JP3574172B2 - リードフレームの整列搬送装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、半導体リードフレームの樹脂封止成形を行う際、成形金型上へリードフレームを搬送供給する装置に対し、リードフレームを整列搬送する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
樹脂封止装置に於けるリードフレームの整列搬送装置は、マガジン内に収納されたリードフレームを突き出し装置にて突き出された時、確実に引き込み入れる為にウレタンゴム丸ベルトによりリードフレームを搬送する構造としている。搬入側にピンチローラを配設し、ピンチローラは自重又はバネによって付勢されており、リードフレームが搬入側に突き出されるとピンチローラの付勢力によってリードフレームが丸ベルトに押し付けられ摩擦力が増大し、リードフレーム整列搬送装置上にリードフレーム全体を完全に引き込む。そして、そのまま所定位置まで丸ベルト上を搬送されてストッパによって位置決めされ、ストッパ当接後ある時間経過後に搬送停止しローダへ供給する動作に移る。
【0003】
さて、樹脂封止装置におけるリードフレーム1,2の成形レイアウトは図11に示すように、樹脂注入孔3或いは樹脂注入路を挟んで、品種に関係なく距離C一定で対向配置される。また、樹脂の流入を左右のリードフレーム1,2で同条件にすることから、一方のリードフレーム1は他方のリードフレーム2に対し反転されている。
【0004】
更に、樹脂効率を上げるために金型中心に対しオフセットさせることもある。金型上へリードフレームを搬送供給するローダは、前記成形レイアウトと同一のレイアウトでリードフレームを把持または係止することは実公平1−42343で知られている。
【0005】
リードフレームの整列方法としては、図12に示すように主に4通りが使用されている。(a)はマガジン4aをレイアウトと同一の2列にセットし、一方のマガジン4bを予め人間系で反転してセットし、2列同時に突き出してストッパ5に夫々当接させて整列する方法である。(b)乃至(d)はマガジン4のセットを1列とし、リード整列搬送装置側で反転を含めて整列させる方法で、整列部が1列か2列かの違いでどちらも反転中心6を固定として配設し、リードフレーム整列搬送装置全体を回転させる方法である。
【0006】
しかし(b),(c)は、反転中心6を成形レイアウトの金型幅方向中心に位置させていることから、反転のみで左右のリードフレームのレイアウトを形成することができる。(d)は、初めから反転中心6がレイアウトに関係なく配置固定され、リードフレーム整列搬送装置の横方向の振分けはパルスモータ駆動による位置制御手段によって行い、成形レイアウトを形形成する方法である。
【0007】
前記4通りの方法は、リードフレーム整列搬送上にリードフレームを載置したままローダへリードフレームを受け渡すため、リードフレームチャック爪の逃げ或いはリードフレーム位置決め用パイロットピンの逃げが、リードフレーム整列搬送装置に設けられている。よって品種が専用的に使用され品種切替え時はリードフレーム整列搬送装置を交換して対応している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術のリードフレーム整列供給装置では、第1にベルトによる摩擦搬送をしているためにリードフレームが長尺化また薄厚化していくと、ストッパに当接した時ベルトの摩擦力がリードフレームの剛性を上回り、リードフレームが座屈現象を起こす。更にはリードフレームが上方に撓み、整列装置上で跳ね上がり整列不良を招くと共にボンディングワイヤの断線或いは変形を生じさせる。
【0009】
第2にリードフレーム整列供給装置全体がリードフレーム反転の為に回転するため、回転半径が大きく樹脂封止装置の小形化を損なう。整列装置はコンベアのためその駆動源が当然配設されており、またセンサ等の電気機器も配設されていることから、回転に於ける配線処理も必要となってくる。回転に於ける配線処理は非常にスペースを必要とし、また断線の危険性は直線運動に比べて増加し、装置品質を著しく低下させることになる。
【0010】
第3に図12(a)のリードフレーム整列搬送装置では、2枚1組でのリードフレーム突き出しが必要とされるためマガジン個数が偶数であり、且つ最後の2マガジンは同一枚数である必要性が生じ、ロット管理に於いて作業者を煩わすことになる。奇数個のマガジンである場合は、段数を半分にして移し替え作業が必要で、ワイヤダメージの要因ともなる。
【0011】
図12(b),(c)は、前工程から送られてくるリードフレームが収納されたマガジンに於いて、マガジンセット方向とリードフレーム収納方向の関係によっては、左列へ突き出すか右列へ突き出すかを検討して、リードフレーム突き出し装置の位置を段取りする必要性が生じ、段取り性の悪化を招く。また、マガジンにはリードフレームの抜け落し防止用に抜け止めピンが埋設されているものもあるため、自由にマガジンセット方向を樹脂封止装置側で決定できない。
【0012】
よって図12(a),(b),(c)に示した方法では、前記問題点が生じてくる。さらに、ローダへのリードフレーム供給がリードフレーム整列搬送装置で直接行っていることから品種が専用化され、品種切替に於いてのリードフレーム整列搬送装置全体を交換する必要があり、段取り作業性の悪化を招くと共に、品種切替部品の経費もかさむ。
【0013】
本発明は上記事情に鑑みて成されたものであり、その第1の目的は、リードフレームの整列搬送時に於けるボンディングワイヤの断線或いは変形を防止し、所定の位置に正確に整列搬送できる。第2の目的は、リードフレームの反転を少ないスペースで行い、装置の大型化を防止すると共に回転部の構造を簡単にし断線による装置品質の低下を防止する。第3の目的は、品種切替に於ける段取り部品を小形化し、段取り性を向上させ、品種対応を容易にすることにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記のような課題を解決するため、請求項1記載の発明は、マガジンより突き出されたリードフレームを搬送し所定位置に整列するリードフレーム整列搬送装置において、前記リードフレーム整列装置でリードフレームの搬入側となるウレタンゴム丸ベルト搬送の第1搬送手段と、この第1搬送手段によりリードフレームが所定位置に搬送された時にリー ドフレーム下面にステンレス製の鍔付ローラが当接している第2搬送手段とを備えることを特徴とする。
【0015】
以上のような請求項1の発明では、リードフレーム整列搬送装置の搬入口にのみウレタンゴム丸ベルト搬送手段を用いて、確実にマガジン内から持ち込み、リードフレームが所定位置に整列されたときにリードフレーム下面に当接されている搬送手段がステンレス製の鍔付ローラであることによって、ストッパに当接させるためのリードフレーム搬送推力を非常に弱くすることができ、リードフレームを座屈させる事なく、またワイヤダメージも与えることを防止できる。
【0016】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、リードフレーム幅寸法に対応したスペーサを連結板と固定板間に挟み込むことにより搬送手段のガイド幅が変更できる。
【0017】
以上のような請求項2の発明では、リードフレーム搬送方向の所定位置での位置決めはリードフレーム反転治具自身のガイドが兼ねており、リードフレーム幅方向のガイド搬送機構は、リードフレーム幅寸法を変数とした一次元の演算式で求められる寸法のスペーサを差し替えることで簡単に幅替えできる。
【0018】
【実施例】
以下、本発明の一実施例を図1乃至図10を参照して説明する。まず、成形レイアウトは図11に示すように、リードフレーム1,2は樹脂注入孔3を挟んで品種に関係なくレイアウト内寸法C一定で対向配置されている。左右2枚のリードフレーム1,2の内、本実施例では右側のリードフレーム2を基準として装置構成を行っている。右側のリードフレーム2の基準となるのは樹脂注入孔3側である左側面2aで、図1乃至図3に示すリードフレーム整列搬送装置10(以下単に整列搬送装置と呼ぶ)は、リードフレーム2の左側をガイド及び搬送する(不動側のガイド搬送機構)部品が取り付けられた固定板11が基準となって構成されている。
【0019】
リードフレーム2の右側をガイド及び搬送する(移動側のガイド搬送機構)部品が取り付けられた可動板12は、固定板11に埋設されたリニアブッシュ13(図3参照)によってリードフレーム2の幅方向に対して摺動自在な2本のガイドバー14の右端部で締結され、固定板11に対して平行状態を保ちながらリードフレーム2の幅方向に対して移動可能構造となっている。
【0020】
ガイドバー14の左端部は、連結板15によって連結され、連結板15には取手16が設けられている。固定板11と可動板12の間には、ガイドバー14に嵌挿されたバネ17が設けられているため、可動板12は常に固定板11に対し離れる方向、すなわちリードフレーム2の幅方向で幅広側に付勢されている。
【0021】
連結板15と固定板11の間には適応品種のリードフレーム幅に対応したスペーサ18(図3参照)が挟み込まれている。スペーサ18の厚さが薄く(T1→T2)なれば適応のリードフレーム幅は広く(W1→W2)なるよう構成されている。装置仕様の最大リードフレーム幅適応時に於いて、スペーサ18の厚さが最低1mmとなるようにガイドバー14の長さが設定されている。またスペーサ18は、前記ガイドバー14に嵌め込むためU字切欠き(図2参照)が施してある。
【0022】
リードフレーム2の幅ガイド及び搬送部は、固定板11と可動板2の内面に夫々配設され、リードフレーム搬入側は丸ベルト用プーリー19によって張られた丸ベルト20とで形成される第1搬送手段によってリードフレーム2を搬送し、この部分の幅方向のガイドとしてガイド板21が、固定板11及び可動板12の夫々に配設されている。リードフレーム搬入側の最先端に位置する丸ベルト用プーリー19の直上には、自重によって丸ベルトへ付勢力をかけるように構成されたピンチローラ22が設けられている。
【0023】
リードフレーム2が所定位置まで搬送されたとき、リードフレーム2の下面に当接する範囲は第2搬送手段であるステンレス製の鍔付ローラ23が複数個並べて配設されている。鍔付ローラ23の配列ピッチ寸法は、装置仕様の最短リードフレーム長の0.4倍以下且つ40mm以下を基準としている。また、鍔付ローラ23の配置は、リードフレーム反転中心に対し回転対象となるように配設されている。
【0024】
前記ガイド板21及び鍔付ローラ23の鍔の内寸W1,W2はリードフレーム幅寸法に対し0.2〜0.4mm大きくなるよう設計されている。丸ベルト用プーリー19及び鍔付ローラ23は夫々固定板11及び可動板12に対し回転可能な構造で構成され、他端には回転駆動力を受けるためプーリー24が取り付けられ、固定板11及び可動板12の外側で夫々ベルト25によって連結され、固定板11側の末端に設けられた歯車付きの駆動プーリー26によって駆動される。
【0025】
駆動プーリー26の軸は、可動板12側に設けられた駆動プーリー27に対し軸方向に摺動可能で回転力を伝える、所謂スプライン構造になっている。28はリードフレーム到達検知用の光センサで、固定板11にリードムフレーム搬送方向にスライド可能な構造で設けられ、固定ノブ29によって位置固定される。
【0026】
以上構成した整列搬送装置10は、固定板11によって下部のリードフレーム振分装置50(図4参照)へボルトにて締結されている。振分装置50と整列搬送装置10は、位置決めピン59によって位置決めされている。
【0027】
図4乃至図7は、リードフレーム反転装置30とリードフレーム振分装置50を示したもので、シャフト32はリニアロータリブッシュ33によって回転及び上下動可能にガイドされ、シャフト32の上端にはリードフレーム反転治具60(後述する)を載置するための反転治具載置台34が固定されている。下端にはカップリング35によって連結されたロータリアクチュエータ36が配置され、リニアブッシュ37とガイドバー38によって上下動可能な上下スライド板39に締結されている。ガイドバー38の下端部には、上下動用のシリンダ40a,が固定された板41が取付けられている。ガイドバー38及びリニアロータリブッシュ33は、振分装置50に対し、リニアガイド42によってリードフレーム幅方向(図1に示すX軸上)へ移動可能なスライド板43に固定されている。
【0028】
必要移動ストロークは、装置仕様の(最大リードフレーム幅−最小リードフレーム幅)/2以上となるよう構成している。リニアロータリブッシュ33の上方には同一回転軸を持つアーム44が回転自在に設けられており、アーム44の両端にはローラ45が回転自在に取付けられている。アーム44の回転中心からローラ45間での距離は等しく配置(図7参照)されている。ローラ45は、整列搬送装置10の固定板11及び可動板12の下面に設けられた溝46,46aに嵌挿され、該溝46,46aはリードフレーム幅方向と直交方向(リードフレーム長手方向に平行)に形成されている。
【0029】
50はリードフレーム振分装置で、リニアガイド51によってリードフレーム幅方向に移動可能に構成され、アクチュエータ52によって左右に動作される。アクチュエータ52のストロークは、装置仕様の最大リードフレーム幅に成形レイアウトに於けるリードフレーム間寸法C(図11参照)を加えた値以上に設定されている。右側方向(整列搬送装置10の可動板12側)でのストロークエンドは、整列搬送装置10を固定する板53に取り付けられたストッパブロック54とショックアブソーバ55によって決まり、左側方向(整列搬送装置10の固定板11側)のストロークエンドは、整列搬送装置10の固定板11のスペーサ18を挟み込む連結板15にショックアブソーバ56を当接させる事で決定される。板53には、整列搬送装置10を駆動する歯車57を設けた電動機58が配設されている。歯車57及び電動機58の回転数は、リードフレーム突き出し速度より搬送速度が速くなるように設定されている。
【0030】
図8乃至図10は、リードフレーム反転治具60を示す。図に示す反転治具60は、成形レイアウト上オフセットがされているもので、中心穴61からリードフレームの長手方向両端に位置する前進端ガイド62と後端ガイド63間での寸法差が、金型中心からのオフセット量となっている。図示しないリードフレーム突出装置にセットされるマガジンに収納されているリードフレーム2の向きに応じて、図に示す形状の回転対象形となる場合もある。本反転治具60は、設計段階でリードフレーム突き出し方向が不明でも前進端ガイド62及び後端ガイド63を付け替え、載置方向を反転して載置すれば対応できるように位置決め用長穴64が中心穴61に対し相対する方向に夫々設けてある。
【0031】
リードフレーム搬送方向の前進端となる前進端ガイド62の高さは、後端のガイド63より高く反転治具載置台34に載置される。そして整列搬送装置10内に前進端ガイド62が埋設されたとき、リードフレーム搬送ラインより十分高くなるように頭部が突出し、前進端ガイド62以外の後端ガイド63及び幅ガイド67はその頭部が搬送ラインより低くなるように構成されている。穴65はローダ位置決め用パイロットピンの逃げ穴であり、リードフレーム長手方向の端部付近に設けたU字切欠き66は、搬送されてくるリードフレーム到達検知用の光センサ28の光を通すためのものである。反転治具60の全高は、治具を形成する上で十分な強度及び構成が得られる程度で良く、できるだけ薄く構成している。
【0032】
リードフレーム幅方向の幅ガイド67は、整列搬送装置10の鍔付ローラ23に干渉しない位置に設けられ、リードフレーム2の長手方向に対し各2箇所設けられている。リードフレーム長が極端に短い場合は各1箇所でも良い。各ガイド面の内寸は、リードフレーム2の寸法に対して0.2〜0.4mm大きくなるようにしてある。前進端ガイド62,後端ガイド63,幅ガイド67は、全て上部に傾斜が設けられてリードフレーム2を掬い易いようになっており、リードフレーム2を位置決めする部分の厚みは少なくともリードフレーム2の厚み以上としている。
【0033】
次に、上記構成の作用について説明する。まず、リードフレーム2の整列からローダへの受け渡しまでの動作について説明する。まず振分装置50は右行限の状態が原点位置となっている。マガジンのセット方向が収納されたリードフレーム2を右側で反転する場合、リードフレーム突出装置(図示せず)よりリードフレーム2が1枚突き出されると同時に電動機58を動作させ、歯車57及び駆動プーリー26を介して整列搬送装置10が搬送動作を開始する。
【0034】
リードフレーム2がピンチローラ22にかかると突出し速度より速く、丸ベルト20の大きな摩擦力で、整列搬送装置10内へ引き込み入れる。そのままリードフレーム2は搬送され、リードフレーム反転治具60の前進端ガイド62に当接する。このときリードフレーム2下面に当接している搬送手段は、鍔付ローラ23のためリードフレーム2下面に発生する搬送方向への推力は、摩擦係数が非常に低いため弱い力となる。よってリードフレーム2を座屈させることはなく、またワイヤダメージを与えることも防止できる。
【0035】
尚、マガジン内からのリードフレーム引込みに於いて、ウレタンゴム丸ベルトではなく鍔付ローラの搬送面にウレタンゴムを焼付けて配設した場合、リードフレームの幅方向ガイドが鍔付ローラの鍔部のみとなり、引込み用ウレタンゴム焼付ローラと次のローラとの間では幅方向ガイドがなくなる。マガジン内のリードフレーム収納部は、リードフレーム幅に対し0.5〜1.0mm大きく形成されているため、引込み開始時にリードフレームが斜めになり易く、斜め方向に引込むとそのまま鍔部側面にリードフレーム端面が当接し搬送トラブルとなる。よって、あえて丸ベルト搬送とし側面にガイド板を設けて連続的な幅ガイドとする必要がある。又、向い合う幅ガイド板を引込み側へ向かうに従ってテーパ状に広くすれば引込み性はさらに向上する。
【0036】
リードフレーム到達検知用の光センサ28がONしているので、反転装置30の上下動用シリンダ40aによって、リードフレーム反転治具60を上方に持ち上げる。この時、整列搬送装置10は搬送駆動を続行することによって、駆動ベルトのテンションによるリードフレーム搬送方向に対する逆戻りを防止し、各リードフレーム反転治具60がリードフレーム2を掬い上げることができる。
【0037】
シリンダ40aは、リードフレーム反転治具60及び反転治具載置台34が回転できる位置まで上昇し、この時整列搬送装置10は搬送駆動を停止する。前記リードフレーム反転治具60は、ロータリアクチェータ36によって180°反転された後、シリンダ40bによって上方に待機するローダへリードフレーム反転治具60をさらに上昇させる。ローダがリードフレーム2をチャックした後、シリンダ40bが下降し、ロータリアクチェータ36が180°回転させリードフレーム反転治具60の向きを搬入可能状態に戻す。その後、シリンダ40aによって下降し、初期状態に復元される。
【0038】
次に、左側に位置させるリードフレーム1が突き出され前記同様の動作を続け、シリンダ40aによって上昇すると同時にアクチェータ52によって振分装置50が左行する。この時左行ストロークは、リードフレーム幅に応じたストロークとなっている。左行限にて反転しないままシリンダ40bによってさらに上方へ上昇させ、ローダへリードフレーム1を受け渡し、シリンダ40a,40bは下降し、振分装置50は右行限の原点位置へ戻る。以上で動作についての説明を終わる。
【0039】
次に段取り方法について説明する。段取り手順は、反転治具載置台34に載置された全品種用のリードフレーム反転治具60を取り除き、整列搬送装置10の取手16を引っ張りスペーサ18を上方へ引き抜く。しかしこの時、振分装置50は右行限である必要がある。左行限にある取手16を取り付けている連結板15にショックアブソーバ56が当接し、アクチュエータ52の推力がかかっているためスペーサ18が抜けないからである。ただし、装置上の原点は右行限なので故意にそういった状態にしなければ必ず右行限で停止しているため、上記段取りに於ける問題は生じない。続いて、切替品種用のスペーサを挟み込み、その後で切替品種用リードフレーム反転治具を載置するだけで簡単に短時間でリードフレーム整列部の段取りは完了する。
【0040】
さてここで、スペーサの厚さ寸法と振分ストロークについて詳しく説明する。スペーサ厚さTは次式で求められる。
T=Wmax−W+1[mm]…………(1)
Wmax:装置仕様の最大リードフレーム幅寸法W :適応リードフレーム幅寸法装置仕様の最大リードフレーム幅寸法は固定値であり、+1mmは適応リードフレーム幅寸法が切りなく最大リードフレーム幅寸法に近付いた時スペーサ厚さが極端に薄くならないように設けた強度補足分であり、1mmに限らず適当な寸法で良いが、必要以上に補足する必要はない。
【0041】
振分ストロークStは次式で表される。
St=W+C [mm]…………(2)
W:適応リードフレーム幅寸法C:レイアウト内寸法レイアウト内寸法Cは装置に於いて固定値であり、構造上、振分ストロークStは左側方向(整列搬送装置10の固定板11側)のストロークエンドが、整列搬送装置10の固定板11のスペーサ18を挟み込む連結板15にショックアブソーバ56を当接させる事で決定されるため、上記(1)式で求められるスペーサ厚さTの寸法で増減する。スペーサ厚さTが増加した分ストロークStは短くなる。
【0042】
この事は(2)式に(1)式を代入すれば分かる。
St=Wmax−T+1+C [mm]………(3)
よって、スペーサ厚さT及び振分ストロークStは共にリードフレーム幅によってのみに左右され、リードフレーム幅を変数とした一次元の演算式で求められる寸法のスペーサを交換するだけで、整列搬送装置10の幅替えを行うと同時に振分ストロークもリードフレーム幅に見合ったストロークに変更される。
【0043】
さらに、スペーサ18により整列搬送装置10の幅替えを行うと、固定板11及び可動板12の下面の溝46,46aに嵌挿されたローラ45が付勢され、溝46,46a同士の間隔が変化する事から反転軸と同一回転軸を持つアーム44を回転させようとする。また固定板11側の溝46位置は不動であるから(固定板11が不動のため)アーム44の回転軸はスライド板43によってリードフレーム幅方向(図7X軸上)に移動する。アーム44の回転中心から両端に設けられたローラ45までの距離が夫々等しいことから、アーム44の回転中心すなわち反転装置30の反転中心は、整列搬送装置10の幅の中心に常に位置付けされることになる。ここで注意する点は、最大幅にしたときにアーム44とX軸との角度θが小さくならないようにアーム44のローラ45までの距離を考慮しておく。本実施例では最低45°となるように設定した。
【0044】
この様に、品種切替に於ける段取り部品は、リードフレーム反転治具60とスペーサ18という小形化された部品となり、段取り性が向上され、品種対応も容易に行う事ができる。また反転部分はリードフレーム反転治具60のみで有るから反転に要するスペースも小さいし、断線の心配もない。
【0045】
尚、本実施例に於いては右側配置のリードフレーム2を反転するようになっているが、リードフレームの反転をリードフレーム幅中心にて行うため、左側にて反転しても振分ストロークに支障を来すことはないのでマガジンのセット方向を規制しない。さらにリードフレーム形状が特殊で、例えば左右に段差があるような場合には、整列搬送装置10のみを上方に取り外す事ができ、反転装置30まで外す必要がなく、従来の汎用性を損ねることはない。
【0046】
【発明の効果】
以上の説明にて明らかなように、本発明の装置は、マガジンより突き出されたリードフレームを搬送して所定位置に整列する時、そのリードフレーム搬送手段が、搬入口に当たる部分がウレタンゴム丸ベルト搬送で、リードフレームが所定位置に搬送された時にリードフレーム下面に当接している部分が、ステンレス製鍔付ローラであるためリードフレーム下面に発生する搬送方向への推力が非常に弱い力となりリードフレームを座屈させることなく、またワイヤダメージを与えることも防止できる。
【0047】
品種切替え時のリードフレーム幅寸法変更に於いて、リードフレーム幅寸法に対応したスペーサを連結板と固定板間に挟み込むことにより、前記搬送手段のガイド幅が変更できると共に、振分ストローク及び反転中心も自動的にセットされるため、段取り性が向上する。
【0048】
リードフレーム反転部は、リードフレーム反転治具のみを回転させることで、回転に要するスペースを小さくでき、また回転物の中に電気機器が組み込まれていないことから断線の心配もない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示すリードフレーム整列搬送装置を示す平面図。
【図2】本発明の実施例を示すリードフレーム整列搬送装置を示す側面図。
【図3】本発明の実施例を示すリードフレーム整列搬送装置を示す正面図。
【図4】本発明の実施例を示すリードフレーム反転装置及び振分装置を示す側面図。
【図5】本発明の実施例を示すリードフレーム反転装置及び振分装置を示す平面図。
【図6】本発明の実施例を示すリードフレーム反転装置及び振分装置を示す正面図。
【図7】本発明の実施例を示すリードフレーム反転装置の動作原理図。
【図8】本発明の実施例を示すリードフレーム反転治具を示す平面図。
【図9】本発明の実施例を示すリードフレーム反転治具を示す正面図。
【図10】本発明の実施例を示すリードフレーム反転治具を示す縦断側面図。
【図11】樹脂封止成形に於けるリードフレームレイアウト図。
【図12】リードフレーム整列搬送装置の従来技術説明図。
【符号の説明】
1,2…リードフレーム
4…マガジン
5…ストッパ
6…反転中心
10…リードフレーム整列搬送装置
11…固定板
12…可動板
15…連結板
18…スペーサ
19…丸ベルト用プーリー
20…丸ベルト
21…ガイド板
22…ピンチローラ
25…ベルト
28…リードフレーム到達検知用の光センサ
30…リードフレーム反転装置
33…リニアロータリブッシュ
34…反転治具載置台
39…上下スライド板
45…ローラ46…溝
50…リードフレーム振分装置
59…位置決めピン60…リードフレーム反転治具
62,63…前進端ガイド,後端ガイド
64…位置決め用長穴
66…U字切欠き
67…幅ガイド
Claims (2)
- マガジンより突き出されたリードフレームを搬送し所定位置に整列するリードフレーム整列搬送装置において、
前記リードフレーム整列装置でリードフレームの搬入側となるウレタンゴム丸ベルト搬送の第1搬送手段と、
この第1搬送手段によりリードフレームが所定位置に搬送された時にリードフレーム下面にステンレス製の鍔付ローラが当接している第2搬送手段と、
を備えることを特徴とするリードフレーム整列搬送装置。 - リードフレーム幅寸法に対応したスペーサを連結板と固定板間に挟み込むことにより搬送手段のガイド幅が変更できる請求項1記載のリードフレーム整列搬送装置。
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