JP3572893B2 - 路側通信装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、車載器との間で情報の授受を行う路側通信装置において、通信領域の限定に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、有料道路においては、磁気カード方式料金収受システムが導入されていた。この収受システムについては、例えば、東芝レビュー(40巻3号)昭和60年P189〜192「磁気カード方式料金収受システム」、あるいは三菱重工技報VOL.22 NO.6(1985−11)P127〜132「磁気カード方式料金収受機械におけるシステム技術」に詳述されている。
【0003】
ところでこのような従来のシステムにおいては、一般道路から有料道路に入る場合、反対に有料道路から一般道路に出る場合にはどうしても料金所で一旦停止して通行券の受け取りや料金支払いを行う必要があり、そのために料金所の手前で多くの車が列をなすことが多い。このような課題を改善するため、かねてから料金所で一旦停止することなく、路側通信装置と車載機との間の情報の授受により料金の収受ができるノンストップ自動料金収受システムが提案されている。システム運用図を図6に示す。図6において、1は有科道路、2は一般道路、3は料金所、4は路側通信装置、5は制御機、6は車両、7は通信領域、8は車載機である。車両6に搭載された車載機8は、料金所3内の通信領域7において、路側通信装置4と情報の授受を行い、料金収受に必要な情報を交換する。その結果、車載機8を搭載した車両6は、一旦停止することなく料金所3を通過できる。
【0004】
このようなシステムについては、例えば、三菱重工技報VOL.32 NO.4(1995−7)P264〜267「高速道路の交通管理システムにおけるニーズと技術開発」、NIKKEI BUSINESS1955年11月13日号P155〜158「道路から車に情報”発信”日米欧で主導権争い」、あるいは公表特許公報平5−508492「電気的車両料金徴収装置および方法」などに記述されており、特に公表特許公報平5−508492には具体的に詳述されている。
【0005】
ノンストップ自動料金収受システムは日本国内においては官民共同開発中であり、実用化は平成9年度以降とも言われている。一方海外の一部の国においては、上記公報に示されているようなシステムが運用されている。
【0006】
ところで、ノンストップ自動料金収受システムにおいては他車両との干渉を防ぐために通信領域7を限定する必要がある。そのため路側通信装置4のアンテナとしては指向性を有するものが用いられるが、そのサイドローブにより通信領域7以外でも路側通信装置4と車載機8が通信可能となる問題が発生する。このような問題を解決するため、異なるアンテナパターンを有する2つの受信アンテナを路側通信装置4が所有しその2つの受信アンテナからの受信レベルを比較することにより、通信領域7内部からの受信信号かどうかを判定し、通信領域を限定する方式が提案されている。図7はこの方式を説明するもので、図において3、4、6、7、8は図6において説明したものと同一である。9は第1の受信アンテナパターンであり、10は第2の受信アンテナパターンである。第1の受信アンテナパターン9と第2の受信アンテナパターン10は通信領域7の端で交わり、通信領域7の内部においては第1の受信アンテナ11の利得のほうが第2の受信アンテナ12の利得よりも高く、通信領域7の外部においては第1の受信アンテナ11の利得のほうが第2の受信アンテナ12の利得よりも低い。
【0007】
図8は通信領域を限定するための従来の料金所機器の構成を示すもので、図において4は路側通信装置、5は制御機、11は第1の受信アンテナ、12は第2の受信アンテナ、13は第1の受信機、14は第2の受信機、15は第1のレベル検出器、16は第2のレベル検出器、17はレベル比較器、18は第1のスイッチ、19は受信データ、20は送信データ、21は送信機、22は送信アンテナである。
【0008】
次に従来装置の動作について説明する。第1の受信アンテナ11と第2の受信アンテナ12は図7で示したように異なるアンテナパターンを有するものである。第1の受信アンテナパターンと第2の受信アンテナパターンは通信領域の端で交わり、通信領域の内部においては第1の受信アンテナ11の利得のほうが第2の受信アンテナ12の利得よりも高く、通信領域の外部においては第1の受信アンテナ11の利得のほうが第2の受信アンテナ12の利得よりも低い。第1の受信アンテナ11により受信された信号は第1の受信機13により増幅、フィルタリング、周波数変換等の処理をされたのち第1のレベル検出器15によりレベル検出される。第2の受信アンテナ12により受信された信号も第2の受信機14及び第2のレベル検出器16により同様の処理がなされる。レベル比較器17は第1のレベル検出器15と第2のレベル検出器16の出力レベルを比較し、第1のレベル検出器15の出力レベルが第2のレベル検出器16の出力レベルよりも大きいときは第1のスイッチ18をON、また第1のレベル検出器15の出力レベルが第2のレベル検出器16の出力レベルよりも小さいときは第1のスイッチ18をOFFとするよう第1のスイッチ18に制御信号を出力する。
【0009】
即ち車両6が通信領域7の内部に存在するときは第1のレベル検出器15の出力レベルが第2のレベル検出器16の出力レベルよりも大きくなり、第1のスイッチ18はONとなり受信データ19は路側通信装置4から制御機5へ伝送される。その逆に車両6が通信領域7の外部に存在するときは第1のレベル検出器15の出力レベルが第2のレベル検出器16の出力レベルよりも小さくなり、第1のスイッチ18はOFFとなり受信データ19は路側通信装置4から制御機5へ伝送されない。このようにして通信領域7の限定が可能となる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように構成されたシステムにおいては、第1の受信機13と第2の受信機14は理想的には全く同一性能のものが要求される。図9はこの理想状態における受信機の特性を示したものであり、横軸は受信機入力レベルであり、縦軸はレベル検出器出力である。ところが実際には全く同一性能を有するハードウエアを製作するのは非常に困難であり、温度特性、キャリア周波数特性等により第1の受信機13と第2の受信機14に利得アンバランスが生じる。この様子を示したものが図10である。図10のように2つの受信機に利得アンバランスが生じると等価的に第1の受信アンテナパターン9と第2の受信アンテナパターン10の交点がずれることになり、その結果通信領域7の限定誤差が発生するという課題があった。
【0011】
この発明は上記課題を解決するためになされたものであり、2つの受信機の利得アンバランスによる通信領域の限定誤差の発生を防ぐことを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
第1の発明によるノンストップ自動料金収受システムは、指向性を持ちある通信領域をカバーする第1の受信アンテナと、第1の受信アンテナに隣接して設置され第1の受信アンテナとは異なるアンテナパターンを有する第2の受信アンテナと、第1の受信アンテナの出力を受け増幅、フィルタリング、周波数変換等を行う第1の受信機と、第2の受信アンテナの出力を受け増幅、フィルタリング、周波数変換等を行う第2の受信機と、第2の受信機の出力レベルを補正するレベル補正器と、第1の受信機の受信信号レベルを検出する第1のレベル検出器と、レベル補正器の出力レベルを検出する第2のレベル検出器と、第1のレベル検出器と第2のレベル検出器の出力レベルを比較するレベル比較器と、レベル比較器の出力信号により制御される第1のスイッチと、第1のスイッチがONの時のみ第1の受信機から受信データを受ける制御機と、機器内の温度を検知する温度検知器と、温度検知器から温度情報を受けレベル補正器へ制御信号を出力するROMと、制御機からの通信データを受け送信信号を生成する送信機と、送信機の出力を空中へ放射する送信アンテナとで構成したものである。
【0013】
また、第2の発明によるノンストップ自動料金収受システムは、指向性を持ちある通信領域をカバーする第1の受信アンテナと、第1の受信アンテナに隣接して設置され第1の受信アンテナとは異なるアンテナパターンを有する第2の受信アンテナと、第1の受信アンテナの出力を受け増幅、フィルタリング、周波数変換等を行う第1の受信機と、第2の受信アンテナの出力を受け増幅、フィルタリング、周波数変換等を行う第2の受信機と、第2の受信機の出力レベルを補正するレベル補正器と、第1の受信機の受信信号レベルを検出する第1のレベル検出器と、レベル補正器の出力レベルを検出する第2のレベル検出器と、第1のレベル検出器と第2のレベル検出器の出力レベルを比較するレベル比較器と、レベル比較器の出力信号により制御される第1のスイッチと、第1のスイッチがONの時のみ第1の受信機から受信データを受ける制御機と、制御機からキャリア周波数情報を受けレベル補正器へ制御信号を出力するROMと、制御機からの送信データを受け送信信号を生成する送信機と、送信機の出力を空中へ放射する送信アンテナとで構成したものである。
【0014】
また、第3の発明によるノンストップ自動料金収受システムは、指向性を持ちある通信領域をカバーする第1の受信アンテナと、第1の受信アンテナに隣接して設置され第1の受信アンテナとは異なるアンテナパターンを有する第2の受信アンテナと、第1の受信アンテナの出力を受け増幅、フィルタリング、周波数変換等を行う第1の受信機と、第2の受信アンテナの出力を受け増幅、フィルタリング、周波数変換等を行う第2の受信機と、第2の受信機の出力レベルを補正するレベル補正器と、第1の受信機の受信信号レベルを検出する第1のレベル検出器と、レベル補正器の出力レベルを検出する第2のレベル検出器と、第1のレベル検出器と第2のレベル検出器の出力レベルを比較するレベル比較器と、レベル比較器の出力信号により制御される第1のスイッチと、第1のスイッチがONの時のみ第1の受信機から受信データを受ける制御機と、機器内の温度を検知する温度検知器と、温度検知器からの温度情報と制御機からのキャリア周波数情報を受けレベル補正器へ制御信号を出力するROMと、制御機からの送信データを受け送信信号を生成する送信機と、送信機の出力を空中へ放射する送信アンテナとで構成したものである。
【0015】
また、第4の発明によるノンストップ自動料金収受システムは、指向性を持ちある通信領域をカバーする第1の受信アンテナと、第1の受信アンテナに隣接して設置され第1の受信アンテナとは異なるアンテナパターンを有する第2の受信アンテナと、自己診断(built−in−testing。以下BITと略す。)用基準キャリア信号を生成する発振器と、BIT以外のタイミングにおいて第1の受信アンテナの出力を受け増幅、フィルタリング、周波数変換等を行う第1の受信機と、BIT以外のタイミングにおいて第2の受信アンテナの出力を受け増幅、フィルタリング、周波数変換等を行う第2の受信機と、第2の受信機の出力レベルを補正するレベル補正器と、第1の受信機の受信信号レベルを検出する第1のレベル検出器と、レベル補正器の出力レベルを検出する第2のレベル検出器と、第1のレベル検出器と第2のレベル検出器の出力レベルを比較するレベル比較器と、レベル比較器の出力信号により制御される第1のスイッチと、第1のスイッチがONの時のみ第1の受信機から受信データを受ける制御機と、制御機からのBIT ON/OFF制御信号を受け第1の受信機の入力信号を切り換える第2のスイッチと、制御機からのBIT ON/OFF制御信号を受け第2の受信機の入力信号を切り換える第3のスイッチと、制御機からのBIT ON/OFF制御信号を受けレベル比較器の出力信号の経路を切り換える第4のスイッチと、制御機からの送信データを受け送信信号を生成する送信機と、送信機の出力を空中へ放射する送信アンテナとで構成したものである。
【0016】
また、第5の発明によるノンストップ自動料金収受システムは、指向性を持ちある通信領域をカバーする第1の受信アンテナと、第1の受信アンテナに隣接して設置され第1の受信アンテナとは異なるアンテナパターンを有する第2の受信アンテナと、BIT以外のタイミングにおいて第1の受信アンテナの出力を受ける第1の受信機と、BIT以外のタイミングにおいて前記第2の受信アンテナの出力を受ける第2の受信機と、第2の受信機の出力レベルを補正するレベル補正器と、第1の受信機の受信信号レベルを検出する第1のレベル検出器と、レベル補正器の出力レベルを検出する第2のレベル検出器と、第1のレベル検出器と第2のレベル検出器の出力レベルを比較するレベル比較器と、レベル比較器の出力信号により制御される第1のスイッチと、第1のスイッチがONの時のみ第1の受信機から受信データを受ける制御機と、制御機からのBIT ON/OFF制御信号を受け第1の受信機の入力信号を切り換える第2のスイッチと、制御機からのBIT ON/OFF制御信号を受け第2の受信機の入力信号を切り換える第3のスイッチと、制御機からのBIT ON/OFF制御信号を受けレベル比較器の出力信号の経路を切り換える第4のスイッチと、制御機からの送信データを受け送信信号を生成する送信機と、BIT以外のタイミングにおいて送信機の出力を空中へ放射する送信アンテナと、制御機からのBIT ON/OFF制御信号を受け送信機の出力信号の経路を切り換える第5のスイッチとで構成したものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1を示すブロック図であり、図において、4、5、11〜22は従来のノンストップ自動料金収受システムと同一のものであり、23はレベル補正器、24は温度検知器、25は温度情報、26はROMである。
【0018】
次に動作について説明する。図1において、第1の受信アンテナ11は指向性を有し、第2の受信アンテナ12は第1の受信アンテナ11とは異なるアンテナパターンを有する。第1の受信アンテナパターンと第2の受信アンテナパターンは通信領域の端で交わり、通信領域の内部においては第1の受信アンテナ11の利得のほうが第2の受信アンテナ12の利得よりも高く、通信領域の外部においては第1の受信アンテナ11の利得のほうが第2の受信アンテナ12の利得よりも低い。第1の受信機13は第1の受信アンテナ11の出力を受け増幅、フィルタリング、周波数変換等を行う。第2の受信機14は第2の受信アンテナ12の出力を受け増幅、フィルタリング、周波数変換等を行う。温度検知器24は路側通信装置4内の温度を検知し温度情報25を出力する。ROM26は温度情報25を受けレベル補正器23に制御信号を出力する。レベル補正器23はROM26からの制御信号を受け第1の受信機13と第2の受信機14の温度による利得アンバランスを補正する。第1のレベル検出器15は第1の受信機13の出力レベルを検出し、第2のレベル検出器16はレベル補正器23の出力レベルを検出する。レベル比較器17は第1のレベル検出器15と第2のレベル検出器16の出力レベルを比較し、第1のレベル検出器15の出力レベルが第2のレベル検出器16の出力レベルよりも大きいときは第1のスイッチ18をON、また第1のレベル検出器15の出力レベルが第2のレベル検出器16の出力レベルよりも小さいときは第1のスイッチ18をOFFとするよう第1のスイッチ18に制御信号を出力する。車両が通信領域の内部に存在するときは第1のレベル検出器15の出力レベルが第2のレベル検出器16の出力レベルよりも大きくなり、第1のスイッチ18はONとなり受信データ19は路側通信装置4から制御機5ヘ伝送される。その逆に車両が通信領域の外部に存在するときは第1のレベル検出器15の出力レベルが第2のレベル検出器16の出力レベルよりも小さくなり、第1のスイッチ18はOFFとなり受信データ19は路側通信装置4から制御機5へ伝送されない。
【0019】
上記のように構成されたノンストップ自動料金収受システムにおいては、レベル補正器23で第1の受信機13と第2の受信機14の温度による利得アンバランスを補正することにより、精度の高い通信領域の限定が可能となる。
【0020】
実施の形態2.
図2はこの発明の実施の形態2を示すブロック図であり、図において、4、5、11〜22は従来のノンストップ自動料金収受システムと同一のものであり、23はレベル補正器、26はROM、27はキャリア周波数情報である。
【0021】
次に動作について説明する。図2において、第1の受信アンテナ11は指向性を有し、第2の受信アンテナ12は第1の受信アンテナ11とは異なるアンテナパターンを有する。第1の受信アンテナパターンと第2の受信アンテナパターンは通信領域の端で交わり、通信領域の内部においては第1の受信アンテナ11の利得のほうが第2の受信アンテナ12の利得よりも高く、通信領域の外部においては第1の受信アンテナ11の利得のほうが第2の受信アンテナ12の利得よりも低い。第1の受信機13は第1の受信アンテナ11の出力を受け増幅、フィルタリング、周波数変換等を行う。第2の受信機14は第2の受信アンテナ12の出力を受け増幅、フィルタリング、周波数変換等を行う。制御機5はキャリア周波数情報27を出力する。ROM26はキャリア周波数情報27を受けレベル補正器23に制御信号を出力する。レベル補正器23はROM26からの制御信号を受け第1の受信機13と第2の受信機14のキャリア周波数による利得アンバランスを補正する。第1のレベル検出器15は第1の受信機13の出力レベルを検出し、第2のレベル検出器16はレベル補正器23の出力レベルを検出する。レベル比較器17は第1のレベル検出器15と第2のレベル検出器16の出力レベルを比較し、第1のレベル検出器15の出力レベルが第2のレベル検出器16の出力レベルよりも大きいときは第1のスイッチ18をON、また第1のレベル検出器15の出力レベルが第2のレベル検出器16の出力レベルよりも小さいときは第1のスイッチ18をOFFとするよう第1のスイッチ18に制御信号を出力する。車両が通信領域の内部に存在するときは第1のレベル検出器15の出力レベルが第2のレベル検出器16の出力レベルよりも大きくなり、第1のスイッチ18はONとなり受信データ19は路側通信装置4から制御機5へ伝送される。その逆に車両が通信領域の外部に存在するときは第1のレベル検出器15の出力レベルが第2のレベル検出器16の出力レベルよりも小さくなり、第1のスイッチ18はOFFとなり受信データ19は路側通信装置4から制御機5へ伝送されない。
【0022】
上記のように構成されたノンストップ自動料金収受システムにおいては、レベル補正器23で第1の受信機13と第2の受信機14のキャリア周波数による利得アンバランスを補正することにより、精度の高い通信領域の限定が可能となる。
【0023】
実施の形態3.
図3はこの発明の実施の形態3を示すブロック図であり、図において、4、5、11〜22は従来のノンストップ自動料金収受システムと同一のものであり、23はレベル補正器、24は温度検知器、25は温度情報、26はROM、27はキャリア周波数情報である。
【0024】
次に動作について説明する。図3において、第1の受信アンテナ11は指向性を有し、第2の受信アンテナ12は第1の受信アンテナ11とは異なるアンテナパターンを有する。第1の受信アンテナパターンと第2の受信アンテナパターンは通信領域の端で交わり、通信領域の内部においては第1の受信アンテナ11の利得のほうが第2の受信アンテナ12の利得よりも高く、通信領域の外部においては第1の受信アンテナ11の利得のほうが第2の受信アンテナ12の利得よりも低い。第1の受信機13は第1の受信アンテナ11の出力を受け増幅、フィルタリング、周波数変換等を行う。第2の受信機14は第2の受信アンテナ12の出力を受け増幅、フィルタリング、周波数変換等を行う。温度検知器24は路側通信装置4内の温度を検知し温度情報25を出力する。制御機5はキャリア周波数情報27を出力する。ROM26は温度情報25及びキャリア周波数情報27を受けレベル補正器23に制御信号を出力する。レベル補正器23はROM26からの制御信号を受け第1の受信機13と第2の受信機14の温度及びキャリア周波数による利得アンバランスを補正する。第1のレベル検出器15は第1の受信機13の出力レベルを検出し、第2のレベル検出器16はレベル補正器23の出力レベルを検出する。レベル比較器17は第1のレベル検出器15と第2のレベル検出器16の出力レベルを比較し、第1のレベル検出器15の出力レベルが第2のレベル検出器16の出力レベルよりも大きいときは第1のスイッチ18をON、また第1のレベル検出器15の出力レベルが第2のレベル検出器16の出力レベルよりも小さいときは第1のスイッチ18をOFFとするよう第1のスイッチ18に制御信号を出力する。車両が通信領域の内部に存在するときは第1のレベル検出器15の出力レベルが第2のレベル検出器16の出力レベルよりも大きくなり、第1のスイッチ18はONとなり受信データ19は路側通信装置4から制御機5へ伝送される。その逆に車両が通信領域の外部に存在するときは第1のレベル検出器15の出力レベルが第2のレベル検出器16の出力レベルよりも小さくなり、第1のスイッチ18はOFFとなり受信データ19は路側通信装置4から制御機5ヘ伝送されない。
【0025】
上記のように構成されたノンストップ自動料金収受システムにおいては、レベル補正器23で第1の受信機13と第2の受信機14の温度及びキャリア周波数による利得アンバランスを補正することにより、精度の高い通信領域の限定が可能となる。
【0026】
実施の形態4.
図4はこの発明の実施の形態4を示すブロック図であり、図において、4、5、11〜22は従来のノンストップ自動料金収受システムと同一のものであり、23はレベル補正器、28は発振器、29はBIT用基準キャリア信号、30は第2のスイッチ、31は第3のスイッチ、32は第4のスイッチ、33はBIT
ON/OFF制御信号である。
【0027】
次に動作について説明する。図4において、第1の受信アンテナ11は指向性を有し、第2の受信アンテナ12は第1の受信アンテナ11とは異なるアンテナパターンを有する。第1の受信アンテナパターンと第2の受信アンテナパターンは通信領域の端で交わり、通信領域の内部においては第1の受信アンテナ11の利得のほうが第2の受信アンテナ12の利得よりも高く、通信領域の外部においては第1の受信アンテナ11の利得のほうが第2の受信アンテナ12の利得よりも低い。第1の受信機13は第1の受信アンテナ11の出力を受け増幅、フィルタリング、周波数変換等を行う。第2の受信機14は第2の受信アンテナ12の出力を受け増幅、フィルタリング、周波数変換等を行う。制御機5はBIT ON/OFF制御信号33を出力する。第2のスイッチ30はBIT ON/OFF制御信号33を受け、BITタイミングにはTa−Tc間を接続しBIT以外のタイミングにはTa−Tb間を接続するように第1の受信機13の入力信号を切り換える。第3のスイッチ31はBIT ON/OFF制御信号33を受け、BITタイミングにはTd−Te間を接続しBIT以外のタイミングにはTd−Tf間を接続するように第2の受信機14の入力信号を切り換える。第4のスイッチ32はBIT ON/OFF制御信号33を受け、BITタイミングにはTg−Ti間を接続しBIT以外のタイミングにはTg−Th間を接続するようにレベル比較器17の出力信号の経路を切り換える。第1のレベル検出器15は第1の受信機13の出力レベルを検出し、第2のレベル検出器16はレベル補正器23の出力レベルを検出する。発振器28はBIT用基準キャリア信号29を出力し、BIT用基準キャリア信号29はBITタイミングにおいて第1の受信機13と第2の受信機14に入力される。レベル補正器23はBITタイミングにおいて、レベル比較器17の出力を受け第1のレベル検出器15の出力レベルと第2のレベル検出器16の出力レベルを等しくするよう動作する。即ちレベル補正器23は第1の受信機13と第2の受信機14の温度及びキャリア周波数等による利得アンバランスを補正する。レベル比較器17は第1のレベル検出器15と第2のレベル検出器16の出力レベルを比較し、BIT以外のタイミングにおいて、第1のレベル検出器15の出力レベルが第2のレベル検出器16の出力レベルよりも大きいときは第1のスイッチ18をON、また第1のレベル検出器15の出力レベルが第2のレベル検出器16の出力レベルよりも小さいときは第1のスイッチ18をOFFとするよう第1のスイッチ18に制御信号を出力する。車両が通信領域の内部に存在するときは第1のレベル検出器15の出力レベルが第2のレベル検出器16の出力レベルよりも大きくなり、第1のスイッチ18はONとなり受信データ19は路側通信装置4から制御機5へ伝送される。その逆に車両が通信領域の外部に存在するときは第1のレベル検出器15の出力レベルが第2のレベル検出器16の出力レベルよりも小さくなり、第1のスイッチ18はOFFとなり受信データ19は路側通信装置4から制御機5へ伝送されない。
【0028】
上記のように構成されたノンストップ自動科金収受システムにおいては、レベル補正器23で第1の受信機13と第2の受信機14の温度及びキャリア周波数等による利得アンバランスを補正することにより、精度の高い通信領域の限定が可能となる。
【0029】
実施の形態5.
図5はこの発明の実施の形態5を示すブロック図であり、図において、4、5、11〜22は従来のノンストップ自動料金収受システムと同一のものであり、23はレベル補正器、30は第2のスイッチ、31は第3のスイッチ、32は第4のスイッチ、33はBIT ON/OFF制御信号、34は第5のスイッチである。
【0030】
次に動作について説明する。図5において、第1の受信アンテナ11は指向性を有し、第2の受信アンテナ12は第1の受信アンテナ11とは異なるアンテナパターンを有する。第1の受信アンテナパターンと第2の受信アンテナパターンは通信領域の端で交わり、通信領域の内部においては第1の受信アンテナ11の利得のほうが第2の受信アンテナ12の利得よりも高く、通信領域の外部においては第1の受信アンテナ11の利得のほうが第2の受信アンテナ12の利得よりも低い。第1の受信機13は第1の受信アンテナ11の出力を受け増幅、フィルタリング、周波数変換等を行う。第2の受信機14は第2の受信アンテナ12の出力を受け増幅、フィルタリング、周波数変換等を行う。制御機5はBIT ON/OFF制御信号33を出力する。第2のスイッチ30はBIT ON/OFF制御信号33を受け、BITタイミングにはTa−Tc間を接続しBIT以外のタイミングにはTa−Tb間を接続するように第1の受信機13の入力信号を切り換える。第3のスイッチ31はBIT ON/OFF制御信号33を受け、BITタイミングにはTd−Te間を接続しBIT以外のタイミングにはTd−Tf間を接続するように第2の受信機14の入力信号を切り換える。第4のスイッチ32はBIT ON/OFF制御信号33を受け、BITタイミングにはTg−Ti間を接続しBIT以外のタイミングにはTg−Th間を接続するようにレベル比較器17の出力信号の経路を切り換える。第5のスイッチ34はBITON/OFF制御信号33を受け、BITタイミングにはTj−Tk間を接続しBIT以外のタイミングにはTj−Tl間を接続するように送信機16の出力信号の経路を切り換える。送信機16はBIT ON/OFF制御信号33を受け、BITタイミングには路側通信装置4の送信信号を出力しBIT以外のタイミングにはBIT用基準キャリア信号29を出力する。即ち送信機16の出力信号の周波数はBITタイミングには路側通信装置4の受信周波数、BIT以外のタイミングには路側通信装置4の送信周波数となる。第1のレベル検出器15は第1の受信機13の出力レベルを検出し、第2のレベル検出器16はレベル補正器23の出力レベルを検出する。レベル補正器23はBITタイミングにおいて、レベル比較器17の出力を受け第1のレベル検出器15の出力レベルと第2のレベル検出器16の出力レベルを等しくするよう動作する。即ちレベル補正器23は第1の受信機13と第2の受信機14の温度及びキャリア周波数等による利得アンバランスを補正する。レベル比較器17は第1のレベル検出器15と第2のレベル検出器16の出力レベルを比較し、BIT以外のタイミングにおいて、第1のレベル検出器15の出力レベルが第2のレベル検出器16の出力レベルよりも大きいときは第1のスイッチ18をON、また第1のレベル検出器15の出力レベルが第2のレベル検出器16の出力レベルよりも小さいときは第1のスイッチ18をOFFとするよう第1のスイッチ18に制御信号を出力する。車両が通信領域の内部に存在するときは第1のレベル検出器15の出力レベルが第2のレベル検出器16の出力レベルよりも大きくなり、第1のスイッチ18はONとなり受信データ19は路側通信装置4から制御機5へ伝送される。その逆に車両が通信領域の外部に存在するときは第1のレベル検出器15の出力レベルが第2のレベル検出器16の出力レベルよりも小さくなり、第1のスイッチ18はOFFとなり受信データ19は路側通信装置4から制御機5ヘ伝送されない。
【0031】
上記のように構成されたノンストップ自動料金収受システムにおいては、レベル補正器23で第1の受信機13と第2の受信機14の温度及びキャリア周波数等による利得アンバランスを補正することにより、精度の高い通信領域の限定が可能となる。
【0032】
【発明の効果】
第1の発明によれば、温度検知器、ROM及びレベル補正器を用いて、第1の受信機と第2の受信機の温度による利得アンバランスを補正することにより、精度の高い通信領域の限定が可能となる効果がある。
【0033】
また、第2の発明によれば、キャリア周波数情報、ROM及びレベル補正器を用いて、第1の受信機と第2の受信機のキャリア周波数による利得アンバランスを補正することにより、精度の高い通信領域の限定が可能となる効果がある。
【0034】
また、第3の発明によれば、温度検知器、キャリア周波数情報、ROM及びレベル補正器を用いて、第1の受信機と第2の受信機の温度及びキャリア周波数による利得アンバランスを補正することにより、上記第1の発明及び第2の発明よりもさらに精度の高い通信領域の限定が可能となる効果がある。
【0035】
また、第4の発明によれば、BIT用基準キャリア信号を生成する発振器、BIT ON/OFF制御信号、BIT ON/OFF制御信号により切り換わるスイッチ、及びレベル補正器を用いて、第1の受信機と第2の受信機の温度及びキャリア周波数等による利得アンバランスを補正することにより、上記第1の発明、第2の発明及び第3の発明よりもさらに精度の高い通信領域の限定が可能となる効果がある。
【0036】
また、第5の発明によれば、BIT ON/OFF制御信号、BIT ON/OFF制御信号により切り換わるスイッチ、及びレベル補正器を用いて、第1の受信機と第2の受信機の温度及びキャリア周波数等による利得アンバランスを補正することにより、上記第4の発明よりも簡単な構成により第1の発明、第2の発明及び第3の発明よりもさらに精度の高い通信領域の限定が可能となる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるノンストップ自動料金収受システムの実施の形態1を示す図である。
【図2】この発明によるノンストップ自動料金収受システムの実施の形態2を示す図である。
【図3】この発明によるノンストップ自動料金収受システムの実施の形態3を示す図である。
【図4】この発明によるノンストップ自動料金収受システムの実施の形態4を示す図である。
【図5】この発明によるノンストップ自動料金収受システムの実施の形態5を示す図である。
【図6】ノンストップ自動料金収受システムの運用を示す図である。
【図7】通信領域を限定するための料金所の構成を示す図である。
【図8】通信領域を限定するための従来の料金所機器の構成を示す図である。
【図9】理想状態における2つの受信機の特性を示す図である。
【図10】利得アンバランスが生じた2つの受信機の特性を示す図である。
【符号の説明】
1 有料道路、2 一般道路、3 料金所、4 路側通信装置、5 制御機、6 車両、7 通信領域、8 車載機、9 第1の受信アンテナパターン、10第2の受信アンテナパターン、11 第1の受信アンテナ、12 第2の受信アンテナ、13 第1の受信機、14 第2の受信機、15 第1のレベル検出器、16 第2のレベル検出器、17 レベル比較器、18 第1のスイッチ、19 受信データ、20 送信データ、21 送信機、22 送信アンテナ、23 レベル補正器、24 温度検知器、25 温度情報、26 ROM、27キャリア周波数情報、28 発振器、29 BIT用基準キャリア信号、30第2のスイッチ、31 第3のスイッチ、32 第4のスイッチ、33 BIT ON/OFF制御信号、34 第5のスイッチ。
Claims (5)
- 通行車両に搭載されている車載機との間の情報の授受ができる路側通信装置において、
第1の受信アンテナと、
前記第1の受信アンテナに隣接して設けられ、前記第1の受信アンテナとは異なるアンテナパターンを有する第2の受信アンテナと、
前記第1の受信アンテナの出力を受ける第1の受信機と、
前記第2の受信アンテナの出力を受ける第2の受信機と、
前記第1の受信機の受信信号レベルと前記第2の受信機の受信信号レベルを比較するレベル比較器と、
前記レベル比較器の比較結果に応じて、前記第1、第2の受信機の一方からの出力を得る制御機と、
機器内の温度を検知し、当該温度情報に基づいて前記第2の受信機の出力レベルを補正するレベル補正器と、
を備えたことを特徴とする路側通信装置。 - 通行車両に搭載されている車載機との間の情報の授受ができる路側通信装置において、
第1の受信アンテナと、
前記第1の受信アンテナに隣接して設けられ、前記第1の受信アンテナとは異なるアンテナパターンを有する第2の受信アンテナと、
前記第1の受信アンテナの出力を受ける第1の受信機と、
前記第2の受信アンテナの出力を受ける第2の受信機と、
前記第1の受信機の受信信号レベルと前記第2の受信機の受信信号レベルを比較するレベル比較器と、
前記レベル比較器の比較結果に応じて、前記第1、第2の受信機の一方からの出力を得る制御機と、
前記制御機の出力するキャリア周波数情報に基づいて前記第2の受信機の出力レベルを補正するレベル補正器と、
を備えたことを特徴とする路側通信装置。 - 通行車両に搭載されている車載機との間の情報の授受ができる路側通信装置において、
第1の受信アンテナと、
前記第1の受信アンテナに隣接して設けられ、前記第1の受信アンテナとは異なるアンテナパターンを有する第2の受信アンテナと、
前記第1の受信アンテナの出力を受ける第1の受信機と、
前記第2の受信アンテナの出力を受ける第2の受信機と、
前記第1の受信機の受信信号レベルと前記第2の受信機の受信信号レベルを比較するレベル比較器と、
前記レベル比較器の比較結果に応じて、前記第1、第2の受信機の一方からの出力を得る制御機と
機器内の温度を検知し、当該温度情報及び前記制御機の出力するキャリア周波数情報に基づいて、前記第2の受信機の出力レベルを補正するレベル補正器と、
を備えたことを特徴とする路側通信装置。 - 通行車両に搭載されている車載機との間の情報の授受ができる路側通信装置において、
第1の受信アンテナと、
前記第1の受信アンテナに隣接して設けられ、前記第1の受信アンテナとは異なるアンテナパターンを有する第2の受信アンテナと、
基準キャリア信号を発生する発振器と、
第1の受信機と、
第2の受信機と、
前記第1の受信機の受信信号レベルと前記第2の受信機の受信信号レベルを比較するレベル比較器と、
制御機と、
前記レベル比較器の比較結果に応じて、前記第1の受信機の出力を前記制御機に出力する第1のスイッチと、
前記制御機からの信号に応じて、前記第1の受信機との接続を前記第1のアンテナもしくは前記発振器のいずれか一方に切り替える第2のスイッチと、
前記第1の受信機と前記第1のアンテナが接続されているときに、前記第2の受信機を前記第1のアンテナに接続し、前記第1の受信機と前記発振器が接続されているときに、前記第2の受信機を前記発振器に接続する第3のスイッチと、
前記第1の受信機が前記発振器に接続されているときに、レベル比較器の出力に基づいて、前記第2の受信機の出力レベルを補正するレベル補正器と、
を備えたことを特徴とする路側通信装置。 - 通行車両に搭載されている車載機との間の情報の授受ができる路側通信装置において、
前記車載機への送信信号を出力する送信機と、
第1の受信アンテナと、
前記第1の受信アンテナに隣接して設けられ、前記第1の受信アンテナとは異なるアンテナパターンを有する第2の受信アンテナと、
第1の受信機と、
第2の受信機と、
前記第1の受信機の受信信号レベルと前記第2の受信機の受信信号レベルを比較するレベル比較器と、
制御機と、
前記レベル比較器の比較結果に応じて、前記第1の受信機の出力を前記制御機に出力する第1のスイッチと、
前記制御機からの信号に応じて、前記第1の受信機との接続を前記第1のアンテナもしくは前記送信機のいずれか一方に切り替える第2のスイッチと、
前記第1の受信機と前記第1のアンテナが接続されているときに、前記第2の受信機を前記第1のアンテナに接続し、前記第1の受信機と前記送信機が接続されているときに、前記第2の受信機を前記送信機に接続する第3のスイッチと、
前記第1の受信機が前記発振器に接続されているときに、レベル比較器の出力に基づいて、前記第2の受信機の出力レベルを補正するレベル補正器と、
を備えたことを特徴とする路側通信装置。
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