JP3570466B2 - 青果物の非破壊食味特性測定装置 - Google Patents

青果物の非破壊食味特性測定装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、メロン、スイカ、カボチャ等青果物に対し波長の異なる複数のレーザ光を順次照射してその糖度や熟度等食味特性を測定する青果物の非破壊食味特性測定装置に係り、特に、各レーザ光の青果物に対する照射位置ずれを補正して高い精度でその食味特性を測定する非破壊食味特性測定装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、青果物の糖度を破壊することなく測定する方法としては、近赤外光あるいは赤外光を青果物に照射し、その反射光あるいは透過光から糖による光吸収を測定して行う方法が知られている(特開平1−216265号公報、特開平1−235850号公報、特開平2−147940号公報、特開平4−104041号公報、特開平4−208842号公報、特開平5−34281号公報、特開平5−172549号公報及び特開平6−15236号公報参照)。
【0003】
しかし、これ等の方法はそのいずれもが光源としてハロゲンランプを使用しているため、例えばメロンのような皮の厚い青果物に対しては光の強度が足りず糖度の測定は困難であった。
【0004】
そこで、この欠点を解消する方法として本発明者等は860nm〜960nmの範囲にある3波長のレーザ光を適用すると共に、各レーザ光をメロン、スイカ等青果物の同一箇所へ順次照射して青果物の糖度、熟度等その食味特性を測定する方法を既に提案している。
【0005】
以下、食味特性としての糖度を測定するこの方法を簡単に説明すると、図4に示すようにメロン等の青果物Mに対しその下方側から波長λのレーザ光を入射させ、かつ、同じく下方側に配置された検出器(図示せず)にて青果物Mから出射される波長λのレーザ光を検出する。尚、図4中、Pin(λ)は上記レーザ光の入射光量、Pout(λ) はレーザ光の検出光量を示している。
【0006】
そして、青果物Mの糖度(ブリックス)は、上記入射光量Pin(λ)と検出光量Pout(λ) の各データから以下の式(3)に基づき求めることができる。
【0007】
すなわち、糖度Y(ブリックス)は、3種類の波長のレーザ光に対し、
T(λ)=Pout(λ) /Pin(λ) (1)
で定義される透過率T(λ)の自然対数値である吸光度X(λ)
X(λ)= −logT(λ) (2)
を式(3)に代入することにより求められる。
【0008】
Y=AX(λ1)+BX(λ2)+CX(λ3)+D (3)
ここで、A、B、C、Dは、多くの青果物(サンプル)に対して屈折糖度計により求めた糖度Yと、光測定で求めた吸光度X(λ1)、X(λ2)、X(λ3)との間で最も相関が高くなるように、例えば最小自乗法により求める定数である。
【0009】
以下、この測定方法をより具体的に説明すると、図5に示すように底部に2つのトレイ側光通路部g、hを有するトレイdの受部c上にメロン等の青果物Mを載置して搬送させ、搬送路中に設けられかつトレイdのトレイ側光通路部g、hに位置整合された2つの測定側光通路部i、jを有する第一、第二及び第三の各測定部k(k1〜k3)において青果物Mに対し測定側光通路部iとトレイ側光通路部gを介し入射光量Pin(λ)のレーザ光を各々照射させる共に、青果物Mから出射されたレーザ光を上記トレイ側光通路部hと測定側光通路部jを介し各検出器(図示せず)へそれぞれ入射させて検出光量Pout(λ) を各々測定し、これ等の検出光量Pout(λ) と上記入射光量Pin(λ)から糖度等の食味特性を測定する方法であった。
【0010】
尚、図5及び図6に示すように上記第一、第二及び第三の各測定部k(k1〜k3)の搬送路内にはその長さ方向に亘って凸條mが設けら、かつ、トレイdの底面には上記凸條mに遊嵌される凹條nが設けられており、トレイdの凹條nが凸條mに遊嵌されてトレイdにおけるトレイ側光通路部g、hの開口端と各測定部k(k1〜k3)における測定側光通路部i、jの開口端との位置整合が図られと共に、上記凸條mと凹條nの作用により測定側光通路部iを通過するレーザ光の測定側光通路部j内への入り込みが防止される。また、図7はこの測定方法を具体化した装置全体の一例を示したもので、p1〜p3は波長λ1 、λ2 及びλ3 の各レーザ光を出力する光源、wは光源p1〜p3からのレーザ光を各測定部k1〜k3へ導く光ファイバをそれぞれ示している。
【0011】
ところで、青果物の糖度や熟度等その食味特性の情報は青果物内の果肉に含まれているため、青果物の食味特性をより正確に測定するには青果物表面の影響を取除いて上記吸光度X(λ)を求めるべきである。
【0012】
すなわち、青果物にレーザ光を照射したときの透過率T(λ)は、青果物表面での反射率Rと果肉の透過率T’(λ)により
T(λ)=(1−R)・T’(λ) (4)
と表されるが、青果物の食味特性をより正確に測定するには果肉の透過率T’(λ)を用いて吸光度X(λ)を求めるべきである。
【0013】
しかし、実際には青果物表面における反射率Rを求めることが困難なため、青果物表面の反射率Rは一定であると仮定し、青果物表面の情報を含むT(λ)を用いて上記式(3)により糖度等の食味特性を求めている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、青果物表面における反射率Rの波長依存性は小さいが、ネット形状を有するメロン等の青果物では、レーザ光が照射される位置により表面での反射率Rが大きく変化してしまう(場所によって反射率Rが0.7から0.9も変化する)といった問題を有していた。特に、図5〜図6に示したような測定装置において青果物を載置したトレイdが高速で搬送されるような場合、搬送中におけるローラーコンベアf等からの振動作用によりトレイd上の青果物が移動してしまったり、搬送路の両側に設けられたガイドeの案内作用にも拘らず搬送方向と直交する方向(すなわち図5において矢印で示すように搬送路の左右方向)へ若干横揺れしながらトレイdが搬送されてしまうことがある。このような場合、上記第一、第二及び第三の各測定部k(k1〜k3)での波長λ1 、λ2 及びλ3 における各レーザ光の青果物に対する照射位置がずれてしまい、これにより上述した反射率Rが常に一定という仮定が成立しなくなるため、青果物の糖度や熟度等その食味特性についての測定誤差が大きくなる問題点を有していた。
【0015】
尚、図8に示すように青果物を固定してその移動を防止する手段qをトレイdに付設したり、搬送路の一方側縁部にサイドバーtを配置しかつ他方側縁部に搬送中のトレイdを上記サイドバーt側へ押圧してトレイの搬送位置を規制する押圧バーuを配置する(図9及び図10参照)等して青果物のトレイ上の移動やトレイの横揺等を防止することは可能である。
【0016】
しかし、このような手段を採った場合、上記トレイや非破壊食味特性測定装置の構成が複雑になる分その製造コストが割高となり、かつ、このような手段を採ったとしても上記第一、第二及び第三の各測定部k1〜k3での波長λ1 、λ2 及びλ3 における各レーザ光の青果物に対する照射位置を常に同一にすることは現実的には困難であった。
【0017】
本発明はこのような問題点に着目してなされたもので、その課題とするところは、第一、第二及び第三の各測定部での波長λ1 、λ2 及びλ3 における各レーザ光の青果物に対する照射位置ずれを補正し高い精度でその食味特性を測定することができる非破壊食味特性測定装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
すなわち、請求項1に係る発明は、
青果物が載置された複数のトレイを適宜間隔を介して順次搬送し、搬送路中に設けられた少なくとも3箇所の第一、第二及び第三測定部において上記青果物に対し波長λ1 、λ2 及びλ3 のレーザ光を各々照射し、かつ、青果物から出射される各レーザ光の光量を各測定部に配置された検出器でそれぞれ測定すると共に、青果物に入射された入射光量と検出器で測定された検出光量から各レーザ光の吸光度を求め、得られた各吸光度から青果物の食味特性を測定する青果物の非破壊食味特性測定装置を前提とし、
上記第一、第二及び第三の各測定部に、青果物に対する照射位置が波長λ1 、λ2 及びλ3 における各レーザ光の照射位置と同一若しくは略同一に設定された波長λ0 の位置ずれ補正用レーザ光の照射手段及び青果物から出射される各補正用レーザ光の光量を測定する補正用検出器を各々配置すると共に、各測定部の検出器並びに補正用検出器の光入射側には対応する測定レーザ光のみを透過させるフィルタを設け、第一、第二及び第三の各測定部において計測された波長λ0 の補正用レーザ光の透過率に基づき波長λ1 、λ2 及びλ3 における各レーザ光の青果物に対する照射位置ずれを補正するようにしたことを特徴とする。
【0019】
以下、本発明に係る非破壊食味特性測定装置において波長λ0 の補正用レーザ光の透過率に基づいて、波長λ1 、λ2 及びλ3 における各レーザ光の青果物に対する照射位置ずれが補正される原理について説明する。
【0020】
但し、第一、第二及び第三測定部での波長λ1 、λ2 及びλ3 における各レーザ光の青果物に対する照射位置が全て異なる場合を前提に説明する。
【0021】
また、T’(λ0 )は補正用レーザ光の果肉の透過率、R1 、R2 及びR3 は第一、第二及び第三測定部での青果物に対する各レーザ光の反射率をそれぞれ示し、また、T’(λ1 )、T’(λ2 )、T’(λ3 )は第一、第二及び第三測定部での波長λ1 、λ2 及びλ3 における各レーザ光の果肉の透過率をそれぞれ示している。また、P1out(λ0 )、P2out(λ0 )及びP3out(λ0 )は、第一、第二及び第三測定部での補正用レーザ光の検出光量、P1in(λ0 )、P2in(λ0 )、P3in(λ0 )は第一、第二及び第三測定部での補正用レーザ光の入射光量を示している。
【0022】
まず、第一測定部において波長λ0 の補正用レーザ光における青果物に対する入出力の関係式は、
P1out(λ0 )/P1in(λ0 )=(1−R1 )・T’(λ0 ) (5)
となる。
【0023】
また、第二測定部において波長λ0 の補正用レーザ光における青果物に対する入出力の関係式は、照射位置が変化したことにより反射率Rは変化するが、波長が等しいためT’(λ0 )は変化していないことから、
P2out(λ0 )/P2in(λ0 )=(1−R2 )・T’(λ0 ) (6)
となる。
【0024】
同様に、第三測定部において波長λ0 の補正用レーザ光における青果物に対する入出力の関係式は、
P3out(λ0 )/P3in(λ0 )=(1−R3 )・T’(λ0 ) (7)
となる。
【0025】
よって、式(5)と式(6)及び式(5)と式(7)から照射位置が変化したことに伴う反射率の比が求まる。
【0026】
すなわち、
{P2out(λ0 )/P2in(λ0 )}/{P1out(λ0 )/P1in(λ0 )}
=(1−R2 )/(1−R1 ) (8)
{P3out(λ0 )/P3in(λ0 )}/{P1out(λ0 )/P1in(λ0 )}
=(1−R3 )/(1−R1 ) (9)
次に、反射率Rには照射位置の依存性はあるが波長依存性がないため、第一、第二及び第三測定部での波長λ1 、λ2 及びλ3 における各レーザ光の入出力の関係式は、
Pout(λ1 )/Pin(λ1 )=(1−R1 )・T’(λ1 ) (10)
Pout(λ2 )/Pin(λ2 )=(1−R2 )・T’(λ2 ) (11)
Pout(λ3 )/Pin(λ3 )=(1−R3 )・T’(λ3 ) (12)
となる。
【0027】
従って、式(11)を式(8)で割ると、
{Pout(λ2 )/Pin(λ2 )}・{P1out(λ0 )/P1in(λ0 )}/{P2out(λ0 )/P2in(λ0 )}=(1−R1 )・T’(λ2 ) (13)
となり、また、式(12)を式(9)で割ると、
{Pout(λ3 )/Pin(λ3 )}・{P1out(λ0 )/P1in(λ0 )}/{P3out(λ0 )/P3in(λ0 )}=(1−R1 )・T’(λ3 ) (14)
となる。つまり、式(10)、式(13)、式(14)は、波長λ0 の補正用レーザ光を用いることにより、第一、第二及び第三測定部での波長λ1 、λ2 及びλ3 における各レーザ光の青果物に対する照射位置が全て異なる場合でも同じ位置(同じ表面反射率)に照射されたのと同じように変換できることを示している。
【0028】
すなわち、
T(λ1 )=Pout(λ1 )/Pin(λ1 )=(1−R1 )・T’(λ1 )(15)
T(λ2 )={Pout(λ2 )/Pin(λ2 )}・{P1out(λ0 )/P1in(λ0 )}/{P2out(λ0 )/P2in(λ0 )}=(1−R1 )・T’(λ2 )(16)
T(λ3 )={Pout(λ3 )/Pin(λ3 )}・{P1out(λ0 )/P1in(λ0 )}/{P3out(λ0 )/P3in(λ0 )}=(1−R1 )・T’(λ3 )(17)
で求められる各透過率T(λ1 )、T(λ2 )、T(λ3 )の自然対数値である吸光度X(λ1 )、X(λ2 )、X(λ3 )を上述した式(3)に代入することにより、各レーザ光の青果物に対する照射位置が全て異なる場合でも青果物の食味特性を高い精度で測定できることを示している。
【0029】
ここで、補正用レーザ光の波長λ0 は、水の透過率の低い900nm以下がよく、かつ、第一測定部においてフィルタにより波長λ1 のレーザ光との分離が可能なように860nm以下がよい。また、あまり短波長であると葉緑素の吸収や有機物固有の吸収が起こるため、650nm以上が好ましい。請求項2に係る発明は補正用レーザ光の波長λ0 を含め、第一、第二及び第三測定部における各レーザ光の波長λ1 、λ2 及びλ3 を特定した発明に関する。
【0030】
すなわち、請求項2に係る発明は、
請求項1記載の発明に係る青果物の非破壊食味特性測定装置を前提とし、
上記レーザ光の各波長λ0 、λ1 、λ2 及びλ3 が、
650nm ≦ 波長λ0 < 860nm
860nm ≦ 波長λ1 ≦ 890nm
900nm ≦ 波長λ2 ≦ 920nm
920nm < 波長λ3 ≦ 960nm
の条件を満たすことを特徴とするものである。
【0031】
次に、請求項3〜請求項4に係る発明は、補正用レーザ光について第一測定部における波長λ1 のレーザ光を適用した発明に関する。すなわち、これら発明においては第二及び第三測定部にのみ補正用レーザ光の照射手段と補正用検出器を配置すればよい利点を有する。
【0032】
すなわち、請求項3に係る発明は、
青果物が載置された複数のトレイを適宜間隔を介して順次搬送し、搬送路中に設けられた少なくとも3箇所の第一、第二及び第三測定部において上記青果物に対し波長λ1 、λ2 及びλ3 のレーザ光を各々照射し、かつ、青果物から出射される各レーザ光の光量を各測定部に配置された検出器でそれぞれ測定すると共に、青果物に入射された入射光量と検出器で測定された検出光量から各レーザ光の吸光度を求め、得られた各吸光度から青果物の食味特性を測定する青果物の非破壊食味特性測定装置を前提とし、
上記第二及び第三測定部に、青果物に対する照射位置が波長λ2 及びλ3 における各レーザ光の照射位置と同一若しくは略同一に設定された波長λ1 の位置ずれ補正用レーザ光の照射手段及び青果物から出射される各補正用レーザ光の光量を測定する補正用検出器を各々配置すると共に、第二及び第三測定部の検出器並びに補正用検出器の光入射側には対応する測定レーザ光のみを透過させるフィルタを設け、第一測定部で計測された波長λ1 のレーザ光の透過率並びに第二及び第三測定部において計測された波長λ1 の補正用レーザ光の透過率に基づき波長λ2 及びλ3 における各レーザ光の青果物に対する照射位置ずれを補正するようにしたことを特徴とし、
また、請求項4に係る発明は、
請求項3記載の発明に係る青果物の非破壊食味特性測定装置を前提とし、
上記レーザ光の各波長λ1 、λ2 及びλ3 が、
860nm ≦ 波長λ1 ≦ 890nm
900nm ≦ 波長λ2 ≦ 920nm
920nm < 波長λ3 ≦ 960nm
の条件を満たすことを特徴とするものである。
【0033】
そして、請求項3〜請求項4記載の発明においても、
T(λ1 )=Pout(λ1 )/Pin(λ1 )=(1−R1 )・T’(λ1 )(18)
T(λ2 )={Pout(λ2 )/Pin(λ2 )}・{Pout(λ1 )/Pin(λ1 )}/{P2out(λ1 )/P2in(λ1 )}=(1−R1 )・T’(λ2 )(19)
T(λ3 )={Pout(λ3 )/Pin(λ3 )}・{Pout(λ1 )/Pin(λ1 )}/{P3out(λ1 )/P3in(λ1 )}=(1−R1 )・T’(λ3 )(20)
で求められる各透過率T(λ1 )、T(λ2 )、T(λ3 )の自然対数値である吸光度X(λ1 )、X(λ2 )、X(λ3 )を上述した式(3)に代入することにより、各レーザ光の青果物に対する照射位置が全て異なる場合でも青果物の食味特性を高い精度で測定することが可能となる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0035】
図1は本発明に係る非破壊食味特性測定装置の一例を示しており、この測定装置は、メロン等青果物Mが載置されたトレイ1を搬送するローラーコンベア(ベルトコンベアでもよい)等の搬送手段2が長さ方向に亘り配設された搬送路20と、この搬送路20内に所定の間隔を介して配置された第一測定部31、第二測定部32及び第三測定部33と、上記第一測定部31内へ光ファイバwを介して波長λ1 のレーザ光と波長λ0 の補正用レーザ光を出力する第一光源41並びに第一補正用光源42と、第二測定部32内へ光ファイバwを介して波長λ2 のレーザ光と波長λ0 の補正用レーザ光を出力する第二光源43並びに第二補正用光源44と、第三測定部33内へ光ファイバwを介して波長λ3 のレーザ光と波長λ0 の補正用レーザ光を出力する第三光源45並びに第三補正用光源46と、上記第一測定部31〜第三測定部33内に配置され青果物Mから出射される波長λ1 、λ2 及びλ3 の各レーザ光の光量を検出すると共にその構造が同一の検出器(図示せず)と、同じく第一測定部31〜第三測定部33内に配置され青果物Mから出射される波長λ0 の各補正用レーザ光の光量を検出すると共にその構造が同一の補正用検出器(図示せず)と、同じく第一測定部31〜第三測定部33内における各検出器並びに各補正用検出器の光入射側にそれぞれ設けられ対応する測定レーザ光のみを透過させる一対のフィルタ(共に図示せず)と、第一測定部31内における検出器並びに補正用検出器に接続されかつこれら検出器から出力される波長λ1 、λ0 の各レーザ光における検出信号を増幅させる第一アンプ51並びに第一補正用アンプ52と、第二測定部32内における検出器並びに補正用検出器に接続されかつこれら検出器から出力される波長λ2 、λ0 の各レーザ光における検出信号を増幅させる第二アンプ53並びに第二補正用アンプ54と、第三測定部33内における検出器並びに補正用検出器に接続されかつこれら検出器から出力される波長λ3 、λ0 の各レーザ光における検出信号を増幅させる第三アンプ55並びに第三補正用アンプ56と、これら各アンプに接続されそのアナログの検出信号をデジタルに変換するADC(アナログ/デジタル変換器)6と、このADC6からのデジタル信号を演算処理して青果物Mの糖度等その食味特性を算出するCPU7とでその主要部が構成されている。
【0036】
尚、図2は、第一測定部31における青果物Mの測定状態を模式的に図示したもので、81は波長λ1 のレーザ光を検出する第一検出器、82は波長λ0 の補正用レーザ光を検出する第一補正用検出器、91は波長λ1 のレーザ光を透過し波長λ0 の補正用レーザ光を透過しないλ1 透過フィルタ[この例では波長λ0 =680nmのレーザ光を遮断し、波長λ1 =880nmのレーザ光を透過させる色ガラスフィルター(商品名『BG3』:SPINDER & HOYER社製)が適用されている]、92は波長λ0 の補正用レーザ光を透過し波長λ1 のレーザ光を透過しないλ0 透過フィルタ[この例では波長λ0 =680nmのレーザ光を透過し、波長λ1 =880nmのレーザ光を遮断させる色ガラスフィルター(商品名『BG38』:SPINDER & HOYER社製)が適用されている]をそれぞれ示している。また、第一測定部31〜第三測定部33における測定側光通路部とトレイ1のトレイ側光通路部との配置関係は図5で示した従来の非破壊食味特性測定装置と同様になっている。
【0037】
そして、この非破壊食味特性測定装置においては、青果物Mを載置したトレイ1が第一測定部31内に搬入されると、上記第一光源41と第一補正用光源42から波長λ1 のレーザ光と波長λ0 の補正用レーザ光が青果物Mに対してその同一箇所に照射され(図2参照)、かつ、青果物Mから出射された波長λ1 のレーザ光と波長λ0 の補正用レーザ光がそれぞれλ1 透過フィルタ91及びλ0 透過フィルタ92を介して第一検出器81及び第一補正用検出器82に入射されその光量がそれぞれ検出される。すなわち、第一測定部31においてPout(λ1 )とP1out(λ0 )が測定される。
【0038】
以下、同様にして、第二測定部32においてPout(λ2 )とP2out(λ0 )が測定され、また、第三測定部33においてPout(λ3 )とP3out(λ0 )が測定される。
【0039】
次に、第一測定部31において青果物Mへ入射された波長λ1 のレーザ光と波長λ0 の補正用レーザ光の各入射光量Pin(λ1 )とP1in(λ0 )のデータ、並びに、第二及び第三測定部における各入射光量Pin(λ2 )とP2in(λ0 )、及び、入射光量Pin(λ3 )とP3in(λ0 )の各データが、上述したADC6を介して上記検出光量のデータと共にCPU7へ入力され、上述した式(15)、式(16)及び式(17)により求められる各透過率T(λ1 )、T(λ2 )、T(λ3 )から各吸光度X(λ1 )、X(λ2 )、X(λ3 )が算出され、これ等吸光度のデータから式(3)により青果物Mの糖度が求められる。
【0040】
そして、この非破壊食味特性測定装置においては、第一、第二及び第三の各測定部31、32、33において計測された波長λ0 の補正用レーザ光の透過率に基づいて、第一、第二及び第三の各測定部31、32、33における波長λ1 、λ2 及びλ3 の各レーザ光における青果物に対する照射位置ずれが補正されているため、各測定部に上述したサイドバーと押圧バーとで構成される位置規制手段等を設けることなく高い精度で糖度や熟度等の食味特性を測定することができる利点を有している。
【0041】
尚、図3は、補正用レーザ光について第一測定部31で適用する波長λ1 のレーザ光と同一のレーザ光を適用している点を除き、図1の非破壊食味特性測定装置と略同一である。
【0042】
そして、図3において示されたこの非破壊食味特性測定装置においても、上述した式(18)、式(19)及び式(20)から明らかなように第二及び第三の各測定部32、33における波長λ2 及びλ3 の各レーザ光における青果物に対する照射位置ずれが補正されているため、各測定部に上述した位置規制手段等を設けることなく高い精度で糖度や熟度等の食味特性を測定することができる利点を有している。
【0043】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明する。
【0044】
まず、図1に示された非破壊食味特性測定装置を用い、糖度未知のメロン50個を順次搬送してその糖度(Dn)を測定した。
【0045】
次に、上記補正用レーザ光を作用させない状態で(すなわち、従来の装置と同一の構成にして)、上記50個のメロンを順次搬送させてその糖度(D’n)を測定した。
【0046】
最後に、これ等光測定を行った50個のメロンについてその果汁を採取し、屈折率を用いた糖度計により果汁の糖度(D”n)を破壊測定した。
【0047】
そして、これ等測定データに基づき(Dn/D”n)と(D’n/D”n)の値を求めたところ、(Dn/D”n)の値は、全て0.95〜1.05の範囲内(その内の80%のデータは0.96〜1.04の範囲内)に入っていたが、上記(D’n/D”n)の値は、0.85〜1.15の範囲内(そのうちの80%のデータは0.88〜1.12の範囲内)となり、測定値のばらつきが顕著であった。
【0048】
【発明の効果】
請求項1〜2に係る発明によれば、
第一、第二及び第三の各測定部において計測された波長λ0 の補正用レーザ光の透過率に基づき波長λ1 、λ2 及びλ3 における各レーザ光の青果物に対する照射位置ずれを補正しているため、各レーザ光の青果物に対する照射位置が全て異なる場合でも青果物の食味特性を高い精度で測定することが可能となる効果を有する。
【0049】
また、請求項3〜4に係る発明によれば、
第一測定部で計測された波長λ1 のレーザ光の透過率並びに第二及び第三測定部において計測された波長λ1 の補正用レーザ光の透過率に基づき波長λ2 及びλ3 における各レーザ光の青果物に対する照射位置ずれを補正しているため、各レーザ光の青果物に対する照射位置が全て異なる場合でも青果物の食味特性を高い精度で測定することが可能となる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る非破壊食味特性測定装置の概略構成図。
【図2】図1に示した非破壊食味特性測定装置の第一測定部の説明図。
【図3】本発明の変形例に係る非破壊食味特性測定装置の概略構成図。
【図4】非破壊食味特性測定方法の原理を説明するための説明図。
【図5】従来の非破壊食味特性測定装置の要部説明図。
【図6】従来の非破壊食味特性測定装置の一部を示す概略斜視図。
【図7】従来の非破壊食味特性測定装置の全体の構成を示した概略構成図。
【図8】青果物を固定する手段が付設されたトレイの斜視図。
【図9】トレイの搬送位置を規制するサイドバーと押圧バーの概略斜視図。
【図10】上記サイドバーと押圧バーの作用を説明する説明図。
【符号の説明】
M 青果物
1 トレイ
31 第一測定部
32 第二測定部
33 第三測定部
42 第一補正用光源(照射手段)
44 第二補正用光源(照射手段)
46 第三補正用光源(照射手段)

Claims (4)

  1. 青果物が載置された複数のトレイを適宜間隔を介して順次搬送し、搬送路中に設けられた少なくとも3箇所の第一、第二及び第三測定部において上記青果物に対し波長λ1 、λ2 及びλ3 のレーザ光を各々照射し、かつ、青果物から出射される各レーザ光の光量を各測定部に配置された検出器でそれぞれ測定すると共に、青果物に入射された入射光量と検出器で測定された検出光量から各レーザ光の吸光度を求め、得られた各吸光度から青果物の食味特性を測定する青果物の非破壊食味特性測定装置において、
    上記第一、第二及び第三の各測定部に、青果物に対する照射位置が波長λ1 、λ2 及びλ3 における各レーザ光の照射位置と同一若しくは略同一に設定された波長λ0 の位置ずれ補正用レーザ光の照射手段及び青果物から出射される各補正用レーザ光の光量を測定する補正用検出器を各々配置すると共に、各測定部の検出器並びに補正用検出器の光入射側には対応する測定レーザ光のみを透過させるフィルタを設け、第一、第二及び第三の各測定部において計測された波長λ0 の補正用レーザ光の透過率に基づき波長λ1 、λ2 及びλ3 における各レーザ光の青果物に対する照射位置ずれを補正するようにしたことを特徴とする青果物の非破壊食味特性測定装置。
  2. 上記レーザ光の各波長λ0 、λ1 、λ2 及びλ3 が、
    650nm ≦ 波長λ0 < 860nm
    860nm ≦ 波長λ1 ≦ 890nm
    900nm ≦ 波長λ2 ≦ 920nm
    920nm < 波長λ3 ≦ 960nm
    の条件を満たすことを特徴とする請求項1記載の青果物の非破壊食味特性測定装置。
  3. 青果物が載置された複数のトレイを適宜間隔を介して順次搬送し、搬送路中に設けられた少なくとも3箇所の第一、第二及び第三測定部において上記青果物に対し波長λ1 、λ2 及びλ3 のレーザ光を各々照射し、かつ、青果物から出射される各レーザ光の光量を各測定部に配置された検出器でそれぞれ測定すると共に、青果物に入射された入射光量と検出器で測定された検出光量から各レーザ光の吸光度を求め、得られた各吸光度から青果物の食味特性を測定する青果物の非破壊食味特性測定装置において、
    上記第二及び第三測定部に、青果物に対する照射位置が波長λ2 及びλ3 における各レーザ光の照射位置と同一若しくは略同一に設定された波長λ1 の位置ずれ補正用レーザ光の照射手段及び青果物から出射される各補正用レーザ光の光量を測定する補正用検出器を各々配置すると共に、第二及び第三測定部の検出器並びに補正用検出器の光入射側には対応する測定レーザ光のみを透過させるフィルタを設け、第一測定部で計測された波長λ1 のレーザ光の透過率並びに第二及び第三測定部において計測された波長λ1 の補正用レーザ光の透過率に基づき波長λ2 及びλ3 における各レーザ光の青果物に対する照射位置ずれを補正するようにしたことを特徴とする青果物の非破壊食味特性測定装置。
  4. 上記レーザ光の各波長λ1 、λ2 及びλ3 が、
    860nm ≦ 波長λ1 ≦ 890nm
    900nm ≦ 波長λ2 ≦ 920nm
    920nm < 波長λ3 ≦ 960nm
    の条件を満たすことを特徴とする請求項3記載の青果物の非破壊食味特性測定装置。
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