JP3568635B2 - たわみ素子手段により複数の開口装置の選択を行うための機構 - Google Patents

たわみ素子手段により複数の開口装置の選択を行うための機構 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、ジャカード型の製織および/または編み機において複数の開口装置の選択をたわみ素子によって行うための機構であって、この機構は、一本の同一のコードにより互いに連結され上行したり下行したりする相補型のフックを含み、このたわみ素子の自由端は、上行している刃によって相補型フックの締め付けが妨げられるロック位置と、そして関係する相補型フックの吊下げフックの経路から戻止めピンが滑動して離れるために相補型フックの締め付けが可能になるリリース位置との間を張力によって移動させられ、各吊下げフックは可とう性の引張りばねによって開口装置の上行したり下行したりする部分に伸縮自在に取り付けられている、たわみ素子手段により複数の開口装置の選択を行うための機構に関する。
【0002】
この機構は、模様の製織と編みに適している製織・編み機に応用される。
【0003】
【従来の技術】
糸状の要素と滑車により互いに連結され、そのために逆方向に動かせる相補型のフック選択するために、圧電たわみ素子を用いることは、既に公知のことである。
【0004】
特許文書BE−08900181号には、模様の製織用として設計されている製織および/または編み機の開口装置に属する相補型のフックの選択するために駆動されるクランプシステムが述べられている。電磁石によって、伸縮自在になるよう配置されている可動片が引き付けられたり、または引き付けられなかったりして、その結果この可動片は弾性フックとして働くか、またはロック位置で回転するフックとして働く。この電磁石の作用は空隙ギャップを越えて働き、そのために無視できない程の電気エネルギーを必要とする。このエネルギー供給の一部は熱に転換され、その結果選択装備は加熱されるため、製織中の環境に悪影響を及ぼす。
【0005】
特許文書DE−PS−4309983号には、開口装置の選択要素としてバイモルフの圧電たわみ素子を用いる開口機構が述べられている。これらのたわみ素子は、バイメタルの作用に類似して、電圧の影響下に幾つかの異なるたわみ形態を採る。これらの圧電素子は非常に少ししかエネルギーを使用しない。それは小型コンデンサの充電エネルギーと比較することができる。これらの圧電素子は熱を生じない。したがってこれらの素子は、製織機における開口装置のフックの電磁石による選択の重要な代替品になる。
【0006】
しかし、圧電たわみ素子の欠点は、数ミリメートルの距離以上にその先端を移動させる場合、これらの素子は有効な大きさの機械的エネルギーを自然には供給できないことである。したがって、これらの素子は動かされる素子機械的抵抗が克服されなければならないときは、有用ではない
【0007】
この既存の開口機構において、圧電開口素子は横方向引込み式の遮断要素であり、電圧の供給によって、リリース位置で旋回クリックの延長部の運動方向に対して横方向にかつ横断するように動かされる。いったんロック位置になると、引張りばねが旋回クリックの延長部を圧電素子に押しつける。
【0008】
選択が必要で、ロックがなされなければならないとき、複数の刃の1つはこれに対応するフックと共により上の位置にあり、そして旋回クリックは一方の側に押され、その結果このクリックの他方の側にロックスペースが作られる。
【0009】
圧電素子のみが電圧を印加され、その結果摩擦抵抗はない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
旋回クリックが開口機構の固定部分に位置しているとき、これらのクリックはほこりによる汚染を受けやすい。旋回クリックがほこりまみれになっていれば、これらのクリックがフックの延長部のすぐ後ろのロック位置から延長部の運動経路のすぐ外側のリリース位置にたわむとき、たわみ素子はある程度の摩擦に打ち勝たなければならない。
【0011】
機械的抵抗に打ち勝つ力を全く欠いていることが、今までずっと、これらの素子が製織機において開口装置のための選択要素に拡張利用されなかった主な理由である。本発明の目的は、こうした欠点を改善することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この課題は、「産業上の利用分野」に記載されている開口機構を利用することにより、本発明により解決される。この開口機構は、相補型の可とう性フックが引張りばねによって開口装置の上行したり下行したりする部分に弾性的に取り付けられていることを特徴とする。
【0013】
特定の1実施例において、フックは、開口装置の上行したり下行したりする部分に、特に平坦な相補型のフックに、積層引張りばねによって締め付けられる。
【0014】
本発明の特徴によれば、可とう性フックはその内側にカムを備えている。
【0015】
本発明の発展態様によると、可とう性フックが自らを締め付ける突出部は、横振れ圧電選択素子によって保護される。
【0016】
本発明によると、開口機構は1本の通糸(つうじ)ごとに1つのバイモルフのたわみ素子からのみ成り立っており、したがって相補型の両フックに対して1つのバイモルフのたわみ素子が割り当てられている。
【0017】
このたわみ素子は、2つの吊下げフックの間にあって、製織および/または編み機のスリーブ内の中央に位置している。
【0018】
特定の1実装形態では、たわみ素子の自由端は、左右に2つの戻止めピンを備えているT継手を支持しており、こうして、T継手の中央の脚は、上記のスリーブに正確に適合し、2つの吊下げフックのロック位置とリリース位置との間でたわみ素子の変形が生じるならば、案内要素となる。
【0019】
T継手の左右の側に設置されている2つの戻止めピンは、可とう性の吊下げフックをその軌道内で固定するためのものである。
【0020】
【作用】
各吊下げフックは、その上部側面にフレームの前述のスリーブと平行な窪みを有するのが好ましい。この窪みは戻止めピン自体より高い位置まで延在しているので、吊下げフックが突出部に受け留められているとき、たわみ素子の引抜きが阻止されない。
【0021】
たわみ素子は、電圧を印加されていないその自然な位置がリリース位置に合致し、そして相補型のフックが上に上げられているとき、吊下げフックは自由に横に向かって引き出すことができる。
【0022】
本発明のこれらの特徴とその他の特性については、本発明はどのように構成されているかを示す添付の図面を参照しながら、例示のためであって限定的な意味ではなく、行われる以下の説明によって明らかになるであろう。
【0023】
これらの図面において、同一の参照符号は、同一の要素または同等の要素を示している。
【0024】
【実施例】
図1に示されているように、模様の製織または編みに適しているジャカード型の製織および/または編み機において複数の開口装置の選択を行うための機構は、1本の同一のコード21によって互いに連結されている2つの相補型のフック2、12を含む。相補型のフック2、12は、より大きい長方形のベースフレーム20とより小さい上部22とに分けられる垂直のフレーム10に沿って相補型の刃1、11とともに上下に運動し、上部22内には垂直のスリーブ24が収められている。上部22とベースフレーム20とは2つの突出部7と17とによって分離されている。
【0025】
上部22のスリーブ24の頂上には、バイモルフのたわみ素子9が片側で締め付けられている。このたわみ素子9に電気を供給するために電線23が配置されており、このたわみ素子9の自由端は、各相補型のフック2、12に可とう性の引張りばね3によって取り付けられている吊下げフック6、16のロック位置とリリース位置(図2に点線で示されている)の間で引き出すことができる。
【0026】
図1に示されているように、葉状の引張りばねはカム4を備えている。バイモルフ素子または圧電素子が電圧を印加されたとき、これらの素子は、ロック位置で真直な位置(図2で実線で示す)にある。その電圧が遮断されると、吊下げフック6、16の運動方向に対し横方向たわめられるT継手13と2つの戻止めピン8、18吊下げフック6、16の運動軌道内に位置するそれらのロック位置から離れ、そして吊下げフック6、16の運動軌道外に位置するリリース位置をとる。
【0027】
戻止めピン8、18は、弾性の吊下げフック6、16をその軌道内でロックする選択要素として働く。たとえ吊下げフック6、16の一方が突出部に受け止められていても、バイモルフのたわみ素子のT継手は、ロック位置からリリース位置に抵抗なく自由にたわめられる。弾性の吊下げ手段は、その上部側面に上記フレームスリーブと平行な窪みがあり、そして吊下げフック6、16が突出部7に受け留められているとき、たわみ素子の引抜きを妨げないために、この窪みは戻止めピン自体より高い位置まで延在している
【0028】
バイモルフのたわみ素子は、電圧を印加されていないその自然な位置がリリース位置に合致し、そして相補型のフックが上に上げられているとき、吊下げフック6、16は自由に横方向に引き出すことができるように、配置されている。
【0029】
バイモルフの圧電たわみ素子9は、機械的抵抗に打ち勝つ必要はなく、ロック位置からリリース位置に自由に引き出すことができ、そして反対にリリース位置からロック位置に自由に戻ることができる。
【0030】
ひ口形成装置の2本の相補型の刃1と11は、位相で上下に運動する。相補型フック2は相補型の刃1と共に上方に動く。この相補型フック2に取り付けられている可動の吊下げフック6は、ばね要素3の引張り力に抗して突出部7によって横方向に押され、そしてその結果カム4は突出部7により後方に押される。フック2のばね要素3の作用によって、カム4は突出部7に締め付けられ、そしてフック2のフック要素もばね3からの引張り力を受ける。この位置において、戻止めピン8は図2の平面に含まれる方向に自由に動くことができる。電圧が印加されないときは、圧電素子は図1の平面に垂直な方向にたわみ、そして戻止めピン8を備えているT継手は、吊下げフック6、16の軌道から滑り出る。この図では2つの刃が、刃1が下方にそして刃11が上方に向かって、移動すれば、カム4は突出部7を離れ、そして吊下げフック6は、ばね3の引張り力により突出部7に留められる。このようにして、吊下げフック6、16は、1が下方に移動している間、より上の位置に保たれている。相補型のフック12は刃11とともに上方に移動させられ、ホイスト31は、チェーンワイヤを上方に上げるためのサイフォンを駆動させる1本以上の通糸(つうじ)に互いに連結されている通糸(つうじ)25が上方に上げられるにしたがって、上に移動させられる。
【0031】
圧電たわみ素子9は電圧が印加されるたびに、真っ直ぐな位置に戻り、その結果T継手と戻止めピン8はフック2、6の軌道内の突出部7の真上のロック位置に戻る。このロック位置において、吊下げフック6は、1が下降しているとき、その鼻部を戻止めピン8に締め付ける。この吊下げフック6は、戻止めピン8上を滑動し、つぎに突出部7の上を滑り、したがって相補型のフック2刃1とともに下降する。ホイスト31は同一の高さを保持し、したがって通糸(つうじ)25は下方の位置に留まる。
【0032】
1つのみのたわみ素子によって2つの異なる位置にある複数の開口装置を同時に制御することは、相補型のフックが反対方向への同時運動を行うことによって可能になる。2つ刃はけっして一緒に上昇することはない。このように、戻止めピン8と18の位置は、同じたわみ素子に互いに連結されている2つの開口装置の1つに直接的な影響を与えることなく、短時間で変更させることができる。
【0033】
図2に実線で示されており、そしてロック位置に合致する、たわみ素子の電圧を印加された状態は、フックのヘッドの軌道を封鎖するのに必要な間だけ維持される。
【0034】
選択要素は、製造速度により課せられる非常な高周期で連続的に交互にたわみ張力を受けることは、自明である。
【0035】
【発明の効果】
本発明によるこの選択装備は、たとえ製織および/または編み機がしばらくの間ほこりと油に汚染されていても、その緊密な機械構造であるのでほとんど熱を放射せず、そして非常に信頼性が高いという利点を有している。引張りばねは磁気残留の欠点もその恐れもなく、ばね鋼より作ることができる。このような鋼鉄は、非常な高周期で連続的なたわみ応力下の疲労に対し、優れた抵抗性を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】圧電たわみ素子を1つだけ備えている本発明の開口機構の、ベースフレームの部分断面図を含む正面図である。
【図2】図1に示す開口機構の側面図である。
【図3】たわみ素子の自由端に取り付けられているT継手の図1の線III−IIIに沿って切断された拡大横断面図である。
【符号の説明】
、11 相補型の刃
、12 相補型のフック
3 引張りばね
、14 カム
5 フック要素
、16 吊下げフック
、17 突出部
、18 戻止めピン(横振れ圧電選択素子)
9 たわみ素
10 垂直のフレーム
13 T継手
19 バイモルフのたわみ素子(横振れ圧電選択素子)
20 ベースフレーム
21 コード
22 上部
23 電線
24 スリーブ
25 通糸(つうじ)
31 ホイスト

Claims (11)

  1. ジャカード型の製織および/または編み機において複数の開口装置の選択を行うための機構であって、該機構は、それぞれの吊下げフック(6、16)を備え、かつ、一本のコードにより互いに連結され上行したり下行したりする相補型のフック(2、12)を含み、前記相補型のフック(2、12)をロック位置又はリリース位置とするために前記吊下げフックと協働する戻止めピン(8、18)を有するたわみ素子手段(9)を更に含む該機構において、各前記吊下げフック(6、16)は可とう性の引張りばね(3、13)によって前記相補型のフック(2、12)に弾性的に取り付けられ、前記戻止めピン(8、18)はそれぞれ前記吊下げフック(6、16)の横方向移動を妨げるロック位置と、前記吊下げフックの移動を可能にするリリース位置を有し、前記たわみ素子が曲がるか、曲がらないかによって、前記ロック位置又は、前記リリース位置をとることを特徴とする複数の開口装置の選択を行うための機構。
  2. 可とう性の各前記引張りばね(3、13)は前記吊下げフックのフック側に1つのカム(4、14)を備えていることを特徴とする請求項1記載の機構。
  3. 前記吊下げフック(6、16)はそれぞれ、前記開口装置の上行したり下行したりする前記部分に積層の引張りばね(3、13)によって、それぞれの前記相補型のフック(2、12)に取り付けられることを特徴とする請求項1または2記載の機構。
  4. 前記たわみ素子(9)は圧電選択素子を含み、該圧電選択素子は前記吊下げフック(6、16)のたわみ面に垂直な方向にたわむことを特徴とする請求項1または2記載の機構。
  5. 前記機構のフレーム(10)には前記吊下げフック(6、16)が締め付けられる突出部(7、17)が設けられ、横振れ圧電選択素子(8、9と18)が前記吊下げフック(6、16)を前記突出部に締め付けるのを阻止することができるようにされていることを特徴とする請求項1または2記載の機構。
  6. 前記相補型のフック(2、12)の2つの前記吊下げフック(6、16)のために1つの前記たわみ素子(9)しか備えられていないことを特徴とする請求項1記載の機構。
  7. 前記たわみ素子(9)は、2つの前記吊下げフック(6、16)の間で、前記製織および/または編み機のフレーム(10)のスリーブ(24)内の中央に位置していることを特徴とする請求項1記載の機構。
  8. 前記たわみ素子(9)の前記自由端は、左右に2つの前記戻止めピン(8、18)を備えているT継手を支持しており、こうして、2つの前記吊下げフック(6、16)のロック位置とリリース位置との間で前記たわみ素子(9)を横方向に移動させるとき、前記T継手(13)の中央の脚は上記スリーブ(24)に正確に適合し、かつ案内要素を形成することを特徴とする請求項1または2記載の機構。
  9. 前記T継手の左右に設置されている2つの前記戻止めピン(8、18)は、可とう性の前記吊下げフック(6、16)をその軌道内で固定することを特徴とする請求項1記載の機構。
  10. 各前記吊下げフック(6、16)は、フレーム(10)の前記スリーブ(24)と平行な上部側面に窪みを有し、該窪みは吊下げフック(6、16)が前記突出部(7)に受け留められているとき、前記たわみ素子(9)の横方向の運動を妨げないために、前記戻止めピン(8、18)より高い位置まで延在していることを特徴とする請求項7または8記載の機構。
  11. 前記相補型フック(2、12)が上方に移動させられるとき、前記吊下げフック(6、16)を自由に横に向かって引き出すことができるように、バイモルフの前記たわみ素子(9)は、電圧を印加されていないその自然な位置がリリース位置に合致するように配置されていることを特徴とする請求項10記載の機構。
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