JP3567357B2 - 商品陳列棚の組立式基体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、商品陳列棚における基体の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の商品陳列棚の基体、すなわち陳列する商品の種類によって異なる商品載置用の棚や、小物商品吊支用の吊支具などの商品陳列部を除いた、基本となる共通の部分である基体は、強靭さや設置時の施工容易性が重視され、溶接等によって強固に一体化されているのが一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような工場等で一体化された基体は、輸送時の効率が悪いので、現地組立式の基体が望まれることがあるが、従来の組立式基体は、概して基体自体の剛性が低く、側部フレームの前方部分が振れたり、側部フレームと後面フレームとの結合角度が不安定になったりするという欠点があった。
【0004】
本発明は、上述の従来の問題点に鑑み、組立式であるにも拘わらず、振れ等のない、剛性の高い基体であって、かつ輸送時には、側部フレームと後面フレームという比較的偏平の部品に分離して、輸送効率が高くなるようにした商品陳列棚の基体を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明によると、上記課題は、次のようにして解決される。
(1) 上下左右の枠部材を有し、左右の枠部材の外側面には、側方を向く掛金具を突設し、かつ下部の枠部材には、前方に張り出す板部材を備える方形の後面フレームと、支柱と、その下端から前方に延びる水平脚杆とからなり、支柱の内側面に、前記掛金具と対応する係止孔を穿設し、前記水平脚杆の内側面には、水平方向の取付金具を設けた、側面視前向L字状の左右1対の側部フレームとを備え、前記後面フレームの左右の掛金具を、前記1対の側部フレームの係止孔に引っかけて固定し、前記後面フレームにおける前方に張り出す板部材に設けた左右に並ぶボルト孔と、前記側部フレームにおける取付金具に設けた左右に並ぶボルト孔とを整合させて、ボルトにより締結する。
【0006】
(2) 上記(1)項において、後面フレームの下端から前方に延びる板部材の上面に、前方を向き、かつ下部枠部材と平行をなすL金具を取り付け、このL金具と前記下部枠部材との間の間隙に、底部棚板の後縁に設けた内方折り返し部を嵌合して取り付ける。
【0007】
(3) 上記(1)または(2)項において、後面フレームに、水平をなして上下に並ぶ複数の吊支杆を配設する。
【0008】
【発明の実施の形態】
【0009】
図1は、本発明の組立式基体の一実施例を分解状態において示すもので、この組立式基体は、例えばスーパーマーケット等において、多数の小物商品を吊支具に吊支して陳列販売する商品陳列棚の基体となる。
【0010】
この組立式基体は、中央の後面フレーム(1)と、左右の側部フレーム(2)と、底部棚板(3)とを主要構成部品としている。
【0011】
後面フレーム(1)は、上部の枠部材(1a)、左右側部の枠部材(1b)及び下部の枠部材(1c)とを方形に組み合わせてなり、その中に、水平をなして上下に並ぶ複数の吊支杆(4)が配設されている。
図示していないが、吊支杆(4)には、複数の前方に延びる吊支具を取り付け、これに複数の小物商品を重ねて吊り下げて陳列する。
【0012】
左右両側部の枠部材(1b)の外側縁には、フックのような掛金具(5)が、図示の場合には、上下方向に3つ間隔を隔てて突設されている。
【0013】
下部の枠部材(1c)の下端には、その全長にわたって水平に延びる板部材(6)が、前方に張り出すように溶接されている。
板部材(6)の上面には、前方を向くL金具(7)が2個、下部の枠部材(1c)と平行に取り付けられており、下部枠部材(1c)との間に所定の間隔が形成されている。
板部材(6)の前部の左右両端に近い位置には、2個ずつのボルト孔(8)が穿設されている。
【0014】
左右1対の側部フレーム(2)は、垂直に延びる支柱(9)と、支柱(9)の下端に溶接され、前方に延びる水平脚杆(10)とを主要部品としてなるL字形の形状のものである。
【0015】
支柱(9)の内側面における、後面フレーム(1)の掛金具(5)と対応する位置には、係止孔(11)が穿設されている。
【0016】
水平脚杆(10)の内側の高さ方向の中間には、その前後方向の全長にわたって延びる支持板(12)が、水平に取り付けられている。支持板(12)の下には、キャスター(13)が取り付けられている。
また、水平脚杆(10)の下面には、アジャスター(14)が取り付けられている。
【0017】
支持板(12)の後部の上面には、折り曲げた鋼板から成る取付金具(15)が溶接され、その水平の上片は、を側部フレーム(2)の側面に溶接されている。
図示の実施例では、支持板 (12) の上片は、水平脚杆(10)の上面よりわずか高い程度の高さとされている。
【0018】
この上片には、前述の後面フレーム(1)の板部材(6)のボルト孔(8)と対応する2つのボルト孔(16)が穿設されており、各ボルト孔(16)の裏には、ナット(図示されてない)が溶接されている。
【0019】
底部棚板(3)は、鋼板の4辺を下方に折り曲げて側部部分を形成し、この側部部分の端縁を内側に折り返して、強度の大きな棚板としたもので、その左右の後隅部を切り欠いて、側部フレーム(2)の支柱(9)に嵌合する切り欠き部(17)を形成してある。
【0020】
図1の右下部の切り欠き部(17)内に見える後部の内方折り返し部分(3a)は、前述の後面フレーム(1)の板部材(6)の上面に取り付けてあるL金具(7)と、その下部枠部材(1c)との間の間隙に合致する長さとしてある。
【0021】
組立に当たっては、後面フレーム(1)の左右側縁から突出する掛金具(5)を、左右の側部フレーム(2)の内側の係止孔(11)に差し込み、図2に示すように、係止させて、後面フレーム(1)の側部の枠部材(1b)と側部フレーム(2)の支柱(9)とを一体に係合させる。
この状態では、後面フレーム(1)の下端の板部材(6)は、側部フレーム(2)の取付金具(15)の上に丁度載置される関係となり、板部材(6)のボルト孔(8)は、取付金具(15)のボルト孔(16)に整合するので、ボルト(18)により両者としっかりと締結する。
【0022】
最後に、図3に示すように、底部棚板(3)の後部の内方折り返し部分(3a)を、後面フレーム(2)の下部枠部材(1c)とL金具(7)との間に差し入れ、切り欠き部(17)を支柱(9)に合わせて、底部棚板(3)を載置する。
【0023】
【発明の効果】
本発明によれば、後面フレームの下端の突設した板部材を、側部フレームの水平脚杆の内側面に突設した取付金具に締結しているので、組立式の基体であるのも拘わらず、振れ等のない、側部フレームと後面フレームとの結合角度が安定している、剛性の高い基体となる。輸送時には、側部フレーム及び後面フレームという、実質的に板状の部品に分解しておけるので、輸送効率が高い商品陳列棚の組立式基体を提供できる。
【0024】
請求項2記載の発明によると、後面フレームの下端から前方に延びる板部材の上面に、下部枠部材と平行に延びるL金具を取り付け、このL金具と前記下部枠部材との間の間隙に対応する長さの内方折り返し部分を有する底部棚板を取り付けてあるから、底部棚板を確実に位置決めすることができる。
【0025】
請求項3記載の発明によると、後面フレームには、水平をなして上下に並ぶ複数の吊支杆を配設してあるから、この基体を使って、多数の小物商品を吊支具に吊支して陳列販売する商品陳列棚を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる商品陳列棚の基体の分解斜視図である。
【図2】組み立てた状態における後面フレームと側部フレームとの連結部の一部破断拡大正面図である。
【図3】後面フレームの板部材と側部フレームの連結金具との取付状態を示す拡大縦断面図である。
【符号の説明】
(1)後面フレーム
(1a)(1b)(1c)枠部材
(2)側部フレーム
(3)底部棚板
(3a)内方折り返し部分
(4)吊支杆
(5)掛金具
(6)板部材
(7)L金具
(8)ボルト孔
(9)支柱
(10)水平脚杆
(11)係止孔
(12)支持板
(13)キャスター
(14)アジャスター
(15)取付金具
(16)ボルト孔
(17)切り欠き部
(18)ボルト
Claims (3)
- 上下左右の枠部材を有し、左右の枠部材の外側面には、側方を向く掛金具を突設し、かつ下部の枠部材には、前方に張り出す板部材を備える方形の後面フレームと、支柱と、その下端から前方に延びる水平脚杆とからなり、支柱の内側面に、前記掛金具と対応する係止孔を穿設し、前記水平脚杆の内側面には、水平方向の取付金具を設けた、側面視前向L字状の左右1対の側部フレームとを備え、前記後面フレームの左右の掛金具を、前記1対の側部フレームの係止孔に引っかけて固定し、前記後面フレームにおける前方に張り出す板部材に設けた左右に並ぶボルト孔と、前記側部フレームにおける取付金具に設けた左右に並ぶボルト孔とを整合させて、ボルトにより締結したことを特徴とする商品陳列棚の組立式基体。
- 後面フレームの下端から前方に延びる板部材の上面に、前方を向き、かつ下部枠部材と平行をなすL金具を取り付け、このL金具と前記下部枠部材との間の間隙に、底部棚板の後縁に設けた内方折り返し部を嵌合して取り付けたことを特徴とする請求項1記載の商品陳列棚の組立式基体。
- 後面フレームに、水平をなして上下に並ぶ複数の吊支杆を配設したことを特徴とする請求項1または2記載の商品陳列棚の組立式基体。
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