JP3574218B2 - 摩擦摩耗試験法及び試験機 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、摩擦摩耗試験機、特に金属、プラスチック、セラミックス、その他の材料又はその表面に形成された被膜等の摺動特性又は摩擦に及ぼす潤滑油の影響の評価に使用できる自動摩擦摩耗試験機に関する。
【0002】
【従来の技術】
多様な使用条件下で長時間使用されるエンジン及びコンブレッサは、優れた耐久性と高い信頼性が要求されている。また、省エネルギの見地から軽量化及び小型化を達成すると同時に、摺動部分の摩擦ロスを低減して運転時のエネルギロスを減少することが求められている。従って、高強度を有しかつ軽量な摺動部品を使用して優れた耐摩耗性及び耐焼付性をも併有することが必要となる。前記要求を満たすため、材料の改良及び表面改質について多くの試みがなされている。他面、摺動部品の小型化により、一般的に摺動部品の接触面積が減少することが多く、稼動時に高い面圧が摺動部品に加えられるため、これに対応して潤滑油の組成も同時に検討されるようになった。
【0003】
エンジン及びコンプレッサを用いる実機評価によって全ての摺動部品の材料及び潤滑油を検討することは、多大な経済的な負担となる。そこで、評価試験機を用いて、摩擦・摩耗に関する基礎的な評価試験及び過酷な条件下での加速的な耐環境試験を行った後、最終的な確認試験を実機で行うことが一般的である。
【0004】
また、極力低コストでの加工法を選択して実機での摺動部品を製造した後、使用により摺動面をなじませて、機能を満たす設計を行うのが一般的であり、これに対応する評価試験も行われるようになってきている。
【0005】
前記評価試験では、例えば、ピン・オン・ディスク型及びリング・オン・リング型の摺動方式を採用した自動昇圧式摩擦試験装置が使用される。この自動昇圧式摩擦試験装置では、一般的に、主軸の端面にディスク状又はリング状の回転試験片を取り付け、ピン状又はリング状の静止試験片を回転試験片に押し付けた状態で主軸を回転させ、回転試験片と静止試験片とを摩擦させて摩擦摩耗試験が行われる。静止試験片の負荷荷重は低荷重側より高荷重側へ段階的に変化するようにプログラム制御される。この種の試験機では、耐焼き付き性の評価に対して有効なデータが得られ、一定の摺動速度条件の下で摺動面のなじみが得られるように、負荷荷重を徐々に上昇し、焼き付きに耐えられる限界面圧まで評価を自動的に行うことができる。このような多くの自動化方式による試験機が市販されている。従来、この種の試験機では、摺動部より生ずる摩擦力を荷重変換器により検出し、検出した摩擦力が予め設定値と等しいか又は設定値を超えた場合に、焼き付き発生と判断し、試験を自動的に停止する方式が採用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
試験摺動面への負荷荷重Wと、発生する摩擦力Fとの除数(F/W)から得られる係数、即ち摩擦係数μが試験摺動面の摩擦状態を表す判断基準として主に用いられる。負荷荷重Wと摩擦力Fとの典型的な関係を示す図11のグラフから明かなように、多くの場合、負荷荷重Wの増加に伴い摩擦力Fも増加し、ある負荷荷重Wを境に急激に摩擦力Fが立ち上がる摩擦特性が計測される。また、負荷荷重Wがゼロの状態でもFが計測される。これは、主として試験片の周囲に存在する潤滑油の粘性抵抗の影響によるものと推定される。図11の関係を負荷荷重Wと摩擦係数μとの関係に表した図12のグラフから明かなように、摩擦係数μは、負荷荷重Wのゼロ近傍では無限大に接近し、負荷荷重の増加に伴い急激に低下し、その後、安定した摺動領域を経て急激に立ち上がる。
【0007】
図12に示すように、大きな摩擦係数μを表す低荷重領域では、試験片に焼き付きが発生したものと誤って判断される場合がある。摩擦力に依存する従来の自動昇圧式摩擦試験装置では、摩擦係数の安定域でも焼き付き発生と誤って判断する場合があり、精度面で難点があった。低荷重域で摩擦係数μが大きくなる現象は、本来焼き付き現象とは無関係であり、摩擦摩耗試験機を自動的に停止する条件から削除する必要が生じる。また、不均一なデータの発生を抑制しつつなじみ効果を生ずる実機評価法に近づくために、可能な限り低い荷重の大きな摩擦係数領域から試験を開始し、なじみを持たせながら徐々に負荷荷重を増加する試験方法が望ましい。このため、理想的には摩擦係数μを基準にして焼き付き発生の判断を行うことが望ましい。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、一般的に極めて不安定な境界摩擦状況の摩擦力Fは、激しい変動が発生する場合が多い。従って、急激なFの変化をμの変化として正確に検出でき、設定値を超えた場合での即座自動停止の実現が、焼き付き発生の解析を行う試験装置を開発することが望ましい。この場合、負荷荷重Wと摩擦力Fにより算出されかつ本来摩擦状態の尺度とすべき摩擦係数μをいかに連続的に比較できるか否かが重要な問題となる。
【0009】
本発明は、焼き付きと無関係な現象に影響されずかつ広い荷重範囲にわたり正確に試験を行うことができる摩擦摩耗試験法及び試験装置を提供することを目的とする。
【0010】
本発明は、低荷重領域での大きな摩擦係数μに影響されずに、正確に摩擦摩耗試験を行いかつ試験を自動的に停止できる摩擦摩耗試験法及び試験装置を提供することを目的とする。
【0011】
また、本発明は、極めて不安定な摩擦状態でも、連続的かつ確実に摩擦摩耗試験を行い、摩擦係数μを測定できる摩擦摩耗試験法及び試験機を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明による摩擦摩耗試験法は、試験片に加える荷重範囲内に境界荷重Wcを設定すると共に、限界摩擦力Fs及び限界摩擦係数μstを設定する過程と、連続的又は段階的に試験片に荷重を印加しながら、負荷荷重及び摩擦係数を測定する過程と、負荷荷重が境界荷重Wcに満たないとき、摩擦力Fと限界摩擦力Fsとを比較する過程と、負荷荷重が境界荷重Wcに達しこれを超えたとき、摩擦係数μが限界摩擦係数μstとを比較する過程と、摩擦力Fが限界摩擦力Fsを超えたとき又は摩擦係数μが限界摩擦係数μstを超えたとき、試験を終了する過程とを含む。この摩擦摩耗試験法では、試験片の摺動半径Rと負荷荷重Wと摩擦トルクTfとから摩擦力Fを算出する過程を含んでもよい。
【0013】
本発明による摩擦摩耗試験機は、連続的又は段階的に試験片に荷重を印加する加圧装置と、試験片を回転する回転装置と、試験片に印加される負荷荷重Wを計測する荷重測定手段と、試験片に印加される摩擦トルクTfを計測するトルク測定手段と、試験片の摺動半径Rと前記負荷荷重Wと摩擦トルクTfとから摩擦力Fを算出する摩擦力測定手段と、摩擦力Fと負荷荷重Wから摩擦係数μを算出する摩擦係数測定手段と、負荷荷重Wが境界荷重Wcに達したか否かを判断する荷重判断手段と、負荷荷重Wが境界荷重Wc未満のとき、摩擦力Fと限界摩擦力Fsとを比較し、摩擦力Fが限界摩擦力Fsを超えたときに停止信号を発生する摩擦力比較手段と、負荷荷重Wが境界荷重Wc以上のとき、摩擦係数μと限界摩擦係数μstとを比較し、摩擦係数μが限界摩擦係数μstを超えたときに停止信号を発生する摩擦係数比較手段と、摩擦力比較手段又は摩擦係数比較手段の停止信号により加圧装置又は回転装置の作動を停止する停止手段とを具備している。
【0014】
本発明の実施例では、限界摩擦係数μst及び負荷荷重Wから限界摩擦力Fs’(=μst×W)を求め、限界摩擦力Fs’値と摩擦力Fを比較して摩擦係数の比較を行う。また、加圧装置は低荷重側から高荷重側に負荷荷重を増加する。
【0015】
【作用】
負荷荷重が境界荷重Wcに満たず焼き付きと無関係な現象による摩擦係数μが大きな摩擦状態のとき、摩擦力Fと限界摩擦力Fsとを比較すると共に、負荷荷重が境界荷重Wcに達しこれを超えた安定した摩擦状態のとき、摩擦係数μが限界摩擦係数μstとを比較して、摩擦力Fが限界摩擦力Fsを超えたとき又は摩擦係数μが限界摩擦係数μstを超えたとき、試験を終了する。このため、焼き付きと無関係な現象及び低荷重領域での大きな摩擦係数μに影響されずに、連続的かつ正確に摩擦摩耗試験を行うことができる。
【0016】
【実施例】
以下、本発明による摩擦摩耗試験機の実施例を図1〜図10について説明する。
【0017】
図1に示す本発明による摩擦摩耗試験機は、加圧装置1と、加圧装置1の下方に設けられた静止試験片ホルダ5と、加圧装置1と静止試験片ホルダ5との間に配置された荷重検出用ロードセル3(荷重測定手段)及びトルク検出用ロードセル4(トルク測定手段)と、静止試験片ホルダ5の下方に設けられた回転装置2と、回転装置2の回転軸に取り付けられた回転試験片ホルダ8とを備えている。回転試験片ホルダ8上に支持された回転試験片7は静止試験片ホルダ5に支持された静止試験片6の下方に配置される。加圧装置1は、静止試験片6を回転試験片7に押し付け、回転装置2は回転試験片7を回転させる。
【0018】
荷重検出用ロードセル3から負荷荷重Wを測定し、トルク検出用ロードセル4から摩擦トルクTfを測定して、荷重W及び摩擦トルクTfを演算装置に取り込み、試験片摺動半径Rから摩擦力F(=Tf/R)を算出し、負荷荷重Wと摩擦力Fから摩擦係数μ(=F/W)を計算する。荷重検出用ロードセル3で測定した負荷荷重Wは、図6〜図10に示す各実施例のロードセル変換器71に送出され、トルク検出用ロードセル4で測定した摩擦トルクTfは図6〜図10に示すロードセル変換器61に送出される。
【0019】
回転試験片ホルダ8の回転数は一定で、図2及び図3に示すように、任意に設定した負荷荷重の上限荷重Wtと下限荷重Wbとの間の範囲内で、負荷荷重を連続又は段階的に上昇させながら試験を行う。適宜設定した境界荷重Wc(但しWb≦Wc≦Wt)未満では、摩擦力Fが所定のしきい値である限界摩擦力Fsを超えたか否か判断し、境界荷重Wc以上では、摩擦係数μが所定の限界摩擦係数μstを超えたかどうかを判断し、超えた場合は即座に試験を停止終了する。本実施例では、境界荷重Wcは摩擦係数μの変化率が一定レベル以下に低下する荷重範囲に設定するとよい。また、境界荷重Wc未満の領域では、摩擦摩耗試験機の許容トルクTa以上の負荷がかかった時以外に、試験を停止する必要がないため、図2に示すμ値とμsb値ではなく、許容回転トルクTaと比例関係にある限界摩擦力Fsをしきい値として採用する。
【0020】
摩擦係数μと負荷荷重Wとに図2に示す関係がある場合、境界荷重Wc以上の領域で初期の摩擦係数μbよりも低い限界摩擦係数μstで試験を停止終了したい場合、摩擦係数μがμstを超えたかを常時判断する手段では、摩擦係数μbを生じる負荷荷重にて試験が停止終了するため、所期の目的を達成できない。本実施例では、境界荷重Wcに満たない場合と、境界荷重Wc以上とで異なるしきい値を設定する。即ち、μbで停止しない限界摩擦力Fsをしきい値(図5)とし、負荷荷重Wが境界荷重Wcに満たない領域では、下限荷重Wb、境界荷重Wc、下限荷重Wbでの摩擦力Fb、境界荷重Wcでの境界摩擦力Fc、所期の摩擦係数μ、境界荷重Wcでの摩擦係数μcは、式1及び式2を満足する。
【0021】
Fs>Fb=μb×Wb (式1)
Fs>Fc=μc×Wc (式2)
境界荷重Wc以上の試験領域では、本来の限界摩擦係数μstを採用するため、所期の摩擦状態で試験を自動的に停止することができる。
【0022】
図4及び図5は、下限荷重Wbから上限荷重Wtまで回転数一定の下で一定時間thだけ負荷荷重Wを保持し、一定時間th経過後に負荷荷重を微小荷重ΔWずつ増加させて試験を行う本発明による摩擦摩耗試験機の主要部の第一の実施例を示す。図4に示すように、負荷荷重Wと摩擦トルクTfは、AD変換された後、試験片の摺動半径Rの値が予め入力された演算装置(パーソナルコンピュータ)に取り込まれる。演算装置では、試験片の摺動半径Rと測定された摩擦トルクTfから摩擦力F(=Tf/R)を計算し、摩擦力Fと負荷荷重Wから摩擦係数μ(=F/W)を演算する。
【0023】
負荷荷重Wが境界荷重Wc未満の場合は、装置保護の観点から、許容回転トルクTaに比例する限界摩擦力Fsをしきい値として予め設定し、境界荷重Wc以上の場合は、焼き付き発生の判断として理想的な尺度である限界摩擦係数μstをしきい値として予め設定する。このように、摩擦力F及び摩擦係数μが所与の限界摩擦力Fs及び限界摩擦係数μstに達したとき試験を停止終了する。限界摩擦力Fs及び限界摩擦係数μstに達しない場合は、負荷荷重Wが上限荷重Wtに達し、保持時間tが所定の保持時間thに達した時に試験を終了する(図5)。
【0024】
図6は、駆動制御装置をマイクロコンピュータにより構成した本発明の第二の実施例を示す。
【0025】
プログラム制御される駆動制御装置(CPU)50には、試験片の摺動半径R、境界摩擦力Fcに満たない試験領域で基準となる限界摩擦力Fs、境界摩擦力Fc以上の試験領域で基準となる限界摩擦係数μstの各情報が入力されている。これらの情報は、駆動制御装置50とバスで接続したD/A変換器51により、所定のアナログ電圧V、V、Vにそれぞれ変換し、比較演算装置100の入力端子X、X、Xを通じて除算器103、比較器105及び比較器106にそれぞれ接続される。また、付加荷重Wは、荷重検出ロードセル3により検出され、ロードセル変換器71で荷重対応電圧Vwにして、比較演算装置100の入力端子Xを通じて増幅器102に接続される。検出摩擦トルクTfは、トルク検出ロードセル4により検出され、ロードセル変換器61でトルク対応電圧Vtに変換されて、比較演算装置100の入力端子Xを通じて増幅器101に接続される。また、図示しないが、駆動制御装置50には下限荷重Wb、境界荷重Wc、上限荷重Wt及び境界摩擦力Fcの値が記憶され、負荷荷重Wが境界荷重Wcに達したか否かを判断する荷重判断手段及び比較器105(摩擦力比較手段)又は比較器106(摩擦係数比較手段)の停止信号により加圧装置1又は回転装置2の作動を停止する停止手段が設けられている。
【0026】
比較演算装置100は、摩擦トルクのトルク対応電圧Vtに相当するトルク表示電圧Vを演算する増幅器101と、荷重対応電圧Vwに相当する荷重表示電圧Vを演算する増幅器102と、増幅器101のトルク表示電圧Vを試験片の摺動半径の電圧Vで除算して、摩擦力対応電圧Vfを表示する除算器103(摩擦力測定手段)と、摩擦力対応電圧Vfを荷重表示電圧Vで除算する除算器104(摩擦係数測定手段)と、除算器103の摩擦力対応電圧Vfと限界摩擦力Fsを表すVとを比較する比較器105(摩擦力比較手段)と、除算器104の出力と限界摩擦係数μstを表すVとを比較する比較器106(摩擦係数比較手段)により構成される。ここで、比較演算装置100は、下式3に従って摩擦力Fの電圧Vfを演算する。
【0027】
Vf=Vt/V (式3)
また、、下式4に従って摩擦係数μの電圧Vμを演算する。
【0028】
Vμ=Vf/Vw (式4)
図6は、摩擦力Fの摩擦力対応電圧Vfと摩擦力の限界摩擦力Fsの摩擦力のしきい値電圧Vとの比較と、摩擦係数μの電圧Vμと摩擦係数の限界摩擦係数μstの摩擦係数しきい値電圧Vとの比較する一例を示す。
【0029】
比較演算装置100の比較器105の出力端子Yと、比較器106の出力端子Yとは割込みボート52にそれぞれ接続される。割込みボート52は、駆動制御装置50とバスで接続される。駆動制御装置50では、境界摩擦力Fcに満たない印加荷重時には、比較器106の割込み入力を禁止すると共に、比較器105の割込み入力を許可する。反対に、境界摩擦力Fc以上の印加荷重時には、比較器105の割込み入力を禁止すると共に、比較器106の割込み入力を許可とする。これにより、摩擦力Fの比較領域と摩擦係数μの比較領域とを区別することができる。また、いずれの割込み入力も出力パルスの立上りエッジで検出される。また、より確実に動作を行うため、摩擦力Fによる比較領域では、限界摩擦係数μstの電圧Vをできるだけ高い電圧で出力させ、摩擦係数μによる比較領域では、限界摩擦力Fsの電圧Vをできるだけ高い電圧で出力させることが望ましい。また、摩擦力Fによる比較領域では限界摩擦係数μstの電圧Vをできるだけ高い電圧で出力し、摩擦係数μによる比較領域では限界摩擦力Fsの電圧Vをできるだけ高い電圧で出力して、比較領域を区別することもできる。図示しないが、駆動制御装置50は加圧装置1及び回転装置2の駆動を制御するスイッチング素子に接続される。駆動制御装置50が割込みを受け付けたとき、即座に加圧装置1の作動を停止して、印加荷重を0(kgf)とし、回転装置2の回転を停止させて、試験片の異常状態を保存する。
【0030】
図7は、プログラム制御される駆動制御装置50を使用しない本発明による摩擦摩耗試験機の第三の実施例を示す。図7の例では、図6に示す箇所と同一の部分には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0031】
試験片の摺動半径Rの電圧Vを設定する基準半径設定器80と、摩擦力Fによる比較領域での限界摩擦力Fsの電圧Vを設定する基準摩擦力しきい値設定器81と、摩擦係数μによる比較領域での限界摩擦係数μstの電圧Vを設定する基準摩擦係数設定器82と、境界荷重Wcの電圧Vを設定する基準荷重設定器83とが比較演算装置100の入力端子X、X、X、Xにそれぞれ接続される。これらの設定器80〜83を分圧抵抗又は可変抵抗によって構成してもよい。
【0032】
図7の比較演算装置100では、境界荷重Wcの電圧Vと前記印加荷重の電圧Vとを比較する比較器107が図2の第二実施例に加えられる。
【0033】
比較演算装置100のFの比較結果の出力端子Yと、μ比較結果の出力端子Yは、リレー90のNC端子とNO端子にそれぞれ接続される。リレー90のc接点は境界荷重Wcを決定する比較器107の出力端子Yに接続される。リレー90の接点のコモン端子はリレー91のマグネットコイル端子に接続される。従って、印加荷重を0(kgf)とするとき、即座に回転を停止させる。
【0034】
この構成では、付加荷重Wの電圧Vが、境界荷重Wcの電圧Vに満たないとき、比較器107の出力はローレベルとなり、リレー90のマグネットコイルに電圧が印加されない。このため、摩擦力に基づく比較器105の比較出力によりリレー91のマグネットコイルの制御を行う。付加荷重Wの電圧Vが境界荷重Wcの電圧Vを超えると、比較器107の出力はハイレベルとなり、リレー90のマグネットコイルに電圧が印加され、摩擦係数に基づく比較器106の比較出力によりリレー91のマグネットコイルの制御を行う。
【0035】
図8は、摩擦係数の比較を摩擦トルクの比較に変換して停止制御を行う本発明の第四の実施例を示す。
【0036】
比較演算装置100は、摩擦トルクの電圧Vtと、しきい値トルクの電圧V’とを比較する比較器110のみで構成する。比較演算装置100の入力端子Xは、第二実施例と同じ接続とし、入力端子Xは、駆動制御装置50で演算したトルクしきい値Tを所定の電圧V’にするD/A変換器51に接続される。比較演算装置100の出力端子Yは、割込みボード52に接続される。第二実施例と同様に、D/A変換器51と割込みボード52は、駆動制御装置50にバスで接続される。また、駆動制御装置50からD/A変換器51を介して荷重制御装置55に印加荷重の指令電圧Vを与え、荷重制御装置55で閉ループ制御を行う。荷重制御装置55への指令の印加荷重Wが境界荷重Wc以下の時に、駆動制御装置50は、限界摩擦力Fsと試験片の摺動半径Rについて式5の演算を行う。
【0037】
Ts=Fs×R (式5)
摩擦力の限界摩擦力Fsをトルクしきい値Tsに変換し、D/A変換器51から比較演算装置100の入力端子Xにしきい値トルクTsの電圧V’を与える。また、荷重制御装置55への指令の印加荷重Wが境界荷重Wc以上のとき、駆動制御装置50は、限界摩擦係数μstと、荷重制御装置55への指令の印加荷重Wと、試験片の摺動半径Rについて式6の演算を行う。
【0038】
Ts=μst×W×R (式6)
限界摩擦係数μstをトルクしきい値Tsに変換し、D/A変換器51から比較演算装置100の入力端子Xにしきい値トルクの電圧V’を与える。この場合、駆動制御装置50が、比較器110の比較出力による割込み信号を受けたとき、D/A変換器51を介して荷重制御装置55を制御して、即座に付加荷重を0(kgf)とし、加圧装置1から負荷を除去すると共に、回転装置2を停止させ、試験片の異常状態を保存する。
【0039】
本実施例では、式6のしきい値トルクTsが式5のしきい値トルクTs以上となる境界荷重Wcを荷重制御装置55から指令することにより、自動的に境界負荷荷重Wcを決めることもできる。
【0040】
図9は、プログラム制御による駆動制御装置50を使用せずに摩擦係数の比較を摩擦力の比較に変換して試験停止の制御を行う本発明の第五の実施例を示す。図9に示す例では、比較演算装置100の構成のみ図7に示す第三実施例と相違するため、比較演算装置100のみ説明する。
【0041】
図9の比較演算装置100は、摩擦トルクのトルク対応電圧Vtに相当するトルク表示電圧Vを演算する増幅器101と、荷重対応電圧Vwに相当する荷重表示電圧Vを演算する増幅器102と、増幅器101のトルク表示電圧Vを試験片の摺動半径の電圧Vで除算して、摩擦力対応電圧Vfを表示する除算器103と、荷重表示電圧Vと限界摩擦係数μstの電圧Vとを乗算する乗算器104と、限界摩擦力Fsの電圧Vと摩擦力対応電圧Vfとの比較を行う摩擦力に基づく比較器105と、乗算器104により限界摩擦係数μstを限界摩擦力Fs’に変換した電圧Vと摩擦力対応電圧Vfとの比較を行う摩擦係数に基づく比較器106と、境界荷重Wcの電圧Vと荷重表示電圧Vとを比較する比較器107とを備えている。
【0042】
また、図10に示すように、乗算器104により限界摩擦係数μstを限界摩擦力Fs’に変換した電圧Vと、限界摩擦力Fsの電圧Vとを比較器107で比較する場合、乗算器104により限界摩擦係数μstを限界摩擦力Fs’に変換した電圧Vが限界摩擦力Fsの電圧V2以上となったとき、摩擦力Fによる比較領域と摩擦係数μによる比較領域とを自動的に切り換えさせることもできる。
【0043】
【発明の効果】
前記のように、本発明では、焼き付きと無関係な現象及び低荷重領域での大きな摩擦係数μに影響されずに、極めて不安定な摩擦状態でも広い荷重範囲にわたり連続的かつ正確に摩擦摩耗試験を行いかつ試験を自動的に停止できる。このため、実機評価に極めて近似するデータを得ることができ、摩擦摩耗を受ける製品の品質を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による摩擦摩耗試験機の断面図
【図2】摩擦係数による停止を示すグラフ
【図3】摩擦力による停止を示すグラフ
【図4】本発明の第一実施例を示すブロック図
【図5】本発明の第一実施例を示すフローチャート
【図6】本発明の第二実施例を示すフローチャート
【図7】本発明の第三実施例を示すフローチャート
【図8】本発明の第四実施例を示すフローチャート
【図9】本発明の第五実施例を示すフローチャート
【図10】本発明の別の第五実施例を示すフローチャート
【図11】摩擦力と負荷荷重の関係を示すグラフ
【図12】摩擦係数と負荷荷重の関係を示すグラフ
【符号の説明】
1..加圧装置、 2..回転装置、 3..荷重検出ロードセル、 4..トルク検出ロードセル、 5..静止試験片ホルダ、 6..静止試験片、 7..回転試験片、 8..回転試験片ホルダ、 W..負荷荷重、 Wb..下限荷重、 Wt..上限荷重、 Wc..境界荷重、 Tf..摩擦トルク、 R..摺動半径、 F..摩擦力、 Fs..限界摩擦力、 μ..摩擦係数、μst..限界摩擦係数、

Claims (5)

  1. 試験片に加える荷重範囲内に境界荷重Wcを設定すると共に、限界摩擦力Fs及び限界摩擦係数μstを設定する過程と、
    連続的又は段階的に試験片に荷重を印加しながら、負荷荷重及び摩擦係数を測定する過程と、
    負荷荷重が境界荷重Wcに満たないとき、摩擦力Fと限界摩擦力Fsとを比較する過程と、
    負荷荷重が境界荷重Wcに達しこれを超えたとき、摩擦係数μが限界摩擦係数μstとを比較する過程と、
    摩擦力Fが限界摩擦力Fsを超えたとき又は摩擦係数μが限界摩擦係数μstを超えたとき、試験を終了する過程とを含むことを特徴とする摩擦摩耗試験法。
  2. 試験片の摺動半径Rと負荷荷重Wと摩擦トルクTfとから摩擦力Fを算出する過程を含む請求項1に記載の摩擦摩耗試験法。
  3. 連続的又は段階的に試験片に荷重を印加する加圧装置と、
    試験片を回転する回転装置と、
    試験片に印加される負荷荷重Wを計測する荷重測定手段と、
    試験片に印加される摩擦トルクTfを計測するトルク測定手段と、
    試験片の摺動半径Rと前記負荷荷重Wと摩擦トルクTfとから摩擦力Fを算出する摩擦力測定手段と、
    摩擦力Fと負荷荷重Wから摩擦係数μを算出する摩擦係数測定手段と、
    負荷荷重Wが境界荷重Wcに達したか否かを判断する荷重判断手段と、
    負荷荷重Wが境界荷重Wc未満のとき、摩擦力Fと限界摩擦力Fsとを比較し、摩擦力Fが限界摩擦力Fsを超えたときに停止信号を発生する摩擦力比較手段と、
    負荷荷重Wが境界荷重Wc以上のとき、摩擦係数μと限界摩擦係数μstとを比較し、摩擦係数μが限界摩擦係数μstを超えたときに停止信号を発生する摩擦係数比較手段と、
    摩擦力比較手段又は摩擦係数比較手段の停止信号により加圧装置又は回転装置の作動を停止する停止手段とを具備したことを特徴とする摩擦摩耗試験機。
  4. 限界摩擦係数μst及び負荷荷重Wから限界摩擦力Fs’(=μst×W)を求め、限界摩擦力Fs’値と摩擦力Fを比較して摩擦係数の比較を行う請求項3に記載の摩擦摩耗試験機。
  5. 加圧装置は低荷重側から高荷重側に負荷荷重を増加する請求項3に記載の摩擦摩耗試験機。
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