JP3571929B2 - 液体吐出ヘッドおよび液体吐出装置 - Google Patents

液体吐出ヘッドおよび液体吐出装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱エネルギー等による気泡の発生に伴う力によって、所望の液体を吐出する液体吐出ヘッドおよび液体吐出装置に関し、特に、気泡の発生を利用して変位する可動部材を用いる液体吐出ヘッドおよび液体吐出装置に関する。
【0002】
なお、この液体吐出装置は、紙、糸、繊維、布、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の記録媒体に対して記録を行うプリンター、複写機、通信システムを有するファクシミリ、プリンタ部を有するワードプロセッサ等の装置、さらには各種処理装置と複合的に組み合わされた産業用記録装置に適用することができるものである。そして、ここで述べる「記録」とは、文字や図形等のように意味を持つ画像を記録媒体に対して付与することだけでなく、パターン等のように意味を持たない画像を付与することをも意味するものである。
【0003】
【従来の技術】
従来、液体吐出装置の一種として、液状インクを吐出し記録媒体に付着させることによって画像形成を行なうインクジェット記録装置が知られている。このインクジェット記録装置は、高品位の画像を高速かつ低騒音で形成することができる。その中でも、発熱体によりインクを加熱して気泡を発生させて吐出エネルギーを得る、いわゆるバブルジェット記録装置は、インクを吐出するための吐出口の高密度配置が可能であり、小型の装置で高解像度が得られ、またカラー画像形成も容易であるなどの理由から、プリンター、複写機、ファクシミリ等のオフィス機器をはじめ、捺染装置等の産業用システムにも普及している。
【0004】
しかし、このようなバブルジェット記録装置においては、発熱体がインクに接した状態で加熱を繰り返すため、発熱体表面にインクのこげによる堆積物が発生する場合がある。また、インクとして、熱によって劣化しやすい性質の液体や十分な発泡が得られにくい性質の液体を採用すると、良好な吐出特性が得られない場合があるため、インクとして使用する液体の選択に制限がある。
【0005】
そこで、特公昭61−59916号公報、特開昭55−81172号公報、特開昭59−26270号公報等には、熱により気泡を発生させる液体(発泡液)と吐出する液体(吐出液)とに種類の異なる液体を用い、発泡液の発泡による圧力を吐出液に伝達することで吐出液を吐出する方法が開示されている。これらの方法では、吐出液であるインクと発泡液とをシリコンゴムなどの可動分離膜で分離し、発熱体に吐出液が直接接しないようにするとともに、発泡液の発泡による圧力を加撓性膜の変形によって吐出液に伝える構成をとっている。このような構成によって、発熱体表面の堆積物の防止や吐出液の選択自由度の向上等を達成している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者達は、可動分離膜の変位領域に関して従来にはない新たな課題を見出した。つまり、本発明の液体吐出ヘッドにおける分離膜は、第1の液流路壁と第2の液流路壁に挟持されており、各ノズル当たりの可動面積は液流路壁によって規制される。すなわち、第1と第2の液流路壁は、膜の変位を規制し、ヘッド特性に大きな影響を与えていることを確認したのである。
【0007】
これは結果的に吐出効率に影響を与え、膜自体の復帰メカニズムにも影響を与える。そこで本発明者達は、液流路壁でなく、膜自身が変位を規制し、膜の変位をスムーズにすることで、常に信頼性の高い吐出性能を持ち続けることが重要であるという結論に至った。
【0008】
そこで、本発明者達は、分離膜の分離機能による効果を生かしながら安定性及び耐久性に優れた液体吐出ヘッドを提供すべく、鋭意研究を行った。その結果、本発明者達は実質的に伸びない(メッシュ入りゴムホースやゴム製ガス管等のように変形可能な柔軟性を有するが表面積が拡大するような伸縮性は実質ほとんどない)分離膜に凹部を設けることに着眼し、凹部の変位量が吐出液の吐出量に相当することが重要であることを見出した。つまり吐出量が分離膜の凹部の変位量に応じるため、凹部の変位量を最大変位時に伸縮することのないよう規定することで、供給液体の種類に関係なく、安定した吐出が得られる上に、分離膜の耐久性も向上することが判明した。さらには、凹部に変位のためのエネルギーが付与されないときには自己復元力を発揮させ、吐出液のリフィルも向上することが判明した。
【0009】
そこで本発明の目的は、さらなる吐出の安定性を目指し、連続吐出時においても安定的に液体吐出が行なえる液体吐出ヘッドおよび液体吐出装置を提供することにあり、より具体的には、可動性膜により吐出液と発泡液とを分離する構成において、発泡の圧力によって生じた力で可動分離膜を変位させて吐出液に圧力を伝達する際に、気泡発生領域の両方向から発泡液を供給し、圧力を均等にすることにより、より確実に可動分離膜を平行に上下させ、吐出安定性に優れた液体吐出ヘッドおよび液体吐出装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の特徴は、液体を吐出する吐出口に連通する第1の液流路と、液体に気泡を発生させる気泡発生領域を具備する第2の液流路と、前記第1の液流路と前記第2の液流路とを互いに常に実質的に分離し前記気泡発生領域と面する部分に前記第2の液流路内に入り込んだ凹部を有する可動分離膜と基板上に有し、前記凹部の支点は、変位しない角部を有し、前記可動分離膜の前記角部付近を除いた前記凹部が気泡によって前記第1の液流路内に入り込むまで変形し、前記第2の液流路内の液体が、前記基板に設けられた案内路を通って前記気泡発生領域を流動するところにある。
【0012】
このような構成によると、気泡発生領域の上流、下流に案内路があるため、発泡・消泡時に、両方向から発泡液を供給することが可能である。さらに案内路の断面積を調整することにより、第2の液流路内の圧力バランスを均等にすることが可能になり、可動分離膜をより確実に安定的に平行に上下させることができる。
【0013】
前記第2の液流路内の液体の流動が、強制流動手段によって行われることが好ましい。
【0014】
また、複数の前記第2の液流路にそれぞれ設けられている発熱体上へ均等に液体を流動させるために、全ての前記第2の液流路を複数のブロックに分割する案内路を有する構成であってもよい。この場合、各第2の液流路に均等に液体を流動させることができる。
【0015】
前記第2の液流路の一部に気泡溜め部を有することが好ましい。この場合、案内路から供給される液体から気泡を除去して気泡混入の少ない液体を用いることができる。
【0016】
前記第1の液流路内の液体と、前記第2の液流路内の液体とが、異なる種類の液体であることが好ましい。この場合、第1の液流路の液体としては、例えば画像形成に適したインクなど吐出特性や吐出後の用途に応じた液体を選択し、第2の液流路の液体としては、耐熱性や発泡特性に優れた液体を選択して使用することができる。
【0017】
また、本発明の液体吐出装置は、前記したいずれかの構成の液体吐出ヘッドを載置する部材を具備している。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施例について説明するが、その前に本発明の基礎となる吐出の基本概念について実施の形態を挙げて説明する。
【0019】
図1は、本発明の液体吐出ヘッドの実施の形態(吐出工程の途中から本発明の変位工程を有する場合)を説明するための流路方向の断面図である。図2は図1に示した可動分離膜の凹部部分の拡大断面図である。図3は図1及び図2の液体吐出ヘッドの部分破断斜視図である。
【0020】
本実施形態は、図1に示すように、吐出口1に連通した第1の液流路3内に、第1の共通液室143から供給される第1の液体(吐出液)が満たされており、また、気泡発生領域7を有する第2の液流路4に、発熱体2によって熱エネルギーを与えられることにより発泡する第2の液体(発泡液)が満たされている。第1の液流路3と第2の液流路4との間には、第1の液流路3と第2の液流路4とを互いに分離する可動分離膜5が設けられている。可動分離膜5の気泡発生領域7と面する部分には凹部8が設けられ、その凹部8の支点には角部8aが設けられており、第1の液流路3にたるみが形成される。すなわち、両角部8aから変曲部8cを介して底部8bにつながっている。後述するが、この凹部8のうち、変極部8cが主に変形する。また、可動分離膜5とオリフィスプレート39とは互いに密着固定され、ここでもそれぞれの液流路内の液体が混ざり合うことはない。なお、第2の液流路4のうち、発熱体2の投影領域近辺が気泡発生領域7である。
【0021】
図3に示すように発熱体2は素子基板40に複数個並んで設けられており、この素子基板40上に第2の液流路4が各発熱体2に対応して複数配設されている。また、可動分離膜5を支持する支持部材41が、各々の第2の液流路4を区画形成する壁を兼ねている。可動分離膜5には複数の凹部8が、各発熱体2の投影領域近辺である気泡発生領域7に面して形成されている。そして第1の液流路3は各々の凹部8を含むようにして複数配設されている。但し、図3では各々の第1の液流路3を区画形成する壁38が置かれる位置を点線で示している。
【0022】
本発明においては、可動分離膜5の動きに着眼したものであって、可動分離膜5自体に凹部8を設け、発熱体2表面に生じる気泡の成長により、可動分離膜5の凹部8を第1の液流路3側に変位するようにした。
【0023】
図1(a)及び図2(a)に示す初期状態においては、第1の液流路3内の第1の液体(吐出液)が毛細管力によって吐出口1近傍まで引き込まれている。なお、本実施形態においては、吐出口1が発熱体2の第1の液流路3への投影領域に対し、第1の液流路3の液体流れ方向に関して下流側に位置している。
【0024】
この状態において、発熱体2(本形態においては、40μm×105μmの形状を有する発熱抵抗体)にエネルギーが与えられると、発熱体2が急速に発熱し、気泡発生領域7の第2の液体(発泡液)に接触する表面は第2の液体を加熱発泡させる(図1(b)及び図2(b))。この加熱発泡により生じる気泡6は、米国特許第4,723,129号に記載されているような膜沸騰現象に基づく気泡であり、発熱体表面全域に一斉にきわめて高い圧力を伴って発生するものである。このときに発生する圧力は、圧力波となって第2の液流路4内の第2の液体(発泡液)を伝搬し、可動分離膜5に作用して、それにより、可動分離膜5の凹部8が変形して、第1の液流路3内の第1の液体(吐出液)の吐出が開始される。但し、凹部8の支点に形成された角部8aは、変形に関与しない。
【0025】
発熱体2の表面全体に発生した気泡6が急速に成長していくと、膜状となる(図1(c)及び図2(c))。発生初期のきわめて高い圧力による気泡6の膨張は、可動分離膜5の凹部8をさらに変形せしめ、それにより、吐出口1からの第1の液流路3内の第1の液体(吐出液)の吐出が進む。
【0026】
その後、さらに気泡6が成長すると、可動分離膜5の角部8a付近をのぞいた凹部8全体が第1の液流路3内に入り込むまで変形が進む(図1(d)及び図2(d))。
【0027】
その後、気泡6が収縮すると、可動分離膜5の凹部8は変位前の位置に戻り始める(図1(e)及び図2(e))。
【0028】
その後可動分離膜5の凹部8は、気泡の収縮とともに、変位しない角部8aがもたらす自己復元力により、速やかに図1(f)及び図2(f)に示す初期状態に戻るため、第1の液流路3内のリフィルが促進される。
【0029】
また、消泡に伴い、可動分離膜5の凹部8が第2の液流路4内に変位するため、第2の液流路4内の空間は狭くなり、発泡液の充填量は少量になり、リフィルは速やかに完了する。
【0030】
また、凹部8の角部8aが、発泡による変位直後のリバウンドを抑制する働きがあるため、凹部8は変位後直ちに初期状態に戻るので、高速駆動が可能となる。
【0031】
[実施例1]
図4は、本発明の液体吐出ヘッドの一実施例を示す断面図である。
【0032】
本実施例の基本的動作原理は図1〜3で示されるものと同様で、気泡発生領域7の上流側と下流側とに液体の流動を可能とした案内路9、10が設けてある点が異なる。
【0033】
まず、図4(a)では、発熱体2による気泡6の発生工程の事前において、発泡を安定させるために、不安定要因となる流路中に残留した気泡や極端に蓄熱された液体などを後述する強制流動手段によって移動せしめ、気泡発生領域7での発泡液を初期の安定状態にしている状態を示す。案内路9から供給される発泡液は、気泡発生領域7を通って案内路10から排出されることで気泡発生領域7の状態を任意の時に初期安定状態にできるため、長期放置した後や高デューティ駆動で蓄熱や気泡が発生した時など、この動作によって初期状態にすることで、安定吐出を得られる。
【0034】
図4(b)〜(f)は発熱体2による気泡発生領域7での気泡6の発生から消滅までの工程を示す。
【0035】
この状態において、発熱体2にエネルギーが与えられると、発熱体2が第2の液体(発泡液)を加熱して膜沸騰による発泡を生じさせる(図4(b))。この加熱発泡に伴って発生する圧力は、圧力波となって第2の液流路4内の第2の液体(発泡液)を伝搬し、可動分離膜5に作用して、可動分離膜5の凹部8が変形して、第1の液流路3内の第1の液体(吐出液)の吐出が開始される。
【0036】
気泡6が急速に成長していくと膜状となる(図4(c))。発生初期のきわめて高い圧力による気泡6の膨張は、可動分離膜5の凹部8をさらに変形せしめ、それにより、吐出口1からの第1の液流路3内の第1の液体(吐出液)の吐出が進む。さらに気泡6が成長すると、可動分離膜5の角部8a付近をのぞいた凹部8全体が第1の液流路3内に入り込むまで変形する(図4(d))。
【0037】
その後、気泡6が収縮すると、可動分離膜5の凹部8は変位前の位置に戻り始める(図4(e))。そして、気泡の収縮とともに、変位しない角部8aの自己復元力により、可動分離膜5の凹部8は速やかに図4(f)に示す初期状態に戻るため、第1の液流路3内のリフィルが促進される。
【0038】
本構成において、可動分離膜5は凹部8を有する実質伸びない性質の膜であるため、吐出量安定化が実現できる。しかし、この際特に重要なのは、気泡6の最大体積に対し可動分離膜5の変位体積が小さいことで、気体体積変動に対して吐出量が安定することである。この場合図4(d)で示す状態で表わされるが、気泡6の最大体積に対する可動分離膜5の変位体積の差がきわめて大きい場合、可動分離膜5への応力が非常に高まり、耐久性上悪影響をひきおこす恐れがある。しかしながら本実施例の場合、気泡発生領域7の上流側と下流側とに案内路9,10が設けてあるため、気泡6の余剰体積を吸収するように案内路9,10から第2の液体(発泡液)を排出でき、安定性と耐久性とを高いレベルで実現できる。また、気泡収縮時において急峻な変化に膜の変位が追従できない時に発生する耐久上の問題もこの案内路が圧力調整及び圧力緩和機能をはたすことにより解決され、安定動作と耐久性を実現できる。特に、本実施例は案内路が上流側と下流側とで均等化され、可動分離膜5がバランスよく均等変位するため、吐出安定性が高い。
【0039】
また、本実施例において、案内路9、10との接続部に流路抵抗部11、12が設けてあり、不必要に気泡発生領域7での圧力を案内路9,10に逃さないように調整可能にしている。
【0040】
[実施例2]
図5(a)〜(d)に第2の実施例を示す。
【0041】
本実施例は、実施例1と同様に設けられた流路抵抗部を、上流側と下流側で差をつけたものである。図5(d)は、図5(a)の気泡発生時の断面形状を示したものである。
【0042】
図5(a)では、流路抵抗部13,14が下流方向に流れやすく上流方向に流れずらい形状になっているため、発熱体2による気泡6の発生の際、気泡成長工程では、上流側では気泡6は可動分離膜5を押し上げる方向に、下流側では下流側案内路10方向に成長するため、結果的に可動分離膜5は上流側が大きく変位する(図5(d))。この場合、吐出する吐出液(第1の液体)を上流側から下流側へ輸送するような流れを生じせしめるため、吐出液(第1の液体)のリフィル効率が向上する。図5(b)、(c)も同様に、流路抵抗部15,16,17,18の流路抵抗のバランスに差をつけることで吐出特性を向上させることができる。
【0043】
図6,7は、本発明の液体吐出ヘッドの一構成例を示す縦断面図である。図6,7に示すように、素子基板19にある穴を含む第2の液流路20と、分離壁となる可動分離膜5と第1の液流路3を構成する溝が設けられている溝付部材21とが設けられている。基板19に穴をあける方法としては、サンドブラスト、エッチング等が可能である。このように気泡発生部7の上流側と下流側の基板にあけた穴を案内路22,23として発泡液の流動を可能にしている。
【0044】
また、図6,7は素子基板に穴をあけた時の液体吐出ヘッドの全体構成例を示す。図6,7で示した案内路22,23は、本実施例では素子基板19を貼り付けたベースプレート24に設けた第2の液流路20に接続される。第2の液流路20に接続されたポンプ等の強制流動手段(図示せず)によって発泡液は循環する等、流動することができる。一方、第1の液体は可動分離膜5を境に案内路22,23と反対側に設けられた第1の液流路3で供給されるため、全体構成がシンプルでかつ混液防止に関しても信頼性が高い。また液流路の断面積は十分大きくとれるため案内路22,23からの圧力が受容できる。
【0045】
本実施例においては、発熱体2として、電気信号に応じて発熱する抵抗層で構成された発熱部を有するものを用いたが、本発明は、これに限られることなく、吐出液を吐出させるのに十分な気泡を発泡液に生じさせるものであればよい。例えば、発熱部として、レーザー等の光を受けることで発熱するような光熱変換体や高周波を受けることで発熱するような発熱部を有する発熱体でもよい。なお、前述の素子基板には、発熱部を構成する電気抵抗層とこの電気抵抗層に電気信号を供給するための配線電極とで構成される電気熱変換体の他に、この電気熱変換素子を選択的に駆動するためのトランジスタ、ダイオード、ラッチ、シフトレジスタなどの機能素子が、一体的に半導体製造工程によって作り込まれていてもよい。
【0046】
また、上述したような素子基板に設けられている電気熱変換体の発熱部を駆動し、液体を吐出するためには、電気抵抗層に配線電極を介して矩形パルスを印加し、配線電極間の電気抵抗層を急峻に発熱させればよい。
【0047】
図8は、本発明の液体吐出ヘッドの一構成例を示す模式図である。本実施例では、ヘッド内に第2の液流路の循環構成を設け、その間に強制流動手段としてのポンプ25を設けることで、発泡液循環装置としている。本実施例では、第2の液流路26の上流側に気泡溜め部27を設けることにより、第2の液体(発泡液)中に含まれることがある泡等を取り除くことができ、発泡が安定して、吐出状態も安定的になる。
【0048】
図9(a)は、本発明の液体吐出ヘッドの一構成例を示す模式図であり、図9(b)は、図9(a)の拡大図である。本実施例では、素子基板31に設けられた第2の液流路28を10ノズル単位で分割することによりヘッドの両端及び中央において、第2の液体(発泡液)の流量に差がなく、均一に第2の液体を流動させることができる。第2の液流路28を流れた液体が各ノズル部に均一に流れるために、供給口(案内路29)から各ノズル部の入口までの流路抵抗Rと入口部の流路抵抗Rとについて、各ノズル部のR+Rが一定になるような構成になっている。図9(c)は、2つの発熱体2および第2の液流路32に対して、排出口(案内路30)が1つの場合の実施例である。このようにして、各ノズルに対する流路抵抗が均等でノズル間の特性バラツキの少ないヘッドが実現されている。
【0049】
[液体吐出装置]
図10は、前述の液体吐出ヘッドを搭載した液体吐出装置の概略構成を示している。本実施例では、特に吐出液体としてインクを用いたインク吐出記録装置を用いて説明する。液体吐出装置のキャリッジHCは、インクを収容する液体タンク部90と、液体吐出ヘッド部200とが着脱可能なヘッドカートリッジを搭載しており、被記録媒体搬送手段で搬送される記録紙等の被記録媒体150の幅方向に往復移動する。
【0050】
不図示の駆動信号供給手段からキャリッジ上の液体吐出手段に駆動信号が供給されると、この信号に応じて液体吐出ヘッドから被記録媒体に対して記録用液体が吐出される。
【0051】
また、本実施例の液体吐出装置においては、被記録媒体搬送手段とキャリッジを駆動するための駆動源としてのモータ111、駆動源からの動力をキャリッジに伝えるためのギア112、113、キャリッジ軸85等を有している。さらに、ヘッドに液体を送出すると共に、ヘッドから液体を受け取ることで、液体を循環させるための循環ポンプ114が設けられており、ヘッドの前述した案内路に接続された液流路にチューブ115で接続されている。この記録装置およびこの記録装置で行う液体吐出方法によって、各種の被記録媒体に対して液体を吐出することで良好な画像の記録物を得ることができた。
【0052】
【発明の効果】
本発明によると、発泡・消泡時に案内路から発泡液を供給することが可能である。さらに案内路の断面積を調整することにより、第2の液流路内の圧力バランスを均等にすることが可能になり、可動分離膜をより確実に安定的に平行に上下させることができる。
【0053】
また、全ての第2の液流路を複数のブロックに分割する案内路を有する構成とした場合には、各第2の液流路に均等に液体を流動させることができる。
【0054】
前記第2の液流路の一部に気泡溜め部を有する構成とした場合には、案内路から供給される液体から気泡を除去して気泡混入の少ない液体を用いることができ、所望の液体吐出特性が得られやすくなる。
【0055】
第1の液流路の液体と第2の液流路の液体とに、それぞれの用途に応じた異なる液体を用いる場合には、液体の選択の自由度が高まる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液体吐出ヘッドの実施の形態を説明するための流路方向の断面図である。
【図2】図1に示す液体吐出ヘッドの可動分離膜の凹部周辺の拡大断面図である。
【図3】図1及び図2に示す液体吐出ヘッドの部分破断斜視図である。
【図4】本発明の液体吐出ヘッドの実施例1を説明するための流路方向の断面図である。
【図5】本発明の液体吐出ヘッドの実施例2の第2の液流路の例を示す平面図および断面図である。
【図6】本発明の液体吐出ヘッドの他の例を示す要部断面図である。
【図7】図6に示す液体吐出ヘッドの全体を示す断面図である。
【図8】本発明の液体吐出ヘッドの他の例を示す断面図である。
【図9】(a)は本発明の液体吐出ヘッドの他の例の素子基板の平面図であり、(b)は(a)の要部拡大図、(c)はさらに他の例の素子基板の要部拡大平面図である。
【図10】本発明の液体吐出装置を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 吐出口
2 発熱体
3 第1の液流路
4 第2の液流路
5 可動分離膜
6 気泡
7 気泡発生領域
8 凹部
8a 角部
8b 底部
8c 変曲部
9,10 案内路
11,12,13,14,15,16,17,18 流路抵抗部
19 素子基板
20 第2の液流路
21 溝付部材
22,23 案内路
24 ベースプレート
25 ポンプ
26 第2の液流路
27 気泡溜め部
28 第2の液流路
29,30 案内路
31 素子基板
32 第2の液流路
38 壁
39 オリフィスプレート
40 素子基板
41 支持部材
85 キャリッジ軸
90 液体タンク部
111 モータ
112,113 ギア
114 循環ポンプ
115 チューブ
143 第1の共通液室
144 第2の共通液室
150 被記録媒体
200 液体吐出ヘッド部
HC キャリッジ

Claims (7)

  1. 液体を吐出する吐出口に連通する第1の液流路と、液体に気泡を発生させる気泡発生領域を具備する第2の液流路と、前記第1の液流路と前記第2の液流路とを互いに常に実質的に分離し前記気泡発生領域と面する部分に前記第2の液流路内に入り込んだ凹部を有する可動分離膜と基板上に有し、
    前記凹部の支点は、変位しない角部を有し、前記可動分離膜の前記角部付近を除いた前記凹部が気泡によって前記第1の液流路内に入り込むまで変形し、
    前記第2の液流路内の液体が、前記基板に設けられた案内路を通って前記気泡発生領域を流動することを特徴とする液体吐出ヘッド。
  2. 前記第2の液流路内の液体の流動が、強制流動手段によって行われる請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  3. 請求項1または2に記載の液体吐出ヘッドにおいて、
    複数の前記第2の液流路にそれぞれ設けられている発熱体上へ均等に液体を流動させるために、全ての前記第2の液流路を複数のブロックに分割する案内路を有することを特徴とする液体吐出ヘッド。
  4. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドにおいて、
    前記第2の液流路の一部に気泡溜め部を有することを特徴とする液体吐出ヘッド。
  5. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドにおいて、
    前記第1の液流路内の液体と、前記第2の液流路内の液体が異なる種類の液体である液体吐出ヘッド。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドにおいて、
    前記基板には、前記気泡発生領域の上流側において前記案内路が前記第2の液流路に接続される上流側の穴と、前記気泡発生領域の下流側において前記案内路が前記第2の液流路に接続される下流側の穴と、前記気泡発生領域と前記上流側の穴との間に上流側の流路抵抗部と、前記気泡発生領域と前記下流側の穴との間に下流側の流路抵抗部と、が設けられている液体吐出ヘッド。
  7. 請求項1または2に記載の液体吐出ヘッドを載置する部材を具備する液体吐出装置。
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