JP3567501B2 - 粒状農薬組成物 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、有害生物防除活性成分または植物生長調節活性成分である農薬活性成分の放出が制御されてなる農薬組成物およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
これまで、種々の農薬が開発され使用されているが、農薬活性成分を土壌中または水中等の環境中で徐々に放出させることができれば、農薬組成物に持続性を与えてより有効に活用することができると共に、作物に対する薬害を軽減化するなどの効果も期待できることなどから研究が行われてきた。しかしながら、未だ農薬活性成分の充分な徐放化方法は見出されていない。
【0003】
【課題を解決するための手段】
本発明は、有害生物防除活性成分または植物生長調節活性成分である農薬活性成分、水不溶性アルギン酸塩およびベントナイトを含有する粒状農薬組成物が、農薬活性成分の放出を制御することができ、徐放化効果に優れた粒状農薬組成物であること、さらに、該水不溶性アルギン酸塩が三次元網状構造であるマトリックスを形成することにより、農薬活性成分の放出をより有効に制御することができると共に、該粒状農薬組成物が、農薬活性成分、アルギン酸またはアルギン酸の水溶性塩、およびベントナイトを含有する粒状物を、水不溶性アルギン酸塩を形成し得る二価以上のカチオンを含有する水溶液で処理することにより容易に製造されることを見出したことによるものである。特に、該製造方法においてはベントナイトを使用することにより上述の粒状物の造粒性が良くなっており、押出造粒により連続的に粒状物を得た後、上述の水溶液処理を行って本発明の粒状農薬組成物を得ることが容易となっている。
【0004】
本発明の粒状農薬組成物は一般に次のようにして製造することができる。
有害生物防除活性成分または植物生長調節活性成分である農薬活性成分の一種以上、アルギン酸またはアルギン酸の水溶性塩、およびベントナイトを混合し、必要によりさらに効力増強剤、薬害軽減剤、担体、溶剤、界面活性剤、安定化剤、着色剤、香料等を混合し、押出造粒、転動造粒、圧縮造粒、攪拌造粒、流動層造粒等の方法により造粒し、必要により解砕、整粒、形状制御などの操作を行い、得られた粒状物中のアルギン酸またはアルギン酸の水溶性塩を水不溶性アルギン酸塩に変換するために、該粒状物を水不溶性アルギン酸塩を形成し得る二価以上のカチオンを含有する水溶液に浸漬するなどの処理を行う。該処理後、必要により乾燥、整粒、形状制御などの操作を行い本発明の粒状農薬組成物が得られる。
【0005】
本発明において用いられるアルギン酸の水溶性塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩などが挙げられ、アルギン酸またはアルギン酸の水溶性塩は二種以上のものを混合して用いてもよい。
水不溶性アルギン酸塩を形成し得る二価以上のカチオンとしては、カルシウム、マグネシウム、バリウム、亜鉛、ニッケル、銅、鉛、銀、鉄等のカチオンが挙げられ、該カチオンを含有する水溶液としては、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、乳酸カルシウム、クエン酸カルシウム等のカルシウム塩、塩化マグネシウム等のマグネシウム塩、塩化バリウム等のバリウム塩、塩化亜鉛、硝酸亜鉛、硫酸亜鉛等の亜鉛塩、塩化ニッケル等のニッケル塩、硫酸銅等の銅塩、酢酸鉛等の鉛塩、硝酸銀等の銀塩などの水溶液が挙げられ、中でも、塩化カルシウムまたは硝酸カルシウム水溶液などの使用が好ましい。これらのカチオンの塩は、通常水溶液中に1〜飽和重量%、好ましくは5〜飽和重量%含有される。尚、アルギン酸またはアルギン酸の水溶性塩におけるアルギン酸としては、低分子量のものから高分子量のものまで広く用いることができ、通常その分子量は500〜8000000、好ましくは3000〜2000000である。アルギン酸またはアルギン酸の水溶性塩の使用量は、農薬活性成分の種類や量により異なるが、通常本発明の粒状農薬組成物全重量に対して 0.1〜60重量%、好ましくは5〜40重量%である。
【0006】
本発明において用いられるベントナイトとしては、ナトリウムモンモリロナイトまたはナトリウムモンモリロナイトを含有するベントナイトを用いるのが好ましく、具体的には、ベントナイト富士、ベントナイト穂高、ベントナイト妙義、ベントナイト赤城、ベントナイト浅間、BEN−GEL S、BEN−GELHV(以上、豊順洋行製)、クニゲルV1(クニミネ工業製)、SK−ゼロ−1(西毛開発製)等が挙げられる。ベントナイトの使用量は、農薬活性成分の種類や量、ベントナイトの種類等により異なるが、通常本発明の粒状農薬組成物全重量に対して1〜50重量%、好ましくは5〜30重量%である。
【0007】
本発明において用いられる農薬活性成分の種類は特に限定されないが、例えば以下に示す化合物、その活性な異性体および該混合物が挙げられ、中でも比較的水溶解度の低いものが好ましく、より具体的には20℃における水溶解度が2000ppm以下のものが好ましい。
以下に、農薬活性成分の具体例を化合物番号と共に示す。
(1) α−シアノ−3−フェノキシベンジル 2−(4−クロロフェニル)−3−メチルブチラート
(2) (S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル (S)−2−(4−クロロフェニル)−3−メチルブチラート
(3) α−シアノ−3−フェノキシベンジル 2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシラート
(4) 3−フェノキシベンジル 3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート
(5) 3−フェノキシベンジル クリサンテマート
(6) 3−フェノキシベンジル (1R)−クリサンテマート
(7) α−シアノ−3−フェノキシベンジル 3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート
(8) α−シアノ−3−(4−ブロモフェノキシ)ベンジル 3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート
(9) α−シアノ−3−(4−フルオロフェノキシ)ベンジル 3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート
(10)α−シアノ−3−(3−ブロモフェノキシ)ベンジル 3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート
【0008】
(11) α−シアノ−3−(4−クロロフェノキシ)ベンジル 3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート
(12) α−シアノ−3−フェノキシベンジル クリサンテマート
(13) α−シアノ−3−フェノキシベンジル (1R)−クリサンテマート
(14) α−シアノ−3−(4−ブロモフェノキシ)ベンジル 2−(4−クロロフェニル)−3−メチルブチラート
(15) α−シアノ−3−(3−ブロモフェノキシ)ベンジル 2−(4−クロロフェニル)−3−メチルブチラート
(16) α−シアノ−3−(4−クロロフェノキシ)ベンジル 2−(4−クロロフェニル)−3−メチルブチラート
(17) α−シアノ−3−(4−フルオロフェノキシ)ベンジル 2−(4−クロロフェニル)−3−メチルブチラート
(18) α−シアノ−3−フェノキシベンジル 2−(4−ブロモフェニル)−3−メチルブチラート
(19) α−シアノ−3−フェノキシベンジル 2−(4−tert−ブチルフェニル)−3−メチルブチラート
(20) α−シアノ−3−フェノキシベンジル 2−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−3−メチルブチラート
【0009】
(21) α−シアノ−4−フルオロ−3−フェノキシベンジル 3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート
(22) α−シアノ−3−フェノキシベンジル 2−(2−クロロ−4−トリフルオロメチルアニリノ)−3−メチルブチラート
(23) α−シアノ−3−フェノキシベンジル 2−(4−ジフルオロメトキシフェニル)−3−メチルブチラート
(24) α−シアノ−3−フェノキシベンジル (S)−2−(4−ジフルオロメトキシフェニル)−3−メチルブチラート
(25) シアノ−(5−フェノキシ−2−ピリジル)メチル 3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート
(26) α−シアノ−3−フェノキシベンジル 2,2−ジメチル−3−(1,2,2,2−テトラブロモエチル)シクロプロパンカルボキシラート
(27) α−シアノ−3−フェノキシベンジル 2,2−ジメチル−3−(1,2−ジクロロ−2,2−ジブロモエチル)シクロプロパンカルボキシラート
(28) α−シアノ−3−フェノキシベンジル 1−(4−エトキシフェニル)−2,2−ジクロロシクロプロパンカルボキシラート
(29) α−シアノ−3−フェノキシベンジル 2,2−ジメチル−3−(2−クロロ−2−トリフルオロメチルビニル)シクロプロパンカルボキシラート
(30) 2−(4−エトキシフェニル)−2−メチルプロピル 3−フェノキシベンジル エーテル
【0010】
(31) 2−(4−エトキシフェニル)−3,3,3−トリフルオロプロピル
3−フェノキシベンジル エーテル
(32) 2−メチル−3−フェニルベンジル (1R,トランス)−2,2−ジメチル−3−(2−クロロ−2−トリフルオロメチルビニル)シクロプロパンカルボキシラート
(33) 2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル (1R,トランス)−2,2−ジメチル−3−(2−クロロ−2−トリフルオロメチルビニル)シクロプロパンカルボキシラート
(34) 3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミドメチル クリサンテマート
(35) 3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミドメチル (1R)−クリサンテマート
(36) 3−アリル−2−メチル−4−オキソシクロペント−2−エンイル
クリサンテマート
(37) 3−アリル−2−メチル−4−オキソシクロペント−2−エンイル
(1R)−クリサンテマート
(38) (S)−2−メチル−4−オキソ−3−(2−プロピニル)シクロペント−2−エンイル (1R)−クリサンテマート
(39) 1−エチニル−2−メチル−2−ペンテニル (1R)−クリサンテマート
(40) 5−ベンジル−3−フリルメチル クリサンテマート
【0011】
(41) 5−ベンジル−3−フリルメチル (1R)−クリサンテマート
(42) α−シアノ−3−(4−ブロモフェノキシ)ベンジル 3−(2,2−ジブロモビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート
(43) O,O−ジメチル O−(3−メチル−4−ニトロフェニル) ホスホロチオエート
(44) O,O−ジメチル S−〔1,2−ジ(エトキシカルボニル)エチル〕 ホスホロジチオエート
(45) O,O−ジメチル O−(4−シアノフェニル) ホスホロチオエート
(46) O,O−ジメチル S−(α−エトキシカルボニルベンジル) ホスホロジチオエート
(47) O,O−ジエチル O−(2−イソプロピル−4−メチル−6−ピリミジニル) ホスホロチオエート
(48) O,O−ジメチル O−〔3−メチル−4−(メチルチオ)フェニル〕 ホスホロチオエート
(49) O−(4−ブロモ−2,5−ジクロロフェニル) O,O−ジエチル
ホスホロチオエート
(50) 2−メトキシ−4H−1,3,2−ベンゾオキサホスホリン−2−スルフィド
【0012】
(51) O,O−ジメチル O−(2,4,5−トリクロロフェニル) ホスホロチオエート
(52) O,O−ジエチル O−(3,5,6−トリクロロ−2−ピリジル)
ホスホロチオエート
(53) O,O−ジメチル O−(3,5,6−トリクロロ−2−ピリジル)
ホスホロチオエート
(54) O,O−ジメチル O−(4−ブロモ−2,5−ジクロロフェニル)ホスホロチオエート
(55) O−(2,4−ジクロロフェニル) O−エチル S−プロピル ホスホロジチオエート
(56) O,O−ジメチル S−(5−メトキシ−1,3,4−チアジアゾリン−2−オン−3−イルメチル) ホスホロジチオエート
(57) ジメチル 2,2,2−トリクロロ−1−ヒドロキシエチルホスホネート
(58) O−エチル O−(4−ニトロフェニル) ベンゼンホスホノチオエート
(59) O,O−ジメチル S−(N−メチルカルバモイルメチル) ホスホロジチオエート
(60) 2−sec−ブチルフェニル N−メチルカーバメート
【0013】
(61) 3−メチルフェニル N−メチルカーバメート
(62) 3,4−ジメチルフェニル N−メチルカーバメート
(63) 2−イソプロポキシフェニル N−メチルカーバメート
(64) 1−ナフチル N−メチルカーバメート
(65) 2−イソプロピルフェニル N−メチルカーバメート
(66) O,O−ジエチル S−〔2−(エチルチオ)エチル〕 ホスホロジチオエート
(67) トランス−5−(4−クロロフェニル)−N−シクロヘキシル−4−メチル−2−オキソチアゾリジン−3−カルボキサミド
(68) 2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチル−7−ベンゾフラニル N−ジブチルアミノチオ−N−メチルカーバメート
(69) エチル N−〔2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチルベンゾフラン−7−イルオキシカルボニル(メチル)アミノチオ〕−N−イソプロピル−β−アラニナート
(70) 1−〔3,5−ジクロロ−4−(3−クロロ−5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)フェニル〕−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)ウレア
【0014】
(71) 1−(3,5−ジクロロ−2,4−ジフルオロフェニル)−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)ウレア
(72) 1−〔3,5−ジクロロ−4−(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)フェニル〕−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)ウレア
(73) エチル 2−(4−フェノキシフェノキシ)エチルカーバメート
(74) 2−tert−ブチル−5−(4−tert−ブチルベンジルチオ)−4−クロロピリダジン−3(2H)−オン
(75) 1−〔4−(2−クロロ−4−トリフルオロメチルフェノキシ)−2−フルオロフェニル〕−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)ウレア
(76) tert−ブチル (E)−α−(1,3−ジメチル−5−フェノキシピラゾール−4−イルメチレンアミノオキシ)−p−トルエート
(77) 3,7,9,13−テトラメチル−5,11−ジオキサ−2,8,14−トリチア−4,7,9,12−テトラアザペンタデカ−3,12−ジエン−6,10−ジオン
(78) 1−(6−クロロ−3−ピリジルメチル)−N−ニトロイミダゾリジン−2−イリデンアミン
(79) 5−アミノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−3−シアノ−4−トリフルオロメタンスルフィニルピラゾール
(80) 5−エトキシ−3−トリクロロメチル−1,2,4−チアジアゾール
【0015】
(81) O,O−ジイソプロピル S−ベンジル ホスホロチオラート
(82) O−エチル S,S−ジフェニル ジチオホスフェート
(83) 3,4−ジクロロプロピオンアニリド
(84) イソプロピル N−(3−クロロフェニル)カーバメート
(85) S−エチル N,N−ジプロピルチオールカーバメート
(86) 3−メトキシカルボニルアミノフェニル N−(3−メチルフェニル)カーバメート
(87) N−メトキシメチル−2−クロロ−2’,6’−ジエチルアセトアニリド
(88) 2,6−ジニトロ−N,N−ジプロピル−4−トリフルオロメチルアニリン
(89) S−(4−クロロベンジル) N,N−ジエチルチオールカーバメート
(90) S−エチル N,N−ヘキサメチレンチオールカーバメート
【0016】
(91) N−(1,1,3−トリメチル−2−オキサ−4−インダニル)−5−クロロ−1,3−ジメチルピラゾール−4−カルボキサミド
(92) 3’−イソプロポキシ−2−(トリフルオロメチル)ベンズアニリド
(93) ジイソプロピル 1,3−ジチオラン−2−イリデンマロネート
(94) 1,2,5,6−テトラヒドロピロロ[3,2,1−i,j]キノリン−4−オン
(95) 3−アリルオキシ−1,2−ベンゾイソチアゾール−1,1−ジオキシド
(96) 5−メチル[1,2,4]トリアゾロ[3,4−b]ベンゾチアゾール
(97) 1,2−ビス(3−メトキシカルボニル−2−チオウレイド)ベンゼン
(98) 1−(4−クロロベンジル)−1−シクロペンチル−3−フェニルウレア
(99) 6−(3,5−ジクロロ−4−メチルフェニル)−3(2H)−ピリダジノン
(100) メチル 1−(ブチルカルバモイル)ベンズイミダゾール−2−カーバメート
【0017】
(101) 3−(3,5−ジクロロフェニル)−N−イソプロピル−2,4−ジオキソイミダゾリジン−1−カルボキサミド
(102) 3−(3,5−ジクロロフェニル)−5−メチル−5−ビニル−1,3−オキサゾリジン−2,4−ジオン
(103) エチレンビスジチオカルバミン酸マンガン
(104) エチレンビスジチオカルバミン酸マンガンおよび亜鉛
(105) N−(トリクロロメチルチオ)シクロヘキサ−4−エン−1,2−ジカルボキシミド
(106) 3’−イソプロポキシ−2−メチルベンズアニリド
(107) テトラクロロイソフタロニトリル
(108) 1−(4−クロロフェノキシ)−3,3−ジメチル−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ブタノン
(109) (E)−4−クロロ−2−(トリフルオロメチル)−N−〔1−(イミダゾール−1−イル)−2−プロポキシエチリデン〕アニリン
(110) メチル N−(メトキシアセチル)−N−(2,6−ジメチルフェニル)アラニナート
【0018】
(111) 3−クロロ−N−(3−クロロ−5−トリフルオロメチル−2−ピリジル)−2,6−ジニトロ−4−メチルアニリン
(112) N−ブトキシメチル−2−クロロ−2’,6’−ジエチルアセトアニリド
(113) O−エチル O−(5−メチル−2−ニトロフェニル)−sec−ブチル ホスホロアミドチオエート
(114) エチル N−クロロアセチル−N−(2,6−ジエチルフェニル)グリシナート
(115) 2−〔1−メチル−2−(4−フェノキシフェノキシ)エトキシ〕ピリジン
(116) (E)−1−(4−クロロフェニル)−4,4−ジメチル−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−1−ペンテン−3−オール
(117) 1−(4−クロロフェニル)−4,4−ジメチル−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ペンタン−3−オール
(118) 2−ブロモ−N−(α,α−ジメチルベンジル)−3,3−ジメチルブタンアミド
(119) 1−(1−メチル−1−フェニルエチル)−3−(p−トリル)ウレア
(120) 2−(2−ナフトキシ)プロピオンアニリド
【0019】
(121) 2−(2,4−ジクロロ−3−メチルフェノキシ)プロピオンアニリド
(122) 4−(2,4−ジクロロベンゾイル)−1,3−ジメチル−5−ピラゾリル p−トルエンスルホナート
(123) 4−(2,4−ジクロロベンゾイル)−1,3−ジメチル−5−フェナシルオキシピラゾール
(124) 4−(2,4−ジクロロ−3−メチルベンゾイル)−1,3−ジメチル−5−(4−メチルフェナシルオキシ)ピラゾール
(125) 2,4,6−トリクロロフェニル 4−ニトロフェニル エーテル
(126) 2,4−ジクロロフェニル 3−メトキシ−4−ニトロフェニル
エーテル
(127) 2,4−ジクロロフェニル 3−メトキシカルボニル−4−ニトロフェニル エーテル
(128) 2−ベンゾチアゾール−2−イルオキシ−N−メチルアセトアニリド
(129) 2’,3’−ジクロロ−4−エトキシメトキシベンズアニリド
(130) 5−tert−ブチル−3−(2,4−ジクロロ−5−イソプロポキシフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−(3H)−オン
【0020】
(131) 2−アミノ−3−クロロ−1,4−ナフトキノン
(132) メチル 2−〔3−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)ウレイドスルホニルメチル〕ベンゾエート
(133) エチル 5−〔3−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)ウレイドスルホニル〕−1−メチルピラゾール−4−カルボキシラート
(134) 3−クロロ−2−〔4−クロロ−2−フルオロ−5−(2−プロピニルオキシ)フェニル〕−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−インダゾール
(135) O−(4−tert−ブチルフェニル) N−(6−メトキシ−2−ピリジル)−N−メチルチオノカーバメート
(136) O−(3−tert−ブチルフェニル) N−(6−メトキシ−2−ピリジル)−N−メチルチオノカーバメート
(137) O−(4−クロロ−3−エチルフェニル) N−(6−メトキシ−2−ピリジル)−N−メチルチオノカーバメート
(138) O−(4−ブロモ−3−エチルフェニル) N−(6−メトキシ−2−ピリジル)−N−メチルチオノカーバメート
(139) O−(3−tert−ブチル−4−クロロフェニル) N−(6−メトキシ−2−ピリジル)−N−メチルチオノカーバメート
(140) O−(4−トリフルオロメチルフェニル) N−(6−メトキシ−2−ピリジル)−N−メチルチオノカーバメート
【0021】
(141) 1−(2−クロロベンジル)−3−(α,α−ジメチルベンジル)ウレア
(142) N−(3,5−ジクロロフェニル)−1,2−ジメチルシクロプロパン−1,2−ジカルボキシイミド
(143) O−(2,6−ジクロロ−4−メトキシフェニル) O,O−ジメチル ホスホロチオエート
(144) (E)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4,4−ジメチル−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−1−ペンテン−3−オール
(145) イソプロピル 3,4−ジエトキシフェニルカーバメート
(146) 2−シアノ−N−〔1−(2,4−ジクロロフェニル)エチル〕−3,3−ジメチルブタンアミド
(147) N−〔4−クロロ−2−フルオロ−5−(1−メチル−2−プロピニルオキシ)フェニル〕−3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミド
(148) N−〔4−クロロ−2−フルオロ−5−(ペンチルオキシカルボニルメトキシ)フェニル〕−3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミド
(149) 7−フルオロ−6−〔(3,4,5,6−テトラヒドロ)フタルイミド〕−4−(2−プロピニル)−1,4−ベンズオキサジン−3(2H)−オン
(150) 2−〔1−(エトキシイミノ)エチル〕−3−ヒドロキシ−5−〔2−〔4−(トリフルオロメチル)フェニルチオ〕エチル〕−2−シクロヘキセン−1−オン
【0022】
(151) 1−(4−クロロフェニル)−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)ウレア
(152) イソプロピル (2E,4E)−11−メトキシ−3,7,11−トリメチル−2,4−ドデカジエノエート
(153) 2−tert−ブチルイミノ−3−イソプロピル−5−フェニル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−1,3,5−チアジアジン−4−オン
(154) 2−フェノキシ−6−(ネオペンチルオキシメチル)ピリジン
(155) 3−クロロ−2−〔7−フルオロ−4−(2−プロピニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−ベンゾオキサジン−3(2H)−オン−6−イル〕−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−インダゾール
(156) 4’−クロロ−2’−(α−ヒドロキシベンジル)イソニコチン酸アニリド
(157) 6−(ベンジルアミノ)プリン
(158) 5−クロロ−3−メチル−4−ニトロ−1H−ピラゾール
(159) 3−(4−クロロフェニル)−1,1−ジメチルウレア
(160) 3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルウレア
【0023】
(161) 2,4−ジニトロ−6−sec−ブチルフェノール
(162) 2,4−ジメチル−5−(トリフルオロメチルスルホニルアミノ)アセトアニリド
(163) 6−(フルフリルアミノ)プリン
(164) 1−フェニル−3−〔4−(2−クロロピリジル)〕ウレア
(165) S,S−ジメチル 2−(ジフルオロメチル)−4−(2−メチルプロピル)−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3,5−ジカルボチオアート
(166) 3−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−1−〔2−(2−メトキシエトキシ)フェニルスルホニル〕ウレア
(167) エキソ−1−メチル−4−(1−メチルエチル)−2−(2−メチルフェニルメトキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン
(168) 2’,6’−ジエチル−N−〔(2−シス−ブテノキシ)メチル〕−2−クロロアセトアニリド
(169) 2,3−ジヒドロ−3,3−ジメチル−5−ベンゾフラニル エタンスルホナート
(170) 2’,6’−ジメチル−N−(3−メトキシ−2−テニル)−2−クロロアセトアニリド
【0024】
(171) 1−(2−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イルスルホニル)−3−(4,6−ジメトキシ−2−ピリミジニル)ウレア
(172) 3−イソプロピル−1H−2,1,3−ベンゾチアジアジン−4(3H)−オン−2,2−ジオキシド
(173) 2−(1−エトキシイミノブチル)−5−〔2−(エチルチオ)プロピル〕−3−ヒドロキシシクロヘキサ−2−エン−1−オン
(174) 2’,6’−ジエチル−N−(2−プロポキシエチル)−2−クロロアセトアニリド
(175) S−(1−メチル−1−フェニルエチル) ピペリジン−1−カルボチオアート
(176) S−(2−メチル−1−ピペリジンカルボニルメチル) O,O−ジプロピル ジチオホスフェート
(177) S−ベンジル N−エチル−N−(1,2−ジメチルプロピル)チオールカーバメート
(178) 2−クロロ−4−エチルアミノ−6−イソプロピルアミノ−1,3,5−トリアジン
(179) 2−メチルチオ−4,6−ビス(エチルアミノ)−1,3,5−トリアジン
(180) 2−クロロ−4,6−ビス(エチルアミノ)−1,3,5−トリアジン
(181) 2−メチルチオ−4−エチルアミノ−6−(1,2−ジメチルプロピルアミノ)−1,3,5−トリアジン
(182) 3−〔2−(3,5−ジメチル−2−オキソシクロヘキシル)−2−ヒドロキシメチル〕グルタルイミド
本発明の粒状農薬組成物中に含まれる農薬活性成分は、全重量に対して通常 0.001〜80重量%、好ましくは0.01〜50重量%であり、二種以上の農薬活性成分を混合して用いてもよい。
【0025】
本発明において用い得る担体としては、カオリナイト、ディッカイト、ナクライト、ハロサイト等のカオリン鉱物、クリソタイル、リザータイト、アンチコライト、アメサイト等の蛇紋石、カルシウムモンモリロナイト、マグネシウムモンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、ハイデライト等のスメクタイト、パイロフィライト、タルク、蝋石、白雲母、フェンジャイト、セリサイト、イライト等の雲母、クリストバライト、クォーツ等のシリカ、アタパルジャイト、セピオライト等の含水珪酸マグネシウム、ドロマイト等の炭酸カルシウム、ギプサム、石膏等の硫酸塩鉱物、ゼオライト、沸石、凝灰石、バーミキュライト、ラポナイト、軽石、珪藻土、酸性白土、活性白土、ひる石、硫安、尿素、塩安等の鉱物質担体、湿式法シリカ、乾式法シリカ、湿式法シリカの焼成品等の合成無機質担体、セルロース、籾殻、小麦粉、ショ糖、デキストリン、木粉、澱粉、糠、ふすま、大豆粉、カルナバロウ、油脂等の動植物質担体などが挙げられる。これらの担体は、二種以上を混合して用いてもよく、その使用量は、本発明の粒状農薬組成物全重量に対して通常0〜98.899重量%である。
【0026】
尚、農薬活性成分、添加物等の液状成分を本発明の粒状農薬組成物全重量に対して1重量%以上含有する場合には、シリカ等のホワイトカーボンを添加するのが好ましく、その添加量は通常液状成分の合計重量100部に対して40〜100部である。勿論、液状成分が1重量%未満の場合においても担体としてホワイトカーボンを添加することは一向に差支えない。
【0027】
本発明において用い得る溶剤としては、デカン、トリデカン、テトラデカン、ヘキサデカン、オクタデカン等の脂肪族飽和炭化水素、1−ウンデセン、1−ヘンエイコセン等の脂肪族不飽和炭化水素、セレクロールS45(ICI社製溶媒)等のハロゲン化炭化水素、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン、エタノール、ブタノール、オクタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、2−エトキシエタノール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン等のアルコール、酢酸エチル、酢酸オクチル、フタル酸ジメチル、ラウリン酸メチル、パルミチン酸エチル、コハク酸ジオクチル、アジピン酸ジデシル、グリセリン脂肪酸エステル等のエステル、キシレン、エチルベンゼン、オクタデシルベンゼン、ソルベッソ100(エクソン化学製溶媒)、ハイゾールSAS−296 (日本石油化学製溶媒)、ドデシルナフタレン、トリデシルナフタレン、ソルベッソ200(エクソン化学製溶媒)等の芳香族炭化水素、オレイン酸、カプリン酸、エナント酸等の脂肪酸、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド等のアミド、オリーブ油、大豆油、ナタネ油、アマニ油、綿実油、パーム油、アボカド油、サメ肝油等の動植物油、マシン油等の鉱物油などが挙げられる。これらの溶剤は、二種以上を任意の割合で混合して用いてもよく、その使用量は、本発明の粒状農薬組成物全重量に対して通常0〜30重量%である。
【0028】
本発明において用い得る界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンラノリンアルコール、ポリオキシエチレンアルキルフェノールホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリルモノ脂肪酸エステル、ポリオキシプロピレングリコールモノ脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、高級脂肪酸グリセリンエステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アルキロールアミド、ポリオキシエチレンアルキルアミンなどのノニオン性界面活性剤、ドデシルアミン塩酸塩等のアルキルアミン塩酸塩、アルキル四級アンモニウム塩、ドデシルトリメチルアンモニウム塩等のアルキルトリメチル四級アンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、ジアルキルモルホリニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ポリアルキルビニルピリジニウム塩などのカチオン性界面活性剤、パルミチン酸ナトリウム等の脂肪酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテルカルボン酸ナトリウム等のエーテルカルボン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシンナトリウム、N−ラウロイルグルタミン酸ナトリウム等の高級脂肪酸のアミノ酸縮合物、高級アルキルスルホン酸塩、ラウリン酸エステルスルホン酸塩等の高級脂肪酸エステルスルホン酸塩、ジオクチルスルホサクシネート等のジアルキルスルホコハク酸、オレイン酸アミドスルホン酸塩等の高級脂肪酸アミドスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ジイソプロピルナフタレンスルホン酸塩等のアルキルアリールスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩ホルマリン縮合物、ペンタデカン−2−スルフェート等の高級アルコール硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンドデシルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ジポリオキシエチレンドデシルエーテルリン酸エステル等のポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、スチレン−マレイン酸共重合体、アルキルビニルエーテル−マレイン酸共重合体などのアニオン性界面活性剤、N−ラウリルアラニン、N,N,N−トリメチルアミノプロピオン酸、N,N,N−トリヒドロキシエチルアミノプロピオン酸、N−ヘキシル−N,N−ジメチルアミノ酢酸、1−(2−カルボキシエチル)ピリジニウムベタイン、レシチンなどの両性界面活性剤などが挙げられる。
これらの界面活性剤は二種以上を任意の割合で混合して用いてもよく、その使用量は、本発明の粒状農薬組成物全重量に対して通常0〜20重量%、好ましくは0〜5重量%である。
【0029】
本発明において用い得る安定化剤としては、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、ラジカル捕捉剤、過酸化物分解剤などが挙げられる。酸化防止剤としては、フェノール系、アミン系、リン系、イオウ系の各種酸化防止剤等が挙げられ、紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ベンゾエート系、シアノアクリレート系、サリチル酸系、ヒンダードアミン系の各種紫外線吸収剤等が挙げられる。また、イソプルピルアシッドホスフェート、流動パラフィン、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシ化ナタネ油等のエポキシ化植物油などの安定化剤も使用できる。これらの安定化剤は二種以上を任意の割合で混合して用いてもよく、その使用量は、本発明の粒状農薬組成物全重量に対して通常0〜10重量%である。
【0030】
本発明の粒状農薬組成物には、この他にローダミンB、ソーラーローダミンなどのローダミン類、黄色4号、青色1号、赤色2号等のタール色素等の着色剤、アセト酢酸エチル、アントラニル酸メチル、イソ吉草酸イソアミル、エナント酸エチル、桂皮酸エチル、酪酸イソアミルなどのエステル、カプロン酸、桂皮酸などの有機酸、桂皮アルコール、ゲラニオール、シトラール、デシルアルコール、メントールなどのアルコール、バニリン、ピペロナール、ペリルアルデヒドなどのアルデヒド、マルトール、メチルβ−ナフチルケトンなどのケトン等の香料を添加してもよく、着色剤および香料の添加量は、各々本発明の粒状農薬組成物全重量に対して通常0〜5重量%である。
【0031】
本発明組成物を製造する際に用いられる造粒方法としては、押出造粒、圧縮造粒、攪拌造粒、転動造粒、被覆造粒等の方法が挙げられ、特に押出造粒が一定の粒度の造粒物を効率良く製造する上で好都合である。
押出造粒は例えば以下のようにして行われる。
農薬活性成分、アルギン酸またはアルギン酸の水溶性塩、およびベントナイトを混合し、さらに必要により担体、溶媒等を加え混合機を用いてよく混合する。用いられる混合機としては、リボンミキサー、ヘンシェルミキサー、タンブラーミキサー、レーディゲーミキサー、パドルミキサー、スクリューミキサー、ホーバーグミキサー、スパイラルミキサー、V型混合機等が挙げられる。得られた混合物に必要により水を添加し練合する。練合機としては、リボンミキサー、ニーダー等が用いられる。得られた練合物は、スクリュー型押出造粒機、ロール型押出造粒機、ディスクペレッター、ペレットミル、バスケット型押出造粒機、プレード型押出造粒機、オシレーティング型押出造粒機、ギア式押出造粒機、リングダイス式押出造粒機等の押出造粒機を用いて造粒し、必要により乾燥、形状制御、解砕、篩分、整粒等を行う。
【0032】
このようにして得られる粒状物は、該粒状物中のアルギン酸またはアルギン酸の水溶性塩を水不溶性アルギン酸塩に変換するために上述のカチオン処理に付される。処理法としては、例えば、水不溶性アルギン酸塩を形成し得る二価以上のカチオンを含有する水溶液(以下、処理液と記す。)中に粒状物を例えば1分間〜5時間浸漬して静置する方法もしくは浸漬して攪拌する方法または粒状物に処理液をスプレー、滴下等を行い粒状物中に処理液を含浸させる方法などが挙げられる。処理液の使用量は、用いられる処理法、粒状物の組成、処理液中のカチオン濃度等により異なるが、通常、処理される粒状物1重量部に対して該カチオンの塩重量として 0.001〜10重量部である。
上述のように処理された粒状物に、必要により乾燥、整粒、解砕、篩分、形状制御等の操作を行い、本発明の粒状農薬組成物が得られる。
【0033】
本発明の粒状農薬組成物は、微粒、細粒、顆粒等の粒状物であり、通常0.2 〜10 mm 、好ましくは 0.3〜5mm 、さらに好ましくは 0.5〜2mm の粒径を有し、その形状は球型、楕球型、円盤型、棒型、ダンベル型、円柱型、多角柱型、円錐型、多角錐型、立方体型、直方体型、カプセル型、フィンガー型、アーモンド型、レンズ型、隅角円盤型、隅丸円盤型、不定型等の任意の型を有することができる。尚、造粒方法として押出造粒法を用いた場合、球型、楕球型、棒型、円柱型、立方体型等の形状のものが得られる。
【0034】
本発明の粒状農薬組成物は、植木鉢、育苗箱、水田、畑地、芝生、果樹園、森、林などの農耕地、川、池、湖、沼、堀、貯水池等およびその周辺等の農薬施用場所で、通常の農薬施用方法により用いられる。
【0035】
【実施例】
以下、本発明を実施例にてより詳細に説明するが、本発明は以下の例のみに限定されるものではない。尚、以下の例において部は重量部を表わす。また、農薬活性成分化合物は前述の化合物番号で表わす。
まず、本発明の粒状農薬組成物の製造例を示す。
製造例1
農薬活性成分化合物(90)12部とホワイトカーボン2部とを混合し、遠心粉砕機(ZM−1型、日本精機製作所)で粉砕した。得られた粉砕品にアルギン酸ナトリウム10部とベントナイト富士(豊順洋行製)10部とを加え、さらにクレーを加えて全体を100部とし、ジュースミキサーでよく混合した。混合物に水20部を添加し、ケミカルミキサー(H−85型、国産遠心機株式会社)で混練し、次いで押出造粒機で造粒して、粒径1.0mm の造粒物を得た。得られた造粒物を50℃で1時間乾燥し、篩で粒径 0.8〜1.2mm の範囲内の粒状物を分取し、次いで20%硝酸カルシウム水溶液に10分間浸漬した後再び乾燥させて本発明の粒状農薬組成物(1)を得た。
本発明の粒状農薬組成物の押出造粒機による連続造粒性は良好であり、平滑な表面を有する円柱型の粒状物を効率良く製造することができた。
【0036】
製造例2
農薬活性成分化合物(117)5部とホワイトカーボン1部とを混合し、遠心粉砕機で粉砕した。得られた粉砕品にアルギン酸ナトリウム30部とベントナイト富士3部とを加え、さらに炭酸カルシウム粉末を加えて全体を100部とし、ジュースミキサーでよく混合した。混合物に水25部を添加し、ケミカルミキサーで混練し、次いで押出造粒機で造粒して、粒径1.0mm の造粒物を得た。得られた造粒物を50℃で1時間乾燥し、篩で粒径 0.8〜1.2mm の範囲内の粒状物を分取し、20%塩化カルシウム水溶液に60分間浸漬した後再び乾燥させて本発明の粒状農薬組成物(2)を得た。
本発明の粒状農薬組成物の押出造粒機による連続造粒性は良好であり、平滑な表面を有する円柱型の粒状物を効率良く製造することができた。
【0037】
製造例3
農薬活性成分化合物(117)5部とホワイトカーボン1部とを混合し、遠心粉砕機で粉砕した。得られた粉砕品にアルギン酸ナトリウム30部とベントナイト富士30部とを加え、さらに炭酸カルシウム粉末を加えて全体を100部とし、ジュースミキサーでよく混合した。混合物に水25部を添加し、ケミカルミキサーで混練し、次いで押出造粒機で造粒して、粒径0.8mm の造粒物を得た。得られた造粒物を50℃で1時間乾燥し、篩で粒径 0.5〜1.0mm の範囲内の粒状物を分取し、20%塩化カルシウム水溶液に60分間浸漬した後再び乾燥させて本発明の粒状農薬組成物(3)を得た。
本発明の粒状農薬組成物の押出造粒機による連続造粒性は良好であり、平滑な表面を有する円柱型の粒状物を効率良く製造することができた。
【0038】
製造例4
農薬活性成分化合物(117)5部とホワイトカーボン1部とを混合し、遠心粉砕機で粉砕した。得られた粉砕品にアルギン酸ナトリウム30部とベントナイト富士5部とを加え、さらにクレーを加えて全体を100部とし、ジュースミキサーでよく混合した。混合物に水25部を添加し、ケミカルミキサーで混練し、次いで押出造粒機で造粒して、粒径1.0mm の造粒物を得た。得られた造粒物を50℃で1時間乾燥し、篩で粒径 0.8〜1.2mm の範囲内の粒状物を分取し、10%塩化カルシウム水溶液に30分間浸漬した後再び乾燥させて本発明の粒状農薬組成物(4)を得た。
本発明の粒状農薬組成物の押出造粒機による連続造粒性は良好であり、平滑な表面を有する円柱型の粒状物を効率良く製造することができた。
【0039】
製造例5
農薬活性成分化合物(117)5部とホワイトカーボン1部とを混合し、遠心粉砕機で粉砕した。得られた粉砕品にアルギン酸ナトリウム30部とベントナイト富士20部とを加え、さらにクレーを加えて全体を100部とし、ジュースミキサーでよく混合した。混合物に水25部を添加し、ケミカルミキサーで混練し、次いで押出造粒機で造粒して、粒径0.8mm の造粒物を得た。得られた造粒物を50℃で1時間乾燥し、篩で粒径 0.5〜1.0mm の範囲内の粒状物を分取し、10%塩化カルシウム水溶液に30分間浸漬した後再び乾燥させて本発明の粒状農薬組成物(5)を得た。
本発明の粒状農薬組成物の押出造粒機による連続造粒性は良好であり、平滑な表面を有する円柱型の粒状物を効率良く製造することができた。
【0040】
製造例6
農薬活性成分化合物(117)5部とホワイトカーボン1部とを混合し、遠心粉砕機で粉砕した。得られた粉砕品にアルギン酸ナトリウム5部とベントナイト富士3部とを加え、さらにクレーを加えて全体を100部とし、ジュースミキサーでよく混合した。混合物に水20部を添加し、ケミカルミキサーで混練し、次いで押出造粒機で造粒して、粒径0.9mm の造粒物を得た。得られた造粒物を50℃で30分間乾燥し、篩で粒径 0.7〜1.4mm の範囲内の粒状物を分取し、10%塩化カルシウム水溶液に10分間浸漬した後再び乾燥させて本発明の粒状農薬組成物(6)を得た。
本発明の粒状農薬組成物の押出造粒機による連続造粒性は良好であり、平滑な表面を有する円柱型の粒状物を効率良く製造することができた。
【0041】
製造例7
製造例6において、ベントナイト富士3部にかえてベントナイト富士30部を用いた以外は全て製造例6と同様にして本発明の粒状農薬組成物(7)を得た。本発明の粒状農薬組成物の押出造粒機による連続造粒性は良好であり、平滑な表面を有する円柱型の粒状物を効率良く製造することができた。
【0042】
製造例8
農薬活性成分化合物(117)4部とホワイトカーボン 0.8部とを混合し、遠心粉砕機で粉砕した。得られた粉砕品にアルギン酸ナトリウム10部とベントナイト富士10部とを加え、さらにクレーを加えて全体を100部とし、ジュースミキサーでよく混合した。混合物に水20部を添加し、ケミカルミキサーで混練し、次いで押出造粒機で造粒して、粒径0.9mm の造粒物を得た。得られた造粒物を50℃で30分間乾燥し、篩で粒径 0.7〜1.4mm の範囲内の粒状物を分取し、10%塩化カルシウム水溶液に30分間浸漬した後再び乾燥させて本発明の粒状農薬組成物(8)を得た。
本発明の粒状農薬組成物の押出造粒機による連続造粒性は良好であり、平滑な表面を有する円柱型の粒状物を効率良く製造することができた。
【0043】
製造例9
農薬活性成分化合物(43)3部、ホワイトカーボン3部、アルギン酸ナトリウム10部およびベントナイト穂高(豊順洋行製)20部を混合し、さらにクレーを加えて全体を100部とし、ジュースミキサーでよく混合した。混合物に水17部を添加し、ケミカルミキサーで混練し、次いで押出造粒機で造粒して、粒径0.7mm の造粒物を得た。得られた造粒物を50℃で30分間乾燥し、篩で粒径0.5〜1.0mm の範囲内の粒状物を分取し、10%塩化カルシウム水溶液に10分間浸漬した後再び乾燥させて本発明の粒状農薬組成物(9)を得た。
本発明の粒状農薬組成物の押出造粒機による連続造粒性は良好であり、平滑な表面を有する円柱型の粒状物を効率良く製造することができた。
【0044】
製造例10
農薬活性成分化合物(114) 0.5部をフェニルキシリルエタン2部に溶解した溶液、ホワイトカーボン2部、アルギン酸ナトリウム20部およびクニゲルV1(クニミネ工業製)10部を混合し、さらに炭酸カルシウム粉末を加えて全体を100部とし、ジュースミキサーでよく混合した。混合物に水20部を添加し、ケミカルミキサーで混練し、次いで押出造粒機で造粒して、粒径1.5mm の造粒物を得た。得られた造粒物を50℃で30分間乾燥し、篩で粒径 1.0〜2.0mm の範囲内の粒状物を分取し、10%塩化カルシウム水溶液に30分間浸漬した後再び乾燥させて本発明の粒状農薬組成物(10)を得た。
本発明の粒状農薬組成物の押出造粒機による連続造粒性は良好であり、平滑な表面を有する円柱型の粒状物を効率良く製造することができた。
【0045】
製造例11
農薬活性成分化合物(114) 0.5部をフェニルキシリルエタン2部に溶解した溶液、ホワイトカーボン2部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム2部、アルギン酸ナトリウム10部およびクニゲルV1 10部を混合し、さらに炭酸カルシウム粉末を加えて全体を100部とし、ジュースミキサーでよく混合した。混合物に水17部を添加し、ケミカルミキサーで混練し、次いで押出造粒機で造粒して、粒径1.2mm の造粒物を得た。得られた造粒物を50℃で30分間乾燥し、篩で粒径 1.0〜1.5mm の範囲内の粒状物を分取し、10%塩化カルシウム水溶液に10分間浸漬した後再び乾燥させて本発明の粒状農薬組成物(11)を得た。
本発明の粒状農薬組成物の押出造粒機による連続造粒性は良好であり、平滑な表面を有する円柱型の粒状物を効率良く製造することができた。
【0046】
製造例12
農薬活性成分化合物(90)3部とホワイトカーボン 0.6部とを混合し、遠心粉砕機で粉砕した。得られた粉砕品にアルギン酸ナトリウム5部とベントナイト富士10部とを加え、さらにクレーを加えて全体を100部とし、ジュースミキサーでよく混合した。混合物に水17部を添加し、ケミカルミキサーで混練し、次いで押出造粒機で造粒して、粒径0.9mm の造粒物を得た。得られた造粒物を50℃で1時間乾燥し、篩で粒径 0.7〜1.4mm の範囲内の粒状物を分取し、20%硝酸カルシウム水溶液に20分間浸漬した後再び乾燥させて本発明の粒状農薬組成物(12)を得た。
本発明の粒状農薬組成物の押出造粒機による連続造粒性は良好であり、平滑な表面を有する円柱型の粒状物を効率良く製造することができた。
【0047】
製造例13
製造例12において、アルギン酸ナトリウム5部にかえてアルギン酸ナトリウム10部を用いた以外は全て製造例12と同様にして本発明の粒状農薬組成物(13)を得た。
本発明の粒状農薬組成物の押出造粒機による連続造粒性は良好であり、平滑な表面を有する円柱型の粒状物を効率良く製造することができた。
【0048】
製造例14
製造例12において、アルギン酸ナトリウム5部にかえてアルギン酸ナトリウム20部を用いた以外は全て製造例12と同様にして本発明の粒状農薬組成物(14)を得た。
本発明の粒状農薬組成物の押出造粒機による連続造粒性は良好であり、平滑な表面を有する円柱型の粒状物を効率良く製造することができた。
【0049】
製造例15
製造例12において、農薬活性成分化合物(90)3部にかえて1.5 部、ホワイトカーボン 0.6部にかえて0.3 部、アルギン酸ナトリウム5部にかえて20部、水17部にかえて20部を用いた以外は全て製造例12と同様にして本発明の粒状農薬組成物(15)を得た。
本発明の粒状農薬組成物の押出造粒機による連続造粒性は良好であり、平滑な表面を有する円柱型の粒状物を効率良く製造することができた。
【0050】
次に、本発明の粒状農薬組成物が農薬活性成分化合物の徐放化に有効であることを試験例にて示す。
試験例1
500mlビーカー中に、上述の製造例14で得た組成物1gと3度硬水300mlとを入れ、緩やかに攪拌した。水温を25±1℃に設定し、所定時間後にビーカー中央部より試験液を1ml採取して、液体クロマトグラフィーにより試験液中の農薬活性成分量を測定した。次式、
【数1】
により、溶出率を求めた。
結果を表1に示す。
【0051】
【表1】
上表に示されるように、本発明の粒状農薬組成物は農薬活性成分の徐放化が付与されており、10日後以降においても溶出が認められる。
【0052】
試験例2
5000分の1アールのワグネルポットにイヌホタルイの種を播種し、ガラス温室内に放置した。イヌホタルイの発芽前に本発明の粒状農薬組成物(8)の 300g/アール相当量を処理し、ワグネルポットを漏水条件下に静置した。粒状農薬組成物(8)の処理14日後、28日後および35日後に各々ワグネルポットを観察して、除草効果を目視により、0(無効)〜100(完全枯死)の数値で評価した。
結果を表2に示す。
【表2】
上表に示されるように、本発明の粒状農薬組成物は長期間にわたって高い除草効果を維持していた。
【0053】
【発明の効果】
本発明の粒状農薬組成物は、農薬活性成分を徐々に放出することが可能であるため、該活性成分による効果を長期間にわたって持続させることができる。また、造粒性に優れることから、製造時のスクリーンの目詰まりや造粒物の破損が少なく、連続生産の行い易いものである。
Claims (4)
- 有害生物防除活性成分または植物生長調節活性成分である農薬活性成分、水不溶性アルギン酸塩およびベントナイトを含有することを特徴とする粒状農薬組成物。
- 水不溶性アルギン酸塩が三次元網状構造であるマトリックスを形成することにより、農薬活性成分の放出が制御されてなる請求項1記載の粒状農薬組成物。
- 有害生物防除活性成分または植物生長調節活性成分である農薬活性成分、アルギン酸またはアルギン酸の水溶性塩、およびベントナイトを含有する粒状物を、水不溶性アルギン酸塩を形成し得る二価以上のカチオンを含有する水溶液で処理することを特徴とする粒状農薬組成物の製造方法。
- 有害生物防除活性成分または植物生長調節活性成分である農薬活性成分、アルギン酸またはアルギン酸の水溶性塩、およびベントナイトを含有する組成物を、押出造粒し、得られた造粒物を水不溶性アルギン酸塩を形成し得る二価以上のカチオンを含有する水溶液で処理することを特徴とする粒状農薬組成物の製造方法。
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