JP3570367B2 - 樹脂成形品の製造法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、合成樹脂繊維で構成した補強基材を用い、これを充填した樹脂成形品を製造する方法に関する。殊に、補強基材を成形金型に収容し、成形金型に注入した液状樹脂を補強基材に含浸して加熱硬化させる樹脂成形品の製造法(注入成形法)に関する。
【0002】
【従来の技術】
合成樹脂繊維で構成した補強基材は、合成樹脂繊維からなる又は合成樹脂繊維を主成分とするフェルトや不織布、合成樹脂繊維からなる又は合成樹脂繊維を主成分とする糸を使用した織物や編物である。合成樹脂繊維はその重合液から紡糸し洗浄して得られるが、フェルトや不織布は所定長に裁断した前記繊維を集積したり抄造して製作する。織物や編物は、前記繊維を複数本収束した又は撚った糸を使用して製作する。糸の段階で又は織物や編物に仕上げた段階で、精練し洗浄する。
【0003】
注入成形においては、所定の形状に整えた上記補強基材を、必要に応じて他のインサート物と共に成形金型に収容し、成形金型に注入した液状樹脂を前記補強基材に含浸して加熱硬化させる。成形金型を閉じた後は、通常、液状樹脂の注入と加熱硬化の工程を通じて、成形圧力を加えることはない。液状樹脂の補強基材への浸透を高めるために、通常、成形金型内を減圧にした状態で液状樹脂の注入を行なっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように成形工程で圧力を加えることがない注入成形においては、成形金型に注入した液状樹脂を補強基材に十分に浸透させることが、品質のよい成形品を得る上で重要である。本発明が解決しようとする課題は、合成樹脂繊維で構成した補強基材を成形金型に収容して注入成形を行なうに当たり、補強基材に含浸した液状樹脂の補強基材への浸透性を良くすることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するために、本発明に係る製造法は、合成樹脂繊維で構成した補強基材が合成樹脂繊維からなる又は合成樹脂繊維を主成分とする糸を使用した織物ないしは編物である場合には、補強基材の質量に対し0.03〜0.2%の量で非イオン系界面活性剤を付着させておく。このような補強基材を成形金型に収容し、成形金型に注入した液状樹脂を補強基材に含浸して加熱硬化させる。
【0006】
成形金型に注入した液状樹脂は、補強基材を構成する合成樹脂繊維の表面を濡らしながら繊維間に浸透していく。前記合成樹脂繊維表面の濡れが液状樹脂の繊維間への浸透を促進する。補強基材、すなわち合成樹脂繊維に付着させた非イオン系界面活性剤は、合成樹脂繊維表面を液状樹脂で濡れやすくし、液状樹脂が繊維間に浸透していくのを助ける。
【0007】
また、本発明に係る製造法は、合成樹脂繊維で構成した補強基材が所定長に裁断した合成樹脂繊維又は合成樹脂繊維を主成分とし、これら繊維を集積又は抄造したフェルトないしは不織布である場合には、補強基材の質量に対し0.08〜0.2%の量で非イオン系界面活性剤を付着させておく。このような補強基材を成形金型に収容し、成形金型に注入した液状樹脂を補強基材に含浸して加熱硬化させる。
特に、単繊維を直接集積又は抄造したフェルトないし不織布は、織目や編目を有する織物や編物より、小さい繊維間隙が連続した状態にある。補強基材がフェルトないし不織布の場合には液状樹脂が繊維間に浸透しにくいので、本発明に係る方法を適用することは極めて有用である。
【0008】
上記各発明において、補強基材に付着させる非イオン系界面活性剤の量が少ないと、液状樹脂の浸透性を高める効果が不十分である。一方、補強基材に付着させる非イオン系界面活性剤の量が多いと、成形品強度が低下する。従って、補強基材に付着させる非イオン系界面活性剤の量を上記の範囲に制限する。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明に係る方法を実施するに当たり、補強基材を構成する合成樹脂繊維は、パラ系アラミド繊維、メタ系アラミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維など高強度の繊維を選択すると良い。これらを単独で又は混合して用いる。ガラス繊維等の無機繊維を混合してもよい。補強基材は、例えば、パラ系アラミド繊維(繊維長50mm,繊維径16μm)とメタ系アラミド繊維(繊維長50mm,繊維径16μm)を混紡した糸の織物や編物である。また、前記パラ系アラミド繊維とメタ系アラミド繊維を気中散布して集積し厚さ方向にニードリング処理をしたフェルトである。
これらの補強基材に、非イオン系界面活性剤、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテルを付着させる。付着の操作は、非イオン系界面活性剤の水溶液に補強基材を浸漬し、その後乾燥すればよい。付着量は、非イオン系界面活性剤の水溶液濃度で調整する。または、非イオン系界面活性剤の水溶液を補強基材に一定量噴霧した後乾燥する。
【0010】
上記のような補強基材を所定の形状に整え、成形金型に収容して注入成形をする。所定の形状に整えるとは、例えば、
(1)シート状の補強基材を積層して厚味を増す、
(2)シート状の補強基材を巻いて棒状にする、
(3)シート状の補強基材を巻いて筒状にする、必要に応じその内側に一体成形するためのインサート物を配置する、
(4)筒状に織ったり編んだ補強基材を端部から軸方向に巻き上げリング状にする、必要に応じその内側に一体成形するためのインサート物を配置する
などである。さらに、成形金型の形状に近似するように、補強基材を別の金型で予備成形してもよい。
【0011】
補強基材を収容した成形金型に注入する液状樹脂は、架橋ポリアミノアミド、エポキシ樹脂、ポリイミドなどである。これら液状樹脂を、減圧状態(1300Pa程度)の成形金型に注入して補強基材に含浸し加熱硬化させる。
【0012】
【実施例】
実施例1〜4,比較例1〜2,従来例1
パラ系アラミド繊維とメタ系アラミド繊維の混紡糸(パラ系アラミド繊維混紡量:50質量%)で編んだ(丸編み)筒状体を用意する。この筒状体には、その質量に対して、表1に示した各量で、非イオン系界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテルを付着させてある。尚、従来例1では、非イオン系界面活性剤を付着させていない。
この筒状体を軸方向に巻き上げてリング状に整え、さらに断面が矩形になるように注入成形とは別の金型で予備成形した補強基材を準備した。この補強基材を二段に重ねて成形金型に収容し、成形金型に注入した架橋ポリアミノアミドを当該補強基材に含浸し加熱硬化させて、外径90mm,内径60mm,厚さ14mmの樹脂成形品を得た。成形品中の樹脂含有率は40質量%である。
表1には、補強基材への非イオン系界面活性剤の付着量と共に、樹脂の補強基材への浸透性を調査した結果を併せて示した。調査方法は、成形品の断面を観察する方法で、樹脂が浸透した面積を断面積で除した比率で示した。また、厚み4mm,幅10mm,長さ80mmの曲げ強度測定用試験片を同様に注入成形し、強度比較を行なった。この試験片は、いずれの例においても樹脂の浸透性が100%となるように寸法形状を設定してある。
【0013】
【表1】
Figure 0003570367
【0014】
表1から、合成樹脂繊維で構成した補強基材が合成樹脂繊維からなる又は合成樹脂繊維を主成分とする糸を使用した織物ないしは編物である場合には、補強基材の質量に対し0.03%以上の量で非イオン系界面活性剤を付着させておくことにより、樹脂の浸透性が確実になることを理解できる。樹脂の浸透が不十分な箇所がわずかでもあると、当該箇所から早期に劣化が始まってしまう。非イオン系界面活性剤の付着量が0.2%を越えると、樹脂の浸透性は確実であっても、機械強度が低下することも理解できる。
【0015】
実施例5〜7,比較例3〜5,従来例2
パラ系アラミド繊維とメタ系アラミド繊維を混合したフェルト(パラ系アラミド繊維混合量:50質量%)を用意する。このフェルトには、その質量に対して、表2に示した各量で、非イオン系界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテルを付着させてある。尚、従来例2では、非イオン系界面活性剤を付着させていない。
このフェルトを複数回巻いて筒状にし、さらに断面が矩形になるように、注入成形とは別の金型で軸方向に圧縮して予備成形したリング状の補強基材を準備した。この補強基材を成形金型に収容し、成形金型に注入した架橋ポリアミノアミドを当該補強基材に含浸し加熱硬化させて、外径90mm,内径60mm,厚さ14mmの樹脂成形品を得た。成形品中の樹脂含有率は40質量%である。
表2には、補強基材への非イオン系界面活性剤の付着量と共に、樹脂の補強基材への浸透性ならびに試験片の曲げ強度を表1と同様に調査した結果を併せて示した。
【0016】
【表2】
Figure 0003570367
【0017】
表2から、合成樹脂繊維で構成した補強基材が所定長に裁断した合成樹脂繊維を集積又は抄造したフェルトないしは不織布である場合には、補強基材の質量に対し0.08%以上の量で非イオン系界面活性剤を付着させておくことにより、樹脂の浸透性が確実になることを理解できる。非イオン系界面活性剤の付着量が0.2%を越えると、樹脂の浸透性は確実であっても、機械強度が低下することも理解できる。
【0018】
【発明の効果】
上述のように、本発明に係る方法によれば、補強基材を構成する合成樹脂繊維の液状樹脂に対する濡れ性を良好にし、繊維間に液状樹脂を十分に浸透させた成形品を製造することができる。その結果、経時劣化の少ない信頼性の高い成形品となる。また、非イオン系界面活性剤の付着量を制限することにより、機械強度も十分に維持し確保することができる。

Claims (2)

  1. 合成樹脂繊維で構成した補強基材を成形金型に収容し、成形金型に注入した液状樹脂を補強基材に含浸して加熱硬化させる樹脂成形品の製造において、
    前記補強基材は、合成樹脂繊維からなる又は合成樹脂繊維を主成分とする糸を使用した織物ないしは編物であり、
    前記補強基材には、その質量に対し0.03〜0.2%の量で非イオン系界面活性剤を付着させておくことを特徴とする樹脂成形品の製造法。
  2. 合成樹脂繊維で構成した補強基材を成形金型に収容し、成形金型に注入した液状樹脂を補強基材に含浸して加熱硬化させる樹脂成形品の製造において、
    前記補強基材は、所定長に裁断した合成樹脂繊維又は合成樹脂繊維を主成分とし、これら繊維を集積又は抄造したフェルトないしは不織布であり、
    前記補強基材には、その質量に対し0.08〜0.2%の量で非イオン系界面活性剤を付着させておくことを特徴とする樹脂成形品の製造法。
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