JP2004524678A - 平面状基板の表面のプラズマ励起処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】平面状基板の表面のプラズマ励起処理装置を提供する。
【解決手段】本発明は、平面状の基板の表面をプラズマ励起処理するための装置に関する。この装置において、プラズマはHF/VHF領域における低圧ガスの放電により生成される。このような処理により、ドライエッチングなどの表面の変形や、基板表面上への薄膜層の形成が達成される。
【選択図】図1
【解決手段】本発明は、平面状の基板の表面をプラズマ励起処理するための装置に関する。この装置において、プラズマはHF/VHF領域における低圧ガスの放電により生成される。このような処理により、ドライエッチングなどの表面の変形や、基板表面上への薄膜層の形成が達成される。
【選択図】図1
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の序文に係る、HF/VHF領域における低圧ガスの放電により生成されたプラズマにより、等価な基板表面の処理が達成される装置に関する。このような処理には、たとえば、いわゆるドライエッチングなどの場合における表面の変形などがある。薄膜が基板表面に堆積されていてもよい。本発明に係る装置は、特に、光発電において特に有用な半導体層システムを生産するために、さまざまな基板に純粋な又はドープされたアモルファスシリコンをコーティングするのに適している。
【背景技術】
【0002】
一般に知られているように、プラズマ生成に用いられる電極に印加される周波数を高くすることにより、たとえば堆積速度が増加するなど、効率の向上が図られる。
【0003】
このような堆積速度の増加は、たとえば太陽電池などの大きなシート状の基板が、それに適した層又は層システムにより提供される場合に、特に重要である。これらの表面をコーティング又は処理するために要求される高い処理速度を実現するには、高いプラズマ密度を必要とするが、これは相応の高い周波数でしか得られない。したがって、周波数をVHF領域、好ましくは30MHz以上にシフトするのが望ましい。
【0004】
しかしながら、大きな基板表面を変形又はコーティングするとき、それに応じた大きな電極システムの電気容量が生じる。既知の電極における定常波及び有向波の形成により、表面処理が不均一となり、そのため、コーティング又は処理される基板表面は、それぞれ限定される。
【0005】
さらに、電極システムのインピーダンスが非常に容量性となることが知られている。より高い無効電流と、配線の伝送損失により、電極の電圧が低くなることを考慮して、低い抵抗を実現するために電極表面を大きくする。特に、低圧ガスの放電の点火過程における電圧を降下させる干渉は、効率の低下をもたらす。この効果は、周波数の高い処理になるほど問題となる。このように、大きなシート状の基板表面の処理においては、それぞれの処理される表面又は印加される周波数のいずれかは、制限が処理容量に置かれるように、低減されなければならず、二律背反的な要求がある。
【発明の開示】
【0006】
欧州特許0576559B1には、光発電に適したシリコンベースの層システムを基板上に堆積させることができるコーティング装置が記述されている。
【0007】
しかしながら、この既知の装置では、最初に挙げた、VHF領域において生じる問題が考慮されていない。次々に配置された複数の被覆チャンバーを通して、基板物質のウェブ上に、対応する層を堆積させることは、ほとんど記述されていない。このような装置では、異なる層が形成され、既に形成された層が変更される。特に、このような層からの不純物の除去は、個々のコーティングチャンバーに適した処理ガスを用いて実行される。
【0008】
さらに、本公報に記載されたコーティング装置の構成は、正極として機能する一つの電極に加えて、好ましくは竿状の形状を有するプラズマ生成部が用いられているため、非常に無駄がある。この場合、このようなプラズマ生成ユニットは、それぞれ、異なる発生源からのプラズマの干渉を排除するために、正極とは異なる周波数で動作される様々なコーティングチャンバー内で、正極の前後の基板物質の運搬方向に配置される。
【0009】
さらに、ドイツ国特許DE4301189C2では、基板をコーティングするための装置がよく知られている。処理チャンバーにおいて、平面基板を高周波でプラズマ化学処理するための平面状の正極が利用可能である。
【0010】
この場合、処理される基板の上に、基板キャリヤの上に配置された、電極を内包する壺状の第1の暗空間遮蔽物と、基板の底側に円盤状に形成された第2の暗空間遮蔽物が用いられる。互いに分離された二つの暗空間遮蔽物は、処理チャンバーの壁を介して接地される。
【0011】
これらの二つの黒い空間遮蔽物を用いて、寄生プラズマの発生は、距離を適切に調整することにより防がれる。
【0012】
本発明の目的は、比較的大きなフォーマットの基板表面が高い周波数、好ましくは30MHz以上の領域で処理できるコスト効果の高い装置を提案することにある。
【0013】
本発明によれば、この目的は、請求項2に記載の特徴を備えた装置により解決される。有利な実施例は及び発明の改良は、従属項に記載の特徴により達成される。
【0014】
本発明に係る装置は、真空チャンバーとしても機能する既知のチャンバー、すなわち、真空生成手段(真空ポンプ)と等価な物が接続されたチャンバーを用いる。このような装置のマストンネルへの接続はただちに達成可能である。さらに、処理ガスを導入及び放出するためのコネクタが利用可能である。また、HF/VHF周波数発生器が少なくとも一つの電極に接続される。これにより、プラズマが低圧ガスの放出により精製される。既知の方法により、いわゆる調節ユニットが設けられてもよい。電力システムにおける発生器と調整機構の間で定在波が反動されてもよい。
【0015】
本発明によれば、少なくとも一つのマストンネルが上記のチャンバーの内部に設けられる。放電空間は、実質的にはチャンバーの体積に制限されるが、このマストンネルの内部に形成される。この放電空間には、生成されたプラズマが、好ましくは電極と基板表面の間に形成されるように、それぞれの基板表面に対して平行かつより小さい距離をおいて、一つのHF/VHF電極が設けられる。この距離は、それぞれの処理工程に対応して調節されてもよい。
【0016】
マストンネル内には、互いに全く対向する二つのスロットも形成される。それらの幅及び高さは処理される基板及び基板キャリヤを有する基板によって、ぞれぞれ選択される。基板及び基板キャリヤを含む基板は、ぞれぞれ、これらのスロットを通って直進するように移動可能である。マストンネルは、これらのスロットを除いて全体に密閉される。
【0017】
処理の間、基板及び基板を有する基板キャリヤのそれぞれにより、これらのスロットは、小さな間隙を除いてほぼ完全に満たされる。こうして、マストンネルは、その周囲から、全体に渡って密閉される。
【0018】
処理ガス供給部は、マストンネルを通して放電空間へ、処理ガス排気部は、放電空間から、方向づけられる。この場合、少なくとも一つの基板表面の処理が達成される間、残留チャンバー体積に対する圧力差は、放電空間内で維持されうる。放電空間内の圧力は、コーティング工程の間、より大きい必要がある。また、ドライエッチング中は、より小さい必要がある。圧力は、真空チャンバーの残留体積における圧力に比べて少なくとも50倍大きい又は小さいのが好ましい。
【0019】
これは、処理ガスの流れの調整により達成することができる。小さい間隙を有するスロットの自由断面の大きさを最適化することにより達成されうる。これは、処理される基板の大きさや基板キャリヤを有する基板などに適合される。これらの動作によっても、処理ガスがほとんど放電空間からチャンバーの残留領域に漏れず、気密性のエンドキャップが形成されることが保証される。スロットは、処理工程中にスロットを部分的に密閉する基板又は基板キャリヤとともに、好ましくは放電空間と残留チャンバー体積との間の要求される圧力差を維持するために、気体の流れのためのオリフィスとして機能する。基板又は基板キャリヤの領域は、処理工程中、二つのスロットの間に配置される。
【0020】
この場合、フイルムなどの適した基板が、スロットを通って放電空間へ継続的に所定のスピードで運搬され、基板の処理が継続的に実行される。
【0021】
個々の平面状のシート基板は、スロットを通ってマストンネルへ導入され、放電空間内に配置され、所定の時間間隔で処理され、その後、マストンネルから次のスロットを通って除去されてもよい。この場合、基板キャリヤ上に基板を配置し、双方を共通して、処理のためにマストンネルの中へ、及びマストンネルを通るように、方向づける。この場合、同様に有利に形成された収容手段が、基板キャリヤに形成されてもよい。平らなシート状基板は、埋め込まれた基板と基板表面が一直線に並ぶように埋め込まれてもよい。
【0022】
二つの記載された例において、HF/VHF電極の幅は、基板の移動方向に沿って測定したときの基板の幅よりも垂直方向に長い。これにより、全体に均一な処理が実現可能となる。
【0023】
本発明に係る装置では、電力損失だけでなく、メンテナンス及び修理も低減される。特に、HF/VHF電極が電気的に絶縁され、かつ高密封状態でチャンバーのチャンバー壁に挿入され、マストンネルに挿入される部分であるから、簡単に取り外すことができ、また交換することができる。
【0024】
マストンネルは、電気伝導性を有する物質、たとえばアルミニウム合金などから形成される。アルミニウム合金は、経済的な理由からも好ましい。基板の処理のためには、特に、温度が200度以上になるまでウォーミングアップすることが好ましい。
【0025】
マストンネルの外側の表面には、加熱部が配置される。加熱部は、たとえば抵抗により加熱してもよい。このような加熱部は、マストンネルに埋め込まれてもよい。
【0026】
周波数発生器からHF/VHF電極に電力を供給する電力供給部は、単一の給電部として基板表面に垂直に形成されてもよいし、特に有利には、低圧ガス放電の点火及び比較的均一なプラズマの精製のために特に好ましい関係を保証するために、複数の給電部として形成されてもよい。
【0027】
電流の結合は、好ましくは、直接達成されるのではなく、基板又は基板キャリヤを有する基板だけでなくマストンネルも容量的に達成されるのが有利である。電気伝導性を有する基板キャリヤを用いて、これは、基板キャリヤの、放電空間に面しない側の全表面にわたって、ガルヴァーニ的に絶縁され、容量的に接地される。
【0028】
処理ガスが、放電空間を通って、処理ガス供給部から処理ガス排気部へ、処理される基板表面に平行に、可能であれば基板の運搬方向にも平行に流れるように、これらを配置するのがさらに好ましい。これは、放電空間の、基板が導入され回収されるスロットが配置された側に配置された気体のシャワーにより、又は、放電空間の、基板が導入され回収されるスロットが配置された側に配置された複数のスロットを有する隔壁により、全体にわたって達成されてもよい。
【0029】
既に何度も説明した、マストンネルに形成されたスロットは、放電空間との間で良好な遮蔽を保証するために、比較的長い必要がある。放電空間では、より高い又はより低い圧力が調節される。真空チャンバーの残留チャンバー体積は、基板の移動方向について、少なくとも40mmの長さを有し、基板の幅によって形成された自由な断面に関して、これは動的なロックを形成する高い流動抵抗を示す。放電空間から真空チャンバーのチャンバー体積へ、又その逆の、処理ガスの望ましくない放電を禁止することができる
【0030】
スロットの内壁と基板又は基板キャリヤを有する基板との間の距離は、可能であれば、全ての方向について小さい自由な間隙を有するのが好ましい。
【0031】
本発明に係る装置は、共通のマストンネルと、放電空間に設けられた複数のHF/VHF電極と、気体の入口及び出口と、スロットとを、有する一つのチャンバーを含んでもよい。これらは、直列に配置されるのが好ましく、基板は次々に内部に導入され、異なる処理ガスにより様々に処理されてもよい。こうして、表面の変形や異なる層の形成が実行可能となる。次々に配置されたVHF電極とマストンネルにより、処理コストと処理時間をかなり低減することができる。
【0032】
本発明に係る装置は、既に説明したように、比較的簡潔に構成されていて、低コストで製造することができ、約0.75m2及びそれ以上の比較的大きなシート状の基板の表面を、40MHz以上の周波数を用いて均一に処理することが可能である。基板表面に垂直な方向の電力供給だけでなく電流の分流も、取得可能な均一な処理ガスの提供とともに、摩耗しやすいすべり接触なしに、要求される大きな表面の均一な処理に貢献する。
【0033】
特に、マストンネルを有する電極の直列的な配置により、全ての部分的な処理ガスの流れの平均保持時間が等しくなるようにすることができる。
【0034】
用いられた処理ガスの不純物、特に残留ガスの原因となるガスは、ほぼ完全に回避される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、本発明が、実施の形態を用いてより詳細に説明される。図1は、本発明の実施の形態に係る装置の概略構成の部分的な詳細図を示す。図2は、他の視点からの概略図を示す。
【0036】
図1には、真空チャンバーの上部及び下部のチャンバー壁11及び11’が概略的に示されている。この真空チャンバーには、上部チャンバー壁11’に開口部が設けられており、そこにHF/VHF電極9が高密封かつ電気的に絶縁されて挿入されている。チャンバー壁11’とHF/VHF電極9との間には、絶縁体13が設けられている。さらに、周波数発生器12からHF/VHF電極9に対して高周波を給電する、直交した、ここでは一つの給電部が概略的に描かれている。本実施の形態では、周波数発生器12は、40.68MHzの周波数を発生する。
【0037】
真空チャンバーには、マストンネル3がさらに設けられている。マストンネル3は、本実施の形態では、実質的にアルミニウムからなる。マストンネル3には、放電空間6が形成されている。放電空間6では、放電空間6に供給される処理ガスのプラズマが、プラズマ化学処理のため、及び基板1上の層の形成のために、それぞれ用いられる低圧ガスの放電により生成する。
【0038】
処理ガスとして、一般に知られたガスや、SiH4/H2などの混合ガスが、それぞれ用いられてもよい。
【0039】
複数の加熱部10が、マストンネル3の外側の表面に配列されている。プラズマ処理の間、形成される層の質を向上させるように、温度を調節する。加熱部10は、比較的単純な方法として、電気抵抗により加熱するものであってもよい。好ましくは、少なくとも一つの温度センサを用いることにより調節を実現してもよい。
【0040】
マストンネル3には、それぞれ相対して、スロット4及び5が設けられる。本実施の形態では、基板1だけでなく、基板キャリア2も一緒にスロット4から放電空間6へ並進して移動され、そこから再びスロット5へ移動される。
【0041】
スロット4及び5の断面の大きさは、基板1、及び基板キャリヤ2を有する基板1の、それぞれの断面に応じて、スロット4及び5を通る問題のない並進運動が保証されるように、また、非常に小さい自由間隙のために、処理ガスが放電空間6に導入されるとき、又は放電空間6から放出されるときの大きな流動抵抗が保証されるように、設定される。これは、放電空間6から処理ガスが漏れるのを防ぐために要求される。コーティング工程において、放電空間6の内部は50Paの圧力に調整される。この圧力は、真空チャンバー内の圧力よりも高く、50倍以上である。
【0042】
本実施の形態では、スロット4及び5は、0.5mmの高さの間隙を有する。
【0043】
好ましくは、基板及び基板キャリヤ2のそれぞれの直進運動における摩擦抵抗を低減するために、ロール及びローラーがスロット4及び5に挿入される。
【0044】
可能であれば、基板キャリヤ2の電極9側に、少なくとも一つの基板1を安定的にはめ込むための、開口した収容手段が形成される。
【0045】
図示された基板キャリヤ2の構成に対して、電極9と基板キャリヤ2の収容手段に挿入された基板1の間の放電空間6が、基板キャリヤ2内に少なくとも部分的に形成されるような収容手段が形成されてもよい。
【0046】
基板1がプラズマ化学処理を受ける、スロット4及び5を通して導入された基板キャリヤ2を備えるマストンネル3は、電極9の配置が考慮され、スロット4、5の間隙の幅が基板キャリヤ2を考慮して決められ、スロット4及び5のそれぞれの、基板キャリヤ2の進行方向の長さが、要求される気体の気密性を実現するために考慮されるようなマッチ箱と比較されよう。
【0047】
放電空間6のスロット5側に、処理ガス供給部7が開口プレートを通して形成される。放電空間6の反対側には、処理ガス排出部8が、複数のスロットを有する隔壁の形式で設けられる。このように、処理ガスは、放電空間6を、基板1の運搬方向と平行かつ逆向きに流される。
【0048】
図1には、マストンネル3が、絶縁体13及び14により、チャンバー壁11、11’と電気的に絶縁されることも概略的に示されている。
【0049】
電力の供給は、基板1から、基板キャリア2を介して、図1に概略的に示された下部チャンバー壁を有するマストンネル3へ、基板1の表面全体にわたって、可能であれば、容量性かつ全体的に実現されうる。
【0050】
さらに、2つの矢印により、放電空間6と真空チャンバーの残留体積との間の圧力差が、増圧及び減圧する手順や手段(内部の気体の供給が好ましい)によりそれぞれ調整される様子が示される。
【0051】
図2により、チャンバー内のマストンネル3の配置及び改良がさらに説明される。図2は、図1に示した構成を垂直な方向から見た概略図である。
【0052】
この場合、マストンネル3は同様にチャンバー内に配置され、アルミニウムなどの電気伝導性の物質を含む。平面状のHF/VHF電極9は、マストンネル3の上部において、HF発生器12から上部チャンバー壁11’を介して電力を供給する電力供給部とともに設けられ、マストンネル3内に配置された放電空間6からも同様に囲まれる。
【0053】
マストンネル3、HF/VHF電極9及びそれらに電力を供給する電力供給部も、絶縁体13によりチャンバー壁11’から電気的に絶縁されている。
【0054】
プラズマ化学処理のために、基板1及び基板キャリヤ2と一体的に設けられた基板2は、それぞれ、マストンネル3内を、本図における紙面手前と紙面奥の方向に移動可能である。
【0055】
本図では、スロット4及び5の配置及び形成も、処理ガス供給部7及び処理ガス排出部8も、描かれていないが、これらはそれぞれ装置に設けられてもよい。しかしながら、マストンネル3はチャンバーから完全に電気的に絶縁されるのが好ましい。
【0056】
電力の供給は、HF/VHF発生器12から電極9へ、被覆された同軸ケーブル15を介して実現される。電極9から基板1への電力供給は、プラズマを介して実現される。ここで、電気抵抗の容量性成分は無視できる。
【0057】
これに対して、基板1又は基板キャリヤ2からマストンネル3への電力供給は、もっぱら容量性として実現される。
【0058】
互いに対向する基板1/基板キャリヤ2及びマストンネル3のそれぞれの表面Aの影響を受ける幾何容量CSMは、次式により計算される。
CSM=ε0×A/d
ここで、距離dは、基板1及び基板キャリヤ2が導入されるスロット4、5における自由間隙である。
【0059】
距離を小さく、たとえばd=0.5mmとすることにより、表面Aを大きくするのと同様に、電気抵抗を低減させることができる。
【0060】
低減された電気抵抗は、次式により決定される。
XSM=1/(ω×CSM)=d/(ω×ε0×A)
ここで、ωは電圧の波長であり、ε0=8.86×10−12F/m(誘電定数)である。
【0061】
この、距離dの値を小さくすることによる電気的パラメータに対する肯定的な影響の可能性により、電気抵抗の低減が保証される上に、マストンネル3の内部とその周囲との間での大気の関係の分離が確保される。
【0062】
これにより、マストンネル3内の処理ガスの内圧及び組成は、周囲の環境にかかわらず適合可能である。
【0063】
HF/VHF電極9及びマストンネル3の双方は、完全に電気的に絶縁されているので、チャンバー及び周囲に関する部分的なマス接触が回避され、プラズマからHF/VHF発生器12への電流の帰還が、完全に対称的に実現される。電界の望ましくない影響、及び放電空間6の領域の外部における寄生プラズマの形成が回避される。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の実施の形態に係る装置の概略構成の部分的な詳細図である。
【図2】他の視点からの概略図を示す。
【0001】
本発明は、請求項1の序文に係る、HF/VHF領域における低圧ガスの放電により生成されたプラズマにより、等価な基板表面の処理が達成される装置に関する。このような処理には、たとえば、いわゆるドライエッチングなどの場合における表面の変形などがある。薄膜が基板表面に堆積されていてもよい。本発明に係る装置は、特に、光発電において特に有用な半導体層システムを生産するために、さまざまな基板に純粋な又はドープされたアモルファスシリコンをコーティングするのに適している。
【背景技術】
【0002】
一般に知られているように、プラズマ生成に用いられる電極に印加される周波数を高くすることにより、たとえば堆積速度が増加するなど、効率の向上が図られる。
【0003】
このような堆積速度の増加は、たとえば太陽電池などの大きなシート状の基板が、それに適した層又は層システムにより提供される場合に、特に重要である。これらの表面をコーティング又は処理するために要求される高い処理速度を実現するには、高いプラズマ密度を必要とするが、これは相応の高い周波数でしか得られない。したがって、周波数をVHF領域、好ましくは30MHz以上にシフトするのが望ましい。
【0004】
しかしながら、大きな基板表面を変形又はコーティングするとき、それに応じた大きな電極システムの電気容量が生じる。既知の電極における定常波及び有向波の形成により、表面処理が不均一となり、そのため、コーティング又は処理される基板表面は、それぞれ限定される。
【0005】
さらに、電極システムのインピーダンスが非常に容量性となることが知られている。より高い無効電流と、配線の伝送損失により、電極の電圧が低くなることを考慮して、低い抵抗を実現するために電極表面を大きくする。特に、低圧ガスの放電の点火過程における電圧を降下させる干渉は、効率の低下をもたらす。この効果は、周波数の高い処理になるほど問題となる。このように、大きなシート状の基板表面の処理においては、それぞれの処理される表面又は印加される周波数のいずれかは、制限が処理容量に置かれるように、低減されなければならず、二律背反的な要求がある。
【発明の開示】
【0006】
欧州特許0576559B1には、光発電に適したシリコンベースの層システムを基板上に堆積させることができるコーティング装置が記述されている。
【0007】
しかしながら、この既知の装置では、最初に挙げた、VHF領域において生じる問題が考慮されていない。次々に配置された複数の被覆チャンバーを通して、基板物質のウェブ上に、対応する層を堆積させることは、ほとんど記述されていない。このような装置では、異なる層が形成され、既に形成された層が変更される。特に、このような層からの不純物の除去は、個々のコーティングチャンバーに適した処理ガスを用いて実行される。
【0008】
さらに、本公報に記載されたコーティング装置の構成は、正極として機能する一つの電極に加えて、好ましくは竿状の形状を有するプラズマ生成部が用いられているため、非常に無駄がある。この場合、このようなプラズマ生成ユニットは、それぞれ、異なる発生源からのプラズマの干渉を排除するために、正極とは異なる周波数で動作される様々なコーティングチャンバー内で、正極の前後の基板物質の運搬方向に配置される。
【0009】
さらに、ドイツ国特許DE4301189C2では、基板をコーティングするための装置がよく知られている。処理チャンバーにおいて、平面基板を高周波でプラズマ化学処理するための平面状の正極が利用可能である。
【0010】
この場合、処理される基板の上に、基板キャリヤの上に配置された、電極を内包する壺状の第1の暗空間遮蔽物と、基板の底側に円盤状に形成された第2の暗空間遮蔽物が用いられる。互いに分離された二つの暗空間遮蔽物は、処理チャンバーの壁を介して接地される。
【0011】
これらの二つの黒い空間遮蔽物を用いて、寄生プラズマの発生は、距離を適切に調整することにより防がれる。
【0012】
本発明の目的は、比較的大きなフォーマットの基板表面が高い周波数、好ましくは30MHz以上の領域で処理できるコスト効果の高い装置を提案することにある。
【0013】
本発明によれば、この目的は、請求項2に記載の特徴を備えた装置により解決される。有利な実施例は及び発明の改良は、従属項に記載の特徴により達成される。
【0014】
本発明に係る装置は、真空チャンバーとしても機能する既知のチャンバー、すなわち、真空生成手段(真空ポンプ)と等価な物が接続されたチャンバーを用いる。このような装置のマストンネルへの接続はただちに達成可能である。さらに、処理ガスを導入及び放出するためのコネクタが利用可能である。また、HF/VHF周波数発生器が少なくとも一つの電極に接続される。これにより、プラズマが低圧ガスの放出により精製される。既知の方法により、いわゆる調節ユニットが設けられてもよい。電力システムにおける発生器と調整機構の間で定在波が反動されてもよい。
【0015】
本発明によれば、少なくとも一つのマストンネルが上記のチャンバーの内部に設けられる。放電空間は、実質的にはチャンバーの体積に制限されるが、このマストンネルの内部に形成される。この放電空間には、生成されたプラズマが、好ましくは電極と基板表面の間に形成されるように、それぞれの基板表面に対して平行かつより小さい距離をおいて、一つのHF/VHF電極が設けられる。この距離は、それぞれの処理工程に対応して調節されてもよい。
【0016】
マストンネル内には、互いに全く対向する二つのスロットも形成される。それらの幅及び高さは処理される基板及び基板キャリヤを有する基板によって、ぞれぞれ選択される。基板及び基板キャリヤを含む基板は、ぞれぞれ、これらのスロットを通って直進するように移動可能である。マストンネルは、これらのスロットを除いて全体に密閉される。
【0017】
処理の間、基板及び基板を有する基板キャリヤのそれぞれにより、これらのスロットは、小さな間隙を除いてほぼ完全に満たされる。こうして、マストンネルは、その周囲から、全体に渡って密閉される。
【0018】
処理ガス供給部は、マストンネルを通して放電空間へ、処理ガス排気部は、放電空間から、方向づけられる。この場合、少なくとも一つの基板表面の処理が達成される間、残留チャンバー体積に対する圧力差は、放電空間内で維持されうる。放電空間内の圧力は、コーティング工程の間、より大きい必要がある。また、ドライエッチング中は、より小さい必要がある。圧力は、真空チャンバーの残留体積における圧力に比べて少なくとも50倍大きい又は小さいのが好ましい。
【0019】
これは、処理ガスの流れの調整により達成することができる。小さい間隙を有するスロットの自由断面の大きさを最適化することにより達成されうる。これは、処理される基板の大きさや基板キャリヤを有する基板などに適合される。これらの動作によっても、処理ガスがほとんど放電空間からチャンバーの残留領域に漏れず、気密性のエンドキャップが形成されることが保証される。スロットは、処理工程中にスロットを部分的に密閉する基板又は基板キャリヤとともに、好ましくは放電空間と残留チャンバー体積との間の要求される圧力差を維持するために、気体の流れのためのオリフィスとして機能する。基板又は基板キャリヤの領域は、処理工程中、二つのスロットの間に配置される。
【0020】
この場合、フイルムなどの適した基板が、スロットを通って放電空間へ継続的に所定のスピードで運搬され、基板の処理が継続的に実行される。
【0021】
個々の平面状のシート基板は、スロットを通ってマストンネルへ導入され、放電空間内に配置され、所定の時間間隔で処理され、その後、マストンネルから次のスロットを通って除去されてもよい。この場合、基板キャリヤ上に基板を配置し、双方を共通して、処理のためにマストンネルの中へ、及びマストンネルを通るように、方向づける。この場合、同様に有利に形成された収容手段が、基板キャリヤに形成されてもよい。平らなシート状基板は、埋め込まれた基板と基板表面が一直線に並ぶように埋め込まれてもよい。
【0022】
二つの記載された例において、HF/VHF電極の幅は、基板の移動方向に沿って測定したときの基板の幅よりも垂直方向に長い。これにより、全体に均一な処理が実現可能となる。
【0023】
本発明に係る装置では、電力損失だけでなく、メンテナンス及び修理も低減される。特に、HF/VHF電極が電気的に絶縁され、かつ高密封状態でチャンバーのチャンバー壁に挿入され、マストンネルに挿入される部分であるから、簡単に取り外すことができ、また交換することができる。
【0024】
マストンネルは、電気伝導性を有する物質、たとえばアルミニウム合金などから形成される。アルミニウム合金は、経済的な理由からも好ましい。基板の処理のためには、特に、温度が200度以上になるまでウォーミングアップすることが好ましい。
【0025】
マストンネルの外側の表面には、加熱部が配置される。加熱部は、たとえば抵抗により加熱してもよい。このような加熱部は、マストンネルに埋め込まれてもよい。
【0026】
周波数発生器からHF/VHF電極に電力を供給する電力供給部は、単一の給電部として基板表面に垂直に形成されてもよいし、特に有利には、低圧ガス放電の点火及び比較的均一なプラズマの精製のために特に好ましい関係を保証するために、複数の給電部として形成されてもよい。
【0027】
電流の結合は、好ましくは、直接達成されるのではなく、基板又は基板キャリヤを有する基板だけでなくマストンネルも容量的に達成されるのが有利である。電気伝導性を有する基板キャリヤを用いて、これは、基板キャリヤの、放電空間に面しない側の全表面にわたって、ガルヴァーニ的に絶縁され、容量的に接地される。
【0028】
処理ガスが、放電空間を通って、処理ガス供給部から処理ガス排気部へ、処理される基板表面に平行に、可能であれば基板の運搬方向にも平行に流れるように、これらを配置するのがさらに好ましい。これは、放電空間の、基板が導入され回収されるスロットが配置された側に配置された気体のシャワーにより、又は、放電空間の、基板が導入され回収されるスロットが配置された側に配置された複数のスロットを有する隔壁により、全体にわたって達成されてもよい。
【0029】
既に何度も説明した、マストンネルに形成されたスロットは、放電空間との間で良好な遮蔽を保証するために、比較的長い必要がある。放電空間では、より高い又はより低い圧力が調節される。真空チャンバーの残留チャンバー体積は、基板の移動方向について、少なくとも40mmの長さを有し、基板の幅によって形成された自由な断面に関して、これは動的なロックを形成する高い流動抵抗を示す。放電空間から真空チャンバーのチャンバー体積へ、又その逆の、処理ガスの望ましくない放電を禁止することができる
【0030】
スロットの内壁と基板又は基板キャリヤを有する基板との間の距離は、可能であれば、全ての方向について小さい自由な間隙を有するのが好ましい。
【0031】
本発明に係る装置は、共通のマストンネルと、放電空間に設けられた複数のHF/VHF電極と、気体の入口及び出口と、スロットとを、有する一つのチャンバーを含んでもよい。これらは、直列に配置されるのが好ましく、基板は次々に内部に導入され、異なる処理ガスにより様々に処理されてもよい。こうして、表面の変形や異なる層の形成が実行可能となる。次々に配置されたVHF電極とマストンネルにより、処理コストと処理時間をかなり低減することができる。
【0032】
本発明に係る装置は、既に説明したように、比較的簡潔に構成されていて、低コストで製造することができ、約0.75m2及びそれ以上の比較的大きなシート状の基板の表面を、40MHz以上の周波数を用いて均一に処理することが可能である。基板表面に垂直な方向の電力供給だけでなく電流の分流も、取得可能な均一な処理ガスの提供とともに、摩耗しやすいすべり接触なしに、要求される大きな表面の均一な処理に貢献する。
【0033】
特に、マストンネルを有する電極の直列的な配置により、全ての部分的な処理ガスの流れの平均保持時間が等しくなるようにすることができる。
【0034】
用いられた処理ガスの不純物、特に残留ガスの原因となるガスは、ほぼ完全に回避される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、本発明が、実施の形態を用いてより詳細に説明される。図1は、本発明の実施の形態に係る装置の概略構成の部分的な詳細図を示す。図2は、他の視点からの概略図を示す。
【0036】
図1には、真空チャンバーの上部及び下部のチャンバー壁11及び11’が概略的に示されている。この真空チャンバーには、上部チャンバー壁11’に開口部が設けられており、そこにHF/VHF電極9が高密封かつ電気的に絶縁されて挿入されている。チャンバー壁11’とHF/VHF電極9との間には、絶縁体13が設けられている。さらに、周波数発生器12からHF/VHF電極9に対して高周波を給電する、直交した、ここでは一つの給電部が概略的に描かれている。本実施の形態では、周波数発生器12は、40.68MHzの周波数を発生する。
【0037】
真空チャンバーには、マストンネル3がさらに設けられている。マストンネル3は、本実施の形態では、実質的にアルミニウムからなる。マストンネル3には、放電空間6が形成されている。放電空間6では、放電空間6に供給される処理ガスのプラズマが、プラズマ化学処理のため、及び基板1上の層の形成のために、それぞれ用いられる低圧ガスの放電により生成する。
【0038】
処理ガスとして、一般に知られたガスや、SiH4/H2などの混合ガスが、それぞれ用いられてもよい。
【0039】
複数の加熱部10が、マストンネル3の外側の表面に配列されている。プラズマ処理の間、形成される層の質を向上させるように、温度を調節する。加熱部10は、比較的単純な方法として、電気抵抗により加熱するものであってもよい。好ましくは、少なくとも一つの温度センサを用いることにより調節を実現してもよい。
【0040】
マストンネル3には、それぞれ相対して、スロット4及び5が設けられる。本実施の形態では、基板1だけでなく、基板キャリア2も一緒にスロット4から放電空間6へ並進して移動され、そこから再びスロット5へ移動される。
【0041】
スロット4及び5の断面の大きさは、基板1、及び基板キャリヤ2を有する基板1の、それぞれの断面に応じて、スロット4及び5を通る問題のない並進運動が保証されるように、また、非常に小さい自由間隙のために、処理ガスが放電空間6に導入されるとき、又は放電空間6から放出されるときの大きな流動抵抗が保証されるように、設定される。これは、放電空間6から処理ガスが漏れるのを防ぐために要求される。コーティング工程において、放電空間6の内部は50Paの圧力に調整される。この圧力は、真空チャンバー内の圧力よりも高く、50倍以上である。
【0042】
本実施の形態では、スロット4及び5は、0.5mmの高さの間隙を有する。
【0043】
好ましくは、基板及び基板キャリヤ2のそれぞれの直進運動における摩擦抵抗を低減するために、ロール及びローラーがスロット4及び5に挿入される。
【0044】
可能であれば、基板キャリヤ2の電極9側に、少なくとも一つの基板1を安定的にはめ込むための、開口した収容手段が形成される。
【0045】
図示された基板キャリヤ2の構成に対して、電極9と基板キャリヤ2の収容手段に挿入された基板1の間の放電空間6が、基板キャリヤ2内に少なくとも部分的に形成されるような収容手段が形成されてもよい。
【0046】
基板1がプラズマ化学処理を受ける、スロット4及び5を通して導入された基板キャリヤ2を備えるマストンネル3は、電極9の配置が考慮され、スロット4、5の間隙の幅が基板キャリヤ2を考慮して決められ、スロット4及び5のそれぞれの、基板キャリヤ2の進行方向の長さが、要求される気体の気密性を実現するために考慮されるようなマッチ箱と比較されよう。
【0047】
放電空間6のスロット5側に、処理ガス供給部7が開口プレートを通して形成される。放電空間6の反対側には、処理ガス排出部8が、複数のスロットを有する隔壁の形式で設けられる。このように、処理ガスは、放電空間6を、基板1の運搬方向と平行かつ逆向きに流される。
【0048】
図1には、マストンネル3が、絶縁体13及び14により、チャンバー壁11、11’と電気的に絶縁されることも概略的に示されている。
【0049】
電力の供給は、基板1から、基板キャリア2を介して、図1に概略的に示された下部チャンバー壁を有するマストンネル3へ、基板1の表面全体にわたって、可能であれば、容量性かつ全体的に実現されうる。
【0050】
さらに、2つの矢印により、放電空間6と真空チャンバーの残留体積との間の圧力差が、増圧及び減圧する手順や手段(内部の気体の供給が好ましい)によりそれぞれ調整される様子が示される。
【0051】
図2により、チャンバー内のマストンネル3の配置及び改良がさらに説明される。図2は、図1に示した構成を垂直な方向から見た概略図である。
【0052】
この場合、マストンネル3は同様にチャンバー内に配置され、アルミニウムなどの電気伝導性の物質を含む。平面状のHF/VHF電極9は、マストンネル3の上部において、HF発生器12から上部チャンバー壁11’を介して電力を供給する電力供給部とともに設けられ、マストンネル3内に配置された放電空間6からも同様に囲まれる。
【0053】
マストンネル3、HF/VHF電極9及びそれらに電力を供給する電力供給部も、絶縁体13によりチャンバー壁11’から電気的に絶縁されている。
【0054】
プラズマ化学処理のために、基板1及び基板キャリヤ2と一体的に設けられた基板2は、それぞれ、マストンネル3内を、本図における紙面手前と紙面奥の方向に移動可能である。
【0055】
本図では、スロット4及び5の配置及び形成も、処理ガス供給部7及び処理ガス排出部8も、描かれていないが、これらはそれぞれ装置に設けられてもよい。しかしながら、マストンネル3はチャンバーから完全に電気的に絶縁されるのが好ましい。
【0056】
電力の供給は、HF/VHF発生器12から電極9へ、被覆された同軸ケーブル15を介して実現される。電極9から基板1への電力供給は、プラズマを介して実現される。ここで、電気抵抗の容量性成分は無視できる。
【0057】
これに対して、基板1又は基板キャリヤ2からマストンネル3への電力供給は、もっぱら容量性として実現される。
【0058】
互いに対向する基板1/基板キャリヤ2及びマストンネル3のそれぞれの表面Aの影響を受ける幾何容量CSMは、次式により計算される。
CSM=ε0×A/d
ここで、距離dは、基板1及び基板キャリヤ2が導入されるスロット4、5における自由間隙である。
【0059】
距離を小さく、たとえばd=0.5mmとすることにより、表面Aを大きくするのと同様に、電気抵抗を低減させることができる。
【0060】
低減された電気抵抗は、次式により決定される。
XSM=1/(ω×CSM)=d/(ω×ε0×A)
ここで、ωは電圧の波長であり、ε0=8.86×10−12F/m(誘電定数)である。
【0061】
この、距離dの値を小さくすることによる電気的パラメータに対する肯定的な影響の可能性により、電気抵抗の低減が保証される上に、マストンネル3の内部とその周囲との間での大気の関係の分離が確保される。
【0062】
これにより、マストンネル3内の処理ガスの内圧及び組成は、周囲の環境にかかわらず適合可能である。
【0063】
HF/VHF電極9及びマストンネル3の双方は、完全に電気的に絶縁されているので、チャンバー及び周囲に関する部分的なマス接触が回避され、プラズマからHF/VHF発生器12への電流の帰還が、完全に対称的に実現される。電界の望ましくない影響、及び放電空間6の領域の外部における寄生プラズマの形成が回避される。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の実施の形態に係る装置の概略構成の部分的な詳細図である。
【図2】他の視点からの概略図を示す。
Claims (16)
- 周波数発生器と電気的に伝導可能に接続された少なくとも一つの平らな板状の電極がチャンバー内に配置された、HF/VHF低圧ガス放電による平面基板の表面のプラズマ誘起処理のための装置であって、
前記チャンバー内には、電気伝導性物質から形成され、前記チャンバーと電気的に絶縁された、少なくとも一つのマストンネルが設けられ、
前記マストンネル内には、前記HF/VHF電極及び放電空間が配置され、前記HF/VHF電極は、基板表面に対して平行に、かつ空間をおいて配置され、
処理ガス供給部及び処理ガス排気部が前記放電空間に接続され、
前記マストンネルは、二つのスロットを除いて、全体が密閉され、
前記基板のみが、又は前記基板が基板キャリヤとともに、前記スロットを通して、処理のために前記マストンネルに導入され、処理の後にそこから回収することが可能であることを特徴とする装置。 - 前記チャンバーは、真空チャンバーであることを特徴とする請求項1に記載の装置。
- 前記マストンネル内での処理の間、前記スロットを部分的に密閉する前記基板又は基板キャリヤが、前記マストンネルから及び前記マストンネルへのそれぞれの気体の流れのためのスロットル位置を形成する特徴とする請求項1又は2に記載の装置。
- 前記マストンネル内での処理の間、前記スロットを部分的に密閉する前記基板又は基板キャリヤが、前記処理ガス供給部及び前記処理ガス排気部とともに、前記チャンバーに対して、前記マストンネルの気密性のエンドキャップを形成することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の装置。
- 前記HF/VHF電極の幅は、前記基板の移動方向に垂直に測ったときの前記基板の対応する幅よりも大きいことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の装置。
- 前記HF/VHF電極は、処理される前記基板の表面の長さよりも短いことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の装置。
- 前記HF/VHF電極は、前記チャンバーのチャンバー壁内に、高密封かつ電気的に絶縁されて挿入可能な部分であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の装置。
- 前記HF/VHF電極への電力供給部が、前記基板表面に対して垂直に、一つ又は複数の給電として設けられることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の装置。
- 前記基板又は前記基板を有する前記基板キャリヤと、前記マストンネルとの間の電流の結合が容量性であることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の装置。
- 前記処理ガスは、前記基板の表面及び輸送方向に対して平行に、前記放電空間を通されることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の装置。
- 加熱部が、前記マストンネルの中又は上に配置されることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の装置。
- 前記スロットは、前記基板の輸送方向に、少なくとも40mmの長さを有することを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載の装置。
- 前記処理ガス供給部は、前記マストンネルの全長にわたって広がった、気体のシャワーとして形成され、
前記処理ガス排気部は、前記マストンネルの全長にわたって広がった、複数のスロットを有する隔壁として形成されることを特徴とする請求項1から12のいずれかに記載の装置。 - 前記マストンネルに、真空生成手段が接続されることを特徴とする請求項1から13のいずれかに記載の装置。
- 前記放電空間は、基板キャリヤにおいて、前記基板キャリヤに収容された基板の上に形成されることを特徴とする請求項1から14のいずれかに記載の装置。
- 複数のマストンネルが、前記HF/VHF電極とともに、直列に配置されたことを特徴とする請求項1から14のいずれかに記載の装置。
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