JP3569761B2 - 磁気記録装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は磁気記録装置に係り、特に、外部からの衝撃に対して磁気ディスクを固定するスピンドル機構の信頼性が高い磁気記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の磁気記録装置は、スピンドル機構により回転する磁気ディスクは、磁気ヘッドにより、データの記録あるいは再生が行われる。ピボット軸を中心に回転可能に設けられたヘッドアクチュエータは、一端に磁気ヘッドを搭載したサスペンションアームを配置し、他端にはコイルが固定されている。
【0003】
このコイルは、永久磁石および磁性体からなるヨークでできた磁気回路とともに、ボイスコイルモータを構成している。このボイスコイルモータによって磁気ヘッドを高速に移動し、磁気ディスク上に磁気ヘッドを位置決めしている。
【0004】
このスピンドル機構は、円筒状のハブおよびクランプを具備している。ハブは外周部にフランジをもち、シャフトに取り付けられたベアリングに保持されている。そして、磁気ディスクは、中央開口部が円筒状ハブに挿入され、フランジ上に支持されている。
【0005】
一方、クランプはハブにボルトなどによって固定され、外周部にある突出部によって、磁気ディスクをフランジ方向に圧着することにより、ハブおよび磁気ディスクが一体となって回転するようになっている。この回転運動は、ベースに固定されたステータコイルおよびハブに固定されたロータマグネットによって行われる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
近年の磁気記録装置においては、小型化、軽量化が進み、その携帯性能が要求されている。具体的には、携帯時に誤って落下させた場合にも、磁気記録装置が壊れないことが望まれている。
【0007】
磁気記録装置においては、磁気ディスク面に対して、水平方向に大きな衝撃が加わると、磁気ディスクがディスクの半径方向にずれる。磁気ディスクには、スピンドルの回転中心に対して同心円上に、位置決め信号があらかじめ記録されている。
【0008】
このため、大きな衝撃が磁気記録装置に印加され、磁気ディスクがその半径方向にずれると、スピンドルの回転中心と磁気ディスク上に書かれたサーボ信号のトラックの回転中心とがずれて、最悪の場合には、磁気ヘッドを所定の半径位置に位置決めできない、あるいは、所定の半径位置に位置決めするために要する時間が長くなり、磁気ディスク装置の信頼性あるいはデータアクセス性能を低下させるという課題があった。
【0009】
これに対処するため、第1の方法として、東芝公開技術集VOL.14−25、p31〜35に記載のように、磁気ディスクとフランジ、および磁気ディスクとクランプとの接触する部分に、摩擦係数の高い板材を挿入して、衝撃による磁気ディスクのずれを防止する方法が提案されている。
【0010】
また、第2の方法として、フランジとの間で磁気ディスクを挾持するクランプの押圧力を増大させ、磁気ディスクとクランプ、および磁気ディスクとフランジ間の摩擦力を増加させる方法が考えられている。
【0011】
しかし、クランプ加圧力を増加させると、クランプからの押圧力がフランジにかかり、フランジの付け根が変形してしまう。フランジと磁気ディスクは密着した構造となっていることから、磁気ディスクはフランジの変形に倣って変形する。その結果、磁気ヘッドの浮上量を増大させ、磁気ディスクからの情報を記録あるいは再生できないという課題があった。
【0012】
磁気ディスクのずれの原因は、主に、磁気ディスクとハブとの間にできる隙間にある。一般に、磁気ディスクの中央開口部の内径は、ハブに挿入するために、ハブの外径よりもわずかに大きく製作されているので、組み立て後、両者の間に隙間が存在してしまう。
【0013】
このため、従来の磁気記録装置においては、外部衝撃により、磁気ディスクがこの隙間を移動してずれるということが本質的な問題となっている。さらに、スピンドルの回転中心と磁気ディスクの回転中心とが一致できなくなるため、スピンドルの回転時には、偏芯する問題がある。従来の技術では、この点が高性能化する際の課題となっていた。
【0014】
本発明の目的は、以上のような状況を鑑み、外部衝撃に対して、スピンドル回転中心と磁気ディスク回転中心とがずれるのを防止し、信頼性の高い磁気記録装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、以下の手段により解決される。すなわち、本発明の磁気記録装置は、回転自由に支持されたシャフトと、該シャフトと同軸に設けられ一端が閉塞され他端が開放された中空円筒のハブと、該ハブの外周に挿着された磁気ディスクと、前記ハブの開放端の外周部に設けられたフランジと、前記シャフトの先端に前記ハブの閉塞頂部を挟んでボルトにより取り付けられ、前記フランジと協働して前記磁気ディスクを挟持するクランプとを備えてなり、前記ハブは、前記フランジの部分を除く前記閉塞頂部および円筒部に前記ハブの軸心を通る複数の開口溝が形成され、前記ハブの閉塞頂部の中心に前記ボルトが挿通される円錐形状の凹穴が形成され、該凹孔に対応する円錐形状の楔状部材を介して前記ボルトにより前記ハブが前記シャフトの先端に取り付けられてなることを特徴とする。
【0016】
これにより、ハブおよびクランプをシャフトに取り付けるボルトを締め付けることにより、楔状部材が凹孔に進入してハブに形成した開口溝が溝幅方向に押し開かれて、ハブの外径が拡経され、ハブ外周面が磁気ディスク内周縁部に当接して磁気ディスクを固定する。
【0018】
本構成によれば、磁気ディスクの内周縁部がハブ外周面により固定されるので、落下等の衝撃に対しても、磁気ディスクずれすることなく、安定した性能を維持できる。さらにコスト的にみても有利である。
【0019】
また、ハブの構造は、少なくとも2つ以上の開口溝を有することにより、磁気ディスク内径部を複数の個所で固定させることができるので、様々な方向からの衝撃の入力に対しても確実な固定ができる。
【0020】
また、ハブの構造は、上記開口溝を設けるとともに、ハブ外周面の周方向に沿って溝部を設けることにより、フランジの変形が低減され、その結果磁気ディスクの変形を防止できる。
【0021】
また、ハブが、上記のように、半径方向に拡径する構造にするとともに、磁気ディスクの内周縁部を保持する、例えば半リング型の保持部材と、ハブ外周面に保持部材に当接する突起を設けたことにより、衝撃が印加されても、磁気ディスクのずれを防止し、かつ磁気ディスクの変形を防止できるので、磁気記録装置の高性能化が達成される。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
まず、第1の実施形態について、図1および図2を用いて説明する。図1は第1の実施形態を示す断面図である。
【0023】
図1に示すように、本実施形態の磁気記録装置は、磁気ディスク2を保持するハブ11、磁気ディスク2をハブ11に固定するクランプ13、およびハブ11の回転軸であるシャフト14に嵌合される楔状部材22、ベアリング15、モータとしてのステータ19およびロータ20などを備え、さらに、磁気ヘッドおよびサスペンションを配置したヘッドアクチュエータを搭載して構成されている。
【0024】
これより、本発明の要部となる磁気記録装置のスピンドル機構1について詳細に説明する。また、スピンドル機構において、ハブ11以外の構成部品を最初に述べ、ハブ11については後述する。
【0025】
ベアリング15は、シャフト14とベース18との間に取り付けられている。ハブ11の内部空間には、モータを構成するステータ19およびロータ20が組み込まれている。ステータ19はモータコイルをもち、ロータ20に対向して配置されているとともに、ベース18に固定されている。
【0026】
また、ロータ20は永久磁石からなり、ハブ11の内部壁面に固定されている。コイルに電流を流すことによって、ロータ20と一緒にベアリング15の上で、ハブ11aを回転することができる。
【0027】
次に、ハブ11の構成について、図2を用いて説明する。図2は、スピンドル回転中心から外周部にかけて設けた開口溝21に平行で、ハブの回転中心で切断したときの斜視図を示した。ハブ11は、一端が開放された中空円筒の形態をもっている。その板厚は、本例では1mmに設定した。フランジ12は、その開放端の周囲に配置されているとともに、ハブ11と一体に形成されている。
【0028】
さらに、本実施形態におけるハブ11には、フランジ12とシャフト14とを除き、中心部から外周部へ伸びた、幅0.1mmの開口溝21を設けている。図2において、薄く網掛けした部分が開口溝21である。ハブ外周縁部の開口溝21は、フランジ12の磁気ディスク支持面と同じ高さの位置まで開口させた。
【0029】
図1および図2に示すように、この開口溝21は、円筒状ハブ11の開放されていない頂部(上面部)および周壁部の一部に形成した割れ目のことで、中心部から外周部まで半径方向に細長く直線状に形成され、シャフト14およびハブ周壁のフランジ12付近の溝底に相当する部分まで、細長く開口されてハブ上面部および側壁部を分割している。
【0030】
本例では、開口溝21で分割されたハブ頂部は、ハブ中心部のシャフト14まで切り込まれ、シャフト14で一体化している。また、ハブ周壁部では、フランジ12の付け根(図1)、あるいは、フランジ12の磁気ディスク支持面と同じ高さ(図2)など、任意の位置まで分割され、フランジ12を含む部分は一体化されている。
【0031】
そして、ハブ11の中心部には楔状部材22が挿入できるように、それに対応して楔状の凹穴23を設けている。楔状部材22は、円錐状の形状をしており、ボルト16が通る穴が貫通している。
【0032】
楔状部材22の形状を円錐状としている理由の第1は、スピンドル回転時において、楔状部材22の慣性モーメントが小さくなる点であり、第2は、楔状部材22を挿入する際に、ハブ11が外周に開く開き角(変位量)を自由に設定できることが可能な点にある。
【0033】
前述したように、従来の磁気記録装置において、ハブ11に磁気ディスク2を挿入した際に、磁気ディスク2の内径とハブ11の外径との隙間は、平均0.05mm程度である。また、磁気ディスク内周面とハブ外周面との公差バラツキを考慮すると、±0.02mmのバラツキがある。
【0034】
その結果、楔状部材22を嵌合させたときの磁気ディスク面から楔状部材22までの高さに対して、バラツキが生じてしまう。しかし、楔状部材22を円錐形状とすれば、ハブ11が外周に開く開き角(変位量)は、楔状部材22の形状、すなわち楔状部材22の頂角と嵌合する深さと密接に関係があるので、設計の自由度が増す。
【0035】
具体的には、公差が大きいような磁気ディスク2を用いる場合は、挿入する楔状部材22の頂角を大きくすることで、楔状凹穴23に挿入される深さは小さくなり、高さのバラツキは小さくなる。その結果、高さバラツキを低減できる設計が可能となる。本例では、頂角を10度とした。また、材質としては、ハブと同材質のステンレス等の金属あるいは、プラスチック部材が好ましい。
【0036】
このような構成として、磁気ディスク2をフランジ12上に配置し、楔状部材22をハブ11の中心の楔状凹穴23に嵌合させる。その結果、開口溝21は、楔状部材22により、溝幅すなわち細長い開口部と直角方向に押し広げられ、ハブ11の外周面の一部を、磁気ディスク2の内周縁部に当接させることが可能となる。その状況を図3に示した。
【0037】
さらに、図1に示すように、クランプ13の突出部17を、磁気ディスク2に当接させるとともに、クランプ13の上から、ボルト16によってシャフト14に固定させる構成としている。
【0038】
以上述べたように、ハブ11に開口溝21を設け、楔状部材22をハブに嵌合させることによって、細長い開口が、溝幅の開く外周方向へ均一に押し広げられるので、磁気ディスク内周面とハブ外周面との実質的な隙間がなくなり、衝撃が入力されても、磁気ディスクがずれない構造となる。
【0039】
また、スピンドルの回転中心と磁気ディスクの中心とが同心に維持されるので、スピンドルの回転に対して、磁気ディスクが偏芯することを防止できる。さらに本実施形態は、従来のハブの頂部に分割溝(開口溝21)を設け、また、楔状部材を有するだけの構造なので、コスト的にみても有利となる。
【0040】
次に、第2、第3の実施形態について、図4、図5、図6を用いて説明する。第1、第2の実施形態と第1の実施形態との違いは、スピンドルの中心から外周部に放射状に伸びた開口溝を、少なくとも3個以上設けた点である。
【0041】
このことにより、ハブ外周面と磁気ディスク内周縁部との接触点が増加するので、より確実に磁気ディスクを保持できる。また、磁気ディスク内周縁部とハブ外周面との接触点が増加するので、接触面積が増える。その結果、磁気ディスクを支持する応力の集中を緩和できる。
【0042】
図4は、ハブ11頂部に3本の分割溝(開口溝21a)を設け、ハブ外周面と磁気ディスク内周縁部とを3個所で接触させた構成とした第2の実施形態の装置を示す上面図である。また、図5は、ハブ11頂部に4個所の開口溝21bを設け、ハブ外周面と磁気ディスク内周縁部とを4個所で接触させる構成とした第3の実施形態の装置上面図である。
【0043】
これら図4および図5の基本構成は、ハブ11以外は同様なので、ここでは第3の実施形態のハブ11に、4本の開口溝を設けた場合について記載する。図6は、図5の第3の実施形態における開口溝21bに平行で、スピンドルの回転中心で切断したときの断面斜視図である。
【0044】
図6に示すように、ハブ11には、フランジ12とシャフト14とを除き、中心から外周部へ伸びた幅0.3mmの開口溝21bを設けている。さらに、その開口溝21bの長さ方向と直角に、中心から外周部へ別の開口溝が設けらた構成である。
【0045】
図6の図中に薄く網掛けした部分が開口溝である。ハブ11の外周壁の開口溝21bは、第1の実施形態と同様に、フランジ12の磁気ディスク支持面と同じ高さの位置まで開口させた。さらに、スピンドル中心には楔状部材22が挿入できるように、楔状の凹穴23を設けている。
【0046】
この構成で、磁気ディスク2と楔状部材22とを組み込む。さらに、クランプの突出部17を磁気ディスク2に当接させるとともに、クランプ13の上からボルト16によってシャフト14に固定させる構成としている。
【0047】
ところで、第2および第3の実施形態を実施するにあたって、以下の2点について考慮する必要があることがわかった。一つはハブの軸倒れ剛性であり、もう一つはフランジ部の変形である。
【0048】
まず始めに、軸倒れ剛性について記述する。一般に、剛性は高いことが望まれている。剛性が低いと固有振動数が小さくなり、外来振動による応答振幅が大きくなる。その結果、磁気ヘッドの浮上性能が低下させられ、磁気記録装置の高性能化が阻害される。
【0049】
表1に、回転停止時における第2実施形態と第3実施形態の軸倒れ固有振動数について、固有値解析を行なった結果を示した。また、ハブに開口溝(分割溝)を設けない従来のスピンドル機構の場合についても合わせて示した。
【0050】
【表1】
Figure 0003569761
【0051】
表1から、開口溝の数を増加させるほど、スピンドルの軸倒れ周波数は小さくなることがわかった。これは、開口溝を増加させていくと、開口溝により、シャフト14とハブ11との接触点の剛性が小さくなり、結果的に固有振動数が小さくなる理由による。
【0052】
そこで、第2および第3の実施形態においては、開口溝を設けない場合と同等の剛性が達成するように、実装上問題がない範囲内で、最適なハブの板厚について有限要素法による構造解析を行なっている。
【0053】
図7は、4個所の開口溝を設けたハブ11について、ハブ板厚と軸倒れ周波数の関係についての解析結果を示している。また、ハブ11に開口溝を設けない場合についての解析結果を合わせて示した。
【0054】
図7から、ハブの板厚が1.23mm以上あれば、ハブの開口溝を設けていない場合とほぼ同等の軸倒れ周波数になることがわかる。ハブの板厚が1.23mmでは、実装上問題がないことを確認し、この値を実施形態3に用いている。また同様に、実施形態2の場合も問題がないことは言うまでもない。
【0055】
次に、フランジ部の変形について記述する。本発明において、開口溝21が、楔状部材22により外周方向へ押し広げられ、ハブ11の外周縁部が磁気ディスク2の内周縁部と当接すると、フランジ12の平坦部が外周方向に傾いて変形する。これは、磁気ディスク面全体を変形させる。これを図8に示す。
【0056】
その原因は、ハブ11の外周縁部が外周に広がるので、フランジ根元Aでモーメントが作用するためであることがわかった。しかし、従来装置の場合のように、フランジ12にクランプ13からの大きな押圧力が加わって、磁気ディスク2が変形する場合と違って、本実施形態においては、磁気ディスク2は内周縁部で固定されるので、小さい力でクランプすることが可能である。
【0057】
その結果、本発明の磁気ディスク面全体の変形は、従来の装置で発生する磁気ディスクの変形と同等であることがわかった。さらに、磁気ディスクの変形を低減するためには、図8に示したように、フランジ根元Aの板厚を増加してやればよい。本実施形態では、フランジの根元Aの板厚を1.5mmとした。
【0058】
以上のような構成とすることにより、磁気ディスク2は、開口溝で隔てられたハブ11の外周縁部と数箇所で確実に当接するので、様々な方向からの衝撃による磁気ディスクのずれの発生を防止できる。
【0059】
次に、第4の実施形態について、図9を用いて説明する。本実施形態と第1の実施形態の違いは、本実施形態では、フランジ根元Aの板厚を増加させないで、フランジ12の変形を低減するために、ハブ11の外周面に沿って溝部21cを設けた点にある。
【0060】
図9は、第4実施形態のハブ単体の断面斜視図であり、ハブ11の外周縁部のフランジ12近傍には、円筒状ハブの半径方向に深さを有する溝部21cを、ハブ外周面の周方向に沿って設けてある。本例では、この溝部21cは、深さ0.4mm、幅0.15mmに設定した。
【0061】
このように、フランジ12付近の円周方向に沿って、溝部21cを設けることにより、ハブ外周縁部は、溝部21cを中心に外周方向へ変形しやすくなる。さらに、ハブ11によるフランジ12へのモーメントを小さくできるので、ハブ根元の板厚Aを増加せずに、フランジの変形、すなわち磁気ディスクの変形を防止することが可能となる。
【0062】
次に、第5の実施形態について、図10、図11を用いて説明する。本実施形態と第1の実施形態の違いは、磁気ディスクの変形を低減することを目的に、実施形態1と同様の開口溝21eを有するハブ11の外周面に、突起部26を形成するとともに、磁気ディスク2の内周縁部を保持する半リング型保持部材24を具備した点である。
【0063】
図10はその組立図、図11は構成断面図である。ハブ11は、スピンドルの回転中心を通り外周へ放射状に伸びた開口溝21eを2個所配置し、半円弧状の突起部26が設けられている。このときの開口溝21eの個数は、2つ以上ならば同様の効果がある。
【0064】
また、円筒状ハブ11の開放端のまわりに配置されたフランジをなくし、フランジ根元Aのみの構造となっている。本例では、フランジ根元の板厚を2.5mmとした。なお、半円弧状の突起部26は、ハブ11と一体で形成されていることが好ましい。
【0065】
半リング型保持部材24は、ハブ外周縁部に磁気ディスク2が挿入できるように、コの字状の溝型部25が形成されている。半リング型保持部材24の材質として、磁気ディスク2と同質のセラッミクスや、ハブ11と同質のステンレス等の金属が好ましいが、プラスチックでもかまわない。
【0066】
磁気ディスク2の内周縁部を半リング型保持部材24のコの字状溝型部25に挿入し、さらにフランジ根元A上に、保持部材外面24bがくるようにハブ11に挿入した。そして、楔状部材22をスピンドルの回転中心の楔状凹穴23に嵌合させ、クランプ13をボルト16で締結した。
【0067】
ここで、クランプ突出部17が押圧する個所は、半リング型の保持部材外面24aとしている。本構成とすることにより、磁気ディスク2と半リング型保持部材24とは、互いに密着し、接触部の接触面積が大きくなるので、ハブ外周の円弧状突起部26の押圧により磁気ディスクは固定される。さらに、磁気ディスクを配置するフランジ根元Aの板厚が厚く構成されるので、磁気ディスクの変形が抑えられる。
【0068】
なお、本例では、保持部材24を、2分割した半リング型として、部品数を少なくしているが、3分割以上の円弧状保持部材としてもよい。また、ハブ外周面の突起部26も、円弧状でなくてもよいし、また、周方向に連続していなくてもよい。
【0069】
本構成とすることで、磁気ディスクの内周側端面を均一に押圧することが可能となり、衝撃による外力に対して、磁気ディスクを確実に保持することができる。そのため、衝撃に強く信頼性の高い磁気記録装置を提供できる。
【0070】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明により、磁気記録装置が、動作時または非動作時に拘らず、外部衝撃を受けた場合に、磁気ディスクのハブに対する半径方向のずれを防ぐことが可能となる。そのため、衝撃によるデータの読み込み誤差がなくなり、信頼性の高い磁気記録装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態のスピンドル機構断面図。
【図2】第1実施形態ハブ断面斜視図。
【図3】第1実施形態のハブと磁気ディスクの上面図。
【図4】第2実施形態における開口溝を3個所設けたハブと磁気ディスクの上面図。
【図5】第3実施形態における開口溝を4個所設けたハブと磁気ディスクの上面図。
【図6】第3実施形態におけ開口溝を4個所設けたハブの断面斜視図。
【図7】ハブ板厚と軸倒れ周波数の関係についての解析結果を示す図。
【図8】フランジ根元の変形図。
【図9】第4実施形態のハブの断面斜視図。
【図10】第5実施形態のハブと磁気ディスクおよびクランプ組立図。
【図11】第5実施形態のハブの断面図。
【符号の説明】
1 スピンドル機構
2 磁気ディスク
11 ハブ
12 フランジ
13 クランプ
14 シャフト
15 ベアリング
16 ボルト
17 クランプ突出部
18 ベース
19 ステータ
20 ロータ
21、21a、21b、21d、21e 開口溝
21c 溝部
22 楔状部材
23 楔状凹穴
24 半リング型保持部材
24a、24b 半リング型保持部材面
25 コの字状溝型部
26 半円弧状突起部
A フランジ根元

Claims (3)

  1. 回転自由に支持されたシャフトと、該シャフトと同軸に設けられ一端が閉塞され他端が開放された中空円筒のハブと、該ハブの外周に挿着された磁気ディスクと、前記ハブの開放端の外周部に設けられたフランジと、前記シャフトの先端に前記ハブの閉塞頂部を挟んでボルトにより取り付けられ、前記フランジと協働して前記磁気ディスクを挟持するクランプとを備えてなる磁気記録装置において、
    前記ハブは、前記フランジの部分を除く前記閉塞頂部および円筒部に前記ハブの軸心を通る複数の開口溝が形成され、前記ハブの閉塞頂部の中心に前記ボルトが挿通される円錐形状の凹穴が形成され、該凹孔に対応する円錐形状の楔状部材を介して前記ボルトにより前記ハブが前記シャフトの先端に取り付けられてなることを特徴とする磁気記録装置。
  2. 前記ハブは、前記フランジの上部の外周面の周方向に溝が形成されてなることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録装置。
  3. 前記磁気ディスクは、複数に分割された円弧状部材を介して前記ハブの外周に装着され、
    前記ハブは、外周面の周方向に前記円弧状部材に当接する突起部が設けられてなることを特徴とする請求項1または2に記載の磁気記録装置。
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