JP3868847B2 - リンゴの内部品質検査方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、蜜の状態や褐変等のリンゴの内部品質を非破壊で判別する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、リンゴの内部品質は、リンゴの形や色合い等の外見で経験的に判別したり、抜き取り試料を切断して目視検査により判別されたりしていた。しかし、内部品質は外見から判別困難な場合が多く、また、抜き取り検査されたリンゴは商品価値がなくなる上、残りのリンゴの内部品質は抜き取り検査結果から推定するしかなかった。
【0003】
そこで、近年、光学的手法を用いて果実の内部品質を判別する技術が提案されている。果実は、一般に糖度が高いほど商品価値が高い。そこで、例えば、特開平4−104041号公報には、特定波長領域の透過光の強度から果実の糖度等の内部品質を検査する方法が記載されている。
【0004】
また、リンゴの完熟品で蜜入り状態の場合は、特有の香気と味覚とを発し、高級品として好まれている。そこで、例えば、「果樹試報 C15 P14−47農林水産省 1988」には、単一波長の光透過によるリンゴの蜜症状の非破壊測定の方法が記載されている。
このように、リンゴの透過光を測定することにより、リンゴの糖度や蜜入り状態を非破壊で検査することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、リンゴの内部品質は、品質の良い順に、例えば、▲1▼リンゴ内の蜜が正常に散っているもの(以下、蜜散りリンゴという)、▲2▼リンゴ内の蜜が部分的に含まれているもの(以下、蜜中入りリンゴという)、▲3▼リンゴ内の蜜が一部に含まれているもの(以下、蜜小入りリンゴという)、▲4▼リンゴ内の蜜及び/又は果肉が褐変したもの(以下、褐変リンゴという)に分類することができる。なお、▲4▼の褐変リンゴは、商品価値の無い不良品として扱われる。
しかしながら、透過率を単に測定しただけの上記従来の方法では、これら四通りの内部品質を正確に判別することは極めて困難であった。
【0006】
また、近年、温度や雰囲気ガスを制御することにより、リンゴを、その鮮度を保ちつつ長期保存する技術が発達していて、リンゴを旬以外の季節にも出荷することができるようになってきている。
しかしながら、リンゴを長期間保存すると、果肉や蜜が褐色に変色(褐変)して、香気や味覚が落ちてしまうことがある。褐変等の内部変質が生じたリンゴは、一般に光の透過率が低下する傾向にある。
また、リンゴは、果肉の含水量が多いほど高く、含水量が少なくなるにつれて、散乱が多くなるため、光の透過率が低下する傾向がある。
そのため、上述の従来技術のように、透過率を単に測定しただけでは、光の透過率が低下した場合に、それが褐変によるものなのか、含水量の減少によるものなのかは判別することが困難であった。
【0007】
さらに、上述の従来技術では、褐変等の内部変質が生じたリンゴと、蜜が減少したリンゴとの判別を行うことが困難であった。
ここで、図14に、リンゴの透過分光スペクトルの経時変化の一例を示す。
図14のグラフの横軸は透過光の波長(nm)を表し、縦軸は透過光強度(カウント数)を表す。グラフ中の曲線G1は、新鮮なリンゴの透過分光スペクトルを表す。また、破線G2は、日数が経過した後における同一のリンゴの透過分光スペクトルを表す。そして、曲線G1及び破線G2に示すように、日数が経過すると、果肉の含水量が低下するため、スペクトル強度が全体的に低下している。
【0008】
なお、透過分光スペクトルの特徴として、近赤外領域である780nm〜830nmで一つの山となるピーク波長帯があり、また、可視光領域である550nm〜780nmの範囲内の630nm近傍及び700nm近傍で、二つの山となるピーク波長帯がある。
【0009】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、含水量や蜜の減少による内部品質の変化と褐変とを区別して内部品質を確実に判別することができる技術の提供、さらには、リンゴの内部品質の状態、例えば、前述した蜜散りリンゴ、蜜中入りリンゴ、蜜小入りリンゴを容易かつ確実に判別することができる技術の提供を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的の達成を図るため、本発明は、蜜の状態がいろいろなリンゴを準備し、これらのリンゴに光を照射したときの透過光の可視光領域から近赤外線領域までにおける三つ以上の波長帯のそれぞれの透過光強度を測定し、これら測定した透過光強度のうちの一つの波長帯の透過光強度を他の波長帯の透過光強度で演算した第一比強度を算出し、前記一つの波長帯とは異なる波長帯の透過光強度を他の波長帯の透過光強度で演算した第二比強度を算出し、これら算出した第一比強度及び第二比強度の分布にもとづき前記蜜の状態の各分類ごとに比強度の範囲を定めて記憶し、検査対象であるリンゴに光を照射し、透過した光を可視光領域から近赤外線領域においてピークを形成する複数の波長帯に分光し、前記可視光領域から近赤外線領域までにおける三つ以上の波長帯のそれぞれの透過光強度を測定し、これら測定した透過光強度のうちの一つの波長帯の透過光強度と他の波長帯の透過光強度の比率である第一の比強度を算出し、前記一つの波長帯とは異なる波長帯の透過光強度を他の波長帯の透過光強度で演算した第二の比強度を算出し、これら算出した第一の比強度及び/又は第二の比強度が前記記憶した各分類ごとの比強度のどの範囲に属するかを判断して、前記検査対象であるリンゴの蜜の状態を判別することとした。
【0014】
また、本発明は、請求項2に記載するように、蜜の状態がいろいろなリンゴを準備し、これらリンゴに光を照射したときの透過光の可視光領域における少なくとも一つの波長帯の透過光強度を測定し、これら測定した透過光強度の分布にもとづき前記蜜の状態の各分類ごとに透過光強度の範囲を定めて記憶するとともに、前記可視光領域における前記波長帯の透過光強度を近赤外線領域における一つの波長帯の透過光強度で演算した少なくとも一つの比強度を算出し、これら算出した比強度の分布にもとづき前記蜜の状態の各分類ごとに比強度の範囲を定めて記憶し、検査対象であるリンゴに光を照射し、透過した光を可視光領域から近赤外線領域においてピークを形成する複数の波長帯に分光し、前記可視光領域における少なくとも一つの波長帯の透過光強度を測定し、前記可視光領域における少なくとも一つの波長帯の透過光強度と前記近赤外線領域における一つの波長帯の透過光強度の比率である少なくとも一つの比強度を算出し、前記測定した透過光強度が前記記憶した各分類ごとの透過光強度のどの範囲に属するかを判断するとともに、前記算出した比強度が前記記憶した各分類ごとの比強度のどの範囲に属するかを判断して、前記検査対象であるリンゴの蜜の状態を判別することとした。
【0016】
また、請求項3に記載の発明は、可視光領域の検出すべき波長帯として、前記可視光領域のピーク波長帯として、650nm±30nm、又は、710nm±30nmのいずれか一つの波長帯を選択するとともに、前記近赤外線領域のピーク波長帯として、800nm±30nmを選択する方法としてある。
【0017】
リンゴの透過分光スペクトルは、可視光領域では、700nm附近、600nm〜630nm附近及び550nm附近に、山となるピーク波長帯を有し、特に、700nm附近の強度が高いことが分かってきた。また、近赤外領域では、800nm〜810nm附近に、山となるピークを形成することが分かってきた。このため、これら波長の透過光強度を計測すれば、内部品質の判別がより容易となる。
【0018】
さらに、請求項4に記載の発明は、リンゴに対して複数の方向から光を照射し、これら複数の方向における透過光ごとに前記請求項1〜3のいずれかに記載の方法によってリンゴの内部品質を判別する方法としてある。
このように、一つのリンゴに対して、複数の方向から光を照射してそれらの透過光強度及び/又は比強度を求め、それぞれの透過光強度及び/又は比強度にもとづいてリンゴの内部判別を行い、それらを総合して最終的な判別を行うことにより、リンゴの芯によって陰となる部分に対しても光を透過させて、一つのリンゴの全体について漏れなく検査を行うことができ、より正確にリンゴの内部品質の判別を行うことができる。
【0019】
請求項5に記載の発明は、前記光の照射角度を前記リンゴに対して相対的に変化させることで、リンゴに対して複数の方向から光を照射する方法としてある。
この方法では、例えば、光源をリンゴの周りで回転させて、リンゴに対する配置位置を変化させるようにしてもよいし、光源を固定したままでリンゴを回転させるようにするとよい。
また、請求項6に記載するように、前記リンゴに単一の前記光源から光を照射し、前記リンゴを所定角度回転させることで前記光の照射方向を変化させるようにしてもよい。
【0020】
請求項7に記載の発明は、複数の前記光源を、前記リンゴの周囲の異なる位置に配置し、この複数の光源から順次前記リンゴに向けて光を照射する方法としてある。
このように、複数の光源による光の照射を順次切り換えることで、リンゴに対する光の照射方向を変化させることができる。
【0021】
請求項8に記載の発明は、光の照射方向を90度変化させる方法としてある。
このように、光の照射方向をリンゴに対して90度変化させることで、陰となる部分を最小又はほぼ完全に無くして、リンゴの判別対象部位のほぼ全体にわたって光を満遍なく透過させることができ、より正確な判別を行うことができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態にかかるリンゴの内部品質検査方法について説明する。
[第一の実施形態]
まず、図1を参照して、本発明の第一の実施形態にかかる内部品質検査方法を実施する判別装置の構成について説明する。
この第一の実施形態では、単一の透過光強度を用いてリンゴの内部品質の判別を行う。
【0023】
この実施形態で用いる判別装置は、検査対象であるリンゴ2に光を照射する光源1と、リンゴ2を透過した光(透過光)を集光する集光器3と、この集光器3によって集光された透過光の進路上に設けられ、前記透過光を分光する無偏光ビームスプリッタ4aと、この無偏光ビームスプリッタ4aによって分光された透過光が入射するように配置された第二波長フィルタ5bと、第二波長フィルタ5bを通過した所定波長の光を受光する第二光センサ6bと、第二光センサ6bから出力された第二透過光強度信号に基づいてリンゴ2の内部品質を判別する判別部8とを有している。
【0024】
光源1には、キセノンランプやハロゲンランプを用いるとよい。これら光源は、透過光強度を計測する波長を含む波長帯域にわたる発光スペクトルを有している。
なお、照射光は、連続発光させてよいし、断続的にパルス発光させてもよい。また、この実施形態では、光センサ6として、可視光領域から近赤外光領域にかけて分光感度をもつシリコンフォトダイオードを用いているが、これに限定されるものではなく、光電子倍増管、太陽電池など要求される分光感度をもつものであればよい。
【0025】
また、判別部8は、リンゴの内部品質の状態として前述した、▲1▼蜜散りリンゴ、▲2▼蜜中入りリンゴ、▲3▼蜜小入りリンゴ及び、▲4▼褐変リンゴのそれぞれについて、予めサンプリングによって得られた第二透過光強度に関する基準データを記憶するメモリ8aとを有している。
【0026】
上記構成の判別装置の作用及びこの判別装置による判別の手順を、図1のブロック図,図2の透過光強度の計測結果及び図3の透過強度の分布図を参照しながら説明する。
図1に示すように、光源1を出射した光は、検査対象のリンゴ2に照射される。リンゴ2の透過光は、集光器3によって集光され、無偏光ビームスプリッタ4aに入射される。無偏光ビームスプリッタ4aは、入射光の一部分を透過し、残りの部分を側方へ反射することにより、透過光を分波する。
【0027】
無偏光ビームスプリッタ4aによって分波された透過光の一つは、第二波長フィルタ5bへ入射する。リンゴ2の透過分光スペクトルは、可視光領域では、710nm附近、630nm附近及び550nm附近に山となるピーク波長帯を有し、特に、710nm附近の強度が高く、次に、650nm附近の強度が高い。
【0028】
そこで、この実施形態では、第二波長フィルタ5bとして、650nm±30nmの狭域干渉フィルタを用いた。この第二波長フィルタ5bは、入射した透過光のうち、可視光領域の620nm〜680nmの範囲の光のみを選択的に透過する。勿論、710nm付近の狭域干渉フィルタを用いてもよい。
第二波長フィルタ5bを透過した光は、第二光センサ6bへ入射する。第二光センサ6bは、第二波長フィルタ5bの透過光の透過光強度を計測する。この計測結果は、第二透過光強度信号として出力される。
【0029】
この第二透過光強度信号は、判別部8に入力される。この判別部8による内部品質の判別処理は、光源1の前面の所定位置に、検査対象であるリンゴ2が位置していることを条件に行われる。リンゴ2が光源1の前面の所定位置に位置しているかどうかは、当該位置に設けられたセンサやスイッチ等からの出力信号によって判断することができる。
【0030】
メモリ8aには、第二透過光強度に関する基準データが、予め設定されている。この基準データは、予め上記した四通りの内部品質のリンゴ2を多数用意し、これらリンゴについての第二透過光強度をとり、これらデータにもとづいて求めたものである。
判別部8は、第二透過光強度信号とメモリ8aから読み出した第二透過光強度の基準データとを比較し、この比較結果に基づいて、当該リンゴ2の内部品質の状態(蜜の状態)を判別する。
【0031】
次に、図2及び図3を参照しながら、第二透過光強度を用いたリンゴ2の内部品質の状態の判別方法を説明する。
図2は、蜜散りリンゴ,蜜中入りリンゴ及び蜜小入りリンゴのサンプルについて、第二透過光強度を計測した結果を示す表、図3は、図2の第二透過光強度の分布を表す分布図である。
【0032】
なお、判別の正確を期するために、第二透過光強度の測定は多数のサンプルについて行うのが好ましいが、説明及び図示の便宜のため、図2では12個のサンプルについてのみ記載している。
図3からわかるように、蜜散りリンゴは図3の分布図中左方のグループiに、蜜中入りリンゴは同右方のグループiiiに、蜜小入りリンゴはグループiとグループiiiとの間のグループiiに属している。
【0033】
グループiは、第二透過光強度が0〜0.3の範囲内、グループiiは、第二透過光強度が0.3〜0.8の範囲内、グループiiiは、第二透過光強度が0.7〜2.0の範囲内である。
したがって、リンゴ2の第二透過光強度を求め、メモリ8aに記憶された基準データに基づいて、当該リンゴ2の第二透過光強度がどのグループに属するのかを判断することで、当該リンゴ2の内部品質の状態を判別することが可能になる。
【0034】
[第二の実施形態]
次に、図1,図4及び図5を参照しながら、本発明の第二の実施形態について説明する。
この第二の実施形態では、一つの比強度を用いたリンゴ2の内部欠陥(褐変)の判別を行う。
この実施形態では、図1に示した判別装置のうち、無偏光ビームスプリッタ4aを透過して直進した透過光の進路上に配置された第一波長フィルタ5aと、第一波長フィルタ5aを通過した所定波長の光を受光する第一光センサ6aと、第一及び第二透過光強度信号が入力され、これら第一及び第二透過光強度信号に基づいて比強度を計算する比強度計算部7と、比強度の基準データを記憶するメモリ8bとを利用する。
【0035】
無偏光ビームスプリッタ4aを透過して直進した透過光は、第一波長フィルタ5aへ入射する。近赤外領域では、800nm〜810nm附近に、山となるピークを形成する。そこで、この実施形態では、第一波長フィルタ5aとして、800nm±30nmの狭域干渉フィルタを用いた。この第一波長フィルタ5aは、入射した透過光のうち、赤外領域の770nm〜830nmの範囲の光のみを選択的に透過させる。
【0036】
第一波長フィルタ5aを透過した光は、第一光センサ6aへ入射する。第一光センサ6aは、第一波長フィルタ5aの透過光の透過光強度を計測する。計測結果は、第一透過光強度信号として出力される。
メモリ8bに記憶される比強度の基準データは、予め上記した四通りの内部品質のリンゴ2を多数用意し、これらリンゴについての比強度のデータをとり、これらデータにもとづいて得られたものである。
【0037】
図4及び図5は、この実施形態における判別方法を説明するための図で、図4は、蜜散りリンゴ,蜜中入りリンゴ及び蜜小入りリンゴ及び褐変リンゴのサンプルについて比強度を計算した結果を示す表、図5は、図4の比強度の分布を表す分布図である。
なお、第一の実施形態の第二透過光強度による判別の場合と同様に、判別の正確を期するため、比強度の測定は多数のサンプルについて行うのが好ましいが、説明及び図示の便宜のため、図4では12個のサンプルについてのみ記載している。
【0038】
図5からわかるように、蜜散りリンゴ,蜜中入りリンゴ及び蜜小入りリンゴの良品のリンゴはグループIに属し、褐変リンゴはグループIIに属している。
グループIは、比強度が0.3994〜0.6048の範囲内、グループIIは、比強度が0.1829〜0.2866の範囲内であった。
したがって、リンゴ2の比強度を求め、メモリ8Bに記憶された基準データに基づいて、当該リンゴ2の比強度がどのグループに属するのかを判断することで、当該リンゴ2の内部欠陥(褐変)を判別することが可能になる。
【0039】
[第三の実施形態]
次に、本発明の第三の実施形態を、図6〜図8を参照しながら説明する。
この第三の実施形態では、複数(二つ)の透過光強度を用いてリンゴの内部品質の判別を行う。なお、この実施形態において、第一の実施形態で説明した判別装置の部材,部位と同一の部材,部位には同一の符号を付して、詳しい説明は省略する。
【0040】
図6は、第三の実施形態にかかる判別方法を実施するための判別装置の構成を説明するブロック図である。
図6に示すように、この実施形態の判別装置は、リンゴ2に光を照射する光源1と、リンゴ2を透過した光(透過光)を集光する集光器3と、この集光器3によって集光された透過光を分光する直列配置された二つの無偏光ビームスプリッタ4a,4bと、無偏光ビームスプリッタ4aによって分光された透過光が入射するように配置された第二波長フィルタ5bと、無偏光ビームフィルタ4bによって分光された透過光が入射するように配置された第三波長フィルタ5cと、第二及び第三波長フィルタ5b,5cを通過した所定波長の光を受光する第二及び第三光センサ6b,6cと、第二及び第三光センサ6b,6cから出力された第二及び第三透過光強度信号に基づいてリンゴ2の内部品質を判別する判別部8とを有している。
【0041】
判別部8は、リンゴの内部品質の状態として前述した、▲1▼蜜散りリンゴ、▲2▼蜜中入りリンゴ、▲3▼蜜小入りリンゴ及び、▲4▼褐変リンゴのそれぞれについて、予めサンプリングによって得られた第二及び第三透過光強度に関する基準データを記憶するメモリ8aを有している。
【0042】
上記構成の判別装置による第二透過光強度及び第三透過光強度を用いた判別の手順を、図6〜図8を参照しながら説明する。
リンゴ2の透過光は、集光器3によって集光され、無偏光ビームスプリッタ4aに入射され、次いで無偏光ビームスプリッタ4bへ入射される。無偏光ビームスプリッタ4aによって分波された透過光の一つは、第二波長フィルタ5bへ入射する。第二波長フィルタ5bは、650nm±30nmの狭域干渉フィルタであり、入射した透過光のうち、可視光領域の620nm〜680nmの範囲の光のみを選択的に透過する。
第二波長フィルタ5bを透過した光は、第二光センサ6bへ入射する。第二光センサ6bは、第二波長フィルタ5bの透過光の透過光強度を計測する。計測結果は、第一透過光強度信号として出力される。
【0043】
また、無偏光ビームスプリッタ4bによって分波された透過光の一つは、第三波長フィルタ5cへ入射する。第三波長フィルタ5cは、710nm±30nmの狭域干渉フィルタであり、入射した透過光のうち、可視光領域の680nm〜740nmの範囲の光のみを選択的に透過する。
第三波長フィルタ5cを透過した光は、第三光センサ6cへ入射する。第三光センサ6cは、第三波長フィルタ5cの透過光の透過光強度を計測する。計測結果は、第三透過光強度信号として出力される。
【0044】
第二及び第三透過光強度信号は、判別部8に入力される。判別部8による内部品質の判別処理は、先の実施形態と同様に、光源1の前面の所定位置に、検査対象であるリンゴ2が位置していることを条件に行われる。
メモリ8aには、第二及び第三透過光強度に関する基準データが、予め設定されている。この基準データは、予め上記した四通りの内部品質のリンゴ2を多数用意し、これらリンゴについての第二及び第三透過光強度のデータをとり、これらデータにもとづいて求めたものである。
【0045】
判別部8は、第二透過光強度信号及び第三透過光強度信号とから、測定したリンゴ2の可視光領域のピーク波長帯における第二及び第三透過光強度を計算によって求め、これらを、メモリ8aから読み出した第二透過光強度及び第三透過光強度の基準データと比較して、リンゴ2の内部品質を判別する。
【0046】
図7は、蜜散りリンゴ,蜜中入りリンゴ,蜜小入りリンゴ及び褐変リンゴのサンプルについて、第二及び第三透過光強度を計測した結果を示す表、図8は、図7の計測結果を、縦軸を第二光透過強度,横軸を第三透過光強度とする座標上にプロットしたものである。
【0047】
なお、判別の正確を期するために、第二及び第三透過光強度の測定は多数のサンプルについて行うのが好ましいが、説明及び図示の便宜のため、図7では12個のサンプルについてのみ記載している。
図8から、蜜散りリンゴ,蜜中入りリンゴ及び蜜小入りリンゴの計測結果は、ほぼ直線状に集まっていることがわかる。そこで、最小自乗法等の公知の手法を用いて、蜜散りリンゴ,蜜中入りリンゴ及び蜜小入りリンゴの計測結果に最も近い直線Fを得た。
【0048】
また、得られた直線Fと各サンプルのプロットとから、蜜散りリンゴは直線Fの下方の領域iの範囲内に、蜜中入りリンゴは直線Fの上方の比較的広い領域iiiの範囲内に、蜜小入りリンゴは、領域i及び領域iiiの間の領域iiの範囲内にほぼ収まり、褐変リンゴは、領域i,ii,iiiのいずれにも属さないことがわかる。
【0049】
図4のグラフにおいては、具体的には、
▲1▼ 蜜散りリンゴ(領域i)
第二透過光強度 0〜0.3,第三透過光強度 0.1〜0.6の範囲内
▲2▼ 蜜小入りリンゴ(領域ii)
第二透過光強度 0.1〜0.4,第三透過光強度 0.3〜0.8の範囲内
▲3▼ 蜜中入りリンゴ(領域iii)
第二透過光強度 0.4〜2.5,第三透過光強度 0.7〜3.0の範囲内
▲4▼ 褐変リンゴ
上記の範囲外
である。
【0050】
もちろん、各領域i,ii,iiiの範囲については、リンゴ2の種類等によって異なるので、リンゴ2の種類等に応じて、各領域i,ii,iiiを設定する必要がある。
以上のことから、直線F及び上記の領域i,ii,iiiの範囲をメモリ8aに予め設定しておき、検査対象であるリンゴ2に光を照射して得られた第二及び第三透過光強度から、このリンゴ2が領域i,ii,iiiのいずれに属するのか或いは属しないかを判断することによって、当該リンゴ2の内部品質を判別することができる。
【0051】
[第四の実施形態]
この第三の実施形態のさらに他の実施形態である第四の実施形態を、図6,図9及び図10を参照しながら説明する。
この実施形態では、図6に示した判別装置のうち、無偏光ビームフィルタ4a,4bを透過して直進した透過光が入射するように配置された第一波長フィルタ5aと、第一波長フィルタ5aを通過した所定波長の光を受光する第一光センサ6aと、第一,第二及び第三光センサ6a,6b,6cから出力された第一,第二及び第三透過光強度信号が入力され、これら第一,第二及び第三透過光強度信号に基づいて比強度を計算する比強度計算部7とを利用する。
【0052】
図9は、各サンプルごとに、第一透過光強度と第二透過光強度との比である第一比強度及び第一透過光強度と第三透過光強度との比である第二比強度を求め、その結果を表に示したもの、図10は、図9の表に示した各サンプルの第一比強度と第二比強度とを、縦軸を第一比強度,横軸を第二比強度とする座標上にプロットし、蜜散りリンゴ,蜜中入りリンゴ,蜜小入りリンゴ及び褐変リンゴのそれぞれをグループ化したものである。
【0053】
図10に示すように、蜜散りリンゴ,蜜中入りリンゴ,蜜小入りリンゴ及び褐変リンゴは、それぞれ、グループI,II,III,IVの範囲内にほぼ収束する。
図10においては、具体的には、
▲1▼ 蜜散りリンゴ(グループI)
第一比強度 0.1481〜0.2928,第二透過光強度 0.3994〜0.5939の範囲内
▲2▼ 蜜小入りリンゴ(グループII)
第一比強度 0.2014〜02483,第二比強度 0.4293〜0.5483の範囲内
▲3▼ 蜜中入りリンゴ(グループIII)
第一比強度 0.2295〜0.3204,第二比強度 0.4236〜0.6048の範囲内
▲4▼ 褐変リンゴ(グループIV)
第一比強度 0.25〜0.5867,第二比強度 0.1829〜0.2866の範囲内
である。
【0054】
以上より、検査対象であるリンゴ2の第一比強度と第二比強度とから、このリンゴ2が図10のどのグループに属するのかを判断することによって、このリンゴ2の内部品質を判別することができる。
もちろん、各グループI〜IVの範囲については、リンゴ2の種類等によって異なるので、リンゴ2の種類等に応じて各グループI〜IVの範囲を設定するようにするとよい。
【0055】
[第五の実施形態]
リンゴ2のように、中央に芯を有するいわゆる有芯青果物においては、芯が照射された光を遮って部分的に陰ができるという問題がある。そのため、この第五の実施形態では、一つのリンゴ2に対して、複数の方向から光を照射し、それらの透過光強度及び/又は比強度を求め、それぞれの透過光強度及び/又は比強度に基づいてリンゴ2の内部判別を行い、それらを総合して最終的な判別を行うようにしてもよい。このようにすることにより、一方向からの光の照射だけではリンゴ2の芯によって陰となる部分に対しても、光を透過させることができるので、一つのリンゴ2の全体について漏れなく検査を行うことができ、より正確にリンゴの内部品質の判別を行うことができる。
以下、図11〜図13を参照しながら具体的に説明する。
【0056】
なお、図11〜図13においては、図1及び図6で示した無偏光スプリッタ4a,4b,第一,第二及び第三波長フィルタ5a,5b,5c,光センサ6a,6b,6c,比強度計算部7が、装置本体Mに含まれているものとする。
図11に示す例では、二つの光源1a,1bが、リンゴ2の芯2aを通る軸線(図11の紙面に直交する軸線)を中心に、光の照射方向がα=90度の角度をなすように配置されている。
そして、光源1aと光源1bとを交互に発光させたり、光源1a,1b又は集光器3a,3bにシャッタを設けたりして、光源1aの透過光と光源1bの透過光とが交互に無偏光ビームスプリッタ4a(図1又は図6参照)に入射するようにするとよい。
【0057】
透過光を受光する集光器3a,3bは、光源1a,1bのそれぞれに対応して配置されている。そして、リンゴ2を透過した光源1aの透過光は集光器3aに集光され、リンゴ2を透過した光源1bの透過光は集光器3bに集光される。
なお、光源1a,1b及び集光器3a,3bは、二つに限らず、三つ以上とすることも可能である。また、リンゴ2の後方(装置本体M側)に反射鏡やレンズ等を設けて透過光を屈折させ、複数の光源の透過光を単一の集光器に集光するようにすることも可能である。
【0058】
図12及び図13は、異なる複数の方向から光を照射するようにした他の実施形態の説明図である。
図12の例では、リンゴ2を搬送するコンベア10に沿って、光の照射方向が異なる角度になるように、二つの光源21a,21bと二つの集光器23a,23bとが離間して配置されている。二つの光源21a,21bによる光の照射方向は、前記したように90度となるようにするのがよい。
【0059】
そして、コンベア10によって搬送されたリンゴ2は、まず、光源21aと集光器23aとの間の位置で停止して光源21aから光が照射され、次いで、コンベア10によって光源21bと集光器23bとの間の位置まで移動して、光源21bから光が照射される。
【0060】
なお、この例では、無偏光ビームスプリッタ4,第一及び第二波長フィルタ5a,5b,光センサ6a,6b,比強度計算部7を含む装置本体Mを、光源21aと集光器23aの組及び光源21bと集光器23bの組の各々について設け、この二つの装置本体M,Mから比強度信号を共通の判別部8に入力するようにしている。
【0061】
図13の例では、コンベア10によるリンゴ2の搬送方向と直交する方向から光を照射できるように、二つの光源31a,31bと二つの集光器33a,33bとが離間して配置されている。
光源31a及び集光器33aと光源31b及び集光器33bとの間には、リンゴ2の姿勢を90度回転させる姿勢変換装置11が設けられている。
【0062】
この姿勢変換装置11は、駆動プーリ11a及び従動プーリ11bと、駆動プーリ11aと従動プーリ11bとの間に巻掛けられたベルト11cとを、コンベア10によるリンゴ2の搬送経路の両側に設けてなっている。
そして、各々のベルト11,11を互いに逆向きに走行させることで、コンベア10によって搬送されるリンゴ2を90度回転させるようになっている。
【0063】
コンベア10によって搬送されたリンゴ2は、まず、光源31aと集光器33aとの間の位置で停止して光源31aから光が照射され、次いで、コンベア10によって搬送される間に、姿勢変換装置11によって90度回転され、光源31bと集光器33bとの間の位置で光源21bから光が照射される。
【0064】
なお、特に図示はしないが、この図13の例では、図12の例と同様に、光源31aと集光器33aの組及び光源31bと集光器33bの組の各々に対応して二つの装置本体M,Mを設け、この装置本体M,Mから比強度信号が共通の判別部8に入力されるようにしている。
【0065】
リンゴ2に対して異なる方向から光を照射させる他の実施形態は、上記の図12及び図13に示すものには限られない。
例えば、サーボモータ等を用いて、芯2aを通る軸線を中心にリンゴ2を回転させ、リンゴ2が所定角度回転したところで、単一の光源から光を照射して内部品質の判別を行うようにしてもよい。
【0066】
この実施形態において判別部8には、光源1aの光の照射による比強度信号と、光源1bの光の照射による比強度信号とが交互に入力されるため、各々について上記した第一〜第四の実施形態の判別方法によってリンゴ2の内部品質の判別を行った後、これら各々の判別結果を総合して、リンゴ2の内部品質の最終的な判別を行う。
【0067】
例えば、リンゴ2の内部品質が、▲1▼蜜散りリンゴ、▲2▼蜜中入りリンゴ、▲3▼蜜小入りリンゴ及び、▲4▼褐変リンゴに区分けされている場合において、光源1aの光の照射による比強度に基づく判別結果が▲1▼蜜散りリンゴで、かつ、光源1bの光の照射による比強度に基づく判別結果も▲1▼蜜散りリンゴである場合は、判別部8は、最終的に、このリンゴ2の内部品質を▲1▼蜜散りリンゴと判別する。
また、光源1aの光の照射による比強度に基づく判別結果が▲1▼蜜散りリンゴであり、光源1bの光の照射による比強度に基づく判別結果が▲2▼蜜中入りリンゴである場合は、判別部8は、最終的に、このリンゴ2の内部品質を▲2▼蜜中入りリンゴと判別する。
【0068】
このように、この第五の実施形態によれば、異なる方向からリンゴ2に光を照射し、それぞれの照射方向ごとに内部品質の判別を行い、これらを総合してリンゴ2の最終的な内部品質の判別を行うようにしているので、より正確にリンゴ2の内部品質を判別することができるという利点がある。
なお、この第五の実施形態の判別方法は、リンゴ2に限らず、内部に芯を有する有芯青果物に広く適用が可能である。
【0069】
本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。
例えば、上記の説明では、▲1▼蜜散りリンゴ、▲2▼蜜中入りリンゴ、▲3▼蜜小入りリンゴ及び、▲4▼褐変リンゴの四通りの内部品質を判別するものとして説明したが、内部品質の区分けは上記の四通りに限らず、三通り以下でもよいし、五通り以上であってもよい。
【0070】
また、上記の説明では、可視光領域の一つ又は二つの透過光強度又は一つ又は二つの比強度を用いて判別を行うものとしたが、三つ以上の透過光強度又は比強度を用いて内部品質の判別を行うようにしてもよい。この場合も、必要に応じて透過光強度による判別方法と比強度による判別方法を組み合わせることで、より正確なリンゴの内部品質の判別を行うことが可能になる。
【0071】
さらに、本発明においては、第一の実施形態の判別方法と第二の実施形態の判別方法、第三の実施形態の判別方法と第四の実施形態の判別方法を適宜に組み合わせることで、より正確な内部品質の判別を行うことができる。
【0072】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、少なくとも一つの透過光強度及び/又は少なくとも一つの比強度に基づいて、蜜散り、蜜中入り、蜜小入り及び褐変の内部品質を、容易かつ正確に判別することができる。
また、透過光強度を用いた判別方法と比強度を用いた判別方法を組み合わせることで、より正確に内部品質を判別することができる。
さらに、透過率を単に測定するだけの従来技術では判別することが困難であった褐変の判別も、含水量や蜜の減少による内部品質の変化と区別して、容易かつ確実に判別することができるようになる。
また、光をリンゴ2の複数の方向から照射するようにすることで、芯によって陰となる部分を減少又は無くすことができ、より正確な判別を行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態にかかり、リンゴの内部品質検査方法を実施する判別装置の構成を説明するためのブロック図である。
【図2】サンプルごとの第一及び第二透過光強度の計測結果を示す表である。
【図3】第二透過光強度の分布を示す図である。
【図4】本発明の第二の実施形態にかかり、蜜散りリンゴ,蜜中入りリンゴ及び蜜小入りリンゴ及び褐変リンゴのサンプルについて、比強度を計測した結果を示す表である。
【図5】図4の比強度の分布を表す分布図である。
【図6】第三の実施形態にかかる判別方法を実施するための判別装置の構成を説明するブロック図である。
【図7】蜜散りリンゴ,蜜中入りリンゴ,蜜小入りリンゴ及び果肉及び/又は蜜が褐変したリンゴのサンプルについて、第二及び第三透過光強度を計測した結果を示す表である。
【図8】図7の計測結果を、縦軸を第二光透過強度,横軸を第三透過光強度とする座標上にプロットしたものである。
【図9】各サンプルごとに、第一透過光強度と第二透過光強度との比である第一比強度及び第一透過光強度と第三透過光強度との比である第二比強度を求め、その結果を表に示したものである。
【図10】図9の表に示した各サンプルの第一比強度と第二比強度とを、縦軸を第一比強度,横軸を第二比強度とする座標上にプロットし、蜜散りリンゴ,蜜中入りリンゴ,蜜小入りリンゴ及び褐変リンゴのそれぞれをグループ化したものである。
【図11】本発明における内部品質判別装置の一実施形態の構成を説明するためのブロック図である。
【図12】リンゴに対して異なる方向から光を照射させる他の実施形態の説明図である。
【図13】リンゴに対して異なる方向から光を照射させる他の実施形態の説明図である。
【図14】リンゴの透過分光スペクトルの経時変化の一例を示すグラフである。
【符号の説明】
1 光源
2 リンゴ
3 集光器
4a,4b 無偏光ビームスプリッタ
5a,5b,5c 波長フィルタ
6a,6b,6c 光センサ
7 比強度計算部
8 判別部
8a,8b メモリ

Claims (8)

  1. 蜜の状態がいろいろなリンゴを準備し、これらのリンゴに光を照射したときの透過光の可視光領域から近赤外線領域までにおける三つ以上の波長帯のそれぞれの透過光強度を測定し、これら測定した透過光強度のうちの一つの波長帯の透過光強度を他の波長帯の透過光強度で演算した第一比強度を算出し、前記一つの波長帯とは異なる波長帯の透過光強度を他の波長帯の透過光強度で演算した第二比強度を算出し、これら算出した第一比強度及び第二比強度の分布にもとづき前記蜜の状態の各分類ごとに比強度の範囲を定めて記憶し、
    検査対象であるリンゴに光を照射し、透過した光を可視光領域から近赤外線領域においてピークを形成する複数の波長帯に分光し、前記可視光領域から近赤外線領域までにおける三つ以上の波長帯のそれぞれの透過光強度を測定し、これら測定した透過光強度のうちの一つの波長帯の透過光強度と他の波長帯の透過光強度の比率である第一の比強度を算出し、前記一つの波長帯とは異なる波長帯の透過光強度を他の波長帯の透過光強度で演算した第二の比強度を算出し、これら算出した第一の比強度及び/又は第二の比強度が前記記憶した各分類ごとの比強度のどの範囲に属するかを判断して、前記検査対象であるリンゴの蜜の状態を判別する
    ことを特徴とするリンゴの内部品質検査方法。
  2. 蜜の状態がいろいろなリンゴを準備し、これらリンゴに光を照射したときの透過光の可視光領域における少なくとも一つの波長帯の透過光強度を測定し、これら測定した透過光強度の分布にもとづき前記蜜の状態の各分類ごとに透過光強度の範囲を定めて記憶するとともに、前記可視光領域における前記波長帯の透過光強度を近赤外線領域における一つの波長帯の透過光強度で演算した少なくとも一つの比強度を算出し、これら算出した比強度の分布にもとづき前記蜜の状態の各分類ごとに比強度の範囲を定めて記憶し、
    検査対象であるリンゴに光を照射し、透過した光を可視光領域から近赤外線領域においてピークを形成する複数の波長帯に分光し、前記可視光領域における少なくとも一つの波長帯の透過光強度を測定し、前記可視光領域における少なくとも一つの波長帯の透過光強度と前記近赤外線領域における一つの波長帯の透過光強度の比率である少なくとも一つの比強度を算出し、前記測定した透過光強度が前記記憶した各分類ごとの透過光強度のどの範囲に属するかを判断するとともに、前記算出した比強度が前記記憶した各分類ごとの比強度のどの範囲に属するかを判断して、前記検査対象であるリンゴの蜜の状態を判別する
    ことを特徴とするリンゴの内部品質検査方法。
  3. 可視光領域の検出すべき波長帯として、前記可視光領域のピーク波長帯として、650nm±30nm、又は、710nm±30nmのいずれか一つの波長帯を選択するとともに、前記近赤外線領域のピーク波長帯として、800nm±30nmを選択する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のリンゴの内部品質検査方法。
  4. リンゴに対して複数の方向から光を照射し、これら複数の方向における透過光ごとに前記請求項1〜3のいずれかに記載の方法によってリンゴの内部品質の判別を行う
    ことを特徴とするリンゴの内部品質検査方法。
  5. 前記光の照射角度を前記リンゴに対して相対的に変化させることで、
    リンゴに対して複数の方向から光を照射するようにした
    ことを特徴とする請求項4に記載のリンゴの内部品質検査方法。
  6. 前記リンゴに単一の前記光源から光を照射し、前記リンゴを所定角度回転させることで前記光の照射方向を変化させる
    ことを特徴とする請求項5に記載のリンゴの内部品質検査方法。
  7. 複数の前記光源を、前記リンゴの周囲の異なる位置に配置し、この複数の光源から順次前記リンゴに向けて光を照射する
    ことを特徴とする請求項4又は5に記載のリンゴの内部品質検査方法。
  8. 光の照射方向を90度変化させる
    ことを特徴とする請求項4〜7のいずれかに記載のリンゴの内部品質検査方法。
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