JP3570160B2 - 距離測定方法及び装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、測定対象物体までの距離を測定する距離測定方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、写真フィルムや固体撮像素子などの2次元画像受光面の中心を基点として対象物体との距離を測定する技術が、オートフォーカス技術として実用化されている。ところが、この技術は、結像というその目的から本質的に対象物体上の1点からの距離を測定するものである。
【0003】
また、対象物体に接触して3次元形状を測定したり反射鏡を用いて三角測量を行うことにより対象物体の3次元形状を測定するいわゆる3次元デジタイザも実用化されているが、対象物体の2次元画像を構成する画素に測定点を対応させるものではない。この他にも対象物体の3次元形状を測定する種々の光計測技術(例えば刊行物「O plus E」第202号の80〜87ページ及び118ページ参照)が提案されているが、対象物体の2次元画像を構成する画素との距離測定を行うものではない。
【0004】
一方、遠方より非接触で対象物体の3次元形状あるいは対象物体表面の複数点の距離を求める光計測技術も提案されている。例えば、画素間の明度情報に基づく特徴量を利用して対応点を求める装置(特開昭61−200424号公報参照)や2次元画像の輝度からエッジを求め3次元形状を生成する方法とその装置(特開平5−181980号公報参照)が開示されている。また、距離計算のデータ量を減らすため、複数輝点の情報から平面を認識し対象物体を連続する平面でとらえる装置(特開平5−280941号公報参照)や直交する2本のスリット光で不連続境界線の3次元座標を求める装置(特開平6−109442号公報参照)が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の光計測技術については、以下のような問題点が指摘されている。即ち、2次元画像のみから対象物体の3次元形状あるいは表面の複数点の距離を求める場合、該対象物体を異なる方向から撮像した複数の画像を入手し対応点(複数画像間で対応する点)を決定するが、その際、画像の明るさや形などを認識するための画像処理を行うのが一般的であるので、対象物体表面の反射率や対象物体の形状などによって画像の明るさや形などが変動し、得られた距離データに誤差が生じることがある。また、対象物体に光を照射しその散乱光の中心位置(輝点)に基づいて対応点を決定する場合は、対象物体を光で走査する必要が生じるため、対象物体が動体であるケースには適用困難となる。さらに、いずれの場合でも測定点の増加に応じて距離の計算時間が増大するため、距離測定を実時間で実行することが困難となる。
【0006】
また、他の光計測技術として、特開平2−197966号公報には、対象物体を撮像した複数の画像を逐次、空間光変調素子によって変調し、その変調結果と対象物体の特徴パターンとのパターンマッチングを行うことで対応点決定を行う装置が示されているが、対象物体を撮像した画像の状態に左右される事には変わりない。また、特開平5−264247号公報には対象物体に複数の波長の光を照射して得られる原色のビデオ信号から対象物体の傾きを求め3次元形状を推定する方法が開示され、特開平6−34323号公報には対象物体からの反射スリット光を分割し対象物体との距離を得る装置が開示されているが、これらの技術も対象物体の表面の反射率に影響されるのは同様である。
【0007】
さらに、対象物体との距離を画素ごとに得る方法として特開平3−139772号公報では、対象物体にスペクトル・パターンを投影し分光感度の異なるセンサで画像入力を行う際に、スペクトル・パターンをセンサのダイナミックレンジが最大になるよう空間的に変調し、その前後の画像間で演算を行う方法及び装置が提案されているが、この技術も反射スペクトルを用いるため、対象物体の表面の反射率に影響されるところは同じである。
【0008】
本発明は、上記問題点を解消するために成されたものであり、測定対象物体表面の反射状態に左右されることなく、短い処理時間で測定対象物体までの距離を測定することができる距離測定方法及び装置を提供する事を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の距離測定方法は、パルス光を一定時間間隔で測定対象物体に照射し、前記測定対象物体により反射された反射パルス光を受光し、パルス光の照射開始から所定時間内に受光された反射パルス光について反射パルス光の各々を一定光量に変換すると共に該変換された光量を反射パルス光のパルス数に応じて蓄積し、前記蓄積した光量に基づいて、前記測定対象物体までの距離を測定する、ことを特徴とする。
【0010】
また、請求項2記載の距離測定方法は、請求項1記載の距離測定方法において、所定光量以上の光量を一定光量に変換する空間光変調素子を用いて、一定光量に変換することを特徴とする。
【0011】
また、請求項3記載の距離測定装置は、パルス光を一定時間間隔で測定対象物体に照射する照射手段と、前記照射手段により照射されたパルス光が前記測定対象物体で反射した反射パルス光を受光する受光手段と、パルス光の照射開始から所定時間内に前記受光手段により受光された反射パルス光について反射パルス光の各々を一定光量に変換する光量変換手段と、前記光量変換手段により変換された光量を反射パルス光のパルス数に応じて蓄積する光量蓄積手段と、前記光量蓄積手段により蓄積された光量に基づいて、前記測定対象物体までの距離を求める距離測定制御手段と、を有することを特徴とする。
【0012】
また、請求項4記載の距離測定装置は、請求項3記載の距離測定装置において、前記測定対象物体を撮像する撮像手段と、前記撮像手段による撮像で得られた測定対象物体の2次元画像と前記距離測定制御手段により求められた距離とを対応付ける対応付け手段と、をさらに有することを特徴とする。
【0013】
上記請求項1記載の距離測定方法では、パルス光を一定時間間隔で測定対象物体に照射し、該測定対象物体により反射された反射パルス光を受光する。
【0014】
ここで、パルス光が照射されてから測定対象物体で反射されその反射パルス光が受光されるまでの時間は、測定対象物体までの距離に比例する。その上、反射パルス光のパルス数は、反射パルス光の光量とは違い、測定対象物体表面の反射状態によって変動することはない。
【0015】
従って、パルス光の照射開始から所定時間内に受光された反射パルス光のパルス数は、測定対象物体までの距離に応じて変化することになり、前記距離が短い場合パルス数は多くなり、前記距離が長い場合パルス数は少なくなる。
【0016】
そこで、請求項1記載の距離測定方法では、パルス光の照射開始から所定時間内に受光された反射パルス光について反射パルス光の各々を一定光量に変換する。これにより、測定対象物体表面の反射状態によって反射パルス光の各々の光量が変動しても、その光量変動の影響を無くし、反射パルス光の各々より常に一定光量を得ることができる。
【0017】
上記のようにして反射パルス光の各々を一定光量に変換すると共に、該変換された光量を反射パルス光のパルス数に応じて蓄積する。これにより、パルス光の照射開始から所定時間内に受光された反射パルス光のパルス数、即ち測定対象物体までの距離に応じた光量が蓄積される。
【0018】
ここでは、測定対象物体までの距離が短い場合、反射パルス光のパルス数が多くなるので、蓄積した光量は多くなる。一方、測定対象物体までの距離が長い場合、反射パルス光のパルス数が少なくなるので、蓄積した光量は少なくなる。
【0019】
そこで、このような測定対象物体までの距離と蓄積した光量との相関関係、即ち測定対象物体までの距離が短くなるに従い蓄積した光量が多くなるという相関関係を利用して、蓄積した光量より測定対象物体までの距離を測定する。
【0020】
これにより、測定対象物体表面の反射状態の影響により反射パルス光の各々の光量が多少変動してもその変動の影響を無くし、従来のような距離計算を行うことなく、測定対象物体までの距離を精度良く且つ実時間で測定することができる。
【0021】
なお、上記で反射パルス光の各々を一定光量に変換する際には、請求項2に記載したように、所定光量以上の光量を一定光量に変換する空間光変調素子を用いることができる。この空間光変調素子は、書込部(受光部)と読取部(変調部)から構成され、書込部では予め定めた所定光量以上の光が照射されると、複数の画素が形成され、これらの画素毎に所定光量に対応する物理量(例えば、抵抗率)が保存される。これと共に、書込部は読取部の対応画素へ作用し、一定光量の読み取り出力が可能な状態にする。これにより、空間光変調素子では、1パルス光を一定光量に変換することができる。
【0022】
上記のような距離測定方法に基づく距離測定を実行する距離測定装置として、請求項3記載の距離測定装置を挙げることができる。
【0023】
この請求項3記載の距離測定装置では、照射手段によってパルス光を一定時間間隔で測定対象物体に照射し、照射されたパルス光が測定対象物体で反射した反射パルス光を受光手段によって受光する。
【0024】
そして、パルス光の照射開始から所定時間内に受光手段により受光された反射パルス光について、光量変換手段によって反射パルス光の各々を一定光量に変換していき、該変換された光量を光量蓄積手段によって反射パルス光のパルス数に応じて(即ち、(一定光量×反射パルス光のパルス数)に相当する光量を)蓄積する。
【0025】
ここでは、測定対象物体までの距離が短いほど、蓄積される光量が多くなるので、この相関関係を利用して、距離測定制御手段によって前記蓄積された光量より測定対象物体までの距離を求める。
【0026】
さらに、請求項4記載の距離測定装置では、撮像手段によって測定対象物体を撮像し、対応付け手段によって、撮像で得られた測定対象物体の2次元画像と、距離測定制御手段によって求められた測定対象物体までの距離とを対応付けることができる。これにより、測定対象物体が複数存在する場合、複数の測定対象物体を撮像した2次元画像と各測定対象物体までの距離とを対応付けることができる。即ち、距離情報付き2次元画像を得ることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明に係る距離測定方法及び装置の実施形態を説明する。まず、本発明に係る距離測定装置の構成を説明する。
【0028】
図1に示すように、距離測定装置10は、パルス光を一定間隔で射出するパルス光源12A及び読み出し光を射出する読み出し光源12Bで構成された光源12と、CCD等で構成された撮像素子14A、レンズ14B、14C、14D、ハーフミラー14E、14F、14H、及びミラー14Gで構成された撮像部14と、受光部16A、光反射部16B及び変調部16Cで構成された空間光変調素子16と、レンズ18A及びハーフミラー18Bで構成された縮小投影部18と、距離測定装置10の各構成機器の動作を制御する制御部20と、画情報を記憶するメモリとしての画像記憶部22と、読み出し光源12Bからの読み出し光を遮断するシャッタ24と、ハーフミラー14Fにより図1において右方向に反射された光を遮断するシャッタ26と、を含んで構成されている。
【0029】
パルス光源12Aからのパルス光は、ハーフミラー14F、レンズ14Dを透過した後、ハーフミラー18Bで反射され、レンズ18Aを介して測定対象物体30に照射される。この測定対象物体30からの反射光は、レンズ18Aを介してハーフミラー18Bを透過し空間光変調素子16の受光部16Aにより受光される。
【0030】
なお、パルス光源12Aから射出されるパルス光の波長及び発光光量は、測定対象物体30で反射された反射パルス光の受光部16Aによる受光量が予め定めたしきい値Jよりも大きくなるよう設定されている(詳細は後述する)。
【0031】
また、レンズ18Aは所定の焦点距離を有しているため、距離測定範囲が定まっている。その距離測定範囲内において要求される距離測定精度に応じて、パルス光源12Aからのパルス光の発光時間間隔及び照射時間が予め設定されている。即ち、発光時間間隔を短くすることでパルス数が増加し、距離測定精度は向上する。なお、距離測定範囲を広くとるために、ピンホールレンズ等の焦点深度が深いレンズ、焦点距離が可変なズームレンズを用いて縮小投影部18を構成しても良い。
【0032】
一方、読み出し光源12Bからの読み出し光は、レンズ14Bを透過した後、ハーフミラー14Eで反射され、変調部16Cに照射される。その反射光はハーフミラー14E、レンズ14C、ハーフミラー14Hを透過して撮像素子14Aにより受光される。
【0033】
空間光変調素子16では、図3(A)に示すように受光部16Aに導かれた反射パルス光1回の光量がしきい値J以上の場合、変調部16Cでの読み出し光量は一定の光量Kに設定され、受光部16Aに導かれた反射パルス光1回の光量がしきい値J未満の場合、変調部16Cでの読み出し光量は光量0に設定される。
【0034】
撮像素子14Aでは、このような読み出し光量を、測定点からの反射パルス数に応じた光量として蓄積する。この蓄積された光量値より各画素毎の距離に応じた画像(即ち、各画素の光量値が距離に応じた光量値に設定された画像、以下、距離画像と称する)が得られ、この距離画像は画像記憶部22に格納される。
【0035】
なお、光反射部16Bは、読み出し光源12Bからの読み出し光が受光部16Aへ進入すること及び測定対象物体30からの反射光が変調部16Cへ進入することを阻止し、受光部16Aと変調部16Cとを光学的に分離するため設けたものである。また、上記では、パルス光でなく連続光を用いても変調部16Cの読み出し光量を2値化することができるが、連続光ではパルス1回と等価になってしまうため、上記のように距離に応じたパルス数を光量に変換して検出することができず、距離と反射とを分離することができない。よって、本実施形態の距離測定装置10では、パルス光を用いている。
【0036】
ところで、図1の距離測定装置10において測定対象物体30を撮像する場合は、図示しない光源からの光が測定対象物体30に照射され、その反射光がミラー18B、14F、14G、14Hで順に反射され、距離画像を得たものと共通の撮像素子14Aへ導かれる。撮像素子14Aによる撮像で得られた測定対象物体30の画像(以下、前述した距離画像と区別するため濃淡画像と称する)は画像記憶部22に格納される。
【0037】
さらに、距離測定装置10では、画像記憶部22に格納した距離画像と濃淡画像とを各画素毎に対応させて、距離情報付き画像を形成する機能(詳細は後述)を有する。
【0038】
次に、本実施形態における作用として、上記距離測定装置10で実行される距離測定処理を説明する。
【0039】
距離測定装置10のオペレータにより距離測定処理の実行が指示されると、制御部20により図4の制御ルーチンが実行開始される。まず、図4のステップ100では、距離画像の形成処理のサブルーチン(図5参照)が実行される。
【0040】
図5のステップ102では、シャッタ24を開きシャッタ26を閉じる。これにより、測定対象物体30からの反射パルス光がミラー14F、14G、14Hを経たルートで撮像素子14Aに投影されることがなくなり、読み出し光源12Bからの読み出し光が空間光変調素子16の変調部16Cに照射される。
【0041】
次のステップ104ではパルス光源12Aからのパルス光を測定対象物体30に一定時間照射し、次のステップ106では測定対象物体30で反射した反射パルス光を空間光変調素子16の受光部16Aに投影する。
【0042】
図2には、各測定点で反射され空間光変調素子16の受光部16Aに導かれた反射パルス光の様子を示している。なお、発光間隔及び照射時間で決まる全パルス数を20とした。この図2に示すようにパルス光を測定対象物体30に照射開始してから所定の測定時間内(パルス数18回に相当)に、近い測定対象物体30Aの測定点Pでは反射パルスは10回、遠い測定対象物体30Bの測定点Pでは反射パルスは1回生じる。
【0043】
各測定点での反射パルス光の光量は、距離による減衰と反射状態の両方の影響を含んでいるため、異なる値となる。このため、空間光変調素子16では、受光部16Aに導かれた1つの反射パルス光の光量がしきい値J以上の場合、変調部16Cでの読み出し光量を一定光量Kに変換し、1つの反射パルス光の光量がしきい値J未満の場合、変調部16Cでの読み出し光量を光量0に変換する。
【0044】
その一方で、パルス光源12Aから射出されるパルス光の波長及び発光光量は、反射パルス光の受光部16Aによる受光量が上記しきい値J以上になるよう設定されている。即ち、空間光変調素子16の受光部16Aで反射パルス光を受光した画素については、その受光量がしきい値J以上になり、変調部16Cでの読み出し光量が一定光量Kとなる。一方、空間光変調素子16の受光部16Aで反射パルス光を受光していない画素については、その受光量がしきい値J未満なので、変調部16Cでの読み出し光量が光量0となる。
【0045】
これにより、測定対象物体30の表面の反射状態によって1つの反射パルス光の光量が変動しても、その光量変動の影響を無くし、空間光変調素子16の受光部16Aで反射パルス光を受光したか否かに応じて、変調部16Cでの読み出し光量が光量Kと光量0とで切り替わることになる。
【0046】
次のステップ108では反射パルス1回当たりで等しい光量(上記読み出し光量K)として空間光変調素子16の変調部16Cより各画素毎の光量を読み出し、次のステップ110では所定の読み出し時間内の反射パルス数に比例した各画素毎の光量を撮像素子14Aに蓄積する。この蓄積された光量値より距離情報が得られる。
【0047】
例えば、受光部16Aにおける1つの画素で複数パルス数の反射パルスが受光された場合、撮像素子14Aにおける対応する画素では、反射パルス数に比例した読み出し光量が蓄積されることになる。
【0048】
図2に示すように近い測定対象物体30Aの測定点Pでは反射パルスは10回なので、図3(B)に示すようにこの近い測定点Pに対応する読み出し光量の蓄積値は10Kとなり、遠い測定対象物体30Bの測定点Pでは反射パルスは1回なので、図3(B)に示すようにこの遠い測定点Pに対応する読み出し光量の蓄積値はKとなる。
【0049】
次のステップ112では反射パルス数に比例した各画素毎の光量に基づく画像(各画素毎の距離に応じた距離画像)を画像記憶部22に格納して、図4の主ルーチンへリターンする。
【0050】
図4の主ルーチンで次のステップ120では、濃淡画像の形成処理のサブルーチン(図6参照)が実行される。図6のステップ122では、シャッタ24を閉じてシャッタ26を開く。これにより、測定対象物体30からの反射光がミラー14F、14G、14Hを経たルートで撮像素子14Aに投影されることになり、読み出し光源12Bからの読み出し光はシャッタ24で遮断される。
【0051】
次のステップ124では、図示しない光源からの光を測定対象物体30に照射し、測定対象物体30からの反射光をミラー14F、14G、14Hを経て撮像素子14Aに直接投影する。なお、このとき測定対象物体30からの反射光は空間光変調素子16の受光部16Aに投影されるが、空間光変調素子16内の光反射部16Bによって変調部16Cへの該反射光の進入が阻止される。
【0052】
そして、次のステップ126では上記投影された反射光を撮像素子14Aで撮像し、該反射光による測定対象物体30の濃淡画像を得る。さらに、次のステップ128では前記撮像で得られた濃淡画像を画像記憶部22に格納して、図4の主ルーチンへリターンする。
【0053】
図4の主ルーチンで次のステップ140では、前記ステップ100で形成した距離画像と前記ステップ120で形成した濃淡画像とを各画素毎に対応付ける。これにより、例えば、図7に示すように複数の測定対象物体30A、30Bを撮像した2次元画像と各測定対象物体までの距離とを対応付けることができ、距離情報付き画像を得ることができる。測定対象物体30A上の測定点Pについては、その2次元画像データと距離情報(例えば2メートル)とを得、測定対象物体30B上の測定点Pについては、その2次元画像データと距離情報(例えば4メートル)とを得ることができる。
【0054】
以上説明したように、本実施形態によれば、測定対象物体30からの1つの反射パルス光を各画素毎に一定光量Kに変換した上で、各画素毎の反射パルス数に比例した光量を撮像素子14Aに蓄積するので、測定対象物体30の表面の反射状態に左右されることなく、実時間で測定対象物体30までの距離情報を得ることができる。
【0055】
また、本実施形態では、共通の撮像素子14Aによって、測定対象物体30の濃淡画像と共に距離に応じた距離画像を得るので、該濃淡画像と距離画像とを各画素毎に容易に短い処理時間で対応させることができる、という利点がある。
【0056】
なお、図4の制御ルーチンにおいて、ステップ100の距離画像の形成処理とステップ120の濃淡画像の形成処理とは実行の順番を逆にしても良い。
【0057】
また、得られた距離情報付き画像は、3次元CADデータや産業用ロボットの位置制御データ、医療・教育・販売などの3次元映像資料とするための3次元画像変換に用いることができる。
【0058】
なお、上記実施形態では、距離画像形成時と濃淡画像形成時とでシャッタ24の開閉状態を切り替えたが、読み出し光源12Bの点灯状態を切り替えても良い。即ち、距離画像形成時に読み出し光源12Bを点灯させ、濃淡画像形成時には読み出し光源12Bを消灯させる。このようにすることで、シャッタ24は不要となる。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、測定対象物体表面の反射状態の影響により反射パルス光の1パルスの光量が多少変動してもその変動の影響を無くし、従来のような距離計算を行うことなく、測定対象物体までの距離を精度良く且つ実時間で測定することができる。
【0060】
特に、請求項4記載の発明によれば、距離情報付き2次元画像を得ることができ、測定対象物体が複数存在する場合、複数の測定対象物体を撮像した2次元画像と各測定対象物体までの距離とを対応付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施形態における距離測定装置の概略構成図である。
【図2】距離が異なる2つの測定点での反射パルス光のパルス数を示す図である。
【図3】(A)は反射パルス1回の光量と空間光変調素子の変調部での読み出し光量との関係を示すグラフであり、(B)は測定点からの反射パルス数と撮像素子に蓄積される読み出し光量との関係を示すグラフである。
【図4】距離測定処理の制御ルーチンを示す流れ図である。
【図5】距離画像の形成処理のサブルーチンを示す流れ図である。
【図6】濃淡画像の形成処理のサブルーチンを示す流れ図である。
【図7】図4の距離測定処理により得られた距離情報付き2次元画像の一例を示す図である。
【符号の説明】
10 距離測定装置
12A パルス光源
14 撮像部
14A 撮像素子
16 空間光変調素子
16A 受光部
16C 変調部
20 制御部
22 画像記憶部
30 測定対象物体

Claims (4)

  1. パルス光を一定時間間隔で測定対象物体に照射し、
    前記測定対象物体により反射された反射パルス光を受光し、
    パルス光の照射開始から所定時間内に受光された反射パルス光について反射パルス光の各々を一定光量に変換すると共に該変換された光量を反射パルス光のパルス数に応じて蓄積し、
    前記蓄積した光量に基づいて、前記測定対象物体までの距離を測定する、
    距離測定方法。
  2. 所定光量以上の光量を一定光量に変換する空間光変調素子を用いて、一定光量に変換することを特徴とする請求項1記載の距離測定方法。
  3. パルス光を一定時間間隔で測定対象物体に照射する照射手段と、
    前記照射手段により照射されたパルス光が前記測定対象物体で反射した反射パルス光を受光する受光手段と、
    パルス光の照射開始から所定時間内に前記受光手段により受光された反射パルス光について反射パルス光の各々を一定光量に変換する光量変換手段と、
    前記光量変換手段により変換された光量を反射パルス光のパルス数に応じて蓄積する光量蓄積手段と、
    前記光量蓄積手段により蓄積された光量に基づいて、前記測定対象物体までの距離を求める距離測定制御手段と、
    を有する距離測定装置。
  4. 前記測定対象物体を撮像する撮像手段と、
    前記撮像手段による撮像で得られた測定対象物体の2次元画像と前記距離測定制御手段により求められた距離とを対応付ける対応付け手段と、
    をさらに有する請求項3記載の距離測定装置。
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