JP3565515B2 - 電力系統遠方監視装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は電力系統の監視を行なう電力系統遠方監視装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電力系統は大規模かつ複雑なシステムであり、年々、より高信頼度な監視・制御が要求されている。従来の電力系統遠方監視装置は、電力系統を構成する機器の状態(即ち、しゃ断器開閉器の開閉状態と、発電機,負荷,送電線などの電圧,有効・無効電力のテレメータ値)を収集して表示して電力系統の監視を行なっている。一般に、電力系統遠方監視装置は図4に示すような構成になっている。図4において、電力系統の状態は系統情報取込装置1により計算機2に取込まれ、データ収集部20によりデータの並べかえや単位変換がなされてテレメータ表示部3により表示される。
【0003】
このとき前記テレメータ表示部3に表示されるデータは電力系統の状態を直接取込んだデータである。即ち、例えばある電気所の発電機の有効電力出力の測定値は系統情報取込装置1により計算機2に取込まれ、データ収集部20で処理される間に単位変換されるが、他の測定値との相関チェックは行なわれない。従って測定器の誤差や伝送誤差を含んだままである。又、電力系統の状態はデータ毎に個別に更新されていて、その更新周期はデータにより異なる。そのため、測定値の間には測定時刻の非同時性が生じ、そのためにも誤差を含んだものになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来の電力系統遠方監視装置は電力系統の状態を直接監視して表示しているため、その測定装置やデータ伝送装置の誤差を含んだものとなっている。しかし表示されるデータ(テレメータ)はそれだけではどれだけの誤差が含まれているか判断できない。又、テレメータの誤差を補正するためには現地側の読み値と計算機側の表示値とを照合してそれらが一致するようにスケール変換係数を変更する。これらの誤差の補正はテレメータ一つひとつについて行なわなければならない。これらの補正作業は多大な労力を要し、かつ長時間電力系統遠方監視装置の本来の機能を停止して行なう必要があるため、監視不可能となったり、冗長系システムで監視可能であっても冗長性が失われて一重系システムとなってシステムの信頼性が低下することになる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、テレメータの誤差を計算機で把握し、簡易かつ短時間で誤差の補正を可能とする電力系統遠方監視装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る電力系統遠方監視装置は、電力系統の監視を行なう電力系統遠方監視装置において、電力系統各部の状態データを取り込んで前記測定データの並べ換えあるいは単位変換を行なうデータ収集部と、前記収集された測定データをもとに重み付け最小二乗法を用いて電力系統各部の状態データを推定する状態推定部と、前記状態推定部による推定計算結果と前記測定データとの誤差を統計処理して定常誤差を計算する定常誤差計算部と、前記定常誤差計算部にて計算した定常誤差データを表示する定常誤差表示部とを備えた。
本発明の請求項2に係る電力系統遠方監視装置は、請求項1において、前記定常誤差表示部は、電力系統の各機器の接続関係を表した潮流図上に、前記各機器に対応して電圧表示エリア、有効電力表示エリアあるいは無効電力表示エリアを設けて各オンラインテレメータ値を表示すると共に、当該各値の状態推定結果、テレメータ定常誤差を併せて表示するようにした。
【0006】
【作用】
データ収集部により収集した電力系統の状態を状態推定部によって最小二乗法等により最も確からしい電力系統データに推定する。定常誤差計算部ではテレメータ値と推定値からテレメータ誤差を計算する。そしてテレメータ誤差からテレメータ値の定常誤差を計算する。計算した定常誤差は定常誤差表示部により表示される。テレメータの定常誤差を表示することによりテレメータの定常誤差性の把握が可能となる。
【0007】
【実施例】
本発明の[請求項1]に係る電力系統遠方監視装置の一実施例を図1を用いて説明する。図1において、図4と同一部分ついては同一符号を付す。
電力系統各部の測定データは系統情報取込装置1により計算機2に取込まれ、データ収集部20によりデータの並べかえや単位変換が行なわれ、このデータはテレメータ表示部3で表示されることは図4と同様である。21は状態推定部でこれらのデータを用いて最も確からしい電力系統各部のデータを推定する。4は状態推定結果表示部でこの推定データが表示される。22は定常誤差計算部でテレメータの誤差の定常特性が計算されて定常誤差データ23に書込まれる。5は定常誤差表示で定常誤差データ23を表示される。
【0008】
本実施例で用いている状態推定は重み付け最小二乗法の論理に基づいている。重み付け最小二乗法は、
【数1】
である。又、Zi は観測方程式
【数2】
Zi =hi (x)+vi …………………(2)
hi (x):測定値と状態変数ベクトルxとの関係を表わす非線形関数
x :状態変数ベクトル(ノード電圧の大きさと位相角のベクトル)
vi :測定誤差
で表わされる。
【0009】
【数3】
本発明における状態推定の手法は最小二乗法に限定されるものではなく、他の手法、例えば線形計画法等によっても実現できる。即ち、(1) 式で表わされるJを線形計画法又は2次計画法等により最小化する。又、測定値の範囲は連続量のみでなく、離散値も含む実施例も可能であることはいうまでもない。
【0010】
図2は図1の定常誤差計算部22の詳細フローチャートである。図2において、各テレメータについてテレメータ値(以降ZTMと略す)と状態推定結果(以降ZSEと略す)からテレメータ誤差の計算221 を行なう。計算式は、
【数4】
R=ZTM−ZSE
但し、R:テレメータ誤差
である。次に測定時刻の異なる複数のテレメータ値と状態推定結果の組からテレメータ誤差の積算222 を行なう。計算式は、
【数5】
である。同様にテレメータ誤差の二乗の積算223 を行なう。計算式は、
【数6】
である。
【0011】
次に定常誤差の計算224を行なう。計算式は、
【数7】
BIAS=A/n
但し、BIAS:定常誤差
である。次にテレメータ誤差の標準偏差の計算225を行なう。計算式は、
【数8】
但し、SIG:テレメータ誤差の標準偏差
である。ここで前記BIASとSIGはテレメータ値の以下の特性を表している。
BIAS: テレメータ値の定常的なかたよりを表す。即ち、いつも真値からずれている幅を意味する。
SIG : テレメータ値のばらつきを表す。
以上よりテレメータの誤差を小さくするためにデータ収集部の変換パラメータを調整する時にはBIASが有効である。即ち、BIASが大きくSIGが小さいテレメータは調整不良であることがわかる。
【0012】
図3は本実施例の各種表示機能を示している。図3において、オンラインテレメータ値30,状態推定結果40,テレメータ誤差50,テレメータ定常誤差60を、潮流図表示ソフト70により潮流図80上に表示する。潮流図80は電力系統の各機器の接続関係を表わし、その中に電圧表示エリア81,有効電力表示エリア82,無効電力表示エリア83に数値を表示して、電力系統各部の状態をテレメータの設置位置と共に表示する。又、同一の表示形式の中に異種のデータを切り替えて表示する。
【0013】
本実施例においては潮流図形式の表示を行なっているが、一覧表形式の表示や、帳票による印字出力による実施例も可能であることはいうまでもない。又、定常誤差が予め設定したしきい値よりも大きい時は色変えして表示し、異常データを明示する実施例も可能である。
【0014】
上記実施例によれば、先ず状態推定計算により、最も確からしい電力系統各部の状態を知ることができるので、テレメータ誤差の把握が容易になる。又、テレメータの定常誤差を把握するのでランダムな誤差、即ち、一過性の突発的な誤差を除去したテレメータ値の特性を知ることができる。又、潮流図上にテレメータ設置位置の情報と共に、テレメータの定常誤差を表示するので、異常データの限定を容易に行なうことができる。又、常時電力系統全体のテレメータの誤差特性を把握できるので、電力系統の監視の信頼度が向上する。
【0015】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によればテレメータの現地側の読み値を得ることなしに、状態推定部により推定した正しい系統状態によりテレメータ値の誤差を把握するので、容易にテレメータの異常を発見できる。又、短時間に全てのテレメータの値を把握するので、電力系統の監視の信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電力系統遠方監視装置の構成図。
【図2】本発明の定常誤差計算部の詳細フローチャート。
【図3】本発明の一実施例のテレメータの定常誤差表示機能の構成図。
【図4】従来の電力系統遠方監視装置の構成図。
【符号の説明】
1 系統情報取込装置
2 計算機
20 データ収集部
21 状態推定部
22 定常誤差計算部
23 定常誤差データ
3 テレメータ表示部
4 状態推定結果表示部
5 定常誤差表示部
Claims (2)
- 電力系統の監視を行なう電力系統遠方監視装置において、電力系統各部の状態データを取り込んで前記測定データの並べ換えあるいは単位変換を行なうデータ収集部と、前記収集された測定データをもとに重み付け最小二乗法を用いて電力系統各部の状態データを推定する状態推定部と、前記状態推定部による推定計算結果と前記測定データとの誤差を統計処理して定常誤差を計算する定常誤差計算部と、前記定常誤差計算部にて計算した定常誤差を表示する定常誤差表示部とを備えたことを特徴とする電力系統遠方監視装置。
- 請求項1記載の電力系統遠方監視装置において、前記定常誤差表示部は、電力系統の各機器の接続関係を表した潮流図上に、前記各機器に対応して電圧表示エリア,有効電力表示エリアあるいは無効電力表示エリアを設けて各オンラインテレメータ値を表示すると共に、当該各値の状態推定結果、テレメータ誤差及びテレメータ定常誤差を併せて表示することを特徴とする電力系統遠方監視装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13266793A JP3565515B2 (ja) | 1993-05-10 | 1993-05-10 | 電力系統遠方監視装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13266793A JP3565515B2 (ja) | 1993-05-10 | 1993-05-10 | 電力系統遠方監視装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH06327155A JPH06327155A (ja) | 1994-11-25 |
JP3565515B2 true JP3565515B2 (ja) | 2004-09-15 |
Family
ID=15086684
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13266793A Expired - Lifetime JP3565515B2 (ja) | 1993-05-10 | 1993-05-10 | 電力系統遠方監視装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3565515B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
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JP5915342B2 (ja) * | 2012-04-06 | 2016-05-11 | 富士電機株式会社 | 電力系統の状態推定方法 |
JP6059666B2 (ja) * | 2014-01-06 | 2017-01-11 | 株式会社日立製作所 | 電力系統設備計画支援装置および電力系統設備計画支援方法 |
-
1993
- 1993-05-10 JP JP13266793A patent/JP3565515B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06327155A (ja) | 1994-11-25 |
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