JP6111717B2 - 演算処理方法、演算処理装置、及びプログラム - Google Patents

演算処理方法、演算処理装置、及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、演算処理方法、演算処理装置、及びプログラムに関する。
従来の有限要素法シミュレーションでは、摩擦係数を一定として扱うCoulomb摩擦則が用いられている。そのため、成形中の摩擦係数の変化は数値解析シミュレーションにおいて考慮されていない。有限要素法による成形シミュレーションでは、材料の機械的特性を材料構成式として入力し、工具との接触問題については摩擦係数を入力する。これにより、材料の変形状態の釣り合い式を解いたり(静的陰解法又は静的陽解法)、運動方程式を解いたり(動的陽解法)することで、応力分布や歪み分布を出力する方法である。しかしながら、従来の有限要素法プログラムは摩擦係数の変化を正確に反映していないため、正確な応力分布や歪み分布を出力することができず、成形可否の予測精度は十分とはいえない。
摩擦係数を状態関数として扱い、非線形摩擦モデルを有限要素法に組み込んだ例が非特許文献1,2に開示されている。非特許文献1では、摺動距離と非加工材に加わる歪みの2つをパラメータとして多項式近似した状態関数が記載されている。非特許文献2では、面圧と摩擦仕事量の2つをパラメータとして多項式近似した状態関数が記載されている。また、特許文献1には、面圧及び摩擦仕事量と塑性歪みを用いて多項式近似式により金属板の摩擦係数を求め、有限要素法による成形シミュレーションを行う方法について開示されている。
特開2005−207774号公報
仲町ら(平成4年春期塑性加工講論、(1992)、P355) 橋本ら(塑性と加工、Vol.44,No.504、(2003)、P35)
しかしながら、上記のような手法でも、有限要素法による数値解析の精度は十分とはいえない。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、成形加工中に摩擦係数が変化する金属材料(表面処理鋼板等の金属板)の成形シミュレーションを実行するにあたり、より解析精度を向上させることができる演算処理方法、演算処理装置、及びプログラムを提供することを目的とする。
本発明は、以下(1)〜(7)のように構成される。
(1)接触面圧、摩擦仕事量、摺動速度、工具と被加工材との硬度差、被加工材の粗度、潤滑油粘度、塑性歪み、温度、被加工材表層のせん断抵抗力、及び摩耗粉の径からなる群から選択された少なくとも1種を変数として行った摩擦試験の結果に基づき、
前記摩擦試験で用いた前記変数の関数として、変曲点を有し無限遠点で極限値が存在する近似式により、金属材料の摩擦係数を算出するステップを含み、
前記摩擦係数を算出するステップは、
前記摩擦試験の結果を一次関数で近似するステップと、
前記一次関数の勾配と前記近似式の勾配とが前記近似式の変曲点で一致するように、前記近似式のパラメータを算出するステップと、
前記摩擦試験の結果と前記近似式との偏差が最小となるように、前記近似式の未定パラメータを算出するステップとを含むことを特徴とする演算処理方法。
(2)前記摺動速度の代わりに、要素接点のすべり速度に実加工速度と設定加工速度との比を積算した値を用いることを特徴とする(1)に記載の演算処理方法。
(3)接触面圧、摩擦仕事量、摺動速度、工具と被加工材との硬度差、被加工材の粗度、潤滑油粘度、塑性歪み、温度、被加工材表層のせん断抵抗力、及び摩耗粉の径からなる群から選択された少なくとも1種を変数として行った摩擦試験の結果に基づき、
前記摩擦試験で用いた前記変数の関数として、変曲点を有し無限遠点で極限値が存在する近似式により、金属材料の摩擦係数を算出するものであって、
前記摩擦試験の結果を一次関数で近似する手段と、
前記一次関数の勾配と前記近似式の勾配とが前記近似式の変曲点で一致するように、前記近似式のパラメータを算出する手段と、
前記摩擦試験の結果と前記近似式との偏差が最小となるように、前記近似式の未定パラメータを算出する手段と
を含むことを特徴とする演算処理装置。
(4)前記摺動速度の代わりに、要素接点のすべり速度に実加工速度と設定加工速度との比を積算した値を用いることを特徴とする(3)に記載の演算処理装置。
(5)接触面圧、摩擦仕事量、摺動速度、工具と被加工材との硬度差、被加工材の粗度、潤滑油粘度、塑性歪み、温度、被加工材表層のせん断抵抗力、及び摩耗粉の径からなる群から選択された少なくとも1種を変数として行った摩擦試験の結果に基づいて、金属材料の摩擦係数を求めることをコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記摩擦試験の結果に基づき、前記摩擦試験で用いた前記変数の関数として、変曲点を有し無限遠点で極限値が存在する近似式により、金属材料の摩擦係数を算出するステップを含み、
前記摩擦係数を算出するステップは、
前記摩擦試験の結果を一次関数で近似するステップと、
前記一次関数の勾配と前記近似式の勾配とが前記近似式の変曲点で一致するように、前記近似式のパラメータを算出するステップと、
前記摩擦試験の結果と前記近似式との偏差が最小となるように、前記近似式の未定パラメータを算出するステップと
を含むことを特徴とするプログラム
(6)前記摺動速度の代わりに、要素接点のすべり速度に実加工速度と設定加工速度との比を積算した値を用いることを特徴とする(5)に記載のプログラム。
(7)(5)又は(6)に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
本発明によれば、成形加工中に摩擦係数が変化する金属材料(表面処理鋼板等の金属板)の成形シミュレーションを実行するにあたり、実験等で得た摩擦係数を簡便且つ高精度に近似することが可能となり、有限要素法等による数値解析シミュレーションを高精度に行い、より解析精度を向上させることができる。
本発明の実施形態による摩擦係数の演算処理装置を示すブロック図である。 本発明の実施形態による摩擦係数の演算処理方法を示すフローチャートである。 本発明の実施形態による摩擦係数の算出をコンピュータに実行させるためのプログラムを説明するフローチャートである。 パーソナルユーザ端末装置の内部構成を示す模式図である。 実施例1における摩擦試験の結果を示す特性図である。 実施例1における摩擦試験結果を正規化したで特性図ある。 実施例1における正規化した摩擦試験結果と式(2)を比較した特性図である。 実施例1において評価したプレス部品の形状を示す模式図である。
[第1の実施形態]
以下、本発明の実施形態による摩擦係数の演算処理方法について説明する。
本実施形態では、成形加工中に摩擦係数が変化する金属材料(自動車車体等に適用される表面処理鋼板等の金属板)の成形シミュレーションを実行するにあたり、実験等で得た摩擦係数を近似的に算出する。
本実施形態の演算処理方法は、例えば、有限要素法を用いた金属材料のプレス成形シミュレーションにおいて使用する摩擦係数を算出するのに適用される。プレス成形シミュレーションプログラムとしては、公知の動的陽解法FEMソフト(PAM-STAMP,LS-DYNA等)、静的陽解法FEMソフト(ITAS-3D等)、静的陰解法FEMソフト(ABAQUS,AUTOFORM等)を使用することができる。
成形加工中に摩擦係数が変化する金属材料の成形シミュレーションを高精度に実行するためには、実験等で得た摩擦係数を適切な近似式で近似する必要がある。そこで、以下に説明する方法で実験等から得た摩擦係数幸適切に近似し、その近似式を用いて摩擦係数の算出を行う。
本実施形態による演算処理方法は、図2に示すような各ステップを備える。この演算処理方法は、図1に示すような各種の処理手段を備えて構成された摩擦係数の演算処理装置、図3に示すような各ステップに対応するモジュールを備えて構成されたプログラムによって実行される。
図1に示す演算処理装置は、第1の演算手段1、第2の演算手段2、第1の決定手段3、第3の演算手段4、第4の演算手段5、第2の決定手段6、第5の演算手段7、第6の演算手段8と、第1の表示手段11、第2の表示手段12、第3の表示手段13とを備える。
第1の演算手段1は、摩察試験装置10から測定結果を収集し、摩擦係数の算出等の演算を行う(図2のステップS1に対応する)。第2の演算手段2は、摩擦試験結果を一次関数で近似する(図2のステップS2に対応する。)。第1の決定手段3は、第1の演算手段1で収集した摩擦試験結果の情報から変数の下限値を決定する(図2のステップS3に対応する)。第3の演算手段4は、第1の決定手段3で決定した変数の下限値を第2の演算手段2で近似した一次関数に代入して、変数が下限の摩擦係数を算出する(図2のステップS4に対応する。)。第4の演算手段5は、第1の演算手段1で算出した摩擦係数を、第3の演算手段4で算出した変数が下限の摩擦係数で除算することにより、正規化(無次元化)する(図2のステップS5に対応する。)。第2の決定手段6は、第4の演算手段5で正規化した摩擦係数の上限値を決定する(図2のステップS6に対応する。)。第5の演算手段7は、一次関数近似式の勾配と予測用近似式の勾配とが、予測用近似式の変曲点で一致するように、予測用近似式のパラメータを算出する(図2のステップS7に対応する。)。第6の演算手段8は、摩擦試験結果と予測用近似式との偏差が最小となるように、予測用近似式の未定パラメータを算出する(図2のステップS8に対応する。)。
第1の表示手段11は、第1の演算手段1から出力された摩擦試験結果を表示する。第2の表示手段12は、第4の演算手段5で正規化した摩擦係数を表示する。第3の表示手段13は、第6の演算手段8から出力された予測用近似式の未定パラメータを表示する。
図2に示す演算処理方法は、ステップS1〜ステップS8を備える。
ステップS1では、第1の演算手段1により、摩察試験装置10から測定結果を収集し、摩擦係数の算出等の演算を行う。ステップS2では、第2の演算手段2により、摩擦試験結果を一次関数で近似する。ステップS3では、第1の決定手段3により、第1の演算手段1で収集した摩擦試験結果の情報から変数の下限値を決定する。ステップS4では、第3の演算手段4により、ステップS3で決定した変数の下限値を第2の演算手段2で近似した一次関数に代入して、変数が下限の摩擦係数を算出する。ステップS5では、第4の演算手段5により、ステップS1で算出した摩擦係数を、ステップS4で算出した変数が下限の摩擦係数で除算することにより、正規化(無次元化)する。ステップS6では、第2の決定手段6により、ステップS5で正規化した摩擦係数の上限値を決定する。ステップS7では、第5の演算手段7により、一次関数近似式の勾配と予測用近似式の勾配とが、予測用近似式の変曲点で一致するように、予測用近似式のパラメータを算出する。ステップS8では、第6の演算手段8により、摩擦試験結果と予測用近似式との偏差が最小となるように、予測用近似式の未定パラメータを算出する。
図1の演算処理装置の主要構成である手段1〜8の各機能、及び図2の演算処理方法のステップS1〜S8の各手順は、例えばコンピュータの中央処理装置(CPU)の各機能として、コンピュータのRAMやROM等に記憶された、例えば図3のプログラムが動作することによって実現できる。このプログラム及び当該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は本発明に含まれる。
上記のプログラムは、例えばCD−ROMのような記憶媒体に記録し、或いは各種伝送媒体を介し、コンピュータに提供される。上記のプログラムを記録する記憶媒体としては、CD−ROM以外に、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、不揮発性メモリカード等を用いることができる。他方、上記のプログラムの伝送媒体としては、プログラム情報を搬送波として伝搬させて供給するためのコンピュータネットワークシステムにおける通信媒体を用いることができる。コンピュータネットワークシステムとしては、LAN、インターネットの等のWAN、無線通信ネットワーク等が、通信媒体としては、光ファイバ等の有線回線や無線回線等が挙げられる。
また、コンピュータが供給されたプログラムを実行することにより上述の実施形態の機能が実現されるだけでなく、例えば以下の場合にも、かかるプログラムは本発明に含まれる。第1の場合として、そのプログラムがコンピュータにおいて稼働しているOS(オペレーティングシステム)或いは他のアプリケーションソフト等と共同して上述の実施形態の機能が実現される場合がある。第2の場合として、供給されたプログラムの処理の全て或いは一部がコンピュータの機能拡張ボードや機能拡張ユニットにより行われて上述の実施形態の機能が実現される場合がある。
例えば、図4は、パーソナルユーザ端末装置の内部構成を示す模式図である。この図4において、1200はCPU1201を備えたパーソナルコンピュータ(PC)である。PC1200は、ROM1202またはハードディスク(HD)1211に記憶された、又はフレキシブルディスクドライブ(FD)1212より供給されるデバイス制御ソフトウェアを実行する。このPC1200は、システムバス1204に接続される各デバイスを総括的に制御する。
PC1200のCPU1201、ROM1202またはハードディスク(HD)1211に記憶されたプログラムにより、本実施形態の演算処理装置の手段1〜8の機能、演算処理方法のステップS1〜S8の手順等が実現される。
1203はRAMであり、CPU1201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。1205はキーボードコントローラ(KBC)であり、キーボード(KB)1209や不図示のデバイス等からの指示入力を制御する。
1206はCRTコントローラ(CRTC)であり、CRTディスプレイ(CRT)1210の表示を制御する。1207はディスクコントローラ(DKC)である。DKC1207は、ブートプログラム、複数のアプリケーション、編集ファイル、ユーザファイルそしてネットワーク管理プログラム等を記憶するハードディスク(HD)1211、及びフレキシブルディスク(FD)1212とのアクセスを制御する。ここで、ブートプログラムとは、起動プログラム:パソコンのハードやソフトの実行(動作)を開始するプログラムである。
1208はネットワーク・インターフェースカード(NIC)で、LAN1220を介して、ネットワークプリンタ、他のネットワーク機器、或いは他のPCと双方向のデータのやり取りを行う。
以下、ステップS1〜S8の各々について、順次説明する。
ステップS1:摩擦試験結果の収集、演算処理
ステップS1の段階では、摩擦試験結果を収集し、摩擦係数の算出等の演算を行う。図1に示す演算処理装置では、一例として、摩擦試験装置10の測定結果出力である電圧信号を、アナログまたはデジタル信号として収集した後に、ロードセル更正係数やアンプのゲイン等の係数を積算する。或いは、ローパス、バンドパス等のフィルタを適用してノイズを除外するなどの演算により摩擦係数の算出を行う。また、ステップS2で一次関数を用いて近似し易いように、変数の値を対数に変換する等の演算も行う。図3に示すプログラムでは、図1と同じく摩擦試験装置10の測定結果出力である電圧信号を収集することも可能であるし、また他の演算プログラムの計算結果出力を収集してもよい。
他の演算プログラムの計算結果出力の一例としては、FEM数値解析プログラムを用いて、トレッドパターンのような溝模様が表層にモデル化された金属板の摩擦挙動を面圧や摺動速度を変えて数値解析した結果出力が挙げられる。その他の一例としては、FEM数値解析プログラムを用いて、表層の材料特性値が母材のそれとは別途モデル化された金属板の摩擦挙動を面圧や摺動遠度を変えて数値解析した結果出力が挙げられる。収集された他の演算プログラムの計算結果出力についても、接線方向力を垂直方向力で除算するなどの演算により摩擦係数の算出を行う。
収集方法は信号線を直接配線して収集しても良いし、インターネット等のネットワーク回線を経由しても良い。
摩擦試験装置としては、バウデン試験法や平板引き抜き試験法等の一般的な摩擦係数試験法や、連続摺動試験機(塑性と加工、Vol.44,No.504、(2003)、P35)等を用いた方法など、各種摩擦試験方法が実行可能な装置を採用することが可能である。
摩擦試験装置を用いて摺動特性を評価する材料としては、金属板であれば、例えば、軟鋼板、高張力鋼板、及びそれらの表面処理鋼板、潤滑鋼板、ステンレス鋼板等の鉄鋼材料、ステンレス鋼板/鋼板等のクラッド鋼板が挙げられる。
摩擦係数に影響を及ぼす因子は、成形条件に起因するものと、成形過程中に材料に生じる変化に起因するものに大別することができる。
成形条件に起因して摩擦係数に影響を及ぼす代表的な因子としては、メカニカルプレス、油圧プレス、トランスファープレスやACサーボ制御プレス等によって金属板を成形加工したときの成形速度V、ダイフェース上、ダイス肩部やビード部等において材料が受ける局部的な面圧PNの差異、可変しわ押さえ圧制御等によるしわ押さえ圧力の変化、潤滑油の種類の違いによる粘度νの影響、金型材質と被加工材との硬度差ΔH、及び、粗度Ra等が挙げられる。
また、成形過程中に材料に生じる変化に起因して摩擦係数に影響を及ぼす因子としては、被加工材と金型との間での摺動距離の増加に伴う被加工材の表面トポロジー変化、加工発熱・摺動発熱による熱影響、及び被加工材が塑性変形を受ける間に生じる塑性歪みεp等が挙げられる。
以上より、摩擦試験装置では、面圧:PN、摩擦仕事量:ω、成形速度:V、工具との相対硬度差:ΔH、粗度:Ra、潤滑油粘度:ν、塑性歪み:εp、温度:T、被加工材表層の剪断揮抗力:τs、摩耗粉の径:rWの少なくとも1つを変数として摩擦試験を行う。
ステップS2:摩擦試験結果の一次関数近似
ステップS2の段階では、ステップS1で得た摩擦試験結果を一次関数で近似する。多変数の一次多項式も一次関数として採用可能である。近似方法としては最小二乗法等が採用可能である。
ステップS3:変数の下限値の決定
ステップS3の段階では、ステップS1で得た摩擦試験結果において、変化させた変数の下限値を決定する。決定方法の一例としては、実験装置の装置制約等の理由から、実際に変数を変化させることができる範囲の最小値をそのまま下限値として決定する方法がある。その他の決定方法としては、得られた実験結果から一定程度の外挿予測が可能であると判断される場合に、実際に変数を変化させることができる範囲の最小値よりも1〜2オーダ程度小さな値を下限値として決定する方法もある。
ステップS4:変数が下限の摩擦係数の算出
ステップS4の段階では、ステップS3で決定した変数の下限値をステップS2で近倶した一次関数に代入することで変数が下限の摩擦係数を算出する。
ステップS5:摩擦試験結果の正規化
ステップS5の段階では、ステップ1で算出した摩擦係数を、ステップS4で算出した変数が下限の摩擦係数で除算することにより正規化する。
ステップS6:正規化摩擦係数の上限値の決定
ステップS6の段階では、ステップ5で正規化した摩擦係数の上限値を決定する。決定方法としては、正規化した摩擦係数の範囲の最大値をそのまま上限値として決定する方法の他に、実際に得た正規化摩擦係数の範囲の最大値よりも1〜2オーダ程度大きな値を最大値として決定する方法もある。
ステップS7:予測用近似式のパラメータの算出
ステップS7の段階では、一次関数近似式の勾配と予測用近似式の勾配が予測用近似式の変曲点で一致するように、予測用近似式のパラメータを算出する。
成形加工中に摩擦係数が変化する金属材料の成形シミュレーションを高精度に実行するためには、実験等で得た摩擦係数を適切な近似式で近似する必要がある。その際には、使用する近似式が実験結果を表現するのに適切か否かを検討する必要がある。具体的には、使用する近似式の変数が無限遠点の場合、即ち変数が無限小または無限大となった場合の近似式の応答を検討する必要がある。また、一般に近似式は一個以上のパラメータを有するが、このパラメータ決定方法を検討する必要がある。更には、前述のパラメータ決定方法が簡便となる近似式についても検討する必要がある。
この課題に対し、本発明者らが鋭意検討したところ、近似式として、変曲点を有し無限遠点で極限値が存在する関数を使用して摩擦係数を算出する方法を見出した。
関数が無限遠点で極限値を有する必要性について以下に説明する。無限遠点は関数の変数が無限大、若しくは無限小となる状態を表わす。このような状態において極限値を有する、即ち変数が無限大若しくは無限小となったときに所定値に収束する関数を採用する必要がある。数値シミュレーション上では演算誤差、並列計算処理の影響等により演算数値が過大、若しくは過少な値となることがある。動的陽解法では数値振動も生じ、この傾向は一層顕著となる。数値シミュレーションでは、このような過大、若しくは過少な演算数値も変数として予測用近似式に代入される。
代入される変数が無限遠点の場合、即ち変数が無限小または無限大となった場合に示す応答を検討していない近似式の場合では、近似式の出力である摩擦係数として過大若しくは過少な値を出力してしまう。そうすると、数値シミュレーションに誤差が生じ、高精度なシミュレーションが実行できなくなる。動的陽解法では誤差が蓄積するため、精度は一層悪化する。摩擦係数として過大若しくは過少な値を出力してしまったために計算継続が不可能となる場合もある。実験結果の表現性を高めるために近似式として高次多項式を使用すると、これらの問題は特に顕著となる。以上の課題に対しては、近似式の関数が無限遠点で極限値を有することで解消することができる。
近似式の関数が無限遠点で有する極限値については、前述したステップS3〜ステップS6の段階で算出若しくは決定した値から決定することができる。即ち、正規化摩擦係数に関する場合、近似式の関数が変数の無限小で有する極限値は1、近似式の関数が変数の無限大で有する極限値は、ステップS6で決定される正規化摩擦係数の上限値となる。
次に、関数が変曲点を有する必要性について以下に説明する。変曲点は関数の二次微分係数はゼロとなる点である。前述したような、近似式が無限遠点において過大若しくは過少な応答を示すことを回避する目的だけであれば、条件判定プロセスを組み込む方法でも対応が可能である。即ち、変数が所定の値、閾値を超過若しくは下回った場合に、そのことを判定して別の近似式を使用する等の方法である。ところがこの方法では、条件判定プロセスの計算自体に余計な計算コストが必要となる。また別の近似式に切り替える変数の閾値周辺では計算収束性が悪化し、解析精度も悪化する。以上の課題に対しては、近似式の関数が変曲点を有することで条件判定プロセスを採用する必要が無くなるので解消することができる。
上述の効果に加えて、近似式の関数が変曲点を有することで近似式のパラメータ算出が容易となる。一般に近似式は一個以上のパラメータを有するが、近似式が変曲点を有し無限遠点で極限値が存在するような関数である場合、近似式は複数のパラメータを有する。これら複数のパラメータを最小二乗法等の方法で一度に同定しようとすると、計算コストが大きくなる。また同定したパラメータの精度も悪化する。以上の課題に対しては、近似式の関数が変曲点を有することで、一次関数近似式の勾配と予測用近似式の勾配とが予測用近似式の変曲点で一致するように、予測用近似式のパラメータの一部を先行して算出することが可能となる。同定を要する複数のパラメータを、ステップ7で同定するものと、後述するステップ8で同定するものとに分離することが可能となり、同定に要する計算コストを抑制しつつ、同定パラメータの精度を高めることができる。
パラメータの算出方法の一例としては、一次関数近似式の勾配と予測用近似式の勾配とが予測用近似式の変曲点で一致する条件から、解析的に算出することも可能であるし、また最小二乗法等の近似法の採用も可能である。
ステップS8:予測用近似式の未定パラメータの算出
ステップS8の段階では、摩擦試験結果と予測角近似式の偏差が最小となるように、」予測用近似式の未定パラメータを算出する。パラメータの算出方法の一例としては、最小二乗法等の近似法の採用が可能である。
以上説明したように、本実施形態の摩擦係数算出方法によれば、実験等で得た摩擦係数を簡便且つ高精度に近似することが可能となる。これにより、メカニカルプレス、油圧プレス、トランスファープレス、ACサーボ制御プレス等によって金属板を成形加工するときの成形速度やしわ押さえ圧力の変化等の加工条件に起因する摩擦係数の変化、被加工材と金型との間での摺動距睡の増加に伴う被加工材の表面トポロジー変化に伴う摩擦係数変化を、有限要素法を用いた成形シミュレーションにおいて高精度に考慮できるようになり、数値解析シミュレーションの数値解析精度を向上させることができる。
また、有限要素法を用いた成形シミュレーションにおいては、計算コストの低減を目的として、実加工速度よりも大きな設定加工速度を設定することがある。この計算コストの低減手法はマススケーリングと呼ばれており、クーラン条件を満足する範囲で時間増分を大きく設定する、即ち設定加工速度を実加工速度よりも大きな値に設定することが可能となる。ここで、実加工速度とは、現実のプレス機で被加工材を成形する速度のことである。一般的に、プレス機スライドは上死点において速度ゼロであり、所定の速度で下死点に向かって降下しながら被加工材を加工し、下死点で速度ゼロとなる運動を行うところ、このプレス機スライドの運動適度が実加工速度である。また、設定加工速度とは、有限要素法を用いた成形シミュレーションにおいて、工具モデルが被加工材モデルを加工する速度のことである。成形解析中は、実加工速度よりも大きな値のまま一定値に設定することが多いが、工具モデルが被加工材モデルと接触するタイミングに生じる数値振動を回避するため、接触直後は速度ゼロとし、その後一定値までランプ状に速度を増加させる設定も行われる。
前述のように、マススケーリングを使用したことにより、実加工速度と設定加工速度とが異なる場合、要素接点のすべり速度をそのまま摺動速度として使用してすることができない。この場合には、要素接点のすべり速度に実加工速度と設定加工速度との比を積算した値を使用すれば良い。これにより、マススケーリングを使用しない場合と同様に、本実施形態における摩擦係数の算出手法を使用することが可能となる。
本実施形態により得られた近似的な摩擦係数は、金属材料(自動車車体等に適用される表面処理鋼板等の金属板)の成形シミュレーションに供され、好適な金属材料の成形に適用される。
次に、本発明を更に諸実施例として説明する。これらの実施例における条件は、本発明の実施可能性及び効果を確認するために採用した一条件例であり、本発明は、この一条件例に限定されるものではない。また、下記の諸実施例は図1の演算処理装置を用いて行ったものである。
(実施例1)
実施例1として、変数として摺動速度を採用し、摺動速度を変化させた摩擦試験を行った。摺動速度は1mm/分から500mm/分の範囲で変化させて摩擦試験を行った。摩擦試験には連続摺動試験機を使用した。摩擦試験結果の収集は、連続摺動試験機と図1の演算処理装置を信号線で直接接続することにより行った。
摺動特性を評価する供試材として、表1に示す特性値を有する冷延鋼板を使用した。供試材に対してSKD11裂の工具チップを押し付けた状態で摺動させ、その際の垂直力荷重及び接線力荷重をロードセルで計測した。
Figure 0006111717
摺動速度はレーザー変位計を用いて工具チップの変位を計測し、それを時間微分することで得た。また、摩擦係数は摺動時に摺動体に生じる接線力荷重を垂直力荷重で除算することにより得た。ローパス等のフィルタは使用しなかった。
摩擦試験の結果を図5に示す。この摩擦試験結果を式(1)に示す一次関数で近似した。ここでμは摩擦係数(単位:無次元量)、Vは摺動速度(単位:m/秒)、αとβは一次関数の係数である。近似方法として最小二乗法を用いた結果、係数αは0.0043、係数βは0.1777であった。
Figure 0006111717
続いて摺動速度の下限値を決定した。実施例1では摺動速度の下限値は1.0×10-7m/秒とした。
続いて、摺動速度の下限値1.0×10-7m/秒を式(1)に代入することで、摺動速度が下限の摩擦係数を算出した。摺動速度が下限の摩擦係数は0.108であった。
続いて、図5に示した摩擦係数を摺動速度が下限の摩擦係数0.108で除算することにより正規化した。その結果を図6に示す。
続いて、正規化摩擦係数の上限を決定する。実施例1では正規化摩擦係数の上限を1.6とした。
続いて、式(1)の一次関数近似式の勾配と予測用近似式の勾配が予測用近似式の変曲点で一致するように、予測用近似式のパラメータを算出した。実施例1では予測用近似式として式(2)に示す式を使用した。
Figure 0006111717
ここで、Vは摺動速度(単位:m/秒)、rは正規化摩擦係数(単位:無次元量)、ηは予測用近似式パラメータ(単位:秒/m)、aは予測用近似式パラメータ(単位:無次元量)である。rmは正規化摩擦係数の上限であり1.6、rsは正規化摩擦係数の下限であり1.0である。同定するべきパラメータとして、aとηの2つが存在する。
式(2)の関数は無限遠点で極限値を有する。摺動速度Vが無限大のとき、正規化摩擦係数rは極限値rmとなる。摺動速度Vが無限小のとき、正規化摩擦係数rは極限値rsとなる。
式(2)の関数は変曲点を有する。即ち式(3)を満たす正規化摩擦係数rが存在する。
Figure 0006111717
式(3)に式(2)を代入すると式(4)を得る。即ち式(4)を満たす正規化摩擦係数rが変曲点における正規化摩擦係数rとなる。
Figure 0006111717
式(1)の一次関数近似式の勾配は次式で表わされる。ここでμ0は動速度が下限の摩擦係数0.108である。
Figure 0006111717
式(2)と予測用近似式の勾配は次式で表わされる。
Figure 0006111717
式(5)と式(6)を等値した式(7)を満たす正規化摩擦係数rを算出すれば、その正規化摩擦係数rにおいて一次関数近似式の勾配と予測用近似式の勾配が一致する。
Figure 0006111717
式(4)、式(7)はどちらも未知数がaとrの2つだけである。この式(4)と式(7)を連立して解くことにより、二次関数近似式の勾配と予測用近似式の勾配が予測用近似式の変曲点で一致するように、予測用近似式のパラメータaと変曲点における正規化摩擦係数rを算出することができる。前述したように式(2)には同定するべきパラメータとしてaとηの2つが存在するが、本手法により先行してaのみを同定することが可能となる。
式(4)と式(7)を連立して解いた結果得られた予測用近似式のパラメータaは22.45、変曲点における正規化摩擦係数rは1.20であった。この時点で式(2)の未定パラメータはηだけである。最後に式(2)と図5に示した摩擦実験結果の偏差が最小となるように未定パラメータηを同定した。同定方法は最小二乗法を用いた。その結果同定されたパラメータηの値は1.55×107であった。同定した全パラメータを式(2)に適用して摺動速度Vと正規化摩擦係数rとの関係を計算後に図6に重ねて表示した結果を図7に示す。
図7から式(2)が摺動実験結果を良く近似できていることが判る。
実施例1で得た摩擦係数算出方法である予測用近似式(2)を適用して、有限要素法を用いたプレス成形シミュレーションを行い、実際のプレス成形の予測精度を検証した。
図8に本検証でプレス成形、またはプレス成形シミュレーションを行ったプレス部品の形状を示す。
先ず、しわ押さえ荷重80kNの設定で絞り成形を行って図8のプレス部品を加工した。原板には表1に示す冷延鋼板を使用した。加工したプレス部品の形状を非接触3次元形状測定機で測定した。また板厚は、接触式マイクロメータを用いて測定点間隔10mmで部品全体を計測した。
次に、図8のプレス部品の成形シミュレーションを、予測用近似式(2)を適用して行った。
成形解析条件は実加工条件と同一とした。成形解析ソルバーとしてPAM-STAMPを使用した。加工硬化則はSwift則を使用し、表1に示したパラメータを設定した。成形解析後にはスプリングバック解析を行った。
スプリングバック後の解析形状と実プレス部品の形状測定結果をベストフィット機能によって重ね合わせ、形状の偏差を評価した。具体的には、形状変差量が±0.5mm以内である製品面積を形状の的中率として評価した。
また、成形解析後の板厚を実部品の板厚測定結果と比較し、板厚の偏差を評価した。成形解析後の板厚は実部品の板厚測定を行った場所と同一箇所で評価した。板厚の偏差量が±10μm以内である板厚測定点の割合を板厚の的中率として評価した。
また、予測用近似式(2)の代わりに摩擦係数を一定として扱うCoulomb摩擦則を用いた解析も行い、その計算所要時間で予測用近似式(2)使用時に要する計算所要時間を除算し、計算所要時間の変化率として評価した。
比較例1として、予測用近似式(2)の代替として、式(1)に示した一次関数近似式を使用した計算を行い、本発明例と同様に評価した。
また比較例2として、予測用近似式(2)の代替として、式(1)の一次関数近似式と条件判定プロセスを組み合わせて使用した計算を行い、本発明例と同様に評価した。条件判定プロセスとして、一つは摺動速度Vが1.0×10-7m/秒を下回った場合に、摩擦係数は摺動速度Vが1.0×10-7m/秒における値のまま変化しないという条件を加えた。もう一つは、週度速度Vが1.0m/秒を上回った場合に、摩擦係数は摺動速度Vが1.0m/秒における値のまま変化しないという条件を加えた。
実施例1と比較例1,2の評価結果をまとめたものを以下の表2に示す。実施例1では、比較例1,2に対して何れの評価指標でも良好な結果が得られていることが判る。
Figure 0006111717
続いて、実施例2について説明する。以下、特にマススケーリングを用いたことにより、実加工速度と設定加工速度とが異なる場合に関して詳細に説明する。
実施例2においても、前述の実施例1で得た摩擦係数算出方法である予測用近似式(2)を使用して有限要素法を用いたプレス成形シミュレーションを行い、実際のブレス成形の予測精度を検証した。
この際、前述の実施例1では成形解析条件は実加工条件と同一としたが、実施例2ではプレス成形シミュレーションにマススケーリングを適用し、実加工速度と設定加工速度は真なる値とした。即ち、成形解析における設定加工速度を2m/秒とし、実加工速度を10mm/秒とした、成形解析における要素接点のすべり速度に、実加工速度と設定加工速度との比、即ち実加工速度10mm/秒を設定加工速度2m/秒で除した値である0.005を積算し。その値を摺動速度の代わりに使用した。これ以外の成形解析条件、ブレス部品の形状、プレス加工条件については、実施例1と同一とした。
スプリングバック後における解析形状と実プレス部品の形状測定結果をベストフィット機能によって重ね合わせ、形状の偏差を評価した。具体的には、形状変差量が±0.5mm以内である製品面積を形状の的中率として評価した。
また、成形解析後の板厚を実部品の板厚測定結果と比較し、板厚の偏差を評価した。成形解析後の板厚は、実部品の板厚測定を行った場所と同一箇所で評価した。板厚の偏差量が±10μm以内である板厚測定点の割合を板厚の的中率として評価した。
また、予測用近似式(2)の代わりに、摩擦係数を一定としで扱うCoulomb摩擦則を用いた解析も行い、その計算所要時間で予測用近似式(2)の使用時に要する計算所要時間を除算し、計算所要時間の変化率として評価した。
比軌例1として、予測月近似式(2)の代わりとして、式(1)に示した一次関数近似式を使用した計算を行い、実施例2と同様に評価した。
比軌例2として、予測用近似式(2)の代わりとして、式(1)に示した一次関数近似式と条件判定プロセスとを組み合わせて使用した計算を行い、実施例2と同様に評価した。条件判定プロセスとして、一つは、摺動速度Vが1.0×10-7m/秒を下回った場合に、摩擦係数は摺動速度Vが1.0×10-7m/秒における値のまま変化しないという条件を加えた。もう一つは、摺動速度Vが1.0×10-7m/秒を上回った場合に、障提係数は措動速度Vが1.0×10-7m/秒における値のまま変化しないという条件を加えた。
実施例2と比較例1,2の評価結果をまとめたものを以下の表3に示す。実施例2では、比較例1,2に対して何れの評価指標でも良好な結果が得られていることが判る。
Figure 0006111717
1 第1の演算手段
2 第2の演算手段
3 第1の決定手段
4 第3の演算手段
5 第4の演算手段
6 第2の決定手段
7 第5の演算手段
8 第6の演算手段
10 摩察試験装置
11第1の表示手段
12 第2の表示手段
13 第3の表示手段

Claims (7)

  1. 接触面圧、摩擦仕事量、摺動速度、工具と被加工材との硬度差、被加工材の粗度、潤滑油粘度、塑性歪み、温度、被加工材表層のせん断抵抗力、及び摩耗粉の径からなる群から選択された少なくとも1種を変数として行った摩擦試験の結果に基づき、
    前記摩擦試験で用いた前記変数の関数として、変曲点を有し無限遠点で極限値が存在する近似式により、金属材料の摩擦係数を算出するステップを含み、
    前記摩擦係数を算出するステップは、
    前記摩擦試験の結果を一次関数で近似するステップと、
    前記一次関数の勾配と前記近似式の勾配とが前記近似式の変曲点で一致するように、前記近似式のパラメータを算出するステップと、
    前記摩擦試験の結果と前記近似式との偏差が最小となるように、前記近似式の未定パラメータを算出するステップとを含むことを特徴とする演算処理方法。
  2. 前記摺動速度の代わりに、要素接点のすべり速度に実加工速度と設定加工速度との比を積算した値を用いることを特徴とする請求項1に記載の演算処理方法。
  3. 接触面圧、摩擦仕事量、摺動速度、工具と被加工材との硬度差、被加工材の粗度、潤滑油粘度、塑性歪み、温度、被加工材表層のせん断抵抗力、及び摩耗粉の径からなる群から選択された少なくとも1種を変数として行った摩擦試験の結果に基づき、
    前記摩擦試験で用いた前記変数の関数として、変曲点を有し無限遠点で極限値が存在する近似式により、金属材料の摩擦係数を算出するものであって、
    前記摩擦試験の結果を一次関数で近似する手段と、
    前記一次関数の勾配と前記近似式の勾配とが前記近似式の変曲点で一致するように、前記近似式のパラメータを算出する手段と、
    前記摩擦試験の結果と前記近似式との偏差が最小となるように、前記近似式の未定パラメータを算出する手段と
    を含むことを特徴とする演算処理装置。
  4. 前記摺動速度の代わりに、要素接点のすべり速度に実加工速度と設定加工速度との比を積算した値を用いることを特徴とする請求項3に記載の演算処理装置。
  5. 接触面圧、摩擦仕事量、摺動速度、工具と被加工材との硬度差、被加工材の粗度、潤滑油粘度、塑性歪み、温度、被加工材表層のせん断抵抗力、及び摩耗粉の径からなる群から選択された少なくとも1種を変数として行った摩擦試験の結果に基づいて、金属材料の摩擦係数を求めることをコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
    前記摩擦試験の結果に基づき、前記摩擦試験で用いた前記変数の関数として、変曲点を有し無限遠点で極限値が存在する近似式により、金属材料の摩擦係数を算出するステップを含み、
    前記摩擦係数を算出するステップは、
    前記摩擦試験の結果を一次関数で近似するステップと、
    前記一次関数の勾配と前記近似式の勾配とが前記近似式の変曲点で一致するように、前記近似式のパラメータを算出するステップと、
    前記摩擦試験の結果と前記近似式との偏差が最小となるように、前記近似式の未定パラメータを算出するステップと
    を含むことを特徴とするプログラム。
  6. 前記摺動速度の代わりに、要素接点のすべり速度に実加工速度と設定加工速度との比を積算した値を用いることを特徴とする請求項5に記載のプログラム。
  7. 請求項5又は6に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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