JP3569485B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ遊技機やコイン遊技機あるいはスロットマシン等で代表される遊技機に関する。詳しくは、複数種類の識別情報を予め定められた順序で順次更新することによって周期的に可変表示可能な可変表示部を少なくとも3つ有する可変表示装置が設けられ、打球が打込まれる遊技領域に設けられた始動領域への打球の進入により発生する始動入賞に基づいて前記可変表示部は可変表示を開始し、前記複数の可変表示部の識別情報の表示結果が予め定められた特定の表示態様の組合せとなったことを条件に遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御可能となる遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の遊技機において、従来から一般的に知られているものに、たとえば、実開平3−29178号公報に記載のものがあった。この従来の遊技機は、たとえば3つの可変表示部を有する可変表示装置が設けられており、これらすべての可変表示部が可変表示された後、予め定められた停止条件の成立に基づいてそれらの可変表示部が停止時期を異ならせて停止制御され、停止時の表示結果が予め定められた特定の識別情報の組合せ(たとえば777)になれば、所定個数のコインが払い出されて、所定の遊技価値が付与可能となるように構成されていた。そして、前記複数の可変表示部の内の2つの可変表示部が停止した段階で、その停止した可変表示部の表示結果が、前記特定の識別情報の組合せの成立する条件を満たしている所定表示状態(たとえば2つの可変表示部の表示結果が77となるいわゆるリーチ状態)となった場合に、その所定状態となったことを遊技者に報知して、遊技者が所定表示状態となったことに気付かず見過ごしてしまうことを防止し、まだ可変表示している残りの可変表示部の停止時の表示結果に関し遊技者に大きな期待感を持たせることができるように構成されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このように、所定表示状態となった場合には、まだ可変表示中の可変表示部の停止時の表示結果如何で前記予め定められた特定の識別情報の組合せが成立して所定の遊技価値が付与可能となるのであり、遊技者は、所定表示状態となれば残りの可変表示中の可変表示部の表示状態を期待を込めて注視し、その表示状態を楽しむのである。
【0004】
ところが、この種の従来の遊技機においては、所定表示状態となった段階でその旨の報知が行なわれ、その後遊技者が期待を込めて残りの可変表示部の表示状態を楽しむようになるのであり、所定表示状態となった後にしか遊技者の期待感がふくらまず、所定表示状態となる以前における可変表示部の可変表示に関してはあまり遊技者の期待感を盛り上げることには寄与していないという欠点があった。
【0005】
本発明は、かかる事実に鑑み考え出されたものであり、その目的は、リーチ状態の発生に伴なう遊技者の期待感をより早い時点から盛り上げ、可変表示装置の可変表示に伴なう興趣のより一層の向上を図ることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明は、複数種類の識別情報を予め定められた順序で順次更新することによって周期的に可変表示可能な可変表示部を少なくとも3つ有する可変表示装置が設けられ、打球が打込まれる遊技領域に設けられた始動領域への打球の進入により発生する始動入賞に基づいて前記可変表示部は可変表示を開始し、前記複数の可変表示部の識別情報の表示結果が予め定められた特定の表示態様の組合せとなったことを条件に遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御可能となる遊技機であって、
前記始動入賞により入賞記憶エリアに格納されたランダムカウンタの値に基づいて、当該始動入賞に対応する可変表示の開始時に前記複数の可変表示部の識別情報の表示結果を決定する表示結果決定手段と、
前記複数の可変表示部を可変表示させた後、前記表示結果決定手段により決定された表示結果が前記複数の可変表示部により導出表示されるように制御可能な可変表示制御手段と、
前記表示結果決定手段により決定された前記複数の可変表示部の識別情報の表示結果の一部であって少なくとも2つの前記可変表示部の識別情報の表示結果が前記特定の表示態様となる条件を満たすリーチ状態が成立するときに、リーチ状態が成立する旨を当該リーチ状態が成立する可変表示部の内の1つの可変表示部の識別情報の表示結果が導出表示されている段階で予告報知可能な予告報知手段とを含み、
該予告報知手段は、前記複数の可変表示部の内の1つの可変表示部の識別情報が該可変表示部の識別情報の予告報知を行なわないときの更新回数および更新速度と同様の更新回数および更新速度によって変動表示された後該可変表示部の識別情報の表示結果が導出表示されている状態で、該1つの可変表示部以外の可変表示部の識別情報を予告報知を行なわないときの更新回数および更新速度と同様の更新回数および更新速度による変動表示に加えて、該予告報知を行なわないときと比較して増加させた更新回数だけ変動表示させることにより予告報知を行なうことを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の発明の構成に加えて、前記予告報知手段は、飾り用の発光体により予告報知を行なうものを含むことを特徴とする。
請求項3に記載の本発明は、請求項1または請求項2に記載の発明の構成に加えて、前記可変表示装置は、複数本の組合せ有効列が定められており、該複数本の組合せ有効列のうちのいずれかにおいて前記特定の表示態様の組合せが成立したことを条件に前記特定遊技状態に制御可能となるように定められており、
前記予告報知手段は、前記複数本の組合せ有効列のうちのどの組合せ有効列上において前記リーチ状態が成立するかを予告報知可能なものを含むことを特徴とする。
請求項4に記載の本発明は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の発明の構成に加えて、前記可変表示装置は、前記リーチ状態が発生したときにリーチ状態が発生していないときに比べて特有の態様のリーチ動作表示を行ない、
該リーチ動作表示は、前記特定遊技状態が発生するときと発生しないときとで異なった態様となることが可能に構成されていることを特徴とする。
【0008】
【作用】
請求項1に記載の本発明によれば、表示結果決定手段の働きにより、前記始動入賞により入賞記憶エリアに格納されたランダムカウンタの値に基づいて、当該始動入賞に対応する可変表示の開始時に前記複数の可変表示部の識別情報の表示結果が決定される。可変表示制御手段の働きにより、前記複数の可変表示部が可変表示された後、前記表示結果決定手段により決定された表示結果が前記複数の可変表示部により表示されるように制御される。予告報知手段の働きにより、前記表示結果決定手段により決定された前記複数の可変表示部の識別情報の表示結果の一部であって少なくとも2つの前記可変表示部の識別情報の表示結果が前記特定の表示態様となる条件を満たすリーチ状態が成立するときに、リーチ状態が成立する旨を当該リーチ状態が成立する可変表示部の内の1つの可変表示部の識別情報の表示結果が導出表示されている段階で予告報知が行われる。その結果、遊技者は、リーチ状態となることを、前記複数の可変表示部の内の1つの可変表示部の識別情報が該可変表示部の識別情報の予告報知を行なわないときの更新回数および更新速度と同様の更新回数および更新速度によって変動表示された後該可変表示部の識別情報の表示結果が導出表示されている状態で、該1つの可変表示部以外の可変表示部の識別情報を予告報知を行なわないときの更新回数および更新速度と同様の更新回数および更新速度による変動表示に加えて、該予告報知を行なわないときと比較して増加させた更新回数だけ変動表示させることにより事前に知ることができる。
【0009】
請求項2に記載の本発明によれば、請求項1に記載の発明の作用に加えて、前記予告報知手段が、飾り用の発光体により予告報知を行なうものを含んでいる。
請求項3に記載の本発明によれば、請求項1または請求項2に記載の発明の作用に加えて、前記可変表示装置が、複数本の組合せ有効列のうちのいずれかにおいて前記特定の表示態様の組合せが成立したことを条件に前記特定遊技状態に制御可能となるように定められている。そして、前記予告報知手段が、前記複数本の組合せ有効列のうちのどの組合せ有効列上で前記リーチ状態が成立するかを予告報知するものを含んでいる。
請求項4に記載の本発明によれば、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の発明の作用に加えて、前記可変表示装置が、前記リーチ状態が発生したときにリーチ状態が発生していないときに比べて特有の態様のリーチ動作表示を行なうことが可能である。そして、該リーチ動作表示が、前記特定遊技状態が発生するときと発生しないときとで異なった態様となることが可能である。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施の形態においては、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はこれに限らず、たとえばコイン遊技機やスロットマシン等であってもよく、要するに、表示状態が変化可能な可変表示部を複数有する可変表示装置が設けられ、前記複数の可変表示部の表示結果が予め定められた特定の表示態様の組合せとなったことを条件に遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御可能となる遊技機であればすべて含まれる。
【0011】
図1は、遊技機の一例のパチンコ遊技機の遊技盤面を示す正面図である。遊技者が図示しない打球操作ハンドルを操作すれば、打球待機樋(図示せず)に貯留されているパチンコ玉が1つずつ遊技盤1の前面に形成されている遊技領域2内に打込まれる。遊技領域2には、複数種類の識別情報を可変表示可能な可変表示装置3が設けられているとともに、始動入賞口10a,10b,10cが設けられている。これらそれぞれの始動入賞口10a,10b,10c内に入賞したパチンコ玉は、それぞれに、始動入賞玉検出器11a,11b,11cにより検出される。その始動入賞玉検出器の検出信号に基づいて、前記可変表示装置3の可変表示部の一列としての各図柄表示部3a,3b,3cが可変開始される。そして、所定時間の経過に基づいてまず左図柄表示部3aが停止し、その後中図柄表示部3bが停止し、最後に右図柄表示部3cが停止し、停止時の表示結果が予め定められた特定の識別情報(たとえば777)になれば、可変入賞球装置4の開閉板5を開成させて遊技者にとって有利な第1の状態とし所定の遊技価値が付与可能な状態にする。左、中図柄表示部3a,3bが停止した時点で特定の識別情報の組合せとなる条件(たとえば左,中図柄が77)を満たしている場合に、この表示状態をリーチ状態(所定表示状態)と呼ぶ。各図柄表示部3a〜3cには、縦方向に3つの図柄が表示可能である。したがって可変表示装置3によって表示される図柄は、3×3のマトリックス状の配列となる。このマトリックスにより、水平方向の3本のラインと、2本の対角線との合計5本の表示ラインが形成される。本実施例においては、この5つのラインのいずれも組合せ有効列とされており、このライン上に特定の識別情報の組合せが形成されれば、前記第1の状態となるように可変入賞球装置4が制御される。
【0012】
可変表示装置3の可変表示中においてパチンコ玉が始動入賞口10a〜10cへ入賞すればその始動入賞が記憶され、可変表示装置3の可変表示が停止した後にその記憶に基づいて再度可変表示装置3が可変開始される。その始動入賞記憶の上限値はたとえば「4」に定められている。その始動入賞記憶回数が始動記憶LED26により表示される。
【0013】
なお、上述の実施例では組合せ有効ラインは5ラインとされていた。しかし有効ラインはこれには限定されず、たとえば1ラインでも、他の複数のラインでもよい。また、上述の実施例では図柄表示部の停止順序が左、中、右の順序で行なわれたが、本発明はこれには限定されない。また、識別情報の表示方法は上述の実施例ではスクロール表示となっているが、たとえばセグメント表示器等による切換表示でもよい。
【0014】
一方、可変入賞球装置4は、通常時においては開口部7が開閉板5により閉塞されてパチンコ玉が開口部7に入賞できない遊技者にとって不利な第2の状態になっているが、開閉板5が開成することによりパチンコ玉が開口部7に入賞可能な遊技者にとって有利な第1の状態となる。可変入賞球装置4の第1の状態は、パチンコ玉の所定個数(たとえば10個)の入賞または所定時間(たとえば30秒間)の経過のいずれか早いほうの条件が成立することにより終了し、可変入賞球装置4が第2の状態に切換わる。一方、開口部7内の所定の箇所には特定入賞口(Vポケット)8が形成されており、可変入賞球装置4に入賞したパチンコ玉がこの特定入賞口8に入賞すれば、その回における可変入賞球装置4の第1の状態が終了して第2の状態となった後再度開閉板5が開成されて第1の状態が繰返し継続制御される。この繰返し継続制御の上限回数はたとえば16回と定められている。この繰返し継続制御が行なわれた回数すなわち開閉板5が開成された開成回数が開成回数表示器25により表示される。さらに、この可変入賞球装置4に入賞した入賞玉の個数が入賞個数表示器9により表示される。なお図中6はソレノイドであり、開閉板5を開閉駆動させるためのものである。
【0015】
この可変入賞球装置4の第2の状態としては、打玉が全く入賞できない状態ではなく打玉が入賞困難な状態であってもよい。
【0016】
可変表示装置3には、ドラムランプ22a〜22iが設けられており、点灯または点滅することにより各図柄表示部3a〜3cによって表示される識別情報を明るく表示できるように構成されている。さらにこの可変表示装置3には、飾りLED23が設けられているとともに、入賞口12が形成されている。本実施例においては、回転ドラム式の可変表示装置を示すが、本発明はこれに限らず、たとえば、セグメント状あるいはマトリクス状の液晶表示装置や発光ダイオードやエレクトロルミネセンス等を用いたデジタル式の可変表示装置であってもよく、また、複数のランプ等が走行点灯することにより可変表示を行なうものであってもよい。さらに、図柄表示部3a〜3cは3つに限らず4つ以上のものであってもよい。また、本発明請求項1に記載の遊技機すなわち、すべての可変表示部が可変表示している段階でリーチ状態(所定表示状態)になることを報知するものについては、可変表示部の数は2つであってもよい。さらに、この可変表示装置の可変表示を、遊技者の停止ボタン(図示せず)の押圧操作によって停止させたり、また、所定時間の経過または遊技者の停止ボタンの押圧操作のうちいずれか早いほうが行なわれたことに基づいて停止制御してもよい。
【0017】
遊技領域2には、さらに、風車ランプ18,入賞口13,14,サイドランプ17,肩ランプ19が設けられている。可変入賞球装置4の左右には、アタッカーランプ21,アタッカーLED24,袖ランプ20が設けられている。図中、16はレール飾りランプであり、15はアウト玉を回収するアウト口である。
【0018】
図2は、可変表示装置を構成するドラムユニットの構造を説明するための分解斜視図である。
【0019】
ドラムユニット27のドラム機構収納部28内には、回転ドラム31a,31b,31cが設けられている。この回転ドラム31a,31b,31cは、それぞれに、ステッピングモータ30a,30b,30cにより回転されるように構成されている。ステッピングモータ30a〜30cは、それぞれモータ取付板29a,29b,29cに取付けられている。また、回転ドラム31a〜31cには、ドラム位置を検出するための無反射部分33a〜33cがそれぞれに形成されている。ドラム機構収納ボックス28の前記無反射部分33a〜33cに対応する位置には、透孔34a〜34cがそれぞれ形成され、その透孔34a〜34cに、反射型ホトセンサからなるドラムセンサ36a〜36cがそれぞれ挿入される。このドラムセンサ36a〜36cは、中継端子基板37とともにドラム機構収納部28に固定されるセンサ基板35に設けられている。そして、ドラムセンサ36a〜36cによりそれぞれの無反射部分33a〜33cを検出することにより、それぞれの回転ドラム31a〜31cの基準位置からの回転角度が制御可能となる。これら回転ドラム31a,31b,31cの外周には、複数種類の識別情報(図柄)が描かれたドラムシール32a,32b,32cが貼着されている。
【0020】
図3は、前記各回転ドラムの外周に貼着された各ドラムシール32a,32b,32cに描かれた図形を展開した状態を示す展開図である。
【0021】
左の回転ドラム31aのドラムシール32aには、6種類の左大当り図柄38a〜43aを含む18個の図柄が描かれている。中央の回転ドラム31bのドラムシール32bには、6種類の中大当り図柄38b〜43bを含む18個の図柄が描かれている。右の回転ドラム31cのドラムシール32cには、6種類の右特定の大当り図柄38c〜43cを含む18個の図柄が描かれている。そして、この図3に示す1番左の列に示された数字は図柄No.であり、たとえば左の大当り図柄38aは図柄No.「8」であり、中の大当り図柄の38bで示された図柄は図柄No.が「7」であり、右の大当り図柄38cで示された図柄の図柄No.は「6」である。この複数種類の図柄のうち、38a〜43cの図柄が大当り図柄であり、これら大当り図柄のうち同じ種類の図柄が前記5本の当り列上に揃えば、前述したように、可変入賞球装置4が第1の状態に駆動制御されて大当り状態が発生する。
【0022】
なお、各図柄表示部3a〜3cの可変表示および停止制御は、後述するマイクロコンピュータなどからなる基本回路によって実行されるプログラムにより行なわれる。このプログラム上では、所定の可変開始条件の成立に伴って選ばれた図柄ナンバーに対応する図柄を中央ライン上に停止させるべく、停止制御が行なわれる。すなわち、選ばれた図柄ナンバーが左から右に順に「876」である場合には、中央ライン上には「777」という図柄が表示されることになり、選ばれた図柄ナンバーが「777」である場合には、左上から右下への対角ライン上に「777」が表示されることになり、選ばれた図柄ナンバーが「975」である場合には左下から右上への対角ライン上に「777」という図柄がそれぞれ表示されることになる。
【0023】
回転ドラム31a〜31cの回転制御方法の概略を次に説明する。可変表示装置の可変開始時に目的とする停止図柄すなわち停止時の識別情報の組合せが確定しており、各ドラム31a〜31cは、停止時の中央ラインの図柄がその停止図柄となるように停止制御される。このドラム回転停止制御は、リーチが成立しない通常時においては、基本時間におけるドラム制御テーブル(後述のマイクロコンピュータに予め記憶されている)に従った回転制御と、引続き行なわれる一定速度(たとえば10msec/ステップ、約27.78回転/分)のドラム停止制御に大別される。この可変表示装置は、左図柄用回転ドラム31a、中図柄用回転ドラム31b、右図柄用回転ドラム31cの順で停止制御される。事前に決定された予定停止図柄のうち、少なくとも左図柄と中図柄とが同じ種類の大当り図柄であった場合にはリーチ状態が成立するのであり、その場合は、予め定められている回転量(後述の回転増カウンタに記憶されている)だけ一定速でゆっくり各ドラムを回転させて後、ひき続き10msec/ステップの一定速の停止制御に移行してドラム31a〜cのドラムポジションが停止図柄に一致した時点で停止制御される。
【0024】
上述したような左図柄用回転ドラム31aまたは中図柄用回転ドラム31bおよび中図柄用回転ドラム31cの変動開始から停止までの時間経過はリーチ以外の通常時においては基本時間+固定図柄数+現在図柄番号と停止図柄番号との差によって定められ、変動開始時の図柄ポジションと停止図柄ポジションとの関係により変化する。
【0025】
図柄数が18あるため、上述の時間経過は18段階に変化することになる。このリーチ状態または大当り時の右図柄用回転ドラム31cまたは右図柄用回転ドラム31cおよび中図柄用回転ドラム31bの変動方式により、遊技者が図柄停止タイミングから各ドラムの停止図柄を予測することが困難となる。
【0026】
ドラム制御テーブルは、その基本時間(ドラム制御テーブルによるドラム変動時間)を所定時間(たとえば5.100秒)とし、この基本時間が経過した時点で変動開始時の図柄ポジションより正確に0〜17図柄が送られた位置関係に達するように18種類のテーブルとなっている。各々のテーブルは、その機能によりトータルの送りステップ数が決定されており、テーブル内の図柄送り数および時間調整部において、ドラム回転速度の時間的配分によりトータルの所要時間(基本時間)が前述の時間(5.100秒)になるように構成されている。すなわち、各ドラム31a、31b、31cは、1ステップ当り10msec間隔(27.778回転/分)、8msec間隔(34.722回転/分)、6msec間隔(46.296回転/分)、4msec間隔(69.444回転/分)の4種類の速度の組合せで変動する。変動開始時は、1ステップ当り8msec間隔より加速し、その後4msec間隔または6msec間隔で回転を行なう。なお、各図柄の停止は、1ステップ当り10msec間隔まで減速を行ない、目的とする停止図柄までの送り制御が行なわれる。そして、上述した18種類のテーブルは、上述した4種類の速度を組合せることにより、996ステップ〜1200ステップまで12ステップおきに18通りのステップ数となっている。これは、送り図柄数に換算すると83図柄(4回転と11図柄)〜100図柄(5回転と10図柄)となる。したがって、どのテーブルが選択されてもドラム制御テーブルによる変動時間は5.100秒で目的の位置に達することになる。たとえば、5回転(90図柄、1080ステップ)を5.100秒で送る場合には、先ず1ステップ当り8msec間隔で4ステップ送り、次に6msec間隔で6ステップ送り、次に4msec間隔で702ステップ送り、さらに6msec間隔で362ステップ送った後、8msec間隔で4ステップ、10msec間隔で2ステップ送ってドラム制御テーブルが終了する。このドラム制御テーブルによる基本時間が経過した時点で、左図柄用回転ドラム31aは目的とする停止図柄より1図柄手前に、中図柄用回転ドラム31bは6図柄手前に、右図柄用回転ドラム31cは11図柄手前に達するようにテーブルを選択して変動を開始し、基本時間が経過した時点より引続き10msec/ステップの一定速の停止制御に移り、ドラムポジションが目的とする停止図柄ポジションに一致した時点でそれぞれのドラムを停止する。したがってこの場合、停止順序は、まず左図柄用回転ドラム31bが停止し、その後0.6秒経過した後に中図柄用回転ドラム31aが停止し、その後0.6秒経過した後に右図柄用回転ドラム31cが停止することになる。ただし、リーチ状態、大当り停止予定時の各ドラム31a〜31cの変動に関してはこの限りでない。これらの詳細については後にフローチャートを参照して説明する。
【0027】
リーチ時以外の具体的な制御テーブルの選択方法は次のようである。まず、目的とする停止図柄番号から現在の図柄番号を減算し、さらに停止順を決定するために各ドラム31a、31b、31c固有の固定送り図柄数を減算することにより各図柄ごとの移動図柄数(0〜17)を算出し、その数値に対応するドラム制御テーブルを選択する。以上の演算により、基本時間が経過した時点で各図柄用ドラム31a〜31cはそれぞれ前述の位置に達することとなる。
【0028】
図4は、パチンコ遊技機に用いられる制御回路を示すブロック図である。
パチンコ遊技機の制御回路44は、各種機器を制御するためのプログラムに従って、遊技機制御を行なうマイクロコンピュータを含む基本回路45と、電源投入時に基本回路45をリセットする初期リセット回路46と、基本回路45から与えられるクロック信号を分周して定期的(たとえば2msec毎)にリセットパルスを基本回路45に与えるためのクロック用リセットパルス発生回路47と、各種スイッチやセンサに接続され、与えられるアドレス信号によって選択されるスイッチからの信号を基本回路45に与えるためのスイッチ・センサ入力回路49と、基本回路45等に接続され、基本回路45から与えられるアドレス信号をデコードして基本回路45等に与えるためのアドレスデコード回路48とを含む。さらに、パチンコ遊技機の制御回路44には、基本回路45によって制御されるセグメント・LED回路51と、基本回路45からの音信号を受取りスピーカ56を駆動して効果音等を発生させるための音回路50と、基本回路45によって制御されるドラムランプ回路52と、基本回路45によって制御されるランプ・ソレノイド・大当り情報回路53と、基本回路45によって制御されるモータドライブ回路54とを含む。
【0029】
セグメント・LED回路51には、開成回数表示器25,入賞個数表示器9,始動記憶LED26,V表示LED57,アタッカーLED24,飾りLED23が接続されており、それぞれに表示制御される。ドラムランプ回路52には、ドラムランプ22a〜22iが接続されており、それぞれに点灯または点滅制御される。ランプ・ソレノイド・大当り情報回路53には、ソレノイド6,遊技効果ランプ59,レール飾りランプ16,風車ランプ18,肩ランプ19,サイドランプ17,アタッカーランプ21,袖ランプ20が接続されている。なお58は大当り情報出力線である。
【0030】
モータドライブ回路54には、各ドラムを回転駆動させるためのドラムモータ(ステッピングモータ)30a,30b,30cが接続されており、モータドライブ回路54の制御信号に基づいて各ドラムモータ30a〜30cが回転駆動する。この回転中におけるドラムの基準位置を検出するためのドラムセンサ36a,36b,36cがドラムセンサ基板35に設けられ、そのドラムセンサ36a〜36cがスイッチ・センサ入力回路49に接続されており、ドラムの基準位置の検出信号がスイッチ・センサ入力回路49を介して基本回路45に与えられる。可変入賞球装置4に入賞した入賞玉を検出する入賞個数検出器60がスイッチ・センサ入力回路49に接続されており、可変入賞球装置4に入賞した入賞玉の検出信号がスイッチ・センサ入力回路49を介して基本回路45に与えられる。可変入賞球装置内の特定入賞口8に入賞した入賞玉を検出する特定入賞玉検出器61がスイッチ・センサ入力回路49に接続されており、特定入賞口に入賞した入賞玉の検出信号がスイッチ・センサ入力回路49を介して基本回路45に与えられる。始動入賞玉検出器11a〜11cからの始動入賞検出信号がスイッチ・センサ入力回路49を介して基本回路45に与えられる。
【0031】
また、パチンコ遊技機の制御回路44には、AC24Vの交流電源に接続され、複数種類の直流の電圧を発生させる電源回路55が含まれている。
【0032】
図5ないし図28は、図5に示した制御回路の動作を説明するためのフローチャートであり、図5ないし図22は第1実施例を示し、図23ないし図28は第2実施例を示す。
【0033】
図5に示すメインルーチンプログラムはたとえば2msec毎に1回実行される。この実行は、図4のクロック用リセットパルス発生回路47が2msec毎に1回発生するリセットパルスに応答して開始される。まずステップS(以下単にSという)1により、スタックセット処理がなされ、S2によりRAM(Random Access Memory)エラーがあったか否かの判断が行なわれる。この判断は、図4に示した基本回路45中のRAM(図示せず)の所定アドレスの内容を読出し、その値が所定の値と等しいか否かを調べることにより行なわれる。プログラムの暴走時や電源投入直後には、RAMの格納データは不定であるため、判断の答はNOとなって制御はS3に進む。S3においては、RAMに初期データが書込まれる。その後制御はS8に進む。S3において初期データが書込まれるため、以降このメインルーチンの実行時には、S2における判断の答がYESとなり、制御は直接S4に進む。
【0034】
S4では、基本回路45中の入出力回路(I/O)に所定のデータを出力する処理が行なわれ、S5に進む。S5では、10カウント・ドラムエラーがあったか否かの判断が行なわれる。10カウントエラーとは、後述するS27,S28によるチェックの結果、入賞個数検出器60や特定入賞玉検出器61に異常が発生したか否かを判定するものである。ドラムエラーとは、回転ドラムが途中で停止した場合や回転制御できない状態となった場合を意味する。このようなエラーが発生した場合には、S6によるプロセス処理を行なうことなく直接S7に進む。一方、10カウント・ドラムエラーがなかった場合にはS6によるプロセス処理が行なわれた後S7に進む。S7では各種検出器からの検出信号を入力するスイッチ入力処理が行なわれる。
【0035】
次にS8により、ランダム1カウンタとランダム2カウンタのカウント値を更新する処理が行なわれる。このランダム1カウンタとランダム2カウンタは、可変表示装置3の停止時の表示結果を大当りが発生する特定の識別情報の組合せ(たとえば777)にするか否かを決定するためのものであり、ランダム1カウンタは後述する1次抽選用のもの、ランダム2カウンタは後述する2次抽選用のものである。また、ランダム2カウンタは後述するように、大当りと決定された場合の停止図柄を決定するためにも兼用されている。次にS9に進み、リセット回数が、「0」,「4」,「1,2,3,5,6,7」のいずれであるかの判断が行なわれる。このリセット回数とは、前記パルス分周回路79から発せられる定期リセットパルスに従ってリセットされた回数を意味し、リセットされるたびに「0」から1つずつ歩進され、「7」に達した後さらに歩進されることにより「0」となる。リセット回数が「0」の場合にはS10に進み、音回路50にスピーカ56を駆動するための音データが出力される。リセット回数が「4」の場合には、S12に進み、出力データテーブルの選択,ドラムランプの各データをセットする処理が行なわれ、S13により、そのセットされたドラムランプの各データが入出力回路から出力される。その出力されたデータに基づいて、前述したように、ドラムランプ22a〜22iが表示制御される。一方、リセット回数が「1,2,3,5,6,7」のいずれかであった場合には、S11に進み、飾りLED,ランプの各データがセットされ、S13により、そのセットされたデータが入出力回路75から出力される。これらS10およびS11の処理の詳細は省略するが、具体的には10カウント・ドラムエラーがある場合には、警告音や警告表示のデータがセットされ、エラーが無い場合には、後述するプロセスフラグの値に応じて対応するアドレスの音データやランプ・LEDデータがセットされる。
【0036】
次にS14に進み、入賞記憶エリア格納処理(後述)が行なわれ、S15に進み、ランダム1カウンタ,ランダム2カウンタ,ランダム3カウンタの更新処理が行なわれる。このS15の処理は、クロック用リセットパルス発生回路47によってリセットされる時間(2msec)内にS1〜S14までの処理を行ない、その残り時間であるリセット待ち時間を利用して行なわれる。ゆえに、S1〜S14までの処理時間がランダムとなるために、S15による処理時間もランダムとなり、S15による更新処理が行なわれた結果、ランダム1カウンタ,ランダム2カウンタ,ランダム3カウンタのカウント値はランダムな値をとることになる。
【0037】
図6は、S6で示したプロセス処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。S16によりプロセスフラグがどのような値にセットされているかの判別が行なわれる。このプロセスフラグは、後述する、S51,S57,S56,S62,S68,S73,S76,S79,S80,S84,S85によりそれぞれの値にセットされるものであり、所定の制御時間を保ちながらパチンコ遊技機を制御するために必要となるものである。プロセスフラグの値に応じて図6に示すように実行されるプログラムが相違するのであり、「0」の場合にはS17による通常処理が行なわれ、「1」の場合にはS18によるランダム2カウンタのチェック処理が行なわれ、「2」の場合にはS19による大当り図柄セット処理が行なわれ、「3」の場合にはS20によるはずれ図柄セット処理が行なわれ、「4」の場合にはS21によるドラム回転スタート処理が行なわれ、「5,6」の場合にはS22によるドラム回転(5はドラム回転中、6はリーチ時ドラム回転中)処理が行なわれ、「7,8」の場合にはS23による大当りチェック(7ははずれ、8は大当り)処理が行なわれ、「9,10」の場合にはS24による開放中(10はV入賞前,10はV入賞後)の処理が行なわれ、「11,12」の場合にはS25による開放後(11はV未入賞,12はV入賞済)処理が行なわれる。
【0038】
図7は、S6に示したスイッチ入力処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。S26により、基本回路45内の入出力回路のスイッチポートから各種検出器の検出信号を入力する処理が行なわれる。次に、S27により、10カウントスイッチ(入賞個数検出器60)のエラーチェックが行なわれる。この10カウントスイッチエラーチェックとは、入賞個数検出器60の断線やショートや玉づまりの場合を意味し、入賞個数検出器60の検出出力が所定時間(たとえば2.9秒)以上連続して導出された場合にエラーとなる。次にS28に進み、Vスイッチ(特定入賞玉検出器61)のエラーチェックが行なわれる。このVスイッチエラーチェックも、特定入賞玉検出器61の断線やショートのチェックであり、特定入賞玉検出器61からの検出信号が所定時間(たとえば2.9秒)以上導出されたときにエラーとなる。次に、S29に進み、10カウント・ドラムエラーがあるか否かの判断がなされる。この判断はS27,S28によるチェックの結果異常があったか否かを判断するとともに、S5で説明したドラムエラーがあったか否かを判断するものである。そして、10カウント・ドラムエラーがあった場合にはそのままサブルーチンプログラムが終了するが、なかった場合にはS30に進み、始動スイッチがONになったか否かの判断が行なわれる。本実施例の場合、始動スイッチとしては、始動入賞玉検出器11a,11b,11cの3種類の検出器があり、このスイッチ入力処理のサブルーチンプログラムが1回実行される間にそれぞれの検出器を1つずつ判定する。そして、始動スイッチがONとなっていると判断された場合にはS32に進み、ON判定タイミングであるか否かの判断が行なわれる。パチンコ玉が始動入賞口に入賞してその始動入賞玉が始動入賞玉検出器により検出されれば、その始動入賞玉検出器から所定パルス幅を有する検出パルスが導出されるのであり、その検出パルスのパルス幅の時間中このスイッチ入力処理のサブルーチンが実行される毎にS30によりYESの判断が続けて行なわれる。その度にONと判断された始動入賞玉検出器に対応するONカウンタがカウントアップされ、そのカウント値が所定の値(たとえば「3」)に達すればS32によりYESの判断がなされる。一方、静電気等に起因したノイズにより始動入賞玉検出器が瞬間的にONになる場合があり、そのような場合には始動入賞玉検出器からパルス幅がほとんどゼロに近いパルス信号が出力される。その出力されたタイミングに合わせてS30の判断が行なわれた場合には、S30によりYESの判断がなされ、対応するONカウンタが「1」加算される。しかし、その際に、ONカウンタの値が「1」となったとしても、ONカウンタの値が前記所定値(たとえば「3」)になっていないために、S32によりNOの判断がなされる。そして、このスイッチ入力処理のサブルーチーンプログラムが次回(2msec後)実行される際には、ノイズに起因して始動入賞玉検出器から検出された検出パルスは既に立下がった状態となっているために、S30によりNOの判断がなされてS31により、対応するONカウンタの値がクリアされて「0」となる。このように、ノイズに起因して始動入賞玉検出器から瞬間的なパルス信号が出力されたとしても、S32によりNOの判断がなされるために、始動入賞玉検出器が始動入賞玉検出した旨の判定は行なわれないのであり、ノイズによる誤判定が防止できる利点がある。
【0039】
次に、S32によりYESの判断がなされた場合にはS33に進み、始動入賞記憶が最大(たとえば4)になっているか否かの判断が行なわれ、既に最大になっている場合にはそれ以上記憶する余裕がないために、そのままS35に進むが、最大になっていない場合にはまだ記憶する余裕があるために、S34に進み、始動記憶数を「1」加算するとともに、始動入賞数を「1」加算する処理が行なわれる。次にS35により、すべての始動チェックが終了したか否かの判断が行なわれる。前述したように、始動入賞玉検出器は3種類あるために、このS35により、3種類すべての始動入賞玉検出器のチェックが終了したか否かの判断が行なわれるのであり、まだチェックが終了していない始動入賞玉検出器がある場合には再びS30に進み、チェックが行なわれる。そして、すべての始動入賞玉検出器のチェックが終了した段階でS35によりYESの判断がなされる。
【0040】
図8は、S12に示されたドラムランプデータセットのサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。S36により、前述と同様に、10カウント・ドラムエラーがあったか否かの判断が行なわれ、あった場合にはS38に進み、アラーム時のデータセットが行なわれるとともに、ソレノイド6をOFFにするためのデータがセットされ、そのセットされたデータが前記S4により出力される。このアラーム時のデータとは、ドラムランプ22a〜22iすべてを点滅状態にしたりあるいは消灯状態にしたりするためのデータ等である。また、ソレノイドをOFFにするデータがセットされて出力されるために、可変入賞球装置4の開閉板5が閉成されて遊技者にとって不利な第2の状態となる。
【0041】
次に、10カウント・ドラムエラーが無いと判断された場合にはS37に進み、プロセスフラグの値に応じて、対応するアドレスのドラムランプを制御するためのデータがセットされ、そのセットされたデータがS13により出力される。このセットされるデータに従った表示制御は図29に基づいて後述する。
【0042】
図9は、S11に示した飾りLED・ランプデータセット処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。S39により、前述と同様に10カウント・ドラムエラーがあるか否かの判断が行なわれ、無い場合にはS40に進み、プロセスフラグの値に応じ、対応するアドレスのLED・ランプ制御データがセットされる。そのセットされたデータがS13により出力される。一方、10カウント・ドラムエラーがあった場合にはS41により、アラーム時データセット,ソレノイドをOFFにするためのデータのセットが行なわれる。このサブルーチンプログロムによる処理は、音データについても同様の制御が行なわれる。それで、S40によりセットされたデータと同様にセットされた音データに基づいて、後述する図29に示すように、各種表示器の表示制御とスピーカによる音の発生制御とが行なわれる。
【0043】
図10は、S14に示した入賞記憶エリア格納処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。S42により、始動入賞数が「0」であるか否かの判断が行なわれる。この始動入賞数は、前記S34により「1」ずつ加算され、後述するS44により「1」ずつ減算される。始動入賞数が「0」の場合にはそのままサブルーチンプログラムが終了するが、始動入賞数がある場合にはS43に進み、ランダム1カウンタとランダム2カウンタとの値を入賞記憶エリアの対応するエリアに格納する処理が行なわれる。この始動入賞記憶エリアは、ランダム1カウンタのカウント値格納用のエリアとランダム2カウンタのカウント値格納用のエリアを有するとともに、始動入賞記憶数に応じて各ランダム1カウンタの値とランダム2カウンタの値とを記憶するための複数のエリアを有する。次にS44に進み、始動入賞数を「1」減算する処理がなされ、S42に進み、始動入賞数が「0」になるまでこのS43,44の処理が繰返される。この入賞記憶エリア格納処理により、始動入賞毎にそれに対応するランダム1カウンタの値とランダム2カウンタの値とがそれぞれの入賞記憶エリアに格納される。
【0044】
図11は、S17に示した通常処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。S45により、入賞記憶があるか否かの判断が行なわれる。この入賞記憶は、前記S34により「1」ずつ加算され、後述するS58により「1」ずつ減算される。入賞記憶がなかった場合にはS46に進み、1次抽選フラグを「はずれ」にセットしてそのままサブルーチンプログラムが終了する。一方、入賞記憶があった場合にはS47に進み、入賞記憶エリアのエリア1に記憶されているランダム1カウンタのカウント値と現在のランダム1カウンタのカウント値とを加算してその結果の値に基づいて当りか否かの判定が行なわれる。入賞記憶エリアのエリア1は、前記S43で格納されたカウント値のうち一番古いカウント値を格納しているエリアであり、その一番古いカウント値に基づいてS47による判定が行なわれる。このS47では、その一番古いカウント値と現在のランダム1カウンタのカウント値とを加算し、その加算結果に基づいて1次抽選の当りはずれを判定するようにしているために、入賞記憶エリアのエリア1に格納されているランダム1カウンタのカウント値のみに基づいて判定するのに比べてランダム性がより向上する。次にS48に進み、1次抽選の結果当りとなっているか否かの判断が行なわれ、当りでないと判断された場合にはS49に進み、1次抽選フラグを「はずれ」にセットしてS51に進む。一方、当りと判断された場合にはS50に進み、1次抽選フラグを「当り」にセットしてS51に進む。S51では、プロセスフラグを「1」にセットする処理がなされる。その結果、次にS18に示すランダム2カウンタのチェック処理が行われる。
【0045】
図12は、S18に示したランダム2カウンタのチェック処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。S52により、1次抽選フラグが「当り」になっているか否かの判断が行なわれ、「当り」になっていない場合にはS56に進む。一方、「当り」になっている場合にはS53に進み、入賞記憶エリアのエリア1に格納されているランダム2カウンタの値を判定し、S54により、その2次抽選の判定結果が当りであるか否かの判断が行なわれる。はずれと判断された場合にはS55に進み、1次抽選フラグを「はずれ」にセットしてS56に進む。一方、2次抽選の結果当りであると判断された場合にはS57に進み、入賞記憶エリアのエリア1のランダム2カウンタの値に基づき大当り図柄ナンバー(28種類ある中の1つの値)がセットされ、プロセスフラグを「2」にセットする処理がなされてS58に進む。
【0046】
S56では、プロセスフラグを「3」にセットする処理が行なわれる。S58では、始動入賞記憶数を「1」減算する処理が行なわれる。次にS59に進み、入賞記憶エリアをシフトする処理が行なわれる。入賞記憶エリアは前述したように、始動入賞数に対応して複数のランダム1およびランダム2のカウント値をそれぞれ格納するための複数のエリアを有し、一番古いカウント値がエリア1に格納され、その次に古いカウント値がエリア2に格納され、さらにその次に古いカウント値がエリア3に格納されるというように構成されている。そして、このS59により、エリア1に格納されているカウント値を消去してエリア2に格納されているカウント値をエリア1にシフトして格納し、エリア3に格納されているカウント値をエリア2にシフトして格納し、エリア4に格納されているカウント値をエリア3にシフトして格納する処理が行なわれる。
【0047】
図13は、S19に示した大当り図柄セットのサブルーチンプログラムを示すフローチャートであり、プロセスフラグが「2」にセットされている場合すなわち2次抽選の結果当りと判断された場合に実行される。S60により、大当り図柄ナンバー(S57参照)に基づいてそのナンバーに対応する大当り図柄(各ドラムにおける停止図柄ナンバー)がセットされる。次にS61に進み、特定の識別情報が発生する可能性のある有効列のランプを点滅させるための当り列ランプデータがセットされ、大当りフラグにリーチを示す値および大当りを示す値がセットされ、左,中ドラム用の回転増カウンタに3がセットされ、右ドラム用回転増カウンタに5がセットされる。これにより、リーチの場合には右ドラムが左,中ドラムより多い回転数で回転された後停止することになる。S61の後S62に進み、プログラムフラグに4がセットされる。
【0048】
図14は、S56によりプロセスフラグが「3」にセットされた場合すなわち1次抽選または2次抽選の結果はずれと決定された場合に行なわれるはずれ図柄セット(S20参照)のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。S63により、ランダム3カウンタのカウント値に基づきはずれ図柄がセットされ、S64に進み、左図柄と中図柄とが等しいか否かの判断が行なわれ、等しくなければS68に進むが、等しい場合にはリーチが発生するということであるから、S65に進み、リーチ時の当り列のランプを点滅させるためのデータがセットされ、大当りフラグにリーチを表わす値がセットされ、左,中ドラムについての回転増カウンタに3がセットされるとともに右ドラム用の回転増カウンタ5がセットされる。次にS66に進み、左図柄と中図柄と右図柄とが等しいか否かの判断が行なわれ、等しくなければS68に進むが、たまたま等しくなった場合には、S67に進み、右停止図柄ナンバーのみを「1」加算して強制的にずらせ、図柄が特定の識別情報の組合せにならないように制御する。次にS68では、プロセスフラグが「4」にセットされる。その結果、次回の処理ではS21に示すドラム回転スタートの処理が行なわれることになる。
【0049】
図15は、S21に示したドラム回転スタートのサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。S69において、左・中・右モータ制御フラグに、加速/減速を表わす値がセットされる。続いてS70において、左・中・右ドラム制御アドレステーブルの先頭がセットされる。さらにS71において、定速送り図柄数として左図柄に「1」、中図柄に「6」、右図柄に「11」がそれぞれセットされる。これにより、リーチにならない場合には、ドラム制御テーブル(18種類)が終了した時点で、左ドラムが停止図柄の1図柄手前の図柄を、中ドラムは停止図柄の6図柄手前の図柄を、右ドラムは停止図柄の11図柄手前の図柄をそれぞれ中央ラインに表示していることになる。続いてS72においてドラム制御テーブルアドレスが選択され、ソフトウェア上に用意された各モータ制御エリアにセットされ、1ステップタイマ、ステップ数データが同じく各モータ制御エリアにセットされる。次にS73に進み、プロセスフラグが「5」にセットされる。その結果、次回の処理ではS22のドラム回転の処理が行なわれる。
【0050】
図16は、S22に示すドラム回転処理のサブルーチーンプログラムである。S74により、ステッピングモータ30a〜30cのコントロール処理が行なわれる。このステッピングモータのコントロール処理は、後述する左・中・右モータ制御フラグの値に応じて、ステッピングモータ30a〜30cを加速/減速させたり、定速で回転させたりするためのものであり、その詳細は後述する。S66〜S74により、前記全ての可変表示部を可変表示させて、所定の停止条件の成立に基づいてそれぞれの可変表示部を停止時期を異ならせて停止させる可変表示制御手段が構成されている。次にS75に進み、大当りフラグが「リーチ」にセットされているか否かの判断が行なわれる。大当りフラグが前記S61またはS65により「リーチ」にセットされている場合にはS76に進み、プロセスフラグが「6」にセットされた後にS77に進む。一方、大当りフラグが「リーチ」にセットされていない場合にはそのままS77に進む。この左ドラムと中ドラムとが停止した状態で大当りフラグが「リーチ」にセットされている場合には、前記S37で説明したリーチ時におけるドラムランプの制御を行なうためのデータがセットされる。このため、左ドラムと中ドラムが停止する以前にどのラインにリーチ状態(所定表示状態)が発生するかが事前に報知される。なお、ライン報知については左ドラムと中ドラムが停止した時点から行なうようにしてもよい。
【0051】
次にS77に進み、全ドラムが停止したか否かの判断が行なわれ、全ドラムが停止した段階でS78に進み、S78では、大当りフラグが「大当り」になっているか否かの判断がなされ、「大当り」になっていない場合にはS79に進むが、「大当り」になっている場合にはS80に進み、プロセスフラグを「8」にセットし、プロセスタイマに初回開放前時間をセットする処理が行なわれ、サブルーチンが終了する。この初回開放前時間は約4秒程度の時間であり、このセットされた初回開放前時間の間後述するS81によりNOの判断がなされてその間ドラムが停止した状態を保つとともに可変入賞球装置4を第1の状態に駆動制御するための制御が遅延される。一方、「大当り」になっていない場合はS79においてプロセスフラグを「7」にセットし、プロセスタイマにはずれ遅延時間をセットする処理が行なわれてサブルーチンが終了する。このはずれ遅延時間は約1秒程度の時間であり、このセットされた遅延時間の間後述するS81によりNOの判断がなされて全ドラムが停止状態に保持され、その間遊技者にはずれであることの確認をさせることができる。
【0052】
次に、プロセスフラグが「7」または「8」にセットされている場合にはS23の大当りチェックの処理が行なわれる。
【0053】
図17は、S23の大当りチェック処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。S81により、プロセスタイマが終了したか否かの判断が行なわれ、プロセスタイマが終了した段階でS82に進み、ステッピングモータをOFFにするための出力データがセットされ、このセットされたデータがS4により出力されることによりステッピングモータ30a〜30cがOFFになる。次にS83に進み、大当りフラグが「大当り」になっているか否かの判断が行なわれ、「大当り」になっていない場合にはS84に進み、プロセスフラグが「0」にセットされて再び前記S17の通常処理が開始される。一方、大当りフラグが「大当り」になっている場合にはS85に進み、V入賞フラグがクリアされ、プロセスフラグが「10」にセットされ、プロセスタイマに開放時間(30秒)がセットされ、開放回数カウンタを「1」にする処理が行なわれる。このV入賞フラグは、パチンコ玉が特定入賞領域8に入賞して特定入賞玉検出器61により検出された場合にセットされるものであり、このV入賞フラグがセットされている場合には、可変入賞球装置の第1の状態が終了した後再度可変入賞球装置を第1の状態に駆動制御する繰返し継続制御が行なわれる。この繰返し継続制御の回数が開放回数カウンタによりカウントアップされ、そのカウント値が所定値(たとえば「16」)に達した段階でそれ以上の繰返し継続制御が行なわれないように制御される。さらに、このS85により、プロセスタイマに開放時間(30秒)がセットされるために、ソレノイド6が最大30秒間励磁されて可変入賞球装置4の開閉板5が最大30秒間開成状態となるが、その間に所定個数(たとえば10個)のパチンコ玉が可変入賞球装置内に入賞して入賞個数検出器60あるいは特定入賞玉検出器61により検出されれば、その時点でソレノイド6の励磁が停止されて開閉板5が閉成する。
【0054】
図18は、図17に示したプロセスにより可変表示の準備が終了した後、実際に何図柄ステッピングモータを回転させて図柄を送ればよいかを演算するためのプログラムを示すフローチャートであり、図15のS72の詳細を示す。
【0055】
S86により、大当りフラグがリーチにセットされているか否かの判断が行なわれる。S61またS65により大当りフラグがリーチにセットされている場合にはS93に進み、制御プログラム終了データがセットされる。その結果、後述するS104によりYESの判断がなされることとなる。一方、大当りフラグがリーチにセットされていない場合にはS87に進み、左移動図柄数の演算処理が行なわれる。この移動図柄数は,S57やS63またはS67により定められた停止図柄ナンバーから、現在表示されている図柄ナンバーとS71により定められた定速送り図柄数との和を引くことにより求められる。後述のS89やS91において行なわれる中移動図柄数演算や右移動図柄数演算も同様にして行なわれる。続いてS88において、S87の演算により求められた移動図柄数に基づきアドレス計算が行なわれ、ドラム制御テーブルアドレスを選択して各モータ制御エリアにセットする処理が行なわれる。後述のS90とS92においても同様の処理が行なわれる。
【0056】
図19は、図16のS74で行なわれる可変表示装置の回転停止制御を行なうプログラムを示すフローチャートである。図19に示される処理は、左、中、右の各ドラムそれぞれについて実行される。まず、S94において、モータ制御フラグに停止を示す値がセットされているか否かについての判断が行なわれ、セットされている場合にはモータが停止中であるからこのサブルーチンは終了し、それ以外の場合にはS95に進む。S95においては、ドラムセンサ36a〜36cからの信号を入力しチェックする処理が行なわれS96に進む。S96においては、モータが定速中であるか否かの判断が、モータ制御フラグに定速中のフラグがセットされているか否かで行なわれる。そしてモータ定速中であると判断された場合にはS98によりモータ定速の制御が行なわれ、定速中でなければS97に進み、モータを加速制御または減速制御する。
【0057】
図20は図19のS97に示したプログラムの具体的内容を示すサブルーチンプログラムである。S99に示した「1ステップタイマ」とは、ステッピングモータを次のステップに送るタイミングを判定するための時間を計時するタイマである。このタイマは後述するS102によりセットされる。S99において、この1ステップタイマが終了したか否かについての判断が行なわれる。判断の答がNOであればステッピングモータを次のステップに送るタイミングでないということであるから制御はS109に直接進み、判断の答がYESであればS100においてステップチェック処理が行なわれる。このステップチェック処理については図22を参照して後述する。
【0058】
続いてS101において10カウント・ドラムエラーがあるか否かについての判断が行なわれる。エラーがあれば制御は直接S109に進む。それ以外の場合にはS102で1ステップタイマがセットされる。ここでセットされる値は、前述のようにステッピングモータを次のステップに送るタイミングを判定するための時間であり、前述したように4msec,6msec,8msec,10msecの4種類の時間がセットされる。続いてS103において、ステッピングモータが、必要なステップ数だけ動作終了したか否かについての判断が行なわれる。終了していなければ引続き同じ回転速度によるステッピングモータの制御を行なうため、制御はS109に進み、終了した場合にはS104に進む。
【0059】
S104においては、ステッピングモータを制御するための前述の制御テーブルによる制御が終了しているか否かの判断が行なわれ、終了している場合にはS106に進み、それ以外の場合にはS105に進む。S105では、ステッピングモータの回転速度を加速/減速に応じて変更するために、次回のステッピングモータの制御データがセットされる。また制御データのアドレスも同様に更新される。S105の後制御はS109に進む。
【0060】
S104で制御テーブルによる制御が終了したと判断された場合には、S106に進み、回転増カウンタがゼロか否かについての判断が行なわれる。ゼロでない場合にはS107に進み、ステップ数に1回転増データ(216ステップ)がセットされ、回転増カウンタが1減算されて制御テーブルに基づいたステッピングモータの回転制御が行なわれる。S107の後制御はS109に進む。なお、リーチ状態となる場合は、最初から制御テーブルが終了していると判断されてS106に進み(S93参照)、回転増カウンタによる回転制御が行なわれる。
【0061】
S106で回転増カウンタの値がゼロであると判断された場合には、S108に進み、モータ制御フラグに「定速」がセットされ、「イニシャルチェック」が行なわれる。イニシャルチェックではシステムイニシャル中であるか否かを判定し、イニシャル中の場合には停止図柄ナンバー=現在図柄ナンバー+1となるように制御される。
【0062】
図21は、図19のS98に示したサブルーチンの具体的内容を示すフローチャートである。まずS110において、1ステップタイマが終了したか否かの判断が行なわれ、終了していない場合にはこのサブルーチンはただちに終了し、タイマ終了したときにS111に進む。S111においてはステップチェック処理が行なわれる。ステップチェック処理においては回転ドラムの回転制御に何らかのエラーがおきたか否かの判断が行なわれ、続くS112において、10カウント・ドラムエラーが発生したか否かの判断が行なわれ、発生している場合にはこのサブルーチンは終了する。S112でエラーが発生していないという判断がされた場合にはS113に進み、図柄の途中であるか否かの判断がなされ、図柄の途中である場合には直接S117に進み、それ以外の場合にはS114に進む。S114においては、現在の図柄ナンバーが停止図柄ナンバーと一致しているか否かの判断が行なわれ、一致している場合にはS115に進みそれ以外の場合にはS117に進む。S115では、対象が中ドラムであるか否かの判断が行なわれ、中ドラムでない場合にはS119に進みモータ制御フラグに「停止」がセットされ、停止音を表わす音データがセットされてサブルーチンは終了する。中ドラムである場合にはS116に進み、左モータ制御フラグが「停止」であるか否かの判断が行われ、停止中である場合にはS119に進み、それ以外の場合にはS117に進む。この判断は、左回転ドラム31aが停止していない場合には、中回転ドラム31bをもう1回転させるために行なわれる。S117においては、1ステップタイマ(本実施例では10msec)がセットされ、S118においてはモータ出力がセットされサブルーチンが終了する。
【0063】
この図21のS111および図20のS100の具体的内容が図22のサブルーチンプログラムに示されている。この図22のS120に示されている「モータ基準パターン」は、ステッピングモータのコイルを励磁する励磁基準パターンであり、本実施例のステッピングモータは1−2相励磁であるため、励磁パターンは基準パターンを含め8通りのパターンがある。そして、ドラムの1回転がステッピングモータの216ステップに相当するため、ドラムの1回転の間の基準励磁パターン回数は216/8=27回となり、ドラムの1回転の間にS120により27回YESの判断がなされる。S120によりYESの判断がなされればS121に進み、ドラムセンサがONか否かの判断が行なわれる。このドラムセンサは、図2にも示したように、ドラムの無反射部分33a〜33cを検出するものであり、ドラムが1回転する度に1回ONと判定される。そして、ドラムセンサがONと判定された場合には、ドラムが基準位置に達しているためにS140に示すように1図柄中ステップ数を0にするとともに現在図柄ナンバーを0にする処理が行なわれる。1図柄中ステップ数と現在図柄ナンバーとの関係を簡単に説明すると、1図柄に対応するステップ数は12ステップであるから1図柄中ステップ数は0〜11の値を取り得る。また、ドラムに描かれている図柄数は18であるから現在図柄ナンバーは0〜17の値を取り得る。そして1図柄中ステップ数の値が12に達した場合には、現在図柄ナンバーの値に1が加算されるとともに1図柄中ステップナンバーの値が0にされ、加算された結果現在図柄ナンバーの値が18に達した場合には、現在図柄ナンバーの値も0にされる。これらの処理はS109,S118におけるモータ出力データセット処理(詳細省略)において行なわれるが、モータ基準パターンになったときにドラムセンサがONの判断がなされた場合には、モータ出力データセット処理の状態に関係なくS124においてともに0にされることになる。
【0064】
次にS125によりセンサONカウンタの値が「0」以上であるか否かの判断を行なう。このセンサONカウンタの初期値は「−20」に設定される。これは、「0」に設定すると電源投入時や復旧時にS128でエラー判定される場合があるためである。なお、初期設定値はS128の設定値よりも小さければ「−20」以外の値であってもよい。センサONカウンタは、電源投入時や復旧時には初期設定値「−20」からS121におけるドラムセンサのOFF判定毎にS122によってカウントダウンされる。また、可変表示中においては、S121においてON判定された時のセンサONカウンタの値は正常時は「−26」となる。ゆえに、正常に動作している限りは、電源投入時や復旧時を含めてS125,S128ともにNOの判断がなされてS129においてセンサONカウンタの値が「0」に更新されることとなる。
【0065】
一方、S128においてセンサONカウンタが「−12」以上であればS130に進み、ドラムエラーフラグがセットされる。つまり、ドラムが半回転しないうちにドラムセンサがONと判断された場合にS130によりドラムエラーフラグのセットを行なう。このエラーの原因は、たとえば、ドラムにごみが付着したり図柄が描かれてドラム外周に貼着されている図柄シールが剥がれている場合等が考えられる。なお、S128の設定値は「−12」に限らず−1〜−25の任意の値でよいが、−12〜−25の間の値に設定するのが望ましい。
【0066】
次に、S121によりYESと判断されてかつセンサONカウンタの値が「0」以上であった場合には、S126によりセンサONカウンタが「1」インクリメントされ、S127によりセンサONカウンタが「5」未満か否かの判断が行なわれる。そして、「5」以上であった場合にはS130に進み、ドラムエラーフラグがセットされる。つまり、基準パターン5回を越えてドラムセンサのON状態が続いた場合は、ドラムセンサが故障しているかまたはドラムセンサのコネクタが外れている場合等が考えられるため、S130によりドラムエラーフラグのセットが行なわれるのである。なお、S127の設定値は「5」に限らず「1」以上の任意の値でよい。
【0067】
モータ基準パターンになったときにドラムセンサがONと判断されない場合にはS122によりセンサONカウンタが「1」ディクリメントされる。つまり、ドラムセンサがOFFに切替わってから次にONに切替わるまでの間何回モータ基準パターンになったかがS122によりカウントダウンされる。正常時にはモータ基準パターンが27回生ずればドラムが1回転しているために、このセンサONカウンタは0〜26の値を取ることになる。そして、S123により、センサONカウンタの値が「−60」以下であると判断された場合すなわちドラムが2回転を越えて回転しても無反射部分が検出されない場合はS130に進み、ドラムエラーフラグのセットが行なわれる。この場合のエラーは故障や外力による強制停止によってステッピングモータが回転しない場合が考えられる。S123の設定値を「−27」以下の任意の値にしてドラムが1回転を越えて回転した段階で無反射部分が検出されない場合にS130のエラー処理を行なうようにしなかった理由は、電源投入時や復旧時に無反射部分がドラムセンサの所にあると検出されない場合があり、その場合にはセンサONカウンタの初期値が「−20」に設定されている関係上S123の設定値を「−60」に設定し、ドラムが1回転もしない段階でS130によるエラー処理が行なわれる不都合を防止するためである。なお、S123の設定値は、初期設定値を考慮することを条件として「−27」以下の任意の値でよい。このS120〜129により、前記可変表示制御手段によって制御されている前記可変表示装置の表示状態が適正か否かを確認する確認手段が構成されている。
【0068】
なお、本実施例では、ドラムが1回転して無反射部分が検出されるごとに図柄番号をリセットして「0」とし(S124参照)、ドラムの回転の最終回のときの図柄ナンバーが停止図柄に一致したときにドラムを停止させるものを示したが、それに代えて、電源投入時の初期化処理においてのみ無反射部分を検出するようにし、遊技中においては、可変開始前の図柄から何図柄分回転させた状態で停止させるかを予め決定しておき、その決定された図柄分ドラムが回転した状態で停止するように制御して、ドラム1回転ごとにはリセットしないようにしてもよい。たとえば、ドラムを5回転と10図柄分回転させたい場合は、18×5+10=100の100図柄分回転させて停止させる。
【0069】
次に、図23ないし図28に基づいて本発明の第2実施例の制御を説明する。この第2実施例のパチンコ遊技機は、左図柄と中図柄とが停止してリーチ状態が発生する旨を1つの図柄すなわち左図柄が停止した段階で報知するものであり、第1実施例に示したフローチャートとほぼ類似する内容となっており、第1実施例との相違点について主に説明する。なお、第2実施例のフローチャートの中で記載がないものについては第1実施例と同様のフローチャートであることをつけ加えておく。
【0070】
図23に示す大当り図柄セットのサブルーチンプログラムにおいては、S131により、中ドラム用の回転増カウンタを「2」にセットし、右ドラム用のものを「4」にセットする処理が行なわれる。この第2実施例においては、左図柄が停止する以前においては何らリーチが発生する旨の予告報知は行なわれないために、リーチが発生する場合であってもリーチが発生しない通常の状態時における表示制御が行なわれるために、左図柄についての回転増カウンタは存在しないのである。
【0071】
図20におけるはずれ図柄セットのサブルーチンプログラムにおいても、同様の理由により、S132において回転増カウンタの中を「2」にセットし、右を「4」にセットするのであり、回転増カウンタの左図柄については存在しないのである。
【0072】
次に、図25に示すドラム回転処理のサブルーチンプログラムにおいては、S74によるモータ制御の処理が行なわれた後にS133において、左ドラムが回転中であるか否かの判断が行なわれ、左ドラムが停止して初めてS75に進み、第1実施例と同様に大当りフラグがリーチにセットされているか否かの判断が行なわれる。これは、大当りフラグがリーチにセットされていたとしても、左ドラムの回転が停止するまではリーチ状態ではない通常の状態時における可変表示制御と何ら変わらないためであり、左ドラムが停止して初めて大当りフラグがリーチになっているか否かの判断を行なってリーチになっている場合にはそのリーチ状態時における制御を実行するのである。
【0073】
次に、図26に示すドラム制御テーブルアドレス選択処理のサブルーチンプログラムにおいては、S86による大当りフラグがリーチにセットされているか否かの判断を行なう以前の段階で、S87により左移動図柄数の演算処理を行なって、S88により、その演算により求められた移動図柄数に基づきアドレス計算を行ない、ドラム制御テーブルアドレスを選択して各モータ制御エリアにセットする処理が行なわれる。これは、第2実施例が、たとえ大当りフラグがリーチにセットされていたとしても、左ドラムについて、リーチ状態ではない通常状態時における制御と何ら変わりがないためであり、その左ドラムについてS87,S88による処理を行なった後、中ドラムと右ドラムについては、S86による大当りフラグがリーチにセットされているか否かの状態に応じて、それぞれの状態で場合分けして制御するのである。
【0074】
大当りフラグがリーチにセットされている場合には、S134に進み、中・右移動図柄数「0」に対応するアドレスを選択し、セットする処理が行なわれる。左移動図柄数については、S87,S88によりすでに処理が行なわれているため、このS134では、中移動図柄数と右移動図柄数についてのみ処理するのである。一方、大当りフラグがリーチにセットされていない場合にはS89に進み、第1実施例におけるS89〜S92と同様の処理が行なわれる。
【0075】
図27に示すモータ加速/減速処理のサブルーチンプログラムにおいては、S104により制御プログラムが終了していると判断された場合には、その終了している制御テーブルが左ドラムに関するものであるか否かの判断が行なわれ、中ドラムまでは右ドラムに関するものである場合には第1実施例と同様にS106による回転増カウンタが「0」になっているか否かの判断が行なわれる。一方、終了した制御テーブルが左ドラムに関するものであった場合にはS106による判断を行なうことなく直接S108に進みモータ制御フラグを定速にセットし、イニシャルチェックが行なわれる。これは、左ドラムに関しては、リーチ状態になるか否かに関わらずリーチ状態以前の通常状態時における制御が行なわれるのであり、その結果、回転増制御も行なわれないのであり、回転増カウンタが存在しないためである。
【0076】
図28に示すモータ定速処理のサブルーチンプログラムにおいて、第1実施例に示したS115とS116のステップが存在しない。これは、左ドラムについてはリーチとなるか否かに関わらず常に通常時の制御が行なわれ、中ドラムおよび右ドラムについてのみ停止時においては回転増カウンタに従った回転増し制御および定速回転制御が行なわれるのであり、左図柄が停止する以前において中図柄が停止することがないためであり、S114によりYESの判断が行なわれた後において、その図柄が一致したドラムが中図柄であるか否かの判断を行なう必要がないためである。なお、中ドラムと右ドラムとは、S132に示すように、回転増カウンタの値がそれぞれ相違するために、この中ドラムと右ドラムに関しては右ドラムの方が先に停止することはあり得ないのである。
【0077】
この様に、第2実施例においては、左ドラムと中ドラムとが停止した状態でリーチ状態となる場合には、左ドラムが停止した時点で中ドラムと右ドラムとがゆっくり回転するように制御される。
【0078】
図29は、図9に示したサブルーチンプログラムに従って各種表示器およびスピーカが制御されるその制御内容を説明するための表を表わす図である。
【0079】
まず電源投入時においてはすべての表示器やスピーカが作動していない状態である。次に始動入賞口10a〜10cのいずれかに打玉が入賞すれば可変表示装置3が可変表示されるのであり、その可変表示中において、スピーカ56からAの種類の効果音が発せられる。また、左,中,右図柄の各図柄停止時においてはスピーカ56からBの種類の効果音が発せられる。また、打玉の始動入賞に伴なって、肩ランプ19,サイドランプ17,アタッカーランプ21,袖ランプ20が、128msだけNOになった後128msだけOFFとなる点滅状態に制御されるとともにドラムランプ22a〜22iすべてが点灯制御される。また、左ドラムと中ドラムとが停止した時にリーチ状態となる場合には、第1実施例のものにおいては、すべてのドラムが回転して可変表示中の段階から、スピーカ56によりCの種類の効果音が発せられ、飾りLED(A)23が、128msだけONになった後128msだけOFFとなる点滅状態に制御され、さらに、リーチ時にそのリーチの図柄の組合せが成立する当り列上のドラムランプ22a〜22iのいずれかのみが、128msだけONになった後128msだけOFFとなる点滅状態に制御される。一方、第2実施例においては、リーチとなる場合におけるこれらのスピーカ56および各種表示器21,20,22a〜22i,23の制御は、左ドラムが停止した後に行なわれる。
【0080】
可変表示装置の可変表示が停止された後に、その表示図柄がはずれの図柄の組合せとなった場合には、スピーカ56からDの種類のはずれ音が発せられるとともに、飾りLED(B)23が、256msだけONになった後256msだけOFFとなる点滅状態に制御される。
【0081】
可変表示装置の停止時の表示結果が当りの識別情報の組合せとなった場合に、可変入賞球装置が開放されるのであるが、その可変入賞球装置の初回の開放前の段階においては、スピーカ56からEの種類の大当り発生時の効果音が発せられるとともに、レール飾りランプ16,肩ランプ19,サイドランプ17,袖ランプ20が、1024msを1周期とした点滅状態に制御される。さらに、風車ランプ18,袖ランプ20が、1024msを1周期とした点滅状態に制御される。また、当りとなる特定の識別情報の組合せが成立した当り列上のドラムランプ22a〜22iのうち当り列に対応するもののみが、128msだけONになった後128msだけOFFとなる点滅状態に制御される。
【0082】
次に、大当りが発生して可変入賞球装置の初回の開放が行なわれた後、パチンコ玉が特定入賞口に入賞する以前の段階において、スピーカ56からFの種類の可変入賞球装置開放時の効果音が発せられるとともに、遊技効果ランプ59,風車ランプ18,肩ランプ19,サイドランプ17,アタッカランプ21,袖ランプ20が、256msだけONになった後256msだけOFFとなる点滅状態に制御される。さらに、レール飾りランプ16が、512msだけONになった後512msだけOFFとなる点滅状態に制御される。また、大当りとなる特定の識別情報の組合せが成立した当り列上ドラムランプ22a〜22iと,飾りLED(A)23とが、128msだけONになった後128msだけOFFとなる点滅状態に制御され、当り列以外のドラムランプは点灯制御される。さらに、飾りLED(B)23が、まず128msの期間OFFとなった後128msだけONとなる(a)とは逆の点滅状態に制御される。
【0083】
大当り状態となり、パチンコ玉が特定入賞口に入賞した後、その入賞に伴い可変入賞球装置が再度開放する以前の段階においては、スピーカ56から、Fの種類の可変入賞球装置開放時の音が出力されるとともに、特定入賞口への最初の打玉の入賞時にGの種類の効果音が発せられる。なお、このGの種類の効果音は、繰返し継続制御の最終回においては発せられない。さらに、遊技効果ランプ59,風車ランプ18,肩ランプ19,サイドランプ17,アタッカランプ21,袖ランプ20,飾りLED(A)23が、128msだけONになった後128msだけOFFとなる点滅状態に制御される。また、大当りとなる特定の識別情報の組合せが成立した当り列上のドラムランプ22a〜22iが点灯表示される。さらに、飾りLED(B)23が、128msだけOFFになった後128msだけONになる点滅状態に制御される。また、レール飾りランプ16とV表示LED57とが、256msだけONになった後256msだけOFFとなる点滅状態に制御される。なお、V表示LED57に関しては、繰返し継続制御の最終回の場合にはこのような点滅制御は行なわれない。
【0084】
大当りとなった後、パチンコ玉が特定入賞口に入賞して繰返し継続制御が行なわれて再度可変入賞球装置が開放された後においては、スピーカ56からHの種類の可変入賞球装置開放後を報知する効果音が発せられるとともに、遊技効果ランプ59,肩ランプ19,サイドランプ17,アタッカランプ21,飾りLED(A)23が、256msだけONになった後256msだけOFFとなる点滅状態に制御される。さらに、風車ランプ18,袖ランプ20が、1024msを1周期とした点滅状態に制御される。また、大当りとなる特定の識別情報の組合せが成立した当り列上のドラムランプ22a〜22iのいずれかのみが、128msだけONになった後128msだけOFFとなる点滅状態に制御される。さらに、飾りLED(B)23が、256msだけまずOFFとなった後256msだけONとなるbとは逆の点滅状態に制御される。なお、前述した10カウントエラー・ドラムエラーの発生時には、スピーカ56からアラーム音Iが出力される。このように、左ドラムと中ドラムとが停止した状態で特定の識別情報の組合せの成立条件を満たした表示状態となっている場合には、そのリーチ状態が発生する以前の段階で、ドラムランプ22a〜22i,飾りLED(A)23,スピーカ56さらには各ドラムによる可変表示動作状態によりリーチ状態が発生する旨の予告報知が行なわれるのであり、これらドラムランプ22a〜22i,飾りLED(A)23,スピーカ56,前記S61,S65,S106,S107,S131,S132,S106,S107により、本発明の予告報知手段が構成されている。
前記予告報知手段による報知は、原出願(特願平3−317164号)の明細書の段落番号0050,0069,図13〜図16,図23,図24にも示されているように、前記可変表示装置により前記リーチ状態が成立する回の可変表示動作中に当該リーチ状態の予告報知を行なう。また、前記予告報知手段は、前述したように、前記可変表示装置の表示領域(各図柄表示部3a〜3c全体を含む領域)を用いた予告報知を含んでいる。また前記予告報知手段は、前述したように、飾り用の発光体(飾りLED23)により予告報知を行なうものを含んでいる。さらに、前記予告報知手段は、複数種類の識別情報の可変表示動作状態(各 ドラムの回転速度や回転増し制御)を通常とは異ならせることにより予告報知を行なうものを含んでいる。さらに、前記予告報知手段は、複数の組合せ有効列のうちのどの組合せ有効列上で前記リーチ状態が成立するかを予告報知するもの(ドラムランプ22a〜22i)を含んでいる。
また、前述したように、前記可変表示装置は、前記リーチ状態が成立する場合には成立しない場合に比べて特有の態様のリーチ動作表示を行なうことが可能である。そして、そのリーチ動作表示は、前述したように、前記特定遊技状態が発生する場合と発生しない場合とで異なった態様となることが可能である。
【0085】
前述した実施例では、リーチが成立する場合に、可変表示装置の可変表示速度をゆっくりとした表示速度に制御するものを示したが、その代わりに、リーチが成立する場合であってもリーチ時でない通常状態時と同様の可変表示速度で制御してもよい。また、可変表示装置の停止時の表示結果が大当りとなる特定の識別情報の組合せとなる場合,またはその特定の識別情報の組合せの前後の図柄となる場合,それら以外の図柄となる場合等のように、同じリーチが成立する場合でも可変表示装置の停止時の表示結果の図柄しだいで場合分けし、それぞれの場合において、リーチが成立する場合の可変表示装置の可変表示速度を可変開始時からゆっくり回転させたり、左ドラムが停止した時点でゆっくり回転させたり、あるいはまったくゆっくり回転させない通常の回転速度で回転制御したりしてもよい。
【0086】
さらに、リーチ状態の発生率を手動操作によって調整したりあるいは自動制御により調整できるようにしてもよい。さらに、パチンコ玉を投入してそのパチンコ玉を打球することにより遊技を行なうパチンコ遊技機に代えて、遊技者への遊技価値が特定可能なカード等の記録媒体を挿入し、その挿入された記録媒体に記録されている遊技価値を使用して遊技を行ない、その遊技の結果獲得した有価価値が得点等により加算表示されて、遊技終了時にはその得点が記録媒体に記録されて遊技者に払出されるというカード式のパチンコ遊技機であってもよい。
【0087】
【発明の効果】
請求項1に記載の本発明によれば、可変表示装置にリーチ状態が発生することを事前に遊技者が知ることができるために、遊技者が期待感を持ってその可変表示装置の表示状態を楽しむことができ、遊技の興趣が向上する。しかも、前記リーチ状態の予告は、複数の可変表示部の内の1つの可変表示部の識別情報が可変表示部の識別情報の予告報知を行なわないときの更新回数および更新速度と同様の更新回数および更新速度によって変動表示された後該可変表示部の識別情報の表示結果が導出表示されている状態で、該1つの可変表示部以外の可変表示部の識別情報を予告報知を行なわないときの更新回数および更新速度と同様の更新回数および更新速度による変動表示に加えて、該予告報知を行なわないときと比較して増加させた更新回数だけ変動表示させることにより予告報知が行なわれるために、遊技者が当該可変表示動作中の予告報知を見落とすことなく、遊技者の期待感を確実に盛り上げることができる。
【0088】
請求項2に記載の本発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、飾り用の発光体によって予告報知が行なわれるために、予告報知と同時に装飾効果も期待できる。
請求項3に記載の本発明によれば、請求項1または請求項2に記載の発明の効果に加えて、複数本の組合せ有効列のうちのどの組合せ有効列上でリーチ状態が成立するかを予告報知することが可能となるために、木目細かな予告報知により遊技者によりわかりやすい報知となる。
請求項4に記載の本発明によれば、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の発明の効果に加えて、特定遊技状態が発生するときと発生しないときとでリーチ動作表示態様を異ならせることが可能であるために、そのリーチ動作表示態様を通して遊技者の特定遊技状態発生への期待感を異ならせることができ、変化のある表示を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】遊技機の一例のパチンコ遊技機の遊技盤面を示す正面図である。
【図2】可変表示装置を構成しているドラムユニットの構造を示す部分分解斜視図である。
【図3】可変表示装置の各表示部で表示される各種図柄の展開図である。
【図4】パチンコ遊技機に用いられる制御回路を示すブロック図である。
【図5】図4に示した制御回路の動作を説明するための第1実施例のプログラムのメインルーチンを示すフローチャートである。
【図6】第1実施例におけるプロセス処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図7】第1実施例におけるスイッチ入力処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図8】第1実施例におけるドラムランプデータセット処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図9】第1実施例における飾りLED・ランプデータセット処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図10】第1実施例における入賞記憶エリア格納処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図11】第1実施例における通常処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図12】第1実施例におけるランダム2チェック処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図13】第1実施例における大当り図柄セット処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図14】第1実施例における外れ図柄セット処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図15】第1実施例におけるドラム回転スタート処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図16】第1実施例におけるドラム回転処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図17】第1実施例における大当りチェック処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図18】第1実施例におけるドラム制御テーブルアドレス選択処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図19】第1実施例におけるモータ制御処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図20】第1実施例におけるモータ加速/減速処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図21】第1実施例におけるモータ定速処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図22】第1実施例におけるステップチェック処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図23】第2実施例における大当り図柄セット処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図24】第2実施例における外れ図柄セット処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図25】第2実施例におけるドラム回転処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図26】第2実施例におけるドラム制御テーブルアドレス選択処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図27】第2実施例におけるモータ加速/減速処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図28】第2実施例におけるモータ定速処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図29】遊技状態とそれに応じた各種表示器やスピーカの制御動作状態を示す表を表わす図である。
【符号の説明】
3a,3b,3cは図柄表示部、3は可変表示装置、44は制御回路、56はスピーカ、22a〜22iはドラムランプ、23は飾りLED、2は遊技領域、1は遊技盤、4は可変入賞球装置である。
Claims (4)
- 複数種類の識別情報を予め定められた順序で順次更新することによって周期的に可変表示可能な可変表示部を少なくとも3つ有する可変表示装置が設けられ、
打球が打込まれる遊技領域に設けられた始動領域への打球の進入により発生する始動入賞に基づいて前記可変表示部は可変表示を開始し、前記複数の可変表示部の識別情報の表示結果が予め定められた特定の表示態様の組合せとなったことを条件に遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御可能となる遊技機であって、
前記始動入賞により入賞記憶エリアに格納されたランダムカウンタの値に基づいて、当該始動入賞に対応する可変表示の開始時に前記複数の可変表示部の識別情報の表示結果を決定する表示結果決定手段と、
前記複数の可変表示部を可変表示させた後、前記表示結果決定手段により決定された表示結果が前記複数の可変表示部により導出表示されるように制御可能な可変表示制御手段と、
前記表示結果決定手段により決定された前記複数の可変表示部の識別情報の表示結果の一部であって少なくとも2つの前記可変表示部の識別情報の表示結果が前記特定の表示態様となる条件を満たすリーチ状態が成立するときに、リーチ状態が成立する旨を当該リーチ状態が成立する可変表示部の内の1つの可変表示部の識別情報の表示結果が導出表示されている段階で予告報知可能な予告報知手段とを含み、
該予告報知手段は、前記複数の可変表示部の内の1つの可変表示部の識別情報が該可変表示部の識別情報の予告報知を行なわないときの更新回数および更新速度と同様の更新回数および更新速度によって変動表示された後該可変表示部の識別情報の表示結果が導出表示されている状態で、該1つの可変表示部以外の可変表示部の識別情報を予告報知を行なわないときの更新回数および更新速度と同様の更新回数および更新速度による変動表示に加えて、該予告報知を行なわないときと比較して増加させた更新回数だけ変動表示させることにより予告報知を行なうことを特徴とする、遊技機。 - 前記予告報知手段は、飾り用の発光体により予告報知を行なうものを含むことを特徴とする、請求項1記載の遊技機。
- 前記可変表示装置は、複数本の組合せ有効列が定められており、該複数本の組合せ有効列のうちのいずれかにおいて前記特定の表示態様の組合せが成立したことを条件に前記特定遊技状態に制御可能となるように定められており、
前記予告報知手段は、前記複数本の組合せ有効列のうちのどの組合せ有効列上において前記リーチ状態が成立するかを予告報知可能なものを含むことを特徴とする、請求項1または請求項2記載の遊技機。 - 前記可変表示装置は、前記リーチ状態が発生したときにリーチ状態が発生していないときに比べて特有の態様のリーチ動作表示を行ない、
該リーチ動作表示は、前記特定遊技状態が発生するときと発生しないときとで異なった態様となることが可能に構成されていることを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の遊技機。
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