JP4266286B2 - 距離情報取得装置、および距離情報取得方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、物体までの距離に関する情報を取得する距離情報取得装置、および距離情報取得方法に関する。特に、本発明は、光が照射された物体から反射された反射光を検出して物体までの距離に関する情報を取得する距離情報取得装置、および距離情報取得方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
所定の地点から物体までの距離を算出するための距離情報獲得方法として、物体に光を投光し、物体から反射された光を受光することにより距離を算出する方式が提案されている。この方式は、三角測量法に基づく手法と、その他の手法とに大別できる。
【0003】
三角測量法に基づく場合には、光パターンが物体に照射される。投影された光パターンの位置から、三角測量の原理によって3次元の位置情報が得られる。光切断法、格子投影法、コード化格子投影法、色格子投影法、モアレ法など、他にも多くの手法が提案されている。これらは、いずれも原理は、三角測量法に基づいている。
【0004】
三角測量法に基づかない手法には、時間計測法、位相差計測法、照明光源位置差を利用して物体までの距離を算出する手法などがある。
【0005】
時間計測法では、超短光パルスが対象に向けて発射され、対象から反射光が戻ってくるまでの時間を計測することにより対象までの距離が求められる。
【0006】
位相差計測法では、高速変調光を対象に向けて発射し、対象から反射光が戻ってきたときの位相の変化を計測することにより、対象までの距離が求められる。
【0007】
照明光源位置差を利用して物体までの距離を算出する手法としては、特開昭61−155909、特開昭62−46207、および特開昭63−233312が開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
三角測量法においては、原理的に光を出射する光出射位置と、物体からの反射光を観測する反射光観測位置とが必ず離れている必要がある。従って、内視鏡などの非常に狭い空間で使われる撮像装置、または遺跡の発掘、海底探査、もしくは惑星着陸探査船など、限定された位置からしか対象を観察できない場合には、三角測量法に基づく手法では対応が困難である。
【0009】
時間計測法においては、光の速度が極めて速いため、分解能を上げるには、超高速な光素子や電子回路が必要となり、装置が高価になってしまう。
【0010】
照明光源位置差を利用して物体までの距離を算出する手法は、原理的に照明光源間に空間的距離が必要であるために、照明装置まで含めた装置の小型化は困難である。また、照明光源位置が異なるために、光線と物体表面との成す角度が各光源毎に一致しないため、計測誤差が生じやすいという課題もある。
【0011】
そこで本発明は、上記の課題を解決することのできる距離情報取得装置、および距離情報取得方法を提供することを目的とする。この目的は特許請求の範囲における独立項に記載の特徴の組み合わせにより達成される。また従属項は本発明の更なる有利な具体例を規定する。
【0012】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明の第1の形態によると、本発明は、測距始点から物体までの距離に関する距離情報を取得する装置であって、光ビームを射出する光ビーム射出部と、測距始点を中心として、物体に光ビームを走査させる光ビーム走査部と、走査された光ビームにより物体の注目地点から反射された反射光を検出する反射光検出部と、光ビームの走査速度と、物体への照射の時間に関するパラメータとから距離情報を算出する距離情報算出部と、算出された距離情報を出力する情報出力部とを備える。
【0013】
ここで、「光ビーム」とは、拡がり角の小さな平行光である。
【0014】
パラメータは、光ビーム走査部の走査によって、注目地点が照射され始めてから、照射され終えるまでの時間に基づいてもよい。
【0015】
測距始点から物体までの距離に関する距離情報を取得する装置であって、断面強度分布が予め定められた光ビームを射出する光ビーム射出部と、測距始点を中心として、物体に光ビームを走査させる光ビーム走査部と、走査された光ビームにより物体から反射された反射光を検出する反射光検出部と、物体の注目地点における反射光の積算強度、および反射光の最大強度から距離情報を算出する距離情報算出部と、算出された距離情報を出力する情報出力部とを備える。
【0016】
光ビーム射出部は、伝搬方向が概平行の、複数の光ビームを射出し、距離情報算出部は、パラメータとして、第1の光ビームからの反射光が検出された時から、第2の光ビームからの反射光が検出された時までの時間を算出してもよい。
【0017】
光ビーム射出部は、測距始点を中心として、走査方向と垂直な方向に拡がりを持つ光ビームであって、走査方向の断面強度分布が予め定められた扇状光ビームを射出し、反射光検出部は、扇状光ビームが走査された領域内からの反射光を検出し、距離情報算出部は、領域内の注目地点における距離情報を算出してもよい。
【0018】
光ビーム射出部は、断面強度分布がガウス分布である光ビームを射出し、距離情報取得装置は、注目地点に照射された光ビームのピーク強度、および光ビーム全体の強度に基づいて、注目地点における反射光の積算強度、および最大強度を求めてもよい。
【0019】
光ビーム走査部は、測距地点と注目地点とを通る直線に対して垂直な平面上を概等速度で光ビームを走査させてもよい。反射光検出部は、光ビームの光軸上に設けられていてもよい。
【0020】
反射光検出部は、複数の注目地点からの反射光を検出する、複数の光学センサーであり、距離情報算出部は、同一の注目地点について、複数の光センサーで検出された反射光に関する情報ごとにパラメータを算出し、更にパラメータに基づいて距離情報を算出してもよい。反射光検出部は、物体からの反射光を撮像する撮像装置であってもよい。
【0021】
光ビーム射出部から射出される光ビームを、複数の回折光ビームに回折する回折格子をさらに備えてもよい。さらに、光ビーム走査部は、物体を前記複数の回折光ビームを用いて、複数の回折光ビームが並ぶ方向に走査してもよい。また、光ビーム走査部は、物体を複数の回折光ビームを用いて、複数の回折光ビームが並ぶのと直交する方向に走査してもよい。
【0022】
パラメータは、光ビーム走査部の走査によって、注目地点が照射され始めてから、照射され終えるまでの時間に基づいてもよい。
【0023】
距離情報算出部は、撮像装置により撮像された画像の少なくとも1つの画素について距離情報を算出し、情報出力部は、物体の距離情報の分布を出力してもよい。距離情報算出部は、注目地点における反射光の最大強度と距離情報とから反射率を算出し、情報出力部は、算出された反射率を出力してもよい。
【0024】
本発明は、測距始点から物体までの距離に関する距離情報を取得する方法であって、光ビームを射出するステップと、測距始点を中心として、物体に光ビームを走査させるステップと、走査された光ビームにより物体の注目地点から反射された反射光を検出するステップと、光ビームの走査速度と、物体への照射の時間に関するパラメータとから距離情報を算出するステップと、算出された距離情報を出力するステップとを備える。
【0025】
光ビームを射出するステップは、伝搬方向が概平行の、複数の光ビームを射出し、距離情報を算出するステップは、パラメータとして、第1の光ビームからの反射光が検出された時から、第2の光ビームからの反射光が検出された時までの時間を算出するステップを有してもよい。
【0026】
距離情報を算出するステップは、パラメータとして、注目地点における反射光の積算強度を算出し、さらに反射光の最大強度を用いて距離情報を算出するステップを有してもよい。
【0027】
なお上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションも又発明となりうる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態はクレームにかかる発明を限定するものではなく、又実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0029】
(参考例)本発明の参考例を説明する。図1は、本参考例の距離情報取得装置10の構成を示す。距離情報取得装置10は、光ビーム射出部20、光ビーム走査部30、反射光検出部40、処理部47、および制御部80を備える。
【0030】
光ビーム射出部20は、光ビームを射出し、光ビーム走査部30は、光ビーム射出部20から射出された光ビームを、測距始点32を中心として、物体に対して走査させる。反射光検出部40は、光ビームにより物体から反射された反射光を検出する。処理部47は、物体からの反射光に関するデータを処理して、測距始点32から物体の各注目地点までの距離を算出する。なお、処理部47は、物体の各注目地点での光ビームの波長における光の反射率を算出してもよい。制御部80は、光ビーム射出部20から射出される光ビーム、光ビーム走査部30による光ビームの走査などを制御する。
【0031】
光ビーム射出部20は、少なくとも1つの光源22を有する。光源22は、断面強度分布が予め定められた光ビームを射出する。たとえば、光ビーム射出部20は、概平行な2本の光ビームを射出する(図2)。この場合、2本の光ビームは、走査方向と垂直な方向の光強度にピークを有する。光源22には、たとえばレーザー装置が使用される。なお、光ビームの光は、可視光に限られず、紫外線、近赤外線などでもよい。
【0032】
光ビーム走査部30は、測距始点32を中心に、光ビーム射出部20から射出された光ビームを、物体に走査させる。光ビーム走査部30は、たとえば、光ビーム射出部20を測距始点32を中心に回転させる回転機構である。この他、光ビーム走査部30は、固定された光ビーム射出部20からの光ビームを物体の方向へ反射させる鏡と、光ビームが鏡に照射される点を測距始点32とし、測距始点32を中心に回転させる回転機構を備えてもよい。より具体的には、光ビーム走査部30は、ポリゴンミラーやガルバノミラーを備えることにより、光ビームの走査を実現する。光ビーム走査部30は、光ビームを、測距始点32とある注目地点とを通る直線に対して垂直な平面上を概等速度で走査させる。なお、光ビーム走査部30は、光ビームを測距始点32を中心として、等角速度で走査させてもよい。
【0033】
反射光検出部40は、光学結像部の一例としての光学レンズ42と、分光部44と、受光部46とを有する。光学レンズ42は、物体70からの反射光を結像する。分光部44は、物体からの反射光を、光ビーム射出部20が射出した光ビームの波長特性に合わせて波長分離する。受光部46は、光学レンズ42が結像し、分光部44によって波長分離された反射光を受光する。
【0034】
受光部46の一例は、光センサである。光センサは、物体の注目地点における反射光の強度の時間変化を検出する。
【0035】
反射光検出部40は、光ビーム射出部20から射出される光ビームの光軸上に設けられてもよい。これにより、物体からの反射角などの補正をする必要がなくなるので、物体からの反射光の強度に関する処理が簡単になる。
【0036】
また、反射光検出部40は、複数の受光部46を有してよい。これにより、片方の受光部46では、ある注目地点からの反射光が障害物に遮られて検出できない場合であっても、他方の受光部46が、物体からの光路に障害物がない位置に設けられている場合には、ある注目地点からの反射光を検出することが可能になる。処理部47は、画像メモリ48と、距離情報算出部50と、記録部52と、情報出力部60とを有する。画像メモリ48は、反射光検出部40により検出された各注目地点における反射光の強度の時間変化を格納する。反射光の強度の時間変化の例を図3に示す。図3は、ある注目地点における、反射光の強度の時間変化を示す。この場合において、物体に照射された光は、概平行な2本の光ビーム(図2参照)である。T1において、第1の光ビームによる反射光が検出される。時刻T1の後、時刻T2において、第2の光ビームによる反射が検出される。時刻T2と時刻T1の差は時間Tである。
【0037】
距離情報算出部50は、画像メモリ48に格納された、各注目地点ごとの反射光の強度の時間変化、および反射光の最大強度に基づいて、測距始点32から物体70の注目地点までの距離を算出する。記録部52は、距離情報算出部50が算出した測距始点32から各画素までの距離の分布を記録する。また、距離情報算出部50は、注目地点ごとに、光ビームの波長における反射率を算出する。反射率は、注目地点における反射光の最大強度と、算出された距離情報とから算出される。距離情報算出部50で算出された反射率は、各画素ごと記録部52に記録される。記録部52は、測距始点32から各画素までの距離に関する情報、または各画素における反射率に関する情報を、フラッシュメモリ、メモリカード等の半導体メモリに記録する。情報出力部60は、記録部52によって記録された、測距始点32から各画素までの距離に関する情報、または各画素における反射率に関する情報を出力する。
【0038】
なお、距離情報算出部50は、反射光検出部40が複数の受光部46を有する場合において、複数の受光部46によって検出された、同一の注目地点からの反射光の強度の各時間変化に基づいて、注目地点における距離情報をそれぞれ算出してもよい。各距離情報を平均化した値が、注目地点における最終的な距離情報とされてもよい。複数の受光部46による反射光の検出により、データの信頼性を高めることができる。
【0039】
制御部80は、光ビーム射出部20が射出する光ビームの光の強度、光ビーム射出のタイミング、光ビーム走査部30による光ビームの走査速度を制御する。また、制御部80は、反射光検出部40のフォーカス、絞り、露光時間等を調整してもよい。
【0040】
ここで、本参考例における距離情報算出部50が、距離情報を算出するための原理を説明する。
【0041】
図4は、本参考例の距離情報算出の原理を説明するための図である。物体Aは、測距始点32から距離D(0)の地点に位置する。物体70Bは、測距始点と物体70Aとを結ぶ直線上に、測距始点から距離D(1)の地点に位置する。光ビームが測距始点32から射出され、物体70A、および物体70Bに対して射出された光ビームが走査される。
【0042】
測距始点32と物体70Aとを結ぶ直線に対して垂直な面上を等速度V(0)で、光ビームが走査されるとする。このとき、光ビームが、測距始点と物体70Bとを結ぶ直線に対して垂直な面上を走査するときの走査速度V(1)は以下の式で求められる。
【0043】
V(1)=V(0) × D(1)/D(0)=K × D(1)・・・▲1▼式
ここで、K=V(0)/D(0)
Kは、測距始点からある距離D(0)に位置する地点における、光ビームの走査速度をV(0)に設定したときに定まる定数である。
【0044】
すなわち、物体70Bにおける走査速度V(1)は、測距始点からの物体70Bまでの距離D(1)に比例する。
【0045】
ここで、伝搬方向が概平行な2本の光ビームが物体に照射される場合を考える。第1の光ビームと第2の光ビームとの間隔をLとする。このような光ビームが上記の走査条件に従って、物体に照射されるとする。物体のある注目地点においては、光ビームの走査によって、照射される光ビームの強度が変化する。光ビームの強度変化は、光ビームの断面強度分布、第1の光ビームと第2の光ビームとの間隔L、および光ビームの走査速度によって決まる。
【0046】
物体のある注目地点においては、光ビームの走査によって、第1の光ビームが照射される時と第2の光ビームが照射される時にタイムラグTが生じる。タイムラグTは、第1の光ビームと第2の光ビームとの間隔L、および光ビームの走査速度によって決まる。
【0047】
物体70BにおけるタイムラグTを式で表わすと、T=L/V(1)となる。Tは、▲1▼式より、T=L/(K × D(1))と表わすことができる。D(1)についての式に変形すると、
【0048】
D(1)=L/(K × T)
となる。この式において、KおよびLは予め設定することが可能である。従って、タイムラグTを測定することにより、物体までの距離D(1)を算出することが可能となる。
【0049】
タイムラグTは、光ビームが照射された物体からの反射光を測定することにより検知される。すなわち、Tは、特許請求の範囲に記載した「パラメータ」の1例であり、図3で示した時刻T1と時刻T2の差として求められる。
【0050】
図5は、本参考例の距離情報取得方法のフローチャートである。光ビーム射出部20は、概平行な2本の光ビームを射出する。光ビーム走査部30は、射出された光ビームを、測距始点を中心として物体に走査させる(S100)。反射光検出部40は、走査された光ビームによって物体から反射された反射光を検出し、物体の各注目地点における反射光の強度の時間的変化が記録される(S110)。距離情報算出部50は、物体の各注目地点における反射光の強度の時間的変化に基づいて、測距始点から物体の注目地点までの距離、および物体の注目地点における光の反射率を算出する(S120)。情報出力部60は、算出された距離情報、および反射率情報を、モニタ画面上や、プリンタ用紙などに出力する(S130)。
【0051】
図6は、距離情報算出処理S120のフローチャートである。物体の注目地点において、第1の光ビームによる反射光が検出されてから、第2の光ビームによる反射光が検出されるまでの時間Tが計測される(S140)。時間Tに基づいて、測距始点から物体の注目地点までの距離が算出される(S150)。算出された距離に基づいて、光ビームの減衰特性を用いて、注目地点における光ビームの強度が算出される(S160)。注目地点における反射光の強度と、注目地点における光ビームの強度とから、光の反射率が算出される(S170)。
【0052】
(実施形態)本発明の実施形態を説明する。本実施形態における距離情報取得装置10のブロック図は、図1と同様なので説明を省略する。
【0053】
実施形態においては、光ビーム射出部20は、少なくとも1つの光源22を有する。光源22は、断面強度分布が予め定められた光ビームを射出する。たとえば、光源22は、走査方向と垂直な方向の断面強度分布がガウス分布である光ビームを射出する(図7)。光源22には、たとえばレーザー装置が使用される。なお、光ビームの光は、可視光に限られず、紫外線、近赤外線などでもよい。
【0054】
受光部46は、1例として固体撮像素子である。物体70の像は固体撮像素子の受光面上に結像される。結像された物体70の像の光量に応じ、固体撮像素子の各センサエレメントに電荷が蓄積され、蓄積された電荷は、一定の順序に走査され、電気信号として読み出される。
【0055】
固体撮像素子は、物体70からの反射光の強度を、画素単位に高い精度で検出可能なように、S/N比が良く、画素数が大きい電荷結合素子(CCD)イメージセンサであることが望ましい。固体撮像素子としてCCD以外に、MOSイメージセンサ、CdS−Se密着型イメージセンサ、a−Si(アモルファスシリコン)密着型イメージセンサ、又はバイポーラ密着型イメージセンサのいずれかを用いてもよい。
【0056】
本実施形態における距離情報算出部50が、距離情報を算出するための原理を説明する。図8は、本実施形態の距離情報算出の原理を説明するための図である。
【0057】
測距始点32と物体70Aとの距離を、D(A)とする。物体70Bは、測距始点と物体70Aとを結ぶ直線上に、測距始点から距離D(B)だけ離れた位置あるとする。
【0058】
測距始点と物体70Aとを結ぶ直線に対して垂直な面上を等速度V(A)で、光ビームが走査されるとする。このとき、光ビームが、測距始点と物体70Bとを結ぶ直線に対して垂直な面上を走査するときの走査速度V(B)は以下の式で求められる。
【0059】
V(B)=V(A) × D(B)/D(A)=K × D(B)・・・▲1▼式
ここで、K=V(A)/D(A)
Kは、測距始点からある距離D(A)に位置する地点における、光ビームの走査速度をV(A)に設定したときに定まる定数である。
【0060】
すなわち、物体70Bにおける走査速度V(B)は、測距始点からの物体70Bまでの距離D(B)に比例する。
【0061】
ここで、物体70Bの光ビームの走査方向の幅をMとする。光ビームが、物体70Bの注目地点を走査するのに必要な時間は、M/V(B)となる。
【0062】
測距始点から距離D(B)に位置する場所での、光ビームの強度Yは、測距始点から距離D(B)に依存する光の減衰率G(D(B))を考慮すると、
Y=G(D(B)) × G(0)となる。
【0063】
ここで、G(0)は、測距始点における光ビームの強度である。
【0064】
よって、光ビームが、物体70Bを走査する間に、物体70Bに照射される光ビームの積算強度S(B)は、
S(B)=M/V(B) × Y=M × G(D(B)) × G(0)/V(B)となる。
【0065】
一方、物体70Bに照射される光ビームの最大強度P(B)は、Cを定数として、
P(B)=C × G(D(B)) × G(0)と書くことができる。
【0066】
物体70Bに照射される光ビームの積算強度と物体70Bに照射される光ビームの最大強度の比をとると、
S(B)/P(B)=M/(V(B) × C)=M/(K × C × D(B))となる。
【0067】
D(B)の式に書きなおすと、
D(B)=(M × P(B))/(K × C × S(B))となる。
【0068】
このS(B)/P(B)の単位は時間であり、特許請求の範囲に記載した「パラメータ」の1例に相当する。
【0069】
従って、光ビームの走査方向の幅M、ならびに定数KおよびCを予め求めておけば、S(B)/P(B)を測定することにより、光ビームに減衰があっても、測距始点から物体までの距離D(B)を算出することができる。
【0070】
図9は、光ビーム射出部20が射出する光ビームの変形例である。光ビーム射出部20は、測距始点32を中心として、扇状に拡がりを持ち、断面強度分布が予め定められた扇状光ビームを射出する。光ビーム走査部30は、扇状光ビームを、光ビームが拡がる面と垂直な方向に走査する。反射光検出部40は、扇状光ビームが走査された領域内からの反射光を検出する。距離情報算出部50は、ビームが走査された領域内の各注目地点における、距離情報を上述したような原理を用いて、一括して算出する。これにより、光ビームを一回走査するだけで、広範囲の領域に光ビームが照射されるため、光ビーム走査から各注目地点における距離情報を算出するまでに要する時間が大幅に短縮される。
【0071】
図10は、本実施形態の距離情報取得方法のフローチャートである。光ビーム射出部20は、断面強度分布が予め定められた光ビームを射出する。光ビーム走査部30は、射出された光ビームを、測距始点を中心として物体に走査させる(S200)。反射光検出部40は、走査された光ビームによって物体から反射された反射光を捉えることにより、被写体となる物体の像を撮像する。各画素について、反射光の積算強度に関する情報、および反射光の最大強度に関する情報が保持される(S210)。距離情報算出部50は、各画素について、反射光の積算強度と、反射光の最大強度とから、測距始点からの距離を算出するとともに、各画素における光の反射率を算出する(S220)。情報出力部60は、算出された距離情報、および反射率情報を、モニタ画面上や、プリンタ用紙などに出力する(S230)。
【0072】
図11は、距離情報算出処理S220のフローチャートである。各画素ごとに、反射光の積算強度と、反射光の最大強度との比が算出される(S240)。反射光の積算強度と最大強度との比に、所定の係数を掛けることにより、測距始点からの距離が求められる(S250)。算出された距離に基づいて、光ビームの減衰特性を用いて、注目地点における光ビームの強度が算出される(S260)。各画素における反射光の強度と、各画素における光ビームの強度とから、光の反射率が算出される(S270)。
【0073】
図12は、変形例の距離情報取得装置12の構成を示すブロック図である。図12の距離情報取得装置12において、図1に示す参考例と同様の構成には同じ参照番号を付し、説明は省略する。
【0074】
本変形例の距離情報取得装置12は参考例と異なり、光ビーム射出部20から射出された光ビームを複数の回折光ビームに回折する回折格子23を備える。図12に示す距離情報取得装置12にあっては、回折格子23は光ビームを4つの光ビームに回折する。但し、回折による光ビームの数はこれに限られず、回折格子23を適宜選択することにより所望の回折光ビームの数を得ることができる。
【0075】
本変形例の距離情報取得装置12は、距離情報取得する場合に、複数の回折光ビームを用いて物体70の複数注目点を同時に照射する。よって距離情報を取得する場合に、物体70へ回折光ビームが並ぶ方向、すなわち図12における上下方向に回折光ビームを走査させることにより、走査する角度を4分の1とすることができる。また、物体70へ回折光ビームが並ぶのと垂直な方向、すなわち図12における紙面前後方向に回折光ビームを走査させることにより、一度の走査で4本の走査線による情報を得ることができる。
【0076】
以上、変形例にかかる距離情報取得装置12によれば、参考例と同様の効果を得ることができる。さらに、変形例の距離測定装置12によれば、複数の回折光ビームを用いるので、走査の時間を短縮することができる。
【0077】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることができる。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0078】
【発明の効果】
上記説明から明らかなように、本発明によればコンパクトで、構成が簡単な距離情報取得装置、および距離情報取得方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例の距離情報取得装置10の構成を示すブロック図である。
【図2】光ビーム射出部20が射出する光ビームの例を示す図である。
【図3】ある注目地点における、反射光の強度の時間変化を示す図である。
【図4】参考例の距離情報算出の原理を説明するための図である。
【図5】参考例の距離情報取得方法のフローチャートである。
【図6】参考例の距離情報算出処理S120のフローチャートである。
【図7】光ビーム射出部20が射出する光ビームの例を示す図である。
【図8】実施形態の距離情報算出の原理を説明するための図である。
【図9】光ビーム射出部20が射出する光ビームの変形例を示す図である。
【図10】実施形態の距離情報取得方法のフローチャートである。
【図11】実施形態の距離情報算出処理S220のフローチャートである。
【図12】変形例の距離情報取得装置12の構成を示すブロック図である。
Claims (12)
- 測距始点から物体までの距離に関する距離情報を取得する距離情報取得装置であって、
断面強度分布がガウス分布であり、到達距離によって前記断面強度分布が変化しない光ビームを射出する光ビーム射出部と、
前記測距始点を中心として、前記物体に前記光ビームを走査させる光ビーム走査部と、
走査された前記光ビームにより前記物体の注目地点から反射された反射光を検出する反射光検出部と、
前記光ビームの走査速度と、前記光ビームの走査方向の幅と、前記光ビーム走査部の走査によって、前記注目地点が照射され始めてから照射され終えるまでの間の前記注目地点における前記反射光の積算強度および前記注目地点における前記反射光の最大強度とから前記距離情報を算出する距離情報算出部と、
算出された前記距離情報を出力する情報出力部と
を備える距離情報取得装置。 - 前記光ビーム射出部は、前記測距始点を中心として、走査方向と垂直な方向に拡がりを持つ扇状光ビームを射出し、
前記反射光検出部は、前記扇状光ビームが走査された領域内からの前記反射光を検出し、
前記距離情報算出部は、前記領域内の前記注目地点における前記距離情報を算出する請求項1に記載の距離情報取得装置。 - 前記光ビーム走査部は、前記測距始点と前記注目地点とを通る直線に対して垂直な平面上を概等速度で前記光ビームを走査させる請求項1または2に記載の距離情報取得装置。
- 前記反射光検出部は、前記光ビームの光軸上に設けられている請求項1乃至3のいずれかに記載の距離情報取得装置。
- 前記反射光検出部は、複数の前記注目地点からの前記反射光を検出する、複数の光学センサーであり、
前記距離情報算出部は、同一の前記注目地点について、複数の前記光学センサーで検出された前記反射光に関する情報ごとに前記積算強度および前記最大強度を算出し、さらに前記積算強度および前記最大強度に基づいて前記距離情報を算出する請求項1乃至4のいずれかに記載の距離情報取得装置。 - 前記光ビーム射出部から射出される前記光ビームを、複数の回折光ビームに回折する回折格子をさらに備える請求項5に記載の距離情報取得装置。
- 前記光ビーム走査部は、前記物体を前記複数の回折光ビームを用いて、前記複数の回折光ビームが並ぶ方向に走査する請求項6に記載の距離情報取得装置。
- 前記光ビーム走査部は、前記物体を前記複数の回折光ビームを用いて、前記複数の回折光ビームが並ぶのと直交する方向に走査する請求項6に記載の距離情報取得装置。
- 前記反射光検出部は、前記物体からの前記反射光を撮像する撮像装置である請求項1乃至5のいずれかに記載の距離情報取得装置。
- 前記距離情報算出部は、前記撮像装置により撮像された画像の少なくとも1つの画素について前記距離情報を算出し、
前記情報出力部は、前記物体の前記距離情報の分布を出力する請求項9に記載の距離情報取得装置。 - 前記距離情報算出部は、前記注目地点における前記反射光の最大強度と前記距離情報とから反射率を算出し、
前記情報出力部は、算出された前記反射率を出力する請求項1乃至10のいずれかに記載の距離情報取得装置。 - 測距始点から物体までの距離に関する距離情報を取得する距離情報取得方法であって、
断面強度分布がガウス分布であり、到達距離によって前記断面強度分布が変化しない光ビームを射出するステップと、
前記測距始点を中心として、前記物体に前記光ビームを走査させるステップと、
走査された前記光ビームにより前記物体の注目地点から反射された反射光を検出するステップと、
前記光ビームの走査速度と、前記光ビームの走査方向の幅と、前記光ビームの走査によって、前記注目地点が照射され始めてから照射され終えるまでの間の前記注目地点における前記反射光の積算強度および前記注目地点における前記反射光の最大強度とから前記距離情報を算出するステップと、
算出された前記距離情報を出力するステップと
を備える距離情報取得方法。
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