JP3573265B2 - パケットを無線デバイスに送信するステップ - Google Patents

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    • H04W80/04Network layer protocols, e.g. mobile IP [Internet Protocol]

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はインターネット及び他のパケットベースのネットワークに関し、特に、移動体デバイス(モバイルデバイス)によるパケットベースネットワークへの無線アクセス方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
通信ノードと移動体デバイス(モバイルデバイス)との間のインターネットを介した無線アクセスに関するサポートについては、“移動体でのIPサポート”という表題のインターネットエンジニアリングタスクフォース(IETF)提案(C.E.Perkins編、リクエスト・フォー・コメント(RFC)2002(1996年10月、以降、本明細書においては“モバイルIP”として指し示す))にその概要が述べられている。モバイルIPを用いることによって、各々のモバイルデバイスは、そのインターネットへの接続点にかかわらず、固定されたホームアドレス及び関連するホームエージェントによって常に識別される。通信ノードからモバイルデバイスへ送出されるパケットは、ホームエージェント宛に回される。移動装置がホームドメインから離れている場合には、ホームエージェントは、パケットをこの移動装置に関連する外部エージェントにトンネリング(通過)する。
【0003】
IPパケットは、IPパケットヘッダとして用いることのできるパケットの40バイトでその大きさが限られている。このIPヘッダは、ソースアドレスとデスティネーション(宛先)アドレスとを有する。対応するノードは、IPヘッダのソースアドレスとして設定され、移動装置はIPヘッダデスティネーションアドレスとして設定される。限られたパケットサイズの残りの部分は、データペイロード用に用いることができる。ホームエージェントをホストするノードで、パケットを受信し、移動装置がホームドメインから離れているときには、ホームエージェントは、IPパケットをインターセプトし、このIPパケットに添付されたIPヘッダデスティネーションアドレスとソースアドレスを組み込み、この組み込まれたパケットをIP−in−IPトンネル形式で埋め込まれたパケットを、外部エージェントに転送する。
【0004】
この組み込まれたパケットは、元の40バイトのIPヘッダと、10バイトの添付したIPヘッダソースアドレス(フォームエージェントのIPアドレスにより指定される)と、10バイトの添付したIPヘッダデスティネーションアドレス(外部エージェントのIPアドレスで指定される)からなり、この限られたパケットサイズの残りの部分は、データペイロード用に利用できる。組み込まれたパケットのデータペイロード部分は、トンネリング用に組み込まれなかったパケット内のデータペイロード用に利用できるものよりも20バイト少ない。その後、この組み込まれたパケットは、外部エージェントにトンネリングされる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
トンネリング用に用いられる、組み込まれたアドレスを含めることにより、少なくとも2つの好ましくない影響がある。第1の影響は、カプセル化するヘッダアドレスの追加は、パケットのオーバーヘッドをさらに含むために、パケットの伝送効率を減少させ、利用可能なデータペイロード部分が減少することである。第2の影響は、最大サイズのパケットが移動装置にトンネリングするために、ホームエージェントによりインターセプトされると、ホームエージェントは、インターネット制御メッセージプロトコル(internet control message protocol:ICMP)エラーメッセージを、対応するノードに戻し、トンネリングのヘッダの追加が、フラグメンテーション(fragmenntation)を必要とすることを指示する点である。その後、この対応するノードが、パケットのデータペイロードサイズを制限し、再度転送する。そのため、対応するノードからホームエージェントにパケットを転送するための、往復時間が必要とされる。この影響は、対応するノードから移動装置へ、ウェブ転送を行うために、移動装置IPトンネリングスキーム(Mobile IP tunneling scheme)を用いるとき、特に顕著で、その結果、500ミリ秒のさらなる遅れが発生する。これは、ウェブのページトランスファーは、転送を行うために複数の伝送制御プロトコル、トランスミッション制御コントロールプロトコル(Transmission Control Protocol:TCP)のダウンロードを必要とするからである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
パケットの遅延と、トンネリングのオーバーヘッドは、パケットがホームエージェントから移動装置の外部エージェントに、各パケットを余分のソースアドレスとデスティネーションアドレスでもって組み込むことなく、ホームエージェントにおけるパケットのデスティネーションアドレスを置換することにより転送される。本発明の一実施例においては、外部エージェントは、移動装置と共通場所に配置される。移動装置が新たな外部エージェントを獲得したときには、移動装置は、ホームエージェントに対し、外部エージェントに対応するアドレスを通知する。
【0007】
移動装置を有するホームエージェントが、パケットのヘッダデスティネーションアドレスとして受信したパケットは、余分のソースアドレスとデスティネーションアドレスとが組み込まれていない。パケットヘッダは、解析され、外部エージェントのアドレスが移動装置のアドレスの代わりに用いられ、パケットは、外部エージェントに転送される。この外部エージェントは、パケットを受信すると、外部エージェントのアドレスを取り除き、移動装置のアドレスをパケットヘッダアドレスとして置き換える。その後このパケットは、移動装置に転送される。
【0008】
パケットヘッダデスティネーションアドレスを交換することにより2つの利点がある。第1の利点は、組み込むヘッダアドレスを必要とせずまた使用されることもないので、ホームエージェントから外部エージェントに転送されるパケットのパケットヘッダサイズが増えることはない。そのため、パケットの伝送効率は、移動IPトンネリング用に用いられる系に比較すると改善する。第2の利点は、パケットのペイロードサイズは、ホームエージェントから外部エージェントに転送されるパケットに対しては減少しないので、ホームエージェントは、ICMPエラーメッセージを対応するノードに戻すことはなく、そのため、データペイロードサイズが減少したパケットを再度転送する必要はない点である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明は、例えばインターネットやイントラネットなどのインターネットプロトコル(IP)ベースのネットワークへの無線アクセスに関して用いられる実施例を用いて記述されるが、本明細書に記載されている実施例は例示目的のみのものであって本発明を限定するものではない。本発明は、モバイルデバイスからのあらゆるパケットベースネットワークへの無線アクセスに関して等しく適用可能である。
【0010】
図1は、従来技術に係る、モバイルデバイスからのインターネットプロトコル(IP)ベースのネットワークへのモバイルIP無線アクセスを実現するために用いられているアーキテクチャ例を示している。通信ノード110は、サービスプロバイダ112を介してインターネット100にアクセスしているように描かれている。通信ノードは、移動体かあるいは固定かのいずれかである。モバイルデバイス114を用いる移動体ユーザは、基地局BS1に近接して描かれており、基地局BS1との間に設定された接続を保っている。モバイルデバイスは、無線ホストあるいはルータであって、その接続点をあるネットワークもしくはサブネットから別のものに変更することが可能である。モバイルデバイス114にはホームエージェント118が関連づけられており、ホームエージェント118はサービスプロバイダ116を介してインターネット100にアクセスするように示されている。ホームエージェントはノードあるいはルータによってインプリメントされ、モバイルデバイスがホームから離れている場合には当該モバイルデバイス宛に伝達する目的でパケットを通過させ、当該モバイルデバイスに係る現時点での位置情報を管理している。
【0011】
さらに図示されているのがルータであり、インターネットと複数個の基地局間でパケットをルーティングする目的で使用される。詳細に述べれば、ルータR1は、ルータR2及びR3に対するインターフェースとして機能している。ルータR2は、基地局BS1及びBS2に対するインターフェースとして機能している。同様に、ルータR3は、基地局BS3及びBS4に対するインターフェースとして機能している。モバイルIPの観点及び本明細書の以下の部分全てにおいては、基地局は従来技術に係る無線基地局に関連する全ての機能を含んでおり、さらに、従来技術に係るルータに関連する機能も含むものとする。この二重機能性は、ルータ及び基地局を統合するという方法、あるいは、個別のルータ及び基地局を双方の間でパケットを交換するように適切にインターフェースする方法のいずれかで実現されうる。後者の場合には、ルータ部分及び基地局部分が通常同一箇所に配置されるが、必ずもそうである必要はない。
【0012】
モバイルIPによって実現されるIP移動性サポートは、現在どの点からインターネットに接続されているかにかかわらず、各々のモバイルデバイスが常にそのホームアドレスによって識別されることが特徴である。常にホームから離れている場合においても、モバイルデバイスには気付アドレス(care−of address)も関連付けられており、その現時点でのインターネットへの接続点に係る情報を提供する。モバイルIPは、気付アドレスのホームエージェントへの登録を必要とする。ホームエージェントは、モバイルデバイス宛のパケットをIP−in−IPカプセル化済みパケット内で気付アドレス宛に通過させる。IP−in−IPパケットが気付アドレスに到着すると、付加されたIPアドレスが除去されて元のパケットデータが適切なモバイルデバイス宛に伝達される。気付アドレスは、モバイルデバイス宛に転送されたパケットの、モバイルデバイスがホームから離れて存在する場合のモバイルデバイスへのトンネリングの終端点である。
【0013】
モバイルIP方式の動作の一例として、モバイルデバイス114が、図1に示されているように、位置1から位置4まで順次移動するのに連れて、そのインターネットへの接続点を(ハンドオフを介して)基地局BS1からBS4へ変更する場合を考える。基地局BS1の近傍にいる場合には、通信ノード110からモバイルデバイス114宛に送出されたパケットは、まずモバイルデバイスのホームエージェント118へ送出される。ホームエージェント118は各々のパケットを基地局BS1に係る対応するアドレス宛に通過させる。モバイルデバイスがハンドオフを行なって基地局BS2に接続されると、そのインターネットへの接続点は基地局BS2に対応するアドレスに変更される。この時点では、ホームエージェントはモバイルデバイス114宛のパケットを基地局BS2へ通過させる。このルーティング変更をインプリメントするためには、ホームエージェント118に対して、接続点が変更されたことを知らせる通知がなされなければならない。ホームエージェントは、この通知を受信すると、設定済みのルーティングテーブルを更新し、モバイルデバイス114宛のそれ以降のパケットは基地局BS2へと通過させられることになる。基地局BS3及びBS4へのハンドオフも同様に取り扱われる。このような伝達方式は、三角ルーティングとして知られている。モバイルIP及びホームエージェントを用いる三角ルーティング方式は、モバイルデバイスがそのインターネットへの接続点をあるIPサブネットから別のIPサブネットに変更する場合のような、マクロ的な移動性を実現するための手段としては効率的である。しかしながら、モバイルIPは、共通のサブネット内での、それぞれ非常に狭い地形的な領域をカバーしている無線トランシーバ間でのハンドオフのような、ミクロ的な接続性を実現するためにはあまり効率的ではない。
【0014】
最近、モバイルIPプロトコルへの拡張が、“モバイルIPのルート最適化”という表題のインターネットエンジニアリングタスクフォース提案の草稿(C.E.Perkins編、インターネットドラフト−ワークインプログレス(1997年11月))で発表された。このルート最適化拡張は、ホームエージェント宛に転送されることなくパケットが通信ノードからモバイルデバイス宛にルーティングされるための手段を提案している。ルート最適化拡張は、通信ノード110がモバイルデバイス114に係るバインドをキャッシュし、そのバインドに示された気付アドレス宛にパケットを直接送出することによって、モバイルデバイスのホームエージェント118をバイパスする。この提案を用いることによって、パケットは、ハンドオフ間の中断を低減する目的で、旧基地局の外部エージェントから新基地局の外部エージェント宛に転送される。しかしながら、モバイルデバイスの気付アドレスは、モバイルデバイスが基地局間でハンドオフするたび毎に変更されてしまう。例えば、モバイルデバイス114が基地局BS1(旧基地局)から基地局BS2(新基地局)にハンドオフすると仮定する。ルート最適化拡張は、(サービスを提供している基地局に係る)現在の外部エージェントに対する気付アドレスをバインドするため、気付アドレスはBS1からBS2に変更される。このような方式は、ミクロ的な移動性を改善するが、モバイルデバイス114のハンドオフのたび毎に、ホームエージェント118及び通信ノード110への通知が不可避である。
【0015】
モバイルデバイスがホームネットワーク(すなわち、モバイルデバイスのホームエージェントが位置するのと同一のネットワーク)内に存在する場合には、モバイルデバイス宛のパケットはホームエージェントによってインターセプトされる。ホームエージェントは、それらのパケットを通常のIPパケットとしてルーティングし、モバイルデバイスが通常接続されているローカルエリアネットワーク宛に送出する。それゆえ、モバイルIPは、ルート最適化拡張が用いられるか否かにかかわらず、ローカルサブネット内の移動性をサポートしない。モバイルデバイスがローカルサブネット内でその接続点を変更する場合には、その変更はリンク層修正技法によるか、あるいは、モバイルデバイス宛のパケットをそのローカルサブネットに接続されている全ての基地局宛にブロードキャストするかのいずれかによって取り扱われなければならない。リンク層を取り扱うことは受容され得ないほどの遅延やパケットロスを招く可能性があり、全基地局宛にパケットをブロードキャストすることは帯域利用の面で非効率的である。
【0016】
ローカル移動性ドメイン
今日の広域IPネットワークは、通常、それぞれ独立した主体によって管理されている複数個のサブネットに分割されており、各々の主体はそれぞれのサブネット内で独立のローカルプロトコルを用いて動作しているが、それぞれのサブネットの外部に対するインターフェースとして標準的なプロトコルを認証している。本発明は、本発明は、主体によって制御されているサブネット(例えば、インターネットにアクセスするルートルータを有し複数個の基地局に対してサービスを提供しているセルラーサービスプロバイダ)に係る自然な独立性及び自律性を、複数個のドメインを分類・規定することによって利用する。各々のドメインは、実際にはローカルサブネットである。各々のドメインは、インターネットへのアクセスを行なうルートルータを管理しており、ドメイン内の全ルータは共通のローカルプロトコルを利用する。
【0017】
本発明は、規定されたドメイン内で共通のルートルータを有するルータを分類する際に、モバイルユーザの基地局間の移動性は、通常、ローカライズされた事象である(すなわち、大部分のハンドオフは物理的に隣接している基地局間で発生し、共通のルートルータを介してインターネットに接続されている共通のサービスプロバイダによって管理されて操作されている)という事実を利用する。
【0018】
本発明を用いることによって、移動中のモバイルデバイスが割り当てられたホームドメイン内のある基地局から当該割り当てられたホームドメイン内の別の基地局へとハンドオフされる場合に、当該ホームドメイン内の選択されたルータが、その変更を反映する目的で純粋にローカルなレベルでの(すなわち、当該ホームドメイン内のルータのみの)特別の経路設定メッセージを用いて関連するルーティングテーブルを更新する。よって、ルータ間のメッセージング及びシグナリングは最少化される。なぜなら、更新はローカルドメインベースレベルのみでなされ、さらに、選択されたルータのみ(すなわち、ルーティングテーブルの更新が必要とされるルータのみ)に対するものであるからである。さらに、モバイルIPを用いる場合には、パケットがホームドメイン内に含まれる全ての基地局宛にブロードキャストされるか、あるいは単一の基地局を指示するためにリンク層アドレッシングが必要とされていたのに対して、本発明は、パケットを単一の基地局へ導くためにホームドメインルータの個別のルーティングテーブルを更新する。IP層ルーティングはエンド−ツー−エンドで用いられるため、IP層QoSメカニズムが本発明と共に用いられうる。
【0019】
しかしながら、移動中のモバイルデバイスが割り当てられたホームドメイン内のある基地局から外部ドメインに属する別の基地局へハンドオフされる場合には、パケットはホームエージェントから当該外部ドメイン内のモバイルデバイスに対して割り当てられた気付アドレスに対して通過(トンネリング)させられる。外部ドメイン内のミクロ的な移動性は、モバイルデバイスがその外部ドメインに係る基地局を介してインターネットに接続されている期間全体を通して当該モバイルデバイス対する同一の気付アドレスを保持することによって、そのドメインに係る基地局間で実行されたハンドオフの回数にかかわらずに実現される。その代わり、ホームドメイン内で実行されるハンドオフに関連して記述されているように、その外部ドメイン内の選択されたルータのルーティングテーブルが、その変更を反映する目的で純粋にローカルなレベルでの(すなわち、当該外部ドメイン内のルータのみの)特別の経路設定メッセージを用いて更新される。よって、外部エージェントとホームエージェントの間のメッセージング及びシグナリングが最少化される。なぜなら、、更新はローカルドメインベースレベルのみでなされ、さらに、選択されたルータのみ(すなわち、ルーティングテーブルの更新が必要とされるルータのみ)に対するものであるからである。よって、外部ドメイン内の基地局間のハンドオフは、モバイルユーザのホームエージェント及び通信ノードに対しては、実質的にトランスペアレント(透過的)である。
【0020】
図2は、本発明に従った、ハンドオフ認識無線アクセスインターネットインフラストラクチャ(HAWAII)に関するドメインベースアーキテクチャを模式的に示した図である。HAWAIIをインプリメントするために、無線ネットワークの有線アクセス部分が複数個のドメインに分割されている。各々のドメインは共通のルートルータを有しており、そのルートルータを通じてそのドメイン内の基地局に接続されたモバイルユーザ宛の全てのパケットが転送される。詳細に述べれば、図2においては、無線ネットワークの有線アクセス部分が二つのドメイン、ドメイン1及びドメイン2に分割されている。ドメイン1は、基地局BS5、BS6、あるいはBS7に接続されたモバイルデバイス宛の全てのパケットがルーティングされる場合に通過するルートルータを有している。具体的には、ルータR4及びR5が、適切な基地局宛にパケットを転送する目的で用いられるドメイン1内のダウンストリームルータとして示されている。この実施例においては、ドメイン1は、モバイルデバイス114にサービスを提供するホームドメインを表わすサブネットを包含するものとして規定されている。ホームエージェント152はルートルータ150に組み込まれている。この実施例においては、ホームエージェント152がルートルータ150内に存在するプロセッサ及びメモリの機能を利用してルートルータ内でインプリメントされているが、ホームエージェント152を、パーソナルコンピュータで利用可能なもののようなプロセッサ及びメモリを用いて、個別にインプリメントしてルートルータと同一箇所に配置することも可能であることは当業者には明らかである。さらに、ホームエージェントは、ルートルータと共にインプリメントされる必要は必ずしも無い、すなわち、ホームエージェントは、ホームドメイン内の(基地局を含む)他のルータと通信することが可能なあらゆるローカルルータもしくはノードにインプリメントされることが可能である。ドメイン2は、ドメイン1に組み込まれていない基地局にサービスを提供する第二ドメインを表現するサブネット例として提示されている。それゆえ、ドメイン2は外部ドメインを代表していることになる。ドメイン2に組み込まれているのは、単一あるいは複数個の基地局に対してサービスを提供する複数個のルータである。例示目的で、ルータR6がドメイン2に係るルートルータとして示されており、BS8はドメイン2に属するルータを介してサービスを提供されている基地局のうちの一つとして示されている。ルータR6は、ドメイン2をその関連づけられたホームドメインとして有するモバイルデバイスに対するホームエージェント及びルートルータとしての機能を有するように設定されており、よって、ドメイン2は、ルートルータ150内にホームエージェント機能を有するモバイルデバイスに関しては外部ドメインである一方、同時に、ルータR6内にホームエージェント機能を有するモバイルデバイス(図示せず)に対するホームドメインでもある。それ以外のドメイン(図2には示されていない)の各々は、共通のルートルータを介してインターネット100に接続された単一あるいは複数個の基地局に対するインターネットアクセスを実現する。
【0021】
モバイルデバイス114を操作しているモバイルユーザがドメイン内で移動する場合には、そのドメインがホームドメインか外部ドメインであるかにかかわらず、モバイルデバイスのIPアドレスは不変である。例えば、モバイルデバイス114が、最初に基地局BS5からのサービスを受けていて、その後基地局BS6さらにBS7へとハンドオフされた場合であっても、モバイルデバイスのIPアドレスは同一に保たれる。当該モバイルユーザに対するホームエージェント及び通信ノードは、当該モバイルデバイスがそのドメイン内でいずれの基地局を介して接続されている場合においても、ユーザが移動したことからはシールドされている(ユーザが移動したことの影響を受けない)。ドメイン内の新たな基地局からモバイルデバイスへのパケット伝達設定は、以下に記述されるように、特別の経路設定方式を用いることによって実現される。この方式は、ドメイン内の選択されたルータにおける選択されたホストベースのルーティングテーブルを更新する。各々のドメインがローカルサブネットとして識別されているため、それぞれのドメインの外部のバックボーンルータにおけるルーティングエントリの変更あるいは更新は不要である。この方法は、前述されたモバイルIPへのルート最適化拡張に関して用いられた方法とは明確に異なっている。ルート最適化拡張においては、モバイルデバイスが隣接する基地局間でハンドオフする度に、モバイルデバイスの気付アドレスが変更されるが、個々のルータ内に含まれるルーティングエントリは不変であった。
【0022】
モバイルデバイス114が、その接続点を、第一ドメインに係る基地局(第一ドメインはホームドメインであるか外部ドメインであるかのいずれかである)から第二ドメインに係る基地局(第二ドメインは外部ドメインのいずれかであるがホームドメインではない。なぜなら、モバイルデバイスの接続点がホームドメイン内に含まれるあらゆる基地局である場合にはトンネリングが必要ではないからである。)に変更する場合には、パケットは新たな(第二)ドメイン内の当該モバイルデバイス宛に、パケットトンネリングのための、例えばモバイルIPなどの適切なプロトコルを用いて、ホームエージェントから転送される。モバイルデバイス114が(ドメイン1を介してインターネットに有線接続されている)基地局BS7から(ドメイン2を介してインターネットに有線接続されている)基地局BS8へとハンドオフを行なう場合には、ホームドメイン(ドメイン1)内のルートルータ150におけるホームエージェント152は、パケットのカプセル化を開始し、それらを、ドメイン2内の基地局へのハンドオフの際にモバイルデバイスが獲得した気付アドレスへと通過させる。よって、アプリケーションは、同一のIPアドレスを中断することなく継続使用できる。
【0023】
モバイルユーザ宛のパケットフローの伝達に係る保証されたサービス品質(QoS)を実現する目的で、パケットフロー経路に沿った各々のルータは各々のパケットに係る所定のレベルのQoSを規定し、それに従って適切なルータリソースが予約される。この分類機能を実行する一つの方法は、各々のパケットに係るQoSレベルを規定するパケットヘッダフィールドを利用することである。このような方式は、T.V.Lakshman and D.Stiliadisによる“効率的な多次元レンジマッチングを利用した高速ポリシーベースパケット転送”という表題の論文(Proceedings of ACM SIGCOMM, 1998)及びV.Srinivasan, G.Varghese, S.Suri, and M.Waldvogelによる“レベル4スイッチングのための高速スケーラブルアルゴリズム”という表題の論文(Proceedings of ACM SIGCOMM, 1998)に記載されている。
【0024】
しかしながら、HAWAIIにおいてインプリメントされたローカル移動性ドメインを用いること、及び、本発明に従うことによって、通信ノードから対応するモバイルデバイス宛に送出されたパケットは、パケットのデスティネーションアドレスによって一意的に識別される。このデスティネーションアドレスは、(モバイルデバイスがホームドメイン内の基地局を介してネットワークに接続されている場合には)モバイルデバイスのホームアドレスであり、あるいは、(モバイルデバイスが外部ドメイン内に組み込まれた基地局を介してネットワークに接続されている場合には)モバイルデバイスの気付アドレスである。よって、ローカル移動性ドメインないでのフロー毎の基準に基づくパケットに対するQoSを実現することが、そのサービスをモバイルIP方式(この場合には、パケットがモバイルデバイスそのものではなく、サービスを提供している基地局に対応する気付アドレスに対して通過させられる)を用いて実現する場合に比較して大幅に簡略化される。
【0025】
HAWAIIローカル移動性ドメイン方式におけるモバイルデバイスユーザには、動的ホスト配置プロトコル(DHCP)サーバを介して動的にIPアドレスが割り当てられる。デバイスがドメイン内の基地局間でハンドオフされる場合には、そのデバイスに割り当てられたIPアドレスは不変である。それゆえ、ドメイン外のユーザは、当該モバイルユーザが移動したことを認識しない。この方式は、各々のモバイルデバイスに割り当てられた二つのIPアドレスを用いる、その一方はホームドメイン内におけるモバイルデバイスに割り当てられるものであり、他方はモバイルデバイスが外部ドメインに係る基地局を介して接続されている場合に割り当てられるものである。複数個のIPアドレスの利用はIPアドレスの現在の限られた利用性を悪化させるものであるが、この限られたIPアドレスの問題は、IPバージョン6の利用が一般化すれば議論できるものになると思われる。
【0026】
現在利用可能なIPアドレスを維持する最適化は、動的ホーム最適化と呼称される。動的ホーム最適化を用いる場合には、モバイルデバイスは、それが起動されるまでは、何らアドレスが割り当てられない。データクライアントとしてのモバイルデバイスは、通常、ウェブサーバあるいはメールサーバのようなサーバとのトランザクションを開始するので、固定されたIPアドレスは不要である。その初期起動に際して、モバイルデバイスには、その起動がなされた時点で属していたドメインに係る動的ホスト配置プロトコル(DHCP)サーバから“動的固定アドレス”が割り当てられる。その後、そのドメインはそのモバイルデバイスに係るホームドメインとなる。それゆえ、モバイルデバイスは、固定されたアドレスを有することがなく、また、モバイルデバイスがいずれかのドメインに固定的に登録されることもない。モバイルデバイスが、それが起動された時点でのドメイン以外のドメインにおける基地局へとその接続点を変更する場合には、その新たなドメイン内に存在するDHCPサーバによって第二のIPアドレスが割り当てられる。この第二アドレスはモバイルデバイスの気付アドレスとなる。モバイルデバイスの電源が切断されると、モバイルデバイスはその(起動時点のドメインにおけるDHCPサーバによって割り当てられた)動的固定アドレス及び(電源切断時点で接続されていたドメインのDHCPサーバによって割り当てられた)気付アドレスを放棄する。次回の起動の際には、モバイルデバイスにはそれが起動された時点で接続されるドメインにおける新たな動的固定アドレスが割り当てられる。
【0027】
図3は、本発明に係る、ドメインベースHAWAII方式を、動的ホーム最適化を用いずにインプリメントする目的で、動的ホスト配置プロトコル(DHCP)サーバによって実行されるプロセスステップを示す流れ図例である。ステップ170においては、モバイルデバイスには、ホームドメイン内において用いられるホームアドレスが割り当てられる。DHCPサーバは、ルートルータ内に存在するプロセッサ及びメモリの機能を用いてインプリメントされうるが、パーソナルコンピュータにおいて利用可能なもののような個別のプロセッサ及びメモリを用いることによってDHCPサーバを実現することが可能であることは当業者には明らかである。さらに、DHCPサーバはルートルータに関連してインプリメントされる必要は必ずしも無い、すなわち、DHCPサーバは、ドメイン内の(基地局を含む)他のルータと通信することが可能なあらゆるローカルルータあるいはノードにおいてインプリメントされうる。モバイルデバイスが起動される(ステップ172)と、モバイルデバイスがそのホームドメイン内に含まれる基地局を介して接続されているか否かが決定される(ステップ174)。モバイルデバイスがホームドメインを介して接続されている場合には、ステップ178に従って、特別の経路設定方式(後に記述される)を用いて、ホームドメイン内でのホストベースルーティングが設定される。
【0028】
モバイルデバイスが外部ドメイン(ホームドメイン以外のドメイン)を介して接続されている場合には、ステップ176に従って、モバイルデバイスはその外部ドメインをサポートしているDHCPサーバから気付アドレスを獲得する。ステップ180においては、特別の経路設定方式を用いて、外部ドメインにおけるホストベースルーティングが設定される。気付アドレスが獲得されて経路設定方式が設定されると、モバイルデバイス宛のパケットは、ホームドメインのルートルータからモバイルデバイスの気付アドレスに通過させられる(ステップ182)。ステップ184においては、モバイルデバイスが現在のドメイン内に含まれる基地局に対してハンドオフされた場合には、(以下に記述されるハンドオフ経路設定メッセージが生成される以外は)何ら操作がなされない。しかしながら、モバイルデバイスが新たなドメインに属する基地局に対してハンドオフされる場合には、現在の気付アドレスが解放される(ステップ186)。この流れ図は、ここからステップ174の直前に戻って、モバイルデバイスのホームドメインへの接続がなされるか否かに係るチェックが実行される。この手続きは、モバイルデバイスの電源が切断されるまで、ハンドオフ毎に継続される。
【0029】
図4は、動的ホーム最適化を用いるドメインベースHAWAII方式をインプリメントする目的で、ドメインにおける動的ホスト配置プロトコル(DHCP)サーバにおいて実行されるプロセスステップを例示する流れ図である。この手続きは、モバイルデバイスに対して固定ホームアドレスが割り当てられない点を除いて、図3と共に記述された手続きと同様である。前述されているように、動的固定ホームアドレスが導入される。ステップ200において、モバイルデバイスがまず起動され、そのドメイン内でのアドレスを獲得する前に、サービス提供側基地局との間のリンクが設定される。リンクが設定された後、ドメインのDHCPサーバは、モバイルデバイスに対して固定ホームアドレスを割り当てる(ステップ202)。ステップ204においては、モバイルデバイスがそのホームドメイン内に含まれる基地局を介して接続されているか否かが決定される。動的ホーム最適化を用いる場合には、最初の起動後は、モバイルデバイスは常にそのホームドメイン内に含まれる基地局に接続されているため、特別の経路設定方式を用いてホームドメイン内でのホストベースルーティングが設定される(ステップ206)。ステップ214においては、モバイルデバイスがそのホームドメイン内に含まれる基地局に対してハンドオフされる限りは、(以下に記述されるハンドオフ経路設定メッセージの生成を除いて)何ら操作が行われない。しかしながら、モバイルデバイスが外部ドメインに属する基地局に対してハンドオフされる場合は、流れ図はステップ204の直前に戻って、モバイルデバイスのホームドメインへの接続に係るチェックが実行される。この際、ステップ216における気付アドレスの解放は行われない。なぜなら、モバイルデバイスに対しては何も割り当てられていないからである。
【0030】
ステップ204で、モバイルデバイスが外部ドメインに接続されていることが決定された場合には、モバイルデバイスは、その外部ドメインをサポートしているDHCPサーバから気付アドレスを獲得する。ステップ210においては、特別の経路設定方式を用いて、当該外部ドメインにおけるホストベースルーティングが設定される。気付アドレスが獲得され、経路設定方式が設定されると、モバイルデバイス宛のパケットは、ホームドメインのルートルータからモバイルデバイスの気付アドレス宛に通過させられる(ステップ212)。ステップ214においては、モバイルデバイスが現在のドメインに含まれる基地局に対してハンドオフされる限りは(以下に記述されるハンドオフ経路設定メッセージを除いて)何ら操作がなされない。モバイルデバイスが新たなドメインに属する基地局に対してハンドオフされる場合には、現在の気付アドレスが解放される(ステップ216)。この流れ図は、ステップ204の直前に戻って、モバイルデバイスがそのホームドメインに接続されているか否かのチェックがなされる。この手続きは、モバイルデバイスの電源が切断されるまで、各ハンドオフに関して継続される。
【0031】
図5は、本発明に従って、動的ホーム最適化が用いられるか否かにかかわらず、モバイルデバイスの電源が切断される際に実行されるドメインベースプロセスステップを例示する流れ図である。モバイルデバイスは、現在の基地局を介してリンクを維持している(ステップ230)。ステップ232においては、動的ホスト配置プロトコル(DHCP)サーバが動的ホスト最適化を利用しているか否かのチェックがなされ、利用している場合には、モバイルデバイスがそのホームドメインを介してインターネットに接続されているか否かの決定がなされる(ステップ240)。モバイルデバイスが、電源切断の時点で外部ドメイン内の基地局を介してインターネットに接続されている場合には、動的固定ホームアドレス及び割り当てられた気付アドレスが後の割り当て及び利用に備えて対応するDHCPサーバに返還される(ステップ244)。しかしながら、モバイルデバイスが、電源切断の時点でそのホームドメイン内の基地局を介してインターネットに接続されている場合には、動的固定アドレスのみが後の割り当て及び利用に備えて対応するDHCPサーバに返還される。なぜなら、そのホームドメイン内ではモバイルデバイスには気付アドレスが割り当てられないからである。
【0032】
動的ホスト配置プロトコル(DHCP)サーバが動的ホスト最適化を用いない場合には、ステップ234において、モバイルデバイスがそのホームドメインを介してインターネットに接続されているか否かの決定がなされる。モバイルデバイスが、その電源切断の時点で、外部ドメイン内の基地局を介してインターネットに接続されている場合には、割り当てられた気付アドレスが後の割り当て及び利用に備えて対応するDHCPサーバに返還される。しかしながら、モバイルデバイスが、その電源切断の時点でホームドメイン内の基地局を介してインターネットに接続されている場合には、何ら操作がなされない。これは、動的ホーム最適化を用いない場合には、固定ホームアドレスが対応するDHCPサーバに返還されないからである。なぜなら、ホームアドレスが動的に割り当てられるのではなく、ホームDHCPサーバにおいて当該モバイルデバイスに関して固定的に登録されるからである。
【0033】
図6は、動的ホスト配置プロトコル(DHCP)サーバ272及びホームエージェント270を実現しているドメインルータ260の実施例を示している。ドメインルータは、直前のノードからのパケットを受信する複数個の入力ポート(インターフェース)262及び次のホップに対してパケットを送出する出力ポート(インターフェース)264を有している。これらのインターフェースが双方向であることが可能であることは当業者には明らかである。すなわち、インターフェースは、入力及び出力インターフェースの双方として機能しうる。さらに、各々のルータは、プロセッサ266及びメモリ268を含んでいる。各々のルータに存在しているプロセシング及びメモリリソースにより、フォワードアルゴリズム、キューイング、シグナリング、メッセージングのインプリメント、ルータフォワードテーブルのインプリメント、及び他の標準的及び補足的ルータ機能及びサービス等のルータ機能及びサービスの実現を可能にする。図6に示されているドメインルータ260は、プロセッサ266及びメモリ268のリソースを用いてインプリメントされたDHCPサーバ272及びホームエージェント270を含むように示されている。通常、DHCPサーバ及びホームエージェント270がインプリメントされているドメインルータ260はドメインルートルータであるが、前述されているように、このことは必須ではない。他のルータ(基地局含む)と通信することが可能なあらゆるローカルルータあるいはノードにホームエージェント及びDHCPサーバをインプリメントすることが可能であることは当業者には明らかである。さらに、ドメインルートルータとの適切な通信が実現される場合には、例えばパーソナルコンピュータにおいて利用可能なもののような個別のプロセッサ及びメモリを用いて、ルータそのものの外部にホームエージェント及びDHCPサーバをインプリメントすることが可能であることも当業者には明らかである。ルータ内への外部エージェントをインプリメントすることも、必要な場合には同様に可能である。
【0034】
本発明に係るホストベースルーティングは、システムのスケーラビリティを効率的に実現することに留意されたい。例えば、ドメインのルーティングテーブル内に含まれるルーティングエントリの個数はそのドメイン内におけるアクティブ状態にあるモバイルユーザ数に依存する。通常、各無線基地局は、利用可能な無線帯域スペクトルが限定されているために、そのサポート可能なアクティブユーザ数が100程度に限定されている。現在のルータが1万のオーダーのルータエントリをサポートすることが可能であるため、ドメインサイズはおよそ100程度の基地局を含むように設計されている。100個の基地局がカバーする領域はかなり広い(都市部に位置するか郊外に位置するかに依存して、半径20kmから500km)ため、ユーザの移動の大部分は単一のドメイン内であり、結果として、ホームエージェント及び通信ノードに関して実質的にトランスペアレントな移動性が実現される。それゆえ、スケーラビリティは、(i)現在のルータに固有の、1万のオーダーのルーティングエントリを処理することが可能であるという事実を通じて、及び、(ii)各々のドメイン内のルータによって管理されることが必要とされるルーティングエントリの最大数を制限する目的で適切なドメインサイズを用いることによって、保証される。これに対して、ドメインルータではないインターネットバックボーンルータは、サブネット(ドメイン)ベースルーティングエントリのみを管理することが必要とされる。
【0035】
経路設定方式
前述されているように、ホストベースドメイン指向HAWAII方法は、モバイルユーザ宛のパケット伝達管理目的で、ドメインルータを設定し、実現し、更新する三つの基本的なタイプの経路設定メッセージを利用する。第一のタイプは起動経路設定メッセージであり、モバイルデバイスによって、その起動の際に、そのドメイン内のルータパケット伝達経路をまず設定する目的で開始及び送出されるものである。起動経路設定メッセージは、この機能を、モバイルデバイスが最初に起動された時点で、(モバイルデバイスが接続されている基地局を含む)種々のルータ内にルーティングテーブルエントリを設定することによって実行する。ルートルータからモバイルデバイス宛にパケットをルーティングするために用いられるルータのみがこの起動されたモバイルデバイス宛のルーティングテーブルエントリを必要とし、それゆえ、これらのルータのみが起動経路設定メッセージの転送に関して選択される。
【0036】
第二のタイプの経路設定メッセージは、モバイルデバイスが、接続されているドメイン内に含まれる他の基地局に対してハンドオフされる際に、開始して送出する。このハンドオフ経路設定メッセージは、モバイルデバイスによるある基地局から別の基地局へのハンドオフを反映し、かつ、そのようなハンドオフが発生した際のシームレスなパケット伝達を保証する目的で、ドメイン内の選択されたルータに係るルーティングテーブルを更新するために使用される。ハンドオフの結果として更新されたルーティングテーブルエントリを必要とするルーティングテーブルを有するドメインルータのみが、このハンドオフ経路設定メッセージを受信するように選択される。ハンドオフ及び起動経路設定メッセージは、更新メッセージに分類される。
【0037】
第三のタイプの経路設定メッセージ、すなわちリフレッシュメッセージ、は、ソフトステートルーティングテーブルエントリをリフレッシュする目的で、(モバイルデバイスが接続されている)基地局によって開始されてルートルータ及び中間ルータ宛に送出される。このメッセージは、個々のモバイルデバイスに関して個別に送出されるか、あるいは伝達側基地局を介して接続されている複数個のモバイルデバイス宛のリフレッシュ経路設定メッセージがまとまって送出される。リフレッシュ経路設定メッセージは、ルートルータから当該メッセージを開始した基地局宛のパケット伝達に用いられる、ドメイン内の選択されたルータに係るルーティングテーブルを更新する目的で用いられる。
【0038】
リフレッシュ経路設定メッセージは、ルータにおける“ソフトステート”を利用する本発明に係る実施例と共に用いられる。ソフトステートルータは、所定の時間期間内にリフレッシュ経路設定メッセージを周期的に受信しなければならないルータであって、受信できないとホストベースルーティングリンクが切断されるものである。ソフトステート方式は、HAWAIIにおいて特に有用である。なぜなら、モバイルデバイスのユーザの移動性がそれぞれのハンドオフに対応する新たなホストベースルーティングエントリを設定する経路設定メッセージによって実現されるからである。ホストベースルーティングエントリを周期的にリフレッシュすることによって、(モバイルデバイスのハンドオフによって必要とされるもの以外の)ドメインルーティングの変更への応答も実現される。ハンドオフによるものではないサブネット変更は、リンクの切断による故障、ノードの混雑、トラフィック制御などを含む(但し、これらに限定されている訳ではない)種々の事象によって開始させられる。それゆえ、リフレッシュ経路設定メッセージは、起動あるいはハンドオフに応答して開始される経路設定メッセージとは異なり、ドメイン内の基地局に接続された各々のモバイルデバイスに係るドメインルートルータ宛に基地局から伝達される。よって、HAWAIIベースドメインにおいてソフトステートルータを用いている間の、ルータあるいはリンク故障によるパケットリルーティングが容易に実現される。さらに、モバイルデバイスに係るパケット経路における単一あるいは複数個の外部エージェントを除去することで、モバイルユーザ宛のデータ伝達の信頼性が向上する。
【0039】
ルータのソフトステートルーティングテーブルに係る周期的なリフレッシュメッセージは、基地局に接続された個々のモバイルデバイスに対応するリフレッシュメッセージの集積を可能にする、すなわち、基地局は、その無線インターフェースを介して接続されているモバイルユーザの各々に対する情報要素を含む単一のリフレッシュ経路設定メッセージを送出することが可能である。さらに、後に記述されるように、リフレッシュ経路設定メッセージは、ドメイン内の選択された数個のルータに対してのみ送出されるので、ルータソフトステートの管理に係るオーバーヘッド量が低減される。
【0040】
リフレッシュ経路設定メッセージはアクノレッジを必要としない。むしろ、リフレッシュ経路設定メッセージの損失が、連続した数個のリフレッシュ経路設定メッセージが受信されなかった場合にドメインルータに係るルーティングテーブルエントリが期限切れになることを許容することによって、黙許されている。更新経路設定メッセージ(起動及びハンドオフ)はアクノレッジを必要とし、当該メッセージあるいはアクノレッジが受信されない場合には再送信される。それゆえ、本発明に係る経路設定方式は堅固であり、経路設定メッセージの損失に対して寛容である。
【0041】
図7−9は、本発明に係る経路設定メッセージの三つのタイプの構造を模式的に示した図である。経路設定メッセージは、六つのフィールドからなる情報要素300を有している。図7は、リフレッシュ経路設定メッセージの情報要素フィールドを模式的に示した図である。図8は、起動経路設定メッセージの情報要素フィールドを模式的に示した図である。図9は、ハンドオフ経路設定メッセージの情報要素フィールドを模式的に示した図である。まず、情報要素300に含まれる個々のフィールドの記述の前に、経路設定メッセージ全体に対する補足を行なう。第一に、前述されているように、リフレッシュ経路設定メッセージは、基地局からそれに対して接続されている各々のモバイルデバイス宛に送出されるか、あるいは別の実施例においては、その基地局に接続された複数個のモバイルデバイスに対する情報要素を含む単一のリフレッシュ経路設定メッセージが、基地局からまとめて伝達される。第二に、更新経路設定メッセージとは、経路設定メッセージのうちの残存する二つのタイプ、すなわち起動経路設定メッセージ及びハンドオフ経路設定メッセージを指し示す。第三に、更新経路設定メッセージは、基地局に接続された単一のモバイルデバイスに対応する単一の情報要素300のみを含んでいる。第四に、各経路設定メッセージは、伝達されるメッセージの真正性を確認する目的で、認証ヘッダを含む場合がある。
【0042】
経路設定メッセージの情報要素300は、以下のフィールドを含む:(i)メッセージタイプフィールド310、(ii)シーケンスナンバーフィールド312、(iii)モバイルデバイスIPアドレスフィールド314、(iv)ソースIPアドレスフィールド316、(v)デスティネーションIPアドレスフィールド318、及び(vi)メトリックフィールド320。メッセージタイプフィールド310は、受信側ルータに、どのタイプの経路設定メッセージが受信されつつあるかを通知する目的で用いられる。シーケンスナンバーフィールド312は、モバイルデバイスがハンドオフされる場合に、旧基地局とルータとの間でのパケットのルーピングを防止する目的で使用される。モバイルデバイスIPアドレスフィールド314は、受信側ルータに、ドメイン内のモバイルデバイスに対して割り当てられた現在のIPアドレスを通知する目的で用いられる。ソースIPアドレスフィールド316及びデスティネーションIPアドレスフィールド318は、受信側ルータに、ドメインルートルータ及び基地局に関して割り当てられた特定のIPアドレスを提供するために用いられる(メッセージタイプに基づいて、含まれる特定の情報は変化する)。メトリックフィールド320は、情報要素を処理する基地局あるいはルータからモバイルデバイスまでのホップの数を識別する。それゆえ、メトリックフィールド320は、モバイルデバイスから開始される経路設定メッセージに関しては0にセットされ、対応する基地局から開始されるリフレッシュ経路設定メッセージに関しては1にセットされる。情報要素を処理する各基地局あるいはルータは、順次このメトリックフィールド320をインクリメントする(後に記述されるように、ある種の経路設定メッセージは、このメトリックフィールド320をインクリメントするのではなくデクリメントする)。
【0043】
図7には、リフレッシュ経路設定メッセージに係る情報要素フィールドが模式的に示されている。メッセージタイプフィールド310は、この経路設定メッセージがリフレッシュ経路設定メッセージであることを示している。シーケンスナンバーフィールド312の機能及びその使用法に関しては、後により詳細に記述される。ここでは、リフレッシュ経路設定メッセージに含まれるシーケンスナンバーフィールド312は、リフレッシュ経路設定メッセージを開始した基地局にストアされている現在のシーケンスナンバーフィールド値(1より小さくはない)にセットされることに留意されたい。モバイルデバイスIPアドレスフィールド314は、リフレッシュ経路設定メッセージを開始した基地局に接続されているモバイルデバイスに対して割り当てられたIPアドレスにセットされる。ソースIPアドレスフィールド316は、当該リフレッシュ経路設定メッセージを開始した基地局のIPアドレスにセットされる。デスティネーションIPアドレスフィールド318は、ドメインルートルータのIPアドレスにセットされる。メトリックフィールド320は、当該リフレッシュ経路設定メッセージを開始した基地局によって1にセットされ、その後に当該メッセージを受信するルータによって順次インクリメントされる。
【0044】
図8には、起動経路設定メッセージに係る情報要素フィールドが模式的に示されている。メッセージタイプフィールド310は、この経路設定メッセージが更新メッセージであることを示している。シーケンスナンバーフィールド312の機能及びその使用法に関しては、後により詳細に記述される。ここでは、起動経路設定メッセージ内に含まれるシーケンスナンバーフィールド312が0にセットされることに留意されたい。モバイルデバイスIPアドレスフィールド314は、モバイルデバイスのIPアドレスにセットされる。ソースIPアドレスフィールド316は、当該モバイルデバイスにサービスを提供している現在の基地局のIPアドレスにセットされる。デスティネーションIPアドレスフィールド318は、ドメインルートルータのIPアドレスにセットされる。メトリックフィールド320は、当該起動経路設定メッセージを開始したモバイルデバイスによって0にセットされ、当該メッセージを受信する各ルータによって順次インクリメントされる。
【0045】
図9には、ハンドオフ経路設定メッセージに係る情報要素フィールドが模式的に示されている。メッセージタイプフィールド310は、この経路設定メッセージが更新メッセージであることを示している。シーケンスナンバーフィールド312の機能及びその使用法に関しては、後により詳細に記述される。ここでは、ハンドオフ経路設定メッセージ内に含まれるシーケンスナンバーフィールド312が、現在ストアされているシーケンスナンバーフィールド値より1だけ大きい値にセットされること(但し、2より小さくはない)に留意されたい。モバイルデバイスIPアドレスフィールド314は、モバイルデバイスのIPアドレスにセットされる。ソースIPアドレスフィールド316は、モバイルデバイスのハンドオフ先の新たな基地局のIPアドレスにセットされる。デスティネーションIPアドレスフィールド318は、モバイルデバイスのハンドオフ元の旧基地局のIPアドレスにセットされる。メトリックフィールド320は、当該ハンドオフ経路設定メッセージを開始したモバイルデバイスによって0にセットされ、当該メッセージを受信する各々のルータによって順次インクリメントされる。
【0046】
起動経路設定メッセージ
図10は、起動経路設定メッセージを処理するドメインルータによって用いられる方法を示す流れ図である。モバイルデバイスは、起動されると、近接する基地局との間でリンクを確立する。リンク確立期間内、あるいはその直後に、モバイルデバイスは、ドメインルートルータ、接続されている基地局、及び基地局とルートルータとの間のパケット伝達に用いられる各中間ドメインルータ宛に伝達される経路設定メッセージを開始する。ここで記述される方法は、本発明の実施例に従ってHAWAIIをインプリメントしているホストベースドメイン内の各々のルータ(前述されているように、これらにはドメイン基地局も含まれる。なぜなら、基地局は、サブネット内の有線部分とのインターフェースとして機能するルータ機能を維持しているかあるいはそれらへアクセス可能であるからである。)に対して適用可能である。本明細書において記述されているメッセージ処理手続きは、前述されているように、現在のルータにおいて利用可能な処理及びメモリ機能を用いて実行される。ステップ340では、ドメインルータが起動経路設定メッセージを受信する。ルータはメトリックフィールドをインクリメントする(ステップ342)。ステップ344では、ルータは現在の経路設定メッセージが受信されたルータインターフェースを識別し、変数Intf1をそのインターフェースにセットする。ステップ346では、モバイルデバイスのIPアドレスをIntf1(ステップ344で識別されたルータインターフェース)にマッピングするルーティングテーブルエントリが入力される。ステップ348では、ルータは、ルータアドレスが現在の経路設定メッセージのデスティネーションIPアドレスフィールドに入力されているアドレスと一致するか否かをチェックする。一致する場合には、そのルータはドメインルートルータであり、経路設定メッセージに係るアクノレッジが設定されたルータ/インターフェース経路を介してモバイルデバイス宛に返送される(ステップ352)。一致しない場合には、ルータは、その経路設定メッセージのデスティネーションIPアドレス(すなわちドメインルートルータ)に達する目的でその経路設定メッセージを転送すべき次のホップのルータを識別する(ステップ350)。その後、当該ルータは、他のモバイルデバイスから開始された起動経路設定メッセージを待機する(ステップ354)。新たな起動経路設定メッセージが受信されると、ルータはメッセージ処理手続きをステップ340から再度開始する。
【0047】
図11は、HAWAIIホストベースアーキテクチャを用いるドメイン例における起動経路設定メッセージの処理シーケンスを模式的に示した図である。ここで、“Intf”の使用は、あるノードがそれを介して他のノードに接続されているインターフェースあるいはポートを意味していることに留意されたい。ドメインルートルータ360は、ドメインルートルータIntfAを介してインターネット362へアクセスする。ドメインルートルータ360のIntfBは、ルータR7のIntfAに接続されている。ドメインルートルータ360のIntfCは、ルータR8のIntfAに接続されている。ルータR7のIntfBは、基地局BS9のIntfAに接続されている。ルータR7のIntfCは、基地局BS10のIntfAに接続されている。ルータR8のIntfBは、基地局BS11のIntfAに接続されている。ルータR8のIntfCは、基地局BS12のIntfAに接続されている。
【0048】
起動に際して基地局BS9のIntfBとの間でリンクを設定しようとしているモバイルデバイス114が示されている。起動の開始に際して、モバイルデバイスには、まず、動的ホスト配置プロトコル(DHCP)サーバ(図示せず)を介してIPアドレスが割り当てられる。DHCPサーバがルートルータと同一地点に存在していると仮定すると、基地局BS9はDHCPサーバリレーとして機能し、DHCPサーバとモバイルデバイスとの間でのメッセージ転送を行なう。認証が成功すると、DHCPサーバはドメイン内で用いられるIPアドレスをモバイルデバイス宛に割り当て、さらに、基地局BS9とドメインルートルータ360のIPアドレスをモバイルデバイス宛に伝達する。モバイルデバイスは、その情報要素フィールドが図8に関連して記述されているように設定された起動経路設定メッセージを生成する。モバイルデバイス114は、その起動経路設定メッセージを、基地局BS9のIntfBへの第一ホップ364を介して送出する。
【0049】
起動経路設定メッセージを受信すると、基地局BS9は情報要素のメトリックフィールドをインクリメントし、それ自体のルーティングテーブルにモバイルデバイス114宛のルーティングエントリを追加する。モバイルデバイス宛のエントリは、モバイルデバイスのIPアドレスとBS9によって受信されたモバイルデバイス宛のパケットがルーティングされるべき関連するインターフェースという二つのフィールドよりなる。関連するインターフェースは、その起動経路設定メッセージが受信されたものと同一のインターフェース(この例では、BS9のIntfBという無線インターフェース)にセットされる。次に、BS9は、デスティネーションIPアドレスフィールドに示されたIPアドレスへの転送を完遂する目的で、その起動経路設定メッセージを転送すべきゲートウェイを決定するためのルーティングテーブル検索を実行する。起動経路設定メッセージにおいては、デスティネーションIPアドレスフィールドはドメインルートルータのIPアドレスにセットされている。この実施例の場合には、BS9は、適切なゲートウェイがルータR7であることを決定する。それゆえ、BS9はこの起動経路設定メッセージを、BS9のIntfAからR7のIntfBへという第二のホップ366へルーティングする。
【0050】
起動経路設定メッセージを受信すると、ルータR7は情報要素メトリックフィールドをインクリメントし、基地局BS9と同一の様式で、モバイルデバイス114宛のルーティングエントリを自らのルーティングテーブルに追加する。それゆえ、ルータR7は、モバイルデバイスのIPアドレスを、起動経路設定メッセージが受信されたインターフェース(R7 IntfB)と関連づける。その後、ルータR7は、その起動経路設定メッセージをドメインルートルータ360宛に第三ホップ368へ、すなわちR7 IntfAからドメインルートルータ360のIntfへと転送する。起動経路設定メッセージを受信すると、ドメインルートルータ360は情報要素メトリックフィールドをインクリメントし、そのルーティングテーブルに前述されたものと同様にモバイルデバイス114宛のルーティングエントリを追加する。それゆえ、ドメインルートルータ360は、モバイルデバイスのIPアドレスを起動経路設定メッセージが受信されたインターフェース(IntfB)と関連づける。その後、ドメインルートルータ360は、起動経路設定メッセージによって設定されたルーティングテーブルエントリを用いて、モバイルデバイスのIPアドレスを経路中の各々のルータに関連づける目的で、アクノレッジ370をモバイルデバイス114宛に返送する。その後、モバイルデバイス114宛にインターネットを介して伝達されるパケットは、モバイルデバイスのIPアドレスのサブネット部分に基づいて、ドメインルートルータ360宛にルーティングされる。モバイルデバイスのIPアドレスを有してドメインルートルータ360に到達するパケットは、生成されたホストベースルーティングエントリを用いてモバイルデバイス114宛にルーティングされる。ドメイン内の、当該起動経路設定メッセージを受信していないルータ、すなわちBS11、BS12及びR8は、モバイルデバイスのIPアドレスに対応するルーティングエントリを維持していない。それゆえ、これらのルータは、ルーティングテーブル内に対応するエントリが無いデスティネーションアドレスを有するパケットに関しては、ドメインルートルータ360宛のデフォールトのルーティング経路を用いる。よって、モバイルデバイス114に対応するデスティネーションアドレスを有するパケットが基地局BS11において受信された場合には、それらはデフォールトでドメインルートルータ360宛にルーティングされる。ドメインルートルータ360において受信されると、モバイルデバイスのIPアドレスは認識され、モバイルデバイス114宛にパケットを転送するために用いられるエントリはドメインルートルータ360のルーティングテーブル内で利用可能である。
【0051】
リフレッシュ経路設定メッセージ
図12は、本発明に従って、ドメインルートルータがリフレッシュ経路設定メッセージを処理するために利用する方法例を示した流れ図である。前述されているように、リフレッシュ経路設定メッセージは、(各モバイルデバイスが接続された)基地局によって開始され、ソフトステートルーティングテーブルエントリをリフレッシュする目的で、ルートルータ及び中間のルータ宛に送出される。メッセージは、各々のモバイルデバイスに関して個別に送出されるか、あるいは、その基地局に対して接続された複数個のモバイルデバイスに関するリフレッシュ経路設定メッセージがまとめて送出される。ここで例示・記述される方法は、本発明の実施例に従ってHAWAIIをインプリメントしているホストベースドメイン内の各々のルータ(これらには、前述されているように、ドメイン内の基地局も含まれる。なぜなら、基地局は、サブネットの有線部分へのインターフェースとして働くルータ機能を維持あるいはそれへのアクセスが可能であるからである。)に対して適用可能である。ここで記述されるメッセージ処理手続きは、前述されているように、現在のルータにおいて利用可能な処理及びメモリ機能を用いて実行される。ステップ380では、ドメイン内のルータがリフレッシュ経路設定メッセージを受信する。当該ルータはメトリックフィールドをインクリメントする(ステップ382)。ステップ384では、当該ルータはリフレッシュ経路設定メッセージが受信されたルータインターフェースを識別し、それを変数Intf1にセットする。ステップ388では、モバイルデバイスのIPアドレスに係るエントリがルーティングテーブル内に存在するか否かをチェックする。存在しない場合には、ステップ390でルーティングテーブルエントリが入力され、当該エントリはモバイルデバイスのIPアドレスをIntf1(ステップ384で識別されたルータインターフェース)にマッピングする。モバイルデバイスのIPアドレスに係るルーティングテーブルエントリが存在する場合には、リフレッシュ経路設定メッセージ内のシーケンスナンバーが既存のルータシーケンスナンバーエントリと比較される(ステップ392)。リフレッシュ経路設定メッセージ内のシーケンスナンバーが既存のルータシーケンスナンバーエントリよりも大きい場合には、リフレッシュ経路設定メッセージがルータにおいて現時点で利用可能なものよりもより新しい情報要素フィールドを含んでいることを意味しており、ステップ394において、ルータにおいてストアされていた情報要素フィールドがリフレッシュ経路設定メッセージ内で送信されてきたより新しい値を反映するように更新(リフレッシュ)される。
【0052】
ステップ396においては、ルータは、ルータのアドレスがリフレッシュ経路設定メッセージ内のデスティネーションIPアドレスフィールド内のアドレスと一致するか否かをチェックする。一致しない場合には、ルータは、リフレッシュ経路設定メッセージ内のデスティネーションIPアドレスに到達する目的で、当該リフレッシュ経路設定メッセージを転送すべき次のホップのルータを識別する(ステップ398)。しかしながら、一致する場合には、そのルータはドメインルートルータであってそのリフレッシュ経路設定メッセージをさらに転送する必要はない。さらに、ドメインルートルータによる受信に対するアクノレッジも不要である。よって、ステップ400では、ルータは、それ自体のルーティングテーブルエントリを更新することになる新たなリフレッシュ経路設定メッセージを待機する。このようなリフレッシュ経路設定メッセージは、同一の基地局か、あるいは当該ルータをサービスを提供しているモバイルデバイス宛にパケットを転送する際に利用するドメイン内の他の基地局からかのいずれかから発せられる。新たなリフレッシュ経路設定メッセージを受信すると、この手続きはステップ380から再度開始される。
【0053】
以下、本発明に係るホストベースドメインHAWAIIアーキテクチャにおいて用いられる三つの経路設定ハンドオフ方式が記述される。すなわち、新−旧経路設定方式、旧−新経路設定方式、及び新−旧−新経路設定方式である。起動及びリフレッシュ経路設定メッセージが、以下に記述される三つのハンドオフ方式の各々と関連して用いられる。三つの経路設定ハンドオフ方式は、ハンドオフ経路設定メッセージがどのように調整され、管理され、転送されるかという点で異なっている。本明細書において記述される三つの経路設定ハンドオフ方式は、既存のトポロジーに関する知識を何ら仮定しない。すなわち、経路設定メッセージは、ルーティング情報プロトコル(RIP)あるいはオープン最短経路優先(OSPF)等の従来技術に係るルーティングプロトコルによって生成されたルーティングエントリを用いて、他のあらゆる付加情報を用いることなく、ドメイン内でルーティングされる。しかしながら、ドメインノード、リンク及びルータ混雑及び/あるいはQoS保証責任に対応するプロトコル内で本明細書に記載されている経路設定方式を適応することが可能であることは当業者には明らかである。
【0054】
以下の、図13から図19を参照した記述は、本発明に係るホストベースドメインHAWAIIアーキテクチャにおいて用いられる前述された三つの経路設定ハンドオフ方式に係る詳細を列挙したものである。それらは、新−旧経路設定方式、旧−新経路設定方式、及び新−旧−新経路設定方式である。それぞれの名前が示しているように、それらは、モバイルデバイスの旧基地局から新基地局へのハンドオフ事象をドメインホストルータに通知して更新する、三つの相異なったメッセージ伝達手段を表している。これら三つの方式全ては、ドメインルータのルーティングテーブルにおける変更を実現するために必要とされるメッセージング及びシグナリングを、モバイルデバイスがドメイン内でその接続点を新たな基地局に変更することによってパケット伝達に用いられるインターフェースが変更された、選択されたルータのみを更新することによって限定している。それぞれの(すなわち、新−旧、旧−新、あるいは新−旧−新)経路設定方式を用いて基地局が通知される順序は、個々の基地局及びルータが論理レベルで経路設定メッセージを処理する順序を表している。経路設定メッセージが伝達される物理的な経路は、論理レベルにおいて記述されるものと異なる可能性がある。
【0055】
以下、“クロスオーバールータ”という術語は、経路設定ハンドオフ方式を記述するために用いられる。再度図2を参照して、クロスオーバールータという術語が定義される。ドメインルートルータ150、ルータR4及びR5、及び基地局BS5、BS6、及びBS7を含むドメイン1よりなる要素を考える。モバイルデバイス114が起動して、基地局BS5に接続されると仮定する。モバイルデバイス114はIPアドレスを獲得し(すなわち、IPアドレスが固定的に割り当てられ)、ドメインルートルータ150宛の起動経路設定メッセージを開始する。ドメインルートルータ150は、ドメインルートルータ及び各中間ルータにおいて、そのIPアドレスをルータインターフェースと等値することによってルーティングテーブルエントリを追加する。それゆえ、モバイルデバイスのIPアドレスを有し、ドメインルートルータ150によって受信されるパケットは、適切なインターフェースを介してルータR4にルーティングされる。ルータR4は、パケットを受信すると、当該パケットを適切なインターフェースを介して基地局BS5にルーティングする。基地局BS5は、当該パケットをモバイルデバイス宛に送信する。ここで、モバイルデバイス114がその接続点をドメイン1内で基地局BS6に変更し、モバイルデバイス114宛のパケットが、ドメインルートルータ150、(新たなインターフェースを介してであるが)ルータR4、及び基地局BS6を介してモバイルデバイス114宛にルーティングされると仮定する。基地局BS5及びBS6及びルータR4にストアされているモバイルデバイスのIPアドレスに係るルーティングテーブルエントリは更新が必要であるが、ドメインルートルータ150内のルーティングテーブルエントリに関しては何ら更新は必要ではない。これは、ドメインルートルータが、モバイルデバイス114宛のパケットの最終的な伝達が基地局BS5あるいはBS6のいずれかを介してなされるかにかかわらず、モバイルデバイス114のIPアドレスを有するパケットを同一のインターフェースを介してルータR4に転送するからである。この場合のクロスオーバールータはR4である。なぜなら、モバイルデバイスがその接続点を基地局BS5から基地局BS6へ変更した場合に当該モバイルデバイス宛にパケットを転送するために用いるインターフェースを変更しなければならない、パケット伝達方式における最初のドメインルータであるからである。
【0056】
以下に記述される三つの経路設定ハンドオフ方式の各々において、第一ドメイン基地局から第二ドメイン基地局へのハンドオフの間、ハンドオフの完了前及びドメインルータへに係るルーティングテーブルエントリの更新前に旧基地局によって受信されたパケットが、モバイルデバイス宛の伝送のために新たな基地局へ伝達されるように、既存のルーティングテーブルにルーティングエントリが追加される。このようにしてルーティングエントリを更新することにより、パケット損失につながるループ形成の可能性を防止する。さらに、三つの経路設定ハンドオフ方式は、全て、図9において示されて既に記述された情報要素構造を利用する(但し、後に記述されるように、旧−新経路設定方式が用いられる場合に、ソース及びデスティネーションIPアドレスフィールドが相互に交換されて用いられる、という例外を除く)。しかしながら、それぞれの方式は、ドメインルータが情報要素フィールド値をどのように解釈してどのようにそれに応答するか、という点で異なっている。
【0057】
新−旧経路設定
図13は、ドメインルータによって新−旧ハンドオフ経路設定メッセージの処理に用いられる方法例を示す流れ図である。前述されているように、ハンドオフ経路設定メッセージは、モバイルデバイスによって開始され、新たな基地局から旧基地局及び選択された中間ルータさらにクロスオーバールータを含んで送出される。このメッセージを受信する基地局あるいはルータは、発信側モバイルデバイスIPアドレスに対応するルーティングテーブル内のエントリを、ハンドオフ経路設定メッセージが到達したルータあるいは基地局のインターフェースへのポイントに更新する。詳細に述べれば、ハンドオフ経路設定メッセージを受信するドメインルータは、(i)新基地局とクロスオーバールータとの間のハンドオフ後のパケット伝達経路に相当する各ルータ(新基地局及びクロスオーバールータを含む)及び(ii)クロスオーバールータと旧基地局との間のハンドオフの前のパケット伝達経路に相当する各ルータ(旧基地局を含む)が含まれる。本明細書において例示・記述されている方法は、本発明の実施例に従ってHAWAIIをインプリメントしているホストベースドメイン内の各々のルータ(これらには、前述されているように、ドメイン内の基地局も含まれる。なぜなら、基地局は、サブネットの有線部分へのインターフェースとして働くルータ機能を維持あるいはそれへのアクセスが可能であるからである。)に対して適用可能である。ここで記述されるメッセージ処理手続きは、前述されているように、現在のルータにおいて利用可能な処理及びメモリ機能を用いて実行される。ステップ410では、ドメインルータが、まず、ハンドオフ経路設定メッセージを受信する。ルータは、メトリックフィールドをインクリメントする(ステップ412)。ステップ414においては、ルータは経路設定メッセージが受信されたルータインターフェースを識別し、変数Intf1をそのインターフェースに設定する。ステップ418では、ルータはモバイルデバイスのIPアドレスに対する既存のエントリがルーティングテーブル内に存在するか否かをチェックする。存在しない場合には、ステップ420においてルーティングテーブルエントリが入力され、これはモバイルデバイスのIPアドレスをIntf1(ステップ414で識別されたルータインターフェース)にマッピングする。モバイルデバイスのIPアドレスに対する既存のエントリが存在する場合には、ステップ422において、ハンドオフ経路設定メッセージのシーケンスナンバーが既存のルータシーケンスナンバーエントリと比較される。ハンドオフ経路設定メッセージ中のシーケンスナンバーが既存のルータシーケンスナンバーエントリより大きい場合には、ハンドオフ経路設定メッセージがルータにストアされているものよりもより新しい情報要素を含むことを意味しており、ステップ424において、当該モバイルデバイスに係るルーティングテーブルエントリが更新される。
【0058】
ステップ426においては、ルータは、ハンドオフ経路設定メッセージのデスティネーションアドレスフィールド中のアドレスがルータのアドレスに一致するか否かをチェックする。一致しない場合には、ルータは、当該ハンドオフ経路設定メッセージのデスティネーションIPアドレス(すなわち、旧基地局)に到達させる目的で、当該ハンドオフ経路設定メッセージを転送すべき次のホップのルータを識別する(ステップ428)。一致する場合には、当該ルータは旧基地局であって、当該ハンドオフ経路設定メッセージをさらに転送する必要はない。ステップ430では、ハンドオフ経路設定メッセージの受信に係るアクノレッジが新基地局宛に送出される。当該ハンドオフ経路設定メッセージを受信したルータが旧基地局であるか否かにかかわらず、当該ルータは次のハンドオフ経路設定メッセージを待機する(ステップ432)。新たな経路設定メッセージを受信すると、当該処理はステップ410から再度開始される。
【0059】
図14は、本発明に従ったHAWAIIホストベースアーキテクチャを用いるドメイン例における新−旧経路設定方式処理シーケンスを示している。“Intf”が、あるノードが次のノードに接続される際に用いられるインターフェースあるいはポートを意味していることに留意されたい。ドメインルートルータ360は、ドメインルートルータIntfAを介してインターネット362にアクセスする。ドメインルートルータ360のIntfBは、ルータR7のIntfAに接続されている。ドメインルートルータ360のIntfCは、ルータR8のIntfAに接続されている。ルータR7のIntfBは、基地局BS9のIntfAに接続されている。ルータR7のIntfCは、基地局BS10のIntfAに接続されている。るーたR8のIntfBは、基地局BS11のIntfAに接続されている。ルータR8のIntfCは、基地局BS12のIntfAに接続されている。
【0060】
モバイルデバイス114は、旧基地局BS9から新基地局BS10へハンドオフする途中として示されている。モバイルデバイス114はハンドオフ経路設定メッセージを生成し、その情報要素フィールドは図9に関連して^記述されているようにセットされている。その後、モバイルデバイス114は、ハンドオフ経路設定メッセージを第一ホップ450を介して基地局BS10のIntfB宛に送出する。
【0061】
ハンドオフ経路設定メッセージを受信すると、基地局BS10は情報要素メトリックフィールドをインクリメントし、そのルーティングテーブルにモバイルデバイス114宛のルーティングエントリを追加する。モバイルデバイス宛のエントリは二つのフィールド、すなわち、モバイルデバイスのIPアドレスとBS10がモバイルデバイス114宛に受信したパケットがルーティングされるべき関連するインターフェース、より構成されている。関連するインターフェースは、ハンドオフ経路設定メッセージげ受信されたインターフェースと同一のもの(この場合は、BS10の無線インターフェースであるIntfB)にセットされる。次に、BS10は、デスティネーションIPアドレスフィールドへの伝達を完遂する目的で、当該ハンドオフ経路設定メッセージを転送するべきルータを決定するために、旧基地局のIPアドレス(BS9のIntfAのアドレス)に関するルーティングテーブル検索を実行する。この実施例では、BS10は、ハンドオフ経路設定メッセージを転送すべき適切なルータがR7であることを決定する。このルータR7はクロスオーバールータである。それゆえ、BS10はハンドオフ経路設定メッセージを、第二ホップ452でBS10のIntfAからR7のIntfC宛にルーティングする。
【0062】
ハンドオフ経路設定メッセージを受信すると、ルータR7は情報要素メトリックフィールドをインクリメントし、基地局BS10と同様の方式で、ルーティングテーブル内のモバイルデバイス114に係るルーティングエントリを更新する。それゆえ、ルータR7は、モバイルデバイスのIPアドレスをハンドオフ経路設定メッセージを受信したインターフェース(R7のIntfC)と関連づける。その後、ルータR7は、ハンドオフ経路設定メッセージを、第三ホップ454でR7のIntfBからBS9のIntfAへと基地局BS9(旧基地局)宛に転送する。ハンドオフ経路設定メッセージを受信すると、基地局BS9は情報要素メトリックフィールドをインクリメントし、前述されているように、ルーティングテーブルのモバイルデバイス114に係るルーティングエントリを更新する。それゆえ、基地局BS9は、モバイルデバイスのIPアドレスをハンドオフ経路設定メッセージを受信したインターフェース(IntfA)と関連づける。よって、その後に基地局BS9にて処理される、デスティネーションアドレスフィールドにモバイルデバイスのIPアドレスを有するパケットは、モバイルデバイス114宛に伝送される目的で、基地局BS10へとリダイレクトされる。その後、基地局BS9は、モバイルデバイスのIPアドレスを経路内の各ルータにおけるインターフェースと関連づける目的で、ハンドオフ経路設定メッセージによって設定されたルーティングテーブルエントリを用いて、アクノレッジ456をモバイルデバイス114宛に返送する。その後、インターネット362を介してモバイルデバイス114への伝達目的で伝送されてきたパケットは、モバイルデバイスのIPアドレスのサブネット部分に基づいてドメインルートルータ360にルーティングされ、ドメインルートルータ360はそのパケットをルータR7のIntfAへと転送する(なぜなら、ドメインルートルータにおけるモバイルデバイスのIPアドレスは、ハンドオフ経路設定メッセージによって変更されていないからである。)。その後、ルータR7は、モバイルデバイスのIPアドレスを有するパケットを、ルータR7のIntfCから、モバイルデバイスのIPアドレスに係る更新されたルーティングテーブルエントリによって指示されるように、基地局BS10のIntfAへとルーティングする。基地局BS10は、モバイルデバイスのIPアドレスを有するパケットを、基地局BS10のIntfB(BS10の無線インターフェース)を介してモバイルデバイス114宛にルーティングする。以上より明らかなように、新及び旧基地局及びそれらを接続するルータのみが新−旧ハンドオフ経路設定メッセージの処理に関与していることに留意されたい。ドメイン内の他のルータは、ドメインルートルータ360を指し示すデフォールトエントリを有するのみであり、不変に保たれる。
【0063】
既に紹介されているように、経路設定メッセージの情報要素にシーケンスナンバーフィールドを含めることによって、モバイルデバイスがハンドオフする際の旧基地局とルータとの間のパケットルーピングが防止される。この節では新−旧経路設定方式に関連して記述されているが、シーケンスナンバーフィールドを用いることによって、本明細書で記述されているあらゆる経路設定メッセージあるいは方式におけるルーピングが防止される。本発明に係るホストベース基地局が、ドメインルートルータに対して周期的にリフレッシュ経路設定メッセージを送信することを思い出されたい。図14を参照して、ハンドオフ経路設定メッセージが生成されてモバイルデバイスから送出され、当該ハンドオフ経路設定メッセージが第二ホップ452まで完遂し、及び、ルータR7が当該ハンドオフ経路設定メッセージの処理を完了したところである、と仮定する。さらに、周期的リフレッシュメッセージが基地局BS9から送出されたところであると仮定する。基地局BS9には、モバイルデバイス114の基地局10へのハンドオフは未だに通知されていない。なぜなら、ハンドオフ経路設定メッセージを受信していないからである。リフレッシュ経路設定メッセージがルータR7において処理されるところである場合には、モバイルデバイス宛のルーティングテーブルエントリは、モバイルデバイスが、BS10における現在の接続点ではなく、依然として基地局BS9に接続されていることを表すようにリフレッシュされることになる。ハンドオフ経路設定メッセージは、第三ホップ454の後に基地局BS9に伝達され、BS9のルーティングテーブルが、モバイルデバイス114宛のパケットをルータR7にリダイレクトするように更新される。このシナリオにより、モバイルデバイスのIPアドレスをデスティネーションアドレスとして有するパケットが、次のリフレッシュ経路設定メッセージが開始されるまでの間、基地局BS9とルータR7との間でループされることになる。
【0064】
しかしながら、経路設定メッセージにシーケンスナンバーフィールドを含ませることによって、パケットルーピングは回避される。モバイルデバイスが起動する際、シーケンスナンバーフィールドは0にセットされ、モバイルデバイスが起動した直後であって隣接する基地局へハンドオフされていないことを表している。モバイルデバイスがハンドオフされるたびに、モバイルデバイスは情報要素と共に送出されるシーケンスナンバーをインクリメントする。それゆえ、リフレッシュ経路設定メッセージを開始する基地局は、ハンドオフ前の値(すなわち、その基地局に依然として接続されている間のシーケンスナンバーフィールド値に対応する値)にセットされたシーケンスナンバーフィールドを有する情報要素を送出する。新基地局へハンドオフされたモバイルデバイスは、1だけインクリメントされたシーケンスナンバーフィールド値を有するハンドオフ経路設定メッセージを開始する。それゆえ、基地局BS9から送出されたルータR7に到達するリフレッシュ経路設定メッセージは、モバイルデバイス114によって開始されたハンドオフ経路設定メッセージのシーケンスナンバーフィールド値よりも小さいシーケンスナンバーフィールド値を有することになる。ルータR7は、リフレッシュ経路設定メッセージがちょうど受信したハンドオフ経路設定メッセージと同じ程度に新しくはない、ということを認識し、当該モバイルデバイスに対応するルーティングテーブルエントリを変更せずにリフレッシュ経路設定メッセージを転送する。よって、パケットルーピング、及びそれがもたらす望ましくない結果、は回避される。
【0065】
シーケンスナンバーフィールドは、起動経路設定メッセージが常に処理されることを保証する目的で、起動の際に0にセットされる。このようにすることで、モバイルデバイス114がそれ自体をリセットする場合(例えば、バッテリの故障の結果として)においてもパケット伝達が保証される。起動経路設定メッセージは、起動経路設定メッセージとしてのそのステータスを表示する目的で、0に等しいシーケンスナンバーフィールドを有するため、リフレッシュ経路設定メッセージは、最小1であるような値にセットされたシーケンスナンバーフィールド値を有する。さらに、モバイルデバイスによって生成されたハンドオフ経路設定メッセージに係るシーケンスナンバーフィールド値は、各ハンドオフごとに、巻き付けるように1ずつインクリメントされる。それゆえ、ハンドオフ経路設定メッセージは、2とそのフィールド値として取りうる最大シーケンス数との間の値を有するシーケンスナンバーフィールド値を有している。
【0066】
新−旧経路設定方式の利用は、モバイルデバイスのハンドオフの前及びその間に無線デバイスがコンカレントに新基地局及び旧基地局の双方にチューニングするような、CDMAあるいは広帯域CDMAネットワークなどの応用例に関して特に適している。TDMAネットワークと共に用いられる場合には、新−旧経路設定方式はパケットロスを生ずる可能性がある。なぜなら、モバイルデバイスと旧基地局との間の無線リンクが、旧基地局がモバイルデバイス宛のパケットを受信するのと同時に切断される可能性があるからである。CDMAあるいは広帯域CDMAネットワークと共に用いられる場合には、新−旧経路設定方式は、パケットが新基地局あるいは旧基地局のいずれかからモバイルデバイス宛に伝達されることを可能にする。
【0067】
例えば、基地局BS9から基地局BS10へのハンドオフが発生すると仮定する。TDMAネットワークにおいては、BS10がモバイルデバイスをピックアップする前に、BS9がモバイルデバイスとのリンクを切断する。このことは、ハードハンドオフとして知られている。このハンドオフに関しては、ハンドオフ経路設定メッセージが450、452、454、456の順序で流される。しかしながら、経路設定メッセージが、モバイルデバイス114との間の設定済みのリンクの切断前に、BS9を通じた物理的無線リンクを介して開始されると仮定する。よって、BS10及びルータR7におけるルーティングテーブルエントリは更新され、モバイルデバイス114宛の今後のパケットは基地局BS10へルーティングされる。それゆえ、経路設定メッセージの処理前にR7のインターフェースIntfBを介してBS9宛にルーティングされたパケットは、落とされることになる。なぜなら、BS9との間のハードハンドオフがその間に発生するからである。このことは、CDMAネットワークでは生じない。モバイルデバイスは、二つの基地局に同時にチューニングして双方からパケットを受信することが可能であるため、BS9及びBS10から送出されたパケットを受信する。
【0068】
図14は、クロスオーバールータR7が、旧基地局(BS9)と新基地局(BS10)との間にサブネットドメインの有線部分を介して配置されている場合の新−旧通話設定方式処理シーケンスを示している。しかしながら、基地局BS9と基地局BS10とが互いに中間ルータ無く直接有線接続されていたらどうなるであろうか? 図14に従ったハンドオフ経路設定メッセージの処理の後、モバイルデバイス114宛のパケットは、ドメインルートルータ360から、ルータR7及び旧基地局BS9を介してルーティングされ、旧基地局BS9から新基地局(BS10)へと転送されてその後にモバイルデバイス宛に伝達される。ルーティング費用がホップ数に基づくものであると仮定すると、このようにパケットをルーティングすることは最適ルーティング経路ではない。なぜなら、ドメインルートルータ360からのモバイルデバイス宛のパケットは、クロスオーバールータR7から基地局BS10へ直接ルーティングされるのではなく、クロスオーバールータR7を介してまず基地局BS9へルーティングされその後に基地局BS10へルーティングされるからである。
【0069】
図15は、旧基地局が新基地局に対して、中間に配置された中継ルータを用いることなく直接有線接続されている場合の新−旧経路設定方式処理シーケンスの実施例を模式的に示した図である。それゆえ、前述されたドメイン相互接続に加えて、基地局BS9のIntfCが基地局BS10のIntfCに接続されている。前述されているように、モバイルデバイス114は、旧基地局BS9から新基地局BS10へとハンドオフするところである。モバイルデバイス114は、図9に関連して記述されたようにセットされた情報要素フィールドを有するハンドオフ経路設定メッセージを生成する。その後、モバイルデバイス114は、当該ハンドオフ経路設定メッセージを、第一ホップ460を介して基地局BS10のIntfBへと送出する。基地局BS10は、モバイルデバイス114に対応するルーティングテーブルエントリを追加あるいは更新し、メトリックフィールドをインクリメントして、当該ハンドオフ経路設定メッセージを第二ホップ462を介してBS10のIntfCからBS9のIntfC宛に転送する。基地局BS9は、モバイルデバイス114に対応するルーティングテーブルエントリを更新し、メトリックフィールドをインクリメントして、基地局BS9及びBS10内でハンドオフ経路設定メッセージによって設定されたルーティングテーブルエントリを用いて、モバイルデバイス114宛にアクノレッジ464を返送する。
【0070】
最適ではないルーティング経路の問題は、新基地局BS10が次のリフレッシュ経路設定メッセージを送出する際に修正される。リフレッシュ経路設定メッセージは、二つのホップでドメインルートルータ宛に送出される。第一ホップ466は、ルータR7のIntfC宛のものであり、第二ホップ468はドメインルートルータ360宛のものである。ドメインルートルータには何ら必要とされるルーティング変更は無いが、ルータR7におけるモバイルデバイスに係るルーティングテーブルエントリをリフレッシュする目的でリフレッシュ経路設定メッセージが用いられる。リフレッシュ経路設定メッセージを処理した後、ルータR7はモバイルデバイスのIPアドレスを、リフレッシュ経路設定メッセージを受信したインターフェースであるIntfCと関連づける。その後、モバイルデバイス宛の全てのパケットはルータR7のIntfCを介して基地局BS10のIntfA宛にルーティングされ、ルーティング経路が最適化される。
【0071】
図15を参照して、基地局BS10とルータR7との間のリンクでリンク故障が発生した場合のシナリオを考える。基地局BS10から発せられる次のリフレッシュ経路設定メッセージは、基地局BS10のIntfCから基地局BS9のIntfC宛に、次いで基地局BS9のIntfAからルータR7のIntfB宛に、さらに、ルータR7のIntfAからドメインルートルータ360宛にそれぞれ送出される。サブネットのルーティングプロトコルがリンク故障を検出し、自動的に代替ルートを基地局BS10からドメインルートルータ360への次善のルートに係るゲートウェイとして選択するため、この新たなルーティング経路が用いられる。前述された場合と同様、リフレッシュ経路設定メッセージが、このメッセージを受信する各々のルータにおけるモバイルデバイスに係るルーティングテーブルエントリを更新し、モバイルデバイス114宛の新たなパケット伝達経路を設定する。
【0072】
本発明に係る興味深い実施例は新−旧経路設定方式の変形であり、“旧−新”経路設定方式と呼称される。旧−新経路設定方式は新−旧経路設定方式と同様であるが、二つの主要な違いが存在する。第一に、ハンドオフ経路設定メッセージが、モバイルデバイスによって、新基地局宛ではなく旧基地局宛に送出される。その後、旧基地局は当該ハンドオフ経路設定メッセージを新基地局及び中間ルータを介してモバイルデバイス宛に返送し、モバイルデバイスに対応するルーティングテーブルエントリを各々のルータあるいは基地局において更新する。第二に、メトリックフィールドが、旧基地局において、新基地局に対応するルーティングテーブルエントリに係るメトリックフィールド値よりも1だけ大きい値に設定され、モバイルデバイスへ返送されるハンドオフ経路設定メッセージの各々のホップごとにデクリメントされる。
【0073】
新−旧−新経路設定方式
図16及び17は、本発明に従って、新−旧−新ハンドオフ経路設定メッセージを処理するドメインルータによって用いられるプログラム例を示す流れ図である。前述されているように、ハンドオフ経路設定メッセージはモバイルデバイスによって開始されて送出され、新基地局におけるモバイルデバイスの新たな接続点を反映させる目的でドメインルータにおけるルーティングテーブルエントリを更新する。新−旧−新ハンドオフ経路設定メッセージは、まず、(図16に示されているフェーズ1において)新基地局から旧基地局へと経路設定メッセージを転送し、(図17に示されているフェーズ2において)旧基地局から新基地局へと経路設定メッセージを転送する。ここで例示・記述される方法は、本発明の実施例に従ってHAWAIIをインプリメントしているホストベースドメイン内の各々のルータ(これらには、前述されているように、ドメイン内の基地局も含まれる。なぜなら、基地局は、サブネットの有線部分へのインターフェースとして働くルータ機能を維持あるいはそれへのアクセスが可能であるからである。)に対して適用可能である。ここで記述されるメッセージ処理手続きは、前述されているように、現在のルータにおいて利用可能な処理及びメモリ機能を用いて実行される。
【0074】
新−旧−新ハンドオフ経路設定方式は、前述された新−旧経路設定方式や旧−新経路設定方式よりも複雑である。新−旧−新ハンドオフ経路設定方式は、修正されたルーティングテーブル構造を利用する。標準的なルーティングテーブルエントリは、(前述されているように)ルーティング経路を決定するために二つのフィールドを利用し、あるIPアドレスを、そのIPアドレスをデスティネーションアドレスとして有するパケットが転送されるルータインターフェースに関連づける。ルーティングテーブル構造は、新−旧−新ハンドオフ経路設定方式をインプリメントする際には、三つのフィールドを含むように修正される。IPパケットが転送されるルータインターフェースは、デスティネーションIPアドレスの他にパケットが受信されるルータインターフェースの関数として決定される。それゆえ、同一のデスティネーションIPアドレスを有するパケットを、どの着信ルータインターフェースを介してそのパケットが受信されたかに依存して、相異なったインターフェースを介してルーティングすることが可能である。従って、強化されたルーティングテーブルエントリは、([着信Intf、IPアドレス]→発信Intf)という形式を有している。しかしながら、ルータのインターフェースポートに係る転送テーブルの形式は同一のままであることも可能である。
【0075】
図16を参照して、ステップ480においては、ドメインルータが、まず、新−旧−新フェーズ1ハンドオフ経路設定メッセージを受信する。フェーズ1メッセージというステータスは、当該メッセージが、モバイルデバイスから旧基地局への経路(すなわち、メッセージ経路の新−旧脚)内のルータにおいて処理されつつあることを表している。ルータはメトリックフィールドをインクリメントする(ステップ482)。ステップ484においては、ルータがその経路設定メッセージを受信したルータインターフェースを識別し、変数Intf1をそのインターフェースに対応するようにセットする。ステップ486では、ルータは、その経路設定メッセージ内のデスティネーションアドレスとルータ自体のアドレスとが等しいか否かをチェックする。ルータアドレスがデスティネーションアドレスである場合には(そのルータが実際に旧基地局であることを表しており)、ステップ488が実行される。
【0076】
ステップ488においては、フェーズ1ハンドオフ経路設定メッセージが旧基地局によって受信されると、([*、モバイルデバイスアドレス]→Intf1)という形態を有するルーティングテーブルエントリが生成される。この表記は、ルータ(この場合には旧基地局)に到達するパケットが、それがどの着信インターフェースを介して受信されたかにかかわらず、ステップ484において識別された発信インターフェース(Intf1)を介してルーティングされることを意味している。ステップ490では、Intf1に接続された次のホップのルータが識別され、フェーズ2経路設定メッセージのデスティネーションIPアドレスがモバイルデバイスのIPアドレスにセットされ、フェーズ2経路設定メッセージが出力される。その後、ルータは、次のフェーズ1経路設定メッセージを待機する(ステップ504)。
【0077】
しかしながら、ステップ486において実行されたチェックの結果が、メッセージを受信したルータがそのメッセージのデスティネーションIPアドレスフィールドにおいて示されたルータではないことを表している場合には、ステップ492が実行される。ステップ492では、ルータは、その経路設定メッセージが転送される際に用いられるべきルータインターフェースを識別し、このインターフェースを変数Intf2で表す。この決定は、経路設定メッセージのデスティネーションアドレスフィールドに基づいており、これは旧基地局のIPアドレスである。ステップ494においては、ルータは、モバイルデバイスのIPアドレスに係るルーティングテーブルエントリが存在するか否かをチェックする。モバイルデバイスのIPアドレスに対するルーティングテーブルエントリが存在しない場合には、ステップ496において、モバイルデバイスのIPアドレスに対するルーティングテーブルエントリが生成される。このエントリは、([*、モバイルデバイスアドレス]→Intf1)という形式を有しており、ルータに到達した、モバイルデバイスに対応するデスティネーションIPアドレスを有するパケットが、どのインターフェースを介して受信されたかにかかわらず、Intf1を介してルーティングされることを意味している。その後、経路設定メッセージがIntf2を用いて次のホップのルータ宛に転送される。
【0078】
ステップ494で、モバイルデバイスのIPアドレスに対応するルーティングテーブルエントリが存在すると決定された場合には、ステップ498が実行される。ステップ498においては、ハンドオフ経路設定メッセージのシーケンスナンバーがルータ内に存在するシーケンスナンバーエントリと比較される。経路設定メッセージのシーケンスナンバーがルータ内に存在するシーケンスナンバーエントリ以下である場合には、ハンドオフ経路設定メッセージはルータにおいてストアされている情報要素フィールド値と同じかより古いものであることを意味しており、その経路設定メッセージは、それ以上そのルータにおいては処理されない。その代わりにステップ502が実行され、その経路設定メッセージがIntf2を用いて次のホップのルータ宛に転送される。
【0079】
しかしながら、ハンドオフ経路設定メッセージ中のシーケンスナンバーが既存のルータシーケンスナンバーエントリよりも大きい場合には、ハンドオフ経路設定メッセージがルータにストアされているものよりもより新しい情報要素フィールドを有していることを表しており、ステップ500が実行される。([Intf2、モバイルデバイスアドレス]→Intf1)という形式のルーティングテーブルエントリが追加される。このエントリは、既存のエントリを置換するのではなく、追加されることが重要である。既存のエントリは、([〜Intf2、モバイルデバイスアドレス]→IntfX)という形式に更新される。これら二つのエントリはルーティングテーブル内に同時に存在し、以下の効果を有する。このルータにおいてIntf2から受信され、モバイルデバイスのIPアドレスをデスティネーションアドレスとして有するパケットはIntf1を介して転送され、一方、このルータにおいてIntf2以外のインターフェースから受信され、モバイルデバイスのIPアドレスをデスティネーションアドレスとして有するパケットはIntfX(ステップ494において、存在すると決定されたエントリに係るインターフェース)を介して転送される。ステップ502においては、このハンドオフ経路設定メッセージが、Intf2を用いて次のホップのルータ宛に転送される。その後、ルータは次のフェーズ1メッセージの受信を待機する(ステップ504)。
【0080】
図17を参照すると、ステップ520においては、ドメインルータは、まず、新−旧−新フェーズ2ハンドオフ経路設定メッセージを受信する。フェーズ2メッセージというステータスは、そのメッセージが、旧基地局からモバイルデバイスへ返送される経路(すなわち、メッセージ経路の旧−新脚)内に存在するルータによって処理されつつあることを意味している。ステップ522では、ルータはメトリックフィールドをデクリメントする。なぜなら、フェーズ2ホップごとに1ホップ分ずつモバイルデバイスにより近くなるからである。ステップ524においては、ルータは当該経路設定メッセージを受信したインターフェースを識別し、変数Intf1をそのインターフェースに対応する値にセットする。ステップ526では、ルータは、([Intf1、モバイルデバイスアドレス]→IntfX)という形式のルーティングテーブルエントリが存在するか否かをチェックする。すなわち、ルータプロセッサは、パケットがIntf1から受信されてモバイルデバイスのIPアドレスをデスティネーションアドレスとして有する場合に、その受信されたパケットを規定されたインターフェース(IntfX)から転送するルーティングテーブルエントリが存在するか否かをチェックする。そのようなエントリが存在しない場合には、ステップ532において、どのインターフェースからその経路設定メッセージが受信されたかにかかわらず、経路設定メッセージ内に含まれるデスティネーションIPアドレスのみによって決定された次のホップに当該経路設定メッセージを転送する。しかしながら、ステップ526によって実行された検索の結果、([Intf1、モバイルデバイスアドレス]→IntfX)という形式のエントリが存在することが明らかになった場合には、ステップ528が実行される。
【0081】
ステップ528においては、当該ハンドオフ経路設定メッセージのシーケンスナンバーが既存のルータシーケンスナンバーエントリと比較される。当該ハンドオフ経路設定メッセージのシーケンスナンバーが既存のルータシーケンスナンバーエントリ以下である場合には、当該ハンドオフ経路設定メッセージがルータにストアされているものよりも新しくはない情報要素フィールド値を有することを意味しており、当該経路設定メッセージはそのルータにおいてさらに処理されることはない。その代わりに、ステップ532が実行され、当該ハンドオフ経路設定メッセージがIntfXを介して次のホップのルータ宛に転送される。
【0082】
しかしながら、当該ハンドオフ経路設定メッセージのシーケンスナンバーが既存のルータシーケンスナンバーエントリより大きい場合には、当該ハンドオフ経路設定メッセージがルータにストアされているものよりもより新しい情報要素フィールドを有することを意味しており、ステップ530が実行される。そのルータにおけるルーティングテーブルエントリが更新され、モバイルデバイスのIPアドレスをデスティネーションアドレスフィールドに有する全てのエントリが、([*、モバイルデバイスアドレス]→IntfX)の形式に修正される。すなわち、モバイルデバイスのIPアドレスを有するエントリが修正され、いずれのインターフェースから受信されたかにかかわらず、モバイルデバイスのIPアドレスを有するそれ以降のパケットが、この時点の修正前に存在していたエントリにおいて規定されたインターフェースへ転送されるようになる。ステップ532においては、当該ハンドオフ経路設定メッセージがIntfXを介して次のホップのルータ宛に転送される。その後、どのような経路からステップ532に到達した場合であろうとも、ルータは次の新−旧−新フェーズ2ハンドオフ経路設定メッセージが受信されるのを待機する。受信されると、処理はステップ520から新たに再開される。
【0083】
図17は、本発明に従ったHAWAIIホストベースアーキテクチャを用いるドメイン例における新−旧−新経路設定方式処理シーケンスを示している。“Intf”は、あるノードが次のノードに接続される際のインターフェースあるいはポートを示している。ドメインルートルータ360は、ドメインルートルータのIntfAを介してインターネット362にアクセスする。ドメインルートルータ360のIntfBは、ルータR7のIntfAに接続されている。ドメインルートルータ360のIntfCは、ルータR8のIntfAに接続されている。ルータR7のIntfBは、基地局BS9のIntfAに接続されている。ルータR7のIntfCは、基地局BS10のIntfAに接続されている。ルータR8のIntfBは、基地局BS11のIntfAに接続されている。ルータR8のIntfCは、基地局BS12のIntfAに接続されている。
【0084】
モバイルデバイス114は、旧基地局BS9から新基地局BS11へのハンドオフの途中として示されている。モバイルデバイス114は、その情報要素フィールドが図9に関連して記述されているようにセットされた新−旧−新フェーズ1ハンドオフ経路設定メッセージを生成する。モバイルデバイス114は、当該ハンドオフ経路設定メッセージを第一ホップ550を介して基地局BS11のIntfB宛に送出する。
【0085】
ハンドオフ経路設定メッセージを受信すると、基地局BS11は情報要素メトリックフィールドをインクリメントし、モバイルデバイス114のIPアドレスに対応するルーティングテーブルエントリを生成する。前述されているように、モバイルデバイスに対するエントリは、着信インターフェース、モバイルデバイスのIPアドレス、及び関連して決定された、基地局BS11によって受信されたモバイルデバイス114宛のパケットがルーティングされる発信インターフェース、という三つのフィールドを有する強化されたエントリである。当該ハンドオフ経路設定メッセージを受信する前には、基地局BS11は、([*、デフォールト]→BS11のIntfA)という形式のデフォールトエントリを維持している。当該ハンドオフ経路設定メッセージの処理の後には、基地局BS11は、([*、モバイルデバイスアドレス]→BS11のIntfB)という形式のエントリを生成する。すなわち、関連づけられる発信インターフェースは、当該ハンドオフ経路設定メッセージが受信されたものと同一のインターフェース(この例の場合には、無線インターフェースであるBS11のIntfB)にセットされる。次に、BS11は、デスティネーションIPアドレスフィールドに示されたアドレスへの伝達を完了する目的で、当該ハンドオフ経路設定メッセージを送出すべき転送先のルータを決定するために、旧基地局のIPアドレス(BS9アドレス)に関するルーティングテーブル検索を実行する。この例では、BS11は、当該ハンドオフ経路設定メッセージを転送すべき適切なルータはルータR8であると決定する。それゆえ、BS11は、当該ハンドオフ経路設定メッセージを第二ホップ552においてBS11のIntfAからR8のIntfBへとルーティングする。
【0086】
ハンドオフ経路設定メッセージを受信すると、ルータR8は情報要素メトリックフィールドをインクリメントし、モバイルデバイス114に対応するルーティングテーブルエントリを生成する。当該ハンドオフ経路設定メッセージを受信して処理する前には、ルータR8は、([*、デフォールト]→R8のIntfA)というデフォールトエントリを維持していた。当該ハンドオフ経路設定メッセージを処理した後には、ルータR8は、([*、モバイルデバイスアドレス]→R8のIntfB)という形式のエントリを生成する。すなわち、IPヘッダデスティネーションアドレスとしてモバイルデバイスのアドレスを有するパケットに関しては、どの着信インターフェースで受信されたかにかかわらず、関連する発信インターフェースとして用いられるのは当該ハンドオフ経路設定メッセージが受信されたものと同一のインターフェース(R8のIntfB)である。ルータR8は、デスティネーションIPアドレスフィールドに含まれたアドレスへの伝達を完遂する目的で、当該ハンドオフ経路設定メッセージの転送先のルータを決定するために、旧基地局のIPアドレス(BS9のアドレス)に関するルーティングテーブル検索を実行する。この例では、ルータ8は、当該ハンドオフ経路設定メッセージを転送すべき適切なルータがドメインルートルータ360であることを決定する。それゆえ、ルータR8は、ハンドオフ経路設定メッセージを第三ホップ554でルータR8のIntfAからドメインルートルータのIntfC宛に転送する。
【0087】
ハンドオフ経路設定メッセージを受信すると、ドメインルートルータ360は情報要素メトリックフィールドをインクリメントし、モバイルデバイス114に対応するルーティングテーブルエントリを追加する。当該ハンドオフ経路設定メッセージを受信して処理する前には、ドメインルートルータ360は、基地局BS9を介したモバイルデバイス宛のパケットの伝達に係るルーティングテーブルエントリを([*、モバイルデバイスアドレス]→DRRのIntfB)という形で維持していた。これは、それ以前の経路設定メッセージによって設定されたものである。このエントリは、パケットが受信されたインターフェースにかかわらず、モバイルデバイスのIPアドレスをIPヘッダデスティネーションアドレスとして有するパケットは、ドメインルートルータ360からDRRのIntfBを介してルーティングされる、ということを規定していた。当該ハンドオフ経路設定メッセージを処理した後、ドメインルートルータ360は既存のルーティングテーブルエントリを([〜DRRのIntfB、モバイルデバイスアドレス]→DRRのIntfB)という形式に修正し、([DRRのIntfB、モバイルデバイスアドレス]→DRRのIntfC)という形式のエントリを付加する。それゆえ、モバイルデバイスをデスティネーションIPアドレスとして有するパケットは、その後にドメインルートルータ360において受信されると、どのインターフェースからそのパケットが受信されたかに依存して、二つのうちのいずれかのインターフェースを介して転送される。パケットが着信インターフェースDRRのIntfBから受信されると、当該パケットはDRRのIntfCを介してルータR8へと転送され、最終的に基地局BS11を介して、接続されているモバイルデバイスにと転送される。しかしながら、パケットがDRRのIntfB以外の着信インターフェースを介して受信された場合には、そのパケットはDRRのIntfBを介して転送される。処理の後、当該ハンドオフ経路設定メッセージは、第四ホップ556でDRRのIntfBからルータR7のIntfAへと転送される。
【0088】
ハンドオフ経路設定メッセージを受信すると、ルータR7は情報要素メトリックフィールドをインクリメントして、モバイルデバイス114のIPアドレスに対応するルーティングテーブルエントリを更新する。当該ハンドオフ経路設定メッセージを受信して処理する前は、ルータR7は、基地局BS9を介したモバイルデバイス宛のパケットの伝達に係るルーティングテーブルエントリを([*、モバイルデバイスアドレス]→R7のIntfB)という形式で維持していた。これは、パケットが受信されたインターフェースにかかわらず、モバイルデバイスのIPアドレスをIPヘッダデスティネーションアドレスとして含むパケットは、ルータR7のIntfBを介してルータR7から基地局BS9宛に転送される、ということを規定していた。当該ハンドオフ経路設定メッセージを処理した後、ルータR7は既存のルーティングテーブルエントリを([〜R7のIntfB、モバイルデバイスアドレス]→R7のIntfB)の形に修正し、([R7のIntfB、モバイルデバイスアドレス]→R7のIntfA)の形のエントリを付加する。それゆえ、その後にルータR7によって受信される、モバイルデバイスをデスティネーションIPアドレスとして有するパケットは、どのインターフェースから受信されたかに依存して、二つのインターフェースのうちの一方を介して転送される。パケットが着信インターフェースR7のIntfBから受信された場合には、当該パケットはR7のIntfAを介してドメインルートルータ360宛に転送され、最終的に基地局BS11を介して、接続されているモバイルデバイス宛に転送される。しかしながら、パケットがR7のIntfB以外の着信インターフェースから受信される場合には、パケットはR7のIntfBを介して転送される。処理の後、当該ハンドオフ経路設定メッセージは第五ホップを介してルータR7のIntfBから基地局BS9のIntfAへと転送される。
【0089】
ハンドオフ経路設定メッセージを受信すると、基地局BS9は情報要素メトリックフィールドをインクリメントして、モバイルデバイス114のIPアドレスに対応するルーティングテーブルエントリを更新する。当該ハンドオフ経路設定メッセージを受信して処理する前は、旧基地局(BS9)は、モバイルデバイス宛のパケットの伝達に係るルーティングテーブルエントリを([*、モバイルデバイスアドレス]→BS9のIntfB)という形式で維持していた。これは、パケットが受信されたインターフェースにかかわらず、モバイルデバイスのIPアドレスをIPヘッダデスティネーションアドレスとして含むパケットは、基地局BS9からモバイルデバイス宛に発信インターフェースBS9のIntfBを介して転送される、ということを規定していた。当該ハンドオフ経路設定メッセージの処理の後、基地局BS9は、モバイルデバイスのアドレスに対応するルーティングテーブルエントリを([*、モバイルデバイスアドレス]→BS9のIntfA)という形に更新する。それゆえ、その後にBS9において受信される、モバイルデバイスのアドレスをパケットヘッダデスティネーションIPアドレスとして有するパケットは、どのインターフェースを介して受信されたかにかかわらず、旧基地局からBS9のIntfAを介して転送される(よって、当該ドメインの有線部分を介してBS11への伝達のためにパケットがリダイレクトされ、さらにBS11の無線インターフェースを介してモバイルデバイスへ伝送される)。新−旧−新ハンドオフ経路設定方式のフェーズ1部分の処理は、モバイルデバイスのIPアドレスに対応するよう当該ハンドオフ経路設定メッセージの情報要素フィールドのデスティネーションアドレスを変更することによって完了する。変更されたメッセージは、そのステップで、新−旧−新フェーズ2ハンドオフ経路設定メッセージと見なされる。新−旧−新フェーズ2ハンドオフ経路設定メッセージは、第六ホップ560を介して、BS9のIntfAからルータR7のIntfBへと転送される。
【0090】
新−旧−新フェーズ2ハンドオフ経路設定メッセージを受信すると、ルータR7は情報要素メトリックフィールドをデクリメントし、モバイルデバイス114のIPアドレスに対応するルーティングテーブルエントリを更新する。このハンドオフ経路設定メッセージを受信して処理する前には、モバイルデバイス宛のパケットの伝達に関しては、二つのルーティングテーブルエントリが生成されて維持されていた。第一エントリは、([〜R7のIntfB、モバイルデバイスアドレス]→R7のIntfB)という形式を有し、第二エントリは([R7のIntfB、モバイルデバイスアドレス]→R7のIntfA)という形式を有していた。このハンドオフ経路設定メッセージの処理の後には、ルータR7はモバイルデバイスのIPアドレスに対応する二つの既存のエントリを([*、モバイルデバイスアドレス]→R7のIntfA)という形式を有する単一のエントリで置換する。それゆえ、ルータR7は、モバイルデバイスアドレスをIPヘッダデスティネーションアドレスとして有する全てのパケットを、いずれのインターフェースから受信したかにかかわらず、発信インターフェースR7のIntfAを介して転送する。処理の後、当該ハンドオフ経路設定メッセージは、第七ホップ562でルータR7のIntfAからドメインルートルータ360宛に転送される。
【0091】
新−旧−新フェーズ2ハンドオフ経路設定メッセージを受信すると、ドメインルートルータ3607は情報要素メトリックフィールドをデクリメントし、モバイルデバイス114のIPアドレスに対応するルーティングテーブルエントリを更新する。このハンドオフ経路設定メッセージを受信して処理する前には、モバイルデバイス宛のパケットの伝達に関しては、二つのルーティングテーブルエントリが生成されて維持されていた。第一エントリは、([〜DRRのIntfB、モバイルデバイスアドレス]→R7のIntfB)という形式を有し、第二エントリは([DRRのIntfB、モバイルデバイスアドレス]→R7のIntfC)という形式を有していた。このハンドオフ経路設定メッセージの処理の後には、ドメインルートルータ360はモバイルデバイスのIPアドレスに対応する二つの既存のエントリを([*、モバイルデバイスアドレス]→DRRのIntfC)という形式を有する単一のエントリで置換する。それゆえ、ドメインルートルータ360は、モバイルデバイスアドレスをIPヘッダデスティネーションアドレスとして有する全てのパケットを、いずれのインターフェースから受信したかにかかわらず、発信インターフェースDRRのIntfCを介して転送する。処理の後、当該ハンドオフ経路設定メッセージは、第八ホップ564でドメインルートルータ360のインターフェースDRRのIntfCからルータR8の着信インターフェースR8のIntfA宛に転送される。
【0092】
新−旧−新ハンドオフ経路設定メッセージを受信すると、ルータR8は情報要素メトリックフィールドをデクリメントする。モバイルデバイスに係るルーティングテーブルエントリは更新を必要としない。なぜなら、それは単一のものであって(パケット転送に用いられる発信インターフェースはIPヘッダのデスティネーションアドレスのみに依存しており、パケットが受信されるインターフェースには依存していない)、モバイルデバイス宛にルーティングされるべきパケットが受信されるインターフェースを正確に反映しているからである。当該ハンドオフ経路設定メッセージは、第九ホップ566でルータR8のIntfBから基地局BS11のIntfA宛に転送される。
【0093】
新−旧−新ハンドオフ経路設定メッセージを受信すると、新基地局(BS11)は情報要素メトリックフィールドをデクリメントする。モバイルデバイスに係るルーティングテーブルエントリは更新を必要としない。なぜなら、それは単一のものであって(パケット転送に用いられる発信インターフェースはIPヘッダのデスティネーションアドレスのみに依存しており、パケットが受信されるインターフェースには依存していない)、モバイルデバイス宛にルーティングされるべきパケットが受信されるインターフェースを正確に反映しているからである。当該ハンドオフ経路設定メッセージは、第十ホップ568で基地局BS11のIntfBからモバイルデバイス宛に転送される。返送されてきたハンドオフ経路設定メッセージの受信は、ドメイン有線ルーティング更新手続きが満足に完了したことを表している。
【0094】
新−旧−新ハンドオフ経路設定方式の使用は、TDMA装置を用いる場合などのように、無線デバイスが一度に一つの基地局のみにしかチューニングできないようなアプリケーションに特に適している。TDMAネットワーク内では、ソフトハンドオフという概念が存在しない(なぜなら、モバイルデバイスが旧基地局と新基地局の双方に対してチューニングすることが無いからである。)。むしろ、TDMAモバイルデバイスは、旧基地局に対してチューニングしており、新基地局に近づくにつれて、旧基地局との間の旧リンクを切断すると同時に新基地局との間の新リンクを設定する。新−旧方式では、旧リンクが切断されつつあり、かつ新リンクの設定前の期間にパケットが旧基地局宛に転送される可能性がある。それゆえ、新−旧方式や旧−新方式を用いると、パケットロスが発生する可能性がある。しかしながら、新−旧−新ハンドオフ経路設定方式は、旧リンクが切断されつつある間に旧基地局宛に転送されたパケットが新基地局宛に転送されることが保証される。それゆえ、ハンドオフの間のパケットロスの危険性は最小化されている。
【0095】
図19は、メモリ588内にインプリメントされたルーティングテーブル590を有するルータの実施例を模式的に示す図である。ルータは、前のノードからパケットを受信するための複数個の入力ポート(すなわちインターフェース)582及び次のホップへパケットを送出するための複数個の出力ポート(すなわちインターフェース)584を有している。これらのインターフェースが双方向であることも可能である。すなわち、インターフェースは、入力及び出力インターフェースの双方として機能することも可能である。さらに、ルータ580は、プロセッサ586及びメモリ588を有している。ルータに存在する処理及びメモリ資源のために、転送アルゴリズムのインプリメンテーション、キュー、シグナリング、メッセージング、ルーティングテーブル590のインプリメンテーション、さらには他の標準的及び補足的なルータ機能及びサービス等のルータ機能やサービスの実現が可能になる。図19に示されたルータ580は、ルータメモリ588の資源を用いてインプリメントされたルーティングテーブル590を有している。ルーティングテーブル590は、ルーティングテーブル590に係る要素フィールドの蓄積用に割り当てられた、ルータメモリ588の分割された部分にストアされている複数個のルーティングエントリを有している。ルータプロセッサ586は、ルーティングエントリの初期値を決定し、かつ、これらの値をストアし、更新し、かつアクセスする目的でのルータメモリ588とのインターフェースとして機能するように用いられる。
【0096】
前述された経路設定方式は、ルーティング情報プロトコルバージョン2(RIPv2)を修正して拡張することによってインプリメントされた。以下に記述されるのは、RIPv2を用いて新−旧経路設定方式をモデル化するために用いられた方法例である。他の経路設定方式のインプリメンテーションも同様に実行される。ノードにおける処理は以下のように行なわれる。通常のRIPv2更新メッセージは、AF_INETというファミリーフィールド識別子を有している。本発明の一実施例においては、ルーティング更新メッセージと識別する目的でAF_MOBINETというファミリー識別子を有するHAWAII経路設定メッセージが用いられる。種々の経路設定メッセージのうち、リフレッシュ経路設定メッセージはRIPCMD_RESPONSEというコマンドフィールドを用いてインプリメントされるが、更新経路設定メッセージはRIPCMD_RESPONSE.ACKというコマンドフィールドを用いてインプリメントされる。
【0097】
ルーティングデーモンは、AF_MOBINETというファミリー識別子を有するRIPメッセージを受信すると、メトリックフィールドをインクリメントし、(モバイルデバイスのIPアドレス→メッセージが受信されたインターフェース)という形式のエントリを追加する。ルーティングデーモンがモバイルデバイスに対応するエントリを既に有している場合には、メッセージに係るシーケンスナンバーが0かあるいは当該モバイルデバイスに対応する既存のエントリのシーケンスナンバーよりも大きければ、当該既存のエントリが更新される。その後、ルーティングデーモンは、当該メッセージが転送されるべきインターフェースを決定する。このことは、メッセージ内のデスティネーションアドレスフィールドに対応するルーティングテーブルエントリを用いて実行される。その後、メッセージは次のホップのルータ宛に転送される。次のホップのルータに係るアドレスが現在のルータあるいは基地局のアドレスのうちの一方と同一の場合には、当該経路設定メッセージはその最終的なデスティネーションアドレスに到達していることになる。メッセージが最終的なデスティネーションアドレスに到達すると、コマンドフィールドがRIP_RESPONSE_ACKとセットされている場合には、更新経路設定メッセージの場合と同様に、アクノレッジ信号が生成される。その後、生成されたアクノレッジ信号はモバイルデバイス宛に転送される。ドメイン基地局に認証情報が保持されている場合には、認証情報を含むアクノレッジ信号がまず新基地局宛に送出され、その新基地局がアクノレッジ信号をモバイルデバイス宛に転送する。
【0098】
動的ホスト配置プロトコル(DHCP)サーバ内でのルーティング情報プロトコル(RIP)とモバイルIP標準との統合は、以下の記述例に従って実現される。モバイルデバイスは、起動されると、最初にDHCP_DISCOVERメッセージを起動時点で接続されている基地局宛に送出する。それゆえ、基地局はDHCPリレーとして機能し、当該DHCP_DISCOVERメッセージをDHCPサーバ宛に転送する。DHCPサーバは、モバイルデバイスあての返信をDHCP_OFFERメッセージと共に伝達する。その後、モバイルデバイスは、DHCP_REQUESTメッセージを基地局宛に伝達し、基地局はそのメッセージをDHCPサーバ宛にリレーする。その後、DHCPサーバは、モバイルデバイスに対して割り当てられたアドレス(’ciaddr’フィールド)、基地局のアドレス(’giaddr’フィールド)、及びドメインルートルータのアドレス(’siaddr’フィールド)を含むDHCP_RESPONSEを送出する。その後、モバイルデバイスは、シーケンスナンバー0を有し、ドメインルートルータを最終的なデスティネーションアドレスとして有する更新経路設定メッセージを現在の基地局宛に送出する。このメッセージは、ドメイン内の選択されたルータにおいてルーティングエントリを設定し、そのため、ドメインルートルータに到達するパケットはモバイルデバイス宛に伝達される。モバイルデバイスが、同一ドメイン内の新たな基地局へとハンドオフする場合には、前述されているようにシーケンスナンバーを更新し、ハンドオフ後の接続性を維持する目的で、新−旧経路設定方式を用いて経路設定メッセージを送出する。モバイルデバイスが新たなドメイン内の新たな基地局へとハンドオフする場合には、モバイルデバイスは、新ドメインのDHCPサーバを介して、気付アドレスを獲得する。その後、モバイルデバイスは、以前のドメインでのホームエージェントに新たな気付アドレスを通知する。その後、パケットは、モバイルデバイスが新ドメイン内の基地局に接続されている限り、前記ホームエージェントと新気付アドレスとの間で通過させられる。モバイルデバイスの電源が切断されると、新ドメインにおいてDHCPサーバによって割り当てられたアドレス及び/あるいは元のドメインにおいてDHCPサーバから割り当てられたアドレスは再使用のために破棄される。
【0099】
認証情報は、任意のユーザが経路設定メッセージを送出するのを許可せず、それによって他のユーザによるパケット送出を防止する目的で用いられる。本明細書において記述されているHAWAIIの実施例と共に考慮されてきたそれぞれの経路設定メッセージは、安全だと考えられている。なぜなら、ハンドオフ経路設定方式をインプリメントする目的で、旧基地局による協調と関与をそれぞれが必要とするからである。ユーザに係る認証情報は、モバイルデバイスが起動される際に現在の基地局内にストアされる。モバイルデバイスが新基地局へとハンドオフする場合には、旧基地局は、当該モバイルデバイスが経路設定メッセージにおいてそれ自身を認証することができる場合にのみ、経路設定メッセージを是認する。その後、認証情報は、経路設定メッセージのアクノレッジ信号上で、旧基地局から新基地局へと転送される。モバイルデバイスの起動登録の際のIPアドレスの割り当ても、任意のユーザがIPアドレスを獲得することを防ぐ目的で安全でなければならない。このことは、セルラーネットワークで用いられているように、ホームロケーション登録(HLR)認証等の機構を用いて、あるいは、RADIUSプロトコル認証機構を用いて、実現される。
【0100】
図20は、モバイルデバイスのホームエージェントからモバイルデバイスの外部エージェント宛にIPパケットを通過させる目的で用いられるモバイルIP標準方法を模式的に示す図である。通信ノード600からモバイルデバイス608宛の伝達目的で発せられたパケットは、モバイルデバイス608のホームエージェント602に対するホストとして機能しているノードにまずルーティングされる。ホームエージェント602は、モバイルデバイス608のIPアドレスをデスティネーションアドレスとして有する全てのパケットが最初にルーティングされるべき、モバイルデバイス608に対する登録済みエージェントである。通信ノード600とホームエージェント602との間の経路は、全体は示されていない。インターネット、プライベートイントラネット、及び/あるいは複数個のルータ及びノードが、通信ノード600とホームエージェント602との間に配置されうる。ホームエージェント602は、モバイルデバイスのIPアドレスをデスティネーションアドレスとして有するパケットを受信すると、それらのパケットをモバイルデバイスの外部エージェント610宛に転送する。外部エージェント610は、この実施例ではモバイルデバイス608内に位置しているように示されている。モバイルデバイス608は、基地局606との間に設定された無線接続を維持しているように図示されている。ルータ604が基地局606とホームエージェント602との間に配置されている。ホームエージェント602とモバイルデバイス608との間の通過経路は、全体は示されていない。インターネット、プライベートイントラネット、及び/あるいは複数個のルータ及びノードが、ホームエージェント602とモバイルデバイス608との間に配置されうる。
【0101】
通信ノード600からモバイルデバイス608宛のIPパケット612は、まず、ホームエージェント602に対するホストとして機能しているノードによって受信される。IPパケット612は、通常、そのサイズが1500バイトに制限されている。1500バイトのうち、40バイトがIPパケットヘッダに用いられる。通信ノードはIPヘッダソースアドレス614にセットされ、モバイルデバイスはIPヘッダデスティネーションアドレス616にセットされる。全体で1460バイトが、データペイロード618用に利用可能である。ホームエージェントに対するホストとして機能しているノードによって受信された後、ホームエージェントはIPパケット612をモバイルデバイスの代わりに受け取り、IPパケット612を付加されたIPヘッダデスティネーションアドレス及びソースアドレスと共にカプセル化し、カプセル化されたパケット620を、モバイルデバイス608内に位置している外部エージェント610宛のIP−イン−IPトンネルで転送する。それゆえ、カプセル化されたパケットは、通信ノードのIPアドレス626とモバイルデバイスのIPアドレス628、ホームエージェントのIPアドレスを示す付加された10バイトのIPヘッダソースアドレス622、外部エージェントのIPアドレスを示す付加された10バイトのIPヘッダデスティネーションアドレス624、及び、データペイロード630用に利用可能な全1440バイトから構成されている。通過させられたカプセル化済みパケット620が外部エージェント610において受信されると、外部エージェントは付加されたIPヘッダソース及びデスティネーションアドレス622、624を除去し、残りのパケットを処理のためにモバイルデバイス608宛に送出する。
【0102】
図21は、モバイルデバイスのホームエージェントからモバイルデバイスの外部エージェント宛のIPパケットの通過に関する、本発明に従った最適化を例示した図である。通信ノード600からモバイルデバイス608宛に送出されたパケットは、モバイルデバイス608のホームエージェントに対するホストとして機能しているノードへとルーティングされる。ホームエージェント602は、モバイルデバイス608のIPアドレスをデスティネーションアドレスとして有する全てのパケットが最初にルーティングされるべき、モバイルデバイス608に対する登録済みエージェントである。通信ノード600とホームエージェント602との間の経路は、全体は示されていない。インターネット、プライベートイントラネット、及び/あるいは複数個のルータ及びノードが、通信ノード600とホームエージェント602との間に配置されうる。ホームエージェント602は、モバイルデバイスのIPアドレスをデスティネーションアドレスとして有するパケットを受信すると、それらのパケットをモバイルデバイスの外部エージェント610宛に転送する。外部エージェント610は、この実施例ではモバイルデバイス608内に位置しているように示されている。モバイルデバイス608は、基地局606との間に設定された無線接続を維持しているように図示されている。ルータ604が基地局606とホームエージェント602との間に配置されている。ホームエージェント602とモバイルデバイス608との間の通過経路は、全体は示されていない。インターネット、プライベートイントラネット、及び/あるいは複数個のルータ及びノードが、ホームエージェント602とモバイルデバイス608との間に配置されうる。
【0103】
通信ノード600からモバイルデバイス608宛のIPパケット612は、まず、ホームエージェント602に対するホストとして機能しているノードによって受信される。IPパケット612は、通常、そのサイズが1500バイトに制限されている。1500バイトのうち、40バイトがIPパケットヘッダに用いられる。通信ノードはIPヘッダソースアドレス614にセットされ、モバイルデバイスはIPヘッダデスティネーションアドレス616にセットされる。全体で1460バイトが、データペイロード618用に利用可能である。ホームエージェントに対するホストとして機能しているノードによって受信された後、ホームエージェントはIPパケット612をモバイルデバイスの代わりに受け取り、IPパケット612を付加されたIPヘッダソース及びデスティネーションアドレスと共にカプセル化する代わりに、モバイルデバイスの外部エージェント644に対して割り当てられたアドレスをモバイルデバイスのIPアドレス616と相互交換する。IPヘッダデスティネーションアドレスが相互交換されると、新たなIPパケット640が、モバイルデバイス608内に存在する外部エージェント610宛に転送される。それゆえ、新たなIPパケット640は、通信ノードのIPアドレス642、外部エージェントのIPアドレス644を含む40バイトのIPヘッダ、及びデータペイロード646として利用可能な1460バイトより構成される。付加IPヘッダソース及びデスティネーションアドレスを付け加える代わりにパケットのデスティネーションアドレスを交換することによって、利用可能なデータペイロード646サイズは減少させられることはない。すなわち、通過最適化を用いることによって、パケットをホームエージェントから外部エージェントへと通過させるために必要になるオーバーヘッドが低減される。新たなIPパケット640を受信すると、外部エージェント610はモバイルデバイスのIPアドレス616をモバイルデバイスの外部エージェント644に対して割り当てられたアドレスと相互交換し、その結果得られたパケットを処理目的でモバイルデバイス608宛に伝達する。
【0104】
図22は、従来技術に係るモバイルIPパケットトンネリングに係るtcpdumpトレースを示す図である。前述されているように、モバイルデバイスが常にホームネットワークの外部に位置する場合には、パケットは、通常、対応するホームエージェントからモバイルデバイス宛に通過させられる。通信ノードがルート最適化拡張を用いる場合には、パケットはホームエージェント宛にルーティングされることなく直接モバイルデバイス宛にルーティングされる。しかしながら、通信ノードがルート最適化をインプリメントするように更新されるまでには非常に長い時間が必要と考えられている。従来技術に係る、ホームエージェントから外部エージェントへのモバイルIPパケットトンネリングには、モバイルデバイス宛に送出されるパケットの各々に付加ヘッダを付け加えるステップが含まれる。この付加ヘッダを含ませることにより、図22のtcpdumpトレースの例からも明らかなように、重大なかつ望ましくない効果がもたらされる。tcpdumpトレース中で、通信ノードはCHで示されており、モバイルデバイスはMH、ホームエージェントはHA、及び外部エージェントはFAでそれぞれ示されている。
【0105】
図22の最初の5ステップは、通信ノードとホームエージェントとの間のトランスミッションコントロールプロトコル(TCP)ハンドシェークを表している。この期間に、最大セグメント長(mss)が1460バイトであることが決定される。最大セグメント長は、IPパケット中の、アプリケーションデータが存在するペイロード部分の大きさを反映している。1500バイトよりなるIPパケットを構成している残りの40バイトは、ソース及びデスティネーションIPアドレスを含むIPパケットヘッダとして用いられる。ステップ6では、1460バイトのペイロードを有する最初のパケットがフラグメンテーション禁止フラグをセットした状態(経路MTU検索)で送出されると、ホームエージェントがインターネットコントロールメッセージプロトコル(ICMP)エラーメッセージを通信ノード宛に返送して、通過ヘッダの付加がフラグメンテーションを要求することを示す。ステップ7の完了の後、経路最大伝送ユニット(MTU)として1440バイトがパケットペイロードに新たに割り当てられる。それゆえ、付加パケットオーバーヘッドを含めることによるパケット伝送効率の低減に加えて、通過ヘッダを利用することにより、通信ノードとホームエージェントとの間で浪費される1ラウンドトリップ分の通信の追加という望ましくなくかつ不効率な影響がある。この影響は、通信ノードからモバイルデバイス宛のウェブ(web)伝送に関してモバイルIPトンネリング方式を用いる場合に特に認識されるものとなり、500ミリ秒あるいはそれ以上の付加遅延が生ずる。なぜなら、各ウェブページの伝送は、それを完了するまでに複数個のTCPダウンロードが必要とされるからである。
【0106】
図23は、本発明に従ってトンネリング最適化を利用する場合のホームエージェントから外部エージェントへのパケット伝達に係るtcpdumpトレースを示した図である。前述されているように、トンネリング最適化はモバイルデバイス内に存在する外部エージェントを利用しており、それゆえ、モバイルデバイスの気付アドレスがモバイルデバイスの外部エージェントとのアドレスとして用いられる。よって、ホームエージェントは、IPヘッダデスティネーションアドレスを、モバイルデバイスのアドレスからその気付アドレス(外部エージェントのアドレス)に相互交換する。パケットがモバイルデバイスに到達すると、外部エージェントはモバイルデバイスのIPアドレスを当該外部エージェントのアドレスと置換し、本来含められているフィールドを有するパケットヘッダが回復される。その後、パケットは、モバイルデバイスにおいて実行されているアプリケーションに転送される。このトンネリング最適化はアプリケーションレイヤに対して完全にトランスペアレントであり、外部エージェントがモバイルデバイス内に存在している限りは適用可能である。さらに、トンネリング最適化は、付加ヘッダというオーバーヘッドを負わない。図23の最初の5ステップは、通信ノードとホームエージェントとの間のトランスミッションコントロールプロトコル(TCP)ハンドシェークを表している。ここで、IPパケットヘッダソースアドレスが通信ノードのものであるにもかかわらず、ステップ2及び5がホームエージェントによって生成されたものであることに留意されたい。ステップ6から8より明らかなように、パケットフラグメンテーションを必要とするというインターネットコントロールメッセージプロトコル(ICMP)エラーメッセージは用いられない。なぜなら、付加ヘッダが追加されることがないからである。それゆえ、トンネリング最適化を用いることは、必要とされるパケットオーバーヘッドを低減することによってパケット伝送効率に利するのみならず、通信ノードとホームエージェントとの間のTCPセッションごとの1ラウンドトリップ分の通信を必要とすることによる望ましくなくかつ不効率な影響を無くしている。
【0107】
図24は、ホームエージェントに対するホストとして機能しているノードにおけるトンネリング最適化をインプリメントする手続き例を示す流れ図である。ステップ700においては、モバイルデバイス宛のパケットが対応するホームエージェントにおいて受信されると、IPヘッダの正確性を確認する目的でIPヘッダチェックサムがまずチェックされる。ホームエージェントは、当該ホームエージェントに登録されてホームドメインから離れて存在しているモバイルデバイスに対応するモバイルデバイスアドレスのリストを維持している。このリストは、モバイルホストアウェーフロムホームリストと呼称される。ステップ702では、ホームエージェントが、テーブル検索によって、このパケットのIPヘッダデスティネーションアドレスが、モバイルホストアウェーフロムホームリスト中に関連するエントリを有しているか否かがチェックされる。エントリを有さない場合には、トンネリング最適化が破棄され、従来技術に係るIP処理がパケットを転送する目的で行なわれる。しかしながら、エントリを有している場合には、ステップ704が実行される。ステップ704では、パケットのIPヘッダ中のIPリザーブドフラグメントフラグがセットされる。IPリザーブドフラグメントフラグがセットされているということは、その関連するパケットがトンネリング最適化方式の適用を受けるということを意味している。この重要な情報はIPヘッダ内に含められ、このパケットを受信する外部エージェントに、その受信したパケットに関連してトンネリング最適化方式が用いられていることを通知する。ステップ706では、パケットのIPヘッダデスティネーションアドレスに含まれているモバイルデバイスのアドレスが、モバイルデバイスに係る気付アドレスによって置換される。この場合の気付アドレスは外部エージェントのIPアドレスである。なぜなら、外部エージェントがモバイルデバイス内に存在しているからである。ステップ708では、新たなIPヘッダチェックサムが計算される。新たなIPヘッダチェックサムの計算は、当該IPヘッダにはモバイルデバイスのIPアドレスの代わりに外部エージェントのIPアドレスがIPヘッダデスティネーションアドレスとして含まれているため、必要となる。ステップ710では、IPパケットが、モバイルデバイス内に存在している外部エージェント宛に転送される。
【0108】
図25は、対応するモバイルデバイス内に存在する外部エージェントにおいてトンネリング最適化をインプリメントするプログラム例を示す流れ図である。ステップ720では、パケットが外部エージェントによって受信されると、IPヘッダの正確性を確認する目的でIPヘッダチェックサムがまずチェックされる。ステップ722では、IPヘッダに含まれるIPリザーブドフラグメントフラグがセットされているか否かを決定するためのチェックがなされる。IPリザーブドフラグメントフラグがセットされていない場合には、そのパケットは当該外部エージェント宛にトンネリング最適化方式を用いて転送されてきたのではないため、そのIPパケットのデスティネーションアドレスを変更することなく通常のパケット処理が実行される。しかしながら、リザーブドフラグメントフラグがセットされている場合には、ホームエージェントにおいてトンネリング最適化方式がインプリメントされていたことを意味しており、この外部エージェントにおいてもトンネリング最適化方式がインプリメントされなければならない。それゆえ、ステップ724において、当該パケットのIPヘッダデスティネーションアドレスが当該外部エージェントの気付アドレスリストに含まれるエントリと比較される。モバイルデバイスが気付アドレス(外部エージェントが対応するモバイルデバイス内に存在している場合には、外部エージェントのアドレスと同一である)を有している場合には、外部エージェントは現在の気付アドレスを反映するように気付アドレスリストを更新する。気付アドレスリスト中に含まれない場合には、そのパケットは誤って受信されたものであり、破棄される(ステップ730)。しかしながら、そのパケットのIPヘッダデスティネーションアドレスが当該外部エージェントの気付アドレスリスト中のエントリと一致する場合には、ステップ726が実行される。ステップ726では、外部エージェントが、そのパケットのIPヘッダデスティネーションアドレスにおいて、当該外部エージェントに対応するIPアドレス(すなわち気付アドレス)をホームエージェントに対応するIPアドレスに置換する。ステップ728では、当該パケットに対するパケット処理がモバイルデバイスにおいて再開される。
【0109】
以上の説明は、本発明の一実施例に関するもので,この技術分野の当業者であれば、本発明の種々の変形例が考え得るが、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。さらに、本明細書に記述された全ての例示及び条件言語は、本発明の原理並びに本発明の発明者によって提供された概念の当業者による理解を助ける教育的な目的で原理的に表現されているものであり、それら記述された例示及び条件が本発明を何ら限定するものではないというように解釈されるべきものである。さらに、本発明の原理、側面及び実施例に係る全ての記述は、その実施例と共に、それらの構造的等価事物及び機能的等価事物の双方を包含することが企図されている。加えて、それらの等価事物には、現在公知の等価事物及び将来において開発される等価事物、すなわち、その構造にかかわらず同一の機能を実行する全ての被開発事物、の双方が含まれることが企図されている。
【0110】
よって、例えば、本明細書に記載されているブロック図は、本発明の原理を具体化する回路例に係る概念的な観点を表現していることを理解されたい。同様に、あらゆる流れ図、状態遷移図、擬似符号、及びそれらに類するものは、コンピュータあるいはプロセッサが明示的に図示されているいないにかかわらず、実質的にコンピュータによって読み取り可能な媒体において表現され、コンピュータあるいはプロセッサによって実行される種々のプロセスを表していることにも留意されたい。
【0111】
“プロセッサ”というラベルが付された機能ブロックを含む種々の図示あるいは記述された要素の機能は、専用のハードウエアあるいはソフトウエアを実行することが可能なハードウエアを適切なソフトウエアと関連させて用いることによって実現されうる。プロセッサが用いられる場合には、機能は、単一の専用プロセッサ、単一の共有プロセッサ、あるいはそのうちのいくつかが共有されている複数個の個別のプロセッサによって実現されうる。さらに、“プロセッサ”あるいは“コントローラ”という術語の明示的な使用は、ソフトウエアを実行することが可能なハードウエアを排他的に言及していると解釈されるべきではなく、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ソフトウエアをストアするリードオンリメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、及び不揮発性ストレージ装置等を暗示的に含む(但し、それらに限定されるものではない)。従来技術に係る及び/あるいはカスタム品のその他のハードウエアも含められうる。同様に、図に示された全てのスイッチは概念的なものである。それらの機能は、プログラムロジックの操作を通じて、専用のロジックを通じて、プログラム制御及び専用ロジックの相互作用を通じて、あるいは手動で実行されうるものであり、選択可能な特定の技術は本明細書をより詳細に理解することによってその実施者によって選択可能である。
【0112】
本明細書の特許請求の範囲において、特定の機能を実行する手段として表現されているあらゆる要素は、例えば、a)その機能を実行する回路要素の組み合わせ、あるいは、b)その機能を実行する目的でソフトウエアを実行する適切な回路と組み合わせられたファームウエア、マイクロコードあるいはその同等物を含むあらゆる形態のソフトウエア、等を含む、その機能を実行するあらゆる方策を含むものであることが企図されている。このような請求項によって規定された本発明は、記述された種々の手段によって実現される機能が、特許請求の範囲が要求するような方式で組み合わせられて構成されている、という事実に存する。よって、本発明の出願者は、それらの機能を実現する全ての手段を本明細書に記述/例示されたものと同等であると見なす。
【0113】
【発明の効果】
以上述べたごとく、本発明によれば、サブネット内のローカルな移動性を最小の遅延及び最小のトラフィック量で実現する、パケットベースネットワークへの無線アクセス方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】インターネットプロトコル(IP)ベースネットワークへのモバイルデバイスからのモバイルIP無線アクセスを実現するために用いられるアーキテクチャを模式的に示す図。
【図2】本発明に従ったハンドオフ認識無線アクセスインターネットインフラストラクチャ(HAWAII)に関するドメインベースアーキテクチャを模式的に示す図。
【図3】本発明に係るHAWAIIドメインベースアーキテクチャを利用するドメインに関する動的ホスト配置プロトコル(DHCP)サーバにおいて実行されるプロセスステップを例示する流れ図。このDHCPサーバは動的ホーム最適化を利用しない。
【図4】本発明に係るHAWAIIドメインベースアーキテクチャを利用するドメインに関する動的ホスト配置プロトコル(DHCP)サーバにおいて実行されるプロセスステップを例示する流れ図。このDHCPサーバは動的ホーム最適化を利用する。
【図5】動的ホーム最適化を利用するしないにかかわらず、本発明に従って、モバイルデバイスのパワーダウンの際に実行されるドメインベースのプロセスステップを例示する流れ図。
【図6】本発明に従って動的ホスト配置プロトコル(DHCP)サーバ及びホームエージェントに対するホストとして機能するドメインルータの実施例を模式的に示す図。
【図7】本発明に従った、リフレッシュ経路設定メッセージに係る情報要素フィールドの構造例を示す図。
【図8】本発明に従った、パワーアップ経路設定メッセージに係る情報要素フィールドの構造例を示す図。
【図9】本発明に従った、ハンドオフ経路設定メッセージに係る情報要素フィールドの構造例を示す図。
【図10】本発明に従って、ドメインベースHAWAIIアーキテクチャにおけるルータによってパワーアップ経路設定メッセージの処理のために用いられる方法例を示す流れ図。
【図11】本発明に従った、HAWAIIドメインベースアーキテクチャを利用するドメイン例におけるパワーアップ経路設定メッセージの処理シーケンスを示す図。
【図12】本発明に従って、リフレッシュ経路設定メッセージの処理のためにドメインベースHAWAIIアーキテクチャサブネット内のルータによって用いられる方法例を示す流れ図。
【図13】本発明に従って、新−旧経路設定メッセージの処理のためにドメインベースHAWAIIアーキテクチャサブネット内のルータによって用いられる方法例を示す流れ図。
【図14】本発明に従った、HAWAIIドメインベースアーキテクチャを利用するドメイン例における新−旧経路設定方式処理シーケンス例を示す図。
【図15】本発明に従った、HAWAIIドメインベースアーキテクチャを利用するドメイン例における新−旧経路設定方式処理シーケンス例を示す図。ここでは、新たな基地局が旧基地局に直接接続されている。
【図16】本発明に従って新−旧−新フェーズ1ハンドオフ経路設定メッセージを処理するドメインルータによって用いられる方法例を示す流れ図。
【図17】本発明に従って新−旧−新フェーズ2ハンドオフ経路設定メッセージを処理するドメインルータによって用いられる方法例を示す流れ図。
【図18】本発明に従った、ドメイン例内の新−旧−新経路設定方式処理シーケンスの具体例を示す図。
【図19】本発明に従った、ルーティングテーブルを有するドメインルータの実施例を示すブロック図。
【図20】モバイルデバイスのホームエージェントからモバイルデバイスの外部エージェント宛にIPパケットをトンネルさせるために用いられる、従来技術に係るモバイルIP標準方法を示す模式図。
【図21】本発明に従ったトンネリング最適化を示すブロック図。
【図22】従来技術に係る、パケットのモバイルIPトンネリングに係るTCPダンプトレースを示す図。
【図23】本発明に従ったトンネリング最適化法式を用いる、ホームエージェントから外部エージェントへのパケット伝達に係るTCPダンプトレースを示す図。
【図24】本発明に従った、ホームエージェントに対するホストとして機能しているノードにおけるトンネリング最適化を実現する手続き例を示す流れ図。
【図25】本発明に従った、対応するモバイルデバイスと共存している外部エージェントにおけるトンネリング最適化を実現する手続き例を示す流れ図。
【符号の説明】
100 インターネット
110 通信ノード
112 サービスプロバイダ
114 モバイルデバイス
116 サービスプロバイダ
118 ホームエージェント
150 ドメインルートルータ
152 ホームエージェント
260 ドメインルータ
262 入力ポート
264 出力ポート
266 プロセッサ
268 メモリ
270 ホームエージェント
272 DHCPサーバ
300 構成要素
310 メッセージタイプ
312 シーケンスナンバー
314 モバイルIPアドレス
316 ソースIPアドレス
318 デスティネーションIPアドレス
320 メトリックフィールド
360 ドメインルートルータ
362 インターネット
580 ルータ
582 入力ポート
584 出力ポート
586 プロセッサ
588 メモリ
590 ルーティングテーブル
600 通信ノード
602 ホームエージェント
604 ルータ
606 基地局
608 モバイルデバイス
610 外部エージェント
612 IPパケット
614 IPヘッダソースアドレス
616 IPヘッダデスティネーションアドレス
618 データペイロード
620 IPパケット
622 付加されたIPヘッダソースアドレス
624 付加されたIPヘッダデスティネーションアドレス
626 元のIPヘッダソースアドレス
628 元のIPヘッダデスティネーションアドレス
640 IPパケット
642 IPヘッダソースアドレス
644 IPヘッダデスティネーションアドレス

Claims (5)

  1. 外部エージェントを有するワイヤレスデバイスへ、パケットベースネットワークを介してパケットを分配する方法において、
    (A)前記無線デバイスに対応するホームエージェントに、前記無線デバイスの外部エージェントアドレスを提供するステップ、
    前記無線デバイスは、ホームアドレスを有し、
    (B)前記ホームエージェントで、ホームアドレスをパケットのヘッダデスティネーションアドレスとして有するパケットを受信するステップ、
    (C)前記ホームアドレスを、前記パケットのパケットヘッダデスティネーションアドレスとして外部エージェントアドレスで置換するステップ、
    (D)前記ホームエージェントから、前記パケットヘッダデスティネーションアドレスに、前記パケットを転送するステップ、及び
    (E)トンネリングの最適化がパケットとして実行されるようなパケットとして、前記パケットを特定するために、ヘッダフィールドが前記パケット内に含まれるよう設定するステップであって、前記パケットヘッダは置換後実質的に同じサイズであるステップ
    を有することを特徴とする無線デバイスにパケットを分配する方法。
  2. 前記外部エージェントは、前記無線デバイスと共通場所にある
    ことを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 前記外部エージェントのアドレスは、前記無線デバイスに対応するドメインベースの気付アドレスである
    ことを特徴とする請求項2記載の方法。
  4. (F)前記パケットを、前記外部エージェントで受信するステップ、
    (G)前記外部エージェントアドレスを、前記パケット用のパケットヘッダデスティネーションアドレスとして、前記ホームアドレスで置換するステップ、
    (H)前記パケットを、前記無線デバイスに転送するステップ
    をさらに有することを特徴とする請求項1記載の方法。
  5. 共通場所に配置された、外部エージェントを有する無線デバイスにパケットを分配する方法において、
    (A)パケットを、外部エージェントアドレスをパケットヘッダデスティネーションアドレスとして有する、外部エージェントで受信するステップ、
    (B)前記パケット内に組み込まれた、保存フラグメントフラグ(Reserved Fragment Flag )が設定されているか否かを決定するステップ、
    (C)前記保存フラグメントフラグが設定されている場合、トンネリング最適化技術を用いて、前記パケットが処理されていることを決定するステップ、
    (D)前記パケットが、前記トンネリング最適化技術を用いて処理されている場合に、前記パケット用のパケットヘッダデスティネーションアドレスとし、前記外部エージェントアドレスを無線デバイスアドレスで置換するステップ、
    (E)前記ワイヤレスデバイスのアドレスに、前記パケットを転送するステップ、及び
    (F)トンネリングの最適化がパケットとして実行されるようなパケットとして、前記パケットを特定するために、ヘッダフィールドが前記パケット内に含まれるよう設定するステップであって、前記パケットヘッダは置換後実質的に同じサイズであるステップ
    を有することを特徴とする無線デバイスへパケットを分配する方法。
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