JP3567439B2 - 硫黄鋳込装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、ロングシャフトの内面加工に用いる硫黄鋳込装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ジェットエンジンのタービンとファン(又はコンプレッサ)を連結するために、ロングシャフトと呼ばれる図3に例示するような細長い中空軸(例えば全長約3m、主要部の外径10〜20cm)が用いられる。
かかるロングシャフトは、軽量化のため薄肉であり、かつタービンと共に高速回転するため高い回転バランス精度が要求される。そのため、通常の内面加工装置(例えば中ぐり盤)の適用は困難であり、図4に例示するような加工工程が適用される。
【0003】
すなわち、(A)ロングシャフト1の外面を粗加工後、(B)コアバー2とロングシャフト1との隙間へ硫黄3を鋳込み、(C)硫黄の凝固後、コアバーとほぼ同径のボーリングバー4を挿入し、(D)ボーリングバーを引き抜きながら、先端部5の工具6で内面を加工する手段が用いられる。かかる手段により、ボーリングバーの先端部5を凝固した硫黄3で支持することができ、先端工具6の芯振れを防ぎ、硫黄と共に内面を加工することにより、内径振れの少ないロングシャフトを加工することができる。
【0004】
図4に例示した加工を実施するために、図5(A)に示す硫黄鋳込装置が従来から用いられている。この硫黄鋳込装置は、ロングシャフト1の一端(下端)を支持するボトムフランジ7と、他端(上端)を支持するアッパーフランジ8とを備え、アッパーフランジ8を垂直に上下動させて両フランジ7、8の間にロングシャフト1を垂直に挟持し、その下端から溶融硫黄を充填(鋳込)するようになってる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図5(A)に示した硫黄鋳込装置では、ボトムフランジ7とアッパーフランジ8を同軸に配置し、コアバー2をアッパーフランジ8に同軸に固定し、かつロングシャフト1の上端をアッパーフランジ8により同軸に保持することにより、充填された硫黄3の内面をロングシャフト1と同軸に位置決めする。
【0006】
しかし、従来の硫黄鋳込装置では、アッパーフランジ8が鋳込前のロングシャフト1の上端位置に固定されて移動できないため、ロングシャフト1が自由に熱膨張できない問題点があった。そのため、高温(例えば約135℃)の溶融硫黄を充填すると、ロングシャフト1が加熱され、その熱膨張によりロングシャフト1の軸心が図5(B)に示すように水平方向に撓み(例えば0.1mm程度)、充填され凝固した硫黄3の内面(すなわち、コアバー2の外面)とロングシャフト1の内面とに芯ズレが生じる問題点があった。
【0007】
かかる芯ズレが生じると、図4に例示した加工手段における(D)ボーリングバー加工において、芯ズレのある硫黄3の内面により支持された先端部5の工具6で内面を加工することになり、ロングシャフト1の内面に曲がりが生じてしまう問題点があった。
【0008】
本発明はかかる問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、ロングシャフトが熱膨張しても、ロングシャフトとコアバーの軸心を同軸に保持することができる硫黄鋳込装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、ロングシャフトの一端を水密に保持するボトムフランジと、ロングシャフトの他端を保持するアッパーフランジと、アッパーフランジをボトムフランジと平行かつ同軸に保持しかつ軸線に沿って移動する移動装置と、ボトムフランジの内側に溶融硫黄を供給する硫黄充填機とを備え、アッパーフランジは、細長いコアバーが同軸に固定されるコアバー固定部と、ロングシャフト内部を外部と連通させる連通孔とを有し、前記移動装置は、アッパーフランジとボトムフランジの軸線に沿って移動する移動台と、該移動台にアッパーフランジをボトムフランジと平行かつ同軸に保持するガイドと、移動台とアッパーフランジの間に挟持されアッパーフランジをボトムフランジに向かって弾性的に付勢する付勢装置とを有し、ボトムフランジとアッパーフランジの間にロングシャフトを挟持し、ロングシャフトとコアバーの間に溶融硫黄を充填することにより、凝固した硫黄の内面をロングシャフトの内面と同軸に位置決めする、ことを特徴とする硫黄鋳込装置が提供される。
【0010】
本発明の好ましい実施例によれば、前記付勢装置は、積層された複数の皿バネからなる。また、前記アッパーフランジとボトムフランジの軸線は、垂直であり、ボトムフランジはロングシャフトの下端を保持し、アッパーフランジはロングシャフトの上端を保持する、ことが好ましい。
【0011】
【作用】
上記本発明の構成によれば、ロングシャフトの他端がアッパーフランジに保持され、軸線に沿って移動する移動台とアッパーフランジの間に付勢装置が挟持され、この付勢装置によりアッパーフランジが弾性的に付勢されているので、ロングシャフトが熱膨張しても、付勢装置が縮むことによりロングシャフトの自由な熱膨張を許容し、かつロングシャフトの他端をボトムフランジと平行かつ同軸に保持することができ、ロングシャフトとコアバーの軸心を同軸に保持することができる。
【0012】
【実施例】
以下、本発明の好ましい実施例を図面を参照して説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付して使用する。
図1は、本発明による硫黄鋳込装置の全体斜視図である。この図において、本発明の硫黄鋳込装置10は、ロングシャフト1の一端を水密に保持するボトムフランジ7と、ロングシャフト1の他端を保持するアッパーフランジ8と、アッパーフランジ8をボトムフランジ7と平行かつ同軸に保持しかつ軸線Zに沿って移動する移動装置12と、ボトムフランジ7の内側に溶融硫黄を供給する硫黄充填機14とを備えている。アッパーフランジ8とボトムフランジ7の軸線Zは、図1の実施例において垂直であり、ボトムフランジ7はロングシャフト1の下端を保持し、アッパーフランジ8はロングシャフト1の上端を保持する。なお本発明はかかる構成に限定されず、例えば軸線Zを水平に保持してもよい。
【0013】
図2は、図1のA−A線における部分断面図である。この図に示すように、アッパーフランジ8は、細長いコアバー2をロングシャフト1と同軸に固定するコアバー固定部8aと、ロングシャフト1の内部を外部と連通させる連通孔8bとを有している。コアバー2のアッパーフランジ8への固定は、図示しない適当な手段、例えばボルト・ナットによる。かかる構成により、ロングシャフト1とコアバー2を同軸に保持し、その間の空気、硫黄ガス、或いは溶融硫黄を連通孔8bを介して外部に抜き出すことができる。
【0014】
移動装置12は、図1に示すように、2本のレール12aと送りネジ12bを有し、送りネジ12bの回転により移動台15をレール12aに沿って移動させるようになっている。更に図2に示すように、移動装置12は、アッパーフランジ8とボトムフランジ7の軸線Zに沿って移動する移動台15と、移動台15にアッパーフランジ8をボトムフランジ7と平行かつ同軸に保持するガイド16と、移動台15とアッパーフランジ8の間に挟持されアッパーフランジ8をボトムフランジ7に向かって(図で下方に)弾性的に付勢する付勢装置18とを有している。
【0015】
ガイド16は、図2において両端が移動台15に固定された2本の平行な丸棒からなり、この丸棒によりアッパーフランジ8をボトムフランジ7と平行かつ同軸に保持しかつ軸線Zに沿って移動可能に保持している。なお、ガイド16は、丸棒に限定されず、周知の適当な直線ガイドであってもよい。
【0016】
付勢装置18は、図2において積層された複数の皿バネからなる。アッパーフランジ8とロングシャフト1の上端とが常に密接するように皿バネの枚数を設定するのがよい。なお、本発明は皿バネに限定されず、例えばコイルバネ、弾性ゴム等であってもよい。
更に、図1に示すように、硫黄充填機14は、溶融硫黄を内部に保有する加熱容器14aと、この加熱容器14aから溶融硫黄をボトムフランジ7の内側に導く硫黄供給ライン14bとからなる。加熱容器14aは、上部に加圧ガス(例えば空気)を供給できるようになった密閉容器であり、適当量の加圧ガスを供給することにより、ロングシャフト1の内部に溶融硫黄を充填することができるようになっている。
【0017】
上述した構成により、ボトムフランジ7とアッパーフランジ8の間にロングシャフト1を垂直に挟持し、ロングシャフト1とコアバー2の間に溶融硫黄を充填することにより、凝固した硫黄の内面をロングシャフトの内面と同軸に位置決めすることができる。
また、本発明の構成によれば、ロングシャフト1の他端(上端)がアッパーフランジ8に保持され、軸線Zに沿って移動する移動台15とアッパーフランジ8の間に付勢装置18が挟持され、この付勢装置18によりアッパーフランジ8が弾性的に付勢されているので、ロングシャフト1が上下方向に熱膨張しても、付勢装置18が上方に縮むことによりロングシャフト1の他端をボトムフランジ7と平行かつ同軸に保持することができ、ロングシャフト1とコアバー2の軸心を同軸に保持することができる。
【0018】
なお、本発明は上述した実施例に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できることは勿論である。
【0019】
【発明の効果】
上述したように、本発明の硫黄鋳込装置は、ロングシャフトが熱膨張しても、ロングシャフトとコアバーの軸心を同軸に保持することができる、等の優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による硫黄鋳込装置の構成図である。
【図2】図1のA−A線における部分断面図である。
【図3】ロングシャフトの部分断面図である。
【図4】従来の加工手段の工程説明図である。
【図5】従来の硫黄鋳込装置の構成図である。
【符号の説明】
1 ロングシャフト
2 コアバー
3 硫黄
4 ボーリングバー
5 先端部
6 工具
7 ボトムフランジ
8 アッパーフランジ
8a コアバー固定部
8b 連通孔
10 硫黄鋳込装置
12 移動装置
12a レール
12b 送りネジ
14 硫黄充填機
15 移動台
16 ガイド
18 付勢装置
Claims (3)
- ロングシャフトの一端を水密に保持するボトムフランジと、ロングシャフトの他端を保持するアッパーフランジと、アッパーフランジをボトムフランジと平行かつ同軸に保持しかつ軸線に沿って移動する移動装置と、ボトムフランジの内側に溶融硫黄を供給する硫黄充填機とを備え、
アッパーフランジは、細長いコアバーが同軸に固定されるコアバー固定部と、ロングシャフト内部を外部と連通させる連通孔とを有し、
前記移動装置は、アッパーフランジとボトムフランジの軸線に沿って移動する移動台と、該移動台にアッパーフランジをボトムフランジと平行かつ同軸に保持するガイドと、移動台とアッパーフランジの間に挟持されアッパーフランジをボトムフランジに向かって弾性的に付勢する付勢装置とを有し、
ボトムフランジとアッパーフランジの間にロングシャフトを挟持し、ロングシャフトとコアバーの間に溶融硫黄を充填することにより、凝固した硫黄の内面をロングシャフトの内面と同軸に位置決めする、ことを特徴とする硫黄鋳込装置。 - 前記付勢装置は、積層された複数の皿バネからなる、ことを特徴とする請求項1に記載の硫黄鋳込装置。
- 前記アッパーフランジとボトムフランジの軸線は、垂直であり、ボトムフランジはロングシャフトの下端を保持し、アッパーフランジはロングシャフトの上端を保持する、ことを特徴とする請求項1に記載の硫黄鋳込装置。
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JP24738394A JP3567439B2 (ja) | 1994-10-13 | 1994-10-13 | 硫黄鋳込装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP24738394A JP3567439B2 (ja) | 1994-10-13 | 1994-10-13 | 硫黄鋳込装置 |
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JPH08112708A JPH08112708A (ja) | 1996-05-07 |
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Family Applications (1)
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JP24738394A Expired - Fee Related JP3567439B2 (ja) | 1994-10-13 | 1994-10-13 | 硫黄鋳込装置 |
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JP (1) | JP3567439B2 (ja) |
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1994
- 1994-10-13 JP JP24738394A patent/JP3567439B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH08112708A (ja) | 1996-05-07 |
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