JP3571890B2 - 光ファイバのコア観察装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば接続用の光ファイバ同士を対向配置してその光軸を合わせるときに用いられる光ファイバのコア観察装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバは、周知のごとくコアの周りをクラッドで覆って形成されており、例えばシングルモード光ファイバにおいては、空気とクラッドの間で約40%、クラッドとコアの間で約0.3%の比屈折率差を有している。
【0003】
また、光ファイバは、光を透過させるために、例えば図6に示すように、光ファイバ3の側方に光源1を設けて、光源1から平行光(透過光)を照射すると、光ファイバ3自体がシリンドリカルレンズや円柱レンズとして機能するようになり、空気とクラッドとの屈折率の差および、クラッドとコアとの屈折率の差により、光ファイバ断面を通過する光は光ファイバの中心方向に曲げられて拡散し、その結果、例えば同図の10に示すように、光線の粗の部分と密の部分とその他の部分とにコントラストが生じた透過光画像が観測される。
【0004】
以下、この光ファイバ3の透過光画像10の得られる原理を説明する。光源1を発した光線は光ファイバ3を通過するものと通過しないものとに分かれ、同図のAに示すように、光ファイバ3を通過しない光線はそのまま直進し、顕微鏡レンズ9に入射して撮像カメラ6に到達する。なお、撮像カメラ6は、例えば光ファイバ3の直径の3倍から10倍の大きさであるため、撮像カメラ6に結像する光線は、顕微鏡レンズ9の中心部に入射した光のみである。この光ファイバ3を通過しない光は、光ファイバ3の透過光画像の背景を成すものである。
【0005】
一方、同図のBに示すように、光ファイバ3に入射した光線は、前記の如く、光ファイバ3を通過する際に拡散し、同図のC1,C2のように進み、顕微鏡レンズ9の最大開口数(NA:Numerical Aperture)で捉えられた光線C2は撮像カメラ6まで到達して結像し、一方、顕微鏡レンズ9の最大開口数で捉えられなかった光線C1は撮像カメラ6上に結像できないので、その部分は、透過光画像10において黒くなる。したがって、この黒い部分と背景との境界である同図のDに示す部分がクラッドの外周縁として認識できる。
【0006】
さらに、図7には、図6の破線枠R内の拡大図が示されているが、光ファイバ3のクラッド5を通過する光線Gとコア4を通過する光線Fを比較すると、光線Fは、コア4とクラッド5との屈折率の差からさらに屈折するため、クラッド5とコア4との境界部においては光線が不足するために、図6の透過光画像10におけるEに示すように暗くなり、したがって、この部分Eをコア4とクラッド5との境界(コア4の外周縁)と認識できる。
【0007】
以上のような原理に基づく光ファイバ3の透過光画像10の明暗パターンから、光ファイバ3のコア4とクラッド5との境界部を検出する方法は、従来から報告されており、例えば特公昭62−29763号公報、特許番号2504771などに記載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような光ファイバ3の透過光画像10の明暗パターンを用いてクラッド5とコア4との境界部を検出する際に、明暗パターンのコントラストが低いと、透過光画像10の画像データに含まれるノイズなどによって測定結果がばらついたり、コア4の位置の測定を誤ってしまうといった問題があった。
【0009】
また、上記のような透過光画像10を形成するための光源1には、例えば発光ダイオード(LED)などの単色性の強い光源が用いられるため、光ファイバ3の透過光画像10に干渉縞が発生することがあり、透過光画像10のコントラストが低いと、この干渉縞をコア4とクラッド5との境界部と誤認識してコア4の位置を誤ってしまうといった問題もあった。さらに、光ファイバ3の製造上発生するガラスの屈折率の揺らぎによっても光ファイバ3の透過光画像10に縞模様が現れることがあり、上記コントラストが低いと、この縞模様をコア4とクラッド5との境界部と誤認識してコア4の位置の測定を誤ってしまうといった問題もあった。
【0010】
本発明は上記課題を解決するために成されたものであり、その目的は、光ファイバに透過光を照射して形成する透過光画像のコントラストを高くすることが可能であり、それにより、光ファイバのコアの位置を正確に検出することができる光ファイバのコア観察装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は次のような構成をもって課題を解決するための手段としている。すなわち、本発明は、コアの周りをクラッドで覆って形成された光ファイバの光軸に直交するX軸方向とY軸方向の少なくとも1方向から該光ファイバに透過光を照射する光源が光ファイバに対して間隔を介して配置されており、該光源に対して光ファイバを挟んだ反対側には光ファイバと間隔を介して顕微鏡レンズと該顕微鏡レンズによって結像する光ファイバの透過光画像を撮像する画像撮像部とを備えた光ファイバ観察部が設けられ、前記透過光画像の明暗パターンに現れるコア外周縁の暗部のコントラストによってコア位置を検出する光ファイバのコア観察装置であって、前記顕微鏡レンズの球面収差をアンダー収差に構成して前記透過光画像における光ファイバのコア外周縁を認識する暗部のコントラストを高めた構成をもって課題を解決するための手段としている。
【0012】
また、顕微鏡レンズの球面収差をAとしたときに該顕微鏡レンズの焦点距離fに対する該球面収差Aの割合A/fを約−0.07から約−0.6としたことも本発明の特徴的な構成とされている。
【0013】
顕微鏡レンズなどのレンズの球面収差は、曲面を球面で構成したレンズ系において、レンズの中心部を通過する光線の焦点と、レンズの外周付近を通過する光線の焦点が一致しない現象である。この球面収差は、1枚の球面凸レンズではマイナスの値であるので、ゼロ収差に近くするためには凸レンズと凹レンズ等を組み合わせてレンズ系全体の球面収差バランスを設る。この場合は、一般的に最大開口部では、例えば図10に示すように、ややプラスぎみとなる。対し、球面収差をマイナスの値(アンダー収差)にすると、レンズの外周付近を通過する光線の焦点の方がレンズの中心部を通過する光線の焦点よりもレンズに近くなり、このレンズ外周付近を通過する光線の焦点がレンズに近づく割合はレンズの中心から外周に向かう距離と相関し、レンズ外周に向かうほど大きくなる。
【0014】
上記構成の本発明のような光ファイバの観察装置に用いられる顕微鏡レンズの大きさは、一般に10mm前後であり、それに対し、光ファイバのコアの直径は100μm程度であるために、図6,7を用いて示した前記光ファイバの透過光画像形成原理に基づいて形成される光ファイバの透過光画像において、コアの外周縁を認識するための暗部(図6のE)は、レンズの球面収差により、像の劣化の影響を受けにくい。
【0015】
そこで、本出願人は、上記光ファイバの透過光画像を形成する装置に用いられる顕微鏡レンズの球面収差を故意にアンダー収差にして光ファイバの透過光画像形成を行ったところ、透過光画像におけるコア外周縁を認識するための暗部のコントラストがレンズの球面収差がない場合よりも向上し、その位置はレンズの球面収差がない場合とほぼ変わらないことを見出すことができた。
【0016】
上記構成の本発明においては、この発見に基づき、光ファイバのコア観察装置に用いられる顕微鏡レンズの球面収差をアンダー収差に構成て光ファイバのコア観察装置を構成することにより、光ファイバの透過光画像におけるコア外周縁を認識するための暗部のコントラストを向上させることができるために、上記課題が解決される。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。図1には、本発明に係る光ファイバのコア観察装置の一実施形態例が示されている。同図に示すように、光ファイバ3の光軸Zに直交するX軸方向から光ファイバ3に透過光を照射する光源1が光ファイバ3に対して間隔を介して配置されており、光源1に対して光ファイバ3を挟んだ反対側には、光ファイバ3と間隔を介して顕微鏡レンズ9と、顕微鏡レンズ9によって結像する光ファイバ3の透過光画像を撮像する画像撮像部としての撮像カメラ6を備えた光ファイバ観察部が設けられて、本実施形態例の光ファイバのコア観察装置が形成されている。
【0018】
また、本実施形態例では、顕微鏡レンズ9を、凸レンズと凹レンズとの組み合わせにより構成しており、図2の(a)に示すように、顕微鏡レンズ9の最大開口数0.3における球面収差Aが−1mmになるように構成している。本実施形態例の特徴的なことは、このような構成により、顕微鏡レンズ9の球面収差をアンダー収差(マイナスの値)に構成するアンダー収差構成部8を設けたことである。なお、顕微鏡レンズ9の中心付近を通る光の焦点距離fは6.5mmであり、したがって、顕微鏡レンズ9の焦点距離fに対する前記球面収差Aの割合A/fは、約−0.15と成している。
【0019】
本実施形態例は以上のように構成されており、図3には本実施形態例の光ファイバのコア観察装置を用いて撮像カメラ6により撮像した光ファイバ3の透過光画像10と、この透過光画像10における計測ラインにおいて計測した輝度レベルが示されている。なお、図8には、図1において、アンダー収差構成部8を設けずに顕微鏡レンズ9の球面収差をゼロ収差とした場合の光ファイバ3の透過光画像10と、この透過光画像10における計測ラインで計測した輝度レベルが示されている。また、図4の(a)には、図3に示した輝度レベルの拡大図が示されており、同図の(b)には、同図の(a)における破線枠B内の輝度分布が示されている。
【0020】
図3,8に示した光ファイバ3の透過光画像10における明暗パターンのコア外周縁を示す暗部のコントラストの高さ(大きさ)を比較する場合、図4の(a)に示した輝度レベルの最高輝度と最小輝度の差(図中A)の大小や、同図の(b)に示される暗部の輝度分布を例えば2次曲線に近似したときの、2次係数aの大小で比較することができる。すなわち、これらA,aが大きいほど透過光画像10のコア外周縁を示す暗部のコントラストが大きくなる。
【0021】
なお、上記コントラストは、光ファイバ3の位置(光ファイバ3と顕微鏡レンズ9との距離)によって変わるものであり、また、図6に示したように、光ファイバ3の外部を通る光は平行光、光ファイバ3の内部を通る光は非平行光であるため、コア4の観察倍率は、光ファイバ3と顕微鏡レンズ9の距離によって変化するものである。そこで、本出願人は、コア4とクラッド5の倍率が共に約10倍で一致する位置に光ファイバ3を固定し、開口数が0.3であり最大開口数での球面収差0にした顕微鏡レンズ9を用いたコア観察装置と、本実施形態例のように、アンダー収差構成部8によって最大開口数での球面収差を−1mmにした顕微鏡レンズ9を用いたコア観察装置において、それぞれ光ファイバ3の透過光画像10を観察し、透過光画像10におけるコア外周縁を示す暗部のコントラストの強弱を上記A,aにより比較した。その結果を表1に示す。
【0022】
【表1】
Figure 0003571890
【0023】
なお、表1において、コア4とクラッド5の倍率が一致する光ファイバ位置は光線追跡法により求めた。また、表1のaおよびAはカメラ出力信号のIRE(The Institure of Ratio Engineers)15からIRE73の範囲を8bitA/Dコンバータでデジタルに変換した実験値である(IRE100の信号は輝度100%の白色を示し、IREは映像信号における輝度の大きさを%で示した値である)。
【0024】
この表1から明らかなように、顕微鏡レンズ9の球面収差を0にした光ファイバのコア観察装置に比べ、本実施形態例のように、顕微鏡レンズ9の球面収差をアンダー収差にした光ファイバのコア観察装置の方が、輝度分布の2次係数aおよび最高輝度と最小輝度の差Aは共に大きくなり、それにより、光ファイバ3の透過光画像10におけるコア外周部を認識するための暗部のコントラストが強くなることが確認された。
【0025】
本実施形態例によれば、上記のように、光ファイバ3に透過光を照射して形成される光ファイバ3の透過光画像10において、コア4の外周縁を認識するための暗部のコントラストを向上させることができるために、S/N比(signal−to−noise−ratio)を向上させることが可能となり、コア4の位置の検出精度を向上させることができる。そのため、たとえ撮像カメラ6の電気回路で発生する非定常ノイズや、ガラスの屈折率のゆらぎなどによって発生する静的なノイズなどによって、光ファイバ3の透過光画像10に縞模様が形成されたりするといったノイズが生じたとしても、そのノイズがコア4とクラッド5との境界部と誤認識されるといったことはなく、コア4の位置を正確に検出することができる。
【0026】
また、本実施形態例によれば、光源1として発光ダイオードを用いても、光ファイバ3の透過光画像10に干渉縞形成されることを抑制できるために、より一層正確にコア4の位置を検出することができる。
【0027】
なお、本出願人は、上記実施形態例において、光ファイバ3の配設固定位置を定めるために、顕微鏡レンズ9の物体面(例えば図9に示すように、不透明な平面状の物体をこの物体面に配設したときに、顕微鏡レンズによってこの物体の像を焦点が合った状態で明確に捉えることができる面、言い換えれば、ある平面状の物体をベストフォーカスで捉えるために、この物体を配設する面)から光ファイバ3の中心までの距離(図9の(b)のシフト量)と、コア倍率/クラッド倍率との関係を調べた。また、上記物体面から光ファイバ3の中心までの距離と、図3,8に示すビーム幅の関係も検討した。これらの検討結果が図5に示されている。
【0028】
同図において、横軸は、上記物体面の光ファイバ3の中心からの距離を、クラッド5の直径で割った値を示しており、図中△は、光ファイバ3の透過光画像10におけるコアの拡大倍率をクラッドの拡大倍率で割った値を示し、図中○は、上記ビーム幅をクラッド5の外径(クラッド幅)で割った値を示している。
【0029】
同図に示すように、物体面のシフト量が大きくなる(光ファイバ3を顕微鏡レンズ9から遠ざける)につれてコア倍率は減少するが、クラッド倍率は10.04倍と一定であるために、コア倍率をクラッド倍率で割った値は右下がりのグラフとなり、コア倍率とクラッド倍率が一致するのは、クラッド直径に対する物体面シフト量の比率が0.2855のときである。そして、このとき、ビーム幅をクラッド幅で割った値は0.2616である。
【0030】
これらの関係は、表2に示すシュミレーションデータから求めたものであり、表2には、顕微鏡レンズ9の球面収差をゼロ収差とした場合について、上記と同様に物体面の位置とコア倍率およびビーム幅の関係をシュミレーションにより求めた結果も同様に示してある。
【0031】
【表2】
Figure 0003571890
【0032】
表2から明らかなように、物体面の位置とコア倍率およびビーム幅の関係は、顕微鏡レンズ9の球面収差がゼロ収差の場合とアンダー収差の場合とでは異なるために、上記光ファイバ3の透過光画像10のコントラストを求める際に、顕微鏡レンズ9の球面収差がゼロ収差の場合とアンダー収差の場合とでは光ファイバ3の配設の位置を変えて、上記の如く、コア倍率とクラッド倍率とが等しくなる位置において光ファイバ3の透過光画像10を撮像し、そのコントラストを求めた。
【0033】
なお、表2から、顕微鏡レンズ9の球面収差をゼロ収差とし、コア倍率=クラッド倍率となる位置でのビーム幅/クラッド径の数値を計算すると0.311となり、アンダー収差にした場合はこの値が0.262となり、顕微鏡レンズ9の球面収差をアンダー収差としてコア観察装置を構成した場合の方が顕微鏡レンズ9の球面収差をゼロ収差としてコア観察装置を構成するよりも上記ビーム幅が狭くなることが分かる。
【0034】
このように、ビーム幅が狭いと、このビーム幅内(透過光画像10における中心付近の明るい部分)の光の密度が高くなって明るくなり、特に、顕微鏡レンズ9の球面収差がゼロ収差の場合の透過光画像10の輝度を基準とした場合、顕微鏡レンズ9の球面収差がアンダー収差のときの透過光画像10においては、ビーム端に近い光ほどより多くの光が中心に絞り込まれていき、図3,8の輝度レベルからも明らかなように、ビーム端側の輝度レベルが高くなる。したがって、上記ビーム幅/クラッド幅の比較結果によっても、顕微鏡レンズ9の球面収差をアンダー収差とした方がゼロ収差とするよりもコア4の外周縁を認識するための暗部のコントラストが強くなることが確認された。
【0035】
なお、本発明は上記実施形態例に限定されることはなく様々な実施の態様を採り得る。例えば、上記実施形態例では、アンダー収差構成部8により、顕微鏡レンズ9の最大開口数0.3での球面収差を−1mmとしたが、例えば図2の(b)に示すように、顕微鏡レンズ9の最大開口数0.3における球面収差を−2mmにしてもよいし、顕微鏡レンズ9の球面収差の値は特に限定されるものではなく、マイナスの値に適宜設定されるものである。上記実施形態例において、球面収差を例えば−2mmにすれば、光ファイバ3の透過光画像10におけるコア4の境界部のコントラストをより一層向上させることができる。
【0036】
ただし、球面収差の値を大きくしすぎると、透過光画像の劣化が現れてくるのに加え、透過光画像の最も明るい部分の輝度が過剰に明るくなり、例えば、輝度測定器の測定レンジを越えるようになる可能性もあるため、例えば顕微鏡レンズ9の最大開口数が0.3であり、顕微鏡レンズ9の焦点距離f(レンズ中心付近を通る光の焦点距離)が6.5の場合には、最大開口数における球面収差Aは−0.5mmから−4mm程度にして顕微鏡レンズ9の焦点距離fに対する球面収差Aの割合A/fを約−0.07から約−0.6とすることが好ましい。なお、A/fを上記値にすることにより、光ファイバ3の透過光画像10におけるコア外周縁の暗部のコントラストを高め、かつ、輝度測定器において良好な測定が行えることが実験により確認されている。
【0037】
また、顕微鏡レンズ9の焦点距離fが6.5mmと異なる場合には、顕微鏡レンズ9の最大開口数における球面収差Aを上記値とは異なる値に設定し、それにより、A/fを約−0.07から約−0.6とすれば上記と同様の効果を奏することができる。ただし、このように、顕微鏡レンズ9の焦点距離fを異なるものとしたときには、顕微鏡レンズ9と光ファイバ3との距離を変えて、例えば光ファイバ3の透過光画像におけるコア倍率とクラッド倍率が等しくなるように、顕微鏡レンズ9と光ファイバ3の距離を設定する必要がある。
【0038】
さらに、上記実施形態例では顕微鏡レンズ9の最大開口数は0.3としたが、例えば図2の(c)に示すように、顕微鏡レンズ9の最大開口数は0.5としても良く、それ以外の値としても良い。最大開口数が0.5の顕微鏡レンズ9でも、この顕微鏡レンズ9の開口数が0.3の部分の球面収差が例えば−0.5mmから−4mm程度で上記と同様の値であれば、上記と同様の効果を奏することができる。
【0039】
さらに、上記実施形態例では、光ファイバ3の透過光画像10におけるコア倍率とクラッド倍率が一致する焦点位置において光ファイバ3の透過光画像を観測し、その位置において得られる透過光画像10におけるコア4の外縁部の暗部のコントラストを測定し、顕微鏡レンズ9の球面収差が0の場合と比較したが、透過光画像10におけるコア倍率とクラッド倍率が異なる焦点位置において同様に透過光画像10におけるコア外縁部のコントラストの比較を行った場合にも上記実施形態例と同様の結果を得ることができる。ただし、この場合は、予め焦点位置の変化に対するコア像倍率の変化を求めておき、それにより、コアの位置を補正することが必要となる。
【0040】
さらに、上記実施形態例では、顕微鏡レンズ9を凸レンズと凹レンズとの組み合わせにより構成し、それにより、球面収差をアンダー収差に構成したが、顕微鏡レンズ9は凸レンズと凹レンズとを組み合わせた球面収差がゼロ収差のレンズにより構成し、このレンズと撮像カメラ6とを近づけることにより、顕微鏡レンズ9の球面収差をアンダー収差に構成し、この構成をアンダー収差構成部としても良い。
【0041】
さらに、上記実施形態例では、光源1からの透過光を光ファイバ3の光軸Zに直交するX軸方向から光ファイバ3に照射する光ファイバのコア観察装置としたが、光源1からの透過光を光ファイバ3の光軸Zに直交するY軸方向から照射する光ファイバのコア観察装置としても良く、前記X軸方向とY軸方向の両方から光ファイバ3に透過光を照射する光ファイバのコア観察装置としても良い。このように、光ファイバ3にX軸方向とY軸方向の両方から透過光を照射することにより、光ファイバ3のコアの位置をX軸方向とY軸方向の両方から観察し、非常に正確に検出することができる。
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば、光源からの透過光を光ファイバに照射して光ファイバを透過した光を顕微鏡レンズに入射させ、顕微鏡レンズによって結像する透過光画像を画像撮像部によって撮像する装置の顕微鏡レンズの球面収差をアンダー収差に構成することにより、透過光画像における光ファイバのコア外周縁の暗部のコントラストを高くすることができるために、それにより、透過光画像のコア像のS/N比を向上させることができる。そのため、光ファイバのコアの位置の検出精度を向上させることが可能となり、それにより、画像撮像部における非定常ノイズをキャンセルするための平均化処理時間の短縮化を図ることが可能となり、また、定常ノイズによるコア位置の誤認識を防ぐことができる。
【0043】
また、上記顕微鏡レンズの最大開口数における球面収差をAとしたときに該顕微鏡レンズの焦点距離fに対する該球面収差Aの割合A/fを約−0.07から約−0.6とした本発明によれば、顕微鏡レンズの最大開口数における球面収差Aの焦点距離fに対する割合A/fをこの値にすることにより、球面収差の絶対値を大きくすることにより生じる光ファイバの透過光画像の劣下や透過光画像の最も明るい部分の輝度が過剰に明るくなるといった問題が生じることを防ぐことが可能となり、かつ、前記の如く、光ファイバの透過光画像におけるコア外縁部の暗部のコントラストを向上させることができるために、非常に正確にコア位置の検出を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光ファイバのコア観察装置の一実施形態例を示す構成図である。
【図2】本発明に係る光ファイバのコア観察装置に設けられる顕微鏡レンズの球面収差の例を示す収差図である。
【図3】上記実施形態例の光ファイバのコア観察装置により観察される光ファイバの透過光画像と、この透過光画像において計測ラインで測定した輝度レベルを示す説明図である。
【図4】図3に示した輝度レベルの拡大図(a)と、(a)の破線枠Bの輝度分布の拡大図である。
【図5】上記実施形態例の光ファイバコア観察装置における顕微鏡レンズの焦点面とコア倍率および光源のビーム幅の関係を示すグラフである。
【図6】光源からの透過光を光ファイバに照射して光ファイバの透過光画像を形成する原理を模式的に示した説明図である。
【図7】図6の破線枠R内の拡大図である。
【図8】球面収差がゼロ収差の顕微鏡レンズを用いて結像させた光ファイバの透過光画像と、透過光画像を計測ラインで計測した輝度レベルを示す説明図である。
【図9】物体面および物体面の光ファイバの中心距離からのシフト量の説明図である。
【図10】凸レンズと凹レンズの組み合わせによってレンズ系全体の球面収差をゼロ収差に近づけたレンズ系の収差図である。
【符号の説明】
1 光源
3 光ファイバ
4 コア
5 クラッド
6 撮像カメラ
8 アンダー収差構成部
9 顕微鏡レンズ
10 透過光画像

Claims (2)

  1. コアの周りをクラッドで覆って形成された光ファイバの光軸に直交するX軸方向とY軸方向の少なくとも1方向から該光ファイバに透過光を照射する光源が光ファイバに対して間隔を介して配置されており、該光源に対して光ファイバを挟んだ反対側には光ファイバと間隔を介して顕微鏡レンズと該顕微鏡レンズによって結像する光ファイバの透過光画像を撮像する画像撮像部とを備えた光ファイバ観察部が設けられ、前記透過光画像の明暗パターンに現れるコア外周縁の暗部のコントラストによってコア位置を検出する光ファイバのコア観察装置であって、前記顕微鏡レンズの球面収差をアンダー収差に構成して前記透過光画像における光ファイバのコア外周縁を認識する暗部のコントラストを高めたことを特徴とする光ファイバのコア観察装置。
  2. 顕微鏡レンズの最大開口数における球面収差をAとしたときに該顕微鏡レンズの焦点距離fに対する該球面収差Aの割合A/fを約−0.07から約−0.6としたことを特徴とする請求項1記載の光ファイバのコア観察装置。
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