JP3569108B2 - まくら木 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、まくら木に関するものである。本発明のまくら木は、レールの分岐部のまくら木として好適である。
【0002】
【従来の技術】
まくら木は、旧来、木製やPC(Prestressed Concrete) コンクリート製のものが一般に使用されていた。しかし木まくら木は耐用年数が短く、軌道の道床抵抗が小さいといった欠点があるだけでなく、木材資源が枯渇しているので、採用を控える傾向にある。
【0003】
一方PCまくら木は、曲げ荷重に対して強く、耐用年数も長いものの、重量が重く、敷設工事が大がかりになる不満がある。またPCまくら木は、振動に弱く、レールの分岐部等には不向きである。
そこで近年、これらのまくら木に代わるものとして、繊維強化樹脂によって作られた、合成まくら木が注目されている。合成まくら木は、例えばガラス長繊維と硬質発泡ポリウレタンなどの発泡樹脂とで構成される成形体で作られたものであり、軽くて強度があるだけでなく、耐久性に優れている。また合成まくら木は、振動に強いので、レールの分岐部に好んで採用される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
まくら木は、路盤上に積まれた道床内に敷設される。道床は路線の条件により、バラスト道床、コンクリート道床、スラブ道床などが選定される。バラスト道床は建設費が割安であること、軌道狂いの整正が比較的容易なことから、コンクリート道床やスラブ道床よりも多く採用されている。バラストは列車からレールを介してまくら木に加えられる荷重を広く分散させて路盤に伝え、車両の左右動、レールの伸縮によるまくら木の移動を防止し、車両走行に伴う振動エネルギーを吸収するものであり、砂利や砕石などが採用される。
【0005】
ところで分岐部やレールの継ぎ目部に敷設されたまくら木は、列車の通過により、軌道沈下や、時には横ずれが起こり、軌道が上下するといったいわゆる「あおり」現象が発生し易い。そして前記した様に、レールの分岐部には合成まくら木が多様されるが、合成まくら木は重量が軽いため、特に「あおり」現象を起こしやすい。
そこで本発明は、従来技術の上記した問題点に注目し、「あおり」現象を起こし難いまくら木の開発を課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するための請求項1記載の発明は、レールを支持する複数の横材を有し、該横材同士の、レール支持部の上面部と下面部とが、横材の上面部に設けられた彫り溝内に配されるように上面連結部材によって、及びバラスト内に完全に埋設されるように下面連結部材によって、それぞれ連結され、上面連結部材及び下面連結部材に囲まれた位置であって、横材の対向する面同士の間に中間連結部材が設けられていることを特徴とするまくら木である。
【0007】
本発明のまくら木は、レールを支持する横材同士の最も加重がかかるレール支持部の上面部と下面部とが、横材の上面部に設けられた彫り溝内に配されるように上面連結部材によって、及びバラスト内に完全に埋設されるように下面連結部材によって、それぞれ連結されているので、全体形状が大きく、バラストとの接触面積が大きく、上下動に対する抵抗が高く、「あおり」現象が発生し難い。
さらに本発明のまくら木は、最も加重がかかるレール支持部の上面連結部材及び下面連結部材に囲まれた位置であって、横材の対向する面同士の間に中間連結部材が設けられているので、素材に無駄が無く、全体的に一体となっていて剛性が高く、撓みにくい。そのため列車の加重は、まくら木全体に分散され、部分的に上下することはない。
【0008】
さらに上記した発明を改良した請求項2に記載の発明は、レール支持部同士の中間部と横材の両端部には、上面連結部材及び下面連結部材が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のまくら木である。
【0009】
本発明のまくら木は、横材の両端部及びレール支持部同士の間に、上面連結部材及び下面連結部材が設けられているので、全体的に一体となっていて剛性が高く、撓みにくい。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1(a)は、本発明の実施形態のまくら木の斜視図であり、(b)はそのA−A断面図である。図2は、図1のまくら木における横材と、上面連結部材、下面連結部材及び中間連結部材との接合部分の斜視図である。図3(a)は、本発明の他の実施形態のまくら木の斜視図であり、(b)はそのB−B断面図である。図4は、図3の実施形態のまくら木にレールを載置した鉄道線路の概略斜視図である。
【0011】
図1に示す本実施形態のまくら木1は、レールの分岐部に配される分岐まくら木である。
本実施例のまくら木1は、レール2を支持する横材3を二本平行に配し、連結部材で結合したものであり、あたかも旧来のまくら木(直線的まくら木)同士を梯子状に結合したものであるといえる。
【0012】
すなわち、横材3は従来の直線形状の合成まくら木と同一のものであり、繊維強化樹脂によって作られている。ここで樹脂を補強する繊維には、例えばガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、セラミック繊維等の無機質繊維や、芳香族ポリアミド繊維等の有機繊維が活用可能である。また上記した繊維の中でも、強度及び経済性の観点からガラス繊維の採用が最も推奨される。繊維の形態は、ヤーン、クロス、ロービング、ロービングクロス、クロスマット等の長繊維形態のものが好適であり、必要に応じてチップ、ミドルファイバー等の短繊維やシラスバルーン等の中空充填材を併用してもよい。
【0013】
また樹脂は、熱硬化性樹脂が活用され、特に硬質の発泡体となる樹脂が好適である。具体的な樹脂の種類には、例えば硬質ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
横材3の素材として最も好適なものは、硬質ウレタン樹脂をガラス長繊維で補強した発泡体である(例えば商品名エスロンネオランバー FFU 積水化学工業株式会社製)。
上記した硬質ウレタン樹脂をガラス長繊維で補強した発泡体は、合成木材とも称されるものであり、単層で、あるいは繊維方向を直交させて数枚を積層し、横材3として利用される。
【0014】
そして本実施形態のまくら木1は、図1,2の様に、横材3同士が複数の部分で連結されている。
具体的に説明すると、まくら木1では、上面連結部材21と下面連結部材22が、図1の様にレール支持部に設けられており、上面連結部材21と下面連結部材22の間であって、横材3の対向する面27同士の間に中間連結部材25が設けられている。
【0015】
本実施形態のまくら木1では、上面連結部材21は板状であり、横材3の上面部に設けられた彫り溝内に配されている。そのため上面連結部材21の上面と、横材3の上面は、同一平面内にある。また下面連結部材22は、角柱状である。中間連結部材25は板状であり、上面連結部材21と下面連結部材22の間に立てた状態で配されている。
上面連結部材21と下面連結部材22及び中間連結部材25の素材は、横材3と同一である。横材3と各連結部材21,22,23との接続には、エポキシ樹脂等の接着剤が使用される。
【0016】
次にもう一つの実施形態を図3、図4を参照しつつ説明する。
図3,図4に示すまくら木30は、前記したまくら木1の持つ上面連結部材21と下面連結部材22及び中間連結部材25に加えて、横材3の両端同士を上面連結部材10と下面連結部材11で連結し、さらに中心部分でも上面連結部材12と下面連結部材13で連結したものである。
すなわちまくら木30では、横材3の両端部分が上面連結部材10と下面連結部材11によって連結され、中心部分でも上面連結部材12と下面連結部材13によって連結されている。またレール支持部には、上面連結部材21と下面連結部材22及び中間連結部材25が設けられている。
【0017】
以上説明した実施形態では、2本の横材3を持つものを例示したが、本発明は、横材3の個数を2本に限定するものではなく、3本又はそれ以上であっても良い。また上面連結部材、下面連結部材、中間連結部材の配置レイアウトは、本実施形態に限定されるものではない。
各連結部材の素材は、横材3と同一のものを採用することが望ましいが、鋼材やFRPを採用することも可能である。
【0018】
【発明の効果】
本発明のまくら木は、全体形状が大きく、バラストとの接触面積が大きい。また本発明のまくら木では、下面連結部材がバラスト内に完全に埋設されることとなる。そのため本発明のまくら木は、上下動に対する抵抗が高く、「あおり」現象が発生しにくい効果がある。また本発明のまくら木では、全体的に一体となっていて剛性が高く、撓みにくい。そのため列車の加重は、まくら木全体に分散され、部分的に上下することは無く、「あおり」現象がさらに抑制される。
さらに最も加重がかかるレール支持部に、上面連結部材と下面連結部材及び中間連結部材が設けられているので、素材に無駄が無いという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の実施形態のまくら木の斜視図であり、(b)はそのA−A断面図である。
【図2】図1のまくら木における横材と、上面連結部材、下面連結部材及び中間連結部材との接合部分の斜視図である。
【図3】(a)は、本発明の他の実施形態のまくら木の斜視図であり、(b)はそのB−B断面図である。
【図4】図3の実施形態のまくら木にレールを載置した鉄道線路の概略斜視図である。
【符号の説明】
1,30 まくら木
2 レール
3 横材
10,12,21 上面連結部材
11,13,22 下面連結部材
25 中間連結部材
27 横材の対向する面
Claims (2)
- レールを支持する複数の横材を有し、該横材同士の、レール支持部の上面部と下面部とが、横材の上面部に設けられた彫り溝内に配されるように上面連結部材によって、及びバラスト内に完全に埋設されるように下面連結部材によって、それぞれ連結され、上面連結部材及び下面連結部材に囲まれた位置であって、横材の対向する面同士の間に中間連結部材が設けられていることを特徴とするまくら木。
- レール支持部同士の中間部と横材の両端部には、上面連結部材及び下面連結部材が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のまくら木。
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JP12560597A JP3569108B2 (ja) | 1997-05-15 | 1997-05-15 | まくら木 |
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JP12560597A JP3569108B2 (ja) | 1997-05-15 | 1997-05-15 | まくら木 |
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JPH10317303A JPH10317303A (ja) | 1998-12-02 |
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ID=14914266
Family Applications (1)
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JP12560597A Expired - Fee Related JP3569108B2 (ja) | 1997-05-15 | 1997-05-15 | まくら木 |
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- 1997-05-15 JP JP12560597A patent/JP3569108B2/ja not_active Expired - Fee Related
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