JP3571830B2 - 運搬台車 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、種々の商品が保管されている物流センターから店舗まで、或いは、店舗内における陳列場所まで、商品を配送するために使用する運搬台車に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、キャスターを有するデッキボードに棚受けを取り付け、該棚受けに棚板を配設するようにした運搬台車が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の運搬台車は、棚板を使用しないときには、運搬台車から取り外された棚板を、別の場所に保管しなければならず、保管スペースを必要とするとともに、その管理が面倒であるという問題がある。また、棚板を必要とする場合には、棚板の保管場所まで行って取ってこなければならず、商品の配送作業性が悪化するという問題がある。
【0004】
また、空の運搬台車を保管したり、或いは、空の運搬台車をトラック等に積載する際に、多くのスペースを必要とするために、保管効率或いは積載効率が悪いという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、上述した従来の運搬台車が有する課題を解決するとともに、作業性の向上した運搬台車を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述した目的を達成するために、第1には、運搬台車が、下面にキャスターが取着された一対の平行フレームと該平行フレーム間に架橋された傾斜フレームからなる平面形状が略Z字状の台車枠と、前記平行フレームの一方の平行フレームに回動自在に枢支されたデッキボードと、前記平行フレームにそれぞれ取着された一対の棚受け枠と、該棚受け枠の横杆に載置可能で、且つ、前記棚受け枠に略垂直状態に懸架可能な棚板と、略垂直に回動された前記デッキボードを係止する、前記棚受け枠に配設された係止部材とを有するとともに、前記棚受け枠の下端部には、前記平行フレームに穿設された透孔に嵌着された前記棚受け枠のストッパーとして機能する横杆が取着されているものであり、第2には、前記棚板の短辺側に、前記棚受け枠に取着された横杆が挿入可能な凹部を設けたものであり、第3には、前記短辺側に設けられた凹部に、前記横杆を挿入することにより、短辺側が略垂直になるように懸架された棚板の移動及び傾倒を阻止する突起を、前記横杆に突設したものである。
【0007】
以下に、本発明の運搬台車の一使用態様を示す斜視図である図1、本発明の運搬台車の不使用時の斜視図である図2、本発明の運搬台車に用いられる棚板の斜視図である図3、本発明の運搬台車に用いられる棚板の裏面図である図4、本発明の不使用時の複数の運搬台車のネスティング状態を示す平面図である図5及び本発明の運搬台車の他の使用態様を示す斜視図である図6を用いて、本発明の運搬台車について説明するが、本発明の趣旨を越えない限り何ら、本実施例に限定されるものではない。
【0008】
【実施例】
先ず最初に、図1及び図2を用いて、本発明の運搬台車の全体構成について説明する。
【0009】
1及び2は、互いに平行な一対の平行フレームであり、3は、一方の平行フレーム1の端部と、もう一方の平行フレーム2の上記平行フレーム1と反対側の端部との間に架橋された傾斜フレームである。平行フレーム1の下面には、所定の間隔をおいて、キャスター1aが取着されており、また、平行フレーム2の下面にも、所定の間隔をおいて、キャスター2aが取着されている。上記の平行フレーム1、2と傾斜フレーム3とにより、平面形状が略Z字状の台車枠Fが構成されている。
【0010】
4は、一方の平行フレーム1に、軸5を中心に、水平状態から略垂直状態まで回動可能に枢支されたデッキボードであり、デッキボード4は、その短辺側4aが、軸5と平行になるように配設されている。デッキボード4の上面に形成された凹部には、ゴム等からなる略円柱状の滑り防止用グロメット4bが、所定数、挿着されており、また、デッキボード4の上面には、長辺4cに沿って、滑り防止用リブ4dが形成されている。軸5と反対側のデッキボード4の端部付近には、把手用透孔4eが形成されいる。なお、図2に示されているデッキボード4においては、滑り防止用グロメット4b及び滑り防止用リブ4dが省略されている。
【0011】
6及び7は、略逆U字状の棚受け枠であり、棚受け枠6、7の下端部6a、7aは、それぞれ、平行フレーム1、2に穿設された透孔1b、2bに嵌着されている。8は、一方の棚受け枠6の垂直部6b間に、所定の間隔を置いて、適当数、取着された横杆であり、同様に、9は、もう一方の棚受け枠7の垂直部7b間に、所定の間隔を置いて、適当数、取着された横杆である。棚受け枠6、7の下端部6a、7a付近に、それぞれ、横杆8a、9aを設け、棚受け枠6、7の下端部6a、7aを、平行フレーム1、2に穿設された透孔1b、2bに嵌着した際に、上記下端部6a、7a付近に取着された横杆8a、9aが、平行フレーム1、2の上面に当接して、所定以上の下端部6a、7aが透孔1b、2bに挿入されないようなストッパーとして機能している。
【0012】
軸5側に位置する平行フレーム1に取着された棚受け枠6には、軸5を中心に略垂直状態に回動されたデッキボード4の短辺側側端部4fと略同じ高さに横杆8bが取着されており、該横杆8bに穿設された縦孔には、略ワの字状の係止部材10の長い方の棒状部10aが上下動可能に挿入されている。また、デッキボード4の短辺側側端部4fには、係止部材10の短い方の棒状部10bの先端部が挿入可能な孔4gが穿設されている。軸5を中心に略垂直状態に回動されたデッキボード4の短辺側側端部4fに穿設された孔4gに、係止部材10の短い方の棒状部10bの先端部を挿入することにより、略垂直状態に回動されたデッキボード4が倒れないように構成されている。
【0013】
次に、図3及び図4を用いて、棚受け枠6、7に、それぞれ取着された横杆8、9間に、水平に載置される棚板11について説明する。
【0014】
デッキボード4と、略同じ大きさに形成された板状の棚板11の両短辺11a側には、それぞれ、所定の間隔を置いて2個の凹部11bが形成されている。短辺11a側に形成された凹部11bの間隔は、棚受け枠6、7に取着された横杆8、9の隣接する横杆8、9の間隔と略等しい間隔に形成されている。棚板11の短辺11aには、棚板11の上面11cに対して略直交する突片11dが垂下されている。棚受け枠6、7に取着された横杆8、9間に載置された棚板11が、その長手方向に沿って移動した際に、突片11dが横杆8、9に当接して、棚板11が、横杆8、9から落下することが防止される。
【0015】
棚板11の裏面11c’の両短辺11a付近には、それぞれ、所定の間隔を置いて2個の孔11eが形成されており、該孔11eには、横杆8、9間に棚板11が載置された際に、横杆8、9に所定の間隔を置いて突設された突起8c、9cが挿入されるように構成されている。また、棚板11の中央に位置する突片11dには、所定の間隔をおいて孔11fが穿設されており、該孔11fには、図2に示されているように、不使用の棚板11を、棚受け枠6、7の水平部6c、7cに、略垂直状態に懸架した際に、棚受け枠6、7の水平部6c、7cに所定の間隔を置いて突設された突起6d、7dが挿入されるように構成されている。このように、棚板11の中央に位置する突片11dに穿設された孔11fに、棚受け枠6、7の水平部6c、7cに突設された突起6d、7dを挿入することにより、棚受け枠6、7の水平部6c、7cに、略垂直状態に懸架された棚板11の水平方向の移動を阻止することができるように構成されている。このように構成することにより、棚板11に形成された突片11dと相まって、略垂直状態に懸架された棚板11の棚受け枠6、7の水平部6c、7cからの落下を防止することができる。
【0016】
図1に示されている使用状態の運搬台車を、図2に示されている不使用状態の運搬台車にするには、先ず最初に、所定の横杆8、9間に載置されている棚板11を取り外して、棚板11の中央に位置する突片11dに穿設された孔11fに、棚受け枠6、7の水平部6c、7cに突設された突起6d、7dを挿入することにより、棚板11を、棚受け枠6、7の水平部6c、7cに、略垂直状態に懸架する。次いで、軸5を中心に、デッキボード4を、水平状態から略垂直状態まで回動させるとともに、略垂直状態に回動されたデッキボード4の短辺側側端部4fに穿設された孔4gに、係止部材10の短い方の棒状部10bの先端部を挿入することにより、略垂直状態に回動されたデッキボード4が倒れないようにする。このようにして、図1に示されている使用状態の運搬台車を、図2に示されている不使用状態の運搬台車にする。
【0017】
このようにして、平面形状が略Z字状に折り畳まれた不使用状態の運搬台車は、図5に示されているように、隣接する運搬台車の平行フレーム1、2及び傾斜フレーム3が互いに接近するように配置することにより、コンパクトなネスティング状態とすることができる。
【0018】
次に、図6を用いて、上述した棚板11を、背板として使用する本発明の運搬台車の他の使用態様について説明する。
【0019】
棚板11の短辺11aが略垂直になるように、棚板11を立てるとともに、短辺11a側に形成された凹部11bに、上下方向に隣接する横杆8、9を挿入することにより、棚板11を背板として利用することができる。短辺11aが、略垂直になるように配置された棚板11は、棚受け枠6、7の一方の垂直部6b、7bと、横杆8、9に所定の間隔を置いて突設された突起8c、9cとの間に配置されるように構成されており、従って、背板として利用された棚板11が、横杆8、9の長手方向に沿って移動することが防止されるとともに、突起8c、9cにより、短辺11aが略垂直な棚板11が倒れることが防止できる。
【0020】
図1及び図2に示されているように、棚受け枠6に取着された上方の2本の横杆8及び棚受け枠7に取着された上方の2本の横杆9に、所定の間隔を置いて突起8c、9cを設け、他の横杆8、9には、このような突起8c、9cを形成しないように構成することもできる。この場合には、上記の棚受け枠6、7に取着された上方の2本の突起8c、9cが形成された横杆8、9を用いて、図6に示されているように、棚板11を背板として利用する。また、突起8c、9cが形成されていない他の横杆8、9を、棚受けのみに使用する場合には、棚板11の裏面11dに穿設された孔11eを省略することができる。
【0021】
なお、上述した実施例においては、棚板11を1枚使用した例が示されているが、棚板11を2枚使用し、不使用時には、2枚の棚板11を、2つの棚受け枠6、7の水平部6c、7cに、それぞれ、懸架することもできる。また、上述したデッキボード4、棚受け枠6、7、棚板11等を、それぞれ、合成樹脂で一体に成形することにより、軽量化することが好ましい。更には、デッキボード4或いは棚板11を、長方形の板材部分と、板材部分の短辺側に装着される鞘部分により形成することもできる。
【0022】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載する効果を奏することができる。
【0023】
台車枠の平面形状を略Z字状に形成し、且つ、デッキボードを回動自在とするとともに、棚板を棚受け枠に略垂直状態に懸架可能としたので、迅速に、運搬台車を不使用の状態に折り畳むことができるとともに、収容スペースを少なくすることができる。また、棚受け枠に、略垂直に回動されたデッキボードを係止する係止部材を設けたので、不用意にデッキボードが倒れることが防止できる。
【0024】
棚板を棚受け枠に略垂直状態に懸架可能としたので、取り外された棚板の収容場所が不必要になるとともに、棚板を必要とするときに、即座に、使用することができる。
【0025】
棚板の短辺側に、棚受け枠に取着された横杆が挿入可能な凹部を設けたので、棚板を背板として利用することができ、運搬台車の利用分野が拡大する。
【0026】
横杆に突起を突設したので、背板として利用した際の棚板の移動及び傾倒を阻止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の運搬台車の一使用態様を示す斜視図である。
【図2】図2は本発明の運搬台車の不使用時の斜視図である。
【図3】図3は本発明の運搬台車に用いられる棚板の斜視図である。
【図4】図4は本発明の運搬台車に用いられる棚板の裏面図である。
【図5】図5は本発明の不使用時の複数の運搬台車のネスティング状態を示す平面図である。
【図6】図6は本発明の運搬台車の他の使用態様を示す斜視図である。
【符号の説明】
F・・・・・・・台車枠
1、2・・・・・平行フレーム
3・・・・・・・傾斜フレーム
4・・・・・・・デッキボード
6、7・・・・・棚受け枠
8、9・・・・・横杆
11・・・・・・棚板
Claims (3)
- 下面にキャスターが取着された一対の平行フレームと該平行フレーム間に架橋された傾斜フレームからなる平面形状が略Z字状の台車枠と、前記平行フレームの一方の平行フレームに回動自在に枢支されたデッキボードと、前記平行フレームにそれぞれ取着された一対の棚受け枠と、該棚受け枠の横杆に載置可能で、且つ、前記棚受け枠に略垂直状態に懸架可能な棚板と、略垂直に回動された前記デッキボードを係止する、前記棚受け枠に配設された係止部材とを有するとともに、前記棚受け枠の下端部には、前記平行フレームに穿設された透孔に嵌着された前記棚受け枠のストッパーとして機能する横杆が取着されていることを特徴とする運搬台車。
- 前記棚板の短辺側に、前記棚受け枠に取着された横杆が挿入可能な凹部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の運搬台車。
- 前記短辺側に設けられた凹部に、前記横杆を挿入することにより、短辺側が略垂直になるように懸架された棚板の移動及び傾倒を阻止する突起を、前記横杆に突設したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の運搬台車。
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