におけるABS制御の第1動作例を図3のフローチャートを用いて説明する。
【0029】
図3において、最初にステップS1でECU56に電源が供給され、ECU56がオンしてステップS2に進み、ステップS2でイニシャルチェックを行って故障の検出を行い、ステップS3に進む。
【0030】
ステップS3で、ECU56がオンして最初に推定車体速度を算出する処理を行うことを示すフラグFをセットして、ステップS4に進む。ステップS4で、各車輪ごとに設けられたインデックスをカウントし、4輪すべての車輪において処理が終わったかどうかを判断するために使用されるインデックスカウンタiを1に設定して、ステップS5に進む。
【0031】
ステップS5からステップS9は、車輪速度及び車輪減速度演算部70によって各車輪ごとの車輪速度と車輪減速度を算出されるフローを示しており、ステップS5で、車輪速度及び車輪減速度演算部70は、上記インデックスカウンタiに設定されたカウンタ値に対応する車輪の車輪速センサ、例えばカウンタ値1は右前輪を示す場合、右前輪の車輪速センサから車輪速パルスを取り込んでステップS6に進み、ステップS6で、車輪速度及び車輪減速度演算部70は、取り込んだ車輪速パルスから右前輪の車輪速度を算出してステップS7に進む。
【0032】
ステップS7で、車輪速度及び車輪減速度演算部70は、算出された右前輪の車輪速度から車輪減速度を算出した後、ステップS8に進み、ステップS8で、車輪速度及び車輪減速度演算部70は、インデックスカウンタiのカウンタ値に+1を加算して、ステップS9に進み、ステップS9で、車輪速度及び車輪減速度演算部70は、インデックスカウンタiのカウンタ値が5かどうかを調べ、インデックスカウンタiのカウンタ値が5でなければ(NO)、ステップS5に戻り、ステップS5で、車輪速度及び車輪減速度演算部70は、インデックスカウンタiのカウンタ値2に対応する車輪の車輪速センサ、例えばカウンタ値2は左前輪を示す場合、左前輪の車輪速センサから車輪速パルスを取り込む。
【0033】
同様にして、車輪速度及び車輪減速度演算部70は、右後輪及び左後輪の車輪速センサからも車輪速パルスを取り込んで、各々の車輪速度及び車輪減速度を算出した後、ステップS9で、インデックスカウンタiのカウンタ値が5になれば(YES)、ステップS10に進む。
【0034】
ステップS10で、車輪速度及び車輪減速度演算部70は、フラグFの設定状態を調べ、フラグFがセットされていない場合(YES)、ステップS11に進み、ステップS11で、車輪速度及び車輪減速度演算部70は、算出した各車輪速度を推定車体速度演算部71に、算出した各車輪速度及び各車輪減速度を車輪状態検出部72に出力し、該推定車体速度演算部71は、車輪速度及び車輪減速度演算部70から入力された各車輪速度から推定車体速度を算出して、車輪状態検出部72に出力する。なお、車輪速度、車輪減速度及び推定車体速度の算出方法は公知であり、ここではその説明を省略する。
【0035】
次に、ステップS12に進み、ステップS12で、車輪状態検出部72は、インデックスカウンタiを1に設定して、ステップS13に進み、ステップS13で、車輪状態検出部72は、インデックスカウンタiのカウンタ値に対応する車輪の車輪速度、車輪減速度及び推定車体速度から車輪の状態を検出してABS制御を実施するか否かの判断を行い、ABS制御を実施する判断をした場合(YES)、ステップS14に進む。
【0036】
ステップS14で、車輪速度をV、推定車体速度をVREF、車輪減速度をGvとすると、
(VREF−V)>a1+0.05×VREF
Gv<a2−0.005×VREF
となった場合(YES)、車輪状態検出部72は、ホイールシリンダ53のブレーキ液圧を減圧する減圧判断を行い、ステップS15に進む。なお、上記(VREF−V)はスリップ速度を表し、上記a1は正の定数、上記a2は負の定数であり、車輪速度Vの単位はkm/h、車輪減速度Gvの単位は重力加速度Gである。
【0037】
ステップS15で、車輪状態検出部72は、ホイールシリンダ53のブレーキ液圧を減圧する減圧パターンの決定を行い、ソレノイド駆動部73及びモータ駆動部74に対して減圧信号を出力して、ステップS17に進む。
【0038】
ステップS17で、ソレノイド駆動部73は、第1ソレノイドバルブ60のソレノイド61及び第2ソレノイドバルブ62のソレノイド63を励磁し、モータ駆動部74はポンプ65を作動させて、ホイールシリンダ53のブレーキ液をマスターシリンダ51に還流させることによりホイールシリンダ53のブレーキ液圧を減圧させて、ステップS18に進む。
【0039】
また、ステップS13で、車輪状態検出部72が、車輪のロック状態を検出しなかった場合(NO)、ステップS16に進み、ステップS16で、車輪状態検出部72は、ホイールシリンダ53のブレーキ液圧を加圧する加圧パターンの決定を行い、ソレノイド駆動部73及びモータ駆動部74に対して加圧信号を出力して、ステップS17に進む。
【0040】
ステップS17で、ソレノイド駆動部73は、第1ソレノイドバルブ60のソレノイド61及び第2ソレノイドバルブ62のソレノイド63の励磁を解除し、モータ駆動部74はポンプ65を停止させて、ホイールシリンダ53のブレーキ液のマスターシリンダ51への還流を停止させて、マスターシリンダ51からのブレーキ液圧をホイールシリンダ53に伝わるようにして、ホイールシリンダ53のブレーキ液圧を加圧して、ステップS18に進む。
【0041】
また、ステップS14で、スリップ速度(VREF−V)及び車輪減速度Gvが、
(VREF−V)≦a1+0.05×VREF
Gv≧a2−0.005×VREF
となった場合(NO)、ステップS16に進む。
【0042】
次に、ステップS18で、車輪状態検出部72は、インデックスカウンタiのカウンタ値に+1を加算して、ステップS20に進み、ステップS20で、インデックスカウンタiのカウンタ値が5かどうかを調べ、インデックスカウンタiのカウンタ値が5でなければ(NO)、ステップS13に戻り、ステップS13で、車輪状態検出部72は、インデックスカウンタiのカウンタ値2に対応する車輪に対しての車輪状態の検出を行う。
【0043】
このようにして、車輪状態検出部72は、すべての車輪に対しての車輪状態検出を行って、各車輪のソレノイド駆動部及びモータ駆動部に対して駆動制御を行った後、ステップS20で、インデックスカウンタiのカウンタ値が5になれば(YES)、ステップS4に戻る。
【0044】
また、ステップS10でフラグFがセットされていた場合(NO)、図4で示したサブルーチンのフローのステップS30に進み、ステップS30で、推定車体速度演算部71は、車輪速度及び車輪減速度演算部70から入力された4つの車輪の車輪速度の中から最も速い車輪速度を推定車体速度として、ステップS31に進み、ステップS31で、フラグFをリセットした後、図3のステップS12に進む。
【0045】
次に、図1で示した本発明のABS制御装置の実施例におけるABS制御の上記第1動作例を示した図4のフローチャートを図5のフローチャートに置き換えて第2動作例とし、該第2動作例の説明として、ここでは、第1動作例との相違点である図5のフローチャートの説明を行う。なお、図5において、図4と同じフローは同じ符号で示しており、その説明は省略すると共に、図4との相違点のみ説明を行う。
【0046】
図5において、図4との相違点は、図4のステップS30の代わりにステップS40の処理を行うことであり、図3のステップS10において、フラグFがリセットされていなかった場合(NO)、図5のステップS40に進み、ステップS40で、推定車体速度演算部71は、車輪速度及び車輪減速度演算部70から入力された4つの車輪の車輪速度の中から、0でない車輪速度で最も速い車輪速度を推定車体速度とし、また、車輪速度及び車輪減速度演算部70から入力された車輪速度がすべて0であった場合は、推定車体速度を0として、ステップS31に進む。
【0047】
次に、図1で示した本発明のABS制御装置の実施例におけるABS制御の上記第1動作例を示した図4のフローチャートを図6のフローチャートに置き換えて第3動作例とし、該第3動作例の説明として、ここでは、第1動作例との相違点である図6のフローチャートの説明を行う。なお、図6において、図4と同じフローは同じ符号で示しており、その説明は省略すると共に、図4との相違点のみ説明を行う。
【0048】
図6において、図4との相違点は、図4のステップS30の代わりにステップS50の処理を行うことであり、図3のステップS10において、フラグFがリセットされていなかった場合(NO)、図6のステップS50に進み、ステップS50で、推定車体速度演算部71は、車輪速度及び車輪減速度演算部70から入力された4つの車輪の車輪速度の中から、故障検出機能(図示せず)によって、異常判定が成立していない車輪の車輪速度で最も速い車輪速度を推定車体速度として、ステップS31に進む。なお、上記故障検出機能は公知であり、ここではその説明を省略する。
【0049】
次に、図1で示した本発明のABS制御装置の実施例におけるABS制御の上記第1動作例を示した図4のフローチャートを図7のフローチャートに置き換えて第4動作例とし、該第4動作例の説明として、ここでは、第1動作例との相違点である図7のフローチャートの説明を行う。なお、図7において、図4と同じフローは同じ符号で示しており、その説明は省略すると共に、図4との相違点のみ説明を行う。
【0050】
図7において、図4との相違点は、図4のステップS30の代わりにステップS60の処理を行うことであり、図3のステップS10において、フラグFがリセットされていなかった場合(NO)、図7のステップS60に進み、ステップS60で、推定車体速度演算部71は、車輪速度及び車輪減速度演算部70から入力された4つの車輪の車輪速度の中から、ホイルスピンをしていない車輪の車輪速度で最も速い車輪速度を推定車体速度として、ステップS31に進む。
【0051】
上述したように、本発明のABS制御装置を使用すれば、車両が走行している際に、イグニッションスイッチをオフからオンした直後、又はABS制御装置、特にECUへの電源の供給が接触不良などによってオンオフしている際において、ABS制動中にECUへの電源の供給がオフして、更にオンし、又は、ECUへの電源の供給がオフからオンした直後にABS制動が行われても、図8で示すように、車輪速度及び推定車体速度は共に、ECUオン時に直ちに立ち上がることから、推定車体速度が実際の車体速度である実車体速度に近付くまで時間を要し、車輪のスキッドが深くなるか、又は最悪の場合、車輪がロックするということがなくなる。
【0052】
本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が考えられ、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって定められるべきものであることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のABS制御装置における、ECUへの電源の供給がオフからオンした直後にABS制動が行われた場合の、車輪速度、推定車体速度及びECUからのブレーキ圧減圧信号の出力状態を示した図である。
【図2】車両の1つの車輪における本発明のABS制御装置の実施例を示す概略の制御系統図である。
【図3】図2で示した本発明のABS制御装置の実施例におけるABS制御の第1動作例を示したフローチャートである。
【図4】図2で示した本発明のABS制御装置の実施例におけるABS制御の第1動作例のサブルーチンを示したフローチャートである。
【図5】図2で示した本発明のABS制御装置の実施例におけるABS制御の第2動作例のサブルーチンを示したフローチャートである。
【図6】図2で示した本発明のABS制御装置の実施例におけるABS制御の第3動作例のサブルーチンを示したフローチャートである。
【図7】図2で示した本発明のABS制御装置の実施例におけるABS制御の第4動作例のサブルーチンを示したフローチャートである。
【図8】本発明のABS制御装置を使用して、ECUへの電源の供給がオフからオンした直後にABS制動が行われた場合の、車輪速度、推定車体速度及びECUからのブレーキ圧減圧信号の出力状態を示した図である。
【符号の説明】
50 ブレーキペダル
51 マスターシリンダ
52 車輪ブレーキ
53 ホイールシリンダ
54 ABSアクチュエータ
55 車輪速センサ
56 ECU
60 第1ソレノイドバルブ
61,63 ソレノイド
62 第2ソレノイドバルブ
64 リザーバ
65 ポンプ
66 モータ
70 車輪速度及び車輪減速度演算部
71 推定車体速度演算部
72 車輪状態検出部
73 ソレノイド駆動部
74 モータ駆動部

Claims (5)

  1. 車輪の速度を検出する少なくとも1つ以上の車輪速センサより入力される信号から車輪の速度及び減速度を算出する車輪速度及び車輪減速度演算部と、該車輪速度及び車輪減速度演算部で算出された車輪速度から推定車体速度を算出する推定車体速度演算部と、上記車輪速度及び車輪減速度演算部で算出された車輪速度と車輪減速度、及び該推定車体速度演算部で算出された推定車体速度から車輪がロックしているか否かといった車輪の状態を判定する車輪状態判定部と、該車輪状態判定部からの制御信号により車輪ブレーキのブレーキ液圧を制御する液圧制御装置を駆動制御する液圧制御装置駆動部とからなるABS制御装置において、
    上記推定車体速度演算部は、上記ABS制御装置への電源供給開始時には、上記車輪速度及び車輪減速度演算部で算出された所定の車輪速度に対して、所定のフィルタ処理を禁止した後、以降は、上記車輪速度及び車輪減速度演算部で算出された各車輪速度に一定のフィルタ処理を施した値に基づいて推定車体速度を算出することを特徴とするABS制御装置。
  2. 請求項1に記載のABS制御装置にして、上記ABS制御装置への電源供給開始時において、上記推定車体速度演算部は、上記車輪速度及び車輪減速度演算部で算出されたそれぞれの車輪速度の内、最高速の車輪速度を推定車体速度とすることを特徴とするABS制御装置。
  3. 請求項1に記載のABS制御装置にして、上記ABS制御装置への電源供給開始時において、上記推定車体速度演算部は、上記車輪速度及び車輪減速度演算部で算出されたそれぞれの車輪速度の内、ゼロでない最高速の車輪速度を推定車体速度とすると共に、車輪速度及び車輪減速度演算部で算出されたすべての車輪速度がゼロの場合はゼロを推定車体速度とすることを特徴とするABS制御装置。
  4. 請求項1に記載のABS制御装置にして、上記ABS制御装置への電源供給開始時において、上記推定車体速度演算部は、上記車輪速度及び車輪減速度演算部で算出された車輪速度において、正常な車輪速センサから算出されたそれぞれの車輪速度の内、最高速の車輪速度を推定車体速度とすることを特徴とするABS制御装置。
  5. 請求項1に記載のABS制御装置にして、上記ABS制御装置への電源供給開始時において、上記推定車体速度演算部は、上記車輪速度及び車輪減速度演算部で算出された車輪速度において、ホイルスピンしていない車輪の車輪速センサから算出されたそれぞれの車輪速度の内、最高速の車輪速度を推定車体速度とすることを特徴とするABS制御装置。
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