JP3566757B2 - 燃焼機器 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、給湯器や風呂釜等の燃焼機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図15には燃焼機器として一般的な給湯器のシステム構成が示されている。同図において、燃焼室1の下方側にはバーナ2が設置され、そのバーナ2の下方側には給排気を行う燃焼ファン3が設けられている。そして、この燃焼ファン3には回転検出センサが設けられている。燃焼室1の上方側には給湯熱交換器4が設けられ、この給湯熱交換器4の入口側には給水管5が接続されており、この給水管5に入水温度を検出するサーミスタ等の入水温度センサ6と、入水流量を検出する水量センサ7とが設けられている。
【0003】
また、給湯熱交換器4の出側には給湯管8が接続されており、この給湯管8には給湯熱交換器4からの出湯温度を検出するサーミスタ等の出湯温度センサ10と、出湯流量を制御する水量制御弁11が設けられている。
【0004】
前記バーナ2のガス供給通路12には電磁弁13と、ガス供給量を制御する比例弁14が設けらている。また、バーナ2の下方側と排気通路19とには圧力導入管20a,20bの圧力導入口が設けられており、この圧力導入管20a,20bによって導かれるバーナ2の下方側空間と排気通路19間の差圧が差圧センサ16によって検出されている。
【0005】
制御部15には給湯器の給湯運転を制御するシーケンスプログラムが内蔵されており、このシーケンスプログラムに従って給湯運転を制御する制御回路が設けられている。この制御部15は前記入水温度センサ6と、水量センサ7と、出湯温度センサ10と、差圧センサ16と、制御部15に接続されているリモコン(図示せず)の情報を受けて、電磁弁13、比例弁14、燃焼ファン3、水量制御弁11の動作を制御して給湯運転を行うもので、バーナ2の燃焼によって給湯熱交換器4を通る水をリモコン等で設定される設定温度の湯に加熱し、この給湯熱交換器4で作り出した設定温度の湯を給湯管8を介して台所等の所望の給湯場所に導くものである。
【0006】
この給湯運転に際し、制御部15は、バーナ2の燃焼能力(燃焼量)に応じて燃焼ファン3の回転制御を行っている。すなわち、制御部15には図12に示すようなガス供給量と燃焼能力に関する燃焼制御データと、図13に示すような風量(ファン回転数)と燃焼能力に関するファン回転制御データとが与えられており、制御部15内の演算回路によって入水温を設定温に高める要求熱量が時々刻々求められており、この要求熱量の燃焼能力に応じて比例弁14の開弁量(この開弁量は比例弁14に加えられる開弁駆動電流によって制御される)、つまり、ガス供給量が制御され、これに応じて、その燃焼能力に応じた風量(ファン回転数)が制御され、バーナ燃焼に最適な空気量がバーナ2に供給制御される。
【0007】
この風量の制御は、前記差圧センサ16の差圧検出信号に基づいて行われている。すなわち、制御部15には、図14に示すような差圧センサ16の差圧と風量(空気量)との関係データが与えられており、これにより、差圧センサ16で検出される差圧検出値に基づき、要求風量と実際の検出風量とのずれを求め、このずれを零に修正する方向に燃焼ファン3のファン回転数を制御して、燃焼量に見合った最適風量が供給されるのである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、給湯器を長期に渡って使用するうちに、給湯熱交換器4のフィン9等にごみや煤等の詰まりが生じ、この詰まりが徐々に進行すると、空気の通気抵抗が徐々に大きくなり、最終的には、バーナ燃焼に必要な空気が得られず器具の寿命となる。従来においては、この器具の寿命の判定をバーナの燃焼回数や燃焼時間等によって判断しており、このような手法では的確な器具の寿命判断を行うことが困難であり、給湯熱交換器4等の詰まりがかなり進行して燃焼状態が悪くなっているにも拘わらず、燃焼回数や燃焼時間が寿命判断の基準値に達していないために、寿命と判定されずに、そのまま給湯器の使用が引き続き行われる場合が生じ、この場合には、当然に排気ガス中のCOガスの発生量も大きくなり、危険な状態となる。これに対し、給湯器が十分良好な燃焼性能を維持しているにも拘わらず、燃焼回数や燃焼時間が寿命判断の基準値に達したために、寿命と判断され、給湯器の燃焼運転が不能な状態にされて、給湯器が廃棄処分にされることがあり、この場合は給湯器の有効活用が図れず、経済的にも不利である。
【0009】
本発明は燃焼ファン3の風量制御を行うための差圧センサ16に着目し、この差圧センサ16の差圧検出信号を用いて器具(給湯器)の寿命判定を的確に行うことができる燃焼機器の寿命判定装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、次のように構成されている。すなわち、本発明の第1の構成は、バーナと、給排気を行う燃焼ファンとを備え、バーナへの空気供給部から排気通路に至る空気流通経路内を流れる風量を直接的又は間接的に検出する風量検出センサを備えた燃焼機器において、燃焼ファンが零回転又は定回転のもとで風量検出センサのセンサ出力を予め定めた所定の時間にかけて複数取り込み、この取り込みデータのばらつき変動幅が設定許容範囲以内のときに無風安定情況と判定する情況判定部を有することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の第2の構成は、バーナと、給排気を行う燃焼ファンとを備え、バーナへの空気供給部から排気通路に至る空気流通経路内を流れる風量を直接的又は間接的に検出する風量検出センサを備えた燃焼機器において、前記燃焼ファンの予め与えた設定制御条件に対応させて燃焼機器の寿命判定の基準となる風量判定値を記憶してなるメモリと、燃焼ファンが零回転又は定回転のもとで風量検出センサのセンサ出力を予め定めた所定の時間にかけて複数取り込み、この取り込みデータのばらつき変動幅が設定許容範囲以内のときに無風安定情況と判定する情況判定部と、この情況判定部から無風安定情況との判定結果を受けて燃焼ファンを前記設定制御条件のもとで回転させたときの風量検出値と前記風量判定値を比較し風量検出値が風量判定値よりも低いときに燃焼機器の寿命信号を出力する寿命判定部とを有することを特徴とする。
【0012】
さらに、本発明の第3の構成は、バーナと、給排気を行う燃焼ファンとを備え、バーナへの空気供給部から排気通路に至る空気流通経路内を流れる風量を直接的又は間接的に検出する風量検出センサを備えた燃焼機器において、前記燃焼ファンの予め与えた設定制御条件に対応させて燃焼機器の寿命判定の基準となる風量判定値を記憶してなるメモリと、前記風量検出センサの設定制御条件のときの風量検出値と前記風量判定値とを比較し風量検出値が風量判定値を低い側に越えたときに燃焼機器を燃焼停止する燃焼停止部と、この燃焼停止部による燃焼機器の燃焼停止後燃焼ファンを前記設定制御条件で回転起動するファン再起動部と、このファン再起動部による燃焼ファンの前記設定制御条件での回転起動後所定の時間内に風量検出センサの風量検出値を複数取り込み、この取り込みデータのばらつき変動幅が設定許容範囲以内のときに無風安定情況と判定する情況判定部と、この情況判定部により無風安定情況と判定され、かつ、燃焼ファンが設定制御条件で回転しているときの風量検出値が風量判定値を下回るときに燃焼機器の寿命信号を出力する寿命判定部とを有する。
【0013】
さらに、本発明の第4の構成は、前記第1〜第3の各バーナは多面の燃焼面をもち、その燃焼面を燃焼能力に応じて切り換える多段能力切り換え式のバーナからなっていて、切り換え段の各能力毎に燃焼能力と燃料供給量との関係を示す制御の特性データをもっており、寿命判定部により寿命信号が出力されたときにはそれ以降の燃焼運転時のバーナ各段の燃焼能力を低減する能力低減部と、この能力低減によりバーナの制御特性データの上位側のデータと下位側のデータとの間の欠落部分の能力が要求されたときには下位側の制御特性データの能力へ強制的に移行して燃焼運転を制御させる能力調整手段とを有することを特徴とする。
【0014】
【作用】
上記構成の本発明において、燃焼ファンが零回転又は一定回転のもとで、風量検出センサのセンサ出力が所定のサンプリング時間にかけて複数取り込まれ、この取り込みデータのばらつき変動幅が設定許容範囲以内のときに情況判定部により無風安定情況と判定され、取り込みデータのばらつき変動幅が設定許容範囲からはずれたときには有風情況と判定される。
【0015】
前記情況判定部により無風安定情況と判定されたときに、燃焼ファンを設定制御条件の下で回転させ、このとき検出される風量検出センサの風量検出値が寿命判定の基準となる風量判定値を下回ったときには、寿命判定部により通風の詰まり劣化が進行していて、燃焼機器は寿命と判断され、寿命信号が出力される。
【0016】
また、本発明の前記第3の構成では、燃焼機器の燃焼運転時に、時々刻々風量検出センサの検出信号をモニタし、風量検出値と予め与えられている燃焼機器の寿命判定の基準となる風量判定値とを比較し、風量検出値が風量判定値を低い側に越えたときには、燃焼機器の燃焼停止を行う。そして、風量検出値が風量判定値を低い側に越えたのは、燃焼機器の寿命によるものなのか、あるいは燃焼機器の排気側に一時的に逆風等が作用したために、風量検出値が風量判定値を低い側に越えたものなのかを確認する動作に移る。
【0017】
この確認動作に際しては、まず、燃焼機器の燃焼を行わずに、燃焼ファンを設定制御条件で回転起動し、所定の時間の間、風量検出センサの風量検出値が連続して風量判定値を低い側に越えるか否かを検出する。前記所定の時間内に連続して風量検出値が風量判定値を下回るときには逆風(有風)の影響によるものではなく燃焼機器の寿命と判定して寿命信号を出力する。これに対し、前記所定の時間内に風量検出値が一回でも風量判定値を上回ったときには、有風の影響が出たもので、燃焼機器はまだ寿命に達していないものと判定し、寿命信号の出力は行わない。
【0018】
このように、本発明では、燃焼機器の寿命が自動的に判断され、燃焼機器が寿命に達したときには寿命信号が出力される結果、この寿命信号を用いて寿命の報知等を行うことにより、燃焼機器の使用者は器具の寿命に対して適切な処置を行うことが可能となる。
【0019】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。なお、本実施例の説明において、従来例と同一の名称部分には同一符号を付し、その重複説明は省略する。図3には本発明に係る寿命判定手段を備えた燃焼機器が給湯器を例にして示されている。この実施例の給湯器は、バーナ2を能力切り換え式に形成し、バーナ2の燃焼面をA面とB面とC面の3面に区分し、電磁弁等により形成される能力切り換え弁18aのみを開けることによりA面の1段燃焼状態となり、能力切り換え弁18aと18bを開けることによりA面とB面の2段燃焼状態となり、能力切り換え弁18a,18b,18cを開けることにより、A面とB面とC面の全面燃焼状態となり、これら能力切り換え弁18a,18b,18cの弁切り換え動作によりバーナ17の燃焼能力を切り換え可能になっており、このバーナ17の燃焼切り換え、つまり、能力切り換え弁18a,18b,18cの弁切り換え駆動は制御部15によって制御されている。また、本実施例では、風量検出センサとしての差圧センサ16によりバーナ17の上下両側間の差圧を検出する構成となっている。さらに、燃焼ファン3の回転数はホールIC等のファン回転検出センサ28によって検出されている。
【0020】
本実施例において特徴的なことは、差圧センサ16の差圧検出値に基づき、燃焼ファン3の風量制御を行う他に、給湯器の寿命判定を行う手段を制御部15に設けたことである。
【0021】
この特徴的な寿命判定手段は、図1に示すように、情況判定部22と、メモリ23と、燃焼停止部24と、ファン再起動部25と、寿命判定部26と、タイマ27とを有して構成されている。
【0022】
メモリ23には予め与えた設定制御条件である設定ファン回転数に対する給湯器の寿命判定の基準となる風量判定値としての差圧判定値や、ファン回転が零回転のときと予め与えた一定回転のときの風量検出センサ出力のばらつき変動の設定許容範囲等のデータが記憶されている。前記ファンの設定回転数は適宜の回転数で与えることができるが、本実施例では、燃焼ファン3の定格最大回転数によって与えており、この定格最大回転数のときの差圧判定値がメモリ23に記憶されている。
【0023】
情況判定部22は、燃焼ファン3が零回転のとき、つまり、燃焼ファン3が回転していないときの器具設置環境の無風安定情況と有風情況との区別判断を行う。図4は燃焼ファン3の停止状態で、給湯器を有風環境にさらし、そのときの風速の大きさと差圧センサ16のセンサ出力との関係を実験により求めたグラフである。このグラフから分かるように、有風情況になると、差圧センサの差圧検出値がセンサの零点に対して上下非対称にばらつき、このばらつきの変動幅は風速が大きくなるにつれ大きくなる。
【0024】
情況判定部22は、燃焼ファン3が零回転のときにおける差圧センサ16の差圧検出値のばらつき変動を、メモリ23に格納されている設定許容範囲と比較し、設定許容範囲からはずれたとき(この設定許容範囲は上限レベルと下限レベルで与えられるが、場合によっては上限レベルのみで与えられることもある)からはずれたとき(設定許容範囲が上限レベルのみで与えられるときは上限レベルを上に越えたとき)には有風情況と判定し、差圧センサ16の差圧検出値のばらつき変動が設定許容範囲内にあるときには無風安定情況と判定する。換言すれば、許容設定範囲に対応する基準風速に対し、この基準風速よりも低い風速の環境下にあるときには無風安定情況と判定し、基準風速よりも給湯器設置環境下の風速が大きくなったときには有風情況と判定するのである。
【0025】
また、情況判定部22は、ファン回転検出センサ28から加えられるファン回転検出値が予め設定される定回転数になったときに、タイマ27を所定の時間動作させ、そのタイマ動作時間中に、差圧センサ16から加えられる風量検出値としての差圧検出値と、メモリ23に記憶されている前記差圧判定値とを比較し、連続して差圧検出値が差圧判定値を低圧側に越えていたとき、つまり、差圧検出値が、燃焼ファンの定回転時のばらつき変動の設定許容範囲から外れたときには有風情況と判定し、設定許容範囲内のときは無風安定情況と判定しその結果を燃焼停止部24と寿命判定部26へ加える。
【0026】
燃焼停止部24は、燃焼ファン3が定格最大回転数で回転して燃焼運転が行われているときに、情況判定部22から差圧検出値が差圧判定値を低圧側に越えた比較結果を受けたときに、バーナ2の燃焼を停止し、その燃焼停止の信号をファン再起動部25に加える。ファン再起動部25は燃焼停止部24から燃焼停止の信号を受けたときに、バーナ2の燃焼を行わずに燃焼ファン3を前記設定回転数、つまり、燃焼ファン3の定格最大回転数で回転起動し、このファン再起動信号を寿命判定部26へ加える。
【0027】
寿命判定部26は、ファン再起動部25からファン再起動信号を受けたときに、情況判定部22の判定により、無風安定情況の状態にあり、かつ、燃焼ファン3が定格最大回転数で回転しているときに差圧検出値が差圧判定値以下のときには給湯器の寿命と判定し、寿命信号を出力する。これに対し、有風情況と判定されたときや、無風安定情況であっても差圧検出値が差圧判定値を上回ったときには、給湯器は寿命でないものと判定し、寿命信号の出力は行われない。
【0028】
図2は寿命判定部26から寿命信号が出力されたときの給湯器の運転制御部の回路を示したものである。この回路は、燃焼能力ダウン切り換え部31と、能力特性グラフ選定部32と、ファン制御部34と、水量制御部33とを有して構成されている。
【0029】
前記寿命判定部26から寿命信号が出力されたときには、寿命の給湯器を廃棄処分にすることも可能であるが、この図2に示す回路は、寿命信号が出力されたときに、その寿命の給湯器を直ちに廃棄せずに、新しい給湯器が設置施工されるまでの間、一時的に使用可能にするための回路である。図において、燃焼能力ダウン切り換え部31は、寿命信号が加えられたときに、給湯器の燃焼能力を1ランク下げて、燃焼ファン3から出せる風量でもってバーナ2の燃焼を行おうとするものであり、寿命信号が加えられたときに、24号の給湯器であれば、例えば、20号の燃焼能力にダウン切り換えする等して、そのダウン切り換えした燃焼能力を能力特性グラフ選定部32と水量制御部33へ加える。
【0030】
能力特性グラフ選定部32には、例えば、図5の(a)に示すような3段燃焼の各燃焼能力の制御特性データが与えられており、特性直線D1 は、バーナ2の燃焼面Aの第1段燃焼時における特性直線であり、D2 はバーナ2のA面とB面の2段燃焼時の特性直線であり、D3 はA面とB面とC面の3段燃焼時の特性直線である。この各段の特性直線間には重ねしろΔDが与えられており、各特性直線D1 ,D2 ,D3 間の変換が円滑に行われるようになっている。
【0031】
例えば、第1段燃焼状態においては、特性直線D1 の始端位置DS が最小能力位置であり、燃焼能力が次第に大きくなり、第1段燃焼の最大燃焼能力になると特性直線D1 の終端位置DF となり、さらに大きな燃焼能力が要求されたときには、バーナ2の能力切り換えにより、A面とB面の2段燃焼となり、燃焼の特性直線はD1 のDF 点から特性直線D2 のDP 点に移り変わり、特性直線D2 に従って燃焼制御が行われる。また、D2 の直線に従って燃焼制御を行っているときに、バーナ17の能力切り換えが行われて2段燃焼から1段燃焼に切り換えられたときには、特性直線はD2 の直線の始端位置DS から直線D1 のDQ 点に移り変わり、D1 の特性直線に従って燃焼制御が行われる。このように、各段の能力切り換えが行われたときには、燃焼制御直線も切り換わるが、前記重なりしろΔDを設けることにより、ハンチングを起こすことなく各特性直線間の切り換えが円滑に行われることとなる。
【0032】
ところが、前記燃焼能力ダウン切り換え部31により、燃焼能力がダウン方向に切り換えられて、図5の(a)のラインLの右側の燃焼供給量(比例弁電流)部分が切り捨てられてしまうと、各特性直線D1 ,D2 ,D3 間の重なりしろΔDがなくなってしまい、燃焼特性直線の切り換えが円滑に行われなくなってしまうという問題が生じる。この問題を解消するたに、能力特性グラフ選定部32は、前記燃焼能力ダウン切り換え部31から燃焼能力のダウン切り換えを受けたときに、要求燃焼能力が各特性直線D1 ,D2 ,D3 の間にあるときには、燃焼能力の小さい方の特性直線を選定(例えば、図5の(b)で、要求燃焼能力PがD1 とD2 の間のときにはD1 を選定)し、この選定した特性直線に従って燃焼制御を行わせるのである。
【0033】
その一方で、水量制御部33は、燃焼能力ダウン切り換え部31から燃焼能力のダウン切り換えの信号を受けたときに、リモコン等で設定される設定温度と出湯温度センサ10で検出される出湯温度とを比較し、出湯温度センサの出湯検出温度が設定温度よりも低いときには水量制御弁11を絞る方向に制御し、設定温度の湯を出湯する方向に水量制御弁11の絞り制御を行う。
【0034】
次に、本実施例の第1の動作を図6〜図7のフローチャートに基づき説明する。まず、ステップ101 で寿命判断フラグ(LIFE)に零が置かれる。次のステップ102 から120 までの動作は通常の燃焼運転制御の動作であるのでその説明を簡略化する。ステップ102 で水量センサ7の信号により入水が確認されると、ステップ104 で入水温度を設定温度に高めるために要する熱量のフィードフォワード量(FF量)の演算、能力切り換え弁18a〜18cのオン、オフ判断、比例弁の開閉量判断とその開弁量に対応する比例弁電流の通電、燃焼ファンのプリパージ回転数での回転、電磁弁13のオン動作が行われる。
【0035】
ステップ105 でプリパージ時間以内か否かが判断され、プリパージ時間が経過したときに、燃焼ファンを着火トライ回転数へアップし、能力切り換え弁のオン制御と、イグナイタのオン動作を行う。ステップ107 でフレームロッド電極(図示せず)により着火を確認した後ステップ112 でイグナイタをオフする。
【0036】
前記ステップ107 で着火が確認されないときには、ステップ108 で着火トライ時間が経過したか否かを判断し、着火トライ時間以内であるときには着火を繰り返し行う。着火を繰り返し行っても着火確認がされないときには、ステップ109 で電磁弁、能力切り換え弁、比例弁をそれぞれオフし、給湯管8の先端側の給湯栓(図示せず)が閉められて水量センサ7により流水が検知されなくなったことを判断してステップ111 で燃焼ファンを停止し、給湯栓が再び開けられるのを待つ。
【0037】
前記ステップ107 で着火が確認され、イグナイタがオフされた後に、ステップ113 で寿命判断フラグが零であるか否かを判断する。今回は前記ステップ101 で寿命判断フラグに零が立てられているので、ステップ114 に進み、フィードフォワード(FF)とフィードバック(FB)の併用ガス量制御と、水量制御弁による水量制御によって燃焼運転が行われる。
【0038】
ステップ115 では、この燃焼運転中に風量がバーナ燃焼量に合っているか否かが判断される。一般に、比例弁14の開弁量、つまり、開弁駆動電流Iと、風量との間には、I=KΔPの関係がある。ここで、ΔPはバーナ2の上下空気通路区間の差圧であり、Kは比例定数であり、このKの値は予め設定されている。開弁駆動電流Iと風量との関係が前記式を満足する場合には燃焼量と風量が合っているのでそのままのファン制御状態で燃焼運転を継続し、前記式を満足していないときには、次のステップ117 で開弁駆動電流Iと風量情報のKΔPとの大小を判断する。IがKΔPよりも小さいときには比例弁14の開弁量、つまり、ガス供給量に比べ風量が大きすぎる場合に相当し、この場合にはステップ118 で燃焼ファン3のファン回転数を減少する方向に制御する。
【0039】
一方、開弁駆動電流IがKΔPよりも大のときには、ステップ119 でファン回転数が定格最大回転数以上か否かを判断する。ファン回転数が定格最大回転数(上限値)に達していないときにはファン回転数をアップする余裕があるので、ステップ120 でファン回転数をアップして風量の不足を補う。ファン回転数が上限値以上のときには、風量不足(空気量不足)の場合に該当し、この場合には風量不足が器具の寿命によって生じたものなのか、あるいは器具設置環境下の有風の影響によるものなのかの確認動作に移る。
【0040】
まず、図7のステップ121 で寿命判断フラグが零であるか否かを判断する。今回の場合は前記の如く、ステップ101 でフラグに零が立てられているので、ステップ122 の動作に移り、電磁弁13、能力切り換え弁18a〜18c、比例弁14をそれぞれオフしてバーナ燃焼を停止する。そして、ステップ123 で燃焼ファン3を設定制御条件、この例では定格最大回転数で回転し、差圧センサ16の差圧検出値ΔPと、差圧判定値のBmmAqとを比較し、ステップ125 でタイマ27の動作時間が経過するまで前記差圧検出値と差圧判定値との比較判断を繰り返し行う。
【0041】
そして、このタイマ動作の所定のサンプリング時間の間、全て差圧検出値ΔPが差圧判定値を下回っていたときには情況判定部22により無風安定情況と判断され、このような無風安定情況にも拘わらず風量の不足状態が生じたことは、給湯熱交換器4に煤詰まりが生じる等の通風詰まり劣化が生じたものと判断され、ステップ126 で寿命判定部26により器具寿命と判定されて寿命判断フラグに1が立てられる。これに対し、所定のサンプリング時間(C分間)の間に1回でも差圧検出値ΔPが差圧判定値を上回ったときには、前記ステップ117 で差圧検出値ΔPが差圧判定値I/Kを低圧側に越えたのは器具の寿命のためではなく、給湯器の排気側に逆風が当たる等の有風の影響によって一時的に差圧検出値が低下したものと判断する。これらステップ123 〜ステップ125 の動作では、無風安定情況にあるか否かの判定と、器具寿命の判定とが同時に行われる。
【0042】
前記ステップ126 で器具が寿命と判定され、寿命信号が出力されたときには、この寿命信号を用いて器具が寿命である旨をランプ表示、あるいはリモコン等の表示部に表示する等して器具の寿命を報知する。このことで、器具の買い換えや、メンテナンス等、適切な処置を使用者に促す。
【0043】
前記ステップ122 から126 にかけて寿命判断が行われ、寿命でないと判定された場合には寿命判断フラグが零のままで、寿命と判定されたときには寿命判断フラグに1が立てられ、いずれの場合も次に給湯栓が開けられることにより、ステップ102 以降の動作が行われる。そして、ステップ113 で、寿命判断フラグに1が立てられていることを確認したときには、器具寿命と判定された後の燃焼運転の状態と判断し、図7のステップ127 以降の動作が行われる。
【0044】
このステップ127 以降の動作は、器具寿命によって低下した風量の範囲内で給湯器を一時的に使用可能状態にする動作を示したものである。そのため、ステップ127 で給湯器の燃焼能力をバーナ2の各段燃焼ごとに1/Nに低下させる。このNは少数を含む実数である。つまり、図5の(a)に示す如く、ラインLの右側の能力がカットされる。次に、ステップ128 で設定温度に対し、フィードフォワード演算により求められる燃焼能力が出せるか否か(フィードフォワードガス量制御が可能か否か)を判断する。この燃焼能力が出せる場合には燃焼能力のカット状態でステップ115 以降の燃焼運転が行われることとなる。この場合は、ステップ116 の動作で、水流オンが判断されたとき(燃焼継続中のとき)はステップ113 の動作に行かず、破線の示すように、ステップ115 の動作に移ることになる。
【0045】
これに対し、ステップ128 でフィードフォワード演算量の燃焼能力が出せないものと判断された場合、すなわち、前記図5の(a),(b)に示すように、ラインLの右側がカットされて各段数の特性直線間に重ねしろΔDがなくなってしまって、低能力側の特性直線とそれよりに高い方の特性直線との間の欠落部の燃焼能力が要求されたものである場合には、ステップ129 で燃焼制御の特性直線を低い側の特性直線に移行して燃焼制御を行わせる。そして、この低能力側の特性直線を選定したことによる給湯湯温の低下分を補うために、次のステップ130 で水量制御弁11を閉方向に制御して出湯量を少なくする方向に制御し、設定温度の湯温を出湯できる態勢に水量制御してステップ115 以降の燃焼運転を行う。この場合もステップ116 で水流オンの判断時にはステップ113 へは行かず、ステップ115 の動作に移ることになる。
【0046】
前記のように、寿命判断フラグに1が立てられた後には、ステップ115 からステップ120 にかけての風量制御が行われるが、このときステップ119 でファン回転数が定格最大回転数以上であるときには、ステップ121 で寿命判断フラグが零であるか否かが判断される。今回は、既に寿命判断フラグに1が立てられているので、ステップ131 で強制的に器具運転が停止され、それ以降の燃焼運転をできない状態にし、燃焼不良のまま燃焼運転が行われるのを防止し、安全が図られる。
【0047】
図8は器具の寿命判定を行う第2の動作を示すフローチャートである。前記図6および図7に示す動作では、有風情況と無風安定情況との区別判断動作と、寿命判定の動作を、燃焼運転をステップ122 で停止した後、ステップ123 から125 の動作によって同時に行ったが、第2の動作では、有風と無風安定情況の判断と、寿命判定の判断を別個の動作によって行ったものであり、それ以外の動作は前記第1の動作と同様であり、同じ動作には同一のステップ番号を付してある。ステップ101 から121 までの動作と、ステップ127 から131 までの動作は前記第1の動作と同一であるので、図8では、ステップ101 とステップ102 とステップ121 とステップ131 の動作を図示し、その間の第1の動作と共通のステップ動作は省略してある。
【0048】
図8のフローチャートで、ステップ132 からステップ138 までの動作は器具設置環境の有風情況と無風安定情況の区別判断の動作を示しており、ステップ139 からステップ142 までの動作は器具の寿命判定の動作を示している。器具の燃焼運転を行っているときに、燃焼ファンの回転が定格最大回転数以上となっているにもかかわらずガス供給量に比べ検出風量が不足となっているときには、その空気の不足状態が有風のために生じているものか、あるいは器具寿命のために生じているものなのかを判断するために、ステップ132 で燃焼停止を行う。この燃焼停止に際し、電磁弁、能力切り換え弁、比例弁がそれぞれオフされ、燃焼ファン3も停止される。そして、次に有風情況にあるか、無風安定情況にあるかの判断動作に移る。
【0049】
まず、ステップ133 で、差圧センサ16の最大瞬間値ΔPMAX と最小瞬間値ΔPMIN とが初期値データとして入力され、この入力値はメモリ23等に格納される。この初期値として、例えば、図4のセンサ零点の値がΔPMAX ,ΔPMIN の値として入力されるステップ134 では差圧センサ16によって検出された差圧検出値ΔPがΔPMAX 以上であるか否かを判断し、差圧検出値ΔPが最大瞬間初期値ΔPMAX よりも大きいときにはその検出値ΔPをΔPMAX に置き換える。また、ステップ136 では差圧検出値ΔPと最小瞬間初期値ΔPMIN とを比較し、ΔPがΔPMIN 以下か否かを判断する。ΔPがΔPMIN よりも小さいときにはΔPをΔPMIN に置き換える。これらの最大瞬間値ΔPMAX と最小瞬間値ΔPMIN の置き換え動作をタイマ27の動作によって指定される所定のサンプリング時間行い、ΔPMAX とΔPMIN を確定する。
【0050】
次に、ステップ139 で確定されたΔPMAX とΔPMIN の差を求め、この差(ばらつき変動幅)が設定許容範囲の値Dを下回るか否かを判断する。最大瞬間値と最小瞬間値の差が設定許容範囲のDよりも小さいときに、換言すれば、差圧センサ16の差圧検出値のばらつき変動の要因となる風速が設定許容範囲Dに対応する風速よりも大きいときには有風情況と判定し、空気量の不足が生じたのは一時的な有風の影響であると判断し、ステップ102 以降の動作を行う。
【0051】
これに対し、前記ステップ139 で最大瞬間値ΔPMAX と最小瞬間値ΔPMIN の差がDを下回るときには、無風安定情況と判定し、このときには、次のステップ140 から141 にかけて器具寿命の判定動作に移る。ステップ140 では、燃焼ファン3をバーナの非燃焼状態で、設定制御条件である定格最大回転数で回転する。この状態で、ステップ141 で、差圧検出値ΔPと差圧判定値(BmmAq)とを比較し、差圧検出値ΔPが差圧判定値よりも低いときには、通風詰まり劣化による器具寿命と判定し、寿命判断フラグに1を立てて寿命信号を出力し、前記図7のステップ127 以降の動作により、燃焼能力を1/Nに低減して一時的に燃焼運転を可能状態にする。
【0052】
図9および図10は本実施例の第3の動作を示すフローチャートである。この第3の動作は、運転スイッチがオンされた後、燃焼ファンを回転する前に有風情況か無風安定情況かの判定を行い、燃焼開始前のプリパージのファン回転中に、器具の寿命判定を行うようにしたことを特徴とする。この第3の動作を示すフローチャートにおいて、前記第1の動作や第2の動作と同一の動作には同一のステップ番号を付してその説明は省略(又は簡略化)する。まず、運転スイッチがオンされると、ステップ101 で寿命判断フラグに零が置かれ、ステップ301 で差圧センサ16の最大瞬間値ΔPMAX と最小瞬間値ΔPMIN との初期値が入力され、同時に、無風判断フラグEに零が置かれる。そして、ステップ302 で有風情況と無風安定情況を判定するためのタイマ27がスタート(リセットスタートを含む)される。
【0053】
次に、ステップ134 から137 にかけて、前記第2の動作示す図8のステップ134 〜137 と同様な動作を行い、差圧センサ16の差圧検出値を用いてサンプリング時間中の最大瞬間値ΔPMAX と最小瞬間値ΔPMIN の値を確定する。そして、ステップ303 でフローセンサ(水量センサ7)がオフしていることを確認して、ステップ304 で、前記確定した最大瞬間値ΔPMAX と最小瞬間値ΔPMIN の差と、設定許容範囲Dとを比較し、最大瞬間値ΔPMAX と最小瞬間値ΔPMIN とのばらつき変動幅が設定許容範囲Dを下回るときには無風安定情況と判定し、無風判断フラグEに1を立てる。最大瞬間値ΔPMAX と最小瞬間値ΔPMIN との変動幅が設定許容範囲のDよりも大きいときには、有風情況と判定し、無風判断フラグEは零のままにしておく。
【0054】
前記有風情況と無風安定情況との判別判定を行った後、ステップ307 で水量センサ7からオン信号が加えられたか否かを判断し、オン信号が加えられたときには、次のステップ104 で燃焼ファン3をプリパージ回転(バーナを燃焼する前に燃焼室内の排気ガスを排出するために、燃焼ファンを回転する動作)し、プリパージのファン回転が一定に安定した時期となった図10のステップ308 で、差圧センサ16の差圧検出値ΔPと、そのプリパージの定速時における差圧判定値(BmmAq)とを比較し、差圧検出値ΔPが差圧判定値を下回ったときには、ステップ309 で無風判断フラグに1が立っているか否かを判断する。無風判断フラグに1が立っているときには、無風安定情況の下で風量不足が生じたこととなり、このときには、通風詰まり劣化による器具寿命と判定し、ステップ310 で寿命判断フラグに1を立て、寿命信号を出力する。前記ステップ308 で差圧検出値が差圧判定値よりも大きいときには、風量不足の状態ではなく、また、ステップ309 で無風判断フラグが零であるときには、風量不足は有風のためと判断され、これらの場合はいずれも器具の通風詰まり劣化の寿命ではないと判断し、ステップ106 以降の燃焼運転動作を行う。
【0055】
このステップ106 以降の動作においては、寿命判断フラグが零の状態にあるときには通常の燃焼運転を行い、寿命判断フラグに1が立てられているときには、これがステップ113 で判断され、前記第1の動作を示す図7のステップ127 から130 の動作と同一の動作を行い、器具の燃焼能力を低減して燃焼運転を行わせる。
【0056】
この第3の動作では、燃焼ファン3を回転する前に有風と無風の情況判定を行い、バーナ2を燃焼する前のプリパージのファン回転を利用して器具の寿命判定を行うので、前記第1および第2の動作のように燃焼運転を一旦停止してから燃焼ファンを回転して寿命判定を行うのに比べ、その寿命判定を短時間のうちに迅速に行うことができるという効果が得られる。また、前記第1および第2の動作と同様に、燃焼ファン3を回転していない状態で有風と無風の情況判定を行うので、その情況判定の精度を格段に高めることができる。
【0057】
図11は本実施例の第4の動作を示すフローチャートである。この第4の動作は、バーナを燃焼しての燃焼運転中に、燃焼ファンの回転アップでは対応できない風量不足が判断されたときに、燃焼運転を停止することなく、燃焼運転を継続したまま、有風と無風の情況判定と器具の寿命判定を行うようにしたことを特徴とする。この第4の動作のフローチャートで、前記図8に示す第2の動作のフローチャートと同一の動作には同一符号を付してその動作説明を省略あるいは簡略化する。
【0058】
この第4の動作では、運転スイッチがオンされると、ステップ401 で寿命判断フラグに零が立てられ、差圧センサ16の差圧検出の最大瞬間値ΔPMAX と最小瞬間値ΔPMIN の初期値が入力記憶される。次に、ステッップ102 以降の動作によって燃焼運転が開始される。ステップ102 から121 までの動作は第2の動作の図8および第1の動作の図6および図7の同じ番号のステップ動作と同様である。ガス供給量に対して風量不足が判断されたときには、燃焼ファン3の回転数が定格最大回転数よりも大か小かが判断され、小のときには、ステップ120 でファン回転がアップされるが、ファン回転数が定格最大回転数以上のときには、風量アップができない風量不足の状態であり、このときには、ステップ121 で寿命判断フラグが零であるか否かが判断され、寿命判断フラグが零のときには、ステップ134 からステップ138 にかけて、所定のタイマ動作によるサンプリング時間中に、差圧センサ16で検出される差圧検出値を利用して最大瞬間値ΔPMAX と最小瞬間値ΔPMIN を確定する。
【0059】
そして、その後、ステップ139 で最大瞬間値ΔPMAX と最小瞬間値ΔPMIN の差、つまり、燃焼ファンが一定のプリパージの回転数で回転しているときの状態時における差圧センサ16の差圧検出値の変動量が設定許容範囲のDと比較され、差圧検出値のばらつき変動量が設定許容範囲を下回るときには無風安定情況と判定し、それ以外のときには有風判定情況と判定する。
【0060】
無風安定情況と判定されたときには、次のステップ141 で差圧センサ16により取り込まれる差圧検出値ΔPと差圧判定値BmmAqとの比較が行われ、差圧検出値ΔPが差圧判定値を下回るときには無風安定情況にあるにも拘わらず風量不足の状態にあることは、器具の詰まり劣化による寿命と判定され、ステップ142 で寿命判断フラグに1が立てられて寿命信号が出力され、図7のステップ127 から130 の動作と同様の動作を行って器具の燃焼能力を低減させた状態で燃焼運転を継続する。
【0061】
この第4の動作では、風量アップができない状態で風量不足が判断されたときには、前記第1および第2の動作のように燃焼運転を一旦停止して寿命判定を行うのではく、そのまま燃焼運転を続けながら器具寿命の判定を行うので、湯の使用中に湯が一時的に出なくなるという不都合がなく、湯を支障なく使用している間に器具の寿命判定を行うことができるという優れた効果を奏することができる。
【0062】
本実施例によれば、風量制御を行う差圧センサの差圧検出値に基づき、器具の寿命を判定することができるので、この判定結果に基づき、器具の寿命を的確に知ることができ、これにより、器具が寿命になっているにも拘わらず器具の使用がそれ以降も継続され、COガスの過剰発生等の燃焼悪化を引き起こしたり、器具が未だ十分良好な燃焼性能を維持しているにも拘わらず器具の寿命と判断されて器具が廃棄処分にされるという無駄を防止することができる。
【0063】
しかも、器具の寿命判定は無風安定情況下で行われるので、器具設置環境下における逆風等の有風の影響(有風による差圧センサ出力の変動)の影響を受けることなく行われるので、その寿命判定の精度が高まり、寿命判定の信頼性を格段に高めることができる。
【0064】
なお、本発明は上記実施例に限定されることはなく、様々な実施の態様を採り得る。例えば、上記実施例では、バーナ2を3段の燃焼切り換え方式で構成したが、3段以外の多段燃焼切り換え方式としてもよく、あるいは、燃焼切り換え式でないバーナでもよい。
【0065】
また、上記実施例では差圧センサ16によってバーナ2をはさむバーナ2の上下両側の区間の差圧を検出するようにしたが、この差圧は、バーナへの空気供給部から排気通路に至る空気流通経路内の上流側と下流側の任意の経路区間の差圧を検出すればよく、例えば、燃焼ファンの吸気口と燃焼室の区間の差圧、燃焼ファンの送風出側部分と燃焼室の区間の差圧、あるいは、これら燃焼ファンの吸気口や送風出口部分と給湯熱交換器の上側の排気トップとの区間の差圧、燃焼室と排気トップ側の区間の差圧等、差圧検出の経路区間はそれ以外にも無数の区間を設定することができるものである。ただ、本実施例のようにバーナ2を挟んでバーナの下側と上側の区間で差圧を検出する構成とした場合には、給湯熱交換器等に比べ、バーナ2ではごみ等による詰まりはほとんど生じないので、バーナ2を通る空気抵抗の経時変化は殆どなく、燃焼ファン3から送出される風量を正確に差圧でもって検出できることとなり、この点から、本実施例のようにバーナ2を挟む経路区間で差圧を検出する方式とすることが望ましい。
【0066】
さらに、上記実施例では、風量検出センサとして差圧センサ16を用いたが、この差圧センサ16の代わりに、例えば、熱線ヒータ式やカルマン渦方式の風速センサを用いてもよく、あるいは、風量を直接的に検出するプロペラ回転式の風量計を用いてもよく、風量を直接的又は間接的に検出できる様々なセンサを用いることができる。
【0067】
さらに、上記実施例では、燃焼ファンの設定制御条件をファン回転数で与えたが、この燃焼ファンの設定制御条件は燃焼ファンの駆動電流や、仕事量等の他の制御条件によって与えてもよい。このときには、これらのファン駆動電流や仕事量の設定条件の下で燃焼ファンを回転し、風量検出値と風量判定値の比較によって器具の寿命判定を行うこととなる。
【0068】
さらに、上記実施例で寿命判定を行う場合、第1の動作では、図7のステップ125 でC分間の時間を与え、この時間内に一度でも差圧検出値ΔPが差圧判定値を上回ったときには寿命でないものと判定し、そのC分間の間全て差圧検出値が差圧判定値を下回ったときには器具寿命と判定しているが、これを、第2〜第4の動作と同様に、C分間の時間を与えることなく、無風安定情況と判定された以降に検出される差圧検出値に基づいて直ちに寿命判定を行うようにしてもよい。またその逆に、第2〜第4の動作では、無風安定情況と判定された以降に検出された差圧検出値が差圧判定値を下回ったときには直ちに器具寿命と判定したが、これを、第1の動作と同様に、所定のC分間の時間を与え、この時間内に差圧検出値が一度でも差圧判定値を上回ったときには寿命でないものと判定し、C分間の間全ての風量検出値(差圧検出値)が風量判定値(差圧判定値)を下回ったときに器具寿命と判定するようにしてもよい。
【0069】
さらに、上記実施例では燃焼機器として単能給湯器(給湯機能のみの給湯器)を例にして説明したが、本発明は、給湯と追い焚き、あるいは、給湯と温水暖房等の両機能を備えた複合給湯器や、その他、風呂釜、暖房機、冷房機、冷暖房機、空調機等の様々なバーナを有する燃焼機器に適用されるものである。
【0070】
さらに、上記実施例では、燃焼ファン3を押し込み方式としたが、これを吸い出し方式としてもよいことはもちろんのことである。
【0071】
【発明の効果】
本発明によれば、燃焼機器の風量制御を行うための風量検出センサの風量検出値を用いて器具の寿命を的確に判定することができ、器具が寿命になっているにも拘わらず引き続き使用されることによる危険を確実に防止することができると共に、器具が良好な燃焼性能を維持しているにも拘わらず器具寿命と誤判定されて廃棄処分にされるという器具使用の無駄を防止することができる。
【0072】
また、風量検出値を用いての器具の寿命判定は、無風安定情況の下で行うようにしたものであるから、器具設置環境下の風の影響による風量検出値の変動を受けない状態で器具の寿命判定を行うので、その寿命判定の精度が高められ、信頼性の高い寿命判定を行うことができる。
【0073】
さらに、寿命判定を行うためのセンサを別途も受ける必要はなく、風量制御の風量検出センサを利用して寿命判定を行うことができるので、本発明の寿命判定機能を備えた燃焼機器の装置構成も簡易となり、これに伴い、装置のコスト低減を図ることが可能となる。
【0074】
さらに、バーナを多段能力切り換え式とし、寿命判定部により寿命信号が出力されて燃焼能力が低減され、制御特性データに欠落部が生じたときに、その欠落部の燃焼能力が要求された際に、下位側の制御特性データを強制的に指定する能力調整手段を設けた構成としたことによって、前記欠落部の燃焼能力が要求されても必ず燃焼制御の特性データが与えられることとなり、これにより、支障なく、かつ、円滑に燃焼運転を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る燃焼機器の一実施例を示す要部構成のブロック図である。
【図2】燃焼機器が寿命と判定されたときに燃焼能力の低減を行う動作回路のブロック図である。
【図3】本実施例の寿命判定機能を備えた給湯器の説明図である。
【図4】器具設置環境下の風速と器具内風量を検出する差圧センサ出力のばらつき状態の関係を示す説明図である。
【図5】給湯器の3段の燃焼制御特性直線と、能力ダウン時の燃焼制御特性直線の使用調整例の説明図である。
【図6】本実施例の第1の動作を示すフローチャートである。
【図7】図6のフローチャートに接続される同じく第1の動作のフローチャートである。
【図8】本実施例の第2の動作のフローチャートである。
【図9】本実施例の第3の動作のフローチャートである。
【図10】図9の動作に接続される同じく第3の動作のフローチャートである。
【図11】本実施例の第4の動作のフローチャートである。
【図12】給湯器の燃焼能力とガス供給量との関係を示すグラフである。
【図13】給湯器の風量と燃焼能力との関係を示すグラフである。
【図14】風量検出を行う差圧センサの検出差圧と風量との関係を示すグラフである。
【図15】燃焼機器として一般的な給湯器の説明図である。
【符号の説明】
2 バーナ
3 燃焼ファン
15 制御部
16 差圧センサ
22 情況判定部
23 メモリ
24 燃焼停止部
25 ファン再起動部
26 寿命判定部
27 タイマ
【産業上の利用分野】
本発明は、給湯器や風呂釜等の燃焼機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図15には燃焼機器として一般的な給湯器のシステム構成が示されている。同図において、燃焼室1の下方側にはバーナ2が設置され、そのバーナ2の下方側には給排気を行う燃焼ファン3が設けられている。そして、この燃焼ファン3には回転検出センサが設けられている。燃焼室1の上方側には給湯熱交換器4が設けられ、この給湯熱交換器4の入口側には給水管5が接続されており、この給水管5に入水温度を検出するサーミスタ等の入水温度センサ6と、入水流量を検出する水量センサ7とが設けられている。
【0003】
また、給湯熱交換器4の出側には給湯管8が接続されており、この給湯管8には給湯熱交換器4からの出湯温度を検出するサーミスタ等の出湯温度センサ10と、出湯流量を制御する水量制御弁11が設けられている。
【0004】
前記バーナ2のガス供給通路12には電磁弁13と、ガス供給量を制御する比例弁14が設けらている。また、バーナ2の下方側と排気通路19とには圧力導入管20a,20bの圧力導入口が設けられており、この圧力導入管20a,20bによって導かれるバーナ2の下方側空間と排気通路19間の差圧が差圧センサ16によって検出されている。
【0005】
制御部15には給湯器の給湯運転を制御するシーケンスプログラムが内蔵されており、このシーケンスプログラムに従って給湯運転を制御する制御回路が設けられている。この制御部15は前記入水温度センサ6と、水量センサ7と、出湯温度センサ10と、差圧センサ16と、制御部15に接続されているリモコン(図示せず)の情報を受けて、電磁弁13、比例弁14、燃焼ファン3、水量制御弁11の動作を制御して給湯運転を行うもので、バーナ2の燃焼によって給湯熱交換器4を通る水をリモコン等で設定される設定温度の湯に加熱し、この給湯熱交換器4で作り出した設定温度の湯を給湯管8を介して台所等の所望の給湯場所に導くものである。
【0006】
この給湯運転に際し、制御部15は、バーナ2の燃焼能力(燃焼量)に応じて燃焼ファン3の回転制御を行っている。すなわち、制御部15には図12に示すようなガス供給量と燃焼能力に関する燃焼制御データと、図13に示すような風量(ファン回転数)と燃焼能力に関するファン回転制御データとが与えられており、制御部15内の演算回路によって入水温を設定温に高める要求熱量が時々刻々求められており、この要求熱量の燃焼能力に応じて比例弁14の開弁量(この開弁量は比例弁14に加えられる開弁駆動電流によって制御される)、つまり、ガス供給量が制御され、これに応じて、その燃焼能力に応じた風量(ファン回転数)が制御され、バーナ燃焼に最適な空気量がバーナ2に供給制御される。
【0007】
この風量の制御は、前記差圧センサ16の差圧検出信号に基づいて行われている。すなわち、制御部15には、図14に示すような差圧センサ16の差圧と風量(空気量)との関係データが与えられており、これにより、差圧センサ16で検出される差圧検出値に基づき、要求風量と実際の検出風量とのずれを求め、このずれを零に修正する方向に燃焼ファン3のファン回転数を制御して、燃焼量に見合った最適風量が供給されるのである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、給湯器を長期に渡って使用するうちに、給湯熱交換器4のフィン9等にごみや煤等の詰まりが生じ、この詰まりが徐々に進行すると、空気の通気抵抗が徐々に大きくなり、最終的には、バーナ燃焼に必要な空気が得られず器具の寿命となる。従来においては、この器具の寿命の判定をバーナの燃焼回数や燃焼時間等によって判断しており、このような手法では的確な器具の寿命判断を行うことが困難であり、給湯熱交換器4等の詰まりがかなり進行して燃焼状態が悪くなっているにも拘わらず、燃焼回数や燃焼時間が寿命判断の基準値に達していないために、寿命と判定されずに、そのまま給湯器の使用が引き続き行われる場合が生じ、この場合には、当然に排気ガス中のCOガスの発生量も大きくなり、危険な状態となる。これに対し、給湯器が十分良好な燃焼性能を維持しているにも拘わらず、燃焼回数や燃焼時間が寿命判断の基準値に達したために、寿命と判断され、給湯器の燃焼運転が不能な状態にされて、給湯器が廃棄処分にされることがあり、この場合は給湯器の有効活用が図れず、経済的にも不利である。
【0009】
本発明は燃焼ファン3の風量制御を行うための差圧センサ16に着目し、この差圧センサ16の差圧検出信号を用いて器具(給湯器)の寿命判定を的確に行うことができる燃焼機器の寿命判定装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、次のように構成されている。すなわち、本発明の第1の構成は、バーナと、給排気を行う燃焼ファンとを備え、バーナへの空気供給部から排気通路に至る空気流通経路内を流れる風量を直接的又は間接的に検出する風量検出センサを備えた燃焼機器において、燃焼ファンが零回転又は定回転のもとで風量検出センサのセンサ出力を予め定めた所定の時間にかけて複数取り込み、この取り込みデータのばらつき変動幅が設定許容範囲以内のときに無風安定情況と判定する情況判定部を有することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の第2の構成は、バーナと、給排気を行う燃焼ファンとを備え、バーナへの空気供給部から排気通路に至る空気流通経路内を流れる風量を直接的又は間接的に検出する風量検出センサを備えた燃焼機器において、前記燃焼ファンの予め与えた設定制御条件に対応させて燃焼機器の寿命判定の基準となる風量判定値を記憶してなるメモリと、燃焼ファンが零回転又は定回転のもとで風量検出センサのセンサ出力を予め定めた所定の時間にかけて複数取り込み、この取り込みデータのばらつき変動幅が設定許容範囲以内のときに無風安定情況と判定する情況判定部と、この情況判定部から無風安定情況との判定結果を受けて燃焼ファンを前記設定制御条件のもとで回転させたときの風量検出値と前記風量判定値を比較し風量検出値が風量判定値よりも低いときに燃焼機器の寿命信号を出力する寿命判定部とを有することを特徴とする。
【0012】
さらに、本発明の第3の構成は、バーナと、給排気を行う燃焼ファンとを備え、バーナへの空気供給部から排気通路に至る空気流通経路内を流れる風量を直接的又は間接的に検出する風量検出センサを備えた燃焼機器において、前記燃焼ファンの予め与えた設定制御条件に対応させて燃焼機器の寿命判定の基準となる風量判定値を記憶してなるメモリと、前記風量検出センサの設定制御条件のときの風量検出値と前記風量判定値とを比較し風量検出値が風量判定値を低い側に越えたときに燃焼機器を燃焼停止する燃焼停止部と、この燃焼停止部による燃焼機器の燃焼停止後燃焼ファンを前記設定制御条件で回転起動するファン再起動部と、このファン再起動部による燃焼ファンの前記設定制御条件での回転起動後所定の時間内に風量検出センサの風量検出値を複数取り込み、この取り込みデータのばらつき変動幅が設定許容範囲以内のときに無風安定情況と判定する情況判定部と、この情況判定部により無風安定情況と判定され、かつ、燃焼ファンが設定制御条件で回転しているときの風量検出値が風量判定値を下回るときに燃焼機器の寿命信号を出力する寿命判定部とを有する。
【0013】
さらに、本発明の第4の構成は、前記第1〜第3の各バーナは多面の燃焼面をもち、その燃焼面を燃焼能力に応じて切り換える多段能力切り換え式のバーナからなっていて、切り換え段の各能力毎に燃焼能力と燃料供給量との関係を示す制御の特性データをもっており、寿命判定部により寿命信号が出力されたときにはそれ以降の燃焼運転時のバーナ各段の燃焼能力を低減する能力低減部と、この能力低減によりバーナの制御特性データの上位側のデータと下位側のデータとの間の欠落部分の能力が要求されたときには下位側の制御特性データの能力へ強制的に移行して燃焼運転を制御させる能力調整手段とを有することを特徴とする。
【0014】
【作用】
上記構成の本発明において、燃焼ファンが零回転又は一定回転のもとで、風量検出センサのセンサ出力が所定のサンプリング時間にかけて複数取り込まれ、この取り込みデータのばらつき変動幅が設定許容範囲以内のときに情況判定部により無風安定情況と判定され、取り込みデータのばらつき変動幅が設定許容範囲からはずれたときには有風情況と判定される。
【0015】
前記情況判定部により無風安定情況と判定されたときに、燃焼ファンを設定制御条件の下で回転させ、このとき検出される風量検出センサの風量検出値が寿命判定の基準となる風量判定値を下回ったときには、寿命判定部により通風の詰まり劣化が進行していて、燃焼機器は寿命と判断され、寿命信号が出力される。
【0016】
また、本発明の前記第3の構成では、燃焼機器の燃焼運転時に、時々刻々風量検出センサの検出信号をモニタし、風量検出値と予め与えられている燃焼機器の寿命判定の基準となる風量判定値とを比較し、風量検出値が風量判定値を低い側に越えたときには、燃焼機器の燃焼停止を行う。そして、風量検出値が風量判定値を低い側に越えたのは、燃焼機器の寿命によるものなのか、あるいは燃焼機器の排気側に一時的に逆風等が作用したために、風量検出値が風量判定値を低い側に越えたものなのかを確認する動作に移る。
【0017】
この確認動作に際しては、まず、燃焼機器の燃焼を行わずに、燃焼ファンを設定制御条件で回転起動し、所定の時間の間、風量検出センサの風量検出値が連続して風量判定値を低い側に越えるか否かを検出する。前記所定の時間内に連続して風量検出値が風量判定値を下回るときには逆風(有風)の影響によるものではなく燃焼機器の寿命と判定して寿命信号を出力する。これに対し、前記所定の時間内に風量検出値が一回でも風量判定値を上回ったときには、有風の影響が出たもので、燃焼機器はまだ寿命に達していないものと判定し、寿命信号の出力は行わない。
【0018】
このように、本発明では、燃焼機器の寿命が自動的に判断され、燃焼機器が寿命に達したときには寿命信号が出力される結果、この寿命信号を用いて寿命の報知等を行うことにより、燃焼機器の使用者は器具の寿命に対して適切な処置を行うことが可能となる。
【0019】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。なお、本実施例の説明において、従来例と同一の名称部分には同一符号を付し、その重複説明は省略する。図3には本発明に係る寿命判定手段を備えた燃焼機器が給湯器を例にして示されている。この実施例の給湯器は、バーナ2を能力切り換え式に形成し、バーナ2の燃焼面をA面とB面とC面の3面に区分し、電磁弁等により形成される能力切り換え弁18aのみを開けることによりA面の1段燃焼状態となり、能力切り換え弁18aと18bを開けることによりA面とB面の2段燃焼状態となり、能力切り換え弁18a,18b,18cを開けることにより、A面とB面とC面の全面燃焼状態となり、これら能力切り換え弁18a,18b,18cの弁切り換え動作によりバーナ17の燃焼能力を切り換え可能になっており、このバーナ17の燃焼切り換え、つまり、能力切り換え弁18a,18b,18cの弁切り換え駆動は制御部15によって制御されている。また、本実施例では、風量検出センサとしての差圧センサ16によりバーナ17の上下両側間の差圧を検出する構成となっている。さらに、燃焼ファン3の回転数はホールIC等のファン回転検出センサ28によって検出されている。
【0020】
本実施例において特徴的なことは、差圧センサ16の差圧検出値に基づき、燃焼ファン3の風量制御を行う他に、給湯器の寿命判定を行う手段を制御部15に設けたことである。
【0021】
この特徴的な寿命判定手段は、図1に示すように、情況判定部22と、メモリ23と、燃焼停止部24と、ファン再起動部25と、寿命判定部26と、タイマ27とを有して構成されている。
【0022】
メモリ23には予め与えた設定制御条件である設定ファン回転数に対する給湯器の寿命判定の基準となる風量判定値としての差圧判定値や、ファン回転が零回転のときと予め与えた一定回転のときの風量検出センサ出力のばらつき変動の設定許容範囲等のデータが記憶されている。前記ファンの設定回転数は適宜の回転数で与えることができるが、本実施例では、燃焼ファン3の定格最大回転数によって与えており、この定格最大回転数のときの差圧判定値がメモリ23に記憶されている。
【0023】
情況判定部22は、燃焼ファン3が零回転のとき、つまり、燃焼ファン3が回転していないときの器具設置環境の無風安定情況と有風情況との区別判断を行う。図4は燃焼ファン3の停止状態で、給湯器を有風環境にさらし、そのときの風速の大きさと差圧センサ16のセンサ出力との関係を実験により求めたグラフである。このグラフから分かるように、有風情況になると、差圧センサの差圧検出値がセンサの零点に対して上下非対称にばらつき、このばらつきの変動幅は風速が大きくなるにつれ大きくなる。
【0024】
情況判定部22は、燃焼ファン3が零回転のときにおける差圧センサ16の差圧検出値のばらつき変動を、メモリ23に格納されている設定許容範囲と比較し、設定許容範囲からはずれたとき(この設定許容範囲は上限レベルと下限レベルで与えられるが、場合によっては上限レベルのみで与えられることもある)からはずれたとき(設定許容範囲が上限レベルのみで与えられるときは上限レベルを上に越えたとき)には有風情況と判定し、差圧センサ16の差圧検出値のばらつき変動が設定許容範囲内にあるときには無風安定情況と判定する。換言すれば、許容設定範囲に対応する基準風速に対し、この基準風速よりも低い風速の環境下にあるときには無風安定情況と判定し、基準風速よりも給湯器設置環境下の風速が大きくなったときには有風情況と判定するのである。
【0025】
また、情況判定部22は、ファン回転検出センサ28から加えられるファン回転検出値が予め設定される定回転数になったときに、タイマ27を所定の時間動作させ、そのタイマ動作時間中に、差圧センサ16から加えられる風量検出値としての差圧検出値と、メモリ23に記憶されている前記差圧判定値とを比較し、連続して差圧検出値が差圧判定値を低圧側に越えていたとき、つまり、差圧検出値が、燃焼ファンの定回転時のばらつき変動の設定許容範囲から外れたときには有風情況と判定し、設定許容範囲内のときは無風安定情況と判定しその結果を燃焼停止部24と寿命判定部26へ加える。
【0026】
燃焼停止部24は、燃焼ファン3が定格最大回転数で回転して燃焼運転が行われているときに、情況判定部22から差圧検出値が差圧判定値を低圧側に越えた比較結果を受けたときに、バーナ2の燃焼を停止し、その燃焼停止の信号をファン再起動部25に加える。ファン再起動部25は燃焼停止部24から燃焼停止の信号を受けたときに、バーナ2の燃焼を行わずに燃焼ファン3を前記設定回転数、つまり、燃焼ファン3の定格最大回転数で回転起動し、このファン再起動信号を寿命判定部26へ加える。
【0027】
寿命判定部26は、ファン再起動部25からファン再起動信号を受けたときに、情況判定部22の判定により、無風安定情況の状態にあり、かつ、燃焼ファン3が定格最大回転数で回転しているときに差圧検出値が差圧判定値以下のときには給湯器の寿命と判定し、寿命信号を出力する。これに対し、有風情況と判定されたときや、無風安定情況であっても差圧検出値が差圧判定値を上回ったときには、給湯器は寿命でないものと判定し、寿命信号の出力は行われない。
【0028】
図2は寿命判定部26から寿命信号が出力されたときの給湯器の運転制御部の回路を示したものである。この回路は、燃焼能力ダウン切り換え部31と、能力特性グラフ選定部32と、ファン制御部34と、水量制御部33とを有して構成されている。
【0029】
前記寿命判定部26から寿命信号が出力されたときには、寿命の給湯器を廃棄処分にすることも可能であるが、この図2に示す回路は、寿命信号が出力されたときに、その寿命の給湯器を直ちに廃棄せずに、新しい給湯器が設置施工されるまでの間、一時的に使用可能にするための回路である。図において、燃焼能力ダウン切り換え部31は、寿命信号が加えられたときに、給湯器の燃焼能力を1ランク下げて、燃焼ファン3から出せる風量でもってバーナ2の燃焼を行おうとするものであり、寿命信号が加えられたときに、24号の給湯器であれば、例えば、20号の燃焼能力にダウン切り換えする等して、そのダウン切り換えした燃焼能力を能力特性グラフ選定部32と水量制御部33へ加える。
【0030】
能力特性グラフ選定部32には、例えば、図5の(a)に示すような3段燃焼の各燃焼能力の制御特性データが与えられており、特性直線D1 は、バーナ2の燃焼面Aの第1段燃焼時における特性直線であり、D2 はバーナ2のA面とB面の2段燃焼時の特性直線であり、D3 はA面とB面とC面の3段燃焼時の特性直線である。この各段の特性直線間には重ねしろΔDが与えられており、各特性直線D1 ,D2 ,D3 間の変換が円滑に行われるようになっている。
【0031】
例えば、第1段燃焼状態においては、特性直線D1 の始端位置DS が最小能力位置であり、燃焼能力が次第に大きくなり、第1段燃焼の最大燃焼能力になると特性直線D1 の終端位置DF となり、さらに大きな燃焼能力が要求されたときには、バーナ2の能力切り換えにより、A面とB面の2段燃焼となり、燃焼の特性直線はD1 のDF 点から特性直線D2 のDP 点に移り変わり、特性直線D2 に従って燃焼制御が行われる。また、D2 の直線に従って燃焼制御を行っているときに、バーナ17の能力切り換えが行われて2段燃焼から1段燃焼に切り換えられたときには、特性直線はD2 の直線の始端位置DS から直線D1 のDQ 点に移り変わり、D1 の特性直線に従って燃焼制御が行われる。このように、各段の能力切り換えが行われたときには、燃焼制御直線も切り換わるが、前記重なりしろΔDを設けることにより、ハンチングを起こすことなく各特性直線間の切り換えが円滑に行われることとなる。
【0032】
ところが、前記燃焼能力ダウン切り換え部31により、燃焼能力がダウン方向に切り換えられて、図5の(a)のラインLの右側の燃焼供給量(比例弁電流)部分が切り捨てられてしまうと、各特性直線D1 ,D2 ,D3 間の重なりしろΔDがなくなってしまい、燃焼特性直線の切り換えが円滑に行われなくなってしまうという問題が生じる。この問題を解消するたに、能力特性グラフ選定部32は、前記燃焼能力ダウン切り換え部31から燃焼能力のダウン切り換えを受けたときに、要求燃焼能力が各特性直線D1 ,D2 ,D3 の間にあるときには、燃焼能力の小さい方の特性直線を選定(例えば、図5の(b)で、要求燃焼能力PがD1 とD2 の間のときにはD1 を選定)し、この選定した特性直線に従って燃焼制御を行わせるのである。
【0033】
その一方で、水量制御部33は、燃焼能力ダウン切り換え部31から燃焼能力のダウン切り換えの信号を受けたときに、リモコン等で設定される設定温度と出湯温度センサ10で検出される出湯温度とを比較し、出湯温度センサの出湯検出温度が設定温度よりも低いときには水量制御弁11を絞る方向に制御し、設定温度の湯を出湯する方向に水量制御弁11の絞り制御を行う。
【0034】
次に、本実施例の第1の動作を図6〜図7のフローチャートに基づき説明する。まず、ステップ101 で寿命判断フラグ(LIFE)に零が置かれる。次のステップ102 から120 までの動作は通常の燃焼運転制御の動作であるのでその説明を簡略化する。ステップ102 で水量センサ7の信号により入水が確認されると、ステップ104 で入水温度を設定温度に高めるために要する熱量のフィードフォワード量(FF量)の演算、能力切り換え弁18a〜18cのオン、オフ判断、比例弁の開閉量判断とその開弁量に対応する比例弁電流の通電、燃焼ファンのプリパージ回転数での回転、電磁弁13のオン動作が行われる。
【0035】
ステップ105 でプリパージ時間以内か否かが判断され、プリパージ時間が経過したときに、燃焼ファンを着火トライ回転数へアップし、能力切り換え弁のオン制御と、イグナイタのオン動作を行う。ステップ107 でフレームロッド電極(図示せず)により着火を確認した後ステップ112 でイグナイタをオフする。
【0036】
前記ステップ107 で着火が確認されないときには、ステップ108 で着火トライ時間が経過したか否かを判断し、着火トライ時間以内であるときには着火を繰り返し行う。着火を繰り返し行っても着火確認がされないときには、ステップ109 で電磁弁、能力切り換え弁、比例弁をそれぞれオフし、給湯管8の先端側の給湯栓(図示せず)が閉められて水量センサ7により流水が検知されなくなったことを判断してステップ111 で燃焼ファンを停止し、給湯栓が再び開けられるのを待つ。
【0037】
前記ステップ107 で着火が確認され、イグナイタがオフされた後に、ステップ113 で寿命判断フラグが零であるか否かを判断する。今回は前記ステップ101 で寿命判断フラグに零が立てられているので、ステップ114 に進み、フィードフォワード(FF)とフィードバック(FB)の併用ガス量制御と、水量制御弁による水量制御によって燃焼運転が行われる。
【0038】
ステップ115 では、この燃焼運転中に風量がバーナ燃焼量に合っているか否かが判断される。一般に、比例弁14の開弁量、つまり、開弁駆動電流Iと、風量との間には、I=KΔPの関係がある。ここで、ΔPはバーナ2の上下空気通路区間の差圧であり、Kは比例定数であり、このKの値は予め設定されている。開弁駆動電流Iと風量との関係が前記式を満足する場合には燃焼量と風量が合っているのでそのままのファン制御状態で燃焼運転を継続し、前記式を満足していないときには、次のステップ117 で開弁駆動電流Iと風量情報のKΔPとの大小を判断する。IがKΔPよりも小さいときには比例弁14の開弁量、つまり、ガス供給量に比べ風量が大きすぎる場合に相当し、この場合にはステップ118 で燃焼ファン3のファン回転数を減少する方向に制御する。
【0039】
一方、開弁駆動電流IがKΔPよりも大のときには、ステップ119 でファン回転数が定格最大回転数以上か否かを判断する。ファン回転数が定格最大回転数(上限値)に達していないときにはファン回転数をアップする余裕があるので、ステップ120 でファン回転数をアップして風量の不足を補う。ファン回転数が上限値以上のときには、風量不足(空気量不足)の場合に該当し、この場合には風量不足が器具の寿命によって生じたものなのか、あるいは器具設置環境下の有風の影響によるものなのかの確認動作に移る。
【0040】
まず、図7のステップ121 で寿命判断フラグが零であるか否かを判断する。今回の場合は前記の如く、ステップ101 でフラグに零が立てられているので、ステップ122 の動作に移り、電磁弁13、能力切り換え弁18a〜18c、比例弁14をそれぞれオフしてバーナ燃焼を停止する。そして、ステップ123 で燃焼ファン3を設定制御条件、この例では定格最大回転数で回転し、差圧センサ16の差圧検出値ΔPと、差圧判定値のBmmAqとを比較し、ステップ125 でタイマ27の動作時間が経過するまで前記差圧検出値と差圧判定値との比較判断を繰り返し行う。
【0041】
そして、このタイマ動作の所定のサンプリング時間の間、全て差圧検出値ΔPが差圧判定値を下回っていたときには情況判定部22により無風安定情況と判断され、このような無風安定情況にも拘わらず風量の不足状態が生じたことは、給湯熱交換器4に煤詰まりが生じる等の通風詰まり劣化が生じたものと判断され、ステップ126 で寿命判定部26により器具寿命と判定されて寿命判断フラグに1が立てられる。これに対し、所定のサンプリング時間(C分間)の間に1回でも差圧検出値ΔPが差圧判定値を上回ったときには、前記ステップ117 で差圧検出値ΔPが差圧判定値I/Kを低圧側に越えたのは器具の寿命のためではなく、給湯器の排気側に逆風が当たる等の有風の影響によって一時的に差圧検出値が低下したものと判断する。これらステップ123 〜ステップ125 の動作では、無風安定情況にあるか否かの判定と、器具寿命の判定とが同時に行われる。
【0042】
前記ステップ126 で器具が寿命と判定され、寿命信号が出力されたときには、この寿命信号を用いて器具が寿命である旨をランプ表示、あるいはリモコン等の表示部に表示する等して器具の寿命を報知する。このことで、器具の買い換えや、メンテナンス等、適切な処置を使用者に促す。
【0043】
前記ステップ122 から126 にかけて寿命判断が行われ、寿命でないと判定された場合には寿命判断フラグが零のままで、寿命と判定されたときには寿命判断フラグに1が立てられ、いずれの場合も次に給湯栓が開けられることにより、ステップ102 以降の動作が行われる。そして、ステップ113 で、寿命判断フラグに1が立てられていることを確認したときには、器具寿命と判定された後の燃焼運転の状態と判断し、図7のステップ127 以降の動作が行われる。
【0044】
このステップ127 以降の動作は、器具寿命によって低下した風量の範囲内で給湯器を一時的に使用可能状態にする動作を示したものである。そのため、ステップ127 で給湯器の燃焼能力をバーナ2の各段燃焼ごとに1/Nに低下させる。このNは少数を含む実数である。つまり、図5の(a)に示す如く、ラインLの右側の能力がカットされる。次に、ステップ128 で設定温度に対し、フィードフォワード演算により求められる燃焼能力が出せるか否か(フィードフォワードガス量制御が可能か否か)を判断する。この燃焼能力が出せる場合には燃焼能力のカット状態でステップ115 以降の燃焼運転が行われることとなる。この場合は、ステップ116 の動作で、水流オンが判断されたとき(燃焼継続中のとき)はステップ113 の動作に行かず、破線の示すように、ステップ115 の動作に移ることになる。
【0045】
これに対し、ステップ128 でフィードフォワード演算量の燃焼能力が出せないものと判断された場合、すなわち、前記図5の(a),(b)に示すように、ラインLの右側がカットされて各段数の特性直線間に重ねしろΔDがなくなってしまって、低能力側の特性直線とそれよりに高い方の特性直線との間の欠落部の燃焼能力が要求されたものである場合には、ステップ129 で燃焼制御の特性直線を低い側の特性直線に移行して燃焼制御を行わせる。そして、この低能力側の特性直線を選定したことによる給湯湯温の低下分を補うために、次のステップ130 で水量制御弁11を閉方向に制御して出湯量を少なくする方向に制御し、設定温度の湯温を出湯できる態勢に水量制御してステップ115 以降の燃焼運転を行う。この場合もステップ116 で水流オンの判断時にはステップ113 へは行かず、ステップ115 の動作に移ることになる。
【0046】
前記のように、寿命判断フラグに1が立てられた後には、ステップ115 からステップ120 にかけての風量制御が行われるが、このときステップ119 でファン回転数が定格最大回転数以上であるときには、ステップ121 で寿命判断フラグが零であるか否かが判断される。今回は、既に寿命判断フラグに1が立てられているので、ステップ131 で強制的に器具運転が停止され、それ以降の燃焼運転をできない状態にし、燃焼不良のまま燃焼運転が行われるのを防止し、安全が図られる。
【0047】
図8は器具の寿命判定を行う第2の動作を示すフローチャートである。前記図6および図7に示す動作では、有風情況と無風安定情況との区別判断動作と、寿命判定の動作を、燃焼運転をステップ122 で停止した後、ステップ123 から125 の動作によって同時に行ったが、第2の動作では、有風と無風安定情況の判断と、寿命判定の判断を別個の動作によって行ったものであり、それ以外の動作は前記第1の動作と同様であり、同じ動作には同一のステップ番号を付してある。ステップ101 から121 までの動作と、ステップ127 から131 までの動作は前記第1の動作と同一であるので、図8では、ステップ101 とステップ102 とステップ121 とステップ131 の動作を図示し、その間の第1の動作と共通のステップ動作は省略してある。
【0048】
図8のフローチャートで、ステップ132 からステップ138 までの動作は器具設置環境の有風情況と無風安定情況の区別判断の動作を示しており、ステップ139 からステップ142 までの動作は器具の寿命判定の動作を示している。器具の燃焼運転を行っているときに、燃焼ファンの回転が定格最大回転数以上となっているにもかかわらずガス供給量に比べ検出風量が不足となっているときには、その空気の不足状態が有風のために生じているものか、あるいは器具寿命のために生じているものなのかを判断するために、ステップ132 で燃焼停止を行う。この燃焼停止に際し、電磁弁、能力切り換え弁、比例弁がそれぞれオフされ、燃焼ファン3も停止される。そして、次に有風情況にあるか、無風安定情況にあるかの判断動作に移る。
【0049】
まず、ステップ133 で、差圧センサ16の最大瞬間値ΔPMAX と最小瞬間値ΔPMIN とが初期値データとして入力され、この入力値はメモリ23等に格納される。この初期値として、例えば、図4のセンサ零点の値がΔPMAX ,ΔPMIN の値として入力されるステップ134 では差圧センサ16によって検出された差圧検出値ΔPがΔPMAX 以上であるか否かを判断し、差圧検出値ΔPが最大瞬間初期値ΔPMAX よりも大きいときにはその検出値ΔPをΔPMAX に置き換える。また、ステップ136 では差圧検出値ΔPと最小瞬間初期値ΔPMIN とを比較し、ΔPがΔPMIN 以下か否かを判断する。ΔPがΔPMIN よりも小さいときにはΔPをΔPMIN に置き換える。これらの最大瞬間値ΔPMAX と最小瞬間値ΔPMIN の置き換え動作をタイマ27の動作によって指定される所定のサンプリング時間行い、ΔPMAX とΔPMIN を確定する。
【0050】
次に、ステップ139 で確定されたΔPMAX とΔPMIN の差を求め、この差(ばらつき変動幅)が設定許容範囲の値Dを下回るか否かを判断する。最大瞬間値と最小瞬間値の差が設定許容範囲のDよりも小さいときに、換言すれば、差圧センサ16の差圧検出値のばらつき変動の要因となる風速が設定許容範囲Dに対応する風速よりも大きいときには有風情況と判定し、空気量の不足が生じたのは一時的な有風の影響であると判断し、ステップ102 以降の動作を行う。
【0051】
これに対し、前記ステップ139 で最大瞬間値ΔPMAX と最小瞬間値ΔPMIN の差がDを下回るときには、無風安定情況と判定し、このときには、次のステップ140 から141 にかけて器具寿命の判定動作に移る。ステップ140 では、燃焼ファン3をバーナの非燃焼状態で、設定制御条件である定格最大回転数で回転する。この状態で、ステップ141 で、差圧検出値ΔPと差圧判定値(BmmAq)とを比較し、差圧検出値ΔPが差圧判定値よりも低いときには、通風詰まり劣化による器具寿命と判定し、寿命判断フラグに1を立てて寿命信号を出力し、前記図7のステップ127 以降の動作により、燃焼能力を1/Nに低減して一時的に燃焼運転を可能状態にする。
【0052】
図9および図10は本実施例の第3の動作を示すフローチャートである。この第3の動作は、運転スイッチがオンされた後、燃焼ファンを回転する前に有風情況か無風安定情況かの判定を行い、燃焼開始前のプリパージのファン回転中に、器具の寿命判定を行うようにしたことを特徴とする。この第3の動作を示すフローチャートにおいて、前記第1の動作や第2の動作と同一の動作には同一のステップ番号を付してその説明は省略(又は簡略化)する。まず、運転スイッチがオンされると、ステップ101 で寿命判断フラグに零が置かれ、ステップ301 で差圧センサ16の最大瞬間値ΔPMAX と最小瞬間値ΔPMIN との初期値が入力され、同時に、無風判断フラグEに零が置かれる。そして、ステップ302 で有風情況と無風安定情況を判定するためのタイマ27がスタート(リセットスタートを含む)される。
【0053】
次に、ステップ134 から137 にかけて、前記第2の動作示す図8のステップ134 〜137 と同様な動作を行い、差圧センサ16の差圧検出値を用いてサンプリング時間中の最大瞬間値ΔPMAX と最小瞬間値ΔPMIN の値を確定する。そして、ステップ303 でフローセンサ(水量センサ7)がオフしていることを確認して、ステップ304 で、前記確定した最大瞬間値ΔPMAX と最小瞬間値ΔPMIN の差と、設定許容範囲Dとを比較し、最大瞬間値ΔPMAX と最小瞬間値ΔPMIN とのばらつき変動幅が設定許容範囲Dを下回るときには無風安定情況と判定し、無風判断フラグEに1を立てる。最大瞬間値ΔPMAX と最小瞬間値ΔPMIN との変動幅が設定許容範囲のDよりも大きいときには、有風情況と判定し、無風判断フラグEは零のままにしておく。
【0054】
前記有風情況と無風安定情況との判別判定を行った後、ステップ307 で水量センサ7からオン信号が加えられたか否かを判断し、オン信号が加えられたときには、次のステップ104 で燃焼ファン3をプリパージ回転(バーナを燃焼する前に燃焼室内の排気ガスを排出するために、燃焼ファンを回転する動作)し、プリパージのファン回転が一定に安定した時期となった図10のステップ308 で、差圧センサ16の差圧検出値ΔPと、そのプリパージの定速時における差圧判定値(BmmAq)とを比較し、差圧検出値ΔPが差圧判定値を下回ったときには、ステップ309 で無風判断フラグに1が立っているか否かを判断する。無風判断フラグに1が立っているときには、無風安定情況の下で風量不足が生じたこととなり、このときには、通風詰まり劣化による器具寿命と判定し、ステップ310 で寿命判断フラグに1を立て、寿命信号を出力する。前記ステップ308 で差圧検出値が差圧判定値よりも大きいときには、風量不足の状態ではなく、また、ステップ309 で無風判断フラグが零であるときには、風量不足は有風のためと判断され、これらの場合はいずれも器具の通風詰まり劣化の寿命ではないと判断し、ステップ106 以降の燃焼運転動作を行う。
【0055】
このステップ106 以降の動作においては、寿命判断フラグが零の状態にあるときには通常の燃焼運転を行い、寿命判断フラグに1が立てられているときには、これがステップ113 で判断され、前記第1の動作を示す図7のステップ127 から130 の動作と同一の動作を行い、器具の燃焼能力を低減して燃焼運転を行わせる。
【0056】
この第3の動作では、燃焼ファン3を回転する前に有風と無風の情況判定を行い、バーナ2を燃焼する前のプリパージのファン回転を利用して器具の寿命判定を行うので、前記第1および第2の動作のように燃焼運転を一旦停止してから燃焼ファンを回転して寿命判定を行うのに比べ、その寿命判定を短時間のうちに迅速に行うことができるという効果が得られる。また、前記第1および第2の動作と同様に、燃焼ファン3を回転していない状態で有風と無風の情況判定を行うので、その情況判定の精度を格段に高めることができる。
【0057】
図11は本実施例の第4の動作を示すフローチャートである。この第4の動作は、バーナを燃焼しての燃焼運転中に、燃焼ファンの回転アップでは対応できない風量不足が判断されたときに、燃焼運転を停止することなく、燃焼運転を継続したまま、有風と無風の情況判定と器具の寿命判定を行うようにしたことを特徴とする。この第4の動作のフローチャートで、前記図8に示す第2の動作のフローチャートと同一の動作には同一符号を付してその動作説明を省略あるいは簡略化する。
【0058】
この第4の動作では、運転スイッチがオンされると、ステップ401 で寿命判断フラグに零が立てられ、差圧センサ16の差圧検出の最大瞬間値ΔPMAX と最小瞬間値ΔPMIN の初期値が入力記憶される。次に、ステッップ102 以降の動作によって燃焼運転が開始される。ステップ102 から121 までの動作は第2の動作の図8および第1の動作の図6および図7の同じ番号のステップ動作と同様である。ガス供給量に対して風量不足が判断されたときには、燃焼ファン3の回転数が定格最大回転数よりも大か小かが判断され、小のときには、ステップ120 でファン回転がアップされるが、ファン回転数が定格最大回転数以上のときには、風量アップができない風量不足の状態であり、このときには、ステップ121 で寿命判断フラグが零であるか否かが判断され、寿命判断フラグが零のときには、ステップ134 からステップ138 にかけて、所定のタイマ動作によるサンプリング時間中に、差圧センサ16で検出される差圧検出値を利用して最大瞬間値ΔPMAX と最小瞬間値ΔPMIN を確定する。
【0059】
そして、その後、ステップ139 で最大瞬間値ΔPMAX と最小瞬間値ΔPMIN の差、つまり、燃焼ファンが一定のプリパージの回転数で回転しているときの状態時における差圧センサ16の差圧検出値の変動量が設定許容範囲のDと比較され、差圧検出値のばらつき変動量が設定許容範囲を下回るときには無風安定情況と判定し、それ以外のときには有風判定情況と判定する。
【0060】
無風安定情況と判定されたときには、次のステップ141 で差圧センサ16により取り込まれる差圧検出値ΔPと差圧判定値BmmAqとの比較が行われ、差圧検出値ΔPが差圧判定値を下回るときには無風安定情況にあるにも拘わらず風量不足の状態にあることは、器具の詰まり劣化による寿命と判定され、ステップ142 で寿命判断フラグに1が立てられて寿命信号が出力され、図7のステップ127 から130 の動作と同様の動作を行って器具の燃焼能力を低減させた状態で燃焼運転を継続する。
【0061】
この第4の動作では、風量アップができない状態で風量不足が判断されたときには、前記第1および第2の動作のように燃焼運転を一旦停止して寿命判定を行うのではく、そのまま燃焼運転を続けながら器具寿命の判定を行うので、湯の使用中に湯が一時的に出なくなるという不都合がなく、湯を支障なく使用している間に器具の寿命判定を行うことができるという優れた効果を奏することができる。
【0062】
本実施例によれば、風量制御を行う差圧センサの差圧検出値に基づき、器具の寿命を判定することができるので、この判定結果に基づき、器具の寿命を的確に知ることができ、これにより、器具が寿命になっているにも拘わらず器具の使用がそれ以降も継続され、COガスの過剰発生等の燃焼悪化を引き起こしたり、器具が未だ十分良好な燃焼性能を維持しているにも拘わらず器具の寿命と判断されて器具が廃棄処分にされるという無駄を防止することができる。
【0063】
しかも、器具の寿命判定は無風安定情況下で行われるので、器具設置環境下における逆風等の有風の影響(有風による差圧センサ出力の変動)の影響を受けることなく行われるので、その寿命判定の精度が高まり、寿命判定の信頼性を格段に高めることができる。
【0064】
なお、本発明は上記実施例に限定されることはなく、様々な実施の態様を採り得る。例えば、上記実施例では、バーナ2を3段の燃焼切り換え方式で構成したが、3段以外の多段燃焼切り換え方式としてもよく、あるいは、燃焼切り換え式でないバーナでもよい。
【0065】
また、上記実施例では差圧センサ16によってバーナ2をはさむバーナ2の上下両側の区間の差圧を検出するようにしたが、この差圧は、バーナへの空気供給部から排気通路に至る空気流通経路内の上流側と下流側の任意の経路区間の差圧を検出すればよく、例えば、燃焼ファンの吸気口と燃焼室の区間の差圧、燃焼ファンの送風出側部分と燃焼室の区間の差圧、あるいは、これら燃焼ファンの吸気口や送風出口部分と給湯熱交換器の上側の排気トップとの区間の差圧、燃焼室と排気トップ側の区間の差圧等、差圧検出の経路区間はそれ以外にも無数の区間を設定することができるものである。ただ、本実施例のようにバーナ2を挟んでバーナの下側と上側の区間で差圧を検出する構成とした場合には、給湯熱交換器等に比べ、バーナ2ではごみ等による詰まりはほとんど生じないので、バーナ2を通る空気抵抗の経時変化は殆どなく、燃焼ファン3から送出される風量を正確に差圧でもって検出できることとなり、この点から、本実施例のようにバーナ2を挟む経路区間で差圧を検出する方式とすることが望ましい。
【0066】
さらに、上記実施例では、風量検出センサとして差圧センサ16を用いたが、この差圧センサ16の代わりに、例えば、熱線ヒータ式やカルマン渦方式の風速センサを用いてもよく、あるいは、風量を直接的に検出するプロペラ回転式の風量計を用いてもよく、風量を直接的又は間接的に検出できる様々なセンサを用いることができる。
【0067】
さらに、上記実施例では、燃焼ファンの設定制御条件をファン回転数で与えたが、この燃焼ファンの設定制御条件は燃焼ファンの駆動電流や、仕事量等の他の制御条件によって与えてもよい。このときには、これらのファン駆動電流や仕事量の設定条件の下で燃焼ファンを回転し、風量検出値と風量判定値の比較によって器具の寿命判定を行うこととなる。
【0068】
さらに、上記実施例で寿命判定を行う場合、第1の動作では、図7のステップ125 でC分間の時間を与え、この時間内に一度でも差圧検出値ΔPが差圧判定値を上回ったときには寿命でないものと判定し、そのC分間の間全て差圧検出値が差圧判定値を下回ったときには器具寿命と判定しているが、これを、第2〜第4の動作と同様に、C分間の時間を与えることなく、無風安定情況と判定された以降に検出される差圧検出値に基づいて直ちに寿命判定を行うようにしてもよい。またその逆に、第2〜第4の動作では、無風安定情況と判定された以降に検出された差圧検出値が差圧判定値を下回ったときには直ちに器具寿命と判定したが、これを、第1の動作と同様に、所定のC分間の時間を与え、この時間内に差圧検出値が一度でも差圧判定値を上回ったときには寿命でないものと判定し、C分間の間全ての風量検出値(差圧検出値)が風量判定値(差圧判定値)を下回ったときに器具寿命と判定するようにしてもよい。
【0069】
さらに、上記実施例では燃焼機器として単能給湯器(給湯機能のみの給湯器)を例にして説明したが、本発明は、給湯と追い焚き、あるいは、給湯と温水暖房等の両機能を備えた複合給湯器や、その他、風呂釜、暖房機、冷房機、冷暖房機、空調機等の様々なバーナを有する燃焼機器に適用されるものである。
【0070】
さらに、上記実施例では、燃焼ファン3を押し込み方式としたが、これを吸い出し方式としてもよいことはもちろんのことである。
【0071】
【発明の効果】
本発明によれば、燃焼機器の風量制御を行うための風量検出センサの風量検出値を用いて器具の寿命を的確に判定することができ、器具が寿命になっているにも拘わらず引き続き使用されることによる危険を確実に防止することができると共に、器具が良好な燃焼性能を維持しているにも拘わらず器具寿命と誤判定されて廃棄処分にされるという器具使用の無駄を防止することができる。
【0072】
また、風量検出値を用いての器具の寿命判定は、無風安定情況の下で行うようにしたものであるから、器具設置環境下の風の影響による風量検出値の変動を受けない状態で器具の寿命判定を行うので、その寿命判定の精度が高められ、信頼性の高い寿命判定を行うことができる。
【0073】
さらに、寿命判定を行うためのセンサを別途も受ける必要はなく、風量制御の風量検出センサを利用して寿命判定を行うことができるので、本発明の寿命判定機能を備えた燃焼機器の装置構成も簡易となり、これに伴い、装置のコスト低減を図ることが可能となる。
【0074】
さらに、バーナを多段能力切り換え式とし、寿命判定部により寿命信号が出力されて燃焼能力が低減され、制御特性データに欠落部が生じたときに、その欠落部の燃焼能力が要求された際に、下位側の制御特性データを強制的に指定する能力調整手段を設けた構成としたことによって、前記欠落部の燃焼能力が要求されても必ず燃焼制御の特性データが与えられることとなり、これにより、支障なく、かつ、円滑に燃焼運転を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る燃焼機器の一実施例を示す要部構成のブロック図である。
【図2】燃焼機器が寿命と判定されたときに燃焼能力の低減を行う動作回路のブロック図である。
【図3】本実施例の寿命判定機能を備えた給湯器の説明図である。
【図4】器具設置環境下の風速と器具内風量を検出する差圧センサ出力のばらつき状態の関係を示す説明図である。
【図5】給湯器の3段の燃焼制御特性直線と、能力ダウン時の燃焼制御特性直線の使用調整例の説明図である。
【図6】本実施例の第1の動作を示すフローチャートである。
【図7】図6のフローチャートに接続される同じく第1の動作のフローチャートである。
【図8】本実施例の第2の動作のフローチャートである。
【図9】本実施例の第3の動作のフローチャートである。
【図10】図9の動作に接続される同じく第3の動作のフローチャートである。
【図11】本実施例の第4の動作のフローチャートである。
【図12】給湯器の燃焼能力とガス供給量との関係を示すグラフである。
【図13】給湯器の風量と燃焼能力との関係を示すグラフである。
【図14】風量検出を行う差圧センサの検出差圧と風量との関係を示すグラフである。
【図15】燃焼機器として一般的な給湯器の説明図である。
【符号の説明】
2 バーナ
3 燃焼ファン
15 制御部
16 差圧センサ
22 情況判定部
23 メモリ
24 燃焼停止部
25 ファン再起動部
26 寿命判定部
27 タイマ
Claims (4)
- バーナと、給排気を行う燃焼ファンとを備え、バーナへの空気供給部から排気通路に至る空気流通経路内を流れる風量を直接的又は間接的に検出する風量検出センサを備えた燃焼機器において、燃焼ファンが零回転又は定回転のもとで風量検出センサのセンサ出力を予め定めた所定の時間にかけて複数取り込み、この取り込みデータのばらつき変動幅が設定許容範囲以内のときに無風安定情況と判定する情況判定部を有することを特徴とする燃焼機器。
- バーナと、給排気を行う燃焼ファンとを備え、バーナへの空気供給部から排気通路に至る空気流通経路内を流れる風量を直接的又は間接的に検出する風量検出センサを備えた燃焼機器において、前記燃焼ファンの予め与えた設定制御条件に対応させて燃焼機器の寿命判定の基準となる風量判定値を記憶してなるメモリと、燃焼ファンが零回転又は定回転のもとで風量検出センサのセンサ出力を予め定めた所定の時間にかけて複数取り込み、この取り込みデータのばらつき変動幅が設定許容範囲以内のときに無風安定情況と判定する情況判定部と、この情況判定部から無風安定情況との判定結果を受けて燃焼ファンを前記設定制御条件のもとで回転させたときの風量検出値と前記風量判定値を比較し風量検出値が風量判定値よりも低いときに燃焼機器の寿命信号を出力する寿命判定部とを有する燃焼機器。
- バーナと、給排気を行う燃焼ファンとを備え、バーナへの空気供給部から排気通路に至る空気流通経路内を流れる風量を直接的又は間接的に検出する風量検出センサを備えた燃焼機器において、前記燃焼ファンの予め与えた設定制御条件に対応させて燃焼機器の寿命判定の基準となる風量判定値を記憶してなるメモリと、前記風量検出センサの設定制御条件のときの風量検出値と前記風量判定値とを比較し風量検出値が風量判定値を低い側に越えたときに燃焼機器を燃焼停止する燃焼停止部と、この燃焼停止部による燃焼機器の燃焼停止後燃焼ファンを前記設定制御条件で回転起動するファン再起動部と、このファン再起動部による燃焼ファンの前記設定制御条件での回転起動後所定の時間内に風量検出センサの風量検出値を複数取り込み、この取り込みデータのばらつき変動幅が設定許容範囲以内のときに無風安定情況と判定する情況判定部と、この情況判定部により無風安定情況と判定され、かつ、燃焼ファンが設定制御条件で回転しているときの風量検出値が風量判定値を下回るときに燃焼機器の寿命信号を出力する寿命判定部とを有する燃焼機器。
- バーナは多面の燃焼面をもち、その燃焼面を燃焼能力に応じて切り換える多段能力切り換え式のバーナからなっていて、切り換え段の各能力毎に燃焼能力と燃料供給量との関係を示す制御の特性データをもっており、寿命判定部により寿命信号が出力されたときにはそれ以降の燃焼運転時のバーナ各段の燃焼能力を低減する能力低減部と、この能力低減によりバーナの制御特性データの上位側のデータと下位側のデータとの間の欠落部分の能力が要求されたときには下位側の制御特性データの能力へ強制的に移行して燃焼運転を制御させる能力調整手段とを有する請求項2又は請求項3記載の燃焼機器。
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