JP3567207B2 - 大型構造物下の地盤土質調査法及び装置 - Google Patents

大型構造物下の地盤土質調査法及び装置 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は既設貯油タンク等の大型構造物直下の地盤土質を調査する方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
既設貯油タンク等の大型構造物の直下の基礎地盤は地下水の浸透、地盤の圧縮、膨張、風化及び地震その他の振動等を受けて変形、沈下、破壊等の経年変化を伴う。特に地震の際に発生する地盤の液状化、基礎の滑り等については上記大型構造物の安全性の確保、管理の面から防止対策を行うために、上記直下の地盤土質調査が必要とされる。小容量の貯油タンク等の構造物にあっては、貯油タンクの直径も小さいので、上記貯油タンクの外周地盤より垂直ボーリングを行ない、地盤の土質調査によってその地盤の性状を知ることができる。
【0003】
しかしながら、直径が数十メートルの既設貯油タンク等の大型構造物の直下の基礎地盤にあっては、上述したような外周地盤よりの垂直ボーリングをもってしては、上記構造物の直下の地盤の性状を知ることができない。
【0004】
従来技術として、大型構造物の直下に湾曲して掘削するため、長手方向に湾曲する外管と内管とにより内管の先端に取付けたビットを外管の内壁に対して偏心させながら湾曲状に掘削する技術はすでに実用化されている(例えば、特公平4−64396号公報)。
【0005】
しかしながら、上記技術は、大型構造物直下に向って湾曲して掘削するものであるものの、大型構造物の直下の地盤土質を調査する技術はまだ提供されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以上の事情に鑑みてなされたものであり、既設貯油タンク等の大型構造物に悪影響をもたらすことなく、大型構造物下の直下の地盤土質状況を調査あるいは監視できる大型構造物下の地盤調査法及び装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、大型構造物の直下の地盤土質を調査する方法において、大型構造物の外周地盤よりこの大型構造物の直下に向って長手方向で湾曲した外管と先端部に駆動ユニット及びビットを着脱自在に備えかつ長手方向で湾曲した内管とを含んでなる掘削機を用いて地盤を掘削、推進させ、次いで、前記先端部のビットが所定位置に到達した際前記内管を地上に引き抜くとともに先端部の駆動ユニット及びビットを、シンウォールチューブと、このシンウォールチューブをねじにより着脱自在とする取付具とから成る採取具と交換し、次いで、前記シンウォールチューブの反対側に設けた取付具のねじ部を介して採取具を装着した内管を再び地盤に挿入させ前記所定位置にて採取具の圧入により土質試料をシンウォールチューブ内に取込み採取するとともに、採取した土質試料によって圧縮されたガスを内部にリリーフバルブを備えた取付具を介して外部へ吐出させることを特徴とする。
【0008】
また上記目的を達成するため、本発明による大型構造物下の地盤土質調査装置は、大型構造物の外周地盤よりこの大型構造物の直下に向かって地盤を湾曲して掘進、推進する掘削機は長手方向で湾曲した外管と先端部に駆動ユニット及びビットを着脱自在に備えかつ長手方向で湾曲した内管とを含んでなり、前記先端部のビットが所定位置に到達した際、前記内管は地上に引き抜き自在とするとともに先端部の駆動ユニット及びビットと土質試料を採取する採取具とが交換自在とされ、シンウォールチューブと、このシンウォールチューブをねじにより着脱自在とする取付具とから成る採取具を装着した内管を地盤に挿入させ、採取具は前記所定位置にて圧入により土質試料をシンウォールチューブ内に取込み採取する構造となっており、前記採取具は、採取した土質試料によって圧縮されたガスを外部へ吐出させるリリーフバルブを内部に備えた取付具の前記シンウォールチューブの反対側に設けたねじ部を介して内管の先端部に着脱可能となっていることを特徴とする。
【0009
【作用】
掘削機により大型構造物の直下に向って地盤を湾曲して掘削して調査孔を形成し、土質調査すべき所定位置までに到達した場合掘削機の内管を抜き取り、先端部を採取具またはペネトロメータと交換して再び調査孔内に挿入し、上記所定位置における土質試料の採取または貫入抵抗の測定を行う。上記操作の繰返しによる大型構造物の直下の多点の所定位置において地盤土質を確実に調査することができる。
【0010
【実施例】
本発明の一実施例を図1に示す。図1は、湾曲した外管1、湾曲した内管2、内管2の先端に設けた駆動ユニッ3、駆動ユニット3の先端に設けた回転部3a、回転部3aの先端に設けられたビット4ならびに回転部3aの周方向に設けられたビット5にて構成された掘削機10である。
【0011
駆動ユニット3の回転部3aを外管1先端より突出させて駆動し、ビット4および5により地盤中を掘削しながら内管2および外管1を推進される。この推進は地上より圧入により行われ、比較的短い湾曲管を継足しながら所定位置までに到達される。このさいの所定位置としては多点に選択しうる。
【0012
図2において、既設の大型構造物12は地盤14上に立設されており、大型構造物12の外周地盤よりこの構造物12の直下に向って地盤14を掘削する場合、前記掘削機10を用いて湾曲した調査孔が得られるように掘削、推進され、内管2の先端部である回転部3aのビット4が土質調査すべき所定位置までに到達した場合、駆動ユニット3を停止させ、内管2を地上まで引き抜くとともに、上記駆動ユニットの交換を行う。
【0013
図3,4において、内管2の駆動ユニット3を土質試料を採取する採取具20と交換し、採取具20をカップリング2aに装着した内管2を外管1の内部に移動させ、採取具20が上記所定までに到着した場合、図示しない加圧手段により地盤14に挿入させて採取具20内に土質試料を採取する。次いで、内管2を地上まで引き抜くとともに、採取具20をカップリング2aより脱着して採取具20から試料を取り出して土質調査の試験を行う。
【0014
引続き、内管2に上記駆動ユニット3を装着して再び掘削機10として、新たな所定位置まで掘削、推進することが繰返される。
【0015
採取具20としては、シンウォールオープンサンプラーが好適であり、シンウォールチューブ22内に土質試料が取り込まれるようにされている。21はシンウォールチューブ22の反対側に設けた取付具23のねじ部であり、上記カップリング2aと着脱自在に装着され、また、上記チューブ22は取付23とねじにより着脱自在とされている。24は取付具23の内部に設けたリリーフバルブであり、上記チューブ22内のガスが土質試料が取り込まれるさいに圧縮され、一定圧力以上になると上記バルブ24を開放して吐出させ、シンウォールチューブ22内の試料の採集を円滑とし、しかも土質試料の性状が不安定になることを防止している。
【0016
図5に示す実施例は、内管2の先端部にペネトロメータ30を装着して地盤14の貫入抵抗を測定するものであり、カップリング2b、ペネトロメータ30を除き、図3,4に示した実施例と同一である。
【0017
上記ペネトロメータ30としてはコーンペトロメータが好適とされ、図示しない加圧手段により地盤14に貫入させ、押込み力や押込み量などのデータは検出手段を用いて地上にて受信できるようにされている。
【0018
なお、地盤14の所定位置にピエゾメータ、その他の観測計器を埋設し、その地盤14において長期的な地盤の観測あるいは監視を行うことも可能である。
【0019
このようにして、大型構造物の直下の地盤の土質調査もしくは監視を行うことにより、上記地盤が液状化あるいは多量の水分含有の有無を未然に知り、その対応策により、上記大型構造物の倒壊などを未然に防止することができる。
【0020
【発明の効果】
本発明に係る大型構造物下の地盤土質調査法及び装置を用いて土質調査すると、大型構造物に悪影響をもたらすことなく、大型構造物の直下の多点の所定位置において広範囲にわたり地盤土質を確実に調査することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するために好適な装置の全体構成図である。
【図2】同掘削機による地盤掘削の説明図である。
【図3】同採取具による試料採取の説明図である。
【図4】同採取具による試料採取の詳細図である。
【図5】同ペネトロメータによる貫入抵抗測定の説明図である。
【符号の説明】
1 外管
2 内管
4,5 ビット
10 掘削機
12 大型構造物
20 採取具
30 ペネトロメータ

Claims (2)

  1. 大型構造物の直下の地盤土質を調査する方法において、大型構造物の外周地盤よりこの大型構造物の直下に向って長手方向で湾曲した外管と先端部に駆動ユニット及びビットを着脱自在に備えかつ長手方向で湾曲した内管とを含んでなる掘削機を用いて地盤を掘削、推進させ、次いで、前記先端部のビットが所定位置に到達した際前記内管を地上に引き抜くとともに先端部の駆動ユニット及びビットを、シンウォールチューブと、このシンウォールチューブをねじにより着脱自在とする取付具とから成る採取具と交換し、次いで、前記シンウォールチューブの反対側に設けた取付具のねじ部を介して採取具を装着した内管を再び地盤に挿入させ前記所定位置にて採取具の圧入により土質試料をシンウォールチューブ内に取込み採取するとともに、採取した土質試料によって圧縮されたガスを内部にリリーフバルブを備えた取付具を介して外部へ吐出させることを特徴とする大型構造物下の地盤土質調査法。
  2. 大型構造物の外周地盤よりこの大型構造物の直下に向かって地盤を湾曲して掘進、推進する掘削機は長手方向で湾曲した外管と先端部に駆動ユニット及びビットを着脱自在に備えかつ長手方向で湾曲した内管とを含んでなり、前記先端部のビットが所定位置に到達した際、前記内管は地上に引き抜き自在とするとともに先端部の駆動ユニット及びビットと土質試料を採取する採取具とが交換自在とされ、シンウォールチューブと、このシンウォールチューブをねじにより着脱自在とする取付具とから成る採取具を装着した内管を地盤に挿入させ、採取具は前記所定位置にて圧入により土質試料をシンウォールチューブ内に取込み採取する構造となっており、前記採取具は、採取した土質試料によって圧縮されたガスを外部へ吐出させるリリーフバルブを内部に備えた取付具の前記シンウォールチューブの反対側に設けたねじ部を介して内管の先端部に着脱可能となっていることを特徴とする大型構造物下の地盤土質調査装置。
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