JP3571908B2 - 番組情報記録装置及び番組情報記録方法 - Google Patents

番組情報記録装置及び番組情報記録方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタル放送番組・情報の記録や配信を行う番組情報記録装置及び番組情報記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
個人が放送番組などを録画、再生することを目的とした従来のVTRでは、番組を録画するには、利用者が所望の番組を放映しているチャンネルにチューナのチャンネルを合わせ、番組開始と共に録画ボタンを操作するか、録画チャンネル、録画開始時刻、録画終了時刻、その他録画に関する指定事項を予め指定するための予約録画の操作を行う必要があった。
【0003】
また、録画予約の際は事前に磁気テープ等の記録媒体の残量を確認し、所望番組が録画可能かどうか判断し、所望番組の開始・終了時刻、放送チャンネルなどを設定しなければならなかった。
【0004】
さらに、鑑賞したい番組を放送と同時にリアルタイムでみることができない場合には、事前に番組情報を入手してVTRの設定を行う必要があり、また鑑賞したい番組の存在を放送後に知っても、番組が再放送等されないかぎり鑑賞する術がなかった。
【0005】
また、従来のVTRは放送システムの枠外に存在するため、利用者主導で録画再生などが行われてきた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来、番組を録画するためにはその番組の放送時間等の情報を事前に入手し各種設定を行うといった煩雑な操作が必要であり、また上記情報を事前に入手できない場合には録画予約できなかった。また、この受信者側での番組に関する処理もしくは操作に番組情報制作者あるいは放送事業者などの意向を反映させることは不可能であった。
【0007】
本発明は、上記事情を考慮してなされたもので、番組に関する情報を事前に入手し各種設定を行うといった煩雑な予約操作の必要をなくし、かつ、所望の番組を見逃すといったことを未然に防ぐことを可能とする番組情報記録装置及び番組情報記録方法を提供することを目的とする。
【0008】
また、本発明は、受信者側での番組に関する処理もしくは操作に利用者の要求だけでなく番組情報制作者あるいは放送事業者などの意向をも反映させることを可能とする番組情報記録装置及び番組情報記録方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、受信した全部または一部の番組を自動記録する番組情報記録装置であって、自動記録対象となった番組毎にその優先度を決定する優先度決定手段と、前記自動記録対象となった番組を記録する記録手段と、所定のタイミングで、前記記録手段に記録された番組に対して前記優先度に基づいて前記記録手段における記録データ量の減少を伴うデータ変換処理を施す制御手段とを備え、前記自動記録の対象となった番組に相当する番組がすでに前記記録手段に記録されている場合には、該番組を自動記録の対象から除外することを特徴とする。
好ましくは、前記制御手段は、前記所定のタイミングで、前記記録手段に記録された番組に対して前記優先度に基づいて前記記録手段における記録データ量の減少を伴うデータ変換処理又は前記記録手段から削除する処理を施すものであるようにしてもよい。
好ましくは、前記優先度決定手段は、予め登録された個人情報に基づいて前記優先度を決定するようにしてもよい。
好ましくは、前記優先度決定手段は、放送局側より提供された、番組に対する付加的な情報と、予め登録された個人情報とに基づいて前記優先度を決定するようにしてもよい。
好ましくは、前記優先度決定手段は、予め定められた条件を満足する番組については、前記制御手段により処理を施すことを禁止することを示す優先度を付与することを特徴とするようにしてもよい。
好ましくは、前記優先度決定手段は、利用者の操作に基づいて記録予約された番組については、前記制御手段により処理を施すことを禁止することを示す優先度を付与するようにしてもよい。
例えば、自動記録する番組の記録予約を、電子的あるいは非電子的な番組情報ガイドをもとに利用者が行うことにより、該番組の優先度を、番組データの内容を低解像度化することも消去することも一切許さない値に設定し、番組情報総記録時間数は該予約番組分だけ減じられることで、該予約番組の情報品質を放送時相当のものとして保存することを保証することができる。
好ましくは、前記制御手段は、前記記録手段に記録された番組のうち、第1の優先度を持つ番組に対しては処理を行わず、第2の優先度を持つ番組に対してはデータ量の減少を伴うデータ変換処理を施し、第3の優先度を持つ番組についてはこれを削除するようにしてもよい。
好ましくは、データ量の減少を伴うデータ変換処理を施した番組の優先度を第3の優先度に更新するとともに、削除した番組の優先度を第4の優先度に更新するようにしてもよい。
好ましくは、前記所定のタイミングは、前記記録手段における記録可能な残りのデータ量が予め定められた基準量を下回ったことが検出されたタイミングであるようにしてもよい。
好ましくは、前記制御手段は、前記番組に対して前記処理を施すことを、一定期間ごとに周期的に行うようにしてもよい。
また、本発明は、受信した全部または一部の番組を自動記録する番組情報記録方法であって、自動記録対象となった番組毎にその優先度を決定するステップと、自動記録対象となった番組を記録するステップと、所定のタイミングで、前記記録手段に記録された番組に対して前記優先度に基づいて前記記録手段における記録データ量の減少を伴うデータ変換処理を施すステップとを有し、前記自動記録の対象となった番組に相当する番組がすでに前記記録手段に記録されている場合には、該番組を自動記録の対象から除外することを特徴とする。
【0022】
なお、装置に係る本発明は方法に係る発明としても成立し、方法に係る本発明は装置に係る発明としても成立する。
【0023】
また、装置または方法に係る本発明は、コンピュータに当該発明に相当する手順を実行させるための(あるいはコンピュータを当該発明に相当する手段として機能させるための、あるいはコンピュータに当該発明に相当する機能を実現させるための)プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体としても成立する。
【0024】
本発明によれば、本装置の置かれた場所および制約条件で受信可能な全部または一部の番組を自動的に記録するとともに、番組毎に優先度を付与し、この番組の優先度に基づいて記憶手段の記憶データ量を適宜調整していくので、番組に関する情報を事前に入手し各種設定を行うといった煩雑な予約操作の必要をなくすとともに、所望の番組を見逃すといったことを未然に防ぐことができる。
【0025】
また、本発明によれば、番組情報制作者または放送事業者などの意向および利用者の要求により自動的に配信を行うことで放送番組の多様な表現手段たとえば効果的な広告などの提供を可能とする。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら発明の実施の形態を説明する。
【0027】
本実施形態は、概略的には、受信した番組について、一旦、その全てまたは一部(例えば、一定の条件を満たすもの)を記録しておくとともに、受信した各番組毎に付与される優先度に基づいて、記録された番組を選択的に消去もしくはデータ変更(データ量の減少を伴うものを意味することとする;例えば、解像度を低下させるデータ変換がこれに該当する)していくものである。
【0028】
本実施形態によって、利用者(受信側ユーザ)は、もちろん放送中の番組や、録画予約(記録予約)した番組録画(予約機能を設ける場合)を視聴できるだけでなく、特別に録画予約(記録予約)しなくても既に放送された番組についても視聴することができるようになる。
【0029】
なお、以下では、番組の実体である動画像情報を中心に説明するが、動画像情報に音声情報が伴う場合には、音声情報は動画像情報と関連付けて記録、処理、音声出力等されるものとする。
【0030】
図1に、本発明の一実施形態に係る番組情報記録装置の構成例を示す。この番組情報記録装置1は、受信情報解析部2、蓄積情報管理部3、送信制御部4、個人情報管理部5、番組情報管理部6、番組情報記録部7、番組生成部8を備えている。なお、図1において、太線は動画像情報を示し、細線は動画像情報以外の情報を示す(図8、図9、図12も同様である)。
【0031】
最初に、放送信号伝送路9を介して受信される放送情報について説明する。
【0032】
放送情報には、デジタル放送番組の標準的な動画像情報(メインストリーム)と、その他の情報(サブストリーム)がある。
【0033】
サブストリームには、大きく分けて、特定の番組に対する付加的な情報を伝達するための付加情報(例えば、その番組のインデックスになるような情報、受信側におけるその番組に対する何らかの制御に供されることの可能な情報、その番組の紹介情報など)、それ以外の目的で使用される独立情報がある。独立情報は、動画像情報(もしくは静止画)であることもある。また、上記の付加情報はその主たる部分は画像情報ではないが、その一部として動画像情報(もしくは静止画)を含む場合もある。特定のメインストリーム(番組)と関連を持つサブストリームは、その関連する番組と同期して放送される場合と、非同期に放送される場合とがある。
【0034】
なお、上記のように、番組を構成する実体である動画像情報(番組データ)は、メインストリームとして放送されるが、これに加えて、独立情報としてのサブストリームにより補助的に番組データが放送されることもある。この場合、サブストリームにより放送される番組データは、例えば、メインストリームの一部の差し替え分として用いられる、などといった利用のされ方をする。
【0035】
メインストリームとサブストリームの区別や、サブストリームの種別は、例えばヘッダ内の識別情報で特定可能とする。また、あるサブストリームが関連を持つメインストリームは、例えばそのサブストリームのヘッダ内のリンク情報で特定可能とする。
【0036】
次に、番組情報について説明する。
【0037】
放送局側からは、番組を構成する実体である動画像情報(番組データ)の他に、番組情報制作者もしくは放送事業者などにより作成された、各々の番組の番組情報が放送される(番組情報が放送されない番組もあり得る)。
【0038】
番組情報には、例えば、その番組の放送地域、開始時刻、終了時刻などの受信に必要な基本的な情報と、番組内容(番組の種類)、出演者、キーワードなどのように利用者側における番組紹介や番組検索などに供することのできる2次的な情報とが含まれる。なお、上記に例示した番組情報内の各項目はコード化されているものとする。また、詳しくは後述するが、番組情報には、番組情報制作者もしくは放送事業者などが定めた送出側設定優先度の情報を付加することができるものとする。
【0039】
この番組情報は、メインストリームの例えばヘッダ部分などに付加されて放送される場合と、上記の付加情報としてのサブストリームにより、番組と同期して(例えば、各番組の番組開始直前に)、または番組と非同期に(例えば、番組開始以前の適当なタイミングで個別にあるい複数番組分まとめて)放送される場合とがある。
【0040】
逆に言うと、メインストリームには、番組情報および番組データの両方を含むものと、番組情報を含まないものとがある。
【0041】
なお、サブストリームにより放送される番組情報には、例えばそのヘッダ部分に、対応するメインストリームを特定可能な情報(例えば、同一の番組ID)が記述されているものとする。
【0042】
次に、受信情報解析部2から番組生成部8とデジタル受像器10の概略についてそれぞれ説明する。
【0043】
受信情報解析部2は、放送信号伝送路9を介して放送情報を受信し、受信した放送情報を例えばそのヘッダ部分に基づいて解析し、番組データについてはこれを番組情報記録部7に渡し(利用者から放送中の番組の視聴要求がある場合には番組生成部8にも渡し)、番組情報についてはこれを番組情報管理部6に渡す(受信した番組データに番組情報が付加されていない場合にはその旨を通知する)。
【0044】
番組情報記録部7は、受信情報解析部2から番組データを受け、これを蓄積する。ここでは、当該装置の置かれた場所(すなわち、ある番組が放送されている地域に該当する場所であるか否か)やその他の制約条件の下で受信可能な番組の全てまたは一部が自動的に記録されることになる。
【0045】
受信可能な番組の一部を記録する形態としては、例えば、番組情報が予め設定された条件と一致する番組を選択的に記録する(例えば、ドラマと音楽番組に該当する番組のみ記録する、特定の出演者の出演する番組のみ記録する、など)方法や、特定の時間帯に放送される番組のみを選択的に記録する方法など、種々の形態がある。
【0046】
なお、番組情報以外で特定のメインストリームと関連を持つサブストリームが放送されることがある場合には、そのようなサブストリームも関連するメインストリームに対応付けて自動記録すると好ましい。そのようなサブストリームの優先度は、関連するメインストリームと同じものを保持するのが好ましい。
【0047】
蓄積情報管理部3は、番組情報記録部7に記録可能な残りのデータ量を所定のタイミングで監視するとともに、記録可能なデータ量が予め定められた基準量を下回ったことが検出された場合には、記録可能なデータ量として該基準量を確保することを目標として、各番組の優先度に基づいて記録しておいた番組を選択的に消去もしくはデータ変更する(なお、番組情報記録部7のデータ蓄積量を所定のタイミングで監視するとともに、データ蓄積量が予め定められた基準量に達したことが検出された場合には、データ蓄積量を該基準量以下にすることを目標として、各番組の優先度に基づいて記録しておいた番組を選択的に消去もしくはデータ変更するようにしても等価である)。
【0048】
個人情報管理部5は、各利用者に固有の個人情報を管理する。また、当該装置自身に関する固有の情報は個人情報管理部5で管理するものとする。個人情報には、例えば、年齢、性別、嗜好、居住地域などの情報が含まれる。
【0049】
番組情報管理部6は、各番組ごとに、番組情報に基づいて後述する番組情報インデックスを作成、管理する。番組情報インデックスには、例えば、番組内容(番組の種類)、放送時間(開始時刻、終了時刻)、出演者、キーワードなどの情報が含まれる。番組情報インデックスは、例えば、番組に関する情報の一覧表を利用者に呈示する場合、あるいは利用者が番組をキー検索する場合などに用いることができる。
【0050】
また、番組情報管理部6は、番組情報インデックスの作成の際に、番組情報と個人情報(の比較等)に基づいて、あるいはさらに番組情報内に送出側設定優先度の情報が含まれる場合にはこれを加味するなどして、各番組に優先度を付与する。優先度の情報は、番組情報インデックスの一部として保持される。
【0051】
詳しくは後述するが、優先度には、例えば、自動的な消去やデータ変更(低解像度化など)を禁止する1または複数のレベルと、自動的な消去やデータ変更(低解像度化など)を許可する1または複数のレベルが設けられる。
【0052】
なお、番組データの記録後に、その番組の優先度を利用者の操作に基づいて適宜、変更できるようにすると好ましい。
【0053】
番組情報と番組情報インデックスは、番組情報記録部部6に蓄積しても、番組情報記録部部7に蓄積してもよいが、以下では、番組情報記録部部6に蓄積するものとして説明する。
【0054】
送信制御部4は、デジタル受像器10を介して利用者からの要求を受け、この利用者からの要求に応じた制御を行う。例えば、利用者からの記録された番組に対する視聴要求を受けた場合、利用者が所望している番組を(デジタル受像器10に配信するために)番組生成部8に渡すように、番組情報記録部7に対して指示し、利用者からの放送中の番組に対する視聴要求を受けた場合、受信した番組を(デジタル受像器10に配信するために)番組生成部8に渡すように、受信情報解析部2に対して指示する。
【0055】
番組生成部8は、上記の利用者により発せられた視聴要求を契機として番組情報記録部7または受信情報解析部2から渡される番組データを、デジタル受像器10の表示可能な適当な形式に変換して、デジタル受像器10に配信する。
【0056】
デジタル受像器10は、番組情報記録装置1からの番組データを表示する。
【0057】
なお、上記では、デジタル受像器10側に、番組情報記録装置1に対するユーザ・インタフェースの機能を設けたが、番組情報記録装置1自身にユーザ・インタフェースの機能を設けるようにしてもよい。
【0058】
また、録画予約機能(記録予約機能)は、これを設けるようにしてもよいし、設けないようにしてもよい。
【0059】
次に、本実施形態に係る番組情報記録装置1の自動記録に関する概略動作について説明する。
【0060】
受信された番組データ(の全部または一部)は次々と番組情報記録部7に自動記録されていく。
【0061】
これと併せて、番組データと同期してまたは非同期で受信された番組情報も次々と番組情報記録部7に記録されていくとともに、番組情報管理部6により各番組の番組情報インデックスが作成され、これが番組情報管理部6(番組情報記録部7でもよい)に記録されていく。番組情報インデックスに含まれる優先度は、例えば、番組情報、個人情報、送出側設定優先度といった情報に基づいて決定される。
【0062】
一方、番組データを次々と番組情報記録部7に自動記録していくと、番組情報記録部7の記録可能な残りのデータ量が減少していくので、蓄積情報管理部3では、所定のタイミングで、番組の優先度に基づいた番組単位での選択的な消去もしくはデータ変更を行っていく。
【0063】
そして、デジタル受像器10を介して利用者からの要求を受けると、送信制御部4の制御により、指定の番組の動画像情報は、番組情報記録部7から番組生成部8に渡され、番組生成部8で適当な形式に変換され、デジタル受像器10に配信される。
【0064】
ところで、利用者は、番組情報記録装置1に自動記録された番組をデジタル受像器10で視聴することができるが、その他にも、使用者に便利な種々の機能を設けると好ましい。
【0065】
例えば、使用者から要求に応じて、自動記録された番組の番組名等を文字列で例えばデジタル受像器10に一覧表示させる機能を設けると好ましい。
【0066】
また、自動記録された番組に関して、閲覧時に利用者が総閲覧時間を指定することで個人情報に基づいた番組ダイジェストを再構成し、これを例えばデジタル受像器10に表示させる機能を設けると好ましい。
【0067】
また、自動記録された番組に関して、利用者からの要求に応じて、番組の冒頭またはメインシーンなどを静止画の一覧であらしたものを、例えばデジタル受像器10に表示させる機能を設けると好ましい。
【0068】
さらに、上記うちの任意の複数の機能を設け、利用者が閲覧方法および/または総閲覧時間などを指定することにより、上記のいずれかの機能もしくは所定の複数の機能の組み合わせにより、閲覧できるようにしてもよい。
【0069】
さらにまた、上記のそれぞれにおいて、利用者が表示中の記録番組一覧表などについて所望の番組を指示した場合に、その番組に対して視聴要求が発せられたものとして、デジタル受像器10に表示されるようにしてもよい。
【0070】
そして、これらのような機能は、グラフィカル・ユーザ・インタフェースを用いて実現すると好ましい。
【0071】
そしてまた、このような機能は、記録予約を設ける場合に、記録予約により記録された番組についても設けると好ましいのは同様である。
【0072】
また、自動記録される内容に関しては記録予約するか否かの指定ができるようにすると好ましい。
【0073】
以下では、本実施形態のより詳しい構成例について説明する。
【0074】
まず、番組情報インデックスの作成(優先度の決定も含む)についてより詳しく説明する。
【0075】
放送信号伝送路9を介して受信した放送情報は受信情報解析部2に渡され、受信情報解析部2ではメインストリームやサブストリームに番組情報が存在するか否かを調べる。
【0076】
メインストリームまたはサブストリームに番組情報が存在する場合には、その番組情報は番組情報管理部6に渡され、この番組情報管理部6によってインデックス付けが行われる。すなわち、番組情報内に記述されたコードに基づいて、当該装置内で使用する番組情報インデックスが作成される。
【0077】
番組情報インデックスのうち優先度以外の項目は、番組情報内に記述されたコードをそのまま使用するかもしくは当該装置内でのコードないし文字情報等に変換したり、番組情報内に記述されたコードをキーとして必要な情報を検索するなどして、作成する。
【0078】
優先度は、個人情報管理部5に登録されている利用者の個人情報に基づくか、あるいはさらに番組情報制作者または放送事業者などの意向を加味して、決定する。
【0079】
例えば、1または複数の特定の項目(例えば、番組内容、出演者など)について、番組情報内に記述されているものと、個人情報内に記述されているものとの一致度を評価し、一致度が高い場合には高い優先度を与える、などの方法がある。
【0080】
また、例えば、番組情報内に送出側設定優先度が記述されている場合には、この送出側設定優先度と上記の個人情報に基づいて決定される優先度の高い方を採用する、などの方法がある。
【0081】
また、例えば、送出側設定優先度を加味するか否かを利用者が指定可能とすることもできる。
【0082】
さらにまた、最大の優先度を付与すべき特別の条件を利用者が設定可能としてもよい。例えば、ある番組内容を持つ番組、例えばドラマについては全て最大の優先度を付与する、もしくはある放送時間帯に放送される番組については全て最大の優先度を付与する、あるいはそれらとは逆に低い優先度を与える、などが考えられる。
【0083】
また、録画予約(記録予約)により記録された番組には最大の優先度を付与するようにしてもよい。
【0084】
さて、一方、送信されてきたメインストリームに番組情報が付加されていない場合には、その旨が受信情報解析部2から番組情報管理部6に伝えられる。この場合、番組情報管理部6は、過去にそのメインストリーム(すなわち、その番組)に対する番組情報を受信しており、番組情報インデックスが既に作成されているか否かを調べる。そして、まだ作成されていない場合には、番組情報管理部6は、可能な範囲で、番組情報インデックスを作成する。例えば、番組開始時刻や番組終了時刻などが生成可能である。
【0085】
この場合の優先度については、上記した場合と同様の方法の他に、予め定められた優先度に設定する方法や、原則として予め定められた最大でない優先度に設定することとし、ユーザ設定された特別の条件を満たす番組については最大の優先度を設定する方法、などが考えられる。
【0086】
以上のようにして、番組情報インデックスが作成され、受信された番組情報や作成された番組情報インデックスは、番組情報管理部6(番組情報記録部7でもよい)に蓄積される。
【0087】
なお、番組情報が繰り返し放送されるような場合には、番組情報を重複して受信することになる。この場合、すでに同じ内容の番組情報が受信されているか否かを調べ、受信されているならば、重複して番組情報インデックスを作成しないようにする。ただし、番組情報の一部に変更がある場合には、番組情報インデックスを作成し直すか、または該当する部分のみ更新するのが好ましい。
【0088】
また、番組の放送に非同期で受信した番組情報に対する番組情報インデックスの作成は、その番組情報の受信時ではなく、番組の放送の開始以前の所定のタイミングで行うようにしてもよい。
【0089】
次に、個人情報について説明する。
【0090】
個人情報管理部5には、当該装置の利用者の個人情報、具体例としては、年齢、性別、嗜好、居住地域などのデータが登録される。この登録は、全て利用者自らが入力するようにしてもよいし、その一部のデータについては、該装置が自動的に取得し(例えば、別のデータベースがあればそれから検索する)、もしくは利用者の過去の記録予約履歴や番組視聴履歴を取ってこれを解析して求めることで(例えば、履歴に係る番組情報から利用者が好む属性を抽出する)、自動的に登録可能としてもよい。
【0091】
図2に、個人情報テーブルの一例を示す。
【0092】
図2の例では当該装置および3人家族の情報が格納されている。
【0093】
#0は当該装置自身を示し、装置情報:TSB1048、受領可能データ形式(例えばMPEG2の動画フォーマット、JPEGの制止画フォーマットなど):M2J3C5、設置場所:TYOCHIが記されている。
【0094】
#1から#3は該装置の利用者を示し、性別年齢:M032、W030、M006に続いて、興味領域:SPBAGY1、DOANTG、EDCHXZ2等が記されている。これら利用者データのうち興味領域は、番組情報における番組内容、出演者、キーワードなどと同様のコード化がなされているのが好ましい(番組情報内の項目と直接比較することができる)。
【0095】
図2の例のように、個人情報が利用者毎に分けて管理される場合に、当該装置における処理で個人情報を参照するときは、参照すべき項目について全利用者の個人情報の内容のORを取ったものを用いるものとする。なお、目的に応じて、ORではなくANDを取るなど、他の方法を用いてもよい。
【0096】
次に、番組情報記録部7の構成例について説明する。
【0097】
図3に、番組情報記録部7の構成例を示す。
【0098】
図3の構成例では、磁気ディスク装置や光ディスク装置などを単独にまたは組み合わせて蓄積メディア(61〜6N)として利用し、プロセッサ63により蓄積メディアを制御するようにしている。番組情報総記録時間数は、これら記録メディアの種類や数により決定される。
【0099】
以下では、いくつかの処理の具体例についてそれぞれ説明する。
【0100】
さて、本実施形態では、番組情報インデックスの作成(優先度付けも含む)と番組データの蓄積が継続的または断続的に実行されていくとともに、適当なタイミングで記録データ量の削減処理と優先度の更新処理が実行されていく。以下、優先度決定処理と、蓄積データ量削減処理と、優先度更新処理のより詳しい具体例について順番に説明していく。
【0101】
まず、優先度の体系の具体例について説明する。
【0102】
前述したように、記録される個々の番組に対する番組情報インデックスには、番組情報管理部6によって決定された優先度が付加される。
【0103】
本具体例では、蓄積情報管理部3に図4に例示するような優先度対応表を設け、番組情報管理部6は該優先度対応表に従って優先度付けを行う。
【0104】
ここでは、最も優先度の高いAから最も優先度の低いDまで4段階に優先度を設定する場合を例にとって説明する。
【0105】
優先度Aは、当該装置で定義される最高の優先度で、自動的に消去および低解像度化できないことを示す。この優先度Aは、ある条件を満たす番組だけに付与されるものとする。例えば、利用者の個人情報の興味領域に登録されているコードを含む番組や、利用者が明示的に記録予約した番組や、番組情報に優先度Aを示す送出側設定優先度が記述されている番組などである。
【0106】
優先度Bは、番組情報記録部7の蓄積データ量削減対象にすることのできる優先度のうち最高のもので、より具体的には、自動的に低解像度化することができることを示す。この優先度Bは、例えば、自動的な番組記録の際に、優先度Aを付与される条件を満たさない他の番組に付される。
【0107】
優先度Cは、当該装置により自動的に低解像度化された番組(すなわち、優先度Bであった番組)に対して付され、自動的に消去することができることを示す。
【0108】
優先度Dは、自動的に消去した番組の番組情報(すなわち、優先度Cであった番組)に対して付される。つまり、優先度Cであった番組の内容自体は消去されるが、消去された番組を知るための消去番組情報が記録され、この消去番組情報に優先度Dが付される。
【0109】
次に、優先度決定の具体例について説明する。
【0110】
図5に、番組情報管理部6による優先度決定処理手順の一例を示す。
【0111】
ここでは、上記の図4の優先度の体系を前提とする。また、番組情報制作者または放送事業者などにより付加される送出側設定優先度を考慮するものとした一例である。
【0112】
まず、番組情報から、番組情報制作者または放送事業者などにより付加される送出側設定優先度を検出する(ステップ11)。
【0113】
送出側設定優先度が最高位のAを示すものである場合、該番組の当該装置における優先度をAとする(ステップ12)。
【0114】
送出側設定優先度が最高位のAを示すものではない場合(これは送出側設定優先度が記述されていない場合を含むものとする)には、個人情報を参照する(ステップ13)。そして、興味領域に登録されているコードが番組情報内に記述されているか否か調べ(ステップ14)、記述されている場合には、利用者の興味ある番組に該当するものと判断して、優先度をAとし(ステップ15)、記述されていない場合には、利用者の興味ある番組に該当しないものと判断して、優先度をBとする(ステップ16)。
【0115】
なお、各番組が利用者の興味ある番組に該当するか否かの判断の方法としては、種々の変形が可能である。
【0116】
次に、番組情報記録部7の蓄積データ量を削減する処理について説明する。
【0117】
図6に、蓄積情報管理部3による蓄積データ量削減処理手順の一例を示す。
【0118】
ここでは、上記の図4の優先度の体系を前提とする。
【0119】
蓄積情報管理部3は、番組情報記録部7における番組情報総記録可能時間を所定のタイミングで計測している(ステップS21)。
【0120】
所定のタイミングとしては、自動記録とは独立して一定期間ごとに周期的に行う方法、自動記録における特定のイベントが発生したことを契機として行う方法、など種々の方法が考えられる。
【0121】
計測された番組情報総記録可能時間が、予め設定された閾値時間T2以下である場合(ステップS22)、優先度Bの番組データの情報解像度を低下させる(ステップS23)。例えば、番組情報が動画像である場合、MPEGに代表される画像圧縮アルゴリズムの圧縮率を高くするか、映像解像度を低下させる。
【0122】
さらに、上記の計測された番組情報総記録可能時間が、予め設定された閾値時間T1以下である場合(ステップS23)、優先度Cの番組データを消去する(ステップS23)。ただし、T1<T2である。
【0123】
なお、番組データの低解像度化の処理は、番組情報記録部7内(例えば、図3のプロセッサ63)で行うようにしてもよいし、当該蓄積情報管理部3にて行うようにしてもよい。
【0124】
次に、上記の蓄積データ量削減処理後に行う優先度更新処理の一例を示す。
【0125】
図7に、上記の蓄積データ量削減処理後に行う優先度更新処理手順の一例を示す。
【0126】
ここでは、上記の図4の優先度の体系を前提とする。
【0127】
図4の具体例では、優先度と番組データの記録状態とを関連付けている。したがって、上記の蓄積データ量削減処理を行った後に、消去もしくは低解像度化された番組の優先度を、1つ下位の優先度に格下げする必要がある。
【0128】
すなわち、記録された各番組について、その優先度を調べ(ステップS31)、その番組の優先度がAならば、そのままにし(ステップS32)、優先度がCならば、優先度Dに下げ(ステップS33,S34)、優先度がBならば、優先度Cに下げる(ステップS35,S36)。
【0129】
なお、番組データの低解像度化または消去とは独立に、さらに番組情報記録部7に蓄積された全番組情報の優先度の見直しを行うことも可能である。例えば、見直しの基準を時間とした場合、優先度A以外の番組データのうち、記録された時刻が現時点よりも一定時間以上前であるものについて、それぞれ、現時点での優先度よりも1つ優先度を下げる、もしくは記録された時刻と現時点との差分の大きさに応じた幅で1または2以上優先度を下げる。
【0130】
以下では、本実施形態に係る番組情報記録装置の構成の変形例をいくつか説明する。
【0131】
図8に、他の構成例に係る番組情報記録装置を示す。図8の各ブロックは、図1の同名の各ブロックと基本的には同様の機能を有する。
【0132】
図8は、番組情報記録部27を番組情報記録装置21とは別筐体の記録装置(20)にしたもので、これらの間をネットワークI/F部208およびネットワークI/F部209によってネットワークを介して接続することにより、図1と同様の機能を実現することができる。
【0133】
図8に、さらに他の構成例に係る番組情報記録装置(デジタル受像機)を示す。図9の各ブロックは、図1の同名の各ブロックと基本的には同様の機能を有する。
【0134】
図9は、デジタル受像機に図1の番組情報記録装置内の各ブロックを実装したもの(すなわち、図1の番組情報記録装置内の各ブロックとデジタル受像器31とが同一筐体に存在しているもの)であり、これによっても図1と同様の機能を実現することができる。
【0135】
なお、図9においても、図8のように番組情報記録部を外付けにしてもよい。次に、優先度決定処理の変形例として、使用者が記録予約した番組か否かを考慮して行う処理の一例について説明する。
【0136】
これまでは自動的に記録された番組データに対する優先度付けを中心に説明したが、電子的あるいは非電子的な番組情報ガイドをもとに利用者が記録予約を予め行っている場合が想定される。このような場合には、該当する番組データの優先度は、番組データが自動的に低解像度化や消去などされることを許さない値に設定し、優先度見直しの対象外とする。
【0137】
図10に、本優先度決定処理手順の一例を示す。
【0138】
ここでは、図4の優先度の体系が用いられる場合を例にとって説明する。
【0139】
EPG(Electronic Program Guide)に代表される電子的番組情報ガイド、あるいは、新聞雑誌等の非電子的なメディアの番組情報ガイドをもとに利用者が当該装置に対して記録予約すると、番組情報管理部6に記録予約された番組の情報が保存される(ステップS41)。
【0140】
受信情報解析部2では、番組データを受信した場合、番組情報管理部6に保存された上記情報をもとに、その番組が予め記録予約された番組に該当するか否かを調べる(ステップS42)。
【0141】
受信した番組が記録予約されている番組に該当する場合(ステップS43)、優先度を最上位のAとする(ステップS44)。一方、受信した番組が記録予約されている番組に該当しない場合(ステップS43)、優先度をBとする(ステップS45)。
【0142】
そして、番組データが自動記録される(ステップS43)。
【0143】
このように、利用者に記録予約された番組の優先度のみを最高値のAに設定することにより、記録予約されていない番組については自動記録された後に低解像度化や削除していき、記録予約された番組についてのみ情報品質を放送時相当のものとして保存することを保証できる。
【0144】
なお、利用者の記録予約により優先度Aが付与された番組については、例えばユーザが該番組に対する視聴要求を発し、その鑑賞が終了した時点で、例えば番組を保存するか否かのメッセージを表示し、番組を保存する指示がなされなかった場合には、該番組の優先度を1段階下げ、優先度Bとするようにしてもよい。これにより、記録予約したが保存する必要のない番組を、優先度見直しの対象にすることができる。
【0145】
次に、使用者が記録予約した番組か否かを考慮する処理の他の例について説明する。
【0146】
前述したように番組情報に番組情報制作者または放送事業者などが定める送出側設定優先度を付加可能にすることができる。そこで、使用者が記録予約した番組か否かを考慮するとともに、送出側設定優先度を加味して優先度を決定する方法が考えられる。
【0147】
図11に、この優先度決定処理手順の一例を示す。この手順は、図10の手順において、送出側設定優先度をも加味するようにしたものである。
【0148】
すなわち、受信した番組の送出側設定優先度を調べ(ステップS51)、この送出側設定優先度が優先度Aを示すものである場合には(ステップS52)、優先度Aを付与する(ステップS54)。
【0149】
一方、送出側設定優先度が優先度Aを示すものでない場合には(ステップS53)、図10と同様に、受信した番組が記録予約されている番組に該当するならば(ステップS53)、優先度を最上位のAとし(ステップS54)、受信した番組が記録予約されている番組に該当しないならば(ステップS54)、優先度をBとする(ステップS55)。
【0150】
つまり、図11の手順は、送出側優設定先度と利用者設定優先度の高い方を該番組の優先度とするものである。
【0151】
次に、本発明の他の実施形態に係る番組情報処理装置について説明する。
【0152】
図12に、本番組情報記録装置の構成例を示す。図12の各ブロックは、図1の同名の各ブロックと基本的には同様の機能を有する。
【0153】
本実施形態は、重複録画に対処するための処理を行うものである。
【0154】
受信するメインストリームにはその番組の内容等を示す番組情報が付加されているか、またはメインストリームとは独立なものとしてサブストリームにより番組情報が得られる。
【0155】
図13は、番組情報が番組データのヘッダ部分に記されている場合を示している。ヘッダ部100には番組情報として、放送地域、開始時刻、終了時刻、番組内容、出演者、記録フォーマット等が記号化された状態で記述されている。図13の例では、放送地域:JPN02063、開始時刻:97010120、終了時刻:97010204、番組内容:SPBAGY1、優先度:25687432、記録フォーマット:MPG2HI、主な出演者:TKIMGM、場所:TYOCHI、放送回数:C1203のようにヘッダ部に記載されている。
【0156】
一方、図14は、メインストリームとは独立して放送される番組情報のフォーマットの一例を示している。番組情報として、放送地域、開始時刻、終了時刻、番組内容、出演者、記録フォーマット等が記号化された状態で記述されている。図14の例では、付加情報開始を示すヘッダ:AIB、対象性別・年齢:M2040、放送回数:C1203、放送地域:JPN02063、開始時刻:97010120、終了時刻:97010204、番組内容:SPBAGY1、優先度:25687432、記録フォーマット:MPG2HI、主な出演者:TKIMGM、場所:TYOCHI、付加情報終了を示すヘッダ:AIEのようにヘッダ部に記載されている。
【0157】
番組情報記録部87に蓄積される番組データの番組情報と、これをもとに作成された番組情報インデックスが番組情報管理部86(番組情報記録部87にしてもよい)に保持されており、番組情報解析部82において番組情報または番組情報インデックスに基づく照合がおこなわれる。
【0158】
図15に、本実施形態における番組情報の照合処理手順の一例を示す。
【0159】
照合処理対象となった番組の番組情報を検出し(ステップS61)、検出された番組情報と、既に記録されている番組の番組情報とを照合し(ステップS62)、番組内容、出演者、記録フォーマットといった番組内容固有の情報が一致した場合は(ステップS63)、当該番組は既に記録されているものと判断して、自動記録を停止し、検出・照合を行っている間に自動記録された番組データを消去する(ステップS64)。そして、必要に応じて番組情報や番組情報インデックスを更新する(ステップS65)。例えば、以前に記録した番組の番組情報インデックスの内容のうち、放送地域、開始時刻、終了時刻などの番組放送に関する情報を現在放送されている番組の内容として更新する。
【0160】
一方、番組内容、出演者、記録フォーマットといった番組内容固有の情報が一致しない場合は(ステップS63)、自動記録を続ける(ステップS66)。
【0161】
これにより、例えば再放送番組など、同内容の番組が複数回放送される場合に、それらを重複して記録することを回避することができる。
【0162】
なお、上記した構成は、図1、図8、図9などで説明した番組情報記録装置やその変形例に対しても適用することができる。
【0163】
次に、本発明のさらに他の実施形態に係る番組情報処理装置について説明する。
【0164】
本実施形態は、図1で説明した番組情報記録装置において、番組の内容の一部を差し替えることを可能としたものである。
【0165】
さて、地理的もしくは時間的もしくは個人的に価値に差が生じる番組情報、例えばコマーシャルや天気予報、といった情報は、より個人のニーズや地域に偏重した番組情報提供がのぞましい。
【0166】
まず、図16を参照しながらコマーシャルを差し替る場合を例にとって説明する。
【0167】
図16(a)に示されるように、番組ストリーム(41)には、2つのCM(42,43)が含まれているものとする。
【0168】
ここでは、それぞれのコマーシャル(42,43)が放送される前に、それら各々に対する予告情報が独立情報としてのサブストームにより放送され受信されるものとする。予告情報には、性別、年齢、嗜好、地域などに関する情報が記述されている。
【0169】
図17に、コマーシャル差し替え処理手順の一例を示す。
【0170】
この予告情報が受信されると(受信情報解析部2により予告情報が抽出されると)(ステップS71)、番組情報記録部7に既に蓄積されている番組に含まれるコマーシャルの予告情報を抽出する。
【0171】
ここでは、この予告情報が利用者の性別、年齢、嗜好、地域などの条件を満足すれば、コマーシャルを差し替える必要はないので、コマーシャルの差し替えを行わないことが決定される。
【0172】
なお、利用者の性別、年齢、嗜好、地域などの条件のもととなる情報としては、例えば、個人情報管理部5に登録されている利用者の個人情報を用いることができる。また、利用者が別途、特別に指示する情報を用いてもよい。
【0173】
次に、この予告情報が条件を満たさない場合には、まず、受信した予告情報と抽出した予告情報の時間長を比較し(ステップS72)、同一時間長のコマーシャルがあるか否かを調べる。
【0174】
既に記録されたものの中に同一時間長のコマーシャルがなければ、コマーシャルの差し替えを行わないことが決定される。
【0175】
同一時間長のコマーシャルがあったならば、続いて、各予告情報について、利用者の性別、年齢、嗜好、地域などの条件により一致するコマーシャルを比較する。
【0176】
図17では、既に記憶されたコマーシャルのうち、利用者の性別、年齢、嗜好、地域の条件をすべて満足するものがあった場合に(ステップS72〜S76)、このコマーシャルにより差し替えを行う(ステップS77)、ようにした例を示したが、リアルタイムで放送される方のコマーシャルの予告情報の上記条件に対する評価値aと、既に記録されいるコマーシャルの予告情報の上記条件に対する評価値bとを比較して、評価値bが評価値aを上回った場合に、コマーシャルの差し替えを行うようにしてもよい。なお、評価値としては、例えば、性別、年齢などの項目のうち一致したものの個数、あるいは所定の評価関数によりもとめられた一致度などが考えられる。
【0177】
コマーシャルの予告情報の比較の結果、蓄積されているコマーシャルが選択されると、差し替え対象のコマーシャル放送時に、蓄積されている差し替え用コマーシャル番組が番組生成部8に送られるようにすることで、コマーシャルの差し替えを行うことができる。
【0178】
なお、1つの記録済みのコマーシャルとの比較の結果、リアルタイムで放送される方のコマーシャルが選択された場合(差し替えないことが決定された場合)、蓄積されている他のコマーシャル情報との比較を蓄積番組数または規定数回だけ比較を繰り返し、これによっても蓄積番組が選択されない場合には、リアルタイムで放送されるコマーシャルがそのまま表示される。
【0179】
図16(a)の「冷蔵庫CM」(43)と同一時間長である「パソコンCM」(43´)が予め放送波のメインストリームまたはサブストリームを介して番組情報記録部7に蓄積されており、「冷蔵庫CM43」の予告情報と蓄積されていた「パソコンCM43’」の番組情報との比較の結果、全ての比較条件で後者が勝っていたため、図16(b)に示されるように、「パソコンCM」(43´)が「冷蔵庫CM」(43)の番組枠に差し替えられている。
【0180】
このようなコマーシャル番組の差し替えの場合、個人情報や番組時間といった条件以外に同一のコマーシャル提供者が提供するコマーシャルであることを条件とすることも考えられる。これにより、コマーシャル提供者はより効果的な広告を行うことが可能となる。
【0181】
次に、図18を参照しながら天気予報番組を差し替る場合を例にとって説明する。
【0182】
図18に、天気予報番組差し替え処理手順の一例を示す。
【0183】
メインストリームによる天気予報番組が放送される前に、独立情報としてのサブストリームを介して、各地域の天気予報番組(動画像情報)が放送され受信されるものとする。また、天気予報番組にも図13に例示する番組情報のフォーマットと同様なコード化がなされているものとする。
【0184】
サブストリームを介して受信された(受信情報解析部2により抽出された)天気予報番組は、番組情報記録部7に蓄積されるものとする。また、天気予報番組は、番組情報記録部7内で、各天気予報番組の地域情報をもとに当該装置の置かれた地域(例えば、個人情報管理部5に登録されている装置情報に含まれる地域情報)に地理的に近い順にソートされ記録されるものとする。
【0185】
メインストリームを介したリアルタイムの番組において天気予報が放送される前に、サブストリームを介してその天気予報の予告情報が放送されると(受信情報解析部2により抽出されると)(ステップS81)、その予告情報に記述された地域情報が、当該装置の置かれた地域に一致するならば、差し替えを行わないことが決定される。
【0186】
一方、一致しないならば、リアルタイム番組における天気予報と既に蓄積されている天気予報のうちで、最も適したものを選択する処理に移る。
【0187】
まず、既に記録されている天気予報をソート順に選択し、これがリアルタイム番組における天気予報に対して、当該装置の置かれた地域により近いものである場合に(ステップ82)、両者の天気予報が予報された時刻を比較する。
【0188】
予報時刻が予め設定した閾値の範囲内であれば(ステップS83)、次に、両者の番組の時間長を比較する。
【0189】
同一時間長である場合は(ステップS84)、番組差し替え手続きに移行する(ステップS86)。時間長が異なる場合は(ステップS84)、リアルタイム放送の時間枠に合わせて蓄積番組の伸張または短縮の加工を行い(ステップS85)、番組差し替え手続きに移行する(ステップS84)。
【0190】
なお、1つの記録済みの天気予報との比較の結果、リアルタイムで放送される方の天気予報が選択された場合(差し替えないことが決定された場合)、蓄積されている他の天気予報との比較を蓄積番組数または規定数回だけ比較を繰り返し、これによっても蓄積番組が選択されない場合には、リアルタイムで放送される天気予報がそのまま表示される。
【0191】
なお、個人情報管理部5に保存される地域情報は、当該装置が地理的に位置する場所以外にも利用者により設定可能としてもよい。例えば、2カ所の地域が設定されている場合は、上記の処理がそれぞれの地域に関して行われ、番組差し替えの際には、蓄積された天気予報番組2本分をリアルタイム天気予報番組の時間枠に短縮して差し替えるか、表示画面を2分割して同時に2つの天気予報番組を表示するなどの方法がとられる。
【0192】
また、利用者による1または複数の地域の指定を別途、受け付け、利用者から地域が指定されている場合には、個人情報管理部5に保存される地域情報に代えて、利用者から指定された地域の情報に基づいて、最も適した天気予報を選択するようにしてもよい。
【0193】
なお、この構成は、図8、図9、図12などで説明した番組情報記録装置やその変形例にも適用可能である。
【0194】
なお、以上の各機能は、ソフトウェアとしても実現可能である。
【0195】
また、本実施形態は、コンピュータに所定の手順を実行させるための(あるいはコンピュータを所定の手段として機能させるための、あるいはコンピュータに所定の機能を実現させるための)プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体として実施することもできる。
【0196】
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において種々変形して実施することができる。
【0197】
【発明の効果】
本発明によれば、受信した全部または一部の番組を自動的に記録するとともに、番組毎に優先度を付与し、この番組の優先度に基づいて記憶手段の記憶データ量を適宜調整していくので、利用者は予約操作を行わなくても、自動記録された所望の番組を鑑賞することができる。
【0198】
また、本発明によれば、番組情報制作者または放送事業者などの意向および利用者の要求により自動的に配信を行うことで放送番組の多様な表現手段たとえば効果的な広告などの提供を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る番組情報記録装置の構成例を示す図
【図2】個人情報テーブルの一例を示す図
【図3】番組情報記録装置の構成例を示す図
【図4】優先度対応表の一例を示す図
【図5】優先度決定手順の一例を示すフローチャート
【図6】情報蓄積領域確保手順の一例を示すフローチャート
【図7】優先度変更手順の一例を示すフローチャート
【図8】番組情報記録装置の構成例を示す図
【図9】デジタル受像器の構成例を示す図
【図10】予約番組優先度設定手順の一例を示すフローチャート
【図11】優先度設定手順の一例を示すフローチャート
【図12】番組情報記録装置の構成例を示す図
【図13】番組情報フォーマットの一例を示す図
【図14】付加情報フォーマットの一例を示す図
【図15】自動記録停止の一例を示すフローチャート
【図16】番組差し替えを模式的に示す図
【図17】CM番組差し替え手順の一例を示すフローチャート
【図18】天気予報番組差し替え手順の一例を示すフローチャート
【符号の説明】
1,21,31,81…番組情報記録装置
2,22,32,82…受信情報解析部
3,23,33,83…蓄積情報管理部
4,24,34,84…送信制御部
5,25,35…個人情報管理部
6,26,36,86…番組情報管理部
7,27,37,87…番組情報記録部
8,28,38,88…番組生成部
9…放送信号伝送路
10…デジタル受像器
20…記録装置
30…受像部
208,209…ネットワークI/F部
61,62,6N…蓄積メディア
63…プロセッサ

Claims (11)

  1. 受信した全部または一部の番組を自動記録する番組情報記録装置であって、
    自動記録対象となった番組毎にその優先度を決定する優先度決定手段と、
    前記自動記録対象となった番組を記録する記録手段と、
    所定のタイミングで、前記記録手段に記録された番組に対して前記優先度に基づいて前記記録手段における記録データ量の減少を伴うデータ変換処理を施す制御手段とを備え、
    前記自動記録の対象となった番組に相当する番組がすでに前記記録手段に記録されている場合には、該番組を自動記録の対象から除外することを特徴とする番組情報記録装置。
  2. 前記制御手段は、前記所定のタイミングで、前記記録手段に記録された番組に対して前記優先度に基づいて前記記録手段における記録データ量の減少を伴うデータ変換処理又は前記記録手段から削除する処理を施すものであることを特徴とする請求項1に記載の番組情報記録装置。
  3. 前記優先度決定手段は、予め登録された個人情報に基づいて前記優先度を決定することを特徴とする請求項1または2に記載の番組情報記録装置。
  4. 前記優先度決定手段は、放送局側より提供された、番組に対する付加的な情報と、予め登録された個人情報とに基づいて前記優先度を決定することを特徴とする請求項1または2に記載の番組情報記録装置。
  5. 前記優先度決定手段は、予め定められた条件を満足する番組については、前記制御手段により処理を施すことを禁止することを示す優先度を付与することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の番組情報記録装置。
  6. 前記優先度決定手段は、利用者の操作に基づいて記録予約された番組については、前記制御手段により処理を施すことを禁止することを示す優先度を付与することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の番組情報記録装置。
  7. 前記制御手段は、前記記録手段に記録された番組のうち、第1の優先度を持つ番組に対しては処理を行わず、第2の優先度を持つ番組に対してはデータ量の減少を伴うデータ変換処理を施し、第3の優先度を持つ番組についてはこれを削除することを特徴とする請求項2に記載の番組情報記録装置。
  8. データ量の減少を伴うデータ変換処理を施した番組の優先度を第3の優先度に更新するとともに、削除した番組の優先度を第4の優先度に更新することを特徴とする請求項7に記載の番組情報記録装置。
  9. 前記所定のタイミングは、前記記録手段における記録可能な残りのデータ量が予め定められた基準量を下回ったことが検出されたタイミングであることを特徴とする請求項1または2に記載の番組情報記録装置。
  10. 前記制御手段は、前記番組に対して前記処理を施すことを、一定期間ごとに周期的に行うことを特徴とする請求項1または2に記載の番組情報記録装置。
  11. 受信した全部または一部の番組を自動記録する番組情報記録方法であって、
    自動記録対象となった番組毎にその優先度を決定するステップと
    自動記録対象となった番組を記録するステップと
    所定のタイミングで、前記記録手段に記録された番組に対して前記優先度に基づいて前記記録手段における記録データ量の減少を伴うデータ変換処理を施すステップとを有し、
    前記自動記録の対象となった番組に相当する番組がすでに前記記録手段に記録されている場合には、該番組を自動記録の対象から除外することを特徴とする番組情報記録方法。
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