JP3574148B2 - プリンター - Google Patents

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JP3574148B2
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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、紙送りローラとプラテンとにより記録媒体を挟持してプラテンの回動により紙送りを実行するプリンターに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のプリンターの概略を図7に示す。
【0003】
同図において、1は給紙ローラであり、給紙カセット2に収納されている用紙3を1枚ずつ給送する。給送された用紙3は紙ガイド4によって案内され、プラテン5に巻き回されるとともに、2つの紙送りローラ6,6とプラテン5との間に挟圧されて搬送され、ヘッド7によって印字された後、排紙口8から排出される。
【0004】
紙送りローラ6,6はホルダー6aに取り付けられており、ホルダー6aは圧縮ばね6bを介してベースフレーム9に取り付けられている。このような構造により、紙送りローラ6,6がプラテン5との間に用紙3を挟圧して、紙送り力が得られるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来より、プリンターを小型化することが望まれている。
【0006】
その方策の一つとして、給紙カセット2をプリンター本体内に挿入する構造とすることが考えられる。その場合、給紙ローラ1および給紙カセット2は例えば仮想線1’,2’で示すような位置に配置されることとなる。
【0007】
ところが、給紙ローラ1は、用紙3を所定量給送した後は、その作動が停止するようになっているので、プラテン5と紙送りローラ6とによる用紙の搬送に対しては負荷として作用する。
【0008】
このため、給紙ローラ1が仮想線1’で示す位置にあると、用紙3’に生じる張力が紙送りローラ6を矢印a方向(プラテン5に対する押圧が解除される方向)に押しやるように作用し、結果として紙送りローラー6によるプラテン5に対する押圧力(すなわち紙送り力)fbが低減して、確実な紙送り動作がなされなくなってしまうという問題がある。
【0009】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは記録媒体への負荷に関わりなく記録媒体を確実に紙送りすることができるプリンターを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
このような課題を達成するために本発明においては、給紙ローラにより給送された記録媒体を紙送りローラとプラテンとで挟圧して、前記プラテンの回動により前記記録媒体を搬送するプリンターにおいて、前記プラテンに対向する前記紙送りローラと、前記紙送りローラよりも紙送り方向の上流側に位置しかつ前記記録媒体に当接するテンションローラとを、略中心部で軸により回動可能に支持されたレバーのそれぞれの端部に設け、前記紙送りローラが前記プラテンに弾接するように付勢手段により前記レバーを付勢ようにした。
【0011】
【作用】
本発明に係るプリンターは、上記の構成となっているので、次のように作用する。
【0012】
紙送りローラは回動可能なレバーに支持されていて、常時プラテン方向に附勢されているので、これによって紙送り力が得られる。
【0013】
給紙ローラの作動が停止し、これが、プラテンと紙送りローラとによる記録媒体の搬送に対して負荷として作用するとテンションローラが記録媒体の張力を受けて、紙送りローラがプラテンに向かう方向にレバーを回転させる。これにより、紙送りローラプラテンに対する押圧力、すなわち紙送り力増加する。
【0014】
このように本発明によれば、給紙ローラが負荷として作用したときには、それに応じて紙送り力が増加することとなるので、確実な紙送り動作が得られる。
【0015】
【実施例】
以下、本発明の一実施例について図面を参照して説明する。
【0016】
図1は本発明に係るプリンターの一実施例を示す断面図、図2は要部の拡大断面図である。
【0017】
これらの図において、10はプリンター本体(以下、単に本体ともいう)である。11は給紙ローラであり、給紙カセット20に収納されている用紙3を1枚ずつ給送する。給送された用紙3は紙ガイド12によって案内され、給紙経路13を経てプラテン14に巻き回されるとともに、紙送りローラ15とプラテン14との間に挟圧されて搬送され、ヘッド16によって印字された後、排紙経路17を経て排紙口18からスタッカ19へと排出される。21は排紙ローラであり、中間ローラ22を介してプラテン14によって回転駆動される。
【0018】
紙送りローラ15はレバー30に回転可能に支持されている。
【0019】
レバー30は、図3にも示すように、第1アーム部31,31と、第2アーム部32,32と、第3アーム部33とからなり、正面視(図1,2)での全体形状が概ね逆Y字形の一体成形品となっている。レバー30は、その略中心部に設けられた軸34によってホルダー40に回動可能に支持されており、第1アーム部31,31の先端に紙送りローラ15が支持されている。第3アーム部33とホルダー40との間には圧縮バネ41が設けられており、これによってレバー30は図2において常時反時計方向に附勢されている。したがって、紙送りローラ15はプラテン14を押圧する方向に常時附勢されている。ホルダー40は、ベースフレーム60の折曲げ部61に装着され、ベースフレームに固定されている。
【0020】
50はテンションローラであり、レバー30の第2アーム部32,32に回転可能に支持されている。テンションローラ50は、紙送りローラ15と給紙ローラ11との間にあって、搬送される用紙の張力を受けるようになっている。
【0021】
次に、図4を参照して作動について説明する。
【0022】
先ず、給紙ローラ11により給送された用紙3は仮想線3’で示すように給紙経路13を経て紙送りローラ15とプラテン14との間に挟圧されて搬送される。レバー30には、圧縮バネ41のバネ力FによるモーメントM0が作用し、紙 送りローラ15はプラテン14を力f1で押圧する。この押圧力f1によって、紙送り力が得られる。
【0023】
次に、給紙ローラ11による所定量の給送がなされた後、給紙ローラ11が停止し、これが、プラテン14と紙送りローラ15とによる用紙3の搬送に対して負荷として作用すると、用紙3が実線で示すようにテンションローラ50に接触する。テンションローラ50は、用紙3の張力を受け、張力に基づく力f2で押 される。この力f2によってレバー30にさらなるモーメントM1が発生し、これによって紙送りローラ15のプラテン14に対する押圧力に力f1’が加わり、その分紙送り力が増加する。
【0024】
このように、給紙ローラ11が負荷として作用したときには、それに応じて紙送り力が増加することとなるので、確実な紙送り動作が得られる。
【0025】
また、本実施例よると、図1に示すように給紙カセット20が本体10の底部に形成された装着部10aに装着されていて給紙カセット20の底面23がプリンター自体の底面10bをも形成しており、プリンター全体の小型化が図られているとともに、このような構成としても上述のように確実な紙送り動作が得られる。
【0026】
なお、本実施例におけるホルダー40は、レバー30を支持する以外にも次のような役割を果たしている。
【0027】
ホルダー40は、図5,6に示すように紙案内板70の固定部材としての役割を果たしている。紙案内板70は、垂下部71と、起立部72と、連結部73とが、一体的に折曲げ形成されており、垂下部71には、仮止め用のクリップ74と、仮止め用の穴75,75とが形成されている。紙案内板70を固定するには、先ず、クリップ74をベースフレーム60の折曲げ部61に差込むとともに、穴75,75を折曲げ部61の壁面に形成されている突起62,62と嵌め合わせて仮固定する。次いで、ホルダー40,40をベースフレーム60に固定し、このとき同時に、ホルダー40の突片42,42で紙案内板の連結部73をベースフレームの折曲げ部の上端面63との間に挟んで紙案内板70をベースフレーム60に固定する。固定された紙案内板70は、図6に示すように、その連結部73の幅分だけベースプレートの折曲げ部61から突出し、そこから起立部72が立ち上がって、起立部の先端76がプラテン14に当接している。このように、連結部73をベースプレートの折曲げ部61から突出させた構造とすることにより、ベースフレームの角部64が給紙ローラ11に近づくこととなり、給送される用紙3の先端がベースフレームの角部64近くの底部に当たって給紙不良となるのを防止することができる。
【0028】
また、ホルダー40は、図3(b)および図5,6に示すように、紙検出器80の取付部材としての役割をも果たしている。紙検出器80には、第1の検出レバー81が取り付けられており、この検出レバー81の先端82が用紙と当接して図6で時計方向に回動することにより、用紙が検出されるようになっている。図6において90は、図1に示した紙ガイド12を形成している紙ガイド部材100に代えて本体10に取り付けられたトラクタユニットであり、トラクタ91と、このトラクタ91によって給送される用紙3aをプラテン14に導く第2の給紙経路92と、この給紙経路92に回動可能に設けられた第2の検出レバー93とを備えている。第2の検出レバー93は、通常は第1の給紙経路13に突出しておらず、用紙3aと当接すると、時計方向に回動して第1の検出レバー81を時計方向に回動させ、これによって用紙3aを検出するようになっている。なお、第1の検出レバー81は、用紙のバックフィート゛にそなえて反時計方向にも回動し得るようになっている。
【0029】
以上、本発明の一実施例について説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において適宜変形実施可能である。
【0030】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明においては、プラテンと紙送りローラとによる記録媒体の搬送時に記録媒体に負荷が作用して張力が生じると、テンションローラにより紙送りローラをプラテンに押圧させることができ、紙送り力を増加させて確実に紙送りを実行することができる。
【0031】
したがってまた、紙送りローラと給紙ローラとの位置関係における制約も少なくなり、プリンター全体の小型化をも図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプリンターの一実施例を示す断面図。
【図2】同じく要部拡大断面図。
【図3】(a)は同じく要部の分解斜視図、(b)は組立後の斜視図。
【図4】同じく作用説明図。
【図5】同じく要部の組立状態を示す斜視図。
【図6】同じく紙検出部を示す部分断面図。
【図7】従来例の説明図。
【符号の説明】
3 用紙
11 給紙ローラ
14 プラテン
15 紙送りローラ
30 レバー
50 テンションローラ

Claims (1)

  1. 給紙ローラにより給送された記録媒体を紙送りローラとプラテンとで挟圧して、前記プラテンの回動により前記記録媒体を搬送するプリンターにおいて、
    前記プラテンに対向する前記紙送りローラと、前記紙送りローラよりも紙送り方向の上流側に位置しかつ前記記録媒体に当接するテンションローラとを、略中心部で軸により回動可能に支持されたレバーのそれぞれの端部に設け、前記紙送りローラが前記プラテンに弾接するように付勢手段により前記レバーを付勢したプリンター。
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