JP3566141B2 - 可搬式硬質ポリウレタン発泡機 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マンション、戸建住宅、リフォーム、土木などの現場断熱工事や型枠に注入して成型断熱パネルを作成する際に使用する可搬式硬質ポリウレタン発泡機に関するものである。
【０００２】
【従来技術】
硬質ポリウレタンフォームは、その優れた断熱性や自己接着性により、マンション等の住宅や冷蔵倉庫等の壁や天井、屋根等に、吹き付けや注入することにより断熱材として広く利用されている。一般にこのような断熱工事は、現場に原料とポリウレタン発泡機を持ち込んで施工が行われる。
【０００３】
このように使用されるポリウレタン発泡機は、図３に示すように、レジンと称されるポリオール成分とポリイソシアネート成分とを原料として、これらをそれぞれ別々の計量ポンプにて配管を通してミキシングヘッドに圧送し混合撹拌後被着体に向けて吐出し発泡生成せしめるものである。この際、原料の粘度増加による指示流量のぶれ防止や生成される発泡体の性能確保のため計量ポンプの次段にプライマリーヒータが取り付けられる。また計量ポンプにより圧送される原料の指示流量に脈動がある場合、アキュームレータが取り付けられ、さらに、監視等の目的で圧力計が取り付けられる。
【０００４】
このように、配管を介して発泡機には様々な部品が取り付けられるが、特に計量ポンプより後段は液圧が高く、配管と各部品との接続は、例えば、フランジ接続を使用する場合はボルト・ナットの増締めを、ソケットにニップルを接続する場合は、ニップルを締め込む等、液もれが発生しないようにしなければならない。もちろん架台へ部品を固定する作業も必要である。このような保守作業が、接続部のパッキンが破損した場合の他、破損部品の交換等に行われる。
さらに、発泡機には、ヒータ、電磁弁、電気モータ等のコントロール機器や操作スイッチ及び電源等を配置するための操作制御盤が取り付けられる。
【０００５】
従来のポリウレタン発泡機は、現場へ小型ワゴン車等で搬送できるように、上記の部品を高さの低い車輪付架台に取り付けコンパクトにしたものが使用されている。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このような小型発泡機であると、小型ワゴン車に乗せて運搬することが可能ではあるが、部品が高さの低い箇所に取り付けられているため身をかがめないと、様々な部品の保守や点検および部品交換が行えないという問題があった。
逆に、発泡機の高さを上げてやると、小型ワゴン車等に積載ができないため住宅密集地への運搬ができないばかりでなく、重心が高くなるため車輪走行時に転倒の危険性が高まってしまう。
本発明は上記問題を解決するためになされたものであり、運搬取扱い、保守点検に優れた可搬式硬質ポリウレタン発泡機を提供するものである。
【０００７】
【問題を解決するための手段】
本発明の可搬式硬質ポリウレタン発泡機は、請求項１において、少なくとも、ポンプ駆動モータ、計量ポンプ、プライマリヒータ及び操作制御盤等の部品から構成され、キャスタ等の車輪を取り付けた可搬式硬質ポリウレタン発泡機であって、前記発泡機を構成する部品のうち少なくともポンプ駆動モータ及び計量ポンプが、昇降可能な架台に取り付けられ、ポンプの原料液を吸引する側に配管が固定してあり、該配管は架台の昇降で下降時に原料液を吸引する配置とされていることを特徴とするものである。請求項１の発明は、保守や点検時は、架台を高くすることで身をかがめなくとも、ボルト・ナットの増締めや部品の交換ができ、運搬時は架台を低くして小型ワゴン車等に積載できるようにしたものである。
【０００８】
また請求項２において、前記昇降可能な架台は、リンク式リフター方式により作動することを特徴とするものである。
請求項２の発明は、架台を、スペースを取らない簡単な機構で昇降可能としたものである。
【０００９】
【発明の実施の形態】
本発明の可搬式硬質ポリウレタン発泡機は、特にトータル吐出量が２〜４ｋｇ／ｍｉｎの小型タイプのウレタン発泡機に好適なものである。このような小型の発泡機は、それぞれの部品がそれ程重くなく人力で小型ワゴン車に積載できるものである。
発泡機の架台の高さは、保守点検時０．６ｍまで上昇することが好ましい。０．６ｍであれば、椅子に座って保守することが可能となるからである。
【００１０】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図１（ａ）及び（ｂ）は本発明の１つの実施例の説明図である。尚、発泡機を構成するヒーターホース及びミキシングヘッドは、図１において省略してある。この発泡機１は、図１に示されるように、キャスタを備えた架台２上にポンプ駆動モータＭ、ポンプＰ、プライマリーヒータＨ及び操作制御盤３を取り付け、また架台２を昇降させる機構としてはリンク式リフター方式を用い、かつ手動式油圧ポンプＰｍと油圧シリンダＣとで昇降可能にしたものである。さらに昇降機構を油圧回路図で説明すれば、図１（ｃ）に示されるように手動式油圧ポンプにより作動油が油圧シリンダに送られ架台が上昇し、手動弁を切り換えで自重により架台が下降するものである。
この実施例では、ポンプに取り付けられた配管５が固定配管としてあり、架台の下降時に原料液を吸引する配管配置としてあるため、石油缶６等の原料液の交換時において、図１（ａ）のように架台を上昇させ、配管に付着した原料液を石油缶に落下せしめた後、新しい原料液と交換すれば、地面や床への液だれを抑制することができる。
【００１１】
図２（ａ）及び（ｂ）は本発明の他の実施例の説明図である。尚、発泡機を構成するヒーターホース及びミキシングヘッドは、図２において省略してある。
この発泡機１’は、図２に示されるように、キャスタを備えた架台２’上にポンプ駆動モータＭ、ポンプＰ、プライマリーヒータＨ及び操作制御盤３を取り付け、また架台を昇降させる機構としてはリンク式リフター方式を用い、かつ送りねじの一端に取り付けたハンドルを回すことによって昇降可能にしたものである。
【００１２】
【発明の効果】
本発明の可搬式硬質ポリウレタン発泡機は、請求項１において、少なくともポンプ駆動モータ及び計量ポンプが、昇降可能な架台に取り付けられているので、保守点検が容易にでき、また吸引側の配管を固定配管とした場合は原料液の液だれを抑制できるとともに原料缶の交換が容易に行うことができる。
また、本発明の可搬式ポリウレタン発泡機は、請求項２において、架台の昇降にリンク式リフター方式を用いることによりコンパクトにできる。
【図面の簡単な説明】
【図１】図１（ａ）及び図１（ｂ）は、本発明の一実施例であり、（ａ）は架台が上昇したとき、（ｂ）は架台が下降したときの説明図である。また図１（ｃ）は、この実施例に用いる油圧回路の一例である。
【図２】図２（ａ）及び図２（ｂ）は、本発明の一実施例であり、（ａ）は架台が上昇したとき、（ｂ）は架台が下降したときの説明図である。
【図３】従来の硬質ポリウレタン発泡機の説明図．
【符号の説明】
１ 発泡機
１’ 発泡機
２ 架台
２’ 架台
３ 操作制御盤
４ 送りネジ軸
Ｐ ポンプ
Ｈ プライマリーヒーター
Ｐｍ 手動式油圧ポンプ
Ｃ 油圧シリンダ
【発明の属する技術分野】
本発明は、マンション、戸建住宅、リフォーム、土木などの現場断熱工事や型枠に注入して成型断熱パネルを作成する際に使用する可搬式硬質ポリウレタン発泡機に関するものである。
【０００２】
【従来技術】
硬質ポリウレタンフォームは、その優れた断熱性や自己接着性により、マンション等の住宅や冷蔵倉庫等の壁や天井、屋根等に、吹き付けや注入することにより断熱材として広く利用されている。一般にこのような断熱工事は、現場に原料とポリウレタン発泡機を持ち込んで施工が行われる。
【０００３】
このように使用されるポリウレタン発泡機は、図３に示すように、レジンと称されるポリオール成分とポリイソシアネート成分とを原料として、これらをそれぞれ別々の計量ポンプにて配管を通してミキシングヘッドに圧送し混合撹拌後被着体に向けて吐出し発泡生成せしめるものである。この際、原料の粘度増加による指示流量のぶれ防止や生成される発泡体の性能確保のため計量ポンプの次段にプライマリーヒータが取り付けられる。また計量ポンプにより圧送される原料の指示流量に脈動がある場合、アキュームレータが取り付けられ、さらに、監視等の目的で圧力計が取り付けられる。
【０００４】
このように、配管を介して発泡機には様々な部品が取り付けられるが、特に計量ポンプより後段は液圧が高く、配管と各部品との接続は、例えば、フランジ接続を使用する場合はボルト・ナットの増締めを、ソケットにニップルを接続する場合は、ニップルを締め込む等、液もれが発生しないようにしなければならない。もちろん架台へ部品を固定する作業も必要である。このような保守作業が、接続部のパッキンが破損した場合の他、破損部品の交換等に行われる。
さらに、発泡機には、ヒータ、電磁弁、電気モータ等のコントロール機器や操作スイッチ及び電源等を配置するための操作制御盤が取り付けられる。
【０００５】
従来のポリウレタン発泡機は、現場へ小型ワゴン車等で搬送できるように、上記の部品を高さの低い車輪付架台に取り付けコンパクトにしたものが使用されている。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このような小型発泡機であると、小型ワゴン車に乗せて運搬することが可能ではあるが、部品が高さの低い箇所に取り付けられているため身をかがめないと、様々な部品の保守や点検および部品交換が行えないという問題があった。
逆に、発泡機の高さを上げてやると、小型ワゴン車等に積載ができないため住宅密集地への運搬ができないばかりでなく、重心が高くなるため車輪走行時に転倒の危険性が高まってしまう。
本発明は上記問題を解決するためになされたものであり、運搬取扱い、保守点検に優れた可搬式硬質ポリウレタン発泡機を提供するものである。
【０００７】
【問題を解決するための手段】
本発明の可搬式硬質ポリウレタン発泡機は、請求項１において、少なくとも、ポンプ駆動モータ、計量ポンプ、プライマリヒータ及び操作制御盤等の部品から構成され、キャスタ等の車輪を取り付けた可搬式硬質ポリウレタン発泡機であって、前記発泡機を構成する部品のうち少なくともポンプ駆動モータ及び計量ポンプが、昇降可能な架台に取り付けられ、ポンプの原料液を吸引する側に配管が固定してあり、該配管は架台の昇降で下降時に原料液を吸引する配置とされていることを特徴とするものである。請求項１の発明は、保守や点検時は、架台を高くすることで身をかがめなくとも、ボルト・ナットの増締めや部品の交換ができ、運搬時は架台を低くして小型ワゴン車等に積載できるようにしたものである。
【０００８】
また請求項２において、前記昇降可能な架台は、リンク式リフター方式により作動することを特徴とするものである。
請求項２の発明は、架台を、スペースを取らない簡単な機構で昇降可能としたものである。
【０００９】
【発明の実施の形態】
本発明の可搬式硬質ポリウレタン発泡機は、特にトータル吐出量が２〜４ｋｇ／ｍｉｎの小型タイプのウレタン発泡機に好適なものである。このような小型の発泡機は、それぞれの部品がそれ程重くなく人力で小型ワゴン車に積載できるものである。
発泡機の架台の高さは、保守点検時０．６ｍまで上昇することが好ましい。０．６ｍであれば、椅子に座って保守することが可能となるからである。
【００１０】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図１（ａ）及び（ｂ）は本発明の１つの実施例の説明図である。尚、発泡機を構成するヒーターホース及びミキシングヘッドは、図１において省略してある。この発泡機１は、図１に示されるように、キャスタを備えた架台２上にポンプ駆動モータＭ、ポンプＰ、プライマリーヒータＨ及び操作制御盤３を取り付け、また架台２を昇降させる機構としてはリンク式リフター方式を用い、かつ手動式油圧ポンプＰｍと油圧シリンダＣとで昇降可能にしたものである。さらに昇降機構を油圧回路図で説明すれば、図１（ｃ）に示されるように手動式油圧ポンプにより作動油が油圧シリンダに送られ架台が上昇し、手動弁を切り換えで自重により架台が下降するものである。
この実施例では、ポンプに取り付けられた配管５が固定配管としてあり、架台の下降時に原料液を吸引する配管配置としてあるため、石油缶６等の原料液の交換時において、図１（ａ）のように架台を上昇させ、配管に付着した原料液を石油缶に落下せしめた後、新しい原料液と交換すれば、地面や床への液だれを抑制することができる。
【００１１】
図２（ａ）及び（ｂ）は本発明の他の実施例の説明図である。尚、発泡機を構成するヒーターホース及びミキシングヘッドは、図２において省略してある。
この発泡機１’は、図２に示されるように、キャスタを備えた架台２’上にポンプ駆動モータＭ、ポンプＰ、プライマリーヒータＨ及び操作制御盤３を取り付け、また架台を昇降させる機構としてはリンク式リフター方式を用い、かつ送りねじの一端に取り付けたハンドルを回すことによって昇降可能にしたものである。
【００１２】
【発明の効果】
本発明の可搬式硬質ポリウレタン発泡機は、請求項１において、少なくともポンプ駆動モータ及び計量ポンプが、昇降可能な架台に取り付けられているので、保守点検が容易にでき、また吸引側の配管を固定配管とした場合は原料液の液だれを抑制できるとともに原料缶の交換が容易に行うことができる。
また、本発明の可搬式ポリウレタン発泡機は、請求項２において、架台の昇降にリンク式リフター方式を用いることによりコンパクトにできる。
【図面の簡単な説明】
【図１】図１（ａ）及び図１（ｂ）は、本発明の一実施例であり、（ａ）は架台が上昇したとき、（ｂ）は架台が下降したときの説明図である。また図１（ｃ）は、この実施例に用いる油圧回路の一例である。
【図２】図２（ａ）及び図２（ｂ）は、本発明の一実施例であり、（ａ）は架台が上昇したとき、（ｂ）は架台が下降したときの説明図である。
【図３】従来の硬質ポリウレタン発泡機の説明図．
【符号の説明】
１ 発泡機
１’ 発泡機
２ 架台
２’ 架台
３ 操作制御盤
４ 送りネジ軸
Ｐ ポンプ
Ｈ プライマリーヒーター
Ｐｍ 手動式油圧ポンプ
Ｃ 油圧シリンダ
Claims (2)
- 少なくともポンプ駆動モータ、計量ポンプ、プライマリヒータ及び操作制御盤等の部品から構成され、キャスタ等の車輪を取り付けた可搬式硬質ポリウレタン発泡機であって、前記発泡機を構成する部品のうち、少なくともポンプ駆動モータ及び計量ポンプが、昇降可能な架台に取り付けられ、ポンプの原料液を吸引する側に配管が固定してあり、該配管は架台の昇降で下降時に原料液を吸引する配置とされていることを特徴とする可搬式硬質ポリウレタン発泡機。
- 前記昇降可能な架台は、リンク式リフター方式により作動することを特徴とする請求項１に記載の可搬式硬質ポリウレタン発泡機。
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| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21357499A JP3566141B2 (ja) | 1999-07-28 | 1999-07-28 | 可搬式硬質ポリウレタン発泡機 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21357499A JP3566141B2 (ja) | 1999-07-28 | 1999-07-28 | 可搬式硬質ポリウレタン発泡機 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2001038255A JP2001038255A (ja) | 2001-02-13 |
| JP3566141B2 true JP3566141B2 (ja) | 2004-09-15 |
Family
ID=16641466
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP21357499A Expired - Fee Related JP3566141B2 (ja) | 1999-07-28 | 1999-07-28 | 可搬式硬質ポリウレタン発泡機 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3566141B2 (ja) |
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| JP2016032791A (ja) * | 2014-07-31 | 2016-03-10 | 株式会社日本アクア | 現場発泡ウレタン用の吹付装置および吹付システム |
| JP5941518B2 (ja) * | 2014-11-06 | 2016-06-29 | 株式会社日本アクア | ウレタン吹付システムおよび断熱工事専用車両 |
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-
1999
- 1999-07-28 JP JP21357499A patent/JP3566141B2/ja not_active Expired - Fee Related
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|---|---|
| JP2001038255A (ja) | 2001-02-13 |
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