JP3567140B2 - 縦型ポンプの診断装置および診断方法 - Google Patents

縦型ポンプの診断装置および診断方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、縦型ポンプの回転軸の振動を検出して軸受摩耗量および摩耗進展量を推定する縦型ポンプの診断装置および診断方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図6は発電プラントなどで用いられる縦型ポンプを示す縦断面図である。図6に示すように、この種の縦型ポンプ1は、モータ台2と、このモータ台2の下部に連設された揚水管3と、この揚水管3の下部に上下方向2段連設されたケーシング4とを備えている。
【0003】
また、モータ台2の上部には、駆動源であるモータ5が設置され、このモータ5の出力軸5aが駆動連結部2内まで延びてカップリング6を介して回転軸7と連結されている。この回転軸7は、揚水管3内を経てケーシング4内を通りケーシング4下部に配置した吸込み口8まで延びている。
【0004】
さらに、上下方向2段に連設されたケーシング4内の回転軸7には、それぞれ水中軸受9を介して羽根車10が連結されている。そして、水中軸受9は、揚水管3の連結部3a内においても回転軸7を支持している。
【0005】
このように構成された縦型ポンプ1は、モータ5を回転駆動させ、羽根車10が連結された回転軸7を回転させることにより、吸込み口8から流体を吸い込み、揚水管3の内部に吸い上げ、揚水管3の排出口11から排出する構造となっている。
【0006】
ところで、回転軸7は、上記のように複数の水中軸受9により支持されている。これらの水中軸受9は、流体中に混入する異物などにより摩耗を回避することができないのが現状である。特に、縦型ポンプを海水ポンプとして使用した場合には、海水中に混入した砂により摩耗が進行しやすい。水中軸受9が摩耗した状態をそのまま放置しておくと、羽根車10がケーシング4と接触することになる。
【0007】
このような事態を防止するため、予め水中軸受9には、許容される摩耗量が設定されており、通常、定期的な分解点検により、水中軸受9の摩耗量を計測し、この計測結果に基づいて水中軸受9の寿命を監視している。
【0008】
また、この種の縦型ポンプ1の場合には、水中軸受9の潤滑剤が水などのように粘性の低い流体であるため、回転軸7は水中軸受9に対するクリアランス限度まで振れ回る。そのため、水中軸受9での軸振動は、軸受クリアランスとほぼ等しい値になるため、揚水管3内部の水中軸受9近傍に渦電流式変位計などの非接触軸変位計12を設置し、この非接触軸変位計12に接続されたケーブル13を介して図示しない監視装置により水中軸受9の軸振動の変化を監視して、軸受摩耗量を推定し、軸受交換時期を予測するようにしている(例えば、特開平5−118298号公報参照)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来例では、揚水管3内部の水中軸受9近傍に渦電流式変位計などの非接触軸変位計12を設置することにより、水中軸受9の軸振動の変化を監視して軸受摩耗量を推定するため、縦型ポンプの構造によっては軸受近傍への非接触軸変位計12の設置が困難なため、軸受から離れた位置の軸振動しか測定することができない場合があり、摩耗量の推定精度は低くなるという課題がある。
【0010】
また、揚水管3内部に非接触軸変位計12を設置するには、揚水管3内に貫通する孔開け加工が必要となるため、設置状態にあるポンプに新たに非接触軸変位計12を追加設置することは非常に困難な作業である。加えて、監視すべき軸受が複数設けられている場合には、全ての軸受に対して非接触軸変位計12を設置する必要があり、その分、取付作業量が増加することになる。
【0011】
他方、縦型ポンプ1の分解点検は、大掛かりな作業となることから、その頻度を多くすることができないため、軸受の摩耗寿命に対して十分余裕があるにも拘らず、早めに軸受を交換している場合が多い。
【0012】
そこで、本発明は上記事情を考慮してなされたもので、孔開け加工が不要で、軸受の摩耗を定量的に、かつ高精度に推定可能な縦型ポンプの診断装置および診断方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、縦型ポンプの揚水管およびケーシングのいずれかに設置され、前記縦型ポンプの回転軸を支持する軸受部から離れた位置で前記回転軸の振動を測定する超音波式振動計と、測定された回転軸の振動に基づいて前記軸受部での軸振動値を算出する軸振動算出手段と、算出された軸振動値に基づいて前記軸受部の摩耗量を推定する摩耗量推定手段とを具備したことを特徴とする。
【0014】
ここで、本発明の超音波式振動計とは、揚水管およびケーシングのいずれかの外部に取り付けた超音波送受信器により揚水管またはケーシング内部の水中に配置された回転軸表面と上記超音波送受信器までの超音波伝達時間の時刻履歴変化を計測して回転軸の振動値とする振動計である。
【0015】
請求項1記載の発明によれば、揚水管あるいはケーシングの外側に超音波式振動計を取り付けることにより、回転軸の振動を計測することが可能であるため、従来のように揚水管あるいはケーシングに孔開け加工などを行う必要がなくなる。
【0016】
よって、運転状態あるいは組立状態にあるポンプにおいても定期的な点検時に超音波式振動計を取り付けることにより、軸振動の測定可能となる。また、軸受部から離れた場所で回転軸の振動から軸受摩耗量の推定が可能となるため、揚水管の曲がり部のように点検時に取付けの容易な場所に超音波式振動計を取り付けることで、軸受摩耗量の推定が可能となる。
【0017】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の縦型ポンプの診断装置において、回転軸振動値と軸受摩耗量との関係を表す軸受摩耗推定データベースを有し、前記回転軸振動の測定結果から前記軸受摩耗推定データベースを参照して軸受摩耗量を推定してなることを特徴とする。
【0018】
請求項2記載の発明によれば、振動応答解析または試験により得られた回転軸振動値と軸受摩耗量との関係をデータベース化して具備したことにより、軸受摩耗量の算出の効率化を図ることができる。
【0019】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の縦型ポンプの診断装置において、前記軸受摩耗推定データベースの内容が回転軸振動値と軸受荷重との関係であり、さらに軸受荷重と軸受摩耗速度との関係を表す軸受摩耗進展データベースを有し、前記回転軸振動の測定結果から軸受荷重を算出し、前記軸受摩耗進展データベースを参照して軸受摩耗進展量を推定してなることを特徴とする。
【0020】
請求項3記載の発明によれば、振動応答解析または試験により得られた回転軸振動値と軸受摩耗速度との関係をデータベース化して具備したことにより、軸受摩耗進展量の算出の効率化を図ることができる。また、軸受進展量から軸受交換基準に到達する時間を算出することが可能となり、軸受の交換周期を適正化し、一段と効率的な機器の保守点検が可能となる。
【0021】
請求項4記載の発明は、縦型ポンプの軸受部近傍の揚水管およびケーシングのいずれかの外部に設置された超音波式振動計により前記軸受部近傍の回転軸振動を測定し、この測定した回転軸振動に基づいて前記軸受部での軸振動値を算出し、この算出した軸振動値に基づいて前記軸受部の摩耗量および摩耗進展量を推定することを特徴とする。
【0022】
請求項4記載の発明によれば、請求項1と同様の作用および効果が得られる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0024】
図1(A)は本発明に係る縦型ポンプの診断方法の一実施形態を適用した縦型ポンプを示す縦断面図、図1(B)は縦型ポンプの回転軸を模式的に示す説明図である。なお、図1(A),(B)において縦型ポンプの構造は、図6に示すものと同様であるので同一の符号を付して説明する。
【0025】
図1(A)に示すように、縦型ポンプ1は、モータ台2と、この駆動連結部2の下部に連設された揚水管3と、この揚水管3の下部に上下方向2段連設されたケーシング4とを備えている。
【0026】
また、モータ台2の上部には、駆動源であるモータ5が設置され、このモータ5の出力軸5aがモータ台2内まで延びてカップリング6を介して回転軸7と連結されている。この回転軸7は、揚水管3内を経てケーシング4内を通りケーシング4下部に配置した吸込み口8まで延びている。
【0027】
さらに、上下方向2段に連設されたケーシング4内の回転軸7には、それぞれ軸受部としての水中軸受9を介して羽根車10が連結されている。そして、水中軸受9は、揚水管3の連結部3a内においても回転軸7を支持しており、計3個備えている。
【0028】
また、本実施形態では、点検容易な個所である揚水管3の上部あるいは水中軸受9の摩耗量の変化に対する影響が大きい個所である連結部3a近傍に超音波式振動計15a,15bがそれぞれ設置されている。
【0029】
これらの超音波式振動計15a,15bは、揚水管3の上部および連結部3a近傍に取り付けた、例えば超音波送受信器などからなり、揚水管3の上部から連結部3a近傍内部に亘り延設された回転軸7の表面と、上記超音波送受信器までの超音波伝達時間の時刻履歴変化を計測して回転軸7の振動値を求める振動計である。
【0030】
図1(B)には、軸受摩耗量がない場合の回転軸7の軸振動モードM1から軸受摩耗量が増加したときの回転軸7の軸振動モードM2に変化した状態を示している。
【0031】
したがって、本実施形態による縦型ポンプの診断方法では、超音波式振動計15aを揚水管3の上部に設置して、軸振動(回転軸の振動値、回転軸の軸中心位置)値を計測すれば、軸受位置の軸振動値を軸振動モードM1あるいは軸振動モードM2から算出することができる。
【0032】
次に、このようにして算出された軸受位置の軸振動値に基づいて解析あるいは実験式により軸受摩耗量を推定する。
【0033】
このように本実施形態による縦型ポンプの診断方法によれば、揚水管3に超音波式振動計15a,15bを取り付けたことにより、回転軸7の振動を計測することが可能であるため、揚水管3あるいはケーシング4に孔開け加工などを行う必要がなくなる。
【0034】
よって、運転状態あるいは組立状態にある縦型ポンプ1においても定期的な点検時に超音波式振動計15a,15bを取り付けることにより、軸振動の測定が可能となる。また、水中軸受9から離れた場所で回転軸7の振動から軸受摩耗量の推定が可能となる。
【0035】
なお、本実施形態では、連結部3a近傍における水中軸受9近傍の揚水管3に超音波式振動計15bを取り付けたことにより、その測定値も用いれば、超音波式振動計15aの測定値のみの軸受摩耗量の推定精度より高い推定精度が得られる。
【0036】
図2は本発明に係る縦型ポンプの診断装置の一実施形態を示すブロック図である。
【0037】
図2に示すように、揚水管3の曲がり部内側には、超音波式振動計としての超音波トランスジューサ(超音波送受信器)16が設置され、この超音波トランスジューサ16から発信された超音波は、揚水管3を通過して水中を伝播し回転軸7の表面で反射して、また水中を伝播し揚水管3を通過して再び超音波トランスジューサ16で受信される。
【0038】
この伝播時間の時刻履歴は、回転軸7の位置変化であるので、超音波信号が超音波信号処理装置17を介して処理され、この処理された信号が軸振動算出手段としての振動変換装置18により振動波形に変換され、回転軸7の振動値(回転軸振動値、回転軸軸中心位置)が算出される。ここで得られた回転軸7の振動値に基づいて摩耗量推定手段としての軸受摩耗推定装置19により水中軸受9の摩耗量を推定する。この推定された軸受摩耗量が表示装置20に表示される。
【0039】
また、振動変換装置18により得られた回転軸7の振動値(回転軸振動値、回転軸軸中心位置)から軸受摩耗推定装置19を用いて水中軸受9の摩耗量を推定するときには、データベース参照装置21により軸受摩耗推定データベース22から軸受摩耗量の値を抽出する。この抽出した軸受摩耗量は表示装置20に表示される。したがって、予め作成された回転軸振動値と軸受摩耗量との関係を表す軸受摩耗推定データベース22を参照して軸受摩耗量を推定することが可能となる。
【0040】
軸受摩耗推定データベース22の中に、回転軸振動値と軸受荷重との関係を有している場合、振動変換装置18より得られた回転軸7の振動値から、データベース参照装置21により軸受摩耗推定データベース22から軸受荷重を抽出し、続いてデータベース参照装置21により軸受摩耗進展データベース23から軸受摩耗速度を抽出する。この抽出された軸受摩耗速度から軸受交換基準に到達する時間を計算し、表示装置20に表示する。したがって、予め作成された軸受荷重と軸受摩耗速度との関係を表す軸受摩耗進展データベース23を参照して軸受摩耗の進展を予測することが可能となる。そして、図3は上記のようにして表示装置20に表示される軸受摩耗量推定結果および摩耗進展予測の例を示している。
【0041】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0042】
まず、軸受摩耗量の推定方法について説明する。
【0043】
図4(A)は、軸受摩耗推定データベース22を模式的に示した説明図、図4(B)は軸受摩耗推定データベース22の構成を示す説明図である。
【0044】
軸受摩耗推定データベース22は、軸振動と水中軸受9の軸受摩耗量との関係を蓄積したものであり、振動応答解析あるいは試験により得られる。振動応答解析を用いることにより、図1(B)に示すように水中軸受9の摩耗量が増加したときの軸振動モードM2を解析的に算出することができる。この振動応答解析では、軸受摩耗量Mを入力パラメータとした解析を複数回行うことにより、軸受摩耗量Mと軸振動Xとの関係が得られる。
【0045】
また、振動応答解析では、軸振動モードM2のように軸方向全ての位置での軸振動が分かるので、軸方向位置Zの情報をデータベースとして備えることが可能である。そして、超音波トランスジューサ16の取付位置での軸振動も分かることから、超音波トランスジューサ16の取付位置で計測された軸振動に基づいて軸受摩耗量を推定することができる。
【0046】
さらに、例えば回転軸7の曲がりを考慮したい場合には、回転軸7の曲がり量を振動応答解析の入力パラメータとすることにより、回転軸7に曲がりが生じてアンバランス量が変化した場合の軸振動と軸受摩耗量の情報を軸受摩耗推定データベース22に取り入れることができる。この場合には、回転軸7に曲がりが発生していることを仮定した場合の軸受摩耗量を推定することができる。
【0047】
また、例えば揚水管3の偏角を考慮したい場合には、揚水管3の偏角量を振動応答解析の入力パラメータとすることにより、揚水管3の偏角量が生じた場合の軸振動と軸受摩耗量の情報を軸受摩耗推定データベース22に取り入れることができる。この場合には、ポンプ据付部の変形が発生していることを仮定した場合の軸受摩耗量を推定することができる。
【0048】
次いで、軸受摩耗の進展予測方法について説明する。
【0049】
振動応答解析では、入力パラメータに応じた軸振動と同時に軸受荷重も算出することができる。この軸振動値と軸受荷重を軸受摩耗推定データベース22にデータベース化することにより、軸受荷重と軸受摩耗速度との関係を蓄積した軸受摩耗進展データベース23と連係することで、軸受摩耗進展量を算出することが可能となる。
【0050】
図5(A)は軸受摩耗進展データベース23を模式的に示した説明図、図5(B)は軸受摩耗進展データベース23の構成を示す説明図である。
【0051】
軸受摩耗進展データベース23は、軸受荷重と軸受摩耗速度との関係を蓄積したものであり、軸受摩耗解析あるいは試験により得られる。
【0052】
縦型ポンプ1を海水中で使用する場合には、流体中の砂濃度が異なる場合の軸受荷重と軸受摩耗速度をデータベース化することにより、砂濃度が変化した場合の軸受摩耗進展量を算出することが可能になる。
【0053】
また、回転軸曲がり量を振動応答解析の入力パラメータとすることにより、回転軸7に曲がりが生じてアンバランス量が変化した場合の軸振動と軸受荷重の情報を軸受摩耗推定データベース22に取り入れることができる。この場合には、回転軸7に曲がりが発生することを仮定した場合の軸受摩耗進展量を算出することができる。
【0054】
さらに、揚水管3の偏角量を振動応答解析の入力パラメータとすることにより、ポンプ据付部の変形により偏角量が生じた場合の軸振動と軸受荷重の情報を軸受摩耗推定データベース22に取り入れることができる。この場合には、ポンプ据付部の変形が発生することを仮定した場合の軸受摩耗進展量を算出することができる。
【0055】
また、ポンプ部の慣性が大きい場合には、ポンプ起動時の軸受摩耗量が大きいため、起動停止回数により軸受摩耗量が支配されることとなる。この起動回数の情報をデータベース化することにより、起動回数に影響を受ける軸受摩耗進展量を算出することができる。
【0056】
ところで、軸受摩耗推定データベース22は、サイズや軸受種類などの異なるポンプにおいて振動応答の解析を行ってデータベースを構築することにより、サイズや軸受の種類などの異なるポンプに対する軸受摩耗量の推定作業を効率的に実施することが可能となる。
【0057】
また、軸受摩耗進展データベース23は、種々の材質の軸受について軸受荷重と軸受摩耗速度との関係をデータベースとして構築することにより、材質の異なる軸受を有するポンプに対して軸受摩耗の進展予測作業を効率的に実施することが可能となる。
【0058】
このように本実施形態によれば、揚水管3に超音波トランスジューサ16を取り付けることにより、回転軸7の振動を計測することが可能であるため、揚水管3あるいはケーシング4に孔開け加工などを行う必要がなくなる。
【0059】
よって、運転状態あるいは組立状態にあるポンプにおいても定期的な点検時に超音波トランスジューサ16を取り付けることにより、軸振動の測定可能となる。また、水中軸受9から離れた場所で回転軸7の振動から軸受摩耗量の推定が可能となるため、揚水管3の曲がり部のように点検時に取付けの容易な場所に超音波トランスジューサ16を取り付けることで、軸受摩耗量の推定が可能となる。そして、超音波トランスジューサ16を水中軸受9の摩耗量の変化に対する影響が大きい個所に設置することにより、水中軸受9の摩耗量を高精度に推定することが可能となる。
【0060】
また、本実施形態によれば、振動応答解析または試験により得られた回転軸7の振動値と軸受摩耗量との関係をデータベース化して具備したことにより、軸受摩耗量の算出の効率化を図ることができる。
【0061】
さらに、本実施形態によれば、振動応答解析または試験により得られた回転軸7の振動値と軸受荷重との関係、軸受荷重と軸受摩耗速度との関係をデータベース化して具備したことにより、軸受摩耗進展量の算出の効率化を図ることができる。そして、軸受摩耗進展量から軸受交換基準に到達する時間を算出することが可能となり、水中軸受9の交換周期を適正化し、一段と効率的な機器の保守点検が可能となる。
【0062】
次に、上記実施形態の変形例を図2に基づいて説明する。図2において、データベース参照装置21、軸受摩耗推定データベース22および軸受摩耗進展データベース23が設けられていない場合でも軸受摩耗量の推定が可能である、そして、データベース参照装置21および軸受摩耗推定データベース22を有することにより、軸受摩耗量の推定を行うことが可能である。また、データベース参照装置21および軸受摩耗進展データベース21を有することにより、軸受摩耗の進展予測が可能となる。
【0063】
なお、本発明は上記各実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。例えば、上記各実施形態では超音波式振動計を揚水管3に取り付けた例について説明したが、これに限らずケーシング4に取り付けるようにしてもよい。つまり、超音波式振動計は、点検時に取付け容易な個所あるいは水中軸受9の摩耗量の変化に対する影響が大きい個所の揚水管3あるいはケーシング4に取り付けるようにすればよい。
【0064】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、孔開け加工が不要で、軸受の摩耗を定量的に、かつ高精度に推定可能な縦型ポンプの診断装置および診断方法が実現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明に係る縦型ポンプの診断方法の一実施形態を適用した縦型ポンプを示す縦断面図、(B)は縦型ポンプの回転軸を模式的に示す説明図。
【図2】本発明に係る縦型ポンプの診断装置の一実施形態を示すブロック図。
【図3】表示される軸受摩耗量推定および摩耗進展予測の例を示す説明図。
【図4】(A)は、軸受摩耗推定データベースを模式的に示した説明図、(B)は軸受摩耗推定データベースの構成を示す説明図。
【図5】(A)は軸受摩耗進展データベースを模式的に示した説明図、(B)は軸受摩耗進展データベースの構成を示す説明図。
【図6】発電プラントなどで用いられる縦型ポンプを示す縦断面図。
【符号の説明】
1 縦型ポンプ
3 揚水管
4 ケーシング
7 回転軸
9 水中軸受(軸受部)
15a,15b 超音波式振動計
16 超音波トランスジューサ(超音波式振動計)
18 振動変換装置(軸振動算出手段)
19 軸受摩耗推定装置(摩耗量推定手段)
21 データベース参照装置
22 軸受摩耗推定データベース
23 軸受摩耗進展データベース

Claims (4)

  1. 縦型ポンプの揚水管およびケーシングのいずれかに設置され、前記縦型ポンプの回転軸を支持する軸受部から離れた位置で前記回転軸の振動を測定する超音波式振動計と、測定された回転軸の振動に基づいて前記軸受部での軸振動値を算出する軸振動算出手段と、算出された軸振動値に基づいて前記軸受部の摩耗量を推定する摩耗量推定手段とを具備したことを特徴とする縦型ポンプの診断装置。
  2. 請求項1記載の縦型ポンプの診断装置において、回転軸振動値と軸受摩耗量との関係を表す軸受摩耗推定データベースを有し、前記回転軸振動の測定結果から前記軸受摩耗推定データベースを参照して軸受摩耗量を推定してなることを特徴とする縦型ポンプの診断装置。
  3. 請求項1または2記載の縦型ポンプの診断装置において、前記軸受摩耗推定データベースの内容が回転軸振動値と軸受荷重との関係であり、さらに軸受荷重と軸受摩耗速度との関係を表す軸受摩耗進展データベースを有し、前記回転軸振動の測定結果から軸受荷重を算出し、前記軸受摩耗進展データベースを参照して軸受摩耗進展量を推定してなることを特徴とする縦型ポンプの診断装置。
  4. 縦型ポンプの軸受部近傍の揚水管およびケーシングのいずれかの外部に設置された超音波式振動計により前記軸受部近傍の回転軸振動を測定し、この測定した回転軸振動に基づいて前記軸受部での軸振動値を算出し、この算出した軸振動値に基づいて前記軸受部の摩耗量および摩耗進展量を推定することを特徴とする縦型ポンプの診断方法。
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