JP3565964B2 - 水性インキ組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、筆記具用、スタンプ用、記録計用、プリンター用、印刷用等として利用可能な耐乾燥性に優れた水性インキ組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
これまでの水性インキを使用した筆記具は、キャップを筆記具本体から外して、ペン先を大気中に長期間露出すると、インキが乾燥し、その固形物がインキ流路を詰まらせ、筆記不能となる場合があった。
【0003】
そこで、従来より耐乾燥性に優れた水性インキを得るために、その組成中に蒸発防止剤としてエチレングリコールなどの水溶性有機溶剤や尿素などを添加してなるインキが知られている。
【0004】
しかしながら、耐乾燥性に優れた水性インキとするために、その組成中にエチレングリコールなどの水溶性有機溶剤や尿素などを使用する場合には、かなり多量にインキ中に添加しなければ満足できる性能の向上は認められないものであった。このような場合には、インキの粘度上昇における流出困難、描線のかすれ、インキが乾燥しにくいことによる筆記後の非吸収面における描線固着性の著しい低下などの現象が顕著となるなどの問題がある。
【0005】
また、エチレングリコールなどの水溶性有機溶剤を使用した場合には、インキの表面張力が低下し、描線がにじみやすくなり、はっきりした描線が得られないという問題もある。さらに、尿素を添加した場合にはインキを高温に保存したときに尿素の分解が起こり、その安定性に問題がある。
さらにまた、耐乾燥性を向上させるために、インキ組成中に上記のような添加剤を加えた場合、インキ性能を低下させる挙動を示すことがあり、未だインキ性能等を低下させることなく、耐乾燥性に優れた水性インキ組成物が得られていないのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来の水性インキの課題に鑑み、これを解消しようとするものであり、このようなインキ性能の低下または変化を抑え、耐乾燥性に優れた水性インキを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記の問題を解決するために鋭意検討した結果、水性インキに特定のベンジルエーテル化合物を配合した場合、耐乾燥性が良好でペン体に充填して筆記したときの描線のにじみ、かすれ等の欠点のないことを見い出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明の水性インキ組成物は、着色材と水と、下記一般式(I)に示されるベンジルエーテル化合物とを含有してなることを特徴とする。
【化2】
【0008】
本発明の水性インキ組成物が耐乾燥性に優れている理由としては以下のように推察される。
前記一般式(I)に示されるベンジルエーテル化合物を含有した水性インキ組成物を筆記具用等に適用した場合には、ペン先等で容易に結晶体が析出することとなる。この結晶体が、ペン先等の開口部において蓋の役割を果たしペン先におけるインキからの水の蒸発、乾燥を抑制するものと考えられる。
なお、上記析出した結晶体は非常に薄く、筆記時に簡単に破壊され、砕けた粉体もごく微量であり、また、描線への影響は目視では判別できないほど微小であり、筆記性能に影響を及ぼすものではない。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の内容を詳しく説明する。
本発明の水性インキ組成物は、着色材と水(精製水)と、前記一般式(I)に示されるベンジルエーテル化合物とを含有してなるものである。
本発明の要旨である前記一般式(I)に示されるベンジルエーテル化合物は、耐乾燥剤として用いるものであり、水性インキ組成中に配合しても描線のにじみ、かすれ等のインキ性能の低下等を招くことがないものである。
前記一般式(I)に示されるベンジルエーテル化合物としては、例えば、4,4´−ビス(ヒドロキシメチル)ジベンジルエ−テル[n=1の場合]、4,4´´−ビス(ヒドロキシメチル)トリベンジルエ−テル[n=2の場合]等が挙げられ、これらは単独あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
なお、前記一般式(I)に示されるベンジルエーテル化合物は、パラキシレングリコールの多量体でもあり、n=1の場合はパラキシレングリコールの二量体、n=2の場合はその三量体である。
使用量は、インキ全量に対し0.01重量%〜10.0重量%、好ましくは0.1重量%〜5.0重量%である。使用量が0.01重量%未満では、目的とする良好な耐乾燥性が得られず、10.0重量%を越えると、溶解しづらくなるばかりか、かえってペン先の乾燥が早まってしまうこととなり、好ましくない。
【0010】
着色材としては、従来から水性インキに用いられている染顔料がともに制限なく何でも使用することができる。
染料としては、例えば、アイゼンブリムラレッド4BH、アイゼンブリムラエローGCLH(以上、(株)アイゼン製)などの直接染料、アイゼンボンソーRH、アイゼンオパールピンクBH、アイゼンオパールブラックWHエクストラコンク(以上、(株)アイゼン製)、オリエントソルブルブルーOBX、オリエントソルブルブルーOBB(以上、オリエント化学(株)製)などの酸性染料、タートラジン、アシッドレッド、フロキシン(以上、(株)アイゼン製)などの食用染料などが挙げられる。
顔料としては、例えば、カーボンブラック、酸化チタン、酸化鉄などの無機顔料、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料等の有機顔料、および硫化カルシウム等の無機蛍光顔料、その他の有機蛍光顔料等が挙げられる。
これらの染料、顔料の着色材は、単独あるいは2種以上組み合わせて使用することができ、インキ全量に対し、0.1重量%〜40.0重量%であることが好ましい。
【0011】
また、上記顔料を着色材として用いる場合、分散剤を同時に使用することが望ましい。分散剤としては、例えば、一般の水性インキに用いられている、ジョンクリルJ−62、ジョンクリルJ−450(ジョンソン社製)、ジョリマーAT−210、ジョリマーSEK−101(日本純薬工業(株)製)等の水溶性樹脂、アニオン活性剤、ノニオン活性剤などが制限なく使用できる。
【0012】
以上の主要な成分の他に安息香酸ナトリウム(和光純薬工業(株)製)、バイオデン−18、アモルデン−HS、アモルデンBT−50、アモルデンFS−14D(以上、大和化学工業(株)製)、プロキセルBDN、プロキセルGXL、プロキセルTN(以上、ゼネカ(株)製)などの防菌剤を少量加えることができる。
また、pH調整剤として、例えば、アミノメチルプロパノール、トリエタノールアミン(以上、和光純薬工業(株)製)を添加することもできる。さらに、ボールペン先端のチップのために防蝕剤、潤滑剤などが制限なく使用できる。
【0013】
本発明の水性インキ組成物は、以下の方法により製造することができる。
染料インキの場合は、上記成分を撹拌混合して溶解させる。また、顔料インキの場合又は顔料と染料を併用するインキの場合には、上記成分を公知の分散機、例えば、ボールミル、ロールミル、サンドミル、フローミル、ダイノーミル、アトライタ等で混合粉砕を行う。
上記撹拌混合又は混合粉砕して得られた中間物を、必要に応じて、濾過、遠心沈降等の方法で粗大粒子やゴミを除去することで容易に目的の水性インキ組成物が得られる。
【0014】
【実施例】
次に、実施例により更に本発明の内容を更に詳細に説明する。
【0015】
上記各成分を混合粉砕した後、濾過することにより黒色インキを調製した。
【0016】
上記各成分を混合粉砕した後、濾過することにより青色インキを調製した。
【0017】
上記各成分を混合粉砕した後、濾過することにより赤色インキを調製した。
【0018】
上記各成分を混合撹拌した後、濾過することにより赤色インキを調製した。
【0019】
比較例1〜4
上記実施例1〜4の前記一般式(I)に示されるベンジルエーテル化合物〔n=1,2の場合〕の代わりに水を使用した以外は実施例1〜4と同様にしてそれぞれのインキを調製した。
【0020】
試験例
上記実施例1〜4及び比較例1〜4で得られた各インキ組成物を市販の細書用水性ペン(三菱PIN−103:三菱鉛筆(株)製)に充填し、キャップを外して大気中に放置し、一定時間ごとに手書きにて筆記し、かすれて描けなくなるまでの時間を測定した。
その結果、いずれの比較例1〜4においても筆記可能な放置時間が5分以下であったのに対し、いずれの実施例1〜4においても筆記可能な放置時間が60分以上に延長された。また、実施例1〜4の前記一般式(I)に示されるベンジルエーテル化合物〔n=1,2の場合〕を配合した水性インキ組成物は、インキ性能の低下または変化はないことが判った。
【0021】
【発明の効果】
本発明によれば、筆記具のペン先における耐乾燥性に優れ、良好な筆記品質を有する水性インキ組成物が提供される。
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