JP3574133B2 - 温度勾配を形成した繊維質基材内における物質の化学的蒸気浸透法 - Google Patents

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Description

本発明は物質を繊維質基材内にしみ込ませる化学的蒸気浸透法(CVI、chemical vapor infiltration)に関する。
本発明の応用分野は、特に、マトリックスがしみ込んだ(または高密度化された)繊維質基材、または「プレフォーム(preform)」を有して成る複合材料でつくられる部品を製造する分野である。この適用分野では、繊維を相互に結合して基材内で最初は空いている細孔内を満たすために、化学的蒸気浸透を用いて基材繊維上およびその空間内にマトリックス構成材料の付着物(または堆積物、deposit)を形成する。化学的蒸気浸透は、また、部分的には他の方法、例えば基材に液体前駆体をマトリックス構成材料として含浸させ、その後、通常は熱処理で、前駆体を転換する液体プロセスで、行われる含浸(または高密度化、densification)を仕上げるためにも使用できる。
化学的蒸気浸透を行うために繊維質基材を容器に入れ、反応気体を容器に導入する。所定の温度、圧力条件下で気体は基材内に拡散し、繊維と接触して反応または分解する成分によりマトリックス材料の付着物を形成する。
気体の成分は生成するマトリックスにより選ばれる。CVI法で熱分解炭素または「パイロカーボン(pyrocarbon)」、シリコンカーバイド(炭化ケイ素)、窒化ホウ素または耐熱性酸化物等のセラミックからマトリックスを形成することは周知である。
CVI法には恒温恒圧法(constant temperature and constant pressure method)、圧力勾配法(pressure gradient method)、温度勾配法(temperature gradient method)などいくつかのタイプがある。
恒温恒圧法では含浸する基材を等温容器中に入れる。加熱は、例えば容器を取り巻くグラファイト蓄熱体またはコアおよび誘導コイルで取り巻かれたそれ自体(容器)により行われる。基本的には容器からの輻射によりエネルギーが基材に与えられる。コイルの電流を調節することにより容器内の温度を所望の値に制御し、一方、容器を真空源に接続して気体を容器内に導入する割合を調節して圧力を制御する。マトリックス材料は基材内、およびその表面に付着する。気体と接触して直ちに生じる付着物の塊が基材表面上にできないように、付着物を形成するに必要な値よりわずかに大きい値を持つように温度と圧力を選ぶが、それは付着物の塊が表面の孔を速やかに閉鎖し、そのために基材内部で行われる含浸を妨げるようになるからである。
それにもかかわらず、表面細孔がしだいに閉じて、それにより、基材のコア内部で含浸が完結する前に含浸が停止することが避けられない。従って、細孔の列を再開し含浸を継続するように、機械的加工により表皮(表面クラスト(crust)部分)を取り除くことが必要である。一個のピース(または部品)につき、所定の含浸を達成する前に数回の中間表皮除去操作が必要な場合がある。
浸透条件を正確に制御することにより、所定の品質のマトリックスを再現性のある方法で得ることができる。また様々な形状の複数のピースを、同一容器内で同時に含浸できるという主な利点がある。
これらの利点は工業的規模での使用を正当化するにもかかわらず、恒温恒圧法は特に厚さが大きい複合ピースを製造する場合、時間が長くコストが高いという欠点がある。高密度化(または含浸)には堆積(または付着)がゆっくり行われることが必要であり、長時間のサイクルが必要である。さらに表皮除去のための中間加工操作は材料のロスをもたらし、コストを増やし、浸透と表皮除去のくり返しが全製造期間を長くして製造コストを増大させる。最後に、とくに厚さが大きいピースではその中にかなりの高密度化の勾配が残ることが避けられず、ピースの深い内部では、その表面より高密度化の度合いがかなり低くなる。
圧力勾配法はプレフォームの中を通る気体の強制流を用いる。強制流はピースを横切る圧力差をもたらす。
特製の気体輸送システムが必要であるに加えて、圧力勾配法は恒温恒圧法と同じ制約の一つを受ける。気体に対する細孔の透過性は、気体流入口に向いた側で形成されるより多くの付着物によって急速に減少する。高密度化の継続を可能にするためには、そこからクラストを定期的に除去することが必要である。
さらに、その方法は特に単純で限られた形状の基材にのみ適用でき、個々のピースに特製の気体供給・循環装置が必要である。
温度勾配法は、基材の露出した表面付近の温度が、表面から遠い内部の温度より低くなるように、基材を不均一に加熱することに存する。付着反応は熱で活性化されるので、付着速度もしくはマトリックス成長は温度と共に増加する。その結果、基材内部のより熱い部分で、基材の露出した表面のより冷たい部分よりも含浸(高密度化)が進行する。このことは早期に細孔を閉鎖して表面でより多くの付着物が生じるのを防止し、従って、中間操作の必要がなくなる。これが本発明が関する浸透法のタイプである。
温度勾配を用いるCVI装置はW.V.コトレンスキ(W.V.Kotlensky)により、「多孔性基材のCVD炭素浸透に関するレビュー(A review of CVD carbon infiltration of porous substrate)」のタイトルで、カリフォルニア州アナハイム(Anaheim)で1971年4月21〜23日に行われた「第16回SAMPEシンポジウム(16th National SAMPE Symposium)」に発表され、P.L.ウォーカー(P.L.Walker)による「炭素の物理と化学(Chemistry and physics of carbon)、アメリカ合衆国、第9巻、198〜199頁」に記載されている。その装置はきわめて図式的に図1に示される。
高密度化される基材10は内面10aを介してグラファイトコア12に対して適用される。基材10とコア12は石英管16で規定された容器14の内部に受容される。水冷式誘導コイル18が管16を取り巻いている。気体は管16の基底部から導入され、上部に向かって流れる。
コア12はコイル18との電磁的カップリング(electromagnetic coupling)により加熱され、次いで、コアはそれと接触している基材10を加熱する。基材10は、密度が低くコイルとの電磁カップリング(または電磁的接続)に不十分であるために誘導により直接加熱されない炭素繊維フェルトである。さらにその熱伝導度が低いことは、この形態で数百℃の温度勾配が観測されることを意味する。
その技術にはいくつかの欠点がある。特に比較的厚みの小さい基材のみがその方法で充分に高密度化される。またプレフォームが加熱される効率は、それがコアとどのように接触しているかに強く依存する。
上記のことは、数百℃の温度差の存在と相俟って、所定の特性を正確に有するマトリックスの形成を保証するに充分な精密さで付着条件を制御することを困難にする。
温度勾配を用いるもう1つのCVI技術がJ.J.ゲブハルト(Gebhardt)らにより、石油由来炭素ACSシリーズ(Petroleum derived carbons ACS Series)No.21 6/73に公表された「熱分解浸透法による炭素−炭素複合材料形成(Formation of carbon−carbon composite materials by pyrolitic infiltration)」の表題の論文に記載されている。
その場合(図2)、高密度化する基材20は7つの異なった方向を向いた相互にからみ合うグラファイト繊維(intermeshed graphite fibers)の束で構成されている。基材は容器24の内部に吊るされ、気体はその基底部から導入される。グラファイト繊維は電気を充分に通すので、容器を取り巻く誘導コイル28との直接カップリングにより基材を加熱することができる。
基材の外側面は輻射と容器を通る気体の上昇流れで冷却されるので、基材の最も熱いゾーンはその内部にある。最も熱い内部から始まって、cmあたり数℃の温度勾配が得られる。
充分な温度勾配を維持するために、表面を冷却するように気体は高速で流れ、また、基材の限られたゾーンを加熱するために誘電コイル28は数回の巻き数に制限されているが、それにより誘電電磁場内に位置する基材部分とその電磁場の外側に位置する基材部分との間にも温度勾配ができる。基材全体の高密度化は、基材を容器内でコイル軸に平行に移動させることにより達成される。このような制約は、工業化することが困難であるため、この方法が限られた用途しかないことを意味する。
従って、基材が電磁カップリングで加熱されるが、上記方法の欠点がないCVI法、特に厚みが大きいことがある基材に対して工業規模で使用できる方法を提供することが本発明の目的である。
本発明によれば、この目的は基材が直接誘導により加熱されるタイプの方法で達成されるが、その方法では:
・基材は縦方向の電気抵抗率(longitudinal electrical resistivity)に対する横方向の電気抵抗率(transversal electrical resistivity)の比率ρrが1.3以上であり、縦方向の熱伝導率(longitudinal thermal conductivity)に対する横方向の熱伝導率(transversal thermal conductivity)に対するの比率λrが0.9以下である繊維製品で構成され;かつ
・基材全体は誘導コイルが生成する電磁場内にあり、基材および誘電コイルは相互に静止的である状態(例えば固定された状態)をとる。
電気抵抗率または熱伝導率に使われた「横方向」という用語は、基材の外側面に対して垂直に測定される抵抗率または伝導率を、特に円筒状である基材の場合では半径方向の抵抗率または伝導率を意味するために使用される。「縦方向」という用語は、基材の外側面に対して平行に測定される抵抗率または伝導率を意味する電気抵抗率または熱伝導率に関して、特に円筒状基材の場合では、周方向の抵抗率または伝導率に関して使用される。
比率ρrおよびλrに関して上記特性を有する基材が、直接電磁カップリングによる加熱で高密度化されるのに特に適していることが、本出願人によって確立された。その電気抵抗率および熱伝導率により、直接カップリングによる充分な加熱が行われる一方、ゲブハルトらが述べているような不完全カップリングという技法を用いなくても可能であるような、充分に大きい温度勾配を同時に生じる。
本発明の方法を実行するに特に適していて、かつ上記条件を満足する基材のひとつのタイプは、少なくとも20%の繊維容積率を有する縫合(または縫い付けもしくはニードリングされた)繊維質構造物(needled fibrous structure)で構成される。
基材内の繊維容積率、すなわち実際に繊維で占められる基材の見かけ容積のパーセント率は、好ましくは25%以上である。
複合材料でつくられたピース用の強化繊維製品を構成するために縫合繊維製品を使用することは公知である。耐火(または熱)繊維(refractory fibers)、特に炭素繊維から縫合繊維製品を製造する方法は、フランス国特許出願FR−A−2 584 106およびFR−A−2 584 107に記載されている。このような繊維製品は積み重ねた二次元プライ、例えば平たく積み重ねられた布または糸のシート層、またはマンドレルに巻き付けられた布の巻物から構成される。これらのプライは縫合により一体に結合される。繊維製品を形成する場合、縫い付けを一定密度で行うことが有利である。
このような縫合繊維製品は、複合材料のピースを製造するのに特に適している。縫い付けによるプライの結合により、剥離、すなわちプライの分離または相対的なプライの滑りによる崩壊または損傷に対する耐性が得られる。さらに縫い付けにより、繊維製品の全体にわたるディメンジョンおよび分布に関して相対的に均一な細孔寸法が与えられるが、これは高密度化に都合がよい。
縫合繊維製品でつくられた基材を直接カップリングによる加熱と組み合わせることは、電磁カップリングによる加熱に関連する上記先行技術がほとんど実験的技術であるのに対して、工業規模で多くの用途がある。
本発明の方法の他の特徴は、非限定的な開示の形で与えられる以下の記述に見られる。
添付図において:
図1および2は先に説明されており、高密度化する基材が電磁カップリングで加熱されるきわめて図式的な従来技術の化学的蒸気浸透装置を示し;
図3は本発明の方法を実施可能にする装置をきわめて図式的に示し;そして
図4は本発明の方法で高密度化された円筒状ピースにおける温度勾配と密度勾配を示すグラフである。
図3の装置において高密度化する基材30は容器34の内部に配置される。図示された例では、基材は矩形の子午線断面を有する環状円筒形である。基材は容器を取り囲むコイル38からの誘導による電磁カップリングにより加熱される。基材30とコイル38は同軸である。基材が完全にコイルにより発生する電磁場の内部に存在するように、コイル38は基材30の軸方向の長さに等しいか、それより大きい長さにわたって軸方向に延びている。
基材は反応気体を容器内に導入して化学的蒸気浸透(CVI)により高密度化されるが、気体の組成は基材内に堆積するマトリックスの種類によって選ばれる。気体は容器の基底部に導入される。反応しなかった気体部分は、気体状の反応生成物と一緒に、真空源(図示されていない)に接続された容器の頂部より取り出される。
上記のタイプのCVI装置はヨーロッパ特許出願EP−A−O 256 073に記載されている。本発明の方法を実行するための図3の装置は、コイルと基材との間の直接電磁カップリングにより基材が加熱されるのであって、コイルと容器の周辺部に位置するグラファイトコアとの間の間接的なカップリングおよび基材を加熱する作用により加熱されるのではないという点で公知の装置とは異なっている。
基材30はグラファイトまたは炭素繊維等の電気伝導性繊維でできている。
基材30は、コイル38による直接カップリングにより所定の温度に加熱し、一方ではその最も熱い内部と露出した表面との間に相当な温度勾配を同時に与えるに適した電気抵抗率と熱伝導率の特性を有する。これらの特性は、その半径方向電気抵抗率ρと円周方向電気抵抗率ρの間の比率が1.3より小さくなり、半径方向熱伝導率λと円周方向熱伝導率λの間の比率が0.9より小さいようなものである。
半径方向電気抵抗率は好ましくは1mΩ/cm〜20mΩ/cmの範囲にあり、半径方向熱伝導率は0.1W/m.゜K〜20W/m.゜Kの間にある。
基材30に特に適した構造のひとつのタイプはグラファイトまたは炭素繊維の縫い付け構造物である。縫い付けによるこのような3次元円筒構造物の製造方法は、上記文献FR−A−2 584 107に記載されている。その方法では二次元繊維製品をマンドレルに巻き付け、巻き付けが行われている間に縫い付ける。例えば二次元繊維製品は織布である。巻き付けと縫い付けは、炭素の前駆体を構成する状態、例えば予備酸化(pre−oxidized)ポリアクリロニトリルの状態で繊維製品繊維を用いて行われる。炭素繊維に直接縫い付けを実施すると、繊維製品を過度に破壊してしまう(糸を切ってしまう)であろう。前駆体を炭素に転換するために、縫い付けた構造物ができあがってから熱処理が施される。処理はそれが適当であれば、少なくともある程度まで繊維をグラファイトに転換するために、より高い温度で続けてよい。
縫い付け構造中の繊維の容積率、すなわち繊維で実際に占められた構造物の見かけ容積のパーセンテージは、縫い付けが重ね合わせた巻き付け層に対して圧縮効果を有するので、巻き付けられた基本の二次元繊維製品中の繊維の比率と縫い付けの特性の双方の関数である。
縫い付け構造物中の繊維の容積比は、電気抵抗率および熱伝導率に関連する条件を満たすためには20%以上、好ましくは25%以上でなければならない。
物体は誘導電流によるジュール(Joule)効果のために誘導で加熱され、この様な電流は表面に集中する(表皮効果)ことはよく知られている。誘電コイルを作動する電流の周波数が高ければ高いほど、その現象は顕著であり、それにより熱は表面に集中する。
CVIによる基材の高密度化を最適化するために、目的とすることは基材内の深いゾーンとその表面との間に温度勾配をつくることである。
表皮効果にもかかわらず、適当な周波数を選び、輻射と(気体の流れ中への)対流で冷却される基材の表面を考慮することにより、先に特定した特性を有する基材を用いて、基材内に温度勾配を得ることができる。
明らかに最良の周波数は、基材を構成する繊維の性質、基材の厚さ、その電気抵抗率および熱伝導率等々、いくつかのパラメーターに依存する。
目安としては、上記の様な方法で得られた炭素繊維性の縫い付け基材に対して、繊維容積率と基材の厚さに応じて最適周波数は約150Hz〜約3000Hzの範囲にある。
図3に示された例では基材30は直円筒形である。本発明の方法は他の形状の基材、特に断面が円でない筒状基材または非筒形軸対称基材を用いて実施でき、コイルの形状は、それに応じて適合させることができる。
本方法の二つの実施例を以下に記す。
実施例1
内径90mm、外径350mmの環状円筒形で、複合材料ピース用の強化繊維製品またはプレフォームを構成するための繊維基材を、以下のように製作した。
予備酸化されたポリアクリロニトリル(PAN)繊維布でできた二次元繊維製品を巻き付けてマンドレルの上に重ね合わせ層をつくった。
新しい層ごとに下に位置する繊維製品に縫い付けた。この目的のため、プライの幅以上の距離で軸方向に延びている針板(needle board)を使用したが、その幅は製作しようとするプレフォームの高さ(100mm)に等しかった。新しい層ごとに、複数の縫い付け層の厚さに等しい一定の深さに縫い付けて、巻き付けと同時に縫い付けを行った。プレフォームが所定の厚さ(この例では130mm)に達したとき、通常の方法で一回またはそれ以上の仕上げ縫い付け段階を行い、プレフォーム全体にわたる一定密度の縫い付け物を得た。
使用した布の単位面積あたりの重量は100g/m2〜600g/m2の範囲であった。予備酸化PANを炭素に転換するために熱処理を行った後のプレフォーム中の繊維容積率が、28%に等しくなるのに適当な密度で縫い付けを行った。
この様な繊維製品は13mΩ/cmと評価された半径方向の電気抵抗率ρと7mΩ/cmに等しい円周方向電気抵抗率ρを有し、ρr比は1.85であり、0.25W/m.゜Kと評価された半径方向熱伝導率λと0.5W/m.゜Kの円周方向熱伝導率λを有しλr比は0.50であった。
プレフォームを容器34に入れ、1800Hzの周波数でコイル38に通電して加熱した。電磁カップリングに基づく誘導電流により発生した熱源と、プレフォームの外部表面からの熱損失双方の結果として、プレフォーム内に温度場ができあがった。熱損失は気体が通り抜ける際の対流と、輻射によって生じる。容器内に導入される気体の成分は、分解して熱分解炭素マトリックスをもたらすメタンであった。
プレフォームの厚み内部の温度分布は高密度化の始まり(時間t1=0)、部分的に高密度化が行われた後(時間t2=310h)、および高密度化の終わり(時間t3=820h)で測定された。図4の曲線T1、T2およびT3は時間t1、t2、t3それぞれでの温度勾配を示す。
またプレフォームの厚みを横切る密度分布(半径方向)を時間t2およびt3で測定した。図4の曲線D2、D3はそれぞれ、時間t2、t3での密度勾配を示す。密度測定は高密度化されたプレフォームの中間部分から試料を取って行われた。
最高温度はプレフォームの外部表面から約35mmのゾーンで達成され、これは高密度化プロセス中にわたって続いた。炭素マトリックス高密度化によって電気抵抗率と熱伝導率の値は半径方向および円周方向で徐々に変化した。高密度化の終点ではρr比は1.85の値に達し、λr比は0.80の値に達した。明らかに炭素マトリックス高密度化は半径方向熱伝導率を次第に増加させ、それに伴って熱的勾配を減少させた。
高密度化の終点、時間t3では得られたピースは平均密度1.72g/cm3を有し、コアの密度は1.73g/cm3であった。従って、この方法によれば中間機械的加工を全く必要とせず、ほとんど均一な高密度化を達成することができた。
実施例2
実施例1と同様に、布を巻き付け縫い付けて外径1100mm、厚み125mm、高さ400mmの環状円筒形プレフォームを製作した。このプレフォームは、スラスター(姿勢制御ロケット)・ノズル・スロート(thruster nozzle throat)を作るためのものであった。
プレフォーム繊維を炭化した後、図3に示された種類の容器中にプレフォームを置いた。150Hzの周波数で通電したコイルを用いる直接電磁カップリングによりプレフォームを加熱した。プレフォームの体積がより大きいので、周波数は実施例1で使用した周波数より低かった。
本質的にメタンから成る気体を容器内に導入し、熱分解炭素のマトリックスにしてプレフォームを高密度化した。
920時間の高密度化後、達成した密度は1.62g/cm3に等しく中間機械的加工の必要はなかった。この段階でのスロートの外観の機械的加工およびピースを気密にするための表面処理をすることができ、その後はピースは使用可能であった。

Claims (6)

  1. 導電性繊維を含む繊維質基材に物質を含浸させるCVI方法であって、
    ・容器に基材を配置する工程、
    ・基材の露出表面の近傍より基材の露出表面から最も離れた部分においてより高い温度を基材が有するように、基材内に温度勾配を形成できる基材と誘導コイルとの間の直接電磁カップリングにより基材を加熱する工程、および
    ・含浸すべき物質の前駆体である反応気体を容器に導入して、より高い温度にある基材の部分において該物質の生成を促進する工程
    を含んで成る方法において、
    当該基材において横方向電気抵抗率の縦方向電気抵抗率に対する割合ρrが1.3より小さくなく、また、横方向熱伝導率の縦方向熱伝導率に対する割合λrが0.9より大きくなく、そして、
    ・基材は、誘導コイルにより形成される場の中に全体が位置し、基材および誘導コイルは、相互に対して静止的である状態を占める
    ことを特徴とする方法。
  2. 基材は、20%より小さくない繊維体積割合を有する縫い付け繊維質構造物により構成される請求の範囲第1項記載の方法。
  3. 基材の繊維体積割合は、25%より小さくない請求の範囲第2項記載の方法。
  4. 基材は、一体に縫い付けられた重なり層に巻かれる2次元繊維製品により構成される請求の範囲第1〜3項のいずれかに記載の方法。
  5. 基材を構成する繊維製品の横方向電気抵抗率は、1mΩ/cm〜20mΩ/cmの範囲にある請求の範囲第1〜4項のいずれかに記載の方法。
  6. 基材を構成する繊維製品の横方向熱伝導率は、0.1W/m.゜K〜20W/m.゜Kの範囲にある請求の範囲第1〜5項のいずれかに記載の方法。
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