JP3572204B2 - プラズマcvd装置及び薄膜電子デバイス製造方法 - Google Patents

プラズマcvd装置及び薄膜電子デバイス製造方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高周波電力により反応性ガスをプラズマ化し、基板上に薄膜を形成するプラズマCVD装置及び薄膜電子デバイス製造方法に係るものであり、薄膜電子デバイス、例えば薄膜トランジスタ、太陽電池、電子写真感光体等の製造・開発プロセスに用いられるプラズマCVD装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
プラズマを用いた薄膜形成プロセスや材料加工プロセスは、薄膜電子デバイスや新材料の製造等に広く用いられている必要不可欠な技術である。このうち、薄膜形成に例をとると、従来より提案されているプラズマCVD装置としては、特開平4−021781号公報に開示される如く、例えば1本の線材をU字状に交互に折り曲げたジグザグ状平面形コイルを形成し、このコイルと対峙する基板との間に高周波電圧をかけてプラズマを発生させるものがあり、電界強度を強くしかつ均一として大面積薄膜を得ようとするものがある。
【0003】
より具体的には、反応性ガスのガス導入系と排気系とが連通された真空容器内にあって、上述のジグザグ状平面形コイルである放電用(高圧側)電極とこれに対峙して基板を載せた接地側電極との間にて発生する高周波電界によりプラズマを生成し、この生成したプラズマにより反応性ガスを分解して反応種を作り、基板上に薄膜を堆積するというものである。
【0004】
また、別の従来のプラズマCVD装置としては、特開平4−236781号公報に開示される如く、例えば複数本の線材からなる梯子状平面コイルと基板との間に高周波電圧をかけてプラズマを発生させ、電界強度を強くしかつ均一として大面積薄膜を得ようとするものである。
【0005】
この梯子状平面コイルについても高周波電界によりプラズマを生成し、基板上に薄膜を堆積することは前述の従来例と同じである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の従来例にも挙げるごとくジグザグ状や梯子状平面コイルである高圧側電極と基板を載せた接地側電極とに高周波電圧を加えるものが一般的であり、換言すれば高圧側電極と接地側電極とが電気的に結合しているのが一般的であり、接地側電極上に載せた基板の物性が高周波電界に影響を及ぼしプラズマ生成に影響を与えることになって、プラズマ生成制御が困難になることがある。
【0007】
また、成膜速度を向上するために高周波電力を増加した場合、基板表面が強いプラズマに直接さらされることとなり、基板表面がプラズマ中のイオンによるダメージを受け、膜質が劣化するという問題もある。
【0008】
更には、ジグザグ状や梯子状の平面コイルにより大面積薄膜を得るといっても、これら高圧側電極と基板との間に高周波電圧をかけることになり、かかる点電子密度分布に片寄りが発生し連続分布とならないため均一成膜はできにくく、この結果大面積薄膜を形成するにしても限界がある。
【0009】
本発明は、上述の問題に鑑みなされたもので、プラズマ生成電極と基板側の電極とを電気的に独立したものとして、プラズマ制御の困難性や基板表面の膜質の劣化を防止し、また更なる大面積化を進めるようにしたプラズマCVD装置及び薄膜電子デバイス製造方法の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成する本発明は、次の発明特定事項を有する。
の発明は、ガス導入系と排気系とが連通された真空容器内に、高周波電力供給手段に接続された電極とこの電極と対向して配置された基板とを有するプラズマCVD装置において、
上記電極は、高周波電力が供給される導体棒と接地された導体棒とが相互に絶縁されて交互に梯子状に配列された梯子型電極であり、
上記電極を構成する高圧側導体棒と接地側導体棒との間の距離dは、高周波プラズマ中の電子の振幅Aの2倍に略等しいことを特徴とする。
【0014】
の発明は、ガス導入系と排気系とが連通された真空容器内に、高周波電力供給手段に接続された電極とこの電極と対向して配置された基板とを有するプラズマCVD装置において、
上記電極は、高周波電力が供給される導体棒と接地された導体棒とが相互に絶縁されて交互に梯子状に配列された梯子型電極であり、
上記電極とこの電極と対峙する基板との間に成膜前駆体のもとになる反応性ガスを噴出するガス管を、上記梯子型電極及び基板のまわりに囲むように備え
上記ガス導入系からは上記反応性ガスとは別のガスを、上記基板と反対側の上記梯子型電極の背後から導入し、この別のガスが上記梯子型電極の導体棒間に生成したプラズマにより分解してできた反応種と、上記ガス管から上記電極と上記基板との間に噴出された上記反応性ガスとの化学反応により生成される反応種により成膜を行なうように構成したことを特徴とする
【0017】
の発明は、第1又は第2の発明のプラズマCVD装置における梯子電極に対向して配置された基板上にプラズマにより成膜するようにした薄膜電子デバイス製造方法を特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
ここで、図1〜図10を参照して本発明の実施の形態の一例を説明する。図1は本発明の高周波プラズマCVD装置の断面構成図である。図1において、真空容器1は、ガスボンベ等のガス源(図示省略)に接続されたガス導入系2と真空ポンプに接続された排気系3との気体出入口を有する。この真空容器1内には、梯子型電極4と基板5を載せる基板ホルダ6とが離間して対峙して置かれ、梯子型電極4はプラズマ生成電極であり、インピーダンスマッチングのためのマッチング回路7を介して高周波電源8に接続される。
【0019】
ここで、梯子型電極4の構造は、図2にも示すように高周波電力を給電するための高圧側の金属枠4aと接地側の金属枠4bとの間に差し渡された複数本の導体棒4S,4Gが互いに離間して並べられる。この導体棒のうち高圧側の金属枠4aに差し込まれ電気的に接続するもの4Sは、接地側の金属枠4bでは絶縁体受座4cを介して電気的に絶縁されて差し込まれる。また、導体棒のうち接地側の金属枠4bに差し込まれて電気的に接続するもの4Gは、高圧側の金属枠4aでは絶縁体受座4cを介して電気的に絶縁して接続される。したがって、高圧側の金属枠4aと導体棒4Sには高周波電圧が加わり、反面、導体棒4G及び金属棒4bは接地されることになる。
図1では黒丸を例えば高圧側導体棒4S、白丸を接地側の導体棒4Gとして示す。
【0020】
また、梯子型電極4を中心として基板ホルダ6に対して反対側には、ガス導入系2と連通する中空部を有するシャワープレート9が配置されており、シャワープレート9の多数の噴出孔からは均一にガスが噴出するようになっている。
一方、基板ホルダ9内には基板5を加熱するためのヒータ10が配置されている。なお、基板ホルダ6ひいては基板5及び真空容器1は接地されている。
【0021】
ここにおいて、梯子型電極4の高圧側の導体棒4Sに高周波電力を加えた場合、接地側の導体棒4Gとの間にて電極面に沿ってプラズマが生成する。そして、このプラズマは導体棒4S,4Gに沿い生成することになり、このプラズマの生成に当って基板側の電位は直接影響を及ぼさない。つまり、梯子型電極4に対して基板5及び基板ホルダ6は電気的に独立したものとなる。
【0022】
また、高周波プラズマ中の電子の振幅Aは、次式[数1]にて表される。
【数1】
Figure 0003572204
ここにおいて、Eは電界強度、μは電子の移動度、mは電子の質量、eは電子の電荷量、ω=2πfは高周波電力の角周波数である。
そして、交互に配置された高圧側の導体棒4Sと接地された導体棒4Gとの距離dを前記電子の振幅Aの2倍近傍とする。つまりd≒2Aとする。
仮に、d≪2Aであれば、プラズマ中の電子が容易に導体棒に到達して結果的にプラズマはうまく生成されなくなる。一方、d≫2Aでは、プラズマが生成されるが、導体棒間に体積の大きいプラズマが生成されることになり、結果的にプラズマの均一性を悪化させるからである。
また、電極周辺の構造物との距離は、電極と構造物との間での放電を避けるために、少なくともdより大きくすることも必要である。この時、電極の支持はセラミック等の絶縁体で行われる。
【0023】
前述した図2を用いて一例を述べるに、導体棒4S,4G間をd=2Aとなるように配置する。かかる構成にて導体棒4S,4G間に形成される高周波電界により効率良くプラズマが形成されることになる。よって高圧側の導体棒4Sと接地側の導体棒4Gとを交互に梯子状に並べることにより、電極全体として均一で大面積プラズマを生成することができる。
【0024】
60MHz の高周波電力をこの梯子型電極4に給電した場合を想定し、二次元の数値シミュレーションを実施した結果、プラズマ中の電子密度の空間分布は図3のようになった。図3に示すように、電気密度は梯子型電極の導体棒の並びに沿って、連続的に分布しており、大面積で均一なプラズマ生成が可能であることを示している。
すなわち、真空容器内に供給された反応ガスは、電極面に沿って生成されたプラズマによって分解され、反応種が生成される。この反応種は、通常この種のプロセスで用いられるガス圧である数mTorr〜数百mTorrのもとでは、速やかに拡散し加工物に達した付近では均一な分布となる。このため、この反応種による一様な加工が可能となる。
【0025】
図4は図1の変形例を示したものであり、円筒状基板51に対して円筒状梯子型電極41を形成した例を示している。例えば、具体例として感光体ドラムに代表されるような円筒状の基板に対するCVDを前提としたものである。真空容器1内には円筒状梯子型電極41を円筒状基板51を保持する円筒状基板ホルダ61と同心に設置されている。この場合、円筒状梯子型電極41の梯子段を形成する導体棒の並びは図4の如く円周方向に並べても良いし、あるいは円筒軸方向に並べてもよい。
【0026】
円筒状梯子型電極41には、図1の構成と同様マッチング回路7を介して高周波電源8が接続されており、更に高圧側導体棒と接地側導体棒との交互に配置により、円筒状梯子型電極41のこの導体棒に沿ってプラズマを生成できることは図1の場合と同様である。更に、図1と同様に円筒状梯子型電極41の背後にはシャワープレート9から反応性ガスが噴出するようにしてあり、プラズマによって分解された反応種により円筒状基板の表面に対する一様な成膜が可能となる。つまり、図4の構成では、図1のものを円筒状に形成した構成となっている。
【0027】
図5は、更に他の例を示している。図5は基板5を載せるステージに第2の電極11を備え、この第2の電極11にマッチング回路12を介して別の高周波電源13を接続する構成を図1の構成に加えたものである。
この図5によれば、第2の電極11上に載せた基板5の表面電位は高周波電力によってその周波数にて時間的に変動し、しかも真空容器1や基板ホルダ6が接地されて相対的に負電圧が重畳されることになるので、梯子型電極4により生成されたプラズマ中のイオンは、プラズマ中の空間電位と基板5の表面電位との間で時間的に変動する電位差により加速され、成膜中の基板表面に入射する。
【0028】
図6は第2の電極11に給電する高周波電力の周波数を変えた時の、基板5に入射するSiHイオン(図中実線)とHイオン(図中点線)の各々のイオンエネルギーの分布の変化を示したものである。図6に示すように低い周波数(例えば13.56 MHz )ではエネルギー分布は広くなるが、周波数を高くすると(例えば70MHz )広がりが小さくなることから、周波数の大きさによって入射イオンエネルギーを制御可能なことがわかる。高すぎるイオンエネルギーは膜中の欠陥密度を増大し膜質を劣化させる一方で、数十eV程度の入射エネルギーを持ったイオンは成膜中のアニーリング効果を助長し、膜質を緻密で良質なものにすることも知られているので、本例による高周波電力を用いたイオンエネルギーの制御は非常に有効である。
【0029】
図7は、他の実施例であり、この図7では梯子型電極4と基板5との間にこの電極4や基板5を囲む大きさのリング状のガス管14を配置しており、このリング状のガス管14の内側には多数のガス噴出口が形状される構成を有している。このリング状のガス管14からは成膜前駆体のもとになる反応性ガスを流出するものであり、ガス導入系2からは成膜前駆体のもとになる反応性ガスとは別のガスを導入しそのガスが梯子型電極4の導体棒間に生成したプラズマによって分解してできた反応種により、ガス管14から導入した反応性ガスを分解して成膜を行なうようにしている。つまり、図1,図4,図5に示すように反応性ガスを直接プラズマにて分解することなく、別のガスの分解による反応種にてガス管14からの反応性ガスを分解することにより、成膜前駆体となる反応種の組成を制御することができる。
【0030】
具体的には例えば、梯子型電極4背後のシャワープレート9からはArガスを導入し、ガス管14からはSiHガスを導入すれば、プラズマ中の電子衝突によって生成したAr準安定原子とSiHガスの反応によりSiHを生成することから、成膜前駆体となる反応種SiH,SiH等においてSiHの比率を上げることができる。
また、例えば、シャワープレート9からはHガスを導入し、ガス管14からは同様にSiHガスを導入すれば、プラズマ中の電子衝突によって生成したH原子とSiHの反応によりSiHを生成することから、成膜前駆体となる反応種SiH,SiHにおいてSiHの比率を上げることができる。
いずれにしても、SiHガスを直接プラズマによって分解し生成する反応種の組成とは異なる組成にすることができ、成膜反応の制御が可能となる。
【0031】
以上図1,図4,図5,図7にて具体例を挙げたが、これらの具体例は相互適用が可能であり、例えば図4の円筒構造にて図5,図7の構成を組み合せることができ、また、図5と図7の構成を組み合せることもできる。
【0032】
こうして説明した如く、本例でのプラズマCVD装置では、高周波電力が給電される導体棒と接地された導体棒とを交互に梯子状に配列したことにより、少なくとも基板側は梯子状電極とは電気的に独立したものとなり、電子密度分布が連続して均一な分布となり、成膜プロセスの自由度が増加し、高品質成膜のための制御性が向上し、一層の大面積薄膜が期待される。
【0033】
これまでの説明においては、大面積で均一化したプラズマ生成につき述べたのであるが、ここで高周波電力についても言及する。高周波プラズマの生成は、基板へのイオンダメージを減少させる等高品質加工のため行なわれ、従来使用されてきた13.56 MHz の外更に高い数十〜数百MHz の高周波電力が使用されつつある。
ところが、高周波電力の高周波数化に伴い波長が電極サイズと同程度になると定在波が発生してしまい、プラズマ分布が不均一になったり、高周波による電子捕捉効果が強くなって電極と周囲の構造物との間に局所的にプラズマが生成されやすくなり、プラズマの大面積で均一な生成が困難になりつつある。
【0034】
そこで、更なる改良として上記電子捕捉効果によりプラズマが局所化する性質を逆に利用して、プラズマ分布が不均一になるという問題を解決する。
前述したように本発明の実施の形態の一例では、高周波電力が給電された導体棒4Sと接地された導体棒4Gを交互に梯子状に並べた複数の導体棒から成る梯子型電極4を真空容器1内に設置することにより、電極全体として大面積・均一なプラズマを生成し、一様な加工を実現するようにしたものであるが、高周波電力の周波数による波長λが梯子型電極4の寸法と比較して十分大きい場合には、この電極への給電については高圧側金属棒4aへの一点での給電点の設置で問題はない。
ところが、高周波電力の周波数に基づく波長λにより、λ/4 の長さが電極の縦又は横の寸法と同程度になる場合には、定在波の発生によりプラズマの不均一を招来するため、高周波電源側からみて互いの距離がλ/4 以下となる複数の給電点を設けることが考えられる。
【0035】
図8を用いて、上述の梯子型電極4に給電する高周波電力の波長をλとした時、電極の縦または横の寸法がλ/4 と同程度になる場合において、電極全体で電圧分布を一様にするための電極の構成について一例を説明する。この図8に示す例では、高圧側金属枠4aと接地側金属枠4bとを一対ずつ設け、両側に接地側金属枠4b1,4b2を中央に高圧側金属枠4a1,4a2をそれぞれ備えている。そして、高圧側金属枠4a1,4a2にはそれぞれ2か所の給電点16a,16b,16c,16dが設置され、電源からみた各給電点16a,16b,16c,16dの距離をλ/4 以下としている。
【0036】
図9は、高周波電力の周波数と給電点間に発生する電圧分布との関係を示している。100MHz の場合、λ=2mなので、給電点間距離LとL=λ/2 の関係となり、この時非常に大きな電圧分布が発生する。L<λ/4 となる54.24 MHz 以下では、電圧分布はかなりの程度一様化されており、複数の給電点を設けた場合の互いの距離をλ/4 以下とする根拠となっている。
上記のように、複数の給電点を配置し、電極全体で導体棒に沿って電圧分布をほぼ一様に発生すれば、図2の場合と同様に各導体棒間において、一様なプラズマ生成が可能となり、高周波電力の周波数が高くなったために波長λが小さくなり、λ/4 が電極寸法とほぼ同程度の場合でも、大面積で均一なプラズマの生成が可能となる。
【0037】
上述の梯子型電極4に給電する高周波電力の周波数が高くなり、それを波長λとした時、λ/2 が電極の縦または横の寸法より大きくなる場合、給電点の数も増やさなければならない。この時、電気的に接続しており、かつ、電源から見てλ/4 以上の離れた位置にある給電点が存在すると、これらの給電点により発生する定在波が互いに干渉して、結果的に電圧分布を悪化させる恐れがある。
これを抑制し、電極全体で電圧分布を一様にするための電極の構成について図10を用いて説明する。図10は図8にて用いた複数給電された電極を一つの電極ユニット17として、必要な電極面積だけ複数のユニットを平面内に配置したもので、図は4ユニットを配置した例である。各ユニットには高周波電力が各々給電されているのみで、ユニット間は電気的に接続されていない。こうすることによって、λ/4 以上離れた給電点同士の定在波の干渉はなくなり、各々均一にプラズマが生成されたユニットを平面内に配置することによって、全体として大面積で均一なプラズマの生成が可能となる。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、次の効果を奏する。
の発明は、ガス導入系と排気系とが連通された真空容器内に、高周波電力供給手段に接続された電極とこの電極と対向して配置された基板とを有するプラズマCVD装置において、上記電極は、高周波電力が供給される導体棒と接地された導体棒とが相互に絶縁されて交互に梯子状に配列された梯子型電極であり、上記極を構成する高圧側導体棒と接地側導体棒との間の距離dは、高周波プラズマ中の電子の振幅Aの2倍に略等しいこととしたことにより、生成するプラズマを均一化する。
【0042】
の発明は、ガス導入系と排気系とが連通された真空容器内に、高周波電力供給手段に接続された電極とこの電極と対向して配置された基板とを有するプラズマCVD装置において、上記電極は、高周波電力が供給される導体棒と接地された導体棒とが相互に絶縁されて交互に梯子状に配列された梯子型電極であり、上記極とこの電極と対峙する基板との間に成膜前駆体のもとになる反応性ガスを噴出するガス管を、上記梯子型電極及び基板のまわりに囲むように備え、ガス導入系からは上記反応性ガスとは別のガスを、上記基板と反対側の上記梯子型電極の背後から導入し、この別のガスが上記梯子型電極の導体棒間に生成したプラズマにより分解してできた反応種と、上記ガス管から上記電極と上記基板との間に噴出された上記反応性ガスとの化学反応により生成される反応種により成膜を行なうように構成したことにより、ガス管からの反応性ガスをプラズマにて直接分解せず、別のガスを分解することで、反応種の組成制御が可能となる。
【0045】
の発明は、上記各発明にあって、基板上にプラズマにて成膜した電子デバイスを製造するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例の断面図。
【図2】電極を主に示した簡略斜視図。
【図3】図1におけるシミュレーション結果の電子密度分布図。
【図4】円筒型の変形例を示す断面図。
【図5】別の高周波電源を有する例の断面図。
【図6】周波数をパラメータとしたイオンエネルギ状態図。
【図7】反応性ガスのガス管を備えた例の断面図。
【図8】複数給電点を有する例の斜視図。
【図9】給電点間距離に対する電圧分布図。
【図10】電極ユニット構成の簡略斜視図。
【符号の説明】
1 真空容器
4 梯子型電極
4a,4b,4a1,4b1,4a2,4b2 金属枠
4S,4G 導体棒
4c 絶縁体受座
5 基板
6 基板ホルダ
8,13 高周波電源
11 第2の電極
14 ガス管
16a,16b,16c,16d 給電点
17 電極ユニット

Claims (3)

  1. ガス導入系と排気系とが連通された真空容器内に、高周波電力供給手段に接続された電極とこの電極と対向して配置された基板とを有するプラズマCVD装置において、
    上記電極は、高周波電力が供給される導体棒と接地された導体棒とが相互に絶縁されて交互に梯子状に配列された梯子型電極であり、
    上記電極を構成する高圧側導体棒と接地側導体棒との間の距離dは、高周波プラズマ中の電子の振幅Aの2倍に略等しいことを特徴とするプラズマCVD装置。
  2. ガス導入系と排気系とが連通された真空容器内に、高周波電力供給手段に接続された電極とこの電極と対向して配置された基板とを有するプラズマCVD装置において、
    上記電極は、高周波電力が供給される導体棒と接地された導体棒とが相互に絶縁されて交互に梯子状に配列された梯子型電極であり、
    上記電極とこの電極と対峙する基板との間に成膜前駆体のもとになる反応性ガスを噴出するガス管を、上記梯子型電極及び基板のまわりに囲むように備え
    上記ガス導入系からは上記反応性ガスとは別のガスを、上記基板と反対側の上記梯子型電極の背後から導入し、この別のガスが上記梯子型電極の導体棒間に生成したプラズマにより分解してできた反応種と、上記ガス管から上記電極と上記基板との間に噴出された上記反応性ガスとの化学反応により生成される反応種により成膜を行なうように構成したことを特徴とするプラズマCVD装置。
  3. 請求項1又は2記載のプラズマCVD装置における梯子電極に対向して配置された基板上にプラズマにより成膜するようにした薄膜電子デバイス製造方法。
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