JP3573613B2 - 薄膜形成装置及び薄膜形成方法 - Google Patents

薄膜形成装置及び薄膜形成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば半導体基板表面にレジスト塗布を行なうレジスト塗布装置などの処理装置及び処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、シリコンウエハやガラス基板などの被処理基板表面にレジスト塗布を行なう方法としては、被処理基板を保持部材上に保持しながら高速回転させ、その上からレジスト液を滴下して遠心力で薄い膜に伸ばすスピンコート法が広く用いられている。
【0003】
ところで、半導体素子の分野では演算処理能力の高度化の要請が高いため、一つの被処理基板の半径を大型化するとともに集積度を上げる必要がある。
【0004】
また、微細化も極限に近づきつつあり、製造の裕度即ち解像性を確保しつつ焦点裕度や露光量裕度を得るには、レジスト膜の膜厚もできるだけ薄くする必要がある。
【0005】
例えば、数ギガ程度の演算処理能力を備えた半導体素子を製造するには0.4μm以下の膜厚のレジスト膜を形成する必要がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のスピンコート法では被処理基板を大型化すると被処理基板の外周縁の部分での速度が速くなり、これにより空気の乱流が惹起され、この乱流によりレジスト膜の膜厚が変動しやすくなるため、解像度が低下する。
【0007】
解像度の低下は半導体の集積度を上げるのに致命的で、スピンコート法では膜厚が0.4μm以下の塗膜を得ることは困難であるため、数ギガ程度以上の半導体を製造するには従来のスピンコート法では自ずと限界があるという問題がある。
【0008】
また、従来のスピンコート法では被処理基板の表面全体にレジスト液を塗布して表面全体にわたってレジスト膜を形成しているが、現実にレジスト膜を形成する必要があるのは円形の被処理基板のうち、半導体素子を形成する部分のみであり、それ以外の周囲の部分などにはレジスト膜を形成する必要はない。
【0009】
そのため、本来必要のない部分にまでレジスト膜を形成している分、レジスト液やシンナーなどを無駄に消費するという問題がある。
【0010】
更に、不要な部分のレジスト膜を除去するという余分な工程が必要となったり、一旦除去したレジスト膜片が空気中に浮遊してパーティクルとして作用し、半導体の製造工程に悪影響を及ぼすという問題もある。
【0011】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、スピンコート法のように被処理基板を回転させることなく塗布剤を膜厚の極く薄い膜にのばして塗布することのできる薄膜形成装置を提供することを目的とする。
【0012】
また、本発明は、被処理基板のうち必要な部分にのみ塗膜を形成することのできる薄膜形成装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため、請求項1記載の本発明の薄膜形成装置は、被処理基板を保持する保持手段と、前記保持手段と相対する位置に配設され、貫通孔が設けられた板状部材と、前記貫通孔に塗布剤を充填する手段と、前記板状部材の背後から前記貫通孔に気体を噴射する手段と、前記被処理基板の表面に溶剤を噴霧する手段と、を具備する。
【0014】
請求項2記載の本発明の薄膜形成装置は、請求項1記載の薄膜形成装置であって、前記保持手段に対して前記板状部材を移動させる手段をさらに具備することを特徴とする。
【0015】
請求項記載の本発明の薄膜形成装置は、請求項1記載の薄膜形成装置であって、前記板状部材に対して前記保持手段を移動させる手段をさらに具備することを特徴とする。
【0016】
請求項記載の本発明の薄膜形成装置は、被処理基板を保持する保持部材と、前記保持部材と相対する位置に配設され、貫通孔が設けられた板状部材と、先端が前記板状部材に向くように板状部材の背後に配置されたノズルと、前記ノズルに対して前記保持部材及び板状部材の位置を移動させる手段と、前記板状部材の貫通孔に塗布剤を充填する手段と、前記ノズルに気体を供給する気体供給系と、前記板状部材と前記保持部材との間に配設され、被処理基板の所定部位に向けられた開口部と、前記開口部に霧状の溶剤を供給する溶剤供給系と、を具備する。
請求項記載の本発明の薄膜形成装置は、被処理基板を保持する保持部材と、前記保持部材と相対する位置に配設され、貫通孔が設けられた板状部材と、先端が前記板状部材に向くように板状部材の背後に配置されたノズルと、前記ノズルに対して前記保持部材の位置を移動させる第1の移動装置と、前記板状部材の貫通孔に塗布剤を充填する充填装置と、前記ノズルに対して前記板状部材の位置を移動させる第2の移動装置と、前記ノズルに気体を供給する気体供給系と、前記板状部材と前記保持部材との間に配設され、被処理基板の所定部位に向けられた開口部と、前記開口部に霧状の溶剤を供給する溶剤供給系と、前記第1及び第2の移動装置並びに前記充填装置を前記気体供給系の気体の噴射に同期して駆動し、前記被処理基板の所定部位に塗膜を形成させる制御装置と、前記第1の移動装置の駆動量を調節するとともに前記溶剤供給系から供給する溶剤の量を調節して塗膜の膜厚を調節する膜厚調節装置と、を具備する。
【0017】
請求項記載の本発明の薄膜形成装置は、被処理基板を保持する保持部材と、前記保持部材と相対する位置に配設され、貫通孔が設けられた板状部材と、先端が前記板状部材に向くように板状部材の背後に配置されたノズルと、前記ノズルに対して前記保持部材の位置を移動させる第1の移動装置と、前記板状部材の貫通孔に塗布剤を充填する充填装置と、前記ノズルに対して前記板状部材の位置を移動させる第2の移動装置と、前記ノズルに気体を供給する気体供給系と、前記板状部材と前記保持部材との間に配設され、被処理基板の所定部位に向けられた開口部と、前記開口部に霧状の溶剤を供給する溶剤供給系と、前記第1及び第2の移動装置並びに前記充填装置を前記気体供給系の気体の噴射に同期して駆動し、前記被処理基板の所定部位に塗膜を形成させる制御装置と、前記第2の移動装置の駆動量を調節するとともに前記溶剤供給系から供給する溶剤の量を調節して塗膜の膜厚を調節する膜厚調節装置と、を具備する。
【0018】
請求項記載の本発明の薄膜形成装置は、被処理基板を保持する保持部材と、前記保持部材と相対する位置に配設され、貫通孔が設けられた板状部材と、先端が前記板状部材に向くように板状部材の背後に配置されたノズルと、前記ノズルに対して前記保持部材の位置を移動させる第1の移動装置と、前記板状部材の貫通孔に塗布剤を充填する充填装置と、前記ノズルに対して前記板状部材の位置を移動させる第2の移動装置と、前記ノズルに気体を供給する気体供給系と、前記板状部材と前記保持部材との間に配設され、被処理基板の所定部位に向けられた開口部と、前記開口部に霧状の溶剤を供給する溶剤供給系と、前記第1及び第2の移動装置並びに前記充填装置を前記気体供給系の気体の噴射に同期して駆動し、前記被処理基板の所定部位に塗膜を形成させる制御装置と、前記気体供給系から前記ノズルに供給する気体の流速を調節するとともに前記溶剤供給系から供給する溶剤の量を調節して塗膜の膜厚を調節する膜厚調節装置と、を具備する。
【0019】
請求項記載の本発明の薄膜形成装置は、被処理基板を保持する保持部材と、前記保持部材と相対する位置に配設され、貫通孔が設けられた板状部材と、先端が前記板状部材に向くように板状部材の背後に配置されたノズルと、前記ノズルに対して前記保持部材の位置を移動させる第1の移動装置と、前記板状部材の貫通孔に塗布剤を充填する充填装置と、前記ノズルに対して前記板状部材の位置を移動させる第2の移動装置と、前記ノズルに気体を供給する気体供給系と、前記板状部材と前記保持部材との間に配設され、被処理基板の所定部位に向けられた開口部と、前記開口部に霧状の溶剤を供給する溶剤供給系と、前記第1及び第2の移動装置並びに前記充填装置を前記気体供給系の気体の噴射に同期して駆動し、前記被処理基板の所定部位に塗膜を形成させる制御装置と、前記気体供給系から気体を供給されるノズルの数を調節するとともに前記溶剤供給系から供給する溶剤の量を調節して塗膜の膜厚を調節する膜厚調節装置と、を具備する。
【0020】
請求項記載の本発明の薄膜形成装置は、被処理基板を保持する保持部材と、前記保持部材と相対する位置に配設され、貫通孔が設けられた板状部材と、先端が前記板状部材に向くように板状部材の背後に配置されたノズルと、前記ノズルに対して前記保持部材の位置を移動させる第1の移動装置と、前記板状部材の貫通孔に塗布剤を充填する充填装置と、前記ノズルに対して前記板状部材の位置を移動させる第2の移動装置と、前記ノズルに気体を供給する気体供給系と、前記板状部材と前記保持部材との間に配設され、被処理基板の所定部位に向けられた開口部と、前記開口部に霧状の溶剤を供給する溶剤供給系と、前記第1及び第2の移動装置並びに前記充填装置を前記気体供給系の気体の噴射に同期して駆動し、前記被処理基板の所定部位に塗膜を形成させる制御装置と、前記充填装置が前記搬送ボードに充填する塗布剤の充填密度を調節するとともに前記溶剤供給系から供給する溶剤の量を調節して塗膜の膜厚を調節する膜厚調節装置と、を具備する。
請求項10記載の本発明の薄膜形成方法は、板状部材の貫通孔に塗布剤を充填する工程と、塗布剤を充填した前記板状部材の貫通孔を気体噴射位置まで移動させる工程と、被処理基板の所定部位を前記気体噴射位置まで移動させる工程と、塗布剤を充填した前記板状部材の貫通孔の背後から気体を噴射する工程と、前記被処理基板の所定部位に溶剤を噴霧する工程と、を具備する。
【0021】
請求項11記載の本発明の薄膜形成方法は、板状部材の貫通孔に塗布剤を充填する工程と、塗布剤を充填した前記板状部材の貫通孔を気体噴射位置まで移動させる工程と、被処理基板の所定部位を前記気体噴射位置まで移動させる工程と、前記被処理基板の所定部位に溶剤を噴霧する工程と、塗布剤を充填した前記板状部材の貫通孔の背後から気体を噴射する工程と、を具備する。
【0023】
請求項の薄膜形成装置では、前記保持手段と前記板状部材とを対向させ、板状部材の貫通孔内の塗布剤を板状部材の背後から気体を噴射することにより飛翔させて被処理基板上に付着するようにしているので、被処理基板を回転させる必要がなく、極く薄い塗膜を形成することができる。
【0024】
更に、前記被処理基板の表面に溶剤を噴霧する手段を備えているので、噴霧する溶剤の量を変えることにより塗膜の膜厚を調節することができる。
【0025】
請求項の薄膜形成装置では、前記保持手段に対して前記板状部材を移動させて被処理基板と板状部材とを対向させ、板状部材の貫通孔内の塗布剤を、板状部材の背後から気体を噴射することにより飛翔させて被処理基板上に付着するようにしているので、被処理基板を回転させる必要がなく、極く薄い塗膜を形成することができる。
【0026】
また、前記保持手段に対して前記板状部材を順次移動させながら所定の部分のみに塗布剤を付着させているので、被処理基板のうち必要な部分にのみ処理を施すことができる。
【0027】
更に、前記被処理基板表面に溶剤を噴霧する手段を備えているので、噴霧する溶剤の量を変えることにより塗膜の膜厚を調節することができる。
【0028】
請求項の薄膜形成装置では、前記板状部材に対して前記保持手段を移動させて板状部材と被処理基板とを対向させ、板状部材の貫通孔内の塗布剤を、板状部材の背後から気体を噴射することにより飛翔させて被処理基板上に付着するようにしているので、被処理基板を回転させる必要がなく、極く薄い塗膜を形成することができる。
【0029】
また、前記板状部材に対して前記保持手段を順次移動させながら所定の部分のみに塗布剤を付着させているので、被処理基板のうち必要な部分にのみ処理を施すことができる。
【0030】
更に、前記被処理基板表面に溶剤を噴霧する手段を備えているので、噴霧する溶剤の量を変えることにより塗膜の膜厚を調節することができる。
【0031】
請求項の薄膜形成装置では、先端が前記板状部材に向くように板状部材の背後に配置されたノズルに対して保持部材と板状部材とを移動させて被処理基板の所定部位を前記ノズルに対向させ、板状部材の貫通孔に充填した塗布剤を前記ノズルから噴出する気体により飛翔させて被処理基板上に付着するようにしているので、被処理基板を回転させる必要がなく、極く薄い塗膜を形成することができる。
【0032】
また、前記被処理基板を順次移動させながら前記所定部位のみに塗布剤を付着させているので、被処理基板のうち必要な部分にのみ塗膜を形成することができる。
【0033】
更に、前記板状部材と前記保持部材との間に被処理基板の所定部位に向けられた開口部を設け、この開口部に溶剤供給系から霧状の溶剤を供給して前記所定部位に溶剤を噴霧するようにしているので、噴霧する溶剤の量を変えることにより塗膜の膜厚を調節することができる。
【0034】
請求項の薄膜形成装置では、先端が前記板状部材に向くように板状部材の背後に配置されたノズルに対して保持部材と板状部材とを移動させて被処理基板の所定部位を前記ノズルに対向させ、板状部材の貫通孔に充填した塗布剤を前記ノズルから噴出する気体により飛翔させて被処理基板上に付着するようにしているので、被処理基板を回転させる必要がなく、極く薄い塗膜を形成することができる。
【0035】
また、前記被処理基板を順次移動させながら前記所定部位のみに塗布剤を付着させているので、被処理基板のうち必要な部分にのみ塗膜を形成することができる。
【0036】
更に、この薄膜形成装置では、前記第1の移動装置の駆動量を調節したり、前記溶剤供給系から供給する溶剤の量を調節することにより塗膜の膜厚を調節する膜厚調節装置を具備しているので、任意の場所で塗膜の膜厚を調節することができる。
【0037】
請求項の薄膜形成装置では、先端が前記板状部材に向くように板状部材の背後に配置されたノズルに対して保持部材と板状部材とを移動させて被処理基板の所定部位を前記ノズルに対向させ、板状部材の貫通孔に充填した塗布剤を前記ノズルから噴出する気体により飛翔させて被処理基板上に付着するようにしているので、被処理基板を回転させる必要がなく、極く薄い塗膜を形成することができる。
【0038】
また、前記被処理基板を順次移動させながら前記所定部位のみに塗布剤を付着させているので、被処理基板のうち必要な部分にのみ塗膜を形成することができる。
【0039】
更に、この薄膜形成装置では、前記第2の移動装置の駆動量を調節したり、前記溶剤供給系から供給する溶剤の量を調節することにより塗膜の膜厚を調節する膜厚調節装置を具備しているので、任意の場所で塗膜の膜厚を調節することができる。
【0040】
請求項の薄膜形成装置では、先端が前記板状部材に向くように板状部材の背後に配置されたノズルに対して保持部材と板状部材とを移動させて被処理基板の所定部位を前記ノズルに対向させ、板状部材の貫通孔に充填した塗布剤を前記ノズルから噴出する気体により飛翔させて被処理基板上に付着するようにしているので、被処理基板を回転させる必要がなく、極く薄い塗膜を形成することができる。
【0041】
また、前記被処理基板を順次移動させながら前記所定部位のみに塗布剤を付着させているので、被処理基板のうち必要な部分にのみ塗膜を形成することができる。
【0042】
更に、この薄膜形成装置では、前記気体供給系から前記ノズルに供給する気体の流速を調節したり、前記溶剤供給系から供給する溶剤の量を調節することにより塗膜の膜厚を調節する膜厚調節装置を具備しているので、任意の場所で塗膜の膜厚を調節することができる。
【0043】
請求項の薄膜形成装置では、先端が前記板状部材に向くように板状部材の背後に配置されたノズルに対して保持部材と板状部材とを移動させて被処理基板の所定部位を前記ノズルに対向させ、板状部材の貫通孔に充填した塗布剤を前記ノズルから噴出する気体により飛翔させて被処理基板上に付着するようにしているので、被処理基板を回転させる必要がなく、極く薄い塗膜を形成することができる。
【0044】
また、前記被処理基板を順次移動させながら前記所定部位のみに塗布剤を付着させているので、被処理基板のうち必要な部分にのみ塗膜を形成することができる。
【0045】
更に、この薄膜形成装置では、前記気体供給系から気体を供給されるノズルの数を調節したり、前記溶剤供給系から供給する溶剤の量を調節することにより塗膜の膜厚を調節する膜厚調節装置を具備しているので、任意の場所で塗膜の膜厚を調節することができる。
【0046】
請求項の薄膜形成装置では、先端が前記板状部材に向くように板状部材の背後に配置されたノズルに対して保持部材と板状部材とを移動させて被処理基板の所定部位を前記ノズルに対向させ、板状部材の貫通孔に充填した塗布剤を前記ノズルから噴出する気体により飛翔させて被処理基板上に付着するようにしているので、被処理基板を回転させる必要がなく、極く薄い塗膜を形成することができる。
【0047】
また、前記被処理基板を順次移動させながら前記所定部位のみに塗布剤を付着させているので、被処理基板のうち必要な部分にのみ塗膜を形成することができる。
【0048】
更に、この薄膜形成装置では、前記板状部材に充填する塗布剤の充填密度を調節したり、前記溶剤供給系から供給する溶剤の量を調節することにより塗膜の膜厚を調節する膜厚調節装置を具備しているので、任意の場所で塗膜の膜厚を調節することができる。
【0049】
請求項10の薄膜形成方法では、被処理基板を移動させて前記気体噴射手段に前記被処理基板の所定部位を対向させ、前記気体噴射手段と被処理基板との間に配設した板上部材の貫通孔に充填した塗布剤を前記気体噴射手段から噴射する気体により飛翔させて被処理基板上に付着するようにしているので、被処理基板を回転させる必要がなく、極く薄い塗膜を形成することができる。
【0050】
また、被処理基板を順次移動させながら所定部位のみに塗布剤を付着させるようにしているので、被処理基板のうち必要な部分にのみ塗膜を形成することができる。
【0051】
更に、前記被処理基板の所定部位に溶剤を噴霧して被処理基板上に吐出された塗布剤を希釈するようにしているので、噴霧する溶剤の量を変化させることにより塗膜の膜厚を調節することができる。
【0052】
請求項11の薄膜形成方法では、被処理基板を移動させて前記気体噴射手段に前記被処理基板の所定部位を対向させ、前記気体噴射手段と被処理基板との間に配設した板上部材の貫通孔に充填した塗布剤を前記気体噴射手段から噴射する気体により飛翔させて被処理基板上に付着するようにしているので、被処理基板を回転させる必要がなく、極く薄い塗膜を形成することができる。
【0053】
また、被処理基板を順次移動させながら所定部位のみに塗布剤を付着させるようにしているので、被処理基板のうち必要な部分にのみ塗膜を形成することができる。
【0054】
更に、前記被処理基板の所定部位に溶剤を予め噴霧しておき、被処理基板上に塗布剤が吐出された後にこの塗布剤を希釈するようにしているので、噴霧する溶剤の量を変化させることにより任意の場所で塗膜の膜厚を調節することができる。
【0055】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態の詳細を図面に基づいて説明する。
【0056】
図1は本発明の一実施形態に係る薄膜形成装置の概略構成を斜視図として模式的に示した図である。
【0057】
この薄膜形成装置では、被処理基板としての半導体ウエハ(以下、単に「ウエハ」と呼ぶ。)W表面に向けて窒素ガスなどの不活性ガスを噴射するインジェクタ10が、ほぼ水平にセットされたウエハW表面近傍にくるように配設されており、このインジェクタ10とウエハWとの間の隙間には塗布剤を保持する板状部材としての塗布剤保持ボード(以下、単に「ボード」という。)20がウエハWとほぼ平行に配設されている。このボード20の一端は第2の移動装置としてのボード移動装置(以下、単に「移動装置」という。)40に固定されており、この移動装置40の作動により水平方向に移動するようになっている。
【0058】
ボード20のうち、前記移動装置40に固定された部分と反対側の端には、このボード20に対して塗布剤を供給して充填する塗布剤ディスペンサ(以下単に「ディスペンサ」という)30が配設されている。
【0059】
ボード20とウエハWとの間には二本のパイプ50,50がY方向に平行に配設されている。これらのパイプ50,50はノズル11を両側から挟むような位置に配設されており、斜め下向きに設けられた複数の開口部51から霧状の溶剤を噴霧するようになっている。
【0060】
なお、図1では省略したが、後述するように、上記インジェクタ10、ディスペンサ30の他にもボード20を洗浄し乾燥するためのクリーナがボード20の近傍に配設されている。
【0061】
また、図1中、ボード20の下側に配設されたウエハWは搬送装置50の上に載置されており、真空機構などによりこの搬送装置50上部のテーブル51に固定されている。後述するように、この搬送装置50はウエハWを保持したままインジェクタ10に対してX方向、Y方向、Z方向、及びθ方向に移動できるようになっている。
【0062】
図2は本実施形態に係る薄膜形成装置の平面図であり、図3は本実施形態に係る薄膜形成装置を水平方向から見た状態を示した図である。
【0063】
図3に示したように、本実施形態に係る薄膜形成装置では、装置の上部に清浄なエアを供給するエア吹き出し口91を備えた天板90が配設されており、装置の底部には水平な底板80が配設されている。薄膜形成装置の上部のエア吹き出し口91からは絶えず図中上方から下方に向けて清浄なエアが流れるようになっており、このエアにより薄膜形成装置内は常に一定の温度と湿度とを維持するとともに埃や塵などが殆ど含まれていないクリーンな環境に保たれている。
【0064】
図2と図3に示したように、上記天板90と底板80との間の空間の図中右側のスペースには、塗布剤をウエハWに対して吐出する吐出ヘッドHが配設されており、この吐出ヘッドHに対して、搬送装置60がアクセスしてウエハWを搬送するとともにウエハWの位置決めをするようになっている。
【0065】
次に、吐出ヘッドHについて説明する。
【0066】
図3に示したように、薄膜形成装置の内部には吐出ヘッドHが配設されており、この吐出ヘッドHの下側には後述する搬送装置60が出入りできる空間が形成されている。
【0067】
図4は吐出ヘッドHの垂直断面を拡大した図である。
【0068】
この吐出ヘッドHには、ウエハWの表面に対してほぼ垂直方向下向きに気体を噴射する複数のノズル11が配設されている。これら複数のノズル11は図4の紙面に垂直な方向に一列に配列されている。図5は図4の矢印Aの方向からノズル11、ボード20、パイプ50及びウエハWとを見たところを示した図であり、ボード20とウエハWとは垂直断面図として描いたものである。
【0069】
ノズル11にはこのノズル11に気体を供給する気体供給系(図示省略)Sが接続されている。この気体供給系Sには窒素ガスやアルゴンガスなどの不活性ガスを収容するガスボンベと、このガスボンベからの気体を供給する配管と、この配管の途中に設けた開閉バルブや気体の流量を調節する調節器などが配設されている。これらの調節器の主要なものは電気的に駆動できるものであり、後述する制御装置から信号を送ることによりバルブの開閉やガスの流量などを適宜調節できるようになっている。従って、後述するように、気体の流量を調節することによりノズル11からの気体の噴射速度を調節して塗膜の膜厚を調節することもできるので有利である。なお、本実施形態では気体として窒素を用いている。
【0070】
この気体の噴射速度は後述するボード20に設けた貫通孔21の直径や板厚、或いは使用する塗布剤の種類や粘度などによりその最適値は変動するものであるため、それらの諸条件に基づいて最適な値を求めて使用する。一般的には気体の噴射時の圧力は1kg/cm以下であり、例えば、本実施形態では0.3kg/cmとした。
【0071】
また、この気体供給系は複数のノズル11,11,…のそれぞれについて独立してガス供給のオン・オフをできるようにすることも可能である。その場合にはノズル11,11,…全体のうち一部のノズル11のみにガスを供給することによりウエハWに吐出される塗布剤の密度を可変にでき、それにより塗膜の膜厚を調節することができるという効果が得られる。
【0072】
ノズル11とウエハWとの間にはボード20が配設されている。このボード20は長方形の薄板状金属部材に微細な貫通孔21を多数穿孔したものであり、この貫通孔21に塗布剤を充填した状態で後述するディスペンサ30からノズル11へと塗布剤を搬送するものである。
【0073】
ボード20の材質としては塗布剤を塗布したときの接触角θが25°〜70°であることが求められる。従って金属、樹脂など種々のものが挙げられるが、表面を弗素樹脂でコーティングして所定の接触角を示すようにしたものでもよい。この貫通孔21の直径や板厚などは充填する塗布剤の種類や粘度などにより決定されるものであるが、一般的には貫通孔の直径が0.01mm〜0.5mmの範囲のものを用いるのが好ましく、板厚は貫通孔の直径に対して50〜200%のものを用いるのが好ましい。一例として本実施形態では、厚さ0.1mmのステンレススチール製の板材の表面にテフロンをコーティングしたものを用い、また直径は0.1mmのものを用いた。
【0074】
同様にボード20の上面からノズル先端までの距離は一般的には0.1mm〜10mmの範囲が好ましい。この距離が0.1mm未満ではノズル11に対するボードの位置決め精度を確保することが困難になったり、ノズル11自体に吐出した筈の塗布剤が付着してノズル11の先端が汚れるためであり、反対にこの距離が10mmを超えると、噴射したガスがボード20に到達する前に拡散してしまい、隣接する塗膜粒子に悪影響を及ぼすためである。そのため、例えば本実施形態ではこの距離は3mmとした。
【0075】
また、ボード20の下面からウエハW上表面までの距離は一般的には0.2mm〜100mmの範囲にするのが好ましい。これはこの距離が0.2mm未満であると貫通孔から吐出された塗布剤がボード20に再び付着してしまうからであり、反対にこの距離が100mmを超えると、貫通孔21から吐出された塗布剤粒子が拡散してしまい、ウエハWの所定の部分に集中的に付着させるのが困難となるからである。そのため、例えば本実施形態では、ボード20の下面からウエハW表面までの距離を5mmとした。
【0076】
ボード20の貫通孔21に充填する塗布剤としては特に限定されないため、液状その他の塗布剤を用いることができる。液状の塗布剤を用いる際には充填する際の粘度が50cp〜300cp(センチポイズ/25°C)であることが好ましい。50cp未満では貫通孔21に保持されることが困難となり、貫通孔21から滴り落ちてしまうためであり、一方、300cpを超えるとノズル11から噴射されるガスの力だけでは十分に吐出できないおそれがあるためである。そのため、例えば本実施形態では100cpの液状の塗布剤であるレジスト液を用いた。
【0077】
なお、液状以外の塗布剤、例えば、粉状や顆粒状の塗布剤を用いる場合にもボード20の貫通孔21の形状や大きさ、材質、担持方法などを適宜改変することにより十分適用可能である。
【0078】
このボード20は前記ノズル11とウエハWとの隙間に配設され、前記ノズル11及びウエハWのいずれとも非接触の状態で水平方向、より具体的には図4の左右の方向に移動できるように配設されている。そして後述するディスペンサ30とクリーナ60との間で往復移動される。この往復移動の駆動力を与える駆動源は図4のヘッドHの右端の位置に配設された移動モータ41である。
【0079】
この移動モータ41の回転軸にはボールネジ42が取り付けられ、このボールネジ42の反対側の先端にはホルダ43が取り付けられている。このホルダ43下部に設けられたスリット部43aには前記ボード20の一端が挟持されている。
【0080】
従って、移動モータ41を作動させて回転軸を回すとボールネジ42により回転軸に平行な方向の直線運動に変換され、この直線運動がホルダ43、ひいてはボード20に伝達されてこのボード20を図中矢印Bの方向に移動させる。そして移動モータ41の回転方向を正逆反転させることによりホルダ43の移動方向も反転するので、ボード20を矢印Bに示すように往復運動させることができる。
【0081】
このボード20の移動量は図示しないセンサで正確に検知しており、このセンサを介して把握した移動量に基づいてボード20の動きを制御している。
【0082】
図4中、ノズル11の左隣にはディスペンサ30が配設されている。このディスペンサ30はボード20の貫通孔21内にレジストなどの塗布剤を充填する装置である。具体的な充填方法としては、圧入法、吸引法、浸漬法、ローラすり込み法など既知の方法が使用できるので、充填する塗布剤の種類、粘度、その他の特性に応じて適宜選択する。
【0083】
例えば本実施形態の薄膜形成装置では、塗布剤溜め(図示省略)に収容した塗布剤を上から加圧して底面に設けた孔(図示省略)から押し出してボード20の貫通孔21内に充填する圧入式のものを採用している。
【0084】
なお、充填装置として底面に設けた孔の数を可変にできる構造のものを採用する場合にはボード20の貫通孔21に充填する際の充填密度を変化させることができる。そのためウエハWに吐出される塗布剤の密度を可変にでき、それにより塗膜の膜厚を調節することができるという効果が得られるので好ましい。
【0085】
図4中ノズル11の右側に隣接するのはクリーナ70である。このクリーナ70内には洗浄装置71と乾燥装置72とが内蔵されている。洗浄装置71はボード20を清浄にするためのものであり、ディスペンサ30で充填後、塗布剤を吐出して貫通孔21が空になったボード20を溶剤その他の洗浄剤で洗浄する。乾燥装置72で洗浄したボード20を乾燥させ、再び塗布剤を充填できるようにする。
【0086】
これら洗浄装置71、乾燥装置72の種類や構造は塗布剤の種類や粘度その他の特性に応じて既存のものの中から適宜選択して用いることができる。例えば、本実施形態では、溶剤を噴射して洗浄する方式の洗浄装置71と、温風を当てて乾燥する方式の乾燥装置72を採用している。
【0087】
ボード20とウエハWとの間には二本のパイプ51,51が図4の紙面に垂直な方向に互いに平行に配設されている。これらのパイプ51,51はノズル11の両側からこのノズル11を挟むように配設されており、パイプ51,51の表面のうち、内側の位置には斜め下方向を向いて複数の開口部51,51,…が穿孔されている。このパイプ50は後述する溶剤供給系と接続されており、この溶剤供給系から霧状の溶剤が供給され、開口部51,51,…から霧状の溶剤が噴霧される。
【0088】
開口部51,51,…は、ウエハW表面のうち、ノズル11の真下に位置する部分に向けて穿孔されており、開口部51,51,…から噴霧された溶剤が前記ノズル11の真下に位置するウエハWの表面部分を濡らすようになっている。
【0089】
図6は溶剤供給系を模式的に示した図である。
【0090】
ボード20とウエハWとの隙間をY方向に伸びる二本のパイプ50,50の図面手前側の一端は共に閉塞されており、反対側は共にパイプの本管52に接続されている。この本管52の一端はバブラータンク53の上部に導かれている。
【0091】
バブラータンク53の底部には多孔質材料でできた発泡部材54が配設されており、この発泡部材54には外部から配管55が接続されている。そしてこの配管55には電動バルブ57を介して配管56が接続され、この配管56の先には窒素ボンベなどの窒素ガス供給源が接続されている。
【0092】
次に、この溶剤供給系の動作について説明する。
【0093】
まず配管56には常に一定圧力の窒素ガスが供給されており、電動バルブ57に作動信号を送ってバルブを解放することにより窒素ガスを配管55側に供給できるようになっている。電動バルブ57を解放させて配管55内に流入した窒素ガスはバブラータンク53底部の発泡部材54に達する。この発泡部材54内を通過する際に窒素ガスは多数の微細な経路を通って発泡部材54表面の多数の孔からバブラータンク53内に流れ込む。バブラータンク53内は溶剤で満たされており、発泡部材54表面から窒素ガスが溶剤側に移動する際に微細な泡を発生する。この泡が溶剤の上表面に達して弾ける際に溶剤の上部空間の空気と混ざり合い、霧状の溶剤を発生する。この霧状の溶剤は本管52を経由してパイプ50内に入り、パイプ50の側面に穿孔された開口部51,51,…からウエハWの表面に向けて噴霧される。
【0094】
次に吐出ヘッドにアクセスする搬送装置について説明する。
【0095】
上記吐出ヘッドHに対してウエハWを搬送する作業は搬送装置60により行われる。図3に示すように、この搬送装置60では、ウエハWを保持するためのテーブル61が回転駆動部63の回転軸62の上に水平に取り付けられており、回転駆動部63は搬送部64の上に固定されている。回転駆動部63にはテーブル61を回転軸62の回りのθ方向に回転させるための回転モータM1(図示省略)が内蔵されているため、テーブル61はθ方向に回転可能である。テーブル61には真空吸着、或いは機械的な挟持機構などの既知の手段によりウエハWを固定した状態で保持できるようになっている。また、回転駆動部63の内部にはテーブル61をZ方向に上下動させるモータM2(図示省略)が配設されている。
【0096】
一方、搬送部64には、底板80に対して図2のX方向とY方向に関して変位させる第2の移動装置としてのモータM3とM4がそれぞれ配設されている。例えば、第2の移動装置M3、M4としてはボールネジやステッピングモータなどの既知の機構を挙げることができる。本実施形態では、この第2の移動装置としてとしてX方向、Y方向、Z方向、及びθ方向のそれぞれの方向に移動させるステッピングモータ(図示省略)M1〜M4を用いて駆動している。
【0097】
そのため、この搬送装置60によりテーブル61上に保持されたウエハWはX方向、Y方向、Z方向及びθ方向に移動させることができる。なお、本実施形態では吐出ヘッドに対して搬送装置60が移動或いは作動することによりウエハWの位置決めを行なう構成としたが、吐出ヘッドH側が固定されたウエハWに対して移動する機構であってもよく、更に、搬送装置60及び吐出ヘッドHの双方が変位可能であり、両者が移動することによりウエハWと吐出ヘッドHとを相対的に変位させるようにしてもよい。
【0098】
このような構造を備えているため、搬送装置60は保持したウエハWを吐出ヘッドHに対してX方向、Y方向、及びZ方向について正確に位置決めできるとともに、θ方向にも回転することができるので、吐出ヘッドHに対してウエハWの上側表面のどの部分でも正確にセットすることができるようになっている。
【0099】
図7は本実施形態に係る薄膜形成装置の制御系を示したブロック図である。
【0100】
この図7に示したように、気体供給系S、モータ41、搬送装置60のモータM1〜M4、ディスペンサ30、洗浄装置71、乾燥装置72、溶剤供給系の電動バルブ57は制御装置100に接続されており、この制御装置100により統括的に制御されている。
【0101】
次に、上記のように構成された本実施形態の薄膜形成装置の動作を説明する。図8は本実施形態の薄膜形成装置の動作の流れを示したフローチャートである。
【0102】
本実施形態の薄膜形成装置のメインスイッチをオンにして装置を起動すると、まず図示しない搬送アームにより搬送装置60のテーブル61にウエハWが載置され、保持される(ステップ▲1▼)。
【0103】
次いで、搬送装置60が底板80上を移動して吐出ヘッドHに対してウエハWの位置決めを行なう(ステップ▲2▼)。この位置決めは吐出ヘッドHのノズル11の下側の吐出位置に対してウエハWの塗布すべき部分を正確にセットする作業であり、高い位置精度が必要となる。
【0104】
このステップ▲2▼と並行してボード20の貫通孔21にディスペンサ30から塗布剤の充填が行われ(ステップ▲3▼)、ボード20を移動して塗布剤が充填された貫通孔21の部分をノズル11の真下にセットする(ステップ▲4▼)。
【0105】
ウエハWの位置決めとボード20のセットが完了したら、気体供給系を作動させてノズル11に窒素ガスを供給し、ノズル11から窒素ガスを噴射させる(ステップ▲5▼)。
【0106】
噴射された窒素ガスはボード20の貫通孔21内のレジスト液を押し出し、ウエハWに向けて吐出させる。吐出したレジスト液はウエハWの表面上に付着する。
【0107】
次いで、制御装置100から電動バルブ57に作動信号が送られ、電動バルブ57が解放されると、上述したようにパイプ50の開口部51からウエハWの表面上に付着したレジスト液に向けて霧状の溶剤が噴霧される。(ステップ▲6▼)
窒素ガスが噴射されて、塗布剤の吐出と溶剤の噴霧が行われるごとに制御部100ではウエハWの塗布が必要な部分のうち未塗布部分が残っているか否かの判断が行われる(ステップ▲7▼)。なお、ウエハWの塗布が必要な部分と溶剤の噴霧量は端末装置などの入力装置(図示省略)を介して制御装置100の記憶装置に予め入力しておく。
【0108】
そして、未塗布部分が残っている場合には、ウエハWを更に移動して再度位置決めを行う(ステップ▲2▼)。
【0109】
一方、窒素ガスの噴射を受けた貫通孔21からは塗布剤がなくなるので順次ボード20を移動して塗布剤を充填し(ステップ▲3▼)、塗布剤を充填した貫通孔21の部分をノズル11真下の位置にセットする(ステップ▲4▼)
以下、前記と同様にして吐出を行ない(ステップ▲5▼)、塗布が必要な部分のうちの未塗布部分がなくなるまで上記の動作を繰り換えす。
【0110】
塗布が必要な部分についての塗布が完了すると、工程全体を終了させる。
【0111】
上記塗布工程と並行して、ボード20の貫通孔21内の塗布剤がなくなると、ボード20をクリーナ70側に移動させ、洗浄装置71で溶剤を噴射して洗浄し、更に乾燥装置72の方に洗浄したボード20を移動し、ここで温風を当てて乾燥する。そして清浄かつ乾燥したボード20を再びディスペンサ30の方に移動してここで再度塗布剤を貫通孔21に充填した後、ノズル11の下側に順次移動して塗布剤の供給に供する。
【0112】
なお、ステップ▲5▼とステップ▲6▼とを入れ替えることも可能であり、そのようにステップ▲6▼→ステップ▲5▼と移行する工程とすることで、より薄い膜を形成することができる。
【0113】
次に、窒素ガスを噴出してから溶剤の噴霧によりウエハW表面に塗膜が形成される様子を図9〜図13に従って説明する。
【0114】
図9は上記ステップ▲5▼でノズル11から窒素ガスを噴射した状態を示した垂直断面図である。
【0115】
図9に示すように、ノズル11で噴射された窒素ガスはボード20の貫通孔21内に充填された塗布剤RをウエハWに向けて吐出する。吐出された塗布剤RはウエハWに衝突し、このときの衝撃で図中上下方向の寸法(膜厚)が減少する一方、水平方向に広がるが、この段階では膜厚は目標とする値(0.4μm以下)より厚い。
【0116】
次にこのウエハW上に吐出された塗布剤Rに向けて溶剤が噴霧される(ステップ▲6▼)。図10は上記ステップ▲6▼で開口部51から霧状の溶剤を噴霧した状態を示した垂直断面図である。
【0117】
吐出された塗布剤Rに溶剤が噴霧されると、溶剤は塗布剤Rとその近傍のウエハ表面に付着する。塗布剤Rに付着した溶剤は塗布剤Rの表面を溶かしだす。
【0118】
その一方で、溶剤は表面張力が低く、ウエハW表面に馴染みやすいため、塗布剤R近傍からウエハW表面にかけて同心円状に広がりながらウエハW表面を覆う。図11は溶剤が塗布剤Rの表面を溶かしながらウエハW表面を水平方向に広がっていく状態を示した垂直断面図である。
【0119】
やがて溶剤に溶け出した塗布剤は溶剤と混じり合いながら更に水平方向に広がる。この状態を示したのが図12である。
【0120】
最終的には溶剤と塗布剤とが完全に均一な溶液となってウエハW表面に広がり、均一な薄い塗膜を形成する。この状態を示したのが図13である。この状態から更に溶剤が揮発することにより、縦方向の膜厚が減少して0.5μm以下の所望の膜厚、例えば0.2〜0.4μm程度の膜厚の塗膜が得られる。
【0121】
次に、ボード20の貫通孔21の間隔と塗膜の膜厚との関係について説明する。
【0122】
図14はノズル11近傍の垂直断面図である。
【0123】
一つの貫通孔21から吐出された塗布剤粒子RはウエハWの表面に当たると、その衝撃で水平方向に広がるとともに膜厚が低下するが、このとき塗膜の断面は曲線を描いており、ノズル11の真下の位置での膜厚が最大となり、この真下の位置から離れるほど膜厚は低下する。そのため、図14に示すように隣接する二つの貫通孔21と貫通孔21との間の距離を適当な値にすることにより、膜厚の薄い周縁部分同士が重なりあって全体として均一な膜厚の塗布膜が形成される。また、この原理を応用することにより、膜厚を調節することができる。即ち、ノズル11に対する搬送装置60の移動量を変化させると、順次吐出される塗布剤粒子の間隔が変化するため、上記で隣接する二つの貫通孔21と貫通孔21との間の間隔を変化させるのと同じ状態になる。例えば、搬送装置60の移動量を小さくすると、一回目の吐出でウエハW表面に形成される塗膜と、二回目の吐出で形成される塗膜との間隔が狭くなるため、二つの塗膜が重なる部分が大きくなり、塗膜の膜厚が厚くなる。
【0124】
反対に搬送装置60の移動量を大きくすると、一回目の吐出でウエハW表面に形成される塗膜と、二回目の吐出で形成される塗膜との間隔が広くなるため、二つの塗膜が重なる部分が小さくなり、塗膜の膜厚が薄くなる。この原理を利用することにより、搬送装置50の移動量を変化させることにより、塗膜の膜厚を調節することができる。
【0125】
また、搬送装置60の移動量を変化させる代わりにボード20の移動量を変化させることにより膜厚を調節することも可能である。例えば、ボード20の移動方向に直交方向に二列にノズル11を配設した場合を考えると、一回の噴射で貫通孔21内の塗布剤は二列分ずつ消費されるため、毎回塗布剤を吐出させるにはボード20の移動量を貫通孔21と貫通孔21との間隙dの倍の2dにする必要がある。この移動量を半分のdにすれば二列のノズル11のうち、下流側の一列のノズル11の真下には空の貫通孔21が対向するため、二列のノズル11から気体を噴射してもウエハWには一列分の塗布剤しか吐出されない。従って、ボード20の移動量を2dからdにすることにより塗布剤の吐出密度を半分にでき、それにより膜厚を調節することができる。
【0126】
以上、詳述したように、本実施形態に係る薄膜形成装置では、ボード20の複数の微細な貫通孔21に充填した塗布剤をノズル11から噴射されるガスの力で吐出させ、ウエハWの表面に当たるときの衝撃力で塗布剤粒子をウエハWの表面の方向に広げることにより所望の膜厚の塗膜を形成するようにしているので、ウエハWを回転させることなく塗膜を形成することができる。従って、ウエハWの回転により生じる空気の乱流の影響で膜厚が変動することもないので、従来のスピンコート法では得られなかった膜厚の極く薄い塗膜を形成することができる。
【0127】
また、本実施形態に係る薄膜形成装置では、塗布剤粒子の吐出位置に、塗膜を形成したいウエハWの部分が対向するように位置決めして塗布剤を吐出するようにしているので、不必要な部分にまで塗膜を形成するという無駄がない。従って、塗布剤の使用量を節約できる。また、塗膜の不必要な部分について塗膜を除去する作業も不要であるので、工程数を少なくできるとともに除去した塗膜が塵
(パーティクル)となってクリーンルーム内の清浄度を低下させるという弊害を未然に防止することができる。
【0128】
なお本発明は上記実施形態に限定されない。
【0129】
即ち、上記実施形態ではウエハWのレジスト塗布装置を例にして説明したが、それ以外の装置、例えば、マスクのレジスト塗布装置、LCD基板への塗布装置、ヒータ等の配線パターン形成装置などにも適用できる。
【0130】
また、上記実施形態ではウエハWに塗布剤を吐出させてから溶剤を噴霧する構成としたが、これとは反対に、溶剤を噴霧した後にその溶剤を噴霧したのと同じ位置に塗布剤を吐出させるようにしてもよい。
【0131】
上記実施形態ではボード20として長方形の板状部材を用い、これを一列に配置したディスペンサ30、ノズル11、洗浄装置61及び乾燥装置62の間を往復させる構成としたが、ボード20として円盤状のものを用い、ディスペンサ30、ノズル11、洗浄装置61及び乾燥装置62を円盤の中心の周りに円周状に配置して、この円盤状のボード20を回転するようにすることもできる。
【0132】
更に、ウエハWのみならず、LCD基板露光用マスク基板への塗膜形成や処理にも本発明が適用できることはいうまでもない。
【0133】
また、ヒータ等の配線パターンについても適用可能で、塗布膜に銀ペースト材を用いた2mm幅のヒーターパターン形成に適用した場合でも線幅、膜厚の均一性を確保でき、抵抗値バラツキが従来の5%から0.3%まで向上し、発熱量の分布を大幅に改善できた。
【0136】
請求項記載の本発明によれば、前記保持手段と前記板状部材とを対向させ、板状部材の貫通孔内の塗布剤を板状部材の背後から気体を噴射することにより飛翔させて被処理基板上に付着するようにしているので、被処理基板を回転させる必要がなく、極く薄い塗膜を形成することができる。
【0137】
更に、前記被処理基板の表面に溶剤を噴霧する手段を備えているので、噴霧する溶剤の量を変えることにより塗膜の膜厚を調節することができる。
【0138】
請求項記載の本発明によれば、前記保持手段に対して前記板状部材を移動させて被処理基板と板状部材とを対向させ、板状部材の貫通孔内の塗布剤を、板状部材の背後から気体を噴射することにより飛翔させて被処理基板上に付着するようにしているので、被処理基板を回転させる必要がなく、極く薄い塗膜を形成することができる。
【0139】
また、前記保持手段に対して前記板状部材を順次移動させながら所定の部分のみに塗布剤を付着させているので、被処理基板のうち必要な部分にのみ処理を施すことができる。
【0140】
更に、前記被処理基板表面に溶剤を噴霧する手段を備えているので、噴霧する溶剤の量を変えることにより塗膜の膜厚を調節することができる。
【0141】
請求項記載の本発明によれば、前記板状部材に対して前記保持手段を移動させて板状部材と被処理基板とを対向させ、板状部材の貫通孔内の塗布剤を、板状部材の背後から気体を噴射することにより飛翔させて被処理基板上に付着するようにしているので、被処理基板を回転させる必要がなく、極く薄い塗膜を形成することができる。
【0142】
また、前記板状部材に対して前記保持手段を順次移動させながら所定の部分のみに塗布剤を付着させているので、被処理基板のうち必要な部分にのみ処理を施すことができる。
【0143】
更に、前記被処理基板表面に溶剤を噴霧する手段を備えているので、噴霧する溶剤の量を変えることにより塗膜の膜厚を任意の場所で調節することができる。
請求項記載の本発明によれば、先端が前記板状部材に向くように板状部材の背後に配置されたノズルに対して保持部材と板状部材とを移動させて被処理基板の所定部位を前記ノズルに対向させ、板状部材の貫通孔に充填した塗布剤を前記ノズルから噴出する気体により飛翔させて被処理基板上に付着するようにしているので、被処理基板を回転させる必要がなく、極く薄い塗膜を形成することができる。
【0144】
また、前記被処理基板を順次移動させながら前記所定部位のみに塗布剤を付着させているので、被処理基板のうち必要な部分にのみ塗膜を形成することができる。
【0145】
更に、前記板状部材と前記保持部材との間に被処理基板の所定部位に向けられた開口部を設け、この開口部に溶剤供給系から霧状の溶剤を供給して前記所定部位に溶剤を噴霧するようにしているので、噴霧する溶剤の量を変えることにより任意の場所で塗膜の膜厚を調節することができる。
【0146】
請求項記載の本発明によれば、先端が前記板状部材に向くように板状部材の背後に配置されたノズルに対して保持部材と板状部材とを移動させて被処理基板の所定部位を前記ノズルに対向させ、板状部材の貫通孔に充填した塗布剤を前記ノズルから噴出する気体により飛翔させて被処理基板上に付着するようにしているので、被処理基板を回転させる必要がなく、極く薄い塗膜を形成することができる。
【0147】
また、前記被処理基板を順次移動させながら前記所定部位のみに塗布剤を付着させているので、被処理基板のうち必要な部分にのみ塗膜を形成することができる。
【0148】
更に、この薄膜形成装置では、前記第1の移動装置の駆動量を調節したり、前記溶剤供給系から供給する溶剤の量を調節することにより塗膜の膜厚を調節する膜厚調節装置を具備しているので、任意の場所で塗膜の膜厚を調節することができる。
【0149】
請求項記載の本発明によれば、先端が前記板状部材に向くように板状部材の背後に配置されたノズルに対して保持部材と板状部材とを移動させて被処理基板の所定部位を前記ノズルに対向させ、板状部材の貫通孔に充填した塗布剤を前記ノズルから噴出する気体により飛翔させて被処理基板上に付着するようにしているので、被処理基板を回転させる必要がなく、極く薄い塗膜を形成することができる。
【0150】
また、前記被処理基板を順次移動させながら前記所定部位のみに塗布剤を付着させているので、被処理基板のうち必要な部分にのみ塗膜を形成することができる。
【0151】
更に、この薄膜形成装置では、前記第2の移動装置の駆動量を調節したり、前記溶剤供給系から供給する溶剤の量を調節することにより塗膜の膜厚を調節する膜厚調節装置を具備しているので、任意の場所で塗膜の膜厚を調節することができる。
【0152】
請求項記載の本発明によれば、先端が前記板状部材に向くように板状部材の背後に配置されたノズルに対して保持部材と板状部材とを移動させて被処理基板の所定部位を前記ノズルに対向させ、板状部材の貫通孔に充填した塗布剤を前記ノズルから噴出する気体により飛翔させて被処理基板上に付着するようにしているので、被処理基板を回転させる必要がなく、極く薄い塗膜を形成することができる。
【0153】
また、前記被処理基板を順次移動させながら前記所定部位のみに塗布剤を付着させているので、被処理基板のうち必要な部分にのみ塗膜を形成することができる。
【0154】
更に、この薄膜形成装置では、前記気体供給系から前記ノズルに供給する気体の流速を調節したり、前記溶剤供給系から供給する溶剤の量を調節することにより塗膜の膜厚を調節する膜厚調節装置を具備しているので、任意の場所で塗膜の膜厚を調節することができる。
【0155】
請求項記載の本発明によれば、先端が前記板状部材に向くように板状部材の背後に配置されたノズルに対して保持部材と板状部材とを移動させて被処理基板の所定部位を前記ノズルに対向させ、板状部材の貫通孔に充填した塗布剤を前記ノズルから噴出する気体により飛翔させて被処理基板上に付着するようにしているので、被処理基板を回転させる必要がなく、極く薄い塗膜を形成することができる。
【0156】
また、前記被処理基板を順次移動させながら前記所定部位のみに塗布剤を付着させているので、被処理基板のうち必要な部分にのみ塗膜を形成することができる。
【0157】
更に、この薄膜形成装置では、前記気体供給系から気体を供給されるノズルの数を調節したり、前記溶剤供給系から供給する溶剤の量を調節することにより塗膜の膜厚を調節する膜厚調節装置を具備しているので、任意の場所で塗膜の膜厚を調節することができる。
【0158】
請求項記載の本発明によれば、先端が前記板状部材に向くように板状部材の背後に配置されたノズルに対して保持部材と板状部材とを移動させて被処理基板の所定部位を前記ノズルに対向させ、板状部材の貫通孔に充填した塗布剤を前記ノズルから噴出する気体により飛翔させて被処理基板上に付着するようにしているので、被処理基板を回転させる必要がなく、極く薄い塗膜を形成することができる。
【0159】
また、前記被処理基板を順次移動させながら前記所定部位のみに塗布剤を付着させているので、被処理基板のうち必要な部分にのみ塗膜を形成することができる。
【0160】
更に、この薄膜形成装置では、前記板状部材に充填する塗布剤の充填密度を調節したり、前記溶剤供給系から供給する溶剤の量を調節することにより塗膜の膜厚を調節する膜厚調節装置を具備しているので、任意の場所で塗膜の膜厚を調節することができる。
【0161】
請求項10記載の本発明によれば、被処理基板を移動させて前記気体噴射手段に前記被処理基板の所定部位を対向させ、前記気体噴射手段と被処理基板との間に配設した板上部材の貫通孔に充填した塗布剤を前記気体噴射手段から噴射する気体により飛翔させて被処理基板上に付着するようにしているので、被処理基板を回転させる必要がなく、極く薄い塗膜を形成することができる。
【0162】
また、被処理基板を順次移動させながら所定部位のみに塗布剤を付着させるようにしているので、被処理基板のうち必要な部分にのみ塗膜を形成することができる。
【0163】
更に、前記被処理基板の所定部位に溶剤を噴霧して被処理基板上に吐出された塗布剤を希釈するようにしているので、噴霧する溶剤の量を変化させることにより塗膜の膜厚を調節することができる。
【0164】
請求項11記載の本発明によれば、被処理基板を移動させて前記気体噴射手段に前記被処理基板の所定部位を対向させ、前記気体噴射手段と被処理基板との間に配設した板上部材の貫通孔に充填した塗布剤を前記気体噴射手段から噴射する気体により飛翔させて被処理基板上に付着するようにしているので、被処理基板を回転させる必要がなく、極く薄い塗膜を形成することができる。
【0165】
また、被処理基板を順次移動させながら所定部位のみに塗布剤を付着させるようにしているので、被処理基板のうち必要な部分にのみ塗膜を形成することができる。
【0166】
更に、前記被処理基板の所定部位に溶剤を予め噴霧しておき、被処理基板上に塗布剤が吐出された後にこの塗布剤を希釈するようにしているので、噴霧する溶剤の量を変化させることにより任意の場所で塗膜の膜厚を調節することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る薄膜形成装置の概略構成を模式的に示した斜視図である。
【図2】本実施形態に係る薄膜形成装置の平面図である。
【図3】本実施形態に係る薄膜形成装置を水平方向から見た図である。
【図4】本実施形態に係る吐出ヘッドの垂直断面を拡大した図である。
【図5】本実施形態に係る薄膜形成装置のノズル近傍の垂直断面である。
【図6】本実施形態に係る溶剤供給系を模式的に示した図である。
【図7】本実施形態に係る薄膜形成装置の制御系を示したブロック図である。
【図8】本実施形態の薄膜形成装置の動作の流れを示したフローチャートである。
【図9】本実施形態の薄膜形成装置のノズルから窒素ガスを噴射したときの状態を示した垂直断面である。
【図10】本実施形態の薄膜形成装置の開口部から霧状の溶剤を噴霧した状態を示した垂直断面図である。
【図11】本実施形態に係る開口部から噴霧した溶剤がウエハW表面を広がっていく状態を示した垂直断面図である。
【図12】本実施形態に係る開口部から噴霧した溶剤が塗布剤を溶かしながら水平方向に広がる状態を示した図である。
【図13】本実施形態係る開口部から噴霧した溶剤と塗布剤とが完全に均一な溶液となってウエハW表面に広がった状態を示した図である。
【図14】本実施形態に係る薄膜形成装置のノズル近傍の垂直断面図である。
【符号の説明】
W ウエハ
11 ノズル
20 ボード
21 貫通孔
30 ディスペンサ
41 移動モータ
M1〜M4 モータ
60 搬送装置
100 制御装置
50 パイプ
51 開口部

Claims (11)

  1. 被処理基板を保持する保持手段と、
    前記保持手段と相対する位置に配設され、貫通孔が設けられた板状部材と、
    前記貫通孔に塗布剤を充填する手段と、
    前記板状部材の背後から前記貫通孔に気体を噴射する手段と、
    前記被処理基板の表面に溶剤を噴霧する手段と、
    を具備することを特徴とする薄膜形成装置。
  2. 請求項1記載の薄膜形成装置であって、前記保持手段に対して前記板状部材を移動させる手段をさらに具備することを特徴とする薄膜形成装置。
  3. 請求項1記載の薄膜形成装置であって、前記板状部材に対して前記保持手段を移動させる手段をさらに具備することを特徴とする薄膜形成装置。
  4. 被処理基板を保持する保持部材と、
    前記保持部材と相対する位置に配設され、貫通孔が設けられた板状部材と、
    先端が前記板状部材に向くように板状部材の背後に配置されたノズルと、
    前記ノズルに対して前記保持部材及び板状部材の位置を移動させる手段と、
    前記板状部材の貫通孔に塗布剤を充填する手段と、
    前記ノズルに気体を供給する気体供給系と、
    前記板状部材と前記保持部材との間に配設され、被処理基板の所定部位に向けられた開口部と、
    前記開口部に霧状の溶剤を供給する溶剤供給系と、
    を具備することを特徴とする薄膜形成装置。
  5. 被処理基板を保持する保持部材と、
    前記保持部材と相対する位置に配設され、貫通孔が設けられた板状部材と、
    先端が前記板状部材に向くように板状部材の背後に配置されたノズルと、
    前記ノズルに対して前記保持部材の位置を移動させる第1の移動装置と、
    前記板状部材の貫通孔に塗布剤を充填する充填装置と、
    前記ノズルに対して前記板状部材の位置を移動させる第2の移動装置と、
    前記ノズルに気体を供給する気体供給系と、
    前記板状部材と前記保持部材との間に配設され、被処理基板の所定部位に向けられた開口部と、
    前記開口部に霧状の溶剤を供給する溶剤供給系と、
    前記第1及び第2の移動装置並びに前記充填装置を前記気体供給系の気体の噴射に同期して駆動し、前記被処理基板の所定部位に塗膜を形成させる制御装置と、
    前記第1の移動装置の駆動量を調節するとともに前記溶剤供給系から供給する溶剤の量を調節して塗膜の膜厚を調節する膜厚調節装置と、
    を具備することを特徴とする薄膜形成装置。
  6. 被処理基板を保持する保持部材と、
    前記保持部材と相対する位置に配設され、貫通孔が設けられた板状部材と、
    先端が前記板状部材に向くように板状部材の背後に配置されたノズルと、
    前記ノズルに対して前記保持部材の位置を移動させる第1の移動装置と、
    前記板状部材の貫通孔に塗布剤を充填する充填装置と、
    前記ノズルに対して前記板状部材の位置を移動させる第2の移動装置と、
    前記ノズルに気体を供給する気体供給系と、
    前記板状部材と前記保持部材との間に配設され、被処理基板の所定部位に向けられた開口部と、
    前記開口部に霧状の溶剤を供給する溶剤供給系と、
    前記第1及び第2の移動装置並びに前記充填装置を前記気体供給系の気体の噴射に同期して駆動し、前記被処理基板の所定部位に塗膜を形成させる制御装置と、
    前記第2の移動装置の駆動量を調節するとともに前記溶剤供給系から供給する溶剤の量を調節して塗膜の膜厚を調節する膜厚調節装置と、
    を具備することを特徴とする薄膜形成装置。
  7. 被処理基板を保持する保持部材と、
    前記保持部材と相対する位置に配設され、貫通孔が設けられた板状部材と、
    先端が前記板状部材に向くように板状部材の背後に配置されたノズルと、
    前記ノズルに対して前記保持部材の位置を移動させる第1の移動装置と、
    前記板状部材の貫通孔に塗布剤を充填する充填装置と、
    前記ノズルに対して前記板状部材の位置を移動させる第2の移動装置と、
    前記ノズルに気体を供給する気体供給系と、
    前記板状部材と前記保持部材との間に配設され、被処理基板の所定部位に向けられた開口部と、
    前記開口部に霧状の溶剤を供給する溶剤供給系と、
    前記第1及び第2の移動装置並びに前記充填装置を前記気体供給系の気体の噴射に同期して駆動し、前記被処理基板の所定部位に塗膜を形成させる制御装置と、
    前記気体供給系から前記ノズルに供給する気体の流速を調節するとともに前記溶剤供給系から供給する溶剤の量を調節して塗膜の膜厚を調節する膜厚調節装置と、
    を具備することを特徴とする薄膜形成装置。
  8. 被処理基板を保持する保持部材と、
    前記保持部材と相対する位置に配設され、貫通孔が設けられた板状部材と、
    先端が前記板状部材に向くように板状部材の背後に配置されたノズルと、
    前記ノズルに対して前記保持部材の位置を移動させる第1の移動装置と、
    前記板状部材の貫通孔に塗布剤を充填する充填装置と、
    前記ノズルに対して前記板状部材の位置を移動させる第2の移動装置と、
    前記ノズルに気体を供給する気体供給系と、
    前記板状部材と前記保持部材との間に配設され、被処理基板の所定部位に向けられた開口部と、
    前記開口部に霧状の溶剤を供給する溶剤供給系と、
    前記第1及び第2の移動装置並びに前記充填装置を前記気体供給系の気体の噴射に同期して駆動し、前記被処理基板の所定部位に塗膜を形成させる制御装置と、
    前記気体供給系から気体を供給されるノズルの数を調節するとともに前記溶剤供給系から供給する溶剤の量を調節して塗膜の膜厚を調節する膜厚調節装置と、
    を具備することを特徴とする薄膜形成装置。
  9. 被処理基板を保持する保持部材と、
    前記保持部材と相対する位置に配設され、貫通孔が設けられた板状部材と、
    先端が前記板状部材に向くように板状部材の背後に配置されたノズルと、
    前記ノズルに対して前記保持部材の位置を移動させる第1の移動装置と、
    前記板状部材の貫通孔に塗布剤を充填する充填装置と、
    前記ノズルに対して前記板状部材の位置を移動させる第2の移動装置と、
    前記ノズルに気体を供給する気体供給系と、
    前記板状部材と前記保持部材との間に配設され、被処理基板の所定部位に向けられた開口部と、
    前記開口部に霧状の溶剤を供給する溶剤供給系と、
    前記第1及び第2の移動装置並びに前記充填装置を前記気体供給系の気体の噴射に同期して駆動し、前記被処理基板の所定部位に塗膜を形成させる制御装置と、
    前記充填装置が前記搬送ボードに充填する塗布剤の充填密度を調節するとともに前記溶剤供給系から供給する溶剤の量を調節して塗膜の膜厚を調節する膜厚調節装置と、
    を具備することを特徴とする薄膜形成装置。
  10. 板状部材の貫通孔に塗布剤を充填する工程と、
    塗布剤を充填した前記板状部材の貫通孔を気体噴射位置まで移動させる工程と、
    被処理基板の所定部位を前記気体噴射位置まで移動させる工程と、
    塗布剤を充填した前記板状部材の貫通孔の背後から気体を噴射する工程と、
    前記被処理基板の所定部位に溶剤を噴霧する工程と、
    を具備することを特徴とする薄膜形成方法。
  11. 板状部材の貫通孔に塗布剤を充填する工程と、
    塗布剤を充填した前記板状部材の貫通孔を気体噴射位置まで移動させる工程と、
    被処理基板の所定部位を前記気体噴射位置まで移動させる工程と、
    前記被処理基板の所定部位に溶剤を噴霧する工程と、
    塗布剤を充填した前記板状部材の貫通孔の背後から気体を噴射する工程と、
    を具備することを特徴とする薄膜形成方法。
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