JP3567505B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、タイヤトレッドのショルダー領域に複数のラグを有する空気入りタイヤに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
タイヤトレッドのショルダー領域に、スリットによってタイヤ周方向に実質的に等間隔に区画された複数のラグを有するタイヤにおいて、各ラグのショルダー形状としては、トレッド外周面とショルダー部側面との間が、実質的に角をなすいわゆるスクエアショルダーよりなる場合と、円弧状をなすラウンドショルダーあるいは前記の角をテーパカットしてなるテーパカットショルダーよりなる場合とがある。
【0003】
一般に、ラグにスクエアショルダーを有するタイヤは、車の進行方向を横切る向きのエッジ成分が作用し、雪路での直進性、コーナリング特性が優れている。
【0004】
その反面、スクエアショルダーを備えるタイヤで、轍のできた不整地の一般路を走行する際、轍にショルダーエッジが引掛り易く、その時の反力によってハンドルが取られて直進性が損なわれるという問題がある。
【0005】
一方、ラグにテーパカットショルダーあるいはラウンドショルダーを備えるタイヤは、主に一般路での使用に適し、操縦安定性、不整地での安定性に優れている。その反面、進行方向を横切る向きのグリップ力が不足するために、雪路等での直進性およびコーナリング性に問題がある。
【0006】
また近年、いずれの路面でも安定した走行性を確保するものとして、ラグのショルダー形状を、ラウンドショルダーとスクエアショルダーとを併有した形状にしたものが提案されている(特開昭63−287606号公報)。
【0007】
ラウンドショルダーの場合は、ワンダリングはキャンバースラストに依存する割合が非常に高く、キャンバースラストを小さくするのがワンダリング性能には効果的である。
【0008】
ワンダリングは、一般に傾斜路上にタイヤを押圧して評価するが、その時の接地形状変化が大きい程、キャンバースラストも大きくなる傾向がある。
【0009】
ラウンドショルダーの場合は、傾斜路すなわち轍路において、轍乗り越し側の接地形状は平坦路の接地形状より接地長が長くなり、平坦側の接地長との変化差が大きくなる。したがって、不整地でのワンダリング性能の点では十分に満足できるものではない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記に鑑みてなしたものであり、トレッドのショルダー領域にラグを備えるタイヤにおける上記の問題点を解決し、雪路等での直進安定性、操縦安定性、コーナリング性等の走行性能を損なうことなく、不整地の一般路での操縦安定性、特に轍乗り越し性、ワンダリング性能を大幅に改善できる空気入りタイヤを提供しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決する本発明は、タイヤトレッドのショルダー領域に、複数の横溝によってタイヤ周方向に実質的に等間隔に区画された複数のラグを有する空気入りタイヤであって、各ラグは、それぞれスクエアショルダーとこれより側方に突出させて設けたテーパカットショルダーとを有してなり、このテーパカットショルダーとスクエアショルダーとが円周上で交互に配列するように設けられるとともに、各ラグのスクエアショルダーとテーパカットショルダーとの間にノッチが形成されてなることを特徴とする。
【0012】
【作用】
上記のタイヤによれば、各ラグのスクエアショルダーで、車の進行方向を横切る向きのエッジ成分が作用して良好なグリップ性を持ち、雪路等での直進安定性やコーナリング性に優れる。
【0013】
また一般路においては、前記のスクエアショルダーより側方に突出させて設けたテーパカットショルダーの働きにより、円滑良好な操縦安定性、直進性を確保でき、仮に不整地の一般路を走行しても、側方に突出したテーパカットショルダーが主に轍に接触することとなって、スクエアショルダーのみの場合のように、轍によってハンドルが取られることがない。
【0014】
テーパカットショルダーの場合、テーパがあることによって轍路に均一に接地し、平坦路に地い接地形状を保つことができ、平坦側との接地長の変化差が小さく、キャンバースラストが小さくなるため、ラウンドショルダーに比べてワンダリング性能が優れることになる。
【0015】
また、各ラグにおけるテーパショルダーとスクエアショルダーとの間にノッチが形成されており、このノッチによるくびれ形状のために、各ラグのブロックがややフレキシブルになり、そのため外乱から受ける反力が減少し、ワンダリング性能がさらに向上する。
【0016】
【実施例】
次に本発明の実施例を図面に基いて説明する。
【0017】
図1は本発明の実施例の空気入りタイヤのトレッド半部の断面斜視図を示し、図2は同上のトレッド一部の略示展開平面図、図3は同上ショルダーの断面説明図を示している。なお、タイヤの内部構造は、例えば一般的なラジアル構造をなすものであり、ここでは図示説明を省略する。
【0018】
図において、(1)はタイヤのトレッド部、(2)はトレッド部(1)の両側部のショルダー領域において、タイヤ周方向に実質的に等間隔でショルダー側面から内方に向ってタイヤ幅方向に延びる横溝、(3)は横溝(2)によってタイヤ周方向に実質的に等間隔に区画されたラグを示している。前記横溝(2)は、タイヤ幅方向に斜めに形成される場合があり、さらにタイヤ周方向の溝を有する場合、該周方向溝に交叉連結するように形成される場合もある。
【0019】
各ラグ(3)は、スクエアーショルダー(4)とこれより側方に突出したテーパカットショルダー(5)とを有しており、特に図のようにそれぞれタイヤ周方向の一方側の略半部がスクエアーショルダー(4)、他方側の略半部がテーパカットショルダー(5)として形成されて、このスクエアショルダー(4)とテーパカットショルダー(5)とが円周上において交互に配列するように設けられている。
【0020】
前記のテーパカットショルダー(5)は、図2および図3に示すように、そのテーパ面(5a)がスクエアショルダー(4)によるトレッド幅(TW)の端縁(E)を基点として外側方に傾斜して突出形成されており、その傾斜角度や突出寸法については、タイヤサイズ等によっても異なるが、例えば、乗用車用タイヤや小型トラック用タイヤの場合、傾斜角度(θ)は15〜35°、突出寸法(A)は3.0〜5.0mm、また(A/TW)は0.045〜0.084の範囲に設定するのが好ましい。
【0021】
すなわち、傾斜角度(θ)が、前記範囲より小さくても、また大きくても、テーパ面の上下いずれかのエッジが轍に引掛り易くなり、期待する轍乗り越し性、ワンダリング性能が得られないことになり好ましくない。また突出寸法(A)が前記より小さいと、テーパカットショルダー(5)を設けた効果が小さくなり、また前記より大きくなるとショルダー側面の凹凸が大きくなり、他の走行性能に問題が生じる。
【0022】
また、図示するように、各ラグ(3)における前記のスクエアショルダー(4)とテーパカットショルダー(5)との間には、ショルダー側面から内方に向って切込み溝によるノッチ(6)が形成されている。
【0023】
このノッチ(6)を設けることにより、ラグ(3)がくびれ形状をなし、ラグ(3)のブロックがノッチを有さない場合に比してややフレキシブルになり、そのため轍などの外乱から受ける反力が減少し、ワンダリング性能がさらに向上する。さらにラグ間の横溝(2)が石を咬んだ場合に、その石を容易に放出できる、あるいはノッチのためにエッジが増加し、雪上および氷上性能が向上するといった効果がある。
【0024】
前記のノッチ(6)の形状については、溝幅(W1 )は0.6〜3.0mm、溝深さは2.5〜6.0mmの範囲とし、さらに溝長さ(L1 )のTW/2に対する比が0.029〜0.21の範囲にあるものが、前記のノッチ効果の発現およびラグブロック形状保持の点から特に好適である。
【0025】
上記のタイヤによれば、雪路等では各ラグ(3)のスクエアショルダー(4)の働きで良好なグリップ性を持ち、直進安定性やコーナリング性に優れ、また一般路では、テーパカットショルダー(5)の働きにより、良好な操縦安定性、直進性を確保できる。例えば、轍のある一般路を走行しても、テーパカットショルダー(5)が主に轍に接触するために、轍によってハンドルが取られることがない。
【0026】
またテーパカットショルダーの場合、テーパ面(5a)を有することによって轍路に略均一に接地し、平坦路に近い接地形状を保つことができ、轍乗り越し側と平坦側との接地長の変化差が小さく、キャンバースラストが小さくなるため、ラウンドショルダーに比べてワンダリング性能が優れることになる。
【0027】
これが、ラウンドショルダーの場合は、轍路では、轍乗り越し側の接地形状は平坦路の接地形状より接地長が長くなり、平坦側の接地長との変化差が大きくなり、不整地でのワンダリング性能の点では十分に満足できない。
【0028】
下記の表1は、図2に示すスクエアショルダーとテーパカットショルダーとを有するラグを備える本発明の実施例タイヤと、スクエアショルダーのみのラグを備える比較例タイヤ(比較例1)およびテーパカットショルダーのみのラグを備える比較例タイヤ(比較例2)とについて、それぞれ一般路での操縦安定性、雪路性能および轍乗り越し性能の実車によるテスト結果を示している。
【0029】
ここで、テストに供した実施例および比較例1,2のタイヤは、前記のショルダー形状を別にして基本的に同じ構造をなすものであって、いずれもタイヤサイズが265/70R15、トレッド幅(TW)は202mmのタイヤである。また実施例タイヤのテーパカットショルダーの突出寸法(A)は5mm、傾斜角度(θ)は24°である。
【0030】
【表1】
【0031】
なお、一般路での操縦安定性、雪路性能および轍乗り越し性能(ワンダリング性能)は、いずれも実車による感応評価とし、比較例1を100として指数で示している。指数が大きいほど良である。
【0032】
上記の表1から明らかなように、実施例タイヤは、雪路性能を損なうことなく、不整地の一般路での操縦安定性、特に轍乗り越し性等のワンダリング性能を大幅に改善できた。
【0033】
【発明の効果】
上記したように本発明の空気入りタイヤよれば、雪路等での直進安定性、操縦安定性、コーナリング性等の走行性能を損なうことなく、不整地の一般路での操縦安定性、特に轍乗り越し性等のワンダリング性能を大幅に改善できる。
【0034】
その上、各ラグにおけるテーパショルダーとスクエアショルダーとの間にノッチを形成してあるため、ラグがややフレキシブルになって、轍等の外乱から受ける反力が減少し、ワンダリング性能がさらに向上する。またノッチのためにエッジが増加し、雪上および氷上性能もさらに向上する。さらにラグのフレキシブル性が増すためにラグ間の横溝が咬んだ石を容易に放出できるといった効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の空気入りタイヤのトレッド半部の断面斜視図である。
【図2】同上のトレッドの平面説明図である。
【図3】同上ショルダーの断面説明図である。
【符号の説明】
(1) トレッド部
(2) 横溝
(3) ラグ
(4) スクエアショルダー
(5) テーパカットショルダー
(6) ノッチ
Claims (1)
- タイヤトレッドのショルダー領域に、複数の横溝によってタイヤ周方向に実質的に等間隔に区画された複数のラグを有するタイヤであって、
各ラグは、それぞれスクエアショルダーとこれより側方に突出させて設けたテーパカットショルダーとを有してなり、このテーパカットショルダーとスクエアショルダーとが円周上で交互に配列するように設けられとともに、各ラグのスクエアショルダーとテーパカットショルダーとの間にノッチが形成されてなることを特徴とする空気入りタイヤ。
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JP26497094A JP3567505B2 (ja) | 1994-10-28 | 1994-10-28 | 空気入りタイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP26497094A JP3567505B2 (ja) | 1994-10-28 | 1994-10-28 | 空気入りタイヤ |
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