JP3568617B2 - Atm通信網におけるセル転送速度規制方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、ATM(非同期転送モード)通信網にて転送されるセルと呼ばれる固定長パケットの転送速度を監視し、必要に応じて規制するために用いられるセル転送速度規制方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ATM通信網を利用した従来の情報転送において、ユーザが情報転送を行う送信側端末と受信側端末間に仮想コネクションを設定する際には、ユーザからあらかじめセル転送に対する所望のサービス品質(ピーク速度、平均速度、等)を網に対して申告し、網側では申告を受けたサービス品質を他の網ユーザに悪影響を与えることなく提供できると判断した場合のみ前記のコネクション設定を許可し、前記サービス品質に相当する帯域を確保するという、コネクション受付制御を行う。またコネクション設定後のセル転送時にも、網は、前記端末がコネクション設定要求時に申告したサービス品質に従順したセル転送を行っているか否かを監視し、サービス品質に従わないセル転送があった場合には、該セルを違反セルと判定し、違反セルを廃棄する等のUPC/NPC(Usage/Network Parameter Control)を実施している。
【0003】
ところで、最近ATM Forumでは、ABR(Available Bit Rate)サービスと呼ばれる新たなサービスが提唱されている。ABRサービスでは、前述のサービスとは異なり、ユーザはコネクション設定時に申告したセル転送の最大速度(ピーク速度)と最小速度を申告するが、該ユーザはセル転送時に常に最大速度でのセル転送が可能であることが保証されない(最小速度でのセル転送は保証される)。言い替えれば、網は申告のあったコネクションに対して帯域を確保する必要がない。これにより、ABRサービスを運用する場合は前記のサービスに比べて同時に接続されるコネクション数が増大し、その結果、通信網内のスイッチにおける輻輳を起こしかねない。なお、本明細書において輻輳とは、あらかじめ定められた処理能力を越えた多数のセルが到着することにより、スイッチが所望のサービスを提供できなくなった状態を表すものとする。
【0004】
ATM網内のスイッチにおいて輻輳を最小限にとどめるために、ATM Forumでは、ABRサービスを実現するためのフロー制御アルゴリズムとして、EPRCA(Enhanced Proportional Rate Control Algorithm)を提唱しており(これについては、ATMForumの寄書94−0735R1を参考にされたい)、また、上記アルゴリズムに関連して、セル送信部、セル受信部、中間スイッチ部の動作規定がATM Forumにおいてなされている(これについては、ATM Forumの寄書95−0013を参考にされたい)。これによれば、ABRサービスに伴い実施されるフロー制御は、資源管理セル(Resource Managementセル:RMセル)に基づき動作する。
【0005】
図1に資源管理セルのフォーマット例を示す。これは、ATM ForumのTM(Traffic Management)ワーキンググループにおいて現在取り決められている、ABRサービスを提供する際に用いる資源管理セルのフォーマットに従っている。図1において、ATMヘッダ(5オクテット)は通常のセルと同様のヘッダであり、資源管理セルを示すために、ヘッダ内のPT(Payload Type)値を6に設定している。ID(1オクテット)はプロトコル識別子であり、セル送信部にて常に0に設定される。DIR(1ビット)は方向識別子で、セル送信部からセル受信部宛に送出された資源管理セルならば0が、セル受信部からセル送信部宛に折り返し送出された資源管理セルならば1が設定される。CI(1ビット)は輻輳表示部で、通常は0が設定されているが(輻輳未発生)、通信網内のスイッチ部にて輻輳が発生した場合には1が設定される。CCR(2オクテット)には、セル送信部における現在のセル送出速度がセル送信部により設定される。MCR(2オクテット)には、コネクション設定時に取り決められた最小セル送出速度がセル送信部により設定される。ER(2オクテット)には、資源管理セル送出時にはコネクション設定時に取り決められた最大セル速度がセル送信部により設定されるが、資源管理セルがスイッチ通過時、またはセル受信部での折り返し時に網内の輻輳状況に応じて、当初のER値よりも小さな値が上書きされる。
【0006】
図2に図1に示した資源管理セルを用いたABRサービスの概要を示す。ここで、21、22はセルの送受信を行う端末またはスイッチからなる終端部、23はスイッチ部、24、25は終端部21、22を結ぶ仮想コネクションである。なお、仮想コネクション24は終端部21から終端部22宛にセルを転送する際に用いるコネクションであり、仮想コネクション25は終端部22から終端部21宛にセルを転送する際に用いるコネクションである。以降では、終端部21をセル送信部、終端部22をセル受信部と考え、終端部21から終端部22に対してデータ転送を行う場合のABRサービスの概要について述べる。
【0007】
終端部21は、通常のデータセルを送出するとともに、ある定められた周期毎に現在のセル転送速度をCCR(Current Cell Rate)部に、最大セル速度をER(Explicit cell Rate)部に記入した資源管理セルを、データセルと同じ仮想コネクション24を用いて終端部22に対して送出する。終端部22において前記資源管理セルを受信すれば、受信した資源管理セルのDIR値を1に変更した後に仮想コネクション25を用いて終端部21に対して返送する。データセルを転送する仮想コネクション24が通過するスイッチ23が輻輳に陥っている場合、スイッチ23は自スイッチの輻輳レベルを示すために仮想コネクション24または25を転送される資源管理セル内のER値を減少することができ、さらに仮想コネクション25上を転送される資源管理セルに対しては輻輳表示(CI)部を設定することが許容される。また、輻輳に陥ったスイッチ23はER値を減少する代わりに、仮想コネクション24上を転送されるセル内のEFCI(Explicit Forward Congestion Indication)を設定して、該セルを受信する終端部22にて輻輳の存在を認識させ、終端部22において資源管理セル内のER値を減少するという方式も許容される。そして、終端部22を折り返された資源監視セルを受信した終端部21は、該資源管理セル内のCI部、ER部等を読み出し、これらの値を基にして以後のセル転送速度を変更する。
【0008】
これによって、ATM網内のスイッチの輻輳の度合により、終端部21から送出されるセル流量の制御を行うことができ、その結果、輻輳からの回復が図れるというアルゴリズムである。なお、終端部21、22間に存在するスイッチは1を越える数であってもよい。
【0009】
上記に示したフロー制御アルゴリズムを考えた場合、資源管理セル内のER値は、輻輳状況に応じて終端部22またはスイッチ23により減少されることは許されている。しかし、上記終端部またはスイッチが、故障等により誤って該資源管理セル内のER値を増加させてしまった場合は、ATM網内の輻輳状況を反映しない値がER値として記入されてしまい、その結果、誤って記入されたER値をベースに終端部21は以降のセル転送速度を決定するため、さらなる輻輳を起こしかねない。また、ATM網にて発生した輻輳に伴い、網内へ流入されるセル流量を制御するのはセルを送信する終端部21のみであるため、終端部21内のフロー制御アルゴリズム実行部に異常が見られた場合には網内へ流入されるセル流量を調整する手段がなくなり、ATM網内のスイッチは重度の輻輳に陥りかねないし、同じATM網を利用した他のコネクションのサービス品質が劣化する恐れがある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、従来より考えられているフロー制御アルゴリズムのみを適用した場合には、セル受信部またはスイッチの誤動作により、資源管理セル内の情報(ER値)が正しく更新されないこと、そしてセル送信部の誤動作により輻輳回復能力が低下することが問題となる。
【0011】
本発明は、上記の問題を解決し、セル受信部またはスイッチの誤動作による資源管理セル内の誤った情報更新を防ぎ、そしてセル送信部の誤動作の際にも、他のコネクションのサービス品質を劣化させることなくかつATM網を輻輳から回復させることが可能なセル転送速度規制方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の発明は、セル(固定長のデータパケット)を送受信する第1の終端部(終端部は、端末あるいはスイッチからなる)及び第2の終端部と、セルを転送するスイッチとを含み、第1の終端部からスイッチを介して第2の終端部へセルを転送するための第1の仮想コネクションと、第2の終端部からスイッチを介して第1の終端部へセルを転送するための第2の仮想コネクションとが設定されたATM通信網において、セルの転送速度を規制するための方法であって、前記第1の終端部から前記第2の終端部宛に、前記第1の仮想コネクションあるいは前記第2の仮想コネクションが通過するスイッチ、または前記第2の終端部が所望するセル転送速度値を記入するための領域(例えばER)を備えた資源管理セルを、前記第1の仮想コネクションを用いて送出し、前記第2の終端部から前記第1の終端部宛に、前記資源管理セルを折り返し前記第2の仮想コネクションを用いて送出し、前記第1の仮想コネクションを用いて転送される前記資源管理セルの前記領域に記入された第1のセル転送速度値を記憶しておき、前記第2の仮想コネクションを用いて転送される前記資源管理セルの前記領域に記入された第2のセル転送速度値を検出し、この第2のセル転送速度値が記憶された前記第1のセル転送速度値よりも大きい場合には、前記領域内の前記第2のセル転送速度値を前記第1のセル転送速度値に書き換えて前記資源管理セルを転送することを特徴とする。
【0013】
本発明の第2の発明は、上記と同様のATM通信網において、前記第1の終端部から前記第2の終端部宛に前記第1の仮想コネクションを用いて送出されるセルの転送速度を監視し、この転送速度が所定の閾値を越える場合に前記第1の仮想コネクションにおけるセルの転送を規制する方法であって、前記第1の終端部から前記第2の終端部宛に、前記第1の仮想コネクションあるいは前記第2の仮想コネクションが通過するスイッチ、または前記第2の終端部が所望するセル転送速度値を記入するための領域を備えた資源管理セルを、前記第1の仮想コネクションを用いて定期的に送出し、前記第2の終端部から前記第1の終端部宛に、前記資源管理セルを折り返し前記第2の仮想コネクションを用いて送出し、セルの転送速度の前記監視を行う際に、前記第1の仮想コネクションを用いて転送される前記資源管理セルの前記領域に記入された第1のセル転送速度値を記憶しておき、前記第2の仮想コネクションを用いて転送される前記資源管理セルの前記領域に記入された第2のセル転送速度値を検出し、この第2のセル転送速度値が記憶された前記第1のセル転送速度値よりも大きい場合には、前記領域内の前記第2のセル転送速度値を前記第1のセル転送速度値に書き換えて前記資源管理セルを転送することを特徴とする。
【0014】
このとき、セルの転送の前記規制に用いる所定の閾値を、前記第1の仮想コネクションを用いて転送される前記資源管理セルの前記領域に記入された第1のセル転送速度値に基づいて定めても良い。
【0015】
本発明の第3の発明は、上記と同様のATM通信網において、前記第2の終端部から前記第1の終端部宛に前記第2の仮想コネクションを用いて送出されるセルの転送速度を監視し、この転送速度が所定の閾値を越える場合に前記第2の仮想コネクションにおけるセルの転送を規制する方法であって、前記第1の終端部から前記第2の終端部宛に、前記第1の仮想コネクションあるいは前記第2の仮想コネクションが通過するスイッチ、または前記第2の終端部が所望するセル転送速度値を記入するための領域を備えた資源管理セルを、前記第1の仮想コネクションを用いて定期的に送出し、前記第2の終端部から前記第1の終端部宛に、前記資源管理セルを折り返し前記第2の仮想コネクションを用いて送出し、前記第1の仮想コネクションを用いて転送される前記資源管理セルの前記領域に記入された第1のセル転送速度値を記憶しておき、セルの転送速度の前記監視を行う際に、前記第2の仮想コネクションを用いて転送される前記資源管理セルの前記領域に記入された第2のセル転送速度値を検出し、この第2のセル転送速度値が記憶された前記第1のセル転送速度値よりも大きい場合には、前記領域内の前記第2のセル転送速度値を前記第1のセル転送速度値に書き換えて前記資源管理セルを転送することを特徴とする。
【0016】
本発明の第4の発明は、上記と同様のATM通信網において、前記第1の終端部から前記第2の終端部宛に前記第1の仮想コネクションを用いて送出されるセルの転送速度を監視し、この転送速度が所定の閾値を越える場合に前記第1の仮想コネクションにおけるセルの転送を規制する方法であって、前記第2の終端部から前記第1の終端部宛に、前記第2の仮想コネクションが通過するスイッチが輻輳に陥ったか否かを示す情報を記入するための領域(例えばCI)を備えた資源管理セルを送出し、前記資源管理セルの前記領域内の情報を検出し、この情報が輻輳の存在を示すものである場合は、輻輳の不存在を示す情報を有する資源管理セルが到着するまで前記閾値を現在の閾値よりも増加させることなく、セルの転送の前記規制を行うことを特徴とする。
【0017】
ここで、検出した前記情報が輻輳の存在を示すものである場合はに前記閾値を現在の閾値よりもより低速な閾値に自律的に変更し、セルの転送の前記規制を行っても良い。
【0018】
本発明の第5の発明は、第4の発明と同様のセル転送速度規制方法であって、前記第1の終端部から前記第2の終端部宛に、前記第1の仮想コネクションあるいは前記第2の仮想コネクションが通過するスイッチ、または前記第2の終端部が所望するセル転送速度値を記入するための第1の領域(例えばER)と、前記第2の仮想コネクションが通過するスイッチが輻輳に陥ったか否かを示す情報を記入するための第2の領域(例えばCI)とを備えた資源管理セルを、前記第1の仮想コネクションを用いて送出し、前記第2の終端部から前記第1の終端部宛に、前記資源管理セルを折り返し前記第2の仮想コネクションを用いて送出し、前記第1の仮想コネクションを用いて転送される前記資源管理セルの前記第1の領域に記入された第1のセル転送速度値を記憶しておき、前記第2の仮想コネクションを用いて転送される前記資源管理セルの前記第1の領域内の第2のセル転送速度値及び前記第2の領域内の情報を検出し、この第2のセル転送速度値が記憶された前記第1のセル転送速度値よりも大きい場合には、前記第1の領域内の前記第2のセル転送速度値を前記第1のセル転送速度値に書き換えて前記資源管理セルを転送するとともに、前記第1の仮想コネクションを用いて転送される前記資源管理セルの前記第1の領域に記入された第1のセル転送速度値に基づいて定めた閾値を用いてセルの転送の前記規制を行い、検出した前記情報が輻輳の存在を示すものである場合は、輻輳の不存在を示す情報を有する資源管理セルが到着するまで前記閾値を現在の閾値よりも増加させることなく、セルの転送の前記規制を行うことを特徴とする。
【0019】
ここで、検出した前記情報が輻輳の存在を示すものである場合は、前記閾値を現在の閾値よりもより低速な閾値に自律的に変更してセルの転送の前記規制を行うとともに、第1の終端部宛に転送される資源管理セルの第1の領域内の前記第2のセル転送速度値を前記第1のセル転送速度値にではなく前記変更後の閾値に書き換えてこの資源管理セルを転送しても良い。
【0020】
また、前記第1の領域内の前記第2のセル転送速度値を前記変更後の閾値に書き換えた資源管理セルの転送を行ってから、この資源管理セルが前記第1の終端部に到達した後にこの第1の終端部よりセルが転送されてくる迄の所要時間を見積もっておき、前記変更後の閾値を用いたセルの転送の前記規制の開始は、前記書き換えを行った資源管理セルの転送時から少なくとも前記所要時間経過後としても良い。
【0021】
なお、本発明(第1〜第3、及び第5の発明)は、第1または第2の仮想コネクションを用いて転送される資源管理セル内のセル転送速度値を記憶する手段、第2または第1の仮想コネクションを用いて転送される資源管理セル内のセル転送速度値を検出する手段、この記憶されたセル転送速度値と検出されたそれとの比較を行う手段、この比較結果により前記資源管理セル内のセル転送速度値を書き換える手段、及びこの資源管理セルを転送する手段を備えたセル転送速度値監視装置としても把握される。
【0022】
また、本発明(第4及び第5の発明)は、第1の仮想コネクションを用いて送出されるセルの転送速度を監視する手段、この監視結果に基づいて前記セルの転送を規制する手段、第2の仮想コネクションを用いて転送される資源管理セル内の輻輳に陥ったか否かを示す情報を検出する手段、及びこの情報が輻輳の存在を示すものである場合は前記規制手段で用いる監視パラメータを現在よりも増加させないよう前記規制手段を制御する手段を備えたセル転送速度規制装置としても把握される。
【0023】
【作用】
本発明(第1〜第3、及び第5の発明)によるセル転送速度規制方法では、資源管理セルの(第1の)領域に記入されるセル転送速度の監視、変更が可能となる。本来、資源管理セルの前記領域内のセル転送速度は、スイッチまたはセル受信部(第2の終端部)において、あらかじめ記入されている値よりも大きな値を上書きされてはならないものである。本発明によれば、誤動作等により当初より大きな値が上書きされていないかを監視するため、例えばセル受信部宛に転送される資源管理セルがセル転送速度規制部(仮想コネクションを用いて転送されるセルの転送速度を監視し、この転送速度が所定の閾値を越える場合にセルの転送を規制する機能を有する部分)を通過する度に、資源管理セルの前記領域内のセル転送速度を記憶しておき、この値とセル受信部を折り返されセル送信部(第1の終端部)宛に転送された資源管理セルの前記領域内のセル転送速度値との大小関係を比較し、後者の値が前者の値を上回っていれば、受信した資源管理セル内の前記領域内に、セル転送速度規制部にて記憶しているセル転送速度を上書きする。これにより、網内の輻輳状況が反映される前記領域内のセル転送速度値の、スイッチまたはセル受信部による誤った記入からの救済が可能となる。
【0024】
なお、第1の仮想コネクションを用いて転送される資源管理セルに記入されたセル転送速度値の記憶、及び、この記憶された値と第2の仮想コネクションを用いて転送される資源管理セルに記入されたセル転送速度値との比較及び上書きを行う機能は、第1の仮想コネクションの監視を行うセル転送速度規制部に搭載しても良い(第2の発明)し、第2の仮想コネクションの監視を行うセル転送速度規制部に搭載しても良い(第3の発明)し、セル転送速度規制部以外の部分に搭載しても良いし、従来システムに存在する部分とは別個の装置として設けても良い。
【0025】
また、資源管理セルが上記セル転送速度規制部より送出されてからセル受信部を折り返され再び該規制部に到着する迄の所要時間をあらかじめ見積もっておくことにより、前もって受信したセル受信部宛に転送される資源管理セルが、折り返されて再びセル転送速度規制部に到着する時刻を予測でき、対応する資源管理セルの前記領域内のセル転送速度値の比較が可能となる。
【0026】
また、本発明(第4及び第5の発明)によれば、上記セル転送速度規制部において、セル送信部宛に転送される資源管理セルより輻輳表示情報部((第2の)領域)を読み取り、該情報部が輻輳の存在を示す場合は、後に輻輳が存在しないことを示す資源管理セルを受信するまでは監視パラメータを増加させないことにより、輻輳に陥ったスイッチへのセル流量の増加を確実に防止することが可能となる。
【0027】
なお、このセル転送速度規制部において自律的に監視パラメータの減少を行うことにより、輻輳からのより高速な回復を図ることも可能となる。このとき、仮想コネクションが通過するスイッチまたはセル受信部が所望するセル転送速度値を記入するための(第1の)領域に、減少させた監視パラメータを記入すれば、セル送信部は網側が所望するセル転送速度値を知ることができ、網内の輻輳状況に適合したセルの送信を自発的に行うことができる。
【0028】
また、資源管理セルが上記セル転送速度規制部より送出されてからセル送信部に到達した後のセルが該規制部に到着する迄の所要時間をあらかじめ見積もっておくことにより、セル送信部が監視パラメータが減少したことを知ってから送信したセルについて、減少した監視パラメータでの規制を行うことが可能となる。
【0029】
【実施例】
以下、図面を参照しながら本発明の一実施例を説明する。
図3に本発明のセル転送速度規制方法を採用したセル転送速度規制部の一構成例を、図4に、図3にて示したセル転送速度規制部を適用した通信システムの一構成例を示す。なお、図3のようにER値を点検する機能(132:ER値点検部)をセル転送速度規制部内に搭載しない場合は、図10に示すようにER値点検部のみを前記規制部の代わりに設定する。
【0030】
図3において、11、12は到着したセルが資源管理セルであるか通常のデータセルであるかを識別し、資源管理セルであると識別した場合には、該セル内の情報を読み出し、必要に応じて該セル内の情報を更新する資源管理セル識別部、13は11または12にて読み出した資源管理セル内の情報を基に監視パラメータの変更、そしてER値の点検を行い、その結果前記資源管理セル内の情報を更新する必要がある場合にはその値を11または12に対して通知するパラメータ演算部、14は到着したセルが13にて算出された監視パラメータに違反しているか否かを判定し、監視パラメータに違反していると判定したときには、該セルに対して廃棄等の規制を施すセル違反判定部、そして15aはセル転送速度の監視対象となる仮想コネクション、15bは仮想コネクション15aに対して資源管理セルがセル送信部宛に折り返される際に用いられる仮想コネクションである。
【0031】
パラメータ演算部13において、131は監視パラメータを更新し、また監視パラメータ値を基にして資源管理セル内のCCR値あるいはER値を書き換える監視パラメータ演算部、132は資源管理セル内のER値を読み取り、該値が妥当な値でなければER値を書き換えるER値点検部である。
【0032】
なお、セル転送速度規制部では、自規制部が監視すべきセル流の転送される仮想コネクションと、該仮想コネクション上を転送されるセル流に対してセル送信部宛に折り返し送出される資源管理セルが転送される仮想コネクションを共に認識しており、各々仮想コネクション15a、15bとする。また、セル違反判定部14はセル送出先の要望などにより動作の有無が決定される。
【0033】
図4における26、27が、図3にて示したセル転送速度規制部を表し、他の各部は図2に示したものと同一である。本図において、セル転送速度規制部26は仮想コネクション24上を転送されるセル流の転送速度規制を行い、セル転送速度規制部27は仮想コネクション25上を転送されるセル流の転送速度規制を行う目的で設置される。すなわち、セル転送速度規制部26は、仮想コネクション24を図3の15aとして、仮想コネクション25を図3の15bとして扱うものであり、セル転送速度規制部27は、仮想コネクション25を図3の15aとして、仮想コネクション24を図3の15bとして扱うものである。
【0034】
図5に、図3に示した資源管理セル識別部11の、図6に資源管理セル識別部12の動作アルゴリズムをフローチャートにて示す。図5または図6に示すように、資源管理セル識別部11、12では、それぞれ仮想コネクション15a、15bから到着したセルのATMヘッダ内のPT値を調べる(S1,S11)。該PT値が6であれば、該セルを資源管理セルと識別し、ペイロード内の各値を抽出する(S2,S12)。
【0035】
監視パラメータ演算部131を動作させる為に、資源管理セル識別部11においては、受信した資源管理セルのDIR値が0である場合(S3Yes )は、CCR、MCR値を監視パラメータ演算部131へ転送し(S4)、資源管理セル識別部12においては、受信した資源管理セルのDIR値が1である場合(S13No)は、CI、ER、MCR値を監視パラメータ演算部131へ転送する(S15)。
【0036】
そして、以下に述べる監視パラメータ演算部131での処理の後、必要に応じて、資源管理セル識別部11では資源管理セル内のCCR値(S6)、資源管理セル識別部12では資源管理セル内のER値(S17)を更新し、後に資源管理セルを資源管理セル識別部11は仮想コネクション15a上に、資源管理セル識別部12は仮想コネクション15b上にそれぞれ送出する。
【0037】
また、ER値点検部132を動作させる為に、資源管理セル識別部11、12共に、資源管理セルを受信すればDIR、ER値をER値点検部132へ転送し(S4,S7,S14,S15)、そしてDIR値が1である場合のみ、必要に応じてER値点検部132から転送されるER値を更新し(S9,S17)、後に資源管理セルを送出する。
【0038】
但し、資源管理セル識別部11、12に到着したセルが資源管理セルでない場合、または該識別部にて抽出すべき資源管理セルでない場合は、即座にセルを仮想コネクション15a上、または仮想コネクション15b上に送出する。
【0039】
図7に、監視パラメータ値MRを算出する、監視パラメータ演算部131の動作手順をフローチャートにて示す。まずATM通信網内のスイッチにおける輻輳の有無を認識するために、資源管理セル識別部12にて受信されたDIR値が1である資源管理セル(S21)内のCI値を該演算部内の輻輳表示値CIinに代入する(S22)。このとき、CIin=1であれば、該セルが通過したいずれかのスイッチにおいて輻輳が発生していることを意味する。
【0040】
前記識別部12にて受信された資源管理セルのDIR値が1であれば、該セルがセル受信部からセル送信部に対して折り返し送出された資源管理セルであることが分かるので、該セル内のER値を読み出し、該演算部内の明示セル速度保持部ERinを更新する(S25,S26)。その際、CIin=0であれば、ERinにER値を代入する。また、CIin=1であれば、セル転送速度規制部とセル受信部との間にて輻輳が発生していることを示すので、現在の監視パラメータ値MRを越えないように新たなMR値を設定し、それにより輻輳部へのさらなるセル流量の増加を防ぐ。具体的には、(MR−α)とERとの最小値をERinに代入する(S24)。ここでαは、セル転送速度規制部において自律的に監視パラメータを減少する機能が用意されている場合の減少値を表す。この(MR−α)を求めるためには、例えば、以下のいずれかの方式を用いる。
【0041】
1)セル転送速度規制部での監視可能な速度を(速度の大小関係に従い)全てメモリ41に該メモリ内のアドレスと対応させて書き込んでおき、監視速度を変更させる場合は、アドレス算出部42にて保持するメモリ41内の参照アドレス値を変更し、該アドレス値が示す速度を新たな監視速度とする(図11)。
【0042】
2)監視速度を演算する監視速度演算部を用意し、演算部51内の演算結果を新たな監視速度とする。例えば、輻輳であると判断する度に現在の速度値から定数αを引いた値を新たな監視速度値にする。
【0043】
3)シフトレジスタ51を用意し、レジスタ51内の値をシフトすることにより新たな監視速度を得る(図12)。
なお、セル転送速度規制部において自律的に監視パラメータを減少する機能が用意されていない場合には、α=0とする。ところで、CIinの値に関わらず、セル送信部においては最小セル転送速度MCRでのセル転送が許容されているので、上記に述べた計算の結果得られたERin値がMCR値よりも小さい場合は、ERinにMCRを代入する。
【0044】
上記のように求められたERin値は、現在資源管理セル識別部12にて受信されているDIR=1の資源管理セルにER値として書き込み、該セルをセル送信部宛に送出する(S27)。それと同時に監視パラメータ演算部131にてあらかじめ定められた時間間隔を計数するタイマをスタートさせ、前記時間間隔が経過してから(S28)MRにERin値を代入し、以後に用いる監視パラメータとしてERin値を採用する(S29)。
【0045】
なお、前記時間間隔としては、該セル転送速度規制部を送出された資源管理セルがセル送信部に到着し、セル送信部にて該資源管理セルを基にセル転送速度が変更された後に送出されるセルが該規制部に到着するまでに要する時間を上回るように設定することが望ましい。言い替えると、
監視パラメータ変更迄の待ち時間=
2×(セル送信部とセル転送速度規制部との間の伝播遅延)
+(セル転送速度変更に要するセル送信部内の処理時間)
のようにまとめられる。
【0046】
次に、資源管理セル識別部11にて受信された資源管理セルのDIR値が0である場合(S31)は、該セルはセル送信部からセル受信部宛に送出された資源管理セルであることが分かるので、該セル内のCCR値と現在のMR値との大小関係を調べる(S32)。ここで、CCR>MRの関係が成り立てば、セル送信部は資源管理セルで通知されたER値を越えた値にてセル転送を行っていることが分かるので、資源管理セルのCCR値としてMRを代入し(S34)、必要に応じてセル送信部に対してセル転送速度が違反している旨を通知する(S34)。
【0047】
なお、監視対象となるコネクションにおいてはMCRでのセル転送が保証されているため、MR値がMCRよりも小さな値となれば、MCRをMR値として設定する(S35)。
【0048】
上記で示したように監視パラメータ値算出部13において算出された監視パラメータMRは、違反判定部14に送出される。違反判定部14には、あらかじめ規定されたセル転送速度監視手順が組み込まれており、該手順にMRを設定することにより、違反判定部14に到着するセルが違反セルであるか否かを決定する。なお、違反判定部14に組み込むセル転送速度監視手順としては、例えばGCRA(Generic Cell Rate Algorithm)がある(詳しくは、ATM UNI Specification ver3.0を参照されたい)。
【0049】
図8に、ER値点検部132の一構成例を、図9に、ER値点検部132の動作手順をフローチャートにて示す。図8において、31は資源管理セル識別部11あるいは12において受信した資源管理セルのDIR値を識別するDIR値識別部、32は受信したDIR=0である資源管理セルの属するコネクション(VCI値)、該セルの到着時刻、該セル内のER値を記憶するER値記憶部、33はDIR値識別部31にてDIR=0であると識別された資源管理セルのVCI値、到着時刻、ER値をER値記憶部32へ書き込むER値書き込み部、34はDIR値識別部31にてDIR=1であると識別された資源管理セルが、過去にDIR=0としてセル転送速度規制部に到着した際に保持していたER値をER値記憶部32より検索し読み出すER値読み出し部、35はER値点検部内の時刻を計数するタイマ、36はER値読み出し部34より検索されたER値を保持するレジスタ、37はDIR値識別部31にてDIR=1であると識別された資源管理セル内のER値と、レジスタ36に保持されているER値(ERsav)との大小関係を調べ、ER>ERsavという関係が成り立つか否かを判定する比較器、そして38は比較器37にてER>ERsavと判定された場合にのみ、資源管理セル識別部11あるいは12に対してER値の書き換えを指示するER値書き換え指示部である。
【0050】
図8、図9に従って、ER値点検部132の動作を説明する。資源管理セル識別部11または12に資源管理セルが到着すれば(S41)、DIR値識別部31にて、該セルのDIR値を識別する(S42)。該セルのDIR値が0であれば、ER値書き込み部33に、該セルのVCI値、タイマ35にて計数される現時刻、そして該セルのER値を、ER値記憶部32内の空き領域に記入する(S43)。以降では、この値をERsavと呼ぶ。
【0051】
また、DIR値識別部31にて、到着した資源管理セルのDIR値が1であると識別された場合は、該セルが過去にDIR=0として到着した際のER値(ERsav)値を、ER値読み出し部34を用いて、ER値記憶部32から読み出す(S44)。この時、ER値読み出し部34では、DIR=0である資源管理セルがセル転送速度規制部から送出されてから、セル受信部を折り返され、DIR=1として該規制部が再び受信するまでに要する時間Tをあらかじめ保持しておくことにより、DIR=1のセルが到着した時刻(タイマ35より通知)からT時間以上前の到着時刻を持つER値記憶部32内の情報が、過去にDIR=0として該セルがセル転送速度規制部に到着した際に保持していた情報であると認識できる。
【0052】
この時、ER値読み出し部34においてVCI値に対する対応表(例:仮想コネクション25上を転送されるDIR=1の資源管理セルは、仮想コネクション24上を転送されたDIR=0の資源管理セルが折り返されたものである、という情報)を保持することにより、候補となるER値の情報を絞り込むことができる。また、資源管理セルがDIR=0としてセル転送速度規制部に到着した時刻(ER値記憶部内の到着時刻情報)と該セルがDIR=1として該規制部に到着した時刻(タイマ35値)との差分を利用して、前記所要時間Tの適切な更新をER値読み出し部34にて行うことが可能である。ER値読み出し部34により抽出されたERsav値はレジスタ36内に読み出される。その際、読み出されたER値に関する情報はER値記憶部から消去する。
【0053】
そして、比較器37において、資源管理セル識別部11または12から転送されたER値と、レジスタ36内のERsav値との大小関係を比較し(S45)、ER値がERsav値を上回る値である場合には、該セル内のER値をERsav値に書き換えるよう、ER値書き換え指示部38に通知し(S46)、該指示部38はERsav値にER値を書き換えるよう、DIR=1である資源管理セルを受信した資源管理セル識別部11または12に指示する(S47)。本機能を搭載することにより、資源管理セル内のER値を増加させるように書き換えるというスイッチまたはセル受信部の不当な動作からER値を復旧することが可能となる。
【0054】
以下に、上記実施例の特徴を整理しておく。
本実施例では、まず、セルと呼ばれる固定長のデータパケットを通信する、端末またはスイッチからなりセルを送受信する第一の終端部及び第二の終端部が存在する。そして、前記第一の終端部、第二の終端部とを仮想的に接続し、第一の終端部から第二の終端部宛に転送されるセルが使用する第一の仮想コネクション、及び第二の終端部から第一の終端部宛に転送されるセルが使用する第二の仮想コネクションとが少なくとも設定されている。第一の終端部は第二の終端部宛にセルを送出する。資源管理セルは、該セルを転送する第一の仮想コネクションが保持する網資源を管理する目的で、ある定められた周期にて送信側となる第一の終端部から受信側となる第二の終端部宛に第一の仮想コネクションを用いて送出され、第二の終端部に到着すれば折り返し第一の終端部宛に第二の仮想コネクションを用いて送出され、第一の終端部にて再び受信される。この資源管理セルには、現在の送出方向がセル受信側宛かまたはセル送信側宛かが明記される領域(DIR)、さらにセル送信側から送出される際にはセル送信側における現在のセル転送速度値を保持する領域(CCR)、そして、前記資源管理セルが転送される第一の仮想コネクション、または第二の仮想コネクションが通過するスイッチ、またはセル受信側において、セル送信側に対して通知することを本来の目的として記入される、該スイッチまたはセル受信側が所望するセル転送速度値を保持する領域(ER)が用意されている。
【0055】
ここで、第一の仮想コネクションの任意の位置に設置されるセル転送速度規制部にて、第一の終端部から第一の仮想コネクションを用いて第二の終端部に対して送出されるセルの転送速度を監視し、該転送速度が所定の閾値を越える場合には、前記第一の仮想コネクションにおけるセルの転送を規制する。このとき、セル転送速度の規制の対象である第一の仮想コネクション上を第二の終端部宛に転送される、送出方向がセル受信側宛であると明記された資源管理セルを受信する度に、該資源管理セルのER領域内のセル転送速度値を読み出してこの値を保持(記憶)しておき、第二の終端部にて送出方向をセル送信部宛と書き換えられ、第二の仮想コネクション上を第一の終端部宛に折り返された前記資源管理セルを本規制部が受信した場合に、該資源管理セルのER領域内のセル転送速度値と、あらかじめ本規制部において記憶しておいた前記セル転送速度値との大小関係を比較し、到着した資源管理セルのER領域内のセル転送速度値があらかじめ記憶しておいた前記速度値よりも大きな場合は、受信した資源管理セルのER領域内の値をあらかじめ記憶しておいた前記速度値に置き換える。
【0056】
または、第二の仮想コネクション上の任意の位置に設置されるセル転送速度規制部にて、第二の終端部から第二の仮想コネクションを用いて第一の終端部に対して送出されるセルの転送速度を監視し、該転送速度が所定の閾値を越える場合には、前記第二の仮想コネクションにおけるセルの転送を規制する。このとき、セル転送速度の規制の対象ではない第一の仮想コネクション上を第二の終端部宛に転送される、送出方向がセル受信側宛であると明記された資源管理セルを受信する度に、該資源管理セルのER領域内のセル転送速度値を読み出してこの値を保持(記憶)しておき、第二の終端部にて送出方向をセル送信部宛と書き換えられ、セル転送速度の規制の対象である第二の仮想コネクション上を第一の終端部宛に折り返された前記資源管理セルを本規制部が受信した場合に、該資源管理セルのER領域内のセル転送速度値と、あらかじめ本規制部において記憶しておいた前記セル転送速度値との大小関係を比較し、到着した資源管理セルのER領域内のセル転送速度値があらかじめ記憶しておいた速度値よりも大きな場合は、受信した資源管理セルのER領域内の値をあらかじめ記憶しておいた速度値に置き換える。
【0057】
これらの場合に、前記セル転送速度規制部において、送出方向がセル受信部宛であると明記された資源管理セルを本規制部が送出してから、セル受信部である第二の終端部において送出方向をセル送信部宛であると書き換えられた後に折り返し本規制部に到着する迄の所要時間を見積もっておき、本規制部にて送出方向がセル送信部宛であると明記された資源管理セルを受信した場合、該資源管理セルのER領域内のセル転送速度値との大小関係を比較する転送速度値は、該資源管理セル受信時より少なくとも前記所要時間前に到着した、送出方向がセル受信部宛であると明記された資源管理セルより読み出して記憶しておいた転送速度値を用いる。
【0058】
そして、本実施例の他の特徴は、第二の仮想コネクションを用いて第二の終端部から第一の終端部宛に送出される資源管理セルに、前記第二の仮想コネクションが通過するスイッチにおいて、該スイッチが輻輳に陥ったか否かをセルを送信する第一の終端部に対して通知することを本来の目的として記入される輻輳表示情報部をCI領域に保持することである。この資源管理セルを前記セル転送速度規制部において受信した場合は、該資源管理セルのCI領域内の輻輳表示情報部を読み出し、該資源管理セルを第一の終端部宛に送出するとともに、該輻輳表示情報部の内容が輻輳の存在を示すものであれば、第二の終端部から送出される、該情報部に輻輳が存在しない旨の内容がCI領域に記された資源管理セルを次に前記セル転送速度規制部において受信するまでは、セル転送速度の閾値を現在の閾値よりも増加させずにセルの転送の規制を行う。
【0059】
このとき、第二の仮想コネクションを用いて第二の終端部から第一の終端部宛に送出される資源管理セルであって、CI領域内の輻輳表示情報部の内容が輻輳の存在を示すものである資源管理セルを前記セル転送速度規制部において受信した場合は、セル転送速度の閾値を現在の閾値よりもより低速な閾値に自律的に変更して、セルの転送の規制を行う。また、前記輻輳表示情報部の内容が輻輳の存在を示すものである資源管理セルを受信したために、セル転送速度の閾値をより低速な閾値に自律的に変更する場合は、変更後の閾値を、第一の終端部宛に送出される資源管理セルのER領域内に上書きすることにより、第一の終端部に対して変更後のセル転送速度の閾値の通知を行う。さらに、前記輻輳表示情報部の内容が輻輳の存在を示すものである資源管理セルを受信したために、セル転送速度の閾値をより低速な閾値に自律的に変更する場合は、変更後の閾値をER領域内に上書きした資源管理セルを前記セル転送速度規制部が第一の終端部宛に送出してから、該資源管理セルが第一の終端部に到達し、その後に第一の終端部より送出されたセルをセル転送速度規制部が受信するまでの所要時間をあらかじめ見積もっておき、前記所要時間を最低限遅延させてから変更後の閾値による規制を開始する。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、ATM通信網での輻輳状況をセル送信部に通知することを目的とした、スイッチまたはセル受信部により資源管理セル内に記入されるセル転送速度値が、一部のスイッチまたはセル受信部の誤動作により性能劣化方向に書き換えられた場合にでも、この誤動作を検出し、さらに修正することによって、セル送信部への正しい輻輳状況通知が可能となる。また、資源管理セル内の輻輳表示情報部をセル転送速度規制部により読み取り、該情報が輻輳発生を示している場合には該規制部の監視速度を増加させないことにより、セル送信部が誤って輻輳時にセル転送速度を増加させた場合にも、網へ流入されるセル流量を抑えることが可能となり、その結果、網のさらなる輻輳状態の悪化を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】資源管理セルのフォーマット例を示す図。
【図2】ABRサービスの概要を示す図。
【図3】本実施例のセル転送速度規制方法を採用したセル転送速度規制部の一構成例を示す図。
【図4】図3に示したセル転送速度規制部を適用した通信システムの一例を示す図。
【図5】図1に示した資源管理セル識別部11の動作手順を示す図。
【図6】図1に示した資源管理セル識別部12の動作手順を示す図。
【図7】図1に示した監視パラメータ演算部131の動作手順を示す図。
【図8】図1に示したER値点検部132の一構成例を示す図。
【図9】図1に示したER値点検部132の動作手順を示す図。
【図10】本実施例のセル転送速度規制方法を採用したER値監視装置の一構成例を示す図。
【図11】監視パラメータ演算方式の一実施例を示す図。
【図12】監視パラメータ演算方式の一実施例を示す図。
【符号の説明】
11…セル受信部宛資源管理セル識別部
12…セル送信部宛資源管理セル識別部
13…パラメータ演算部
131…監視パラメータ演算部
132…ER値演算部
14…違反判定部
15a、15b…仮想コネクション
21…セル送信部
22…セル受信部
23…スイッチ
24、25…仮想コネクション
26、27…セル転送速度規制部
31…DIR値識別部
32…ER値記憶部
33…ER値書き込み部
34…ER値読み出し部
35…タイマ
36…レジスタ
37…比較器
38…ER値書き換え指示部
41…メモリ
42…アドレス算出部
51…シフトレジスタ
【産業上の利用分野】
本発明は、ATM(非同期転送モード)通信網にて転送されるセルと呼ばれる固定長パケットの転送速度を監視し、必要に応じて規制するために用いられるセル転送速度規制方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ATM通信網を利用した従来の情報転送において、ユーザが情報転送を行う送信側端末と受信側端末間に仮想コネクションを設定する際には、ユーザからあらかじめセル転送に対する所望のサービス品質(ピーク速度、平均速度、等)を網に対して申告し、網側では申告を受けたサービス品質を他の網ユーザに悪影響を与えることなく提供できると判断した場合のみ前記のコネクション設定を許可し、前記サービス品質に相当する帯域を確保するという、コネクション受付制御を行う。またコネクション設定後のセル転送時にも、網は、前記端末がコネクション設定要求時に申告したサービス品質に従順したセル転送を行っているか否かを監視し、サービス品質に従わないセル転送があった場合には、該セルを違反セルと判定し、違反セルを廃棄する等のUPC/NPC(Usage/Network Parameter Control)を実施している。
【0003】
ところで、最近ATM Forumでは、ABR(Available Bit Rate)サービスと呼ばれる新たなサービスが提唱されている。ABRサービスでは、前述のサービスとは異なり、ユーザはコネクション設定時に申告したセル転送の最大速度(ピーク速度)と最小速度を申告するが、該ユーザはセル転送時に常に最大速度でのセル転送が可能であることが保証されない(最小速度でのセル転送は保証される)。言い替えれば、網は申告のあったコネクションに対して帯域を確保する必要がない。これにより、ABRサービスを運用する場合は前記のサービスに比べて同時に接続されるコネクション数が増大し、その結果、通信網内のスイッチにおける輻輳を起こしかねない。なお、本明細書において輻輳とは、あらかじめ定められた処理能力を越えた多数のセルが到着することにより、スイッチが所望のサービスを提供できなくなった状態を表すものとする。
【0004】
ATM網内のスイッチにおいて輻輳を最小限にとどめるために、ATM Forumでは、ABRサービスを実現するためのフロー制御アルゴリズムとして、EPRCA(Enhanced Proportional Rate Control Algorithm)を提唱しており(これについては、ATMForumの寄書94−0735R1を参考にされたい)、また、上記アルゴリズムに関連して、セル送信部、セル受信部、中間スイッチ部の動作規定がATM Forumにおいてなされている(これについては、ATM Forumの寄書95−0013を参考にされたい)。これによれば、ABRサービスに伴い実施されるフロー制御は、資源管理セル(Resource Managementセル:RMセル)に基づき動作する。
【0005】
図1に資源管理セルのフォーマット例を示す。これは、ATM ForumのTM(Traffic Management)ワーキンググループにおいて現在取り決められている、ABRサービスを提供する際に用いる資源管理セルのフォーマットに従っている。図1において、ATMヘッダ(5オクテット)は通常のセルと同様のヘッダであり、資源管理セルを示すために、ヘッダ内のPT(Payload Type)値を6に設定している。ID(1オクテット)はプロトコル識別子であり、セル送信部にて常に0に設定される。DIR(1ビット)は方向識別子で、セル送信部からセル受信部宛に送出された資源管理セルならば0が、セル受信部からセル送信部宛に折り返し送出された資源管理セルならば1が設定される。CI(1ビット)は輻輳表示部で、通常は0が設定されているが(輻輳未発生)、通信網内のスイッチ部にて輻輳が発生した場合には1が設定される。CCR(2オクテット)には、セル送信部における現在のセル送出速度がセル送信部により設定される。MCR(2オクテット)には、コネクション設定時に取り決められた最小セル送出速度がセル送信部により設定される。ER(2オクテット)には、資源管理セル送出時にはコネクション設定時に取り決められた最大セル速度がセル送信部により設定されるが、資源管理セルがスイッチ通過時、またはセル受信部での折り返し時に網内の輻輳状況に応じて、当初のER値よりも小さな値が上書きされる。
【0006】
図2に図1に示した資源管理セルを用いたABRサービスの概要を示す。ここで、21、22はセルの送受信を行う端末またはスイッチからなる終端部、23はスイッチ部、24、25は終端部21、22を結ぶ仮想コネクションである。なお、仮想コネクション24は終端部21から終端部22宛にセルを転送する際に用いるコネクションであり、仮想コネクション25は終端部22から終端部21宛にセルを転送する際に用いるコネクションである。以降では、終端部21をセル送信部、終端部22をセル受信部と考え、終端部21から終端部22に対してデータ転送を行う場合のABRサービスの概要について述べる。
【0007】
終端部21は、通常のデータセルを送出するとともに、ある定められた周期毎に現在のセル転送速度をCCR(Current Cell Rate)部に、最大セル速度をER(Explicit cell Rate)部に記入した資源管理セルを、データセルと同じ仮想コネクション24を用いて終端部22に対して送出する。終端部22において前記資源管理セルを受信すれば、受信した資源管理セルのDIR値を1に変更した後に仮想コネクション25を用いて終端部21に対して返送する。データセルを転送する仮想コネクション24が通過するスイッチ23が輻輳に陥っている場合、スイッチ23は自スイッチの輻輳レベルを示すために仮想コネクション24または25を転送される資源管理セル内のER値を減少することができ、さらに仮想コネクション25上を転送される資源管理セルに対しては輻輳表示(CI)部を設定することが許容される。また、輻輳に陥ったスイッチ23はER値を減少する代わりに、仮想コネクション24上を転送されるセル内のEFCI(Explicit Forward Congestion Indication)を設定して、該セルを受信する終端部22にて輻輳の存在を認識させ、終端部22において資源管理セル内のER値を減少するという方式も許容される。そして、終端部22を折り返された資源監視セルを受信した終端部21は、該資源管理セル内のCI部、ER部等を読み出し、これらの値を基にして以後のセル転送速度を変更する。
【0008】
これによって、ATM網内のスイッチの輻輳の度合により、終端部21から送出されるセル流量の制御を行うことができ、その結果、輻輳からの回復が図れるというアルゴリズムである。なお、終端部21、22間に存在するスイッチは1を越える数であってもよい。
【0009】
上記に示したフロー制御アルゴリズムを考えた場合、資源管理セル内のER値は、輻輳状況に応じて終端部22またはスイッチ23により減少されることは許されている。しかし、上記終端部またはスイッチが、故障等により誤って該資源管理セル内のER値を増加させてしまった場合は、ATM網内の輻輳状況を反映しない値がER値として記入されてしまい、その結果、誤って記入されたER値をベースに終端部21は以降のセル転送速度を決定するため、さらなる輻輳を起こしかねない。また、ATM網にて発生した輻輳に伴い、網内へ流入されるセル流量を制御するのはセルを送信する終端部21のみであるため、終端部21内のフロー制御アルゴリズム実行部に異常が見られた場合には網内へ流入されるセル流量を調整する手段がなくなり、ATM網内のスイッチは重度の輻輳に陥りかねないし、同じATM網を利用した他のコネクションのサービス品質が劣化する恐れがある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、従来より考えられているフロー制御アルゴリズムのみを適用した場合には、セル受信部またはスイッチの誤動作により、資源管理セル内の情報(ER値)が正しく更新されないこと、そしてセル送信部の誤動作により輻輳回復能力が低下することが問題となる。
【0011】
本発明は、上記の問題を解決し、セル受信部またはスイッチの誤動作による資源管理セル内の誤った情報更新を防ぎ、そしてセル送信部の誤動作の際にも、他のコネクションのサービス品質を劣化させることなくかつATM網を輻輳から回復させることが可能なセル転送速度規制方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の発明は、セル(固定長のデータパケット)を送受信する第1の終端部(終端部は、端末あるいはスイッチからなる)及び第2の終端部と、セルを転送するスイッチとを含み、第1の終端部からスイッチを介して第2の終端部へセルを転送するための第1の仮想コネクションと、第2の終端部からスイッチを介して第1の終端部へセルを転送するための第2の仮想コネクションとが設定されたATM通信網において、セルの転送速度を規制するための方法であって、前記第1の終端部から前記第2の終端部宛に、前記第1の仮想コネクションあるいは前記第2の仮想コネクションが通過するスイッチ、または前記第2の終端部が所望するセル転送速度値を記入するための領域(例えばER)を備えた資源管理セルを、前記第1の仮想コネクションを用いて送出し、前記第2の終端部から前記第1の終端部宛に、前記資源管理セルを折り返し前記第2の仮想コネクションを用いて送出し、前記第1の仮想コネクションを用いて転送される前記資源管理セルの前記領域に記入された第1のセル転送速度値を記憶しておき、前記第2の仮想コネクションを用いて転送される前記資源管理セルの前記領域に記入された第2のセル転送速度値を検出し、この第2のセル転送速度値が記憶された前記第1のセル転送速度値よりも大きい場合には、前記領域内の前記第2のセル転送速度値を前記第1のセル転送速度値に書き換えて前記資源管理セルを転送することを特徴とする。
【0013】
本発明の第2の発明は、上記と同様のATM通信網において、前記第1の終端部から前記第2の終端部宛に前記第1の仮想コネクションを用いて送出されるセルの転送速度を監視し、この転送速度が所定の閾値を越える場合に前記第1の仮想コネクションにおけるセルの転送を規制する方法であって、前記第1の終端部から前記第2の終端部宛に、前記第1の仮想コネクションあるいは前記第2の仮想コネクションが通過するスイッチ、または前記第2の終端部が所望するセル転送速度値を記入するための領域を備えた資源管理セルを、前記第1の仮想コネクションを用いて定期的に送出し、前記第2の終端部から前記第1の終端部宛に、前記資源管理セルを折り返し前記第2の仮想コネクションを用いて送出し、セルの転送速度の前記監視を行う際に、前記第1の仮想コネクションを用いて転送される前記資源管理セルの前記領域に記入された第1のセル転送速度値を記憶しておき、前記第2の仮想コネクションを用いて転送される前記資源管理セルの前記領域に記入された第2のセル転送速度値を検出し、この第2のセル転送速度値が記憶された前記第1のセル転送速度値よりも大きい場合には、前記領域内の前記第2のセル転送速度値を前記第1のセル転送速度値に書き換えて前記資源管理セルを転送することを特徴とする。
【0014】
このとき、セルの転送の前記規制に用いる所定の閾値を、前記第1の仮想コネクションを用いて転送される前記資源管理セルの前記領域に記入された第1のセル転送速度値に基づいて定めても良い。
【0015】
本発明の第3の発明は、上記と同様のATM通信網において、前記第2の終端部から前記第1の終端部宛に前記第2の仮想コネクションを用いて送出されるセルの転送速度を監視し、この転送速度が所定の閾値を越える場合に前記第2の仮想コネクションにおけるセルの転送を規制する方法であって、前記第1の終端部から前記第2の終端部宛に、前記第1の仮想コネクションあるいは前記第2の仮想コネクションが通過するスイッチ、または前記第2の終端部が所望するセル転送速度値を記入するための領域を備えた資源管理セルを、前記第1の仮想コネクションを用いて定期的に送出し、前記第2の終端部から前記第1の終端部宛に、前記資源管理セルを折り返し前記第2の仮想コネクションを用いて送出し、前記第1の仮想コネクションを用いて転送される前記資源管理セルの前記領域に記入された第1のセル転送速度値を記憶しておき、セルの転送速度の前記監視を行う際に、前記第2の仮想コネクションを用いて転送される前記資源管理セルの前記領域に記入された第2のセル転送速度値を検出し、この第2のセル転送速度値が記憶された前記第1のセル転送速度値よりも大きい場合には、前記領域内の前記第2のセル転送速度値を前記第1のセル転送速度値に書き換えて前記資源管理セルを転送することを特徴とする。
【0016】
本発明の第4の発明は、上記と同様のATM通信網において、前記第1の終端部から前記第2の終端部宛に前記第1の仮想コネクションを用いて送出されるセルの転送速度を監視し、この転送速度が所定の閾値を越える場合に前記第1の仮想コネクションにおけるセルの転送を規制する方法であって、前記第2の終端部から前記第1の終端部宛に、前記第2の仮想コネクションが通過するスイッチが輻輳に陥ったか否かを示す情報を記入するための領域(例えばCI)を備えた資源管理セルを送出し、前記資源管理セルの前記領域内の情報を検出し、この情報が輻輳の存在を示すものである場合は、輻輳の不存在を示す情報を有する資源管理セルが到着するまで前記閾値を現在の閾値よりも増加させることなく、セルの転送の前記規制を行うことを特徴とする。
【0017】
ここで、検出した前記情報が輻輳の存在を示すものである場合はに前記閾値を現在の閾値よりもより低速な閾値に自律的に変更し、セルの転送の前記規制を行っても良い。
【0018】
本発明の第5の発明は、第4の発明と同様のセル転送速度規制方法であって、前記第1の終端部から前記第2の終端部宛に、前記第1の仮想コネクションあるいは前記第2の仮想コネクションが通過するスイッチ、または前記第2の終端部が所望するセル転送速度値を記入するための第1の領域(例えばER)と、前記第2の仮想コネクションが通過するスイッチが輻輳に陥ったか否かを示す情報を記入するための第2の領域(例えばCI)とを備えた資源管理セルを、前記第1の仮想コネクションを用いて送出し、前記第2の終端部から前記第1の終端部宛に、前記資源管理セルを折り返し前記第2の仮想コネクションを用いて送出し、前記第1の仮想コネクションを用いて転送される前記資源管理セルの前記第1の領域に記入された第1のセル転送速度値を記憶しておき、前記第2の仮想コネクションを用いて転送される前記資源管理セルの前記第1の領域内の第2のセル転送速度値及び前記第2の領域内の情報を検出し、この第2のセル転送速度値が記憶された前記第1のセル転送速度値よりも大きい場合には、前記第1の領域内の前記第2のセル転送速度値を前記第1のセル転送速度値に書き換えて前記資源管理セルを転送するとともに、前記第1の仮想コネクションを用いて転送される前記資源管理セルの前記第1の領域に記入された第1のセル転送速度値に基づいて定めた閾値を用いてセルの転送の前記規制を行い、検出した前記情報が輻輳の存在を示すものである場合は、輻輳の不存在を示す情報を有する資源管理セルが到着するまで前記閾値を現在の閾値よりも増加させることなく、セルの転送の前記規制を行うことを特徴とする。
【0019】
ここで、検出した前記情報が輻輳の存在を示すものである場合は、前記閾値を現在の閾値よりもより低速な閾値に自律的に変更してセルの転送の前記規制を行うとともに、第1の終端部宛に転送される資源管理セルの第1の領域内の前記第2のセル転送速度値を前記第1のセル転送速度値にではなく前記変更後の閾値に書き換えてこの資源管理セルを転送しても良い。
【0020】
また、前記第1の領域内の前記第2のセル転送速度値を前記変更後の閾値に書き換えた資源管理セルの転送を行ってから、この資源管理セルが前記第1の終端部に到達した後にこの第1の終端部よりセルが転送されてくる迄の所要時間を見積もっておき、前記変更後の閾値を用いたセルの転送の前記規制の開始は、前記書き換えを行った資源管理セルの転送時から少なくとも前記所要時間経過後としても良い。
【0021】
なお、本発明(第1〜第3、及び第5の発明)は、第1または第2の仮想コネクションを用いて転送される資源管理セル内のセル転送速度値を記憶する手段、第2または第1の仮想コネクションを用いて転送される資源管理セル内のセル転送速度値を検出する手段、この記憶されたセル転送速度値と検出されたそれとの比較を行う手段、この比較結果により前記資源管理セル内のセル転送速度値を書き換える手段、及びこの資源管理セルを転送する手段を備えたセル転送速度値監視装置としても把握される。
【0022】
また、本発明(第4及び第5の発明)は、第1の仮想コネクションを用いて送出されるセルの転送速度を監視する手段、この監視結果に基づいて前記セルの転送を規制する手段、第2の仮想コネクションを用いて転送される資源管理セル内の輻輳に陥ったか否かを示す情報を検出する手段、及びこの情報が輻輳の存在を示すものである場合は前記規制手段で用いる監視パラメータを現在よりも増加させないよう前記規制手段を制御する手段を備えたセル転送速度規制装置としても把握される。
【0023】
【作用】
本発明(第1〜第3、及び第5の発明)によるセル転送速度規制方法では、資源管理セルの(第1の)領域に記入されるセル転送速度の監視、変更が可能となる。本来、資源管理セルの前記領域内のセル転送速度は、スイッチまたはセル受信部(第2の終端部)において、あらかじめ記入されている値よりも大きな値を上書きされてはならないものである。本発明によれば、誤動作等により当初より大きな値が上書きされていないかを監視するため、例えばセル受信部宛に転送される資源管理セルがセル転送速度規制部(仮想コネクションを用いて転送されるセルの転送速度を監視し、この転送速度が所定の閾値を越える場合にセルの転送を規制する機能を有する部分)を通過する度に、資源管理セルの前記領域内のセル転送速度を記憶しておき、この値とセル受信部を折り返されセル送信部(第1の終端部)宛に転送された資源管理セルの前記領域内のセル転送速度値との大小関係を比較し、後者の値が前者の値を上回っていれば、受信した資源管理セル内の前記領域内に、セル転送速度規制部にて記憶しているセル転送速度を上書きする。これにより、網内の輻輳状況が反映される前記領域内のセル転送速度値の、スイッチまたはセル受信部による誤った記入からの救済が可能となる。
【0024】
なお、第1の仮想コネクションを用いて転送される資源管理セルに記入されたセル転送速度値の記憶、及び、この記憶された値と第2の仮想コネクションを用いて転送される資源管理セルに記入されたセル転送速度値との比較及び上書きを行う機能は、第1の仮想コネクションの監視を行うセル転送速度規制部に搭載しても良い(第2の発明)し、第2の仮想コネクションの監視を行うセル転送速度規制部に搭載しても良い(第3の発明)し、セル転送速度規制部以外の部分に搭載しても良いし、従来システムに存在する部分とは別個の装置として設けても良い。
【0025】
また、資源管理セルが上記セル転送速度規制部より送出されてからセル受信部を折り返され再び該規制部に到着する迄の所要時間をあらかじめ見積もっておくことにより、前もって受信したセル受信部宛に転送される資源管理セルが、折り返されて再びセル転送速度規制部に到着する時刻を予測でき、対応する資源管理セルの前記領域内のセル転送速度値の比較が可能となる。
【0026】
また、本発明(第4及び第5の発明)によれば、上記セル転送速度規制部において、セル送信部宛に転送される資源管理セルより輻輳表示情報部((第2の)領域)を読み取り、該情報部が輻輳の存在を示す場合は、後に輻輳が存在しないことを示す資源管理セルを受信するまでは監視パラメータを増加させないことにより、輻輳に陥ったスイッチへのセル流量の増加を確実に防止することが可能となる。
【0027】
なお、このセル転送速度規制部において自律的に監視パラメータの減少を行うことにより、輻輳からのより高速な回復を図ることも可能となる。このとき、仮想コネクションが通過するスイッチまたはセル受信部が所望するセル転送速度値を記入するための(第1の)領域に、減少させた監視パラメータを記入すれば、セル送信部は網側が所望するセル転送速度値を知ることができ、網内の輻輳状況に適合したセルの送信を自発的に行うことができる。
【0028】
また、資源管理セルが上記セル転送速度規制部より送出されてからセル送信部に到達した後のセルが該規制部に到着する迄の所要時間をあらかじめ見積もっておくことにより、セル送信部が監視パラメータが減少したことを知ってから送信したセルについて、減少した監視パラメータでの規制を行うことが可能となる。
【0029】
【実施例】
以下、図面を参照しながら本発明の一実施例を説明する。
図3に本発明のセル転送速度規制方法を採用したセル転送速度規制部の一構成例を、図4に、図3にて示したセル転送速度規制部を適用した通信システムの一構成例を示す。なお、図3のようにER値を点検する機能(132:ER値点検部)をセル転送速度規制部内に搭載しない場合は、図10に示すようにER値点検部のみを前記規制部の代わりに設定する。
【0030】
図3において、11、12は到着したセルが資源管理セルであるか通常のデータセルであるかを識別し、資源管理セルであると識別した場合には、該セル内の情報を読み出し、必要に応じて該セル内の情報を更新する資源管理セル識別部、13は11または12にて読み出した資源管理セル内の情報を基に監視パラメータの変更、そしてER値の点検を行い、その結果前記資源管理セル内の情報を更新する必要がある場合にはその値を11または12に対して通知するパラメータ演算部、14は到着したセルが13にて算出された監視パラメータに違反しているか否かを判定し、監視パラメータに違反していると判定したときには、該セルに対して廃棄等の規制を施すセル違反判定部、そして15aはセル転送速度の監視対象となる仮想コネクション、15bは仮想コネクション15aに対して資源管理セルがセル送信部宛に折り返される際に用いられる仮想コネクションである。
【0031】
パラメータ演算部13において、131は監視パラメータを更新し、また監視パラメータ値を基にして資源管理セル内のCCR値あるいはER値を書き換える監視パラメータ演算部、132は資源管理セル内のER値を読み取り、該値が妥当な値でなければER値を書き換えるER値点検部である。
【0032】
なお、セル転送速度規制部では、自規制部が監視すべきセル流の転送される仮想コネクションと、該仮想コネクション上を転送されるセル流に対してセル送信部宛に折り返し送出される資源管理セルが転送される仮想コネクションを共に認識しており、各々仮想コネクション15a、15bとする。また、セル違反判定部14はセル送出先の要望などにより動作の有無が決定される。
【0033】
図4における26、27が、図3にて示したセル転送速度規制部を表し、他の各部は図2に示したものと同一である。本図において、セル転送速度規制部26は仮想コネクション24上を転送されるセル流の転送速度規制を行い、セル転送速度規制部27は仮想コネクション25上を転送されるセル流の転送速度規制を行う目的で設置される。すなわち、セル転送速度規制部26は、仮想コネクション24を図3の15aとして、仮想コネクション25を図3の15bとして扱うものであり、セル転送速度規制部27は、仮想コネクション25を図3の15aとして、仮想コネクション24を図3の15bとして扱うものである。
【0034】
図5に、図3に示した資源管理セル識別部11の、図6に資源管理セル識別部12の動作アルゴリズムをフローチャートにて示す。図5または図6に示すように、資源管理セル識別部11、12では、それぞれ仮想コネクション15a、15bから到着したセルのATMヘッダ内のPT値を調べる(S1,S11)。該PT値が6であれば、該セルを資源管理セルと識別し、ペイロード内の各値を抽出する(S2,S12)。
【0035】
監視パラメータ演算部131を動作させる為に、資源管理セル識別部11においては、受信した資源管理セルのDIR値が0である場合(S3Yes )は、CCR、MCR値を監視パラメータ演算部131へ転送し(S4)、資源管理セル識別部12においては、受信した資源管理セルのDIR値が1である場合(S13No)は、CI、ER、MCR値を監視パラメータ演算部131へ転送する(S15)。
【0036】
そして、以下に述べる監視パラメータ演算部131での処理の後、必要に応じて、資源管理セル識別部11では資源管理セル内のCCR値(S6)、資源管理セル識別部12では資源管理セル内のER値(S17)を更新し、後に資源管理セルを資源管理セル識別部11は仮想コネクション15a上に、資源管理セル識別部12は仮想コネクション15b上にそれぞれ送出する。
【0037】
また、ER値点検部132を動作させる為に、資源管理セル識別部11、12共に、資源管理セルを受信すればDIR、ER値をER値点検部132へ転送し(S4,S7,S14,S15)、そしてDIR値が1である場合のみ、必要に応じてER値点検部132から転送されるER値を更新し(S9,S17)、後に資源管理セルを送出する。
【0038】
但し、資源管理セル識別部11、12に到着したセルが資源管理セルでない場合、または該識別部にて抽出すべき資源管理セルでない場合は、即座にセルを仮想コネクション15a上、または仮想コネクション15b上に送出する。
【0039】
図7に、監視パラメータ値MRを算出する、監視パラメータ演算部131の動作手順をフローチャートにて示す。まずATM通信網内のスイッチにおける輻輳の有無を認識するために、資源管理セル識別部12にて受信されたDIR値が1である資源管理セル(S21)内のCI値を該演算部内の輻輳表示値CIinに代入する(S22)。このとき、CIin=1であれば、該セルが通過したいずれかのスイッチにおいて輻輳が発生していることを意味する。
【0040】
前記識別部12にて受信された資源管理セルのDIR値が1であれば、該セルがセル受信部からセル送信部に対して折り返し送出された資源管理セルであることが分かるので、該セル内のER値を読み出し、該演算部内の明示セル速度保持部ERinを更新する(S25,S26)。その際、CIin=0であれば、ERinにER値を代入する。また、CIin=1であれば、セル転送速度規制部とセル受信部との間にて輻輳が発生していることを示すので、現在の監視パラメータ値MRを越えないように新たなMR値を設定し、それにより輻輳部へのさらなるセル流量の増加を防ぐ。具体的には、(MR−α)とERとの最小値をERinに代入する(S24)。ここでαは、セル転送速度規制部において自律的に監視パラメータを減少する機能が用意されている場合の減少値を表す。この(MR−α)を求めるためには、例えば、以下のいずれかの方式を用いる。
【0041】
1)セル転送速度規制部での監視可能な速度を(速度の大小関係に従い)全てメモリ41に該メモリ内のアドレスと対応させて書き込んでおき、監視速度を変更させる場合は、アドレス算出部42にて保持するメモリ41内の参照アドレス値を変更し、該アドレス値が示す速度を新たな監視速度とする(図11)。
【0042】
2)監視速度を演算する監視速度演算部を用意し、演算部51内の演算結果を新たな監視速度とする。例えば、輻輳であると判断する度に現在の速度値から定数αを引いた値を新たな監視速度値にする。
【0043】
3)シフトレジスタ51を用意し、レジスタ51内の値をシフトすることにより新たな監視速度を得る(図12)。
なお、セル転送速度規制部において自律的に監視パラメータを減少する機能が用意されていない場合には、α=0とする。ところで、CIinの値に関わらず、セル送信部においては最小セル転送速度MCRでのセル転送が許容されているので、上記に述べた計算の結果得られたERin値がMCR値よりも小さい場合は、ERinにMCRを代入する。
【0044】
上記のように求められたERin値は、現在資源管理セル識別部12にて受信されているDIR=1の資源管理セルにER値として書き込み、該セルをセル送信部宛に送出する(S27)。それと同時に監視パラメータ演算部131にてあらかじめ定められた時間間隔を計数するタイマをスタートさせ、前記時間間隔が経過してから(S28)MRにERin値を代入し、以後に用いる監視パラメータとしてERin値を採用する(S29)。
【0045】
なお、前記時間間隔としては、該セル転送速度規制部を送出された資源管理セルがセル送信部に到着し、セル送信部にて該資源管理セルを基にセル転送速度が変更された後に送出されるセルが該規制部に到着するまでに要する時間を上回るように設定することが望ましい。言い替えると、
監視パラメータ変更迄の待ち時間=
2×(セル送信部とセル転送速度規制部との間の伝播遅延)
+(セル転送速度変更に要するセル送信部内の処理時間)
のようにまとめられる。
【0046】
次に、資源管理セル識別部11にて受信された資源管理セルのDIR値が0である場合(S31)は、該セルはセル送信部からセル受信部宛に送出された資源管理セルであることが分かるので、該セル内のCCR値と現在のMR値との大小関係を調べる(S32)。ここで、CCR>MRの関係が成り立てば、セル送信部は資源管理セルで通知されたER値を越えた値にてセル転送を行っていることが分かるので、資源管理セルのCCR値としてMRを代入し(S34)、必要に応じてセル送信部に対してセル転送速度が違反している旨を通知する(S34)。
【0047】
なお、監視対象となるコネクションにおいてはMCRでのセル転送が保証されているため、MR値がMCRよりも小さな値となれば、MCRをMR値として設定する(S35)。
【0048】
上記で示したように監視パラメータ値算出部13において算出された監視パラメータMRは、違反判定部14に送出される。違反判定部14には、あらかじめ規定されたセル転送速度監視手順が組み込まれており、該手順にMRを設定することにより、違反判定部14に到着するセルが違反セルであるか否かを決定する。なお、違反判定部14に組み込むセル転送速度監視手順としては、例えばGCRA(Generic Cell Rate Algorithm)がある(詳しくは、ATM UNI Specification ver3.0を参照されたい)。
【0049】
図8に、ER値点検部132の一構成例を、図9に、ER値点検部132の動作手順をフローチャートにて示す。図8において、31は資源管理セル識別部11あるいは12において受信した資源管理セルのDIR値を識別するDIR値識別部、32は受信したDIR=0である資源管理セルの属するコネクション(VCI値)、該セルの到着時刻、該セル内のER値を記憶するER値記憶部、33はDIR値識別部31にてDIR=0であると識別された資源管理セルのVCI値、到着時刻、ER値をER値記憶部32へ書き込むER値書き込み部、34はDIR値識別部31にてDIR=1であると識別された資源管理セルが、過去にDIR=0としてセル転送速度規制部に到着した際に保持していたER値をER値記憶部32より検索し読み出すER値読み出し部、35はER値点検部内の時刻を計数するタイマ、36はER値読み出し部34より検索されたER値を保持するレジスタ、37はDIR値識別部31にてDIR=1であると識別された資源管理セル内のER値と、レジスタ36に保持されているER値(ERsav)との大小関係を調べ、ER>ERsavという関係が成り立つか否かを判定する比較器、そして38は比較器37にてER>ERsavと判定された場合にのみ、資源管理セル識別部11あるいは12に対してER値の書き換えを指示するER値書き換え指示部である。
【0050】
図8、図9に従って、ER値点検部132の動作を説明する。資源管理セル識別部11または12に資源管理セルが到着すれば(S41)、DIR値識別部31にて、該セルのDIR値を識別する(S42)。該セルのDIR値が0であれば、ER値書き込み部33に、該セルのVCI値、タイマ35にて計数される現時刻、そして該セルのER値を、ER値記憶部32内の空き領域に記入する(S43)。以降では、この値をERsavと呼ぶ。
【0051】
また、DIR値識別部31にて、到着した資源管理セルのDIR値が1であると識別された場合は、該セルが過去にDIR=0として到着した際のER値(ERsav)値を、ER値読み出し部34を用いて、ER値記憶部32から読み出す(S44)。この時、ER値読み出し部34では、DIR=0である資源管理セルがセル転送速度規制部から送出されてから、セル受信部を折り返され、DIR=1として該規制部が再び受信するまでに要する時間Tをあらかじめ保持しておくことにより、DIR=1のセルが到着した時刻(タイマ35より通知)からT時間以上前の到着時刻を持つER値記憶部32内の情報が、過去にDIR=0として該セルがセル転送速度規制部に到着した際に保持していた情報であると認識できる。
【0052】
この時、ER値読み出し部34においてVCI値に対する対応表(例:仮想コネクション25上を転送されるDIR=1の資源管理セルは、仮想コネクション24上を転送されたDIR=0の資源管理セルが折り返されたものである、という情報)を保持することにより、候補となるER値の情報を絞り込むことができる。また、資源管理セルがDIR=0としてセル転送速度規制部に到着した時刻(ER値記憶部内の到着時刻情報)と該セルがDIR=1として該規制部に到着した時刻(タイマ35値)との差分を利用して、前記所要時間Tの適切な更新をER値読み出し部34にて行うことが可能である。ER値読み出し部34により抽出されたERsav値はレジスタ36内に読み出される。その際、読み出されたER値に関する情報はER値記憶部から消去する。
【0053】
そして、比較器37において、資源管理セル識別部11または12から転送されたER値と、レジスタ36内のERsav値との大小関係を比較し(S45)、ER値がERsav値を上回る値である場合には、該セル内のER値をERsav値に書き換えるよう、ER値書き換え指示部38に通知し(S46)、該指示部38はERsav値にER値を書き換えるよう、DIR=1である資源管理セルを受信した資源管理セル識別部11または12に指示する(S47)。本機能を搭載することにより、資源管理セル内のER値を増加させるように書き換えるというスイッチまたはセル受信部の不当な動作からER値を復旧することが可能となる。
【0054】
以下に、上記実施例の特徴を整理しておく。
本実施例では、まず、セルと呼ばれる固定長のデータパケットを通信する、端末またはスイッチからなりセルを送受信する第一の終端部及び第二の終端部が存在する。そして、前記第一の終端部、第二の終端部とを仮想的に接続し、第一の終端部から第二の終端部宛に転送されるセルが使用する第一の仮想コネクション、及び第二の終端部から第一の終端部宛に転送されるセルが使用する第二の仮想コネクションとが少なくとも設定されている。第一の終端部は第二の終端部宛にセルを送出する。資源管理セルは、該セルを転送する第一の仮想コネクションが保持する網資源を管理する目的で、ある定められた周期にて送信側となる第一の終端部から受信側となる第二の終端部宛に第一の仮想コネクションを用いて送出され、第二の終端部に到着すれば折り返し第一の終端部宛に第二の仮想コネクションを用いて送出され、第一の終端部にて再び受信される。この資源管理セルには、現在の送出方向がセル受信側宛かまたはセル送信側宛かが明記される領域(DIR)、さらにセル送信側から送出される際にはセル送信側における現在のセル転送速度値を保持する領域(CCR)、そして、前記資源管理セルが転送される第一の仮想コネクション、または第二の仮想コネクションが通過するスイッチ、またはセル受信側において、セル送信側に対して通知することを本来の目的として記入される、該スイッチまたはセル受信側が所望するセル転送速度値を保持する領域(ER)が用意されている。
【0055】
ここで、第一の仮想コネクションの任意の位置に設置されるセル転送速度規制部にて、第一の終端部から第一の仮想コネクションを用いて第二の終端部に対して送出されるセルの転送速度を監視し、該転送速度が所定の閾値を越える場合には、前記第一の仮想コネクションにおけるセルの転送を規制する。このとき、セル転送速度の規制の対象である第一の仮想コネクション上を第二の終端部宛に転送される、送出方向がセル受信側宛であると明記された資源管理セルを受信する度に、該資源管理セルのER領域内のセル転送速度値を読み出してこの値を保持(記憶)しておき、第二の終端部にて送出方向をセル送信部宛と書き換えられ、第二の仮想コネクション上を第一の終端部宛に折り返された前記資源管理セルを本規制部が受信した場合に、該資源管理セルのER領域内のセル転送速度値と、あらかじめ本規制部において記憶しておいた前記セル転送速度値との大小関係を比較し、到着した資源管理セルのER領域内のセル転送速度値があらかじめ記憶しておいた前記速度値よりも大きな場合は、受信した資源管理セルのER領域内の値をあらかじめ記憶しておいた前記速度値に置き換える。
【0056】
または、第二の仮想コネクション上の任意の位置に設置されるセル転送速度規制部にて、第二の終端部から第二の仮想コネクションを用いて第一の終端部に対して送出されるセルの転送速度を監視し、該転送速度が所定の閾値を越える場合には、前記第二の仮想コネクションにおけるセルの転送を規制する。このとき、セル転送速度の規制の対象ではない第一の仮想コネクション上を第二の終端部宛に転送される、送出方向がセル受信側宛であると明記された資源管理セルを受信する度に、該資源管理セルのER領域内のセル転送速度値を読み出してこの値を保持(記憶)しておき、第二の終端部にて送出方向をセル送信部宛と書き換えられ、セル転送速度の規制の対象である第二の仮想コネクション上を第一の終端部宛に折り返された前記資源管理セルを本規制部が受信した場合に、該資源管理セルのER領域内のセル転送速度値と、あらかじめ本規制部において記憶しておいた前記セル転送速度値との大小関係を比較し、到着した資源管理セルのER領域内のセル転送速度値があらかじめ記憶しておいた速度値よりも大きな場合は、受信した資源管理セルのER領域内の値をあらかじめ記憶しておいた速度値に置き換える。
【0057】
これらの場合に、前記セル転送速度規制部において、送出方向がセル受信部宛であると明記された資源管理セルを本規制部が送出してから、セル受信部である第二の終端部において送出方向をセル送信部宛であると書き換えられた後に折り返し本規制部に到着する迄の所要時間を見積もっておき、本規制部にて送出方向がセル送信部宛であると明記された資源管理セルを受信した場合、該資源管理セルのER領域内のセル転送速度値との大小関係を比較する転送速度値は、該資源管理セル受信時より少なくとも前記所要時間前に到着した、送出方向がセル受信部宛であると明記された資源管理セルより読み出して記憶しておいた転送速度値を用いる。
【0058】
そして、本実施例の他の特徴は、第二の仮想コネクションを用いて第二の終端部から第一の終端部宛に送出される資源管理セルに、前記第二の仮想コネクションが通過するスイッチにおいて、該スイッチが輻輳に陥ったか否かをセルを送信する第一の終端部に対して通知することを本来の目的として記入される輻輳表示情報部をCI領域に保持することである。この資源管理セルを前記セル転送速度規制部において受信した場合は、該資源管理セルのCI領域内の輻輳表示情報部を読み出し、該資源管理セルを第一の終端部宛に送出するとともに、該輻輳表示情報部の内容が輻輳の存在を示すものであれば、第二の終端部から送出される、該情報部に輻輳が存在しない旨の内容がCI領域に記された資源管理セルを次に前記セル転送速度規制部において受信するまでは、セル転送速度の閾値を現在の閾値よりも増加させずにセルの転送の規制を行う。
【0059】
このとき、第二の仮想コネクションを用いて第二の終端部から第一の終端部宛に送出される資源管理セルであって、CI領域内の輻輳表示情報部の内容が輻輳の存在を示すものである資源管理セルを前記セル転送速度規制部において受信した場合は、セル転送速度の閾値を現在の閾値よりもより低速な閾値に自律的に変更して、セルの転送の規制を行う。また、前記輻輳表示情報部の内容が輻輳の存在を示すものである資源管理セルを受信したために、セル転送速度の閾値をより低速な閾値に自律的に変更する場合は、変更後の閾値を、第一の終端部宛に送出される資源管理セルのER領域内に上書きすることにより、第一の終端部に対して変更後のセル転送速度の閾値の通知を行う。さらに、前記輻輳表示情報部の内容が輻輳の存在を示すものである資源管理セルを受信したために、セル転送速度の閾値をより低速な閾値に自律的に変更する場合は、変更後の閾値をER領域内に上書きした資源管理セルを前記セル転送速度規制部が第一の終端部宛に送出してから、該資源管理セルが第一の終端部に到達し、その後に第一の終端部より送出されたセルをセル転送速度規制部が受信するまでの所要時間をあらかじめ見積もっておき、前記所要時間を最低限遅延させてから変更後の閾値による規制を開始する。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、ATM通信網での輻輳状況をセル送信部に通知することを目的とした、スイッチまたはセル受信部により資源管理セル内に記入されるセル転送速度値が、一部のスイッチまたはセル受信部の誤動作により性能劣化方向に書き換えられた場合にでも、この誤動作を検出し、さらに修正することによって、セル送信部への正しい輻輳状況通知が可能となる。また、資源管理セル内の輻輳表示情報部をセル転送速度規制部により読み取り、該情報が輻輳発生を示している場合には該規制部の監視速度を増加させないことにより、セル送信部が誤って輻輳時にセル転送速度を増加させた場合にも、網へ流入されるセル流量を抑えることが可能となり、その結果、網のさらなる輻輳状態の悪化を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】資源管理セルのフォーマット例を示す図。
【図2】ABRサービスの概要を示す図。
【図3】本実施例のセル転送速度規制方法を採用したセル転送速度規制部の一構成例を示す図。
【図4】図3に示したセル転送速度規制部を適用した通信システムの一例を示す図。
【図5】図1に示した資源管理セル識別部11の動作手順を示す図。
【図6】図1に示した資源管理セル識別部12の動作手順を示す図。
【図7】図1に示した監視パラメータ演算部131の動作手順を示す図。
【図8】図1に示したER値点検部132の一構成例を示す図。
【図9】図1に示したER値点検部132の動作手順を示す図。
【図10】本実施例のセル転送速度規制方法を採用したER値監視装置の一構成例を示す図。
【図11】監視パラメータ演算方式の一実施例を示す図。
【図12】監視パラメータ演算方式の一実施例を示す図。
【符号の説明】
11…セル受信部宛資源管理セル識別部
12…セル送信部宛資源管理セル識別部
13…パラメータ演算部
131…監視パラメータ演算部
132…ER値演算部
14…違反判定部
15a、15b…仮想コネクション
21…セル送信部
22…セル受信部
23…スイッチ
24、25…仮想コネクション
26、27…セル転送速度規制部
31…DIR値識別部
32…ER値記憶部
33…ER値書き込み部
34…ER値読み出し部
35…タイマ
36…レジスタ
37…比較器
38…ER値書き換え指示部
41…メモリ
42…アドレス算出部
51…シフトレジスタ
Claims (10)
- セルを送受信する第1の終端部及び第2の終端部と、セルを転送するスイッチとを含み、第1の終端部からスイッチを介して第2の終端部へセルを転送するための第1の仮想コネクションと、第2の終端部からスイッチを介して第1の終端部へセルを転送するための第2の仮想コネクションとが設定されたATM通信網において、セルの転送速度を規制するための方法であって、
前記第1の終端部から前記第2の終端部宛に、前記第1の仮想コネクションあるいは前記第2の仮想コネクションが通過するスイッチ、または前記第2の終端部が所望するセル転送速度値を記入するための領域を備えた資源管理セルを、前記第1の仮想コネクションを用いて送出し、
前記第2の終端部から前記第1の終端部宛に、前記資源管理セルを折り返し前記第2の仮想コネクションを用いて送出し、
前記第1の仮想コネクションを用いて転送される前記資源管理セルの前記領域に記入された第1のセル転送速度値を記憶しておき、
前記第2の仮想コネクションを用いて転送される前記資源管理セルの前記領域に記入された第2のセル転送速度値を検出し、
この第2のセル転送速度値が記憶された前記第1のセル転送速度値よりも大きい場合には、前記領域内の前記第2のセル転送速度値を前記第1のセル転送速度値に書き換えて前記資源管理セルを転送することを特徴とするセル転送速度規制方法。 - セルを送受信する第1の終端部及び第2の終端部と、セルを転送するスイッチとを含み、第1の終端部からスイッチを介して第2の終端部へセルを転送するための第1の仮想コネクションと、第2の終端部からスイッチを介して第1の終端部へセルを転送するための第2の仮想コネクションとが設定されたATM通信網において、前記第1の終端部から前記第2の終端部宛に前記第1の仮想コネクションを用いて送出されるセルの転送速度を監視し、この転送速度が所定の閾値を越える場合に前記第1の仮想コネクションにおけるセルの転送を規制する方法であって、
前記第1の終端部から前記第2の終端部宛に、前記第1の仮想コネクションあるいは前記第2の仮想コネクションが通過するスイッチ、または前記第2の終端部が所望するセル転送速度値を記入するための領域を備えた資源管理セルを、前記第1の仮想コネクションを用いて定期的に送出し、
前記第2の終端部から前記第1の終端部宛に、前記資源管理セルを折り返し前記第2の仮想コネクションを用いて送出し、
セルの転送速度の前記監視を行う際に、前記第1の仮想コネクションを用いて転送される前記資源管理セルの前記領域に記入された第1のセル転送速度値を記憶しておき、
前記第2の仮想コネクションを用いて転送される前記資源管理セルの前記領域に記入された第2のセル転送速度値を検出し、
この第2のセル転送速度値が記憶された前記第1のセル転送速度値よりも大きい場合には、前記領域内の前記第2のセル転送速度値を前記第1のセル転送速度値に書き換えて前記資源管理セルを転送することを特徴とするセル転送速度規制方法。 - セルの転送の前記規制に用いる所定の閾値を、前記第1の仮想コネクションを用いて転送される前記資源管理セルの前記領域に記入された第1のセル転送速度値に基づいて定めることを特徴とする請求項2記載のセル転送速度規制方法。
- セルを送受信する第1の終端部及び第2の終端部と、セルを転送するスイッチとを含み、第1の終端部からスイッチを介して第2の終端部へセルを転送するための第1の仮想コネクションと、第2の終端部からスイッチを介して第1の終端部へセルを転送するための第2の仮想コネクションとが設定されたATM通信網において、前記第2の終端部から前記第1の終端部宛に前記第2の仮想コネクションを用いて送出されるセルの転送速度を監視し、この転送速度が所定の閾値を越える場合に前記第2の仮想コネクションにおけるセルの転送を規制する方法であって、
前記第1の終端部から前記第2の終端部宛に、前記第1の仮想コネクションあるいは前記第2の仮想コネクションが通過するスイッチ、または前記第2の終端部が所望するセル転送速度値を記入するための領域を備えた資源管理セルを、前記第1の仮想コネクションを用いて定期的に送出し、
前記第2の終端部から前記第1の終端部宛に、前記資源管理セルを折り返し前記第2の仮想コネクションを用いて送出し、
前記第1の仮想コネクションを用いて転送される前記資源管理セルの前記領域に記入された第1のセル転送速度値を記憶しておき、
セルの転送速度の前記監視を行う際に、前記第2の仮想コネクションを用いて転送される前記資源管理セルの前記領域に記入された第2のセル転送速度値を検出し、
この第2のセル転送速度値が記憶された前記第1のセル転送速度値よりも大きい場合には、前記領域内の前記第2のセル転送速度値を前記第1のセル転送速度値に書き換えて前記資源管理セルを転送することを特徴とするセル転送速度規制方法。 - 前記資源管理セルの前記領域に記入された第1のセル転送速度値の記憶を行ってから、この資源管理セルが折り返し前記第2の仮想コネクションを用いて転送されてくる迄の所要時間を見積もっておき、
前記第2のセル転送速度値を前記第1のセル転送速度値に書き換えるか否かの比較の対象となる前記第1のセル転送速度値として、前記検出の対象となる前記第2のセル転送速度値が記入された前記資源管理セルの到着時より少なくとも前記所要時間前に到着した資源管理セルについて記憶した前記第1の転送速度値を用いることを特徴とする請求項1乃至4記載のセル転送速度規制方法。 - セルを送受信する第1の終端部及び第2の終端部と、セルを転送するスイッチとを含み、第1の終端部からスイッチを介して第2の終端部へセルを転送するための第1の仮想コネクションと、第2の終端部からスイッチを介して第1の終端部へセルを転送するための第2の仮想コネクションとが設定されたATM通信網において、前記第1の終端部から前記第2の終端部宛に前記第1の仮想コネクションを用いて送出されるセルの転送速度を監視し、この転送速度が所定の閾値を越える場合に前記第1の仮想コネクションにおけるセルの転送を規制する方法であって、
前記第2の終端部から前記第1の終端部宛に、前記第2の仮想コネクションが通過するスイッチが輻輳に陥ったか否かを示す情報を記入するための領域を備えた資源管理セルを送出し、
前記資源管理セルの前記領域内の情報を検出し、
この情報が輻輳の存在を示すものである場合は、輻輳の不存在を示す情報を有する資源管理セルが到着するまで前記閾値を現在の閾値よりも増加させることなく、セルの転送の前記規制を行うことを特徴とするセル転送速度規制方法。 - 検出した前記情報が輻輳の存在を示すものである場合は、前記閾値を現在の閾値よりもより低速な閾値に自律的に変更し、セルの転送の前記規制を行うことを特徴とする請求項6に記載のセル転送速度規制方法。
- セルを送受信する第1の終端部及び第2の終端部と、セルを転送するスイッチとを含み、第1の終端部からスイッチを介して第2の終端部へセルを転送するための第1の仮想コネクションと、第2の終端部からスイッチを介して第1の終端部へセルを転送するための第2の仮想コネクションとが設定されたATM通信網において、前記第1の終端部から前記第2の終端部宛に前記第1の仮想コネクションを用いて送出されるセルの転送速度を監視し、この転送速度が所定の閾値を越える場合に前記第1の仮想コネクションにおけるセルの転送を規制する方法であって、
前記第1の終端部から前記第2の終端部宛に、前記第1の仮想コネクションあるいは前記第2の仮想コネクションが通過するスイッチ、または前記第2の終端部が所望するセル転送速度値を記入するための第1の領域と、前記第2の仮想コネクションが通過するスイッチが輻輳に陥ったか否かを示す情報を記入するための第2の領域とを備えた資源管理セルを、前記第1の仮想コネクションを用いて送出し、
前記第2の終端部から前記第1の終端部宛に、前記資源管理セルを折り返し前記第2の仮想コネクションを用いて送出し、
前記第1の仮想コネクションを用いて転送される前記資源管理セルの前記第1の領域に記入された第1のセル転送速度値を記憶しておき、
前記第2の仮想コネクションを用いて転送される前記資源管理セルの前記第1の領域内の第2のセル転送速度値及び前記第2の領域内の情報を検出し、
この第2のセル転送速度値が記憶された前記第1のセル転送速度値よりも大きい場合には、前記第1の領域内の前記第2のセル転送速度値を前記第1のセル転送速度値に書き換えて前記資源管理セルを転送するとともに、前記第1の仮想コネクションを用いて転送される前記資源管理セルの前記第1の領域に記入された第1のセル転送速度値に基づいて定めた閾値を用いてセルの転送の前記規制を行い、
検出した前記情報が輻輳の存在を示すものである場合は、輻輳の不存在を示す情報を有する資源管理セルが到着するまで前記閾値を現在の閾値よりも増加させることなく、セルの転送の前記規制を行うことを特徴とするセル転送速度規制方法。 - 検出した前記情報が輻輳の存在を示すものである場合は、前記閾値を現在の閾値よりもより低速な閾値に自律的に変更してセルの転送の前記規制を行うとともに、第1の終端部宛に転送される資源管理セルの第1の領域内の前記第2のセル転送速度値を前記第1のセル転送速度値にではなく前記変更後の閾値に書き換えてこの資源管理セルを転送することを特徴とする請求項8記載のセル転送速度規制方法。
- 前記第1の領域内の前記第2のセル転送速度値を前記変更後の閾値に書き換えた資源管理セルの転送を行ってから、この資源管理セルが前記第1の終端部に到達した後にこの第1の終端部よりセルが転送されてくる迄の所要時間を見積もっておき、
前記変更後の閾値を用いたセルの転送の前記規制の開始は、前記書き換えを行った資源管理セルの転送時から少なくとも前記所要時間経過後とすることを特徴とする請求項9に記載のセル転送速度規制方法。
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