JP3573633B2 - 摩擦帯電装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、粉砕された複数種のプラスチック片を帯電させて選別用の静電分離装置へ供給する摩擦帯電装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、ごみのリサイクル化が急速に推進されつつある。ところで、プラスチック製品原料として消費されるプラスチック類は、塩化ビニル系樹脂(以下「PVC」と称する)、ポリエチレン系樹脂(以下「PE」と称する)、ポリプロピレン系樹脂(以下「PP」と称する)、ポリスチレン系樹脂(以下「PS」と称する)が大部分を占め、回収される廃プラスチックも上記樹脂類がほとんどを占めると考えられる。そして、これらの樹脂をリサイクルする場合に、樹脂の種類ごとに分別することが必要である。
【0003】
上記のような複数種の混在したプラスチック片を選別するには、図7に示すように、先ず、粉砕された複数種のプラスチック片1を摩擦帯電装置2で帯電させ、その後、帯電させたプラスチック片1を摩擦帯電装置2から選別用の静電分離装置3へ供給し、静電分離装置3で特定のプラスチック片1を分離するといった技術がある。
【0004】
上記摩擦帯電装置2は円筒容器5の一端に投入部6が形成されるとともに他端に排出部7が形成されたものであり、上記円筒容器5内に設けられた攪拌翼(図示せず)が回転することにより、プラスチック片1が攪拌される。尚、上記投入部6には投入ホッパ8が設置されている。
【0005】
また、上記静電分離装置3は、水平軸芯回りに所定方向に回転自在な金属ドラム電極10と、金属ドラム電極10の回転方向斜め上方に対向して設けられた円弧状の対向電極板11とを備えており、この対向電極板11には高圧電源12の陰極が接続され、高圧電源12の陽極は接地されている。この接続によって、金属ドラム電極10により回転接地電極が形成され、金属ドラム電極10と対向電極板11との間に選別用静電場が形成される。
【0006】
また、金属ドラム電極10の下方には、上方へ開口した第一分離容器13および第二分離容器14が、回転方向上流側に順に配置されている。また、金属ドラム電極10の外周部に、金属ドラム電極10の周面に付着したプラスチック片1を掻き落とすブラシ15が配置されている。
【0007】
上記構成による作用を説明する。複数種のプラスチック片1は、投入ホッパ8から円筒容器5内に投入され、内部で回転する攪拌翼によって異なった種類のプラスチック片1同士が攪拌されて摩擦し合うことで帯電される。このように帯電したプラスチック片1は、排出部7から排出されて金属ドラム電極10上に落下し、プラスに帯電したプラスチック片1が、金属ドラム電極10に反発して対向電極板11に吸い寄せられ、第一分離容器13に落下する。また、マイナスに帯電したプラスチック片1は、金属ドラム電極10の表面に吸い寄せられて金属ドラム電極10の回転により第二分離容器14に落下するか、あるいはブラシ15により金属ドラム電極10の表面から掻き落とされて分離し、第二分離容器14に落下する。
【0008】
上記のようなプラスチック片1の選別において、特定のプラスチック片1をより精度良く選別して回収するため、本発明者等は、上記複数種のプラスチック片1の帯電列の中で、選別しようとする特定種のプラスチック片1と上記特定種のプラスチック片1に対して逆極性を有するプラスチック片1との割合が均等になるように上記いずれかのプラスチックの粒を摩擦補助材として円筒容器5内に入れることを提案している。
【0009】
例えば、上記プラスチック片1の種類がPVC、PE、PP、PSである場合、これらを帯電列順に並べると、プラスに帯電され易い側からPS→PE→PP→PVCとマイナスに帯電され易い側に配列される。これによると、PSとPEはプラスの電荷が多く帯電され、また、PPとPVCはマイナスの電荷が多く帯電されることになる。ここで、例えばPVCを選別する場合、PVCの量がPSやPEに比べて少ない場合は、PVCの粒を摩擦補助材として円筒容器5内に入れて、PVCとPVCに対して逆極性を有するPSやPEとの量を均等にする。反対に、PVCの量がPSやPEに比べて多い場合は、PVCに対して逆極性を有するPSやPEの粒を摩擦補助材として円筒容器5内に入れる。これにより、PVCは短時間で十分にマイナスの極性に帯電し、従って、静電分離装置3においてPVCを高精度で選別することができる。
【0010】
しかしながら上記のように摩擦補助材を円筒容器5内に入れた場合、摩擦補助材もプラスチック片1と共に円筒容器5の排出部7から排出されるため、排出された摩擦補助材を回収して再び円筒容器5内に戻すための特別な装置が必要とされるといった問題がある。
【0011】
これに対して、円筒容器5の排出部7に縦横格子状の網部材16を取付け、図8に示すように、網部材16の網目17をプラスチック片1よりも大きくかつ摩擦補助材18よりも小さく形成し、摩擦補助材18を円筒容器5内に閉じ込めておくことによって、摩擦補助材18を繰り返して使用することが考えられる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、プラスチック片1が網部材16の網目17を通過して排出部7から排出される際、プラスチック片1と共に網部材16の手前側まで移動してきた摩擦補助材18が網部材16の網目17を塞いでしまい、その結果、プラスチック片1の排出が滞るといった問題が発生する。
【0013】
本発明は、摩擦補助材を繰り返して使用することによって、特定のプラスチック片を短時間で十分に帯電させるとともに、帯電したプラスチック片を支障なく排出することが可能な摩擦帯電装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本第1発明における摩擦帯電装置は、粉砕された複数種のプラスチック片を攪拌することによって帯電させ、帯電させたプラスチック片を選別用の静電分離装置へ供給する摩擦帯電装置であって、
外筒の内部に、内外に貫通した多数の開口部を有する内筒が回転自在に設けられ、
上記外筒に、プラスチック片を外筒の内部へ投入する投入部と、内筒の内部から排出されたプラスチック片を外筒の外部へ排出する排出部とが設けられ、
上記複数種のプラスチック片の帯電列の中で、選別しようとする特定種のプラスチック片とこの特定種のプラスチック片に対して逆極性を有するプラスチック片との割合が均等になるように上記いずれかのプラスチックの粒を摩擦補助材として内筒の内部に入れておき、
上記摩擦補助材の粒をプラスチック片よりも大きく形成し、
上記内筒の開口部を、プラスチック片よりも大きく、かつ摩擦補助材よりも小さく形成したものである。
【0015】
これによると、投入部から外筒の内部へ投入されたプラスチック片は、回転している内筒の開口部を通って内筒の内部に入り込み、内筒の内部で攪拌されるため、プラスチック片同士ならびにプラスチック片と摩擦補助材とが摩擦し合って短時間で十分に摩擦帯電される。
【0016】
このようにして帯電したプラスチック片は、内筒の内部から開口部を通り抜けて内筒の外部へ排出され、その後、排出部から外筒の外部へ排出される。また、摩擦補助材は、内筒の開口部を通り抜けることができないため、内筒の内部に残留する。これにより、摩擦補助材を繰り返して使用することができる。
【0017】
さらに、内筒の回転により、摩擦補助材が内筒の内周面上を転がるため、摩擦補助材が内筒の開口部を塞いでしまうのを防止することができる。したがって、プラスチック片は確実に内筒の開口部を通って内筒の内部から外部へ排出される。
【0018】
また、本第2発明における摩擦帯電装置は、内筒は水平軸心を中心にして回転自在であり、
投入部は外筒の上部に設けられ、排出部は外筒の下部に設けられ、上記内筒は投入部と排出部との上下間に位置しているものである。
【0019】
これによると、投入部から外筒の内部へ投入されたプラスチック片は、落下しながら、回転している内筒の開口部を通って内筒の内部に入り込む。また、内筒の開口部を通って内筒の外部へ排出されたプラスチック片は、落下しながら排出部から外筒の外部へ排出される。このように、プラスチック片の投入および排出の際にプラスチック片の落下を利用しているため、プラスチック片の投入および排出がスムーズに行える。
【0020】
また、本第3発明における摩擦帯電装置は、内筒は、筒状の内筒本体と、この内筒本体の両端部を閉じる端部部材とによって構成され、
上記内筒本体と端部部材とにそれぞれ多数の開口部が形成されているものである。
【0021】
これによると、多数の開口部が内筒の全面にわたって形成されているため、プラスチック片の投入および排出は内筒の全面を通して行われる。したがって、万一、開口部の目詰まりが内筒に局所的に発生しても、それ以外の範囲の開口部をプラスチック片が通過するため、ほとんど支障はない。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図5に基づいて説明する。尚、静電分離装置3は上述した従来のものと同一の構成を有するため、同じ番号を付記してその説明を省略する。
【0023】
図1〜図3に示すように、30は、粉砕された複数種の混在したプラスチック片1を攪拌することによって帯電させる摩擦帯電装置である。この摩擦帯電装置30は外筒31と内筒32とを有しており、上記外筒31は、正面視でU形状の外筒胴体33と、この外筒胴体33の上部に設けられた天板34と、外筒胴体33の前後両端部に設けられた端部板35とによって中空状に形成されている。
【0024】
上記天板34には、プラスチック片1を外筒31の内部へ投入する投入口37(投入部の一例)が形成されており、この投入口37には投入用ホッパ38の下端が接続されている。
【0025】
また、上記外筒胴体33の下部には、内筒32の内部から排出されたプラスチック片1を外筒31の外部へ排出する排出口39(排出部の一例)が形成されており、この排出口39から排出されたプラスチック片1は図5に示すように供給トレー55内を滑り落ちて静電分離装置3の金属ドラム電極10上に供給される。上記排出口39は、外筒胴体33の前端部から後端部に亘って長く形成され、外筒胴体33に回動自在に設けられた開閉板40によって開閉される。尚、開閉板40の開閉動作はシリンダ装置(図示せず)によって行われる。
【0026】
上記内筒32は、前後方向の水平軸心42を中心にして回転自在に上記外筒31の内部に設けられており、上記投入口37と排出口39との上下間に位置している。また、上記内筒32は、八角形の筒状の内筒本体43と、この内筒本体43の前後両端部に設けられた端部部材44とで構成されている。さらに、内筒本体43は、上記水平軸心42に沿った方向に配設された複数のフレーム53と、これらフレーム53間に取付けられた網部材57とで構成されている。また、上記端部部材44は、上記水平軸心42から放射状に配設された複数のフレーム54と、これらフレーム54間に取付けられた網部材57とで構成されている。
【0027】
上記網部材57は内筒32の内外に貫通した多数の網目51(開口部の一例)を有している。さらに、前後両端部部材44の中心には回転軸45が設けられ、これら回転軸45は軸受け56を介して回転自在に外筒31の前後両端部板35に支持されている。このうち、前後いずれかの回転軸45の先端部は上記端部板35の外側に貫通しており、この回転軸45の先端部が回転駆動装置46に接続されている。この回転駆動装置46は、外筒31の外部に設置されたモータ47とプーリー48,49と駆動ベルト50とで構成されている。
【0028】
また、上記内筒32の外周面には、外筒31と内筒32との間に溜まるプラスチック片1を掻き取る板状の翼部材58が複数枚設けられている。これら翼部材58は、内筒32の水平軸心42方向の長さとほぼ同じ長さを有しており、内筒32の八箇所の頂点のうち一箇所おきに計四枚取付けられている。
【0029】
また、図1に示すように、上記複数種のプラスチック片1の帯電列の中で、選別しようとする特定種のプラスチック片1とこの特定種のプラスチック片1に対して逆極性を有するプラスチック片1との割合が均等になるように上記いずれかのプラスチックの粒を摩擦補助材52として内筒32の内部に入れている。尚、上記摩擦補助材52の粒は複数種のプラスチック片1よりも大きく形成されており、図4に示すように、内筒32の網部材57の各網目51の目開きSはプラスチック片1よりも大きくかつ摩擦補助材52の粒よりも小さく設定されている。
【0030】
例えば、PVC、PE、PP、PSといった複数種のプラスチック片1が混在している場合、これらを帯電列順に並べるとプラスに帯電され易い側からPS→PE→PP→PVCとマイナスに帯電され易い側に配列される。ここで、例えばPVCを選別する場合、PVCの量がPSやPEに比べて少ない場合は、PVCの粒を摩擦補助材52として内筒32の内部に入れて、PVCとPVCに対して逆極性を有するPSやPEとの量を均等にする。反対に、PVCの量がPSやPEに比べて多い場合は、PVCに対して逆極性を有するPSやPEの粒を摩擦補助材52として内筒32の内部に入れる。これにより、PVCとPVCに対して逆極性を有するPSやPEとの量が均等になるため、PVCは短時間で十分にマイナスの極性に帯電し、従って、静電分離装置3においてPVCを高精度で選別することができる。
【0031】
上記のようにして選定された摩擦補助材52を内筒32の内部に入れておき、回転駆動装置46によって内筒32を回転させながら、粉砕されたプラスチック片1を投入ホッパ38へ投入する。尚、この際、排出口39は開閉板40によって閉じられている。
【0032】
上記投入ホッパ38へ投入されたプラスチック片1は、落下しながら、回転している内筒32の網目51を通って内筒32の内部に入り込み、内筒32の内部で攪拌されるため、プラスチック片1同士ならびにプラスチック片1と摩擦補助材52とが摩擦し合って短時間で十分に摩擦帯電される。
【0033】
尚、投入ホッパ38へ投入されたプラスチック片1のうちの一部のプラスチック片1が内筒32の外周面を零れ落ちて外筒31と内筒32との間に溜まっても、一旦内筒32の外側に零れ落ちたプラスチック片1は、内筒32と一体に回転する翼部材58によって上方へ掻き上げられるため、確実に網目51を通って内筒32の内部に入り込む。さらに、内筒32の内部から網目51を通り抜けて一旦内筒32の外部へ排出したプラスチック片1も、上記翼部材58によって繰り返し上方へ掻き上げられるため、再度、網目51を通って内筒32の内部に入り込む。
【0034】
このようにして一定時間をかけてプラスチック片1を帯電させた後、開閉板40を回動して排出口39を開放する。これにより、帯電した状態のプラスチック片1が、内筒32の内部から網目51を通り抜けて内筒32の外部へ排出され、落下しながら排出口39から外筒31の外部へ排出される。この際、外筒31と内筒32との間に溜まっていたプラスチック片1は内筒32と一体に回転する翼部材58によって押されて強制的に排出口39から排出されるため、プラスチック片1を外筒31内から確実に排出することができる。
【0035】
また、摩擦補助材52は、内筒32の網部材57の網目51を通り抜けることができないため、内筒32の内部に残留する。これにより、摩擦補助材52を繰り返して使用することができる。
【0036】
さらに、内筒32の回転によって摩擦補助材52が内筒32の内周面上を転がるため、摩擦補助材52が内筒32の網部材57の網目51を塞いでしまうのを防止することができる。したがって、プラスチック片1は確実に内筒32の網目51を通って内筒32の内部から外部へ排出される。
【0037】
このようにして排出口39から排出されたプラスチック片1は、十分に帯電された状態で、図5に示すように、供給トレー55を通って、金属ドラム電極10上に供給され、種類別に第一分離容器13と第二分離容器14とに選別される。
【0038】
上記実施の形態では、図2に示すように、多数の網目51が内筒32の全面(外周面および両端面)にわたって形成されているため、プラスチック片1の投入および排出は内筒32の全面を通して行われる。したがって、万一、網目51の目詰まりが内筒32に局所的に発生しても、それ以外の範囲の網目51をプラスチック片1が通過するため、ほとんど支障はない。
【0039】
上記実施の形態では、内筒32を上方の投入口37と下方の排出口39との間に位置させ、プラスチック片1の投入および排出の際にプラスチック片1の落下を利用しているため、プラスチック片1の投入および排出がスムーズに行える。
【0040】
上記実施の形態では、内筒32を回転させてプラスチック片1を攪拌している際、十分な攪拌に要する時間だけ開閉板40で排出口39を閉じておくことによって、プラスチック片1が十分に帯電されていない状態で排出口39から排出されてしまうのを防止することができる。
【0041】
上記実施の形態では、PVC、PE、PP、PSといった複数種のプラスチック片1のなかから例えばPVCを選別する場合、 PVCの含有量に応じてPVCあるいは逆極性のPSやPEの粒を摩擦補助材52としているが、帯電列の中間位置にあたるPPの粒を摩擦補助材52として用いても同様の効果が得られる。また、摩擦補助材52としてステンレス鋼等の金属の粒を使用してもよい。
【0042】
上記実施の形態では、内筒32を回転させることによって、内筒32の内部のプラスチック片1を全体的に攪拌することができる。また、内筒32の内部に棒状または翼状の攪拌部材を設けて、より一層確実な攪拌が行えるようにしてもよい。
【0043】
上記実施の形態では、図1に示すように、内筒32の内筒本体43を八角形の筒状に形成しているが、八角形以外の多角形または円形の筒状であってもよい。上記実施の形態では、内筒32に形成された開口部の一例として、図4に示すように、縦横に交差した格子状の線材から成る網部材57の網目51を挙げたが、図6に示すように、多数の線材または棒材を一方向に所定間隔おきに平行に配列して多数のスリット61を形成したものであってもよく、この場合、これらスリット61の間隔Sをプラスチック片1よりも大きくかつ摩擦補助材52の粒よりも小さく設定すればよい。
【0044】
上記実施の形態では、図1に示すように、内筒32に翼部材58を四枚取付けているが、四枚に限ったものではなく、一枚あるいは四枚以外の複数枚取付けてもよい。例えば、八枚の翼部材58を内筒32の八箇所の各頂点にそれぞれ取付けてもよい。
【0045】
上記実施の形態では、図2に示すように、投入口37と投入用ホッパ38との取付位置は外筒31の天板34の前後端部または中央部のいずれの箇所であってもよい。また、排出口39と同様に、上記投入口37と投入用ホッパ38とを天板34の前端部から後端部に亘って長く形成してもよい。
【0046】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、プラスチック片は回転している内筒の内部で攪拌されるため、プラスチック片同士ならびにプラスチック片と摩擦補助材とが摩擦し合って短時間で十分に摩擦帯電される。
【0047】
また、帯電したプラスチック片は開口部を通り抜けて内筒の外部へ排出されるが、摩擦補助材は、内筒の開口部を通り抜けることができないため、内筒の内部に残留する。これにより、摩擦補助材を繰り返して使用することができる。
【0048】
さらに、内筒の回転により、摩擦補助材が内筒の内周面上を転がるため、摩擦補助材が内筒の開口部を塞いでしまうのを防止することができる。したがって、プラスチック片は確実に内筒の開口部を通って内筒の内部から外部へ排出される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における摩擦帯電装置の正面の断面図である。
【図2】同、摩擦帯電装置の一部切欠き斜視図である。
【図3】同、摩擦帯電装置の側面の断面図である。
【図4】同、摩擦帯電装置の内筒の網部材の拡大図である。
【図5】同、摩擦帯電装置と静電分離装置との概略図である。
【図6】本発明の他の実施の形態における摩擦帯電装置の内筒のスリットの拡大図である。
【図7】従来の摩擦帯電装置と静電分離装置との概略図である。
【図8】従来の摩擦帯電装置の排出部に設けられた網部材の拡大断面図である。
【符号の説明】
1 プラスチック片
3 静電分離装置
30 摩擦帯電装置
31 外筒
32 内筒
37 投入口(投入部)
39 排出口(排出部)
42 水平軸心
43 内筒本体
44 端部部材
51 網目(開口部)
52 摩擦補助材
61 スリット(開口部)

Claims (3)

  1. 粉砕された複数種のプラスチック片を攪拌することによって帯電させ、帯電させたプラスチック片を選別用の静電分離装置へ供給する摩擦帯電装置であって、
    外筒の内部に、内外に貫通した多数の開口部を有する内筒が回転自在に設けられ、
    上記外筒に、プラスチック片を外筒の内部へ投入する投入部と、内筒の内部から排出されたプラスチック片を外筒の外部へ排出する排出部とが設けられ、
    上記複数種のプラスチック片の帯電列の中で、選別しようとする特定種のプラスチック片とこの特定種のプラスチック片に対して逆極性を有するプラスチック片との割合が均等になるように上記いずれかのプラスチックの粒を摩擦補助材として内筒の内部に入れておき、
    上記摩擦補助材の粒をプラスチック片よりも大きく形成し、
    上記内筒の開口部を、プラスチック片よりも大きく、かつ摩擦補助材よりも小さく形成したことを特徴とする摩擦帯電装置。
  2. 内筒は水平軸心を中心にして回転自在であり、
    投入部は外筒の上部に設けられ、排出部は外筒の下部に設けられ、上記内筒は投入部と排出部との上下間に位置していることを特徴とする請求項1記載の摩擦帯電装置。
  3. 内筒は、筒状の内筒本体と、この内筒本体の両端部を閉じる端部部材とによって構成され、
    上記内筒本体と端部部材とにそれぞれ多数の開口部が形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の摩擦帯電装置。
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