JP3574357B2 - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3574357B2
JP3574357B2 JP22802699A JP22802699A JP3574357B2 JP 3574357 B2 JP3574357 B2 JP 3574357B2 JP 22802699 A JP22802699 A JP 22802699A JP 22802699 A JP22802699 A JP 22802699A JP 3574357 B2 JP3574357 B2 JP 3574357B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
toner
photoconductor
developing device
image forming
surface potential
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP22802699A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001051458A (ja
Inventor
幸治 新川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP22802699A priority Critical patent/JP3574357B2/ja
Publication of JP2001051458A publication Critical patent/JP2001051458A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3574357B2 publication Critical patent/JP3574357B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Developing For Electrophotography (AREA)
  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
  • Control Or Security For Electrophotography (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式で画像を形成する複写機、プリンタ、ファクシミリ装置などの画像形成装置に関し、特に現像器内の帯電不良トナーを選択的に現像器外に強制的に排出することができる画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図12は、従来からの画像形成装置の代表的な構成として、デジタル複写機を簡略化した断面として示す。この画像形成装置には、有機光導電性感光層を備える円筒状の感光体1と、そのまわりに配置される帯電装置2、露光装置3および現像装置4などが含まれる。感光体1は、帯電装置2によって表面が一様な電位となるように帯電され、露光装置3によってレーザ光が照射される部分で帯電している電荷が減少して静電潜像が形成される。静電潜像担持体としての感光体1は、さらに現像装置4の部分で粉末状の現像剤であるトナーが静電潜像に付着し、現像されてトナー像が形成される。
【0003】
感光体1の表面上に形成されるトナー像は、給紙装置5から供給される転写用紙上に、転写装置6で転写される。トナー像が転写された転写用紙と感光体1とは、剥離装置7の部分で分離され、転写用紙は定着装置8に搬送され、トナー像が転写用紙上に熱と圧力とで定着され、画像が定着された転写用紙は排紙装置9から画像形成装置外部に排出される。画像形成装置が複写機やファクシミリ装置であるときには、原稿を読取って露光装置3に静電潜像形成用の信号を与える原稿読取装置10が設けられる。画像形成装置がプリンタであるときには、コンピュータ装置などから出力すべき情報を表す信号が与えられ、露光装置3は、与えられる信号に従って静電潜像を形成する。
【0004】
帯電装置2で一様に帯電した感光体1の表面に対して、不要領域の電荷を消去する除電装置が設けられることもある。除電が行われれば、感光体1の表面に正規に帯電しているトナーは付着しにくい。しかしながら、帯電状態が正規の状態から外れている帯電不良トナーは、除電された領域にも付着し得る。また、感光体1の表面に形成されるトナー像は、転写装置6で、完全に転写材上に移行するわけではなく、感光体1の表面に残留することもある。このように転写工程を終えても感光体1上に残留しているトナーは、クリーニングユニット11でクリーニングされて回収される。クリーニングユニット11で残留トナーが回収された後の感光体1の表面は、除電装置12によって表面の電荷が消去され、再び帯電装置2に向かう。現像装置4は、現像器13と、現像剤担持体である現像ローラ14とを含む。クリーニングユニット11内には、クリーニングブレード15が設けられる。
【0005】
図13は、図12に示す画像形成装置での画像形成動作のタイミングを示す。ここでは、1枚の転写用紙上に複写を行ういわゆるシングルモード時の動作について説明する。現像剤中のトナーには、不必要に該トナーが感光体1の表面上に付着することがない最適なカブリ電位差と、感光体1へ付着する現像電位とが定められている。図13で示す例のトナーは、−帯電トナーであり、参照符VIで示す現像電位が+側に近付くように高くなるほど付着量が多くなる。一方で、過剰なトナーは−電位が高くなるほど付着しにくくなる。しかしながら、それらの傾向は正常なトナーの場合についてであり、+に帯電した逆帯電トナーや、未帯電トナーの場合には、感光体1への吸着不良や、不所望な付着が生じる場合がある。
【0006】
図14は、図13で示すトナーで、感光体1の表面電位Voと、現像ローラ14へのバイアス電圧Vbとの差のカブリ電位差が、−150Vであるときに、未帯電トナーおよび逆帯電トナーの付着が最も少なくなることを示している。また、図14に従うと、感光体1への不所望なキャリア付着は、カブリ電位差の絶対値が−250Vよりも大きくなると増加することが分かる。したがって、図13の現像剤を用いるときには、表面電位Voは−550Vに選ばれ、現像器のバイアス電圧Vbは−400Vに選ばれ、カブリ電位差は−150Vに選ばれている。現像電位VIは、−100Vに選ばれている。したがって、図13に示す例では、表面電位Voは−550V、現像器バイアス電圧Vbは−400V、カブリ電位差は−150Vとなるように示されている。
【0007】
図13に示すように、従来からの画像形成装置での画像形成動作では、−側に高電位である感光体1の表面電位Voの立上げが開始されるタイミング(a)から、表面電位Voが−150Vまで立上がる時点のタイミング(b)で、−150Vのカブリ電位差を維持して現像バイアス電圧Vbの印加が開始される。感光体1の表面電位Voが−550V、現像器バイアス電圧Vbが−400Vに到達するタイミング(c)で、所定時間が経過すると画像域となり、画像域内で感光体1の表面に原稿像が照射され、トナーを付着すべき部分が現像電位VIまで上昇する。画像域が終了すると、カブリ電位差を維持したまま、タイミング(d)から感光体1の表面電位Voおよびバイアス電圧Vbが共に0レベルとなるまで、−150Vのカブリ電位差を維持したまま、上昇して、タイミング(f),(e)でそれぞれ0レベルに到達する。
【0008】
従来から、図12に示すような感光体1等の静電潜像担持体上に形成された静電潜像を、粉体現像剤を用いた現像装置4で現像する画像形成装置は広く実用化されている。この種の現像装置4には、粉体現像剤としてトナーおよびキャリアから成る二成分現像剤が広く用いられ、トナーおよびキャリアを撹拌することによってトナーを−側に帯電させ、静電潜像の現像が可能な状態になる。したがって、静電潜像の現像に対しては、現像剤中のトナーのみが感光体1の表面の静電潜像に付着する顕像化用として利用されていることになる。画像形成枚数の増加に伴ってトナー成分のみが消費され、次第に画像の濃度が低下していく。そのため、トナー中の現像剤の濃度を把握する必要がある。通常の画像形成装置では、キャリアが強磁性体であることを利用して、現像器13内に透磁率センサ等のトナー濃度センサを設置しておき、その出力電圧値の変化によってトナー成分の過不足を検知し、トナーホッパから現像層内にトナーを補給し、画像濃度を一定に保つようにしている。
【0009】
一方、静電潜像の現像に際して、現像剤中のトナーは感光体1の表面に付着するけれども、付着したトナーの一部は転写用紙上の画像形成には寄与しないで、クリーニングユニット11で感光体表面11からかき取られて回収され、廃棄される。
【0010】
前述のように、元来、現像器13内に収容されて貯蔵されているトナーといえども、未帯電トナーや逆帯電トナー等の帯電不良トナーを含んでいる。そのため、画像形成の進行や、高温多湿等、現像剤の使用される環境に応じて、図15に示すように帯電不良トナーの割合が経時的に増加し、画質が劣化してくるという問題がある。すなわち、(a)に示す初期状態から、1万枚のコピーに使用して高温多湿の環境で、画像形成動作を行おうとすると、帯電不良トナーの割合が相対的に増加しているので、画質が劣化するという問題がある。
【0011】
現像装置4内で循環するトナーは、繰返し使用に伴ってストレスを受けるので、諸特性が劣化してくる。したがって、画像形成枚数が増加してくると、画質が低下する問題は一層顕著になる。このような状況が現像装置4内に発生すると、トナーが量的には充分に存在するにも拘わらず、現像剤中の正常なトナー濃度を透磁率センサなどでは正確にとらえきれず、トナーホッパなどから必要以上の新トナーが補給されて画像濃度が高くなりすぎたり、逆に補給される新トナー量が不足して画像濃度が低下したりする。
【0012】
特開平5−289462号公報では、現像器内の不良トナーのみが現像されるような電圧で画像形成動作を実施し、クリーニング装置で感光体表面に付着した不良帯電トナーを回収する。このとき、トナー回収条件を切換えるために、感光体表面に付着したトナーパターンのトナー付着量を光学的センサで検出した結果を利用する。これによって、現像器内から不良トナーのみを選択的に除去することが可能となる。
【0013】
特開平9−311541号公報に開示されている画像形成装置では、トナーが過剰に帯電している場合に、黒べた画像として、その過剰に帯電しているトナーを感光体表面上に付着させて除去し、帯電不良トナーが多い場合には、現像剤担持体を駆動して帯電させる。これによって現像剤が最適な帯電量となるように立上げることができる。
【0014】
ここで、感光体の表面電位は、画像形成装置の使用条件による膜減りや、環境の影響によって、メカ精度等が常に一定ではないことによって、同一ロット内の感光体であってもばらつきが生じる。そのため、従来では画質安定化のために、感光体の回転数をカウントし、そのデータに基づいて帯電器のグリッドに印加する電圧を徐々に増加させ、表面電位を一定にする方法が行われている。さらには、装置内の感光体近傍に温湿度センサを設け、その温湿度データと感光体回転数のデータとに基づいて、グリッドに印加する電圧を制御するなどの方法も行われている。
【0015】
しかしながら、上記の方法は、実際の表面電位を測定したものではないので、予想に反して表面電位にばらつきが生じて誤差が大きくなり、感光体のロットばらつきや帯電器の汚れ具合も加えると、予想値に対して±50V程度もの誤差が生じてしまう。そこで実際に感光体表面の電位を計測して均一な画像を形成する技術が、特開平5−2306号公報などに開示されている。この先行技術では、感光体表面の電位を計測するとともに、感光体へのトナー付着量を画像データから予測し、さらに感光体表面に付着したトナー量を計測している。予測されるトナー付着量および実際に付着したトナー量を比較して得られる比較結果と、表面電位の計測結果とに基づいて、画像形成条件が調整される。その結果、環境や経時変化によらず、一定の画像濃度を常に実現することが可能となる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
前述の特開平5−289462号公報に開示されている先行技術では、トナーパターンの形成のために余分なトナー消費を招来し、しかも、光学的な検出手段を用いているので、検出手段がトナー汚染の影響を受けると、正確な制御を行うことができない事態を発生するおそれがある。
【0017】
また、特開平9−311541号公報に開示されている先行技術では、トナーの不良の特性上、いつまでたっても帯電しないトナーや、逆帯電のままの帯電不良トナーが存在するおそれがあるため、現像剤担持体を駆動してもこのようなトナーを除去することができないという問題がある。
【0018】
さらに、特開平5−2306号公報の先行技術を不良トナーの除去に適用すると、回路構成や制御内容が非常に複雑化する上に、トナー付着のために余分なトナー消費を伴うという問題点がある。
【0019】
また、本件発明者等は、現像剤中の帯電不良トナーを感光体表面電位と現像バイアス電圧で表されるカブリ電位差を利用して一旦排出する手法を提案している。この手法では、前述の理由で示したように、感光体の表面電位がロットばらつきや現像器の汚れの影響で最大±50Vの電位差が生じるので、+帯電トナーを付着させるために設定される最適カブリ電位差が大幅に変化し、+帯電トナーの排出効果低減やキャリア上がりなどの不具合が生じてしまう。さらには、未帯電トナーの排出のために、一旦設定されたカブリ電位差も大幅に変化するため、正規帯電トナーが現像されたりする不具合が招来し、帯電不良トナー排出の効果が大幅に低下してしまうという問題点を有する。つまり、感光体の表面電位を制御する推定データに基づく制御が行われるので、実際の表面電位とは誤差が生じてしまい、その結果高精度かつ高効率で不良帯電トナーを排出することは困難であるという問題点が生じている。
【0020】
本発明の目的は、上述の各問題点に鑑み、帯電不良トナーを選択的に現像器外へ強制的に排出し、現像器内に常に正常な帯電特性を有するトナーが満たされて、高い画質を安定的に維持することができる画像形成装置を提供することである。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明は、帯電器によって帯電させた感光体表面上を露光して静電潜像を形成し、現像器からの帯電したトナーで静電潜像を現像して感光体表面上にトナー画像を形成し、該トナー画像を転写材上に転写した後、感光体表面上に残留するトナーをクリーニング装置で除去する画像形成装置において、
帯電した感光体の表面電位を計測する表面電位計測手段と、
感光体の表面電位と現像器のバイアス電圧との電位差で表されるカブリ電位差を、正規に帯電したトナーに対して予め設定される値に保つ画像形成動作、または表面電位計測手段によって計測される感光体の表面電位に応答し、現像器内に存在する帯電不良トナーである未帯電トナーおよび逆帯電トナーに応じて、帯電不良トナーを感光体表面に選択的に強制付着させるように予め定める条件で変化させるトナー排出動作を切換え可能なように、帯電器の帯電電圧または現像器の現像材担持体バイアス電圧の少なくとも一方を制御する制御手段とを含み、
前記感光体は、回転体として形成され、
前記制御手段は、前記画像形成動作を、該感光体が定常的に回転する定常状態で行い、前記トナー排出動作を、該定常状態に先行する前回転時、および該定常状態に後続する後回転時に行い、
前記現像器は、トナーとキャリアとを含む二成分現像剤を供給し、
前記制御手段は、前記前回転時および前記後回転時に、前記感光体の表面電位と前記現像器の現像剤担持体バイアス電圧とのカブリ電位差を、現像剤中のキャリア付着を誘発しない範囲内に大きく保って逆帯電トナーの強制付着を行い、該カブリ電位差を正規に帯電したトナー付着を誘発しない範囲内に小さく保って未帯電トナーの強制付着を行うように制御することを特徴とする画像形成装置である。
【0022】
本発明に従えば、制御手段は、画像形成動作として、感光体の表面電位と現像器の現像剤担持体バイアス電圧との電位差で表されるカブリ電位差を正規に帯電したトナーに対して予め設定される値に保ち、帯電器によって帯電させた感光体表面上を露光して静電潜像を形成し、現像器からの帯電したトナーで静電潜像を現像して感光体表面上にトナー画像を形成し、該トナー画像を転写材上に転写した後、感光体表面上に残留するトナーをクリーニング装置で除去する制御を行う。さらに制御手段は、トナー排出動作として、帯電した感光体の表面電位を計測する表面電位計測手段によって計測される表面電位に応答し、現像器内に存在する帯電不良トナーである未帯電トナーおよび逆帯電トナーに応じて、帯電不良トナーを感光体表面に選択的に強制付着させるように予め定める条件で、帯電器の帯電電圧または現像器の現像剤担持体バイアス電圧の少なくとも一方を制御する。表面電位計測手段で、感光体の表面電位を直接計測しているので、画像形成装置の累積画像形成枚数などの経時的な使用状況や、画像形成装置が配置されている環境の温度や湿度などの使用環境状況によって感光体表面電位が変動しても、感光体の表面電位を表面電位計測手段で実測し、この実測値に基づいて制御することができるので、画質低下を招来する帯電不良トナーをより高精度かつより効率的に現像器外に排出することができ、良好な画質を安定的に提供することができる。また、感光体の特性変化に対応する分の帯電不良トナーを排出することができるので、画質低下を招く帯電不良トナーを量的に過不足なく現像器外に排出することができる。
また、トナー排出動作を、画像を形成しない期間を利用して行うので、画像形成装置の利用効率や画像形成の速度を特に低下させることなく、帯電不良トナーを除去することができる。
また、帯電特性の異なる2種類の帯電不良トナーである逆帯電トナーと未帯電トナーを、キャリアおよび正規に帯電したトナー付着を誘発することなく、効率的に排出することができる。これによって現像器内では正常な帯電特性を示すトナーの割合を大きくすることができ、トナー排出動作に続いて画像形成動作を行っても、カブリのない良好な画像を安定的に形成させることができる。
【0023】
また本発明で前記制御手段は、前記トナー排出動作で、前記帯電器の帯電電圧として、帯電器に設けられるグリッド電極へのグリッドバイアス電圧を制御することを特徴とする。
【0024】
本発明に従えば、感光体の表面電位を表面電位計測手段で実測し、計測結果に基づいて帯電器のグリッドバイアス電圧を制御するので、感光体の表面電位を適切に変化させて、帯電不良トナーを効率的に除去し、画質低下を防ぐことができる。
【0025】
また本発明で前記制御手段は、前記トナー排出動作で、前記現像器の現像剤担持体バイアス電圧として、現像器に設けられる現像ローラへ印加するバイアス電圧を制御することを特徴とする。
【0026】
本発明に従えば、感光体の表面電位を実測した計測結果に基づいて、現像器の現像剤担持体としての現像ローラへ印加するバイアス電圧を制御するので、トナーの帯電状態を変化させて、帯電不良トナーを効率的に除去することができる。
【0027】
また本発明で前記表面電位計測手段は、前記制御手段がトナー排出動作を行う期間に、前記感光体の表面電位を計測することを特徴とする。
【0028】
本発明に従えば、表面電位計測手段が感光体表面の電位を計測する期間は、帯電不良トナーを感光体表面に強制付着させる期間であるので、カブリ電位差をより適切な値に制御することが可能となり、確実に帯電不良トナーを現像器外に排出することができる。
【0029】
さらに本発明は、帯電器によって帯電させた感光体表面上を露光して静電潜像を形成し、現像器からの帯電したトナーで静電潜像を現像して感光体表面上にトナー画像を形成し、該トナー画像を転写材上に転写した後、感光体表面上に残留するトナーをクリーニング装置で除去する画像形成装置において、
帯電した感光体の表面電位を計測する表面電位計測手段と、
感光体の表面電位と現像器のバイアス電圧との電位差で表されるカブリ電位差を、正規に帯電したトナーに対して予め設定される値に保つ画像形成動作、または表面電位計測手段によって計測される感光体の表面電位に応答し、現像器内に存在する帯電不良トナーである未帯電トナーに応じて、帯電不良トナーを感光体表面に選択的に強制付着させるように予め定める条件で変化させるトナー排出動作を切換え可能なように、帯電器の帯電電圧または現像器の現像材担持体バイアス電圧の少なくとも一方を制御する制御手段とを含み、
前記制御手段は、前記トナー排出動作で、前記画像形成動作よりも前記カブリ電位差が低くなるように制御することを特徴とする画像形成装置である。
【0030】
本発明に従えば、未帯電トナーについて、カブリ電位差を画像形成動作における正常な帯電特性を有するトナーに対応した値よりも低くして、感光体に未帯電トナーを付着しやすくして、未帯電トナーを現像器外に排出しやすくすることができる。
【0033】
また本発明で前記制御手段は、
前記前回転時に、前記帯電器の帯電電圧を印加して帯電された前記感光体の表面が前記現像器の位置に到達する時間から予め定める時間経過後に前記現像器の現像剤担持体バイアス電圧の印加を開始し、
前記後回転時に、前記帯電器への帯電電圧の印加を停止して、帯電が停止された感光体の表面が現像器の位置に到達する時間だけ遅延して、現像器の現像剤担持体バイアス電圧の印加を停止するように制御することを特徴とする。
【0034】
本発明に従えば、帯電器の帯電電圧を印加するタイミングと現像器の現像剤担持体バイアス電圧を印加するタイミング等の調整によって、帯電特性の異なる2種類の帯電不良トナーを共に排出することができ、現像器内は大部分が正常な帯電特性を有するトナーで占めることができる。これによって、トナー排出動作の直後に画像形成動作に移行しても、カブリのない良好な画像を安定的に形成することができる。
【0037】
また本発明で前記制御手段は、前記感光体の表面電位、および前記現像器の現像剤担持体バイアス電圧を変化させる際に、予め定める傾斜に従うように、パルス幅変調で傾き制御を行うことを特徴とする。
【0038】
本発明に従えば、感光体の表面電位および現像器の現像剤担持体バイアス電圧は、容量性の付加であり、所定の電流を通電する時間に比例して電位が変化するので、パルス幅変調によって容易に所望とする傾斜に従うように制御して、電位を設定することができる。感光体の表面電位は、表面に対向する帯電器のグリッドへの印加電圧と同電位に帯電し、現像剤担持体の電位もバイアス電圧と同電位となる。現像器の現像剤担持体バイアス電圧と感光体の表面電位ともに一定の傾きを維持しながら、目標値へ到達させるためには、単純なON−OFF制御では瞬時に到達してしまうので制御が困難であるけれども、パルス幅変調を用いて、時間経過とともに電位変化させることができるので、制御を高精度かつ効率的に行い、画像形成装置としての性能向上を測ることができる。
【0039】
また本発明で前記制御手段は、複数枚連続の画像形成時で、個々の画像形成動作を行う期間の間の前半期間と後半期間とで、前記カブリ電位差を可変とし、該前半期間と該後半期間とに分けて、相互に帯電特性の異なる未帯電トナーと逆帯電トナーとを感光体表面に強制付着させるように制御することを特徴とする。
【0040】
本発明に従えば、複数枚連続で画像を形成する場合に、転写用紙に個々の画像形成を行う期間の間の期間を利用して、前半期間と後半期間とに分けてカブリ電位差を切換え制御し、帯電特性の異なる帯電不良トナーを感光体表面に強制付着させ、現像器外に排出することができる。したがって、連続的に画像を形成するにあたって、画質を維持するために帯電付着トナーを排出する期間を特別に設ける必要はなく、画像形成装置の利用効率や画像形成の速度の低下を招くことなく、良質な画質を維持することができる。
【0041】
また本発明で前記制御手段は、前記前半期間または後半期間の一方で、前記感光体の表面電位と前記現像器の現像剤担持体バイアス電圧とのカブリ電位差を、現像剤中のキャリア付着を誘発しない範囲内に大きく保って逆帯電トナーの強制付着を行い、前半期間または後半期間の他方で、該カブリ電位差を正規に帯電したトナー付着を誘発しない範囲内に小さく保って未帯電トナーの強制付着を行うように制御することを特徴とする。
【0042】
本発明に従えば、複数枚連続で画像形成を行う際に、転写用紙間でカブリ電位差を調整し、その前半期間でたとえば現像剤担持体バイアス電圧を画像形成動作中よりも上昇させて感光体の表面電位とのカブリ電位差を正規の帯電特性を示すトナーを現像しない電位差に保持し、未帯電トナーを強制付着させることができ、また後半期間で現像剤担持体バイアス電圧を画像形成期間中よりも下降させて感光体の表面電位とのカブリ電位差をキャリア付着を誘発しない電位差内に保持し、逆帯電トナーを強制付着させることができる。このようにして前半期間と後半期間とでバイアス電圧を切換え制御し、帯電特性の異なる帯電不良トナーを感光体表面に強制付着させ、現像器外へ排出することができる。しかも、画質を維持するために帯電不良トナーを排出する期間を途中に設けなくてもよいので、画像形成装置としての機械の利用効率や画像形成の速度を特に低下させることなく、良好な画質を維持することができる。
【0043】
【発明の実施の態様】
図1は、本発明の実施の一形態としての画像形成装置20の概略的な断面構成を示す。画像形成装置20は、円筒状の感光体21、帯電装置22、露光装置23、現像装置24、給紙装置25、転写装置26、剥離装置27、定着装置28、排紙装置29、原稿読取装置30、クリーニングユニット31、除電装置32、現像器33、現像ローラ34およびクリーニングブレード35などを含み、これらは図12に示す従来の画像形成装置での感光体1、帯電装置2、露光装置3、現像装置4、給紙装置5、転写装置6、剥離装置7、定着装置8、排紙装置9、原稿読取装置10、クリーニングユニット11、除電装置12、現像器13、現像ローラ14およびクリーニングブレード15とそれぞれ同等である。本実施形態の画像形成装置20には、表面電位計測手段として感光体21の表面に近接する位置に表面電位検出センサ36が設けられる。また、帯電装置22の帯電電圧と現像器33の現像剤担持体である現像ローラ34のバイアス電圧とを印加する電源装置37は、制御手段である制御装置40によって、図13に示すような従来の制御とは異なる方法で制御される。
【0044】
図2は、図1の感光体21の周辺部分の構成を示す。現像装置24の現像器33では、感光体21の表面に対向する位置に現像剤担持体である現像ローラ34が備えられる。現像ローラ34は、トナーを表面に付着させた状態で感光体21の表面に搬送し、接触あるいは非接触で静電潜像の現像を行う。現像装置24で感光体21の表面に移行したトナーは、最終的にクリーニングユニット31のクリーニングブレード35によってかき落とされ、感光体21の表面は清浄化される。本実施形態では、感光体21上に転写用の画像を形成しない期間を利用して、感光体21の表面に帯電不良トナーを付着させ、クリーニングユニット31で感光体21の表面からかき落とすことによって、現像器33からの帯電不良トナーの除去を行っている。
【0045】
図3は、図1の画像形成装置20の概略的な電気的構成を示す。感光体21の表面電位は、電位計測プローブなどの表面電位検出センサ36によって検出される。表面電位検出センサ36からの検出出力は、制御装置40内のCPU41に入力される。実際には、表面電位検出センサ36からはアナログの検出信号が導出され、デジタル値に変換してCPU41に入力されるけれども、説明の便宜のために簡略化して示す。制御装置40は、ROM42およびRAM43なども含み、画像形成装置20の全体的な制御を行う。特に本実施形態では、帯電不良トナーの特性と、表面電位検出センサ36の検出結果に基づいて、帯電不良トナーの強制排出動作を行うように制御する。
【0046】
制御装置40は、さらに電源装置37に含まれる高圧電源ユニット44と、駆動系制御ユニット45とを制御する。高圧電源ユニット44は、現像ローラ34に与える現像バイアス電圧を導出する現像バイアス出力回路46と、帯電装置22のグリッドバイアス電圧を導出する帯電グリッド出力回路47を有する。駆動系制御ユニット45は、感光体21を回転駆動する感光体駆動系48と、現像装置24とを制御する。
【0047】
図4は、本実施形態での帯電不良トナーの強制排出動作を含む制御のタイミングを示す。最初に、(A)で示すように、現像ローラの前回転(1)が開始され、感光体21の表面電位Voの立上げが開始される。時間T1が経過して表面電位Voが−150Vに到達しても、現像ローラ34へのバイアス電圧Vbの立上げは開始されず、さらに遅延時間T2だけ経過した時点である(B)で示すタイミングにバイアス電圧Vbの立上げが開始される。このタイミング(B)では、カブリ電位差は理想的には−250Vである。この理想的な状態では、図14に示すように、+側に帯電している逆帯電トナーは感光体21に付着し、キャリアは付着しない。
【0048】
しかしながら、感光体21の表面の電位は、常に−150Vで一定とはならず、画像形成動作がなされた数や画像形成装置が配置されている周囲の環境によって変化する。そこで、表面電位検出センサ36によって感光体21の表面の電位を検出し、この検出結果に基づいて制御装置40が高圧電源ユニット44の出力を制御し、現像バイアス電圧および帯電グリッド電圧の少なくともいずれか一方を変化させる。この制御によって、Vo−Vb=−20Vに到達するタイミング(C)までの期間には、−250Vのカブリ電位差が保持される。この結果、+帯電トナーを感光体21の表面に付着させることができる。
【0049】
(C)の後、表面電位検出センサ36による表面電位の検出と、この検出結果に基づく高圧電源ユニット44の制御で、バイアス電圧Vbが所定の−400Vに(D)のタイミングで到達するまで、−20Vのカブリ電位差が維持される。この間に、図14から明らかなように、未帯電トナーを感光体21の表面に付着させることができる。
【0050】
感光体21の表面電位Voが−550Vに到達するタイミング(I)以降は画像領域となり、その間に原稿像の露光が行われる。画像形成が終了すると、感光体21は後回転となる。後回転(2)のタイミング(E)からは、感光体21の表面電位Voの低下が開始される。その後バイアス電圧Vbとのカブリ電位差が−20V程度となるタイミング(F)で、バイアス電圧Vbの低下も開始される。その後所定期間にわたってカブリ電位差−20Vが維持される。このときも、表面電位検出センサ36による表面電位の検出と、この検出結果に基づく高圧電源ユニット44の制御でカブリ電位差が所定の値に維持される。この間に、前述のタイミング(C)〜(D)間と同様に、未帯電トナーが感光体21の表面に付着することになる。
【0051】
感光体21の表面電位Voが−250Vに到達するタイミング(G)で、バイアス電圧Vbは0となるタイミング(H)まで急激に立下げられる。表面電位Voが0となるタイミング(J)までの後回転(2)のタイミング(G)〜(J)間では、前述のタイミング(A)〜(C)間と同様に、+側に帯電している逆帯電トナーが感光体21の表面に付着することになる。なお、タイミング(C)〜(D)間およびタイミング(F)〜(G)間で、カブリ電位差は、Vo−Vb=−20Vとなっているけれども、これは感光体21の使用条件、すなわち印刷枚数および温度や湿度などの環境条件などを考慮し、表面電位Voとバイアス電圧Vbとが逆転することによって、正規の帯電トナーの不所望な付着を抑えるためであり、トナーや感光体21の使用条件などによって適宜設定することができる。
【0052】
このようにして、表面電位検出センサ36によって感光体21の表面の電位を適宜検出し、その検出結果に基づいて、現像バイアス電圧および/またはグリッド電圧を変化させてカブリ電位差を適切に保持し、帯電不良トナーを強制的に現像器33に外部へ排出させることができる。カブリ電位差は、感光体21の環境あるいは経時的な利用による特性変化、特に性能劣化を考慮して設定され、感光体の特性変化および帯電不良トナーの不良特性に応じて、適切に設定されるので、現像器34内は大部分が清浄な帯電特性を示すトナーで占められ、カブリのない良好な画質の画像を安定的に得ることができるとともに、画質低下を招来する帯電不良トナーを量的に過不足なく現像器33外に排出することができる。また帯電不良トナーは、一旦現像器33外に排出された後、クリーニングユニット31で回収し、現像器33内に環流させれば再撹拌を行うことで、正常な帯電特性を示すトナーに転化することもあるので、トナーの利用効率の向上を図ることもできる。
【0053】
図5は、本実施形態で、画像形成を累積したときの累積画像形成枚数と表面電位の変化の関係を示す。図5では、感光体21の回転数、すなわち累積画像形成枚数に対応させて、感光体表面電位を表面電位検出センサ36で検出するとともに、感光体21の膜厚も測定して、その関係をグラフとして示す。感光体21の回転数が増加するに伴って、膜厚も表面電位も低下している。特に、0回と5万回とを比較すると、表面電位においては絶対値で50V低下しているとともに、膜厚は半分近い13μmも減少していることが判る。
【0054】
図6は、画像形成装置20の使用環境と表面電位の変化との関係を示す。図5と同様に、0〜5万回の1万回転毎に、温度および湿度を変えて表面電位の変化を計測すると、好ましい温度/湿度である30℃/85%に対し、より低い温度/湿度である23℃/50%、および10℃/30%の環境下では、明らかに表面電位が低下していることが判る。特に温度も湿度もより低くなると、感光体21の回転数の増加にともなって、急激に表面電位が低下していることが判る。このように大幅に表面電位が変化すれば、感光体表面電位の変化を考慮しないと充分に帯電不良トナーを強制排出することができないことは明白である。それゆえ、本発明のように、感光体表面電位を直接検出して、帯電不良トナーの強制排出に利用することによって、現像器33内から帯電不良トナーを確実に除去することができる。
【0055】
図7は、本発明の実施の他の形態の画像形成装置での制御方法の概要を示す。本実施形態で、図4に示したタイミング(A)〜(F)に対応する部分には同一のタイミングを示し、重複する説明を省略する。本実施形態では、感光体の表面電位Voは一定値−550Vに保ち、現像バイアス電圧Vbを変化させる。本実施形態では、図1の画像形成装置20で単一の原稿の複数枚複写や、複写原稿の連続複写などの、いわゆるマルチモードでの動作を前提としている。このマルチモードでは、感光体21の表面電位Voは、−550Vの一定値に保持されており、従来では現像バイアス電圧Vbも−400Vで一定であったものを、本実施形態では−530Vから300Vまで変化させている。これによって、タイミング(B)〜(C)間ではカブリ電位差が−20Vとなり、未帯電トナーを感光体21に付着させることができる。タイミング(D)〜(E)間では、カブリ電位差が−250Vとなり、+側に帯電している逆帯電トナーを付着させることができる。なおこのときも、表面電位検出センサ36による表面電位の検出と、この検出結果に、基づく高圧電源ユニット44の制御によって、カブリ電位差を所定の値にほぼ維持することができる。
【0056】
図8は、本発明の実施のさらに他の形態としての画像形成装置の制御法を示す。本実施形態も、図1の画像形成装置20を用いてマルチモードでの動作を行う。感光体21の表面電位Voは−550Vで一定であり、現像バイアス電圧Vbを、(A)〜(B)で−300Vに上昇させた後、(C)〜(D)で−530Vに低下させている。このようにしても、図7と同様の効果を得ることができる。なお、このときも表面電位検出センサ36による表面電位の検出と、この検出結果に基づく高圧電源ユニット44の制御により、カブリ電位差を所定の値にほぼ維持することができる。
【0057】
図9は、以上説明した各実施形態で、帯電装置22の帯電グリッド52を低電圧制御する帯電グリッド出力回路47の概略的な構成を示す。帯電グリッド出力回路47には、制御部50と高圧発生部51とが設けられ、高圧発生部51から高電圧の帯電グリッド電圧が帯電装置22のグリッド電極52に印加される。制御部50内には、コントローラ(CNT)53、メモリ(M)54、パルスジェネレータ(PG)55、アナログ/デジタル変換器(ADC)56および反転回路57が含まれる。高圧発生部51には、パルスジェネレータ55の出力でスイッチング制御される出力トランジスタ58、出力トランジスタ58の出力を昇圧するトランス60、トランス60の出力を倍電圧整流するダイオード61,62、ダイオード61,62とともに倍電圧整流回路を構成するコンデンサ63,64、倍電圧出力と帯電装置22のグリッド電極52との間に設けられる抵抗65、グリッド電極52に与えられる電圧を分圧する抵抗66,67、分圧抵抗の一方67と並列に接続されるコンデンサ68とが含まれる。抵抗67の分圧出力は、制御部50の反転回路57に入力される。
【0058】
帯電グリッド出力回路47は、PCとして示す感光体21の表面を均一に帯電させるため、グリッド電圧Voutが一定になるように制御する必要がある。そのために、出力電圧Voutを2つの検出抵抗66,67で分圧し、制御部50にフィードバッグし、アナログ/デジタル変換器56でデジタル値に変換された値が常に目標値と等しくなるようにパルス幅(PWM)制御されている。
【0059】
具体的には、アナログ/デジタル変換器56によるAD変換値が目標値よりも大きい場合には、PWM信号のデューティを小さくし、目標値よりも小さい場合にはPWM信号のデューティを大きくしている。そしてそのPWM信号で出力トランジスタ58をON/OFF制御することによって、トランス60を駆動する出力を得ている。また、PWM信号波形のデューティは、トランス60が磁気飽和しないレベルに収まるように制限をしている。なおここではグリッド電極52を例にとって説明しているけれども、図9の出力側に現像剤担持体バイアス用の現像ローラ34を接続すれば、現像バイアス電圧の制御をグリッド電圧制御と全く同様に行うことができる。
【0060】
図10は、図9でグリッド電極52に印加する電圧と感光体21の表面電位との関係を示す。感光体21の表面電位は、感光体21が対向するグリッド電極52への印加電圧と同電位に帯電することが判る。感光体21の表面電位を一定の傾きに維持しつつ、所定の表面電位−550Vに到達させるためには、帯電装置22のグリッド電極52への電圧印加の制御をパルス幅変調(PWM)で行う。
【0061】
図11は、現像バイアス電圧とPWM変調のデューティ(Duty)との関係を示す。現像ローラ34の表面の電位も、印加する現像バイアスと同電位となる。現像バイアスを一定の傾きを維持して、所定の電圧−400Vの電位に到達させるために、電圧印加の制御をパルス幅変調(PWM)で行う。たとえば、−400Vの電圧印加を行うためには、デューティ100%で行い、−200Vの電圧印加を得るためには、デューティ50%で行う。
【0062】
現像バイアス電圧および感光体表面電位を、共に単純なON/OFF制御で行うと、瞬時に目標電位に到達してしまい、電位変化がほぼ垂直な状態の変化となり、電圧制御が困難となる。パルス幅変調を用いると、時間経過とともに一定の傾きを維持しながら比例関係で電位変化が行われるので、電源装置37の出力電圧制御を高精度かつ効率的に行い、画像形成装置としての性能向上を図ることができる。
【0063】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、制御手段のトナー排出動作で、表面電位計測手段が計測する感光体の表面電位に応じて帯電器の帯電電圧または現像器の現像剤担持体バイアス電圧の少なくともいずれか一方を制御し、感光体の表面電位と現像器の現像剤担持体バイアス電圧との電位差で表されるカブリ電位差を変化させ、帯電不良トナーである未帯電トナーおよび逆帯電トナーを感光体表面に強制付着させて現像器外に排出させることができる。画質低下を招来する帯電不良トナーを現像器外に排出することができるので、良好な画質を安定的に供給することができる。また感光体の表面電位を計測して、感光体の特性変位に対応する分の帯電不良トナーを排出することができるので、画質低下を招来する帯電不良トナーを量的に過不足なく現像器外に排出することができる。
【0064】
また本発明によれば、帯電器のグリッドバイアス電圧を制御して帯電不良トナーを感光体表面に選択的に付着させ、現像器外に効率的に排出することができる。
【0065】
また本発明によれば、現像器の現像剤担持体としての現像ローラのバイアス電圧を制御して、帯電不良トナーを現像器外に効率的に排出することができる。
【0066】
また本発明によれば、帯電不良トナーを感光体表面に強制付着させる期間に感光体表面の電位を表面電位計測手段によって計測するので、カブリ電位差をより適切な値に制御することが可能になり、帯電不良トナーを確実に現像器外に排出することができる。
【0067】
さらに本発明によれば、カブリ電位差を画像形成動作時の正常な帯電特性を有するトナーに対応した電位よりも低くなるように、現像器の現像剤担持体バイアス電圧の印加あるいは印加の停止のタイミングを調整し、未帯電トナーを効率よく現像器外に排出し、現像器内を大部分が正常な帯電特性を示すトナーで占めるようにして、カブリのない良好な画像を安定的に形成させることができる。
【0068】
また本発明によれば、カブリ電位差の制御によって、帯電特性の異なる2種類の帯電不良トナーを共に現像器外に効率よく排出し、現像器内のトナーが大部分正常な帯電特性を示すトナーで占められるようにして、カブリのない良好な画像を安定的に形成させることができる。
【0069】
また本発明によれば、感光体の表面電位および現像器の現像剤担持体バイアス電圧を、パルス幅変調を利用して安定な傾斜で変化させ、電位変化を高精度かつ効率的に行い、画像形成装置としての性能向上を図ることができる。
【0070】
また本発明によれば、連続して複数枚の画像を形成する際に、転写用紙に転写するするために画像を形成する期間の間隙を利用して、帯電不良トナーの除去のためのトナー付着動作を行わせることができる。したがって、連続的な画像形成を行うに際し、画質を維持するために帯電不良トナーを排出する期間を画像形成動作と別に設けなくてもよいので、画像形成装置としての機械の利用効率や画像形成の速度が特に低下することなく、良質な画質を維持することができる。
【0071】
また本発明によれば、連続して画像形成を行う際に、複数枚の転写用紙に形成した画像を転写する途中の間隙を利用して、その前半期間と後半期間とでカブリ電位差を変化させ、帯電特性の異なる帯電不良トナーを感光体表面に強制付着させ、現像器外に排出することができる。連続的な画像形成を行うにあたって、画質を維持するために帯電不良トナーを排出する期間を改めて設ける必要はなく、画像形成装置としての機械の利用効率や画像形成の速度の低下を招くことなく、良質な画質を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態としての画像形成装置20の概略的な構成を示す簡略化した断面図である。
【図2】図1の画像形成装置20で感光体21の周囲の部分の構成を示す断面図である。
【図3】図1の画像形成装置20の制御装置40の概略的な電気的構成を示すブロック図である。
【図4】図1の実施形態で、制御装置40によって行われる感光体21の表面電位と現像ローラ34のバイアス電圧との調整状態を示す簡略化したタイムチャートである。
【図5】感光体の回転数と表面電位および感光体膜厚の変化の一例を示すグラフである。
【図6】異なる環境下での感光体の回転数と表面電位の変化の一例を示すグラフである。
【図7】本発明の実施の他の形態での電圧変化の制御方法を示す簡略化したタイムチャートである。
【図8】本発明の実施のさらに他の形態での電圧変化の制御方法を示す簡略化したタイムチャートである。
【図9】本発明の各実施形態で用いられる帯電グリッド出力回路47の概略的な電気的構成を示すブロック図である。
【図10】図1の帯電装置22のグリッド電極52に与えるグリッド印加電圧と感光体21の表面電位との関係を示すグラフである。
【図11】現像ローラ34に与えるバイアス電圧のデューティと現像バイアス電圧との関係を示すグラフである。
【図12】従来の画像形成装置の概略的な構成を示す簡略化した断面図である。
【図13】図12の画像形成装置での電圧変化の制御方法を示すタイムチャートである。
【図14】カブリ電位差と感光体トナーおよび感光体キャリアの付着量との関係を示すグラフである。
【図15】現像器内のトナーの帯電量分布の使用による変化を示すグラフである。
【符号の説明】
20 画像形成装置
21 感光体
22 帯電装置
23 露光装置
24 現像装置
25 給紙装置
26 転写装置
27 剥離装置
31 クリーニングユニット
32 除電装置
33 現像器
34 現像ローラ
35 クリーニングブレード
36 表面電位検出センサ
40 制御装置
41 CPU
42 ROM
43 RAM
44 高圧電源ユニット
45 駆動系制御ユニット
46 現像バイアス出力回路
47 帯電グリッド出力回路
48 感光体駆動系
50 制御部
51 高圧発生部
52 グリッド電極
53 コントローラ
55 パルスジェネレータ
58 出力トランジスタ
60 トランス

Claims (9)

  1. 帯電器によって帯電させた感光体表面上を露光して静電潜像を形成し、現像器からの帯電したトナーで静電潜像を現像して感光体表面上にトナー画像を形成し、該トナー画像を転写材上に転写した後、感光体表面上に残留するトナーをクリーニング装置で除去する画像形成装置において、
    帯電した感光体の表面電位を計測する表面電位計測手段と、
    感光体の表面電位と現像器のバイアス電圧との電位差で表されるカブリ電位差を、正規に帯電したトナーに対して予め設定される値に保つ画像形成動作、または表面電位計測手段によって計測される感光体の表面電位に応答し、現像器内に存在する帯電不良トナーである未帯電トナーおよび逆帯電トナーに応じて、帯電不良トナーを感光体表面に選択的に強制付着させるように予め定める条件で変化させるトナー排出動作を切換え可能なように、帯電器の帯電電圧または現像器の現像材担持体バイアス電圧の少なくとも一方を制御する制御手段とを含み、
    前記感光体は、回転体として形成され、
    前記制御手段は、前記画像形成動作を、該感光体が定常的に回転する定常状態で行い、前記トナー排出動作を、該定常状態に先行する前回転時、および該定常状態に後続する後回転時に行い、
    前記現像器は、トナーとキャリアとを含む二成分現像剤を供給し、
    前記制御手段は、前記前回転時および前記後回転時に、前記感光体の表面電位と前記現像器の現像剤担持体バイアス電圧とのカブリ電位差を、現像剤中のキャリア付着を誘発しない範囲内に大きく保って逆帯電トナーの強制付着を行い、該カブリ電位差を正規に帯電したトナー付着を誘発しない範囲内に小さく保って未帯電トナーの強制付着を行うように制御することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記制御手段は、前記トナー排出動作で、前記帯電器の帯電電圧として、帯電器に設けられるグリッド電極へのグリッドバイアス電圧を制御することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記制御手段は、前記トナー排出動作で、前記現像器の現像剤担持体バイアス電圧として、現像器に設けられる現像ローラへ印加するバイアス電圧を制御することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  4. 前記表面電位計測手段は、前記制御手段がトナー排出動作を行う期間に、前記感光体の表面電位を計測することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置。
  5. 帯電器によって帯電させた感光体表面上を露光して静電潜像を形成し、現像器からの帯電したトナーで静電潜像を現像して感光体表面上にトナー画像を形成し、該トナー画像を転写材上に転写した後、感光体表面上に残留するトナーをクリーニング装置で除去する画像形成装置において、
    帯電した感光体の表面電位を計測する表面電位計測手段と、
    感光体の表面電位と現像器のバイアス電圧との電位差で表されるカブリ電位差を、正規に帯電したトナーに対して予め設定される値に保つ画像形成動作、または表面電位計測手段によって計測される感光体の表面電位に応答し、現像器内に存在する帯電不良トナーである未帯電トナーに応じて、帯電不良トナーを感光体表面に選択的に強制付着させるように予め定める条件で変化させるトナー排出動作を切換え可能なように、帯電器の帯電電圧または現像器の現像材担持体バイアス電圧の少なくとも一方を制御する制御手段とを含み、
    前記制御手段は、前記トナー排出動作で、前記画像形成動作よりも前記カブリ電位差が低くなるように制御することを特徴とする画像形成装置。
  6. 前記制御手段は、
    前記前回転時に、前記帯電器の帯電電圧を印加して帯電された前記感光体の表面が前記現像器の位置に到達する時間から予め定める時間経過後に前記現像器の現像剤担持体バイアス電圧の印加を開始し、
    前記後回転時に、前記帯電器への帯電電圧の印加を停止して、帯電が停止された感光体の表面が現像器の位置に到達する時間だけ遅延して、現像器の現像剤担持体バイアス電圧の印加を停止するように制御することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  7. 前記制御手段は、前記感光体の表面電位、および前記現像器の現像剤担持体バイアス電圧を変化させる際に、予め定める傾斜に従うように、パルス幅変調で傾き制御を行うことを特徴とする請求項1または6のいずれかに記載の画像形成装置。
  8. 前記制御手段は、複数枚連続の画像形成時で、個々の画像形成動作を行う期間の間の前半期間と後半期間とで、前記カブリ電位差を可変とし、該前半期間と該後半期間とに分けて、相互に帯電特性の異なる未帯電トナーと逆帯電トナーとを感光体表面に強制付着させるように制御することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成装置。
  9. 前記制御手段は、前記前半期間または後半期間の一方で、前記感光体の表面電位と前記現像器の現像剤担持体バイアス電圧とのカブリ電位差を、現像剤中のキャリア付着を誘発しない範囲内に大きく保って逆帯電トナーの強制付着を行い、前半期間または後半期間の他方で、該カブリ電位差を正規に帯電したトナー付着を誘発しない範囲内に小さく保って未帯電トナーの強制付着を行うように制御することを特徴とする請求項8記載の画像形成装置。
JP22802699A 1999-08-11 1999-08-11 画像形成装置 Expired - Fee Related JP3574357B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22802699A JP3574357B2 (ja) 1999-08-11 1999-08-11 画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22802699A JP3574357B2 (ja) 1999-08-11 1999-08-11 画像形成装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001051458A JP2001051458A (ja) 2001-02-23
JP3574357B2 true JP3574357B2 (ja) 2004-10-06

Family

ID=16870044

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP22802699A Expired - Fee Related JP3574357B2 (ja) 1999-08-11 1999-08-11 画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3574357B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4396456B2 (ja) * 2004-09-02 2010-01-13 コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 画像形成装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001051458A (ja) 2001-02-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3903021B2 (ja) 画像形成装置および画像形成制御システム
JP2006330188A (ja) 画像形成装置
US8606131B2 (en) Charging apparatus with AC and DC current detection
JP2004334063A (ja) 画像形成装置
JP2003015380A (ja) タンデム型画像形成装置における制御方法
JP3600065B2 (ja) 画像形成装置
JP4566346B2 (ja) 画像形成装置
JP4193853B2 (ja) 現像装置及びそれを用いた画像形成装置
JP3574357B2 (ja) 画像形成装置
JP3817930B2 (ja) 現像装置及びそれを用いた画像形成装置
JP2002328496A (ja) 画像形成装置
JP2001075450A (ja) 画像形成装置
JP2008058740A (ja) 画像形成装置および露光量補正方法
JP2002207351A (ja) 帯電装置及び画像形成装置
JP2006163118A (ja) 画像形成装置
JP2014215311A (ja) 画像形成装置
JP2004045570A (ja) 画像形成装置
JP3933463B2 (ja) 現像装置
US20240019794A1 (en) Image forming apparatus
JP2005055841A (ja) 画像形成装置における現像方法
JP2002014578A (ja) 画像形成装置
JP2004101670A (ja) リサイクルプロセスカートリッジの検知手段、及び画像形成装置
JP2006138991A (ja) 画像形成装置
JP3734934B2 (ja) 画像形成装置
JP2005157124A (ja) 画像形成装置、画像形成装置の制御方法及びプロセスカートリッジ

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040120

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040318

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040413

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040609

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040629

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040701

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3574357

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070709

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080709

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080709

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090709

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100709

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110709

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110709

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120709

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120709

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130709

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees