JP3569139B2 - ジアゾニウムイオンアッセイ試薬およびその使用方法 - Google Patents

ジアゾニウムイオンアッセイ試薬およびその使用方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、安定なジアゾニウムイオン化合物、並びに血漿、血液または他のサンプル中に含まれるビリルビンの検出および定量的分析のためのアッセイを行う際の該化合物の使用方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ビリルビンは体液中に含まれる胆汁色素の主な成分である。血清中に存在するビリルビンは、赤血球細胞のヘモグロビンに由来するヘムの分解産物である。血清中には非抱合型ビリルビンと抱合型ビリルビンの2つのビリルビン画分が存在する。抱合型ビリルビンは、肝臓でグルクロン酸と抱合して水溶性となるビリルビンである。抱合型ビリルビンは「直接型」ビリルビンとも呼ばれ、グルクロン酸と抱合しないビリルビンは「間接型」ビリルビンまたは非抱合型ビリルビンと呼ばれる。通常は、少量のビリルビンが血液中に見られるだけであり、正常な濃度は、直接型ビリルビンの場合には約0.25mg/100ml血清まで(4.3μmol/L以下)であり、間接型ビリルビンの場合には約0.75mg/100ml血清まで(12.7μmol/L以下)である。血液中のビリルビン含量は、ヘモグロビンの分解が増加し、肝機能が低下すると高くなる。
【0003】
医学的な診断では両方のビリルビン画分を測定することが重要である。通常、ビリルビンは胆汁とともに胆嚢から腸へ排出される。しかしながら、このメカニズムは様々な疾患状態において妨害される。例えば、ヘモグロビンの破壊が増加している場合には、ビリルビン抱合系がオーバーロード(overload)となる可能性があり、その結果直接型/間接型ビリルビンの比率が変化する。肝細胞の損傷、毛細胆管内の流出量の乱れまたは胆管閉塞の場合には、胆嚢から腸へのビリルビンの排出が減少するかまたは完全に遮断される。これにより血中のビリルビン濃度が上昇する。その結果、ビリルビンの絶対濃度および直接型/間接型ビリルビンの比率が影響を受ける可能性がある。従って、両方の値の測定から、肝臓、胆嚢、および腸管の特定の疾患の性質および局在性について重要な診断結果が得られる。一般には、全ビリルビンを通常最初に測定し、次いで直接型ビリルビンの含量を測定する。間接型ビリルビンの割合は、この2つの値の差から得られる。血清ビリルビンを測定する方法は、DoumasおよびWu, Critical Reviews in Clinical Laboratory Sciences, 28:415−445 (1991);並びにLottおよびDoumas, Clin Chem., 39:641−647 (1993)に概説されており、これらの開示内容は本明細書に含まれるものとする。
【0004】
ビリルビンの定量的な分析を可能にする分析試験は、臨床上非常に有用である。最も広く利用されているビリルビンアッセイは、いわゆるジアゾ法である。ジアゾ法では、ビリルビンを含むと予想されるサンプルを、ジアゾニウム塩を含む試薬組成物と接触させる。ジアゾニウム塩はビリルビンと反応して2つのアゾビリルビン断片を生成する。アゾビリルビンは、ビリルビンそのものよりも高い吸光係数を有し、検出が容易である。
【0005】
ビリルビンを測定するためのジアゾ法では多くのジアゾニウム塩が使用されている。例えば、ジアゾ化スルファニル酸はビリルビンと結合して黄色のジアゾビリルビン色素を生成する。ビリルビンの定量分析を行うジアゾ法の詳細は、Doumasら, Clin Chem., 31:1779−1789 (1985); M. Michaelsson, Scand, J, Clin. Lab. Invest., 13 (Suppl.), 1−80 (1961); H. Malloy, J. Biol, Chem., 119, 481 (1939);およびZ. K. Shihabiら, American Journal of Medical Technology, 43 (10), 1004−1007 (1977)に記載されており、これらの開示内容は本明細書中に含まれるものとする。2,4−および2,5−ジクロロフェニルジアゾニウム塩等のその他のジアゾニウム塩は、血清および尿中に含まれるビリルビンの検出に利用されている。しかしながら、これらのジアゾニウム塩を使用する方法は比較的感度が低いことが知られており、これらのジアゾニウム塩には、乾燥させた際に急激に不安定になる、即ち、衝撃によって分解が引き起こされるものもある。Babbらの米国特許第4,468,467号参照。ビリルビンの測定に用いられている別のジアゾニウム化合物はジアゾ化スルファニルアミドである。Chin−ChungChenら, Clin Chem., 26:990 (1980)参照。Synermed(商標)(Synermed, Inc., Quebec, Canada)全ビリルビン試薬は市販されており、この試薬は、3,5−ジクロロアニリン、3,5−ジクロロフェニルジアゾニウムテトラフルオロ硼酸の安定化させたジアゾニウム塩を含み、ビリルビンと反応して540nmにて最大吸収を示すアゾビリルビンを生成する。生成した赤色のアゾビリルビンは、アルカリの添加により600nmにて吸収を示す青色へシフトさせることができる。カフェインおよび界面活性剤を反応促進剤として使用する。
【0006】
Babbらの米国特許第4,468,467号には、ビリルビンアッセイ用の特定の置換スルファニルアミドジアゾニウム塩と置換カーボンアミド(carbonamide)ジアゾニウム塩が記載されている。Katsuyamaらの米国特許第4,902,477号には、ジアゾ法によってビリルビンを定量的に分析するための分析エレメントが開示されている。この分析エレメントには、アリール基にアルコキシカルボニル基、アルキルアミノスルホニル基またはアルキルアミノカルボニル基である置換基を有する特定のアリールジアゾニウム塩が含まれる。Weissらの米国特許第4,892,833号には、アリールジアゾニウム塩が開示されており、該アリール基は、ビリルビンの測定に使用するためハロゲン基および低級アルコキシ基で置換されている。
【0007】
現在のアッセイにおいて使用される多くのアッセイ試薬は、その使用に問題がある。例えば、市販のジクロロアニリンジアゾニウムテトラフルオロ硼酸塩を使用する自動ビリルビンアッセイの場合には、クロロアニリン誘導体のジアゾニウム体がインジカン(腎透析患者の血清中に見られる化合物)と強く相互作用することが知られている(このため、該ジアゾニウム体はこのサンプルタイプとしては適さなくなる)。溶血サンプルも、ヘモグロビンによる著しい妨害のため多くのアッセイで使用することができない。該試薬には水系での溶解度が比較的低いものもあり、水系での有用性を低下させている。さらに、該試薬の多くが液体状態では不安定であり、容易に輸送することができず、有用な貯蔵寿命を有していない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、体液サンプル中に含まれるビリルビンを検出するためのアッセイ試薬として使用できるジアゾニウムイオン化合物を提供することである。本発明の別の目的は、長距離輸送をさらに可能にする熱的に安定なジアゾニウムイオン化合物を提供することである。本発明のさらに別の目的は、熱的に安定で長期間の貯蔵寿命を有し、かつ活性を保持した状態で例えば1年以上保存が可能なジアゾニウムイオン化合物を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
体液サンプル等のサンプル中に含まれるビリルビン含量のアッセイ用試薬として有用なジアゾニウムイオンを提供する。また、サンプルに含まれるビリルビンを検出または定量するためのアッセイ方法も提供する。該方法は、ビリルビンを含むと予想されるサンプルを本明細書中に開示するジアゾニウムイオン化合物と接触させ、次いでジアゾニウムイオンとビリルビンの反応生成物を例えば分光測光法にて検出するものである。
【0010】
一態様では、式Iのジアゾニウムイオン化合物:
【0011】
【化5】
Figure 0003569139
【0012】
(式中、R、R、R、RまたはRのうちの少なくとも1つはH、アルキル、スルホネートまたはニトロである)
であって、サンプル中に含まれるビリルビンと反応して検出可能な生成物を生成し得る前記ジアゾニウムイオン化合物を提供する。
、R、R、RまたはRのうちの1つがC1〜C3アルキル、好ましくはメチルであり、R、R、R、RまたはRのうちの1つがスルホネートまたはニトロ、好ましくはニトロであり、R、R、R、RおよびRのうちの残りがHである式Iの化合物が好適である。
【0013】
好適な一態様では、ジアゾニウムイオンは2−メチル−3−ニトロアニリンジアゾニウムイオン(2−メチル−3−ニトロ−1−ベンゼンジアゾニウムイオン)であり、以下の構造を有する。
【0014】
【化6】
Figure 0003569139
【0015】
他の好適な化合物としては、4−アミノトルエン−3−スルホン酸ジアゾニウムイオンが挙げられる。
好適な化合物は、アミン群等の前駆化合物から形成されるジアゾニウムイオン化合物であり、該前駆体アミン化合物は、酸性水溶液(例えばpHが約1.0の100mMHCl)に対して少なくとも約0.038mg/mlの溶解度を有する。
【0016】
また、ジアゾニウムイオンを含む試薬組成物も提供する。該試薬組成物は液状または固体状であり、さらに他の成分(例えば、緩衝液、担体および/または可溶化剤)を含んでいてもよい。ジアゾニウムイオンおよび対アニオンを含む塩も提供する。好適な塩としては、テトラフルオロ硼酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、および亜鉛複塩化物等の金属複塩が挙げられる。
【0017】
本明細書中に開示するアッセイ法を使用して、サンプル中に含まれるビリルビンの総量を定量することが可能である。別の態様では、サンプル中に直接型および間接型ビリルビンが含まれ、該方法は、該サンプル中に含まれる直接型および間接型ビリルビンの濃度を検出する工程をさらに含んでいてもよい。従って、サンプル中に含まれる直接型、間接型および全ビリルビンのレベルを測定して、例えば肝臓、胆嚢または腸の疾患または障害の有無と相関させることが可能である。
【0018】
【発明の実施の形態】
アッセイ試薬として有用なジアゾニウム化合物を提供する。特に、ジアゾニウム化合物は、体液サンプル中に含まれるビリルビンを検出または定量するためのアッセイにおいて有用である。一態様では、下記の一般式Iのジアゾニウム化合物:
【0019】
【化7】
Figure 0003569139
【0020】
(式中、R、R、R、RまたはRのうちの少なくとも1つはH、アルキル、スルホネートまたはニトロである)
であって、サンプル中に含まれるビリルビンと反応して検出可能な生成物を生成し得る前記ジアゾニウムイオン化合物を提供する。好ましいアルキル基としてはC1〜C3アルキル基、例えばメチル、エチルおよびプロピルが挙げられる。特に好適なアルキル基はメチルである。
【0021】
好適な態様では、R、R、R、RまたはRのうちの1つがC1〜C3アルキル、好ましくはメチルであり、R、R、R、RまたはRのうちの1つがスルホネートまたはニトロ、好ましくはニトロであり、R、R、R、RおよびRのうちの残りがHである。
具体的な化合物としては、4−アミノトルエン−3−スルホン酸ジアゾニウムイオンが挙げられる。他の具体的な化合物としては、2−メチル−4−ニトロアニリン、2−メチル−5−ニトロアニリン、2−メチル−5−ニトロアニリン水和物、2−メチル−6−ニトロアニリン、および5−メチル−2−ニトロアニリンのジアゾニウムイオンが挙げられる。
【0022】
好適な一態様では、該化合物は、以下に示す2−メチル−3−ニトロアニリンのジアゾニウムイオンである。
【0023】
【化8】
Figure 0003569139
【0024】
化合物は有利には、血清サンプル等の体液サンプル中に含まれるビリルビンを検出および定量するアッセイに使用することができる。式Iの好適な化合物は、熱的に安定で貯蔵寿命の長いものである。この化合物を使用して、肝臓、胆嚢または腸管の機能損傷等の疾患状態を同定することが可能である。
好適な化合物は、アミン群等の前駆化合物から形成されるジアゾニウムイオン化合物であり、該前駆化合物は、酸性水溶液(例えばpHが約1.0の100mMHCl)に対して少なくとも約0.038mg/ml、または場合によっては少なくとも約0.5mg/ml、または好ましくは少なくとも約2.0mg/mlの溶解度を有する。例えば、2−メチル−3−ニトロアニリンジアゾニウムイオンの前駆体である2−メチル−3−ニトロアニリンは、pHが約1.0の100mMHClに対して約2.3mg/mlの溶解度を有する。
【0025】
ジアゾニウム化合物の合成
ジアゾニウム化合物は、当業界で公知のジアゾニウムカチオンを生成する方法を用いて合成することが可能である。Heinrich Zollinger, ”Diazo Chemistry I, Aromatic and Heteroaromatic Compounds”, VCH Publishers, New York, NY, 1994, 第2章参照。一般には、ジアゾニウムイオンは、亜硝酸ナトリウムおよび酸(例えば、塩酸)を用いて遊離のアリールアミンをジアゾ化し、所望のジアゾニウム塩を生成させることによって調製が可能である。ジアゾ化反応混合物にアニオンの塩を含ませることで、ジアゾニウム塩の望ましいアニオンを提供することができる。例えば、ヘキサフルオロリン酸ナトリウムを反応混合物へ含ませた場合、ヘキサフルオロリン酸ジアゾニウム塩が得られる。あるいは、テトラフルオロ硼酸塩を得ることも可能である。他の塩としては、金属複塩、特に亜鉛複塩化物(ZnCl 2−)が挙げられる。従って、本発明の範囲内にある組成物にはジアゾニウムカチオンの塩が含まれる。
【0026】
具体的な合成は、2−メチル−3−ニトロアニリンジアゾニウムイオン(2)の合成である。この態様では、2−メチル−3−ニトロアニリン(1)を、酸性水系媒体中での亜硝酸ナトリウムとの反応によってジアゾニウムイオン(2)へ変換する。反応を下記のスキームIに示す。2−メチル−3−ニトロアニリンジアゾニウムイオン(2)はビリルビンと反応して検出可能な生成物を形成することが可能であり、従ってサンプル中に含まれるビリルビンを検出および定量するアッセイにおいて有用である。2−メチル−3−ニトロアニリンジアゾニウムイオン前駆体である2−メチル−3−ニトロアニリンも、有利なことに水系において良好な溶解度を有する。2−メチル−3−ニトロアニリンは、pHが約1.0の100mMHClに対して少なくとも約2.3mg/mlの溶解度を有する。
【0027】
【化9】
Figure 0003569139
【0028】
試薬組成物
アッセイに使用するためのジアゾニウムイオン化合物を含む試薬組成物は、溶液状または固体状等の様々な状態で提供することができる。
一態様では、試薬組成物は安定な液状の試薬溶液の形態である。好適な態様では、酸性水溶液中、好ましくは約0.25mM〜15mMの濃度、約7未満のpH、好ましくは約pH0.5〜2にてジアゾニウムイオン化合物を提供する。固体または液体試薬組成物は、任意に緩衝液または可溶化剤等の他の添加物質をさらに含んでいてもよい。
【0029】
使用可能な緩衝系としては、クエン酸/トリス−(ヒドロキシメチル)−アミノメタン、クエン酸/水酸化ナトリウム水溶液、酢酸/水酸化ナトリウム水溶液、酢酸/酢酸ナトリウム、フタル酸水素カリウム/水酸化ナトリウム水溶液またはリン酸緩衝液が挙げられる。好適な緩衝系としては酢酸塩である酢酸ナトリウム/酢酸系が挙げられる。
【0030】
ビリルビンアッセイに使用する溶液には、可溶化剤および界面活性剤が含まれ得る。具体的な可溶化剤としては、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ジオキサンおよびポリエチレングリコール等の各種グリコールが挙げられる。他の具体的な可溶化剤としては、ポリオキシエチレン化オクチルフェノール(例えば、Triton(登録商標)X100, Rohm& Haas, Philadelphia, PA)等の非イオン性界面活性剤が挙げられ、例えば約0.1〜1.0%(w/v)の濃度にて添加することができる。さらに、使用可能な非イオン性界面活性剤の例としては、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(例えば、Tween(登録商標)20, ICI, Wilmington, DE)、モノパルミチン酸ポリオキシエチレンソルビタン(Tween(登録商標)40, ICI, Wilmington, DE)、およびTergitol(登録商標)15−S−30(Union Carbide Corp., Houston, TX)等のポリグリコールエーテル界面活性剤が挙げられる。アルキルベタイン(Empigen BB, Albright and Wilson, Ashland, VA)等のイオン性界面活性剤も使用可能である。一態様では、可溶化剤を含む水系試験溶液を提供する。該溶液は、約1〜13%(w/v)の可溶化剤を含み、pHは7未満、好ましくは約pH0.5〜7である。
【0031】
ジアゾニウムイオン化合物は、担体、緩衝液および/または可溶化剤等の任意の様々な物質と組み合わせて製剤として提供することが可能である。適切な担体としては、水、好ましくは酸性水溶液が挙げられる。ジアゾニウムイオン化合物と対アニオンを含む塩も提供する。好適な塩としては、テトラフルオロ硼酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩および亜鉛複塩化物等の金属複塩が挙げられる。
【0032】
試薬組成物は、ジアゾニウムイオン化合物またはその塩および酸を含んでいてもよい。このジアゾニウムイオン化合物またはその塩は、酸性pHで貯蔵が可能である。試薬組成物が水溶液の状態の場合には、有用な酸としては塩酸および硫酸等の鉱酸が挙げられる。乾燥試薬組成物の場合には、リンゴ酸、スルホサリチル酸、酒石酸、コハク酸、シクロヘキサンスルファミン酸、p−トルエンスルホン酸およびクエン酸等の、無水物の状態では固体である酸を使用することができる。試薬組成物が担体を含む場合には、担体マトリックスを分解しない酸が含まれていてもよい。あるいは、水と接触した際にその場(insitu)で酸を生成することのできる物質の組み合わせ(例えば、フリーデル−クラフツ塩および有機ルイス塩基と米国特許第3,814,586号に記載されているような有機酸等の弱酸との固体アダクト)を含ませてもよい。酸が存在することにより、ジアゾニウムイオン塩とビリルビンとの結合が促進される。試薬に含まれる酸の量は変えることができる。例えば、酸を有効量にてジアゾニウムイオン化合物の水溶液へ添加し、pHが約7未満、好ましくは約pH0.5〜2の試薬溶液を提供することが可能である。酸は、アッセイに使用する乾燥分析エレメントに含まれていてもよい。
【0033】
ジアゾニウムイオン化合物を含む試薬組成物は、様々な固体形態または様々な形態の組み合わせで調製が可能である。試薬組成物は、水または適切な希釈剤を加えて試薬溶液に戻せる粉剤または錠剤として調製してもよい。試薬組成物並びに充填剤および結合剤等の物質を固体形態にする当業界で公知の技術を利用することができる。
【0034】
適切な支持体上に試薬組成物を含む乾燥分析エレメントを使用してもよい。支持体とサンプルを接触させて試薬組成物を溶解させることができ、次いでサンプル中に含まれるビリルビンを検出する。乾燥分析エレメントは、試薬組成物を担体マトリックスへ含漬させて製剤化することも可能である。有用な担体物質は、水または血清もしくは尿等の生理学的液体に曝した際に不溶性であり、構造を完全に保つものである。具体的なマトリックスとしては、紙、セルロース、木材、ガラス繊維、並びに織布および不織布が挙げられる。例えば、試薬組成物を含有する溶液をマトリックスへ塗布し、乾燥させることにより乾燥分析エレメントを得ることができる。
【0035】
アッセイ
一態様では、安定なジアゾニウムイオン化合物を含む試薬組成物を、体液サンプル中に含まれるビリルビンを検出または定量するアッセイに使用することが可能な溶液として提供する。サンプル中に含まれるビリルビンはジアゾニウムイオン化合物と反応して酸性溶液中でアゾビリルビンを生成する。このアゾビリルビンは約540nmで最大吸収を示す。アルカリ媒体中では、発色団は例えば約600nmへシフトする。反応生成物は、分光光度計または所望の波長での吸光度の測定が可能な他の分析機器を用いて検出することができる。例えば、Hitachi系列の分析機器を使用することが可能である(Boehringer Mannheim Diagnostics, Inc., Indianapolis, IN)。従って、ジアゾニウム化合物を用いることにより、血液、血漿または血清サンプル中のビリルビンレベルを正確に測定することができる。
【0036】
多くの診断用途では、全ビリルビンの他に直接型ビリルビンを定量することが重要である。ジアゾ試薬を用いて直接型、間接型および全ビリルビンを定量する方法は、当業界で開発されている。例えば、LottおよびDoumas, Clin. Chem. 39:641−647 (1993);並びにDoumasおよびWu, Critical Reviews in Clinical Laboratory Sciences, 28:415−445 (1991)を参照。
【0037】
全ビリルビンを定量するためには、カフェイン等の促進剤の存在下にて、ジアゾニウム化合物をビリルビンを含むと予想されるサンプルと反応させる。反応が完了した後(約10分後)、アゾビリルビン生成物を分光測光法にて約540nmでの吸光度により検出する。あるいは、例えばアルカリ性酒石酸塩試薬を添加することにより溶液をアルカリ性に変え、約598nmでの吸光度を測定してもよい。ジアゾビリルビンの形成を促進する使用可能な他の促進試薬(またはプロモーター)としては、ダイフィリン、酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウムおよびアラビアゴムが挙げられる。吸光度は、アッセイ成分を含むがビリルビンサンプルを含まないサンプルブランクを用いて検出する。NationalInstitute for Standards and Technology (NIST)製のビリルビン(SRM 916a)を、ビリルビンアッセイを検量するための標準溶液の調製に用いることが可能である。
【0038】
診断用途によっては、ジアゾニウム化合物を非抱合型ビリルビンと反応させずに直接型ビリルビンを検出できることが重要である。一般的には、直接反応型ビリルビン(ビリルビンモノおよびジグルクロニド並びにデルタビリルビン)を促進剤の不在下にてジアゾニウムイオンと反応させる。このアッセイでは、ジアゾニウムイオン化合物を血清サンプル等のビリルビンサンプルと組み合わせる。アッセイ溶液の他の成分としては、水、緩衝液、安定化剤およびHClが含まれていてもよい。結合の終了時に(約10分)、アゾ色素の吸光度を540nm付近で測定するか、あるいはアルカリ性酒石酸塩等の塩基を添加した後、598nm付近で測定する。pHは好ましくは非抱合型ビリルビンの反応を防げるくらいに低くする。非抱合型ビリルビンを反応から保護するためには、血清サンプルをHCl(例えば100mmol/L)で希釈し、ジアゾ試薬を添加する前に少なくとも約5分間インキュベートすればよい。
【0039】
好ましくは、このアッセイを水系で行う。血漿または血清サンプル等のサンプル中に含まれる全ビリルビンのための具体的なアッセイでは、2つのアッセイ製剤を用意する。即ち、酸性可溶化剤製剤(以下、「全ビリルビンR1製剤」という)とジアゾニウムイオン化合物を含む試薬製剤(以下、「全ビリルビンR2製剤」という)である(表1および2参照)。ここに記載するアッセイは、例えば、R1およびR2製剤の成分、インキュベーション時間または温度を変えることによって改変することが可能である。以下のアッセイ条件および製剤を例として挙げる。
【0040】
このアッセイでは、4〜6μlのサンプルを250μlの全ビリルビンR1製剤に添加し、混合する(サンプル:R1製剤の比は約1:62〜約1:42である)。サンプル中のビリルビン濃度が35mg/dLよりも高いことが判明した場合には、サンプルを生理食塩水にて1+1に希釈し、再度アッセイすることができる。混合物を例えば25℃、30℃または37℃にて約3〜5分間インキュベートする。各患者のサンプル、標準およびコントロールに対してサンプルブランクを入れる。約5分後に65μlの酸性全ビリルビンR2製剤を添加する(R1製剤の容量の約13/50に等しい容量)。溶液を混合し、好ましくはインキュベーション反応が終了してから約10分経過しないうちに分光光度計を用いて約540nmにて吸光度を検出する。吸光度を既知の全ビリルビン濃度の標準と比較し、サンプルの濃度を求める。
【0041】
全ビリルビンアッセイ用の製剤の例を以下の表1および2に示すが、これらに限定されるものではない。
【0042】
【表1】
Figure 0003569139
【0043】
【表2】
Figure 0003569139
【0044】
全ビリルビンR1およびR2製剤の成分は市販のものでもよい。例えば、アルキルベタイン(C12〜C14アルキルベタイン、EmpigenBB)はAlbright & Wilson, (Ashland, VA)から入手でき;ヨウ化カリウム、スルファミン酸、およびHClはJ.T. Baker(Phillipsburgh, NJ)から市販されており;消泡FG−10エマルション(ポリジメチルシロキサンを含むエマルション)はDow Corning (Midland, MI)から市販されており;酢酸ナトリウム・3HOはFisher Scientific (Itaska, IL)から市販されており;2−メチル−3−ニトロアニリンはAldrich Chemical Co., St. Louis, MOから市販されており;亜硝酸ナトリウムはSigma Chemical Company, St. Louis, MOから市販されている。
【0045】
上記の製剤は全て水中で調製する。成分を組み合わせてR2製剤を調製すると、亜硝酸塩が酸と反応して亜硝酸が生成し、次いでこの亜硝酸が2−メチル−3−ニトロアニリンと反応して2−メチル−3−ニトロアニリンジアゾニウムイオンが生成する。従って、反応後には、亜硝酸塩と2−メチル−3−ニトロアニリンはR2製剤中にはもはや実質的に存在しない。
【0046】
直接型ビリルビンもサンプル中で定量することができる。血漿または血清サンプル等のサンプル中に含まれる直接型ビリルビンの具体的なアッセイでは、再び2つの製剤を用意する。即ち、酸性製剤(以下、「直接型ビリルビンR1製剤」という)とジアゾニウムイオン化合物を含む試薬製剤(以下、「直接型ビリルビンR2製剤」という)である(下記の表3および4参照)。当業界で開発されたビリルビンアッセイの知見を利用してR1およびR2製剤の成分並びにインキュベーション時間を設定および最適化することができるが、以下のアッセイ条件と製剤を例として挙げる。
【0047】
血清サンプル中の直接型ビリルビン濃度のための具体的なアッセイでは、6μlのサンプルを250μlの直接型ビリルビンR1製剤へ添加し、混合する(サンプル:R1製剤の比は約1:42である)。サンプル中のビリルビン濃度が20mg/dLよりも高い場合には、サンプルを生理食塩水にて1+1に希釈し、再度アッセイすることができる。混合物を25℃、30℃または37℃にて約30秒〜5分間インキュベートする。各患者のサンプル、標準およびコントロールに対してサンプルブランクを入れる。5分後に65μlの直接型ビリルビンR2製剤を添加する(直接型ビリルビンR1製剤の容量の約13/50に等しい容量)。溶液を混合し、好ましくはインキュベーション反応が終了してから約10分経過しないうちに分光光度計を用いて約540nmにて吸光度を検出する。吸光度を、既知のビリルビン濃度のサンプルを使用して作成した標準曲線と相関させる。これにより、サンプル中に含まれる直接型ビリルビンの濃度の測定が可能となる。
【0048】
直接型ビリルビンアッセイ用の製剤の例を以下の表3および4に示すが、これらに限定されるものではない。
【0049】
【表3】
Figure 0003569139
【0050】
【表4】
Figure 0003569139
【0051】
直接型ビリルビン製剤の成分は市販のものでもよい。例えば、ベタイン一水和物および亜硝酸ナトリウムはSigma Chemical Co. (St. Louis, MO)から入手できる。Thesit(登録商標)(ドデシルポリ(エチレングリコールエーテル))は、Boehringer Mannheim Corporation (Indianapolis, IN)から入手でき;ヨウ化カリウム、スルファミン酸およびHClはJ.T. Baker(Phillipsburgh, NJ)から入手でき;酢酸ナトリウム・3HOはFisher Scientific (Itaska, IL)から市販されており;2−メチル−3−ニトロアニリンはAldrich Chemical Co. (St. Louis, MO)から市販されている。
【0052】
上記の製剤は全て水中で調製する。上述したように、R2製剤の成分を混合すると、亜硝酸塩が酸と反応して亜硝酸が生成し、次いでこの亜硝酸が2−メチル−3−ニトロアニリンと反応して2−メチル−3−ニトロアニリンジアゾニウムイオンが生成する。従って、反応後には、亜硝酸塩と2−メチル−3−ニトロアニリンは製剤中にはもはや実質的に存在しない。
【0053】
ジアゾニウムイオンの利点と特性
本発明の範囲内の好適なジアゾニウムイオン化合物は、ビリルビンと反応して、例えば分光測光法にて検出可能な生成物を形成し得る化合物である。ビリルビンとの反応性が高い化合物が特に好適である。
【0054】
また、本明細書中で定義したような熱的に安定なジアゾニウムイオン化合物も好適である。本明細書中で用いる「熱的に安定な」とは、約42℃の温度に少なくとも1日おいた後でも化合物の約60%が分解せずに残存し、かつ活性を保持している化合物および/または該化合物を含む試薬製剤のことをいう。該ジアゾニウム化合物は、好ましくは海外輸送の熱的要件を満たすのに充分安定なものである。また、試薬に熱的ストレスをかけても、4℃で少なくとも12ヶ月の貯蔵寿命を得るのに充分なレベル(少なくとも元の約60%程度のレベル)の活性成分を有するのが好ましい。
【0055】
好適な態様では、該化合物は、体液または他のサンプル中に含まれる妨害の可能性のある化合物(例えば、ヘモグロビンまたはインジカン)とも実質的に反応しない。好ましくは、該化合物によって、サンプル中に2000mg/dLまでのヘモグロビンが含まれていてもビリルビンの正確な測定が可能となる。別の態様では、該化合物によって、サンプル中に10mg/dLまでのインジカンが含まれていてもビリルビンの正確な測定が可能となる。また、水系で可溶性のアミン前駆体から形成される化合物も好適である。先行技術の化合物を用いる際の問題点は、水系での溶解度が低いことであった。
【0056】
好適なジアゾニウムイオン化合物の一例は、2−メチル−3−ニトロアニリンジアゾニウムイオンである。この化合物は、血清または他の体液サンプル中の妨害化合物と実質的に反応しない。この化合物によって、著しく溶血したサンプル中に含まれるビリルビンの正確な測定が可能となる。溶血したサンプル中には、非常に高濃度のヘモグロビン(例えば、2000mg/dLもの高濃度)が含まれている。他の妨害化合物(例えば、インジカン)も、2−メチル−3−ニトロアニリンジアゾニウムイオンと有意に反応することはない。例えば10mg/dLもの高濃度のインジカンレベルを有するサンプル中であっても、ビリルビンをアッセイすることができる。これにより、広範囲のサンプルのアッセイが可能となる。
【0057】
2−メチル−3−ニトロアニリンジアゾニウムイオンもビリルビンとの反応性が非常に高く、熱的に安定である。この化合物は、海外輸送の熱的要件を満たすのに充分安定である。2−メチル−3−ニトロアニリンジアゾニウムイオンは比較的高温(42℃)で少なくとも1日は耐えることができ、分解も40%未満である。例えば、上で詳述してきたような液体試薬の状態で化合物に熱的ストレスをかけても、4℃で少なくとも12ヶ月の貯蔵寿命を得るのに充分なレベルの活性成分を有する。
【0058】
4℃における安定性のアレニウスの概算より、2−メチル−3−ニトロアニリンジアゾニウムイオンが現在ビリルビンの定量に使われているスルファニルアミドジアゾニウムイオンよりも約2〜2.5倍安定であることが判る。従って、この試薬は、厳しい熱的ストレス要件を満たし、4℃で少なくとも12ヶ月の貯蔵寿命を維持するのに充分なレベルの活性成分を保持する。2−メチル−3−ニトロアニリンジアゾニウムイオンも水または他の水系に対して非常に可溶性である。
【0059】
従って、2−メチル−3−ニトロアニリンジアゾニウムイオンは、ビリルビンアッセイ試薬として多くの利点を有するものである。この化合物は熱的に安定であり、ビリルビンとの反応性が非常に高く、高レベルのヘモグロビンまたはインジカン等の他の妨害化合物の存在下でも正確な測定が可能となる。この化合物を使用することにより、広範囲のサンプルタイプ(例えば、血清、尿、および血漿等の体液)のアッセイが可能となる。従って、体液サンプル中に含まれる全ビリルビンレベルまたは直接型ビリルビンレベルのいずれかをアッセイすることにより、様々な代謝障害、異常状態、並びに肝臓、胆嚢および腸に影響を与えるような全ビリルビン、直接型ビリルビンまたは間接型ビリルビンのいずれかのレベルの変化に関連する疾患の検出および診断が可能となる。
【0060】
以下の実施例によって本発明の理解がさらに容易なるものと思料するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0061】
【実施例】
実施例1:2−メチル−3−ニトロアニリンジアゾニウムイオンの調製およびビリルビンのアッセイ
血清または血漿サンプル中に含まれる直接型および全ビリルビンの量を検出した。2−メチル−3−ニトロアニリンジアゾニウムイオンを、全ビリルビンアッセイ用の製剤(全ビリルビンR2製剤)および直接型ビリルビンアッセイ用の製剤(直接型ビリルビンR2製剤)とした。さらに、酸性溶液を全ビリルビンアッセイ用(全ビリルビンR1製剤)および直接型ビリルビンアッセイ用(直接型ビリルビンR1製剤)に用意した。製剤を形成するのに使用した成分を下記の表5〜8に示す。これらの製剤は水中で調製した。
【0062】
【表5】
Figure 0003569139
【0063】
【表6】
Figure 0003569139
【0064】
【表7】
Figure 0003569139
【0065】
【表8】
Figure 0003569139
【0066】
全および直接型ビリルビンR2製剤については、亜硝酸塩が酸と反応して亜硝酸が生成し、この亜硝酸が次いで2−メチル−3−ニトロアニリンと反応して2−メチル−3−ニトロアニリンジアゾニウムイオンが生成するため、亜硝酸塩自体はもはや試薬中には実質的に存在せず、また2−メチル−3−ニトロアニリンも試薬中には実質的に存在しない。成分を混合した後のR2製剤は、4℃で少なくとも約18ヶ月間安定であった。
【0067】
R2溶液を形成するために、2−メチル−3−ニトロアニリンを室温で100mMHClに溶解した。溶液を約4℃に冷却した。溶液を冷却したまま、適切な量の固体亜硝酸ナトリウムをゆっくりと加え、全ての亜硝酸塩を完全に溶解させた。溶液を冷却したまま、適切な量の固体スルファミン酸を溶液に添加し、確実にスルファミン酸を完全に溶解させた。
【0068】
Boehringer Mannheim Diagnostics, Inc., (Indianapolis, IN) Hitachi(登録商標)系列の臨床用アナライザーH717、H917、またはH747等の臨床用分析機器を使用してアッセイを行った。検量標準は、既定レベルのビリルビンを有する市販の検量物質であるPrecical (Boehringer Mannheim; Indianapolis, IN)とした。他に使用してもよい既知の濃度のビリルビンを有する血清をベースとするビリルビンサンプルコントロール物質は、異常コントロール物質であるPrecitrol−A(PTA)および正常コントロール物質であるPrecitrol−N(PTN)である。使用したブランクまたはゼロ検量物質は生理食塩水である。
【0069】
アッセイでは、6μlのサンプルと250μlのR1製剤を5分間37℃でインキュベートした。続いて、65μlのR2製剤を添加し、溶液を5分間37℃でインキュベートした。R2製剤を添加した5分後の546nmでの吸光度を測定し、標準と相関させてビリルビン濃度を決定した。Hitachiアナライザーは、第二の波長(例えば、660または700nm)における吸光度も差し引いた。
【0070】
図1には、異なる濃度の純粋な非抱合型ビリルビンを添加した正常なヒト血清をベースとするサンプルを分析するのに本方法を使用して得られた吸光度対全ビリルビン濃度のプロットを示す (NIST−検出可能)。Hitachi717臨床用アナライザーを、Precicalで検量した後のサンプルの分析に使用した。Y軸上の校正後の吸光度は、サンプルの吸光度からブランク(生理食塩水)の吸光度を引いたものに相当する。このプロットは、検量物質の吸光度と相関させたサンプルの吸光度から得られた濃度並びに本方法の線形性を示すものである。
【0071】
以上、発明を明確にし、理解を容易にするために例を挙げながら本発明をある程度詳細に説明してきたが、一定の変更および改変が実施し得ることは当業者には明らかであろう。従って、上述の説明および実施例を本発明の範囲を限定するものとして解釈すべきではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】2−メチル−3−ニトロアニリンジアゾニウムイオンを用いるビリルビンアッセイで得られた吸光度対全ビリルビン濃度のグラフである。

Claims (24)

  1. 構造:
    Figure 0003569139
    を有する2−メチル−3−ニトロアニリンジアゾニウムイオンからなるジアゾニウムイオン化合物。
  2. 請求項1記載の化合物の塩を含む試薬組成物。
  3. 請求項1記載の化合物の水溶液を含む試薬組成物。
  4. 前記溶液のpHが7未満である、請求項3記載の試薬組成物。
  5. 0.25〜15mMのジアゾニウムイオン化合物を含み、前記溶液のpHが0.5〜7である、請求項3記載の試薬組成物。
  6. 請求項1記載の化合物およびこれと複合体化したアニオンを含む塩であって、テトラフルオロ硼酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩および金属複塩からなる群より選ばれる前記塩。
  7. 請求項1記載の化合物を含む固体試薬組成物。
  8. さらに担体を含む請求項7記載の固体試薬組成物。
  9. サンプル中に含まれるビリルビンをアッセイする方法であって、該方法が、
    a)ビリルビンを含むと予想されるサンプルを式I:
    Figure 0003569139
    (式中、R、R、R、RまたはRのうちの1つがメチルであり、
    、R、R、RまたはRのうちの1つがスルホネートまたはニトロであり、
    、R、R、RおよびRのうちの残りがHである)
    のジアゾニウムイオン化合物と接触させ、
    b)該化合物をサンプル中に含まれるビリルビンと反応させて検出可能な生成物を生成させ、
    c)該生成物を検出する
    各工程を含む前記方法。
  10. 前記ジアゾニウムイオン化合物が、構造:
    Figure 0003569139
    を有する2−メチル−3−ニトロアニリンジアゾニウムイオンである、請求項9記載の方法。
  11. 前記生成物を分光測光法にて検出する、請求項9記載の方法。
  12. サンプル中に含まれるビリルビンを定量することをさらに含む、請求項9記載の方法。
  13. 前記サンプルが直接型および間接型ビリルビンを含むものであり、サンプル中の直接型ビリルビンおよび全ビリルビンの濃度を検出することをさらに含む、請求項12記載の方法。
  14. 検出した直接型および間接型ビリルビンの濃度に基づいて、肝臓、胆嚢もしくは腸の疾患または障害を検出することを含む、請求項13記載の方法。
  15. 前記工程a)が、サンプルを0.25〜15mMのジアゾニウムイオン化合物を含む水溶液と接触させることを含み、該溶液のpHが0.5〜7である、請求項9記載の方法。
  16. 前記生成物を分光測光法にて検出する、請求項10記載の方法。
  17. サンプル中に含まれるビリルビンを定量することをさらに含む、請求項10記載の方法。
  18. 前記サンプルが直接型および間接型ビリルビンを含むものであり、サンプル中の直接型ビリルビンおよび全ビリルビンの濃度を検出することをさらに含む、請求項17記載の方法。
  19. 検出した直接型および間接型ビリルビンの濃度に基づいて、肝臓、胆嚢もしくは腸の疾患または障害を検出することを含む、請求項18記載の方法。
  20. 前記工程a)が、サンプルを0.25〜15mMの2−メチル−3−ニトロアニリンジアゾニウムイオンを含む水溶液と接触させることを含み、該溶液のpHが0.5〜7である、請求項10記載の方法。
  21. 前記工程c)が、前記工程b)の後の溶液を酸性溶液と接触させ、生成物の吸光度を検出することを含む、請求項15記載の方法。
  22. 前記工程c)が、前記工程b)の後の溶液を酸性溶液と接触させ、生成物の吸光度を検出することを含む、請求項20記載の方法。
  23. 前記ジアゾニウムイオン化合物が4−アミノトルエン−3−スルホン酸ジアゾニウムイオンである、請求項9記載の方法。
  24. 前記ジアゾニウムイオン化合物が、2−メチル−4−ニトロアニリンジアゾニウムイオン、2−メチル−5−ニトロアニリンジアゾニウムイオン、2−メチル−6−ニトロアニリンジアゾニウムイオンおよび5−メチル−2−ニトロアニリンジアゾニウムイオンからなる群より選ばれるものである、請求項9記載の方法。
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