JP3565458B2 - 均一な土層の圃場を形成する方法及び、この作業に用いる作業機 - Google Patents

均一な土層の圃場を形成する方法及び、この作業に用いる作業機 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は圃場の均一な土層を形成する方法及び、この作業に適した作業機に関し、さらに詳しくは、水田、畑などの圃場が均一な土層環境であるようにするための方法であり、かつそのような環境を作り出すために適した作業機に関する。
【0002】
【従来の技術】
まず、本発明が生まれた背景は現在日本農業がおかれた状況を考慮せずには説明することはできない。そこで、日本農業の実情から説明することにする。日本農業を取り巻く環境は、食糧安保の必要性から自給自足が不可欠とする立場が長年堅持されてきたのであるが、国際的な通商環境の変化によりその立場が壊れ始め、今年調印したウルグァイ・ラウンドの取極めにより毎年増加させつつ最低輸入量の米の輸入が義務付けられるに至り、ここに来て、戦後継続した農業政策の転換が余儀なくされているのである。即ち、国内農業も使用する機械効率を上げ、低コストな農業生産を行い輸入農産物と競争しなければならない時代に突入したのである。
【0003】
水田農業の構造改善の必要性は多くの人々が唱えるところで、そのためには、地域の担い手に土地集積し、水田の一区画の面積を大きくして、営農効率を上げていく構造にすることが大きな課題である。
【0004】
国はこのような構造改善のために、永々として水田の基盤整備を実施してきた。そしてそれは、農業機械の発達に沿う形で行われてきたのである。戦後の農地解放のあと、区画形状がバラバラな農地を当時の機械体系に合わせ、25m×40mや20m×50mの10a区画の整備がまず最初に行われた。その後、田植機の出現により10a区画では狭すぎて機械体系に合わず、30m×100mの30a区画水田への再整備が日本全国で行われたのである。
【0005】
しかし、前述のウルグァイ・ラウンドの決定で国際競争力をもった農業にしていくためと、米消費量の毎年の減少から水田で米ばかりでなく畑作物を生産していくために区画を1ha以上の区画へ再々整備していく必要に迫られ、急ピッチで整備を進めているのが現状である。
【0006】
このような水田圃場整備工事は、従来からブルドーザーを主体とした建設機械で行われていた。その工法は、「表土扱い無し」と「表土扱いあり」に分かれる。
「表土扱い無し」工法は、ブルドーザーで単純に高い区画から土を押し、低い部分に運んで均平にする工法である。そのため高い部分の作土が削り取られ、作土がなくなってしまう場合も現出する。しかし、コスト的には安いため、余り高低差のない場合は広く行われている。
「表土扱い」工法は、高低差のある複数区画の全ての作土を剥ぎ取り、一定の場所に堆積し、次に心土部で高低差を均し、均平な区画を造成し、最後に表土を一定の厚さで戻す工法である。この工法は、農家が非常に大切にしている作土を一定に戻す利点はあるが、作土の剥ぎ取りや戻しという固定的なコストが常にかかり、施工コストが極めて高い工事となる。
【0007】
それだけではない。一般に水田圃場整備工事後は、排水性が悪く農家は何年もその改善に努力せざるをえない状況であった。例えば、収穫時に圃場が泥濘で収穫作業に支障を来すので、稲の生育をある程度無視し、早くから水を切り機械による収穫作業に備えるというようなことである。
水田で米だけを生産するのであれば何とか営農上の努力で排水不良の問題を回避しながら、排水性改善に取り組めたものの、畑作物を生産するとなれば排水性の不良は致命的な問題となる。畑作物は水が滞留するような圃場では収穫が望めないからである。
土は、表面から下は水分を含んでおり、ブルドーザーのように表面から少しずつ土を剥ぎ取りながら押していく施工方法であると、何回も水分率の高い土の上を鉄製の履帯で走り回る結果となる。そこで土の練り返しが発生し、土の物理構造が壊れ、排水性の悪い圃場が工事発注者や施工業者の意図とは関係なく不可避的にできざるをえないことも問題であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前記のように「表土扱いなし」工法で、かつて高かった部分の作土層が薄くなったり、無くなってしまうことを工事コストが高くならない形で解決し、圃場全域の作土環境を均一化することである。
【0009】
また、「表土扱い」工法の問題であった工事コストが高いことを解決することである。
【0010】
更に、工事後でも排水性の良い圃場をつくり、米だけではなく畑作物などあらゆる作物が生産可能な汎用水田を造成するという国の政策に資することである。
【0011】
水田農業の活性化には採算的に大区画圃場が必要であり、作業の省力化に加えてどのような作物でも単位面積当たりの収穫量を伸ばし、農生産物のコストを下げ国民に受け入れられるような生産物を供給することが必要である。
同一圃場内で作土が片寄ったり無くなってしまう所があっては、均一な作柄を期待することはきわめて困難であり、また排水性の悪い圃場では畑作物の収量増は望めない。これらを工事コストが増加しない形で克服しなければならない。
【0012】
したがって本発明は、水田の大規模化時に、排水性の良い汎用圃場を、作土環境を均一化する形で低コストに造成して農家に提供し、日本農業が国際競争にも十分対抗できるようにするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために請求項1の本発明は、高低差のある複数の区画の圃場を均一な土層の圃場に形成する方法において、最初に犂床の標高が水平となるように姿勢制御されたボトム作業機で高低差のある複数区画の圃場全体を反転耕起し、前記作業により反転され表面に出た高い部分の耕盤層や心土層の土を低い部分へ均平作業機で運土して均一平面とすることを特徴とする。
【0014】
ボトム作業機の犂床の標高が水平ということは、標高の高い部分は深く反転耕起され低い部分は浅く反転耕起されるということである。
一般に農家は地表面を基準として耕耘し土づくりをしていることから、作土層の厚みは圃場ごとに余り変わらない。そこで、従来の「表土扱い無し」工法で高低差のある複数区画の圃場を1つにしようとした場合、高い部分から作土をブルドーザーなどの建設機械で削り取り、低い部分へ運土して均平にするため、高い部分の作土層が薄くなったり、無くなったりするのは前記の通りである。
本発明は、最初にボトム作業機で犂床の標高を水平に反転耕起する。その際、高低差のある複数区画を1つにするための低い部分へ運土する「必要土量」をあらかじめ計算の上、犂床の標高を決定し反転耕起する。そのため必然的に高い部分は深く耕され、作土層より下層の耕盤層や心土層が表層に出てくる。低い部分は浅く耕されるため作土層内での反転耕起となる。
【0015】
その後、高い部分の表層に出てきた耕盤層や心土層を、低い部分の作土層の上に運土して均平にするため、高い部分は作土層が削り取られること無く従来あった作土層の厚みが確保されることになる。
【0016】
かつて低かった部分は作土層の上に、高い部分から運土されてきた耕盤層や心土層が乗っている形になる。その部分の厚みが通常農家が耕耘する深さ以下であれば表土と混じり営農上問題はない。
【0017】
また、ボトム作業機で反転するため、水分率の高い下層土の耕盤層や心土層が表層に出てきて天日や風にさらされ乾くことになる。乾かした土の上をブルドーザーやトラクタなどの原動機が運土の為に走行しても土の練り返しは発生せず土壌の物理構造は破壊されず排水性の良い圃場に仕上がる。
【0018】
これが、従来工法であれば、ブルドーザーを使用して施工する。ブルドーザーは土を反転耕起する事ができず、かつ必要土量を一辺に運土できないため,複数回、前後進を繰り返しながら施工する。そのため、表層は乾いていても一皮むけば水分率の高い土の上を走行中に履帯部で練り返してしまうため、土の物理性を破壊し排水性の悪い圃場になってしまう。
【0019】
本工法は従来工法から比較してボトム作業機による反転耕起という施工が一つ加わるため、一見すると工事コストが嵩むように思われる。しかし、現実的にはそうならない。それは、ブルドーザーはいきなり土を押すため、地山の掘削押土を考慮したコスト積算になっているし、また多くの場合は前作の稲株や藁などに代表される作物残査物がある状態で工事が行われる場合が過半のため、こうした作物残査物が均平作業の邪魔になり、それらを処理する時間も考慮されている。
【0020】
本発明の場合は一回反転耕起してあるためルーズな状態での押し土となり運土時間が余りかからないことと、作物残査物は下層に鋤き込まれているためそれらを処理する事を考慮しないコスト積算になる。そのため、運土・均平時間が短くてすみ、従来工法の運土・均平コストとの差額範囲内にボトム作業機での反転耕起の施工コストが収まれば、工事コストは高くならず、実際そうなっている。
【0021】
請求項2での本発明は、高低差のある複数の区画の圃場を均一平面にする工法において、最初に犂床が水平となるように姿勢制御されたボトム作業機で高いところの区画の圃場全面を耕盤層や心土層に届く深さで反転耕起し、前記作業により反転され表面に出た高い区画の耕盤層や心土層の土を低いところへ均平作業機で運土して均一平面とし、次に低い区画を前記ボトム作業機で作土層に届く深さで反転耕起し、前記作業で運土された耕盤層や心土層の土を下層に犂込み作土を表面に出した後、圃場全体を均平作業機で均一平面に仕上げることを特徴とする均一な土層の圃場を形成することを特徴とするものである。
【0022】
従来の「表土扱い」工法は、複数区画の全ての作土を剥ぎ取り、一定の場所に堆積し、次に心土部で高低差を均し均平な区画を造成し、最後に表土を一定の厚さで戻す工法であり、この工法は、作土の剥ぎ取りや作土の戻しという固定的なコストが常にかかり、高コストの工事になるということは前記の通りである。
【0023】
しかし本発明による方法はボトム作業機で反転耕起するだけで、作土を剥ぎ取ったり作土を戻したりする行為と代替するため工事コストが大幅に低減できる。また従来の工法は複数区画の作土を全て剥ぎ取り集積し後に埋め戻すため、かつてあった作土はどこに戻されるか判らないが、本発明による工法ではこうした作土の移動がなく作物生育の不均一性を回避でき収量減とならない。
【0024】
また、前記段落番号0017で述べたのと同様にボトム作業機で水分率の高い耕盤層や心土層などの下層土を表層に出し、天日や風にさらして乾かし施工するので、排水性の良い圃場に仕上がる。
【0025】
ましてや、従来工法は農家にとって極めて大切な作土を剥ぎ取る時に、何回も一皮むいた水分率の高い所を走行し履帯部で練り返し、かつ山にして積み上げておくため乾かすことができないまま戻すため、また履帯部で練り返すということになるため、「表土扱い無し」工法より排水性が悪くなる例が多い。
【0026】
このように、前記請求項1及び2の本発明は、水田の大規模化時に、排水性の良い汎用圃場を、作土環境を均一化する形で低コストに造成するという目的を充分達成するものである。
【0028】
前記ボトム作業機はトラクタに装着されて使用するボトム作業機であって、作業基準信号の受信部をもち、この受信部が受信した信号により、作業機の前端部はトップリンクの取り付け部を進行方向に長穴構造としてトラクタのリフト機構により上下動を制御し、作業機の後端部はゲージホイルまたはこれと同じ機能を持つヒールの上下動により制御して、ボトム全体を水平に上下動させるように構成したことを特徴とする。
【0029】
本発明は、水田、畑などの圃場の表土環境を均一にするためにボトム作業機による耕起反転作業の際に形成される鋤底がレーザ光で描かれる平面と平行、多くの場合は水平になるように制御されるものである。
そのために、ボトム作業機は作業進行方向前端部と、後端部とにおいて高さ制御を行うことができ、これによりボトムが作業中常に水平姿勢を保持することができ、さらに、均平作業機は均平作業を直接的に行う均平板の高さを水平信号により一定の高さに保ちながら作業を行うことが可能である。
【0030】
とくに、均平作業機は鎮圧輪を支点として上下動されることにより、この支点より前方に位置する均平板は、トラクタの制御による上下動より小さい範囲内で上下動させられるために、均平される表土の表面の凹凸は極めて小さいものとなり、たとえトラクタが高速走行した場合であっても極めてピッチの小さい表面凹凸となり、全体としては均平な圃場表面とすることが可能である。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の方法と、それに用いる作業機の実施例を作業機について説明しながらその方法について、圃場の代表である水田の表土均平について説明を行う。まず、添付した図1ないし、図4は、耕盤層(鋤床)を水平に耕起するための作業機を代表して示すリバーシブル形式のボトムプラウ作業機(以下、作業機と略称する)を示しており、符号10はその作業機全体を示し、この作業機10はリバース運動によっても姿勢の変化のないフロントフレーム11と、このフロントフレーム11に対して回転させられるリバースフレーム21とによって構成されている。前記フロントフレーム11はトラクタの備えるアッパリンクULを装着するためのマスト12をもち、その下端部において左右作業幅方向に広がるロアリンクRLを装着するための下部フレーム13をもっている。
【0032】
このフロントフレーム11に対して回転主軸を介してリバースフレーム21が取付けられていて、リバースフレーム21は前記マスト12に上端部が枢着されているリバースシリンダ14の下端部が連結されて、その伸縮によりリバースフレーム21を反転できるようになっている。このリバースフレーム21は作業幅方向に沿っている主フレーム221と、この主フレーム221に対して(作業幅に対して)斜交状態に配置されているボトムを取り付けるためのボトムフレーム222とをもち、このボトムフレーム222に対してその上下にボトム223が8個取付けられて、ボトム8連の作業機を構成している。
【0033】
このボトムフレーム222は前記主フレーム221から後方に伸びる2本の支持アーム224をもっていて、この支持アーム224の後端部おいて前記ボトムフレーム222が支持されている。
【0034】
そして、フロントフレーム11にあるマスト12の頂部には後で説明をするレーザ光を受ける受光部31Aをもち、また、作業機10の作業進行方向の最も後ろに位置するところ、言い換えると、ボトムフレーム222の最後尾位置にもレーザ受光部31Bをもち、圃場の外部適当なところに、適当な高さに配置したレーザ発光部33からのレーザ光を受光することができるようになっている。
【0035】
このレーザ受光部31Bは水平センサ32Aに置き換えることもでき、受光部31Aと水平センサ32Aとで検出した信号により作業機10の姿勢を水平に制御するように構成することも可能であり、前記水平センサ32Aはマストを有するフロントフレーム11に直接取付けるか、あるいは、フロントフレーム11から後方に延出したアーム32Xに対して取り付け、ボトムフレーム222がリバースした場合でも起立状態を保持することができるようにする。また、この発光部33は回転しながらレーザ光を発光して水平な光の軌跡を描いて水平面を形成し、水平信号Hの発信機として機能している。
【0036】
言い換えると、二つの受光部31A、31Bが共に水平信号Hが描く水平面内にあれば作業機10は少なくとも、作業進行方向に沿った平面内では水平状態におかれていることになる。例えば、何れかの受光部が水平信号Hから外れた場合、具体的には、作業機10が尻上がり状態の場合には、後で説明するゲージホィール41の対地角度θを小さくすることにより作業機10の後端部を下げることで水平状態に補正する。また、作業機10が尻下がり状態の場合には、後で説明するゲージホィール41の対地角度大きくすることにより後端部を持ち上げて、結果として水平状態にする。また、作業幅方向の水平はボトムフレーム222に取付けてある水平センサ32Bにより検出される。
【0037】
この水平センサ32Bは前記ボトムフレーム222の上下両面に配置されていて、このフレームが反転された場合いずれか上側のセンサからの信号を採用することができるようになっている。作業幅方向の水平姿勢の補正ではトラクタが備える水平制御機構の駆動によりその姿勢が制御される。
【0038】
さらに、ボトムフレーム222の最後尾位置には、ゲージホィール41があって、このゲージホィール41はボトムフレーム222に対して枢着されているスウィングアーム42の先端部に回転自在に取付けられており、このスウィングアーム42は制御シリンダ43の伸縮により対地角度(θ)を変化させ、言い換えると、ボトムフレーム222の後端部の地上高を制御することができるようになっている(図2)。
【0039】
この制御シリンダ43には複動型、単動型いずれでもよいが、ここでは、単動型のものが用いられており、伸長は圧縮ばね43Aにより行われ圧油を供給することにより収縮できる構成になっている。この場合、圧油室43Yのリターン回路を省略し、ピストンにおいて一方弁を用いて代用させることもできる。
【0040】
以上はゲージホィール41の高さを調節することで、ボトム223の高さを選択する形式のものを説明したが、図3、図4に示すように、ゲージホィール41に代えてヒール411を用いることもできる。すなわち、制御シリンダ43のロッドAの端部をく型をしたヒール支持部材412、413の中心位置に連接し、これらのヒール支持部材412、413にそれぞれヒール411をピン411Aにより取り付け、これらのヒール411を前記ボトム223のうち最も後端部に位置するボトム223Zのランドサイドに対して、ピン223Yに対して取り付け、その枢着点より前側の部分においてストッパ223Xに当たりトウ部分が浮き上がるのを抑えている。
【0041】
したがって、ヒール411が接地した状態で制御シリンダ43Aを伸長させると、ヒール411を突っ張り材としてボトムを取り付けてあるボトムフレーム222の後端部がせり上げられる。この状態はボトム群が尻下がり状態のときに行われ、全体として水平の状態が保持される。逆に、ボトム群が尻上り状態であることが検出されると、前記制御シリンダ43Aを収縮させることにより接地しているヒール411を若干持ち上げ状態にすることで、その分ボトム群の尻を下げることで全体の水平状態を保持する。これらの制御は前記ゲージホィールの制御の場合と同様であって、受光部31A、31Bがレーザ光により描かれる水平面の信号H内に位置するように制御されて、言い換えると、ボトムによる鋤底Sが水平になるように制御される。
【0042】
この鋤床が水平に形成されるためには、トラクタのアッパリンクULが装着されるマスト12の装着孔12Aが長孔になっていて、アッパリンクULの装着点はその長孔の範囲で作業機10の姿勢に応じて自由に運動することが必要で、作業機10が尻下がり状態では前記長孔12Aの最も前位置にその装着点は位置することになり、尻上り状態では前記長孔12Aの最も後位置にその装着点は位置することになる。したがって、トラクタのリフト機構が作動しても即座に作業機10は制御されず、前記長孔12Aの長さの範囲内で融通性が与えられているので、小さな上下動を繰り返しながら水平面内に収斂することになり、圃場全体としてみると水平な鋤床Sを形成することになる。
【0043】
以上の説明では、二つの受光部31A、31Bが同一の水平面内にあることで姿勢検出し、その姿勢を制御する例を挙げたが、何れかひとつを水平センサに置き換えてもよく、その場合には、ボトムフレーム222がリバースしても姿勢の変化がないようにするため、前述したように、フロントフレーム11から後方に延出したアーム32Xに対して取り付け、ボトムフレーム222がリバースした場合でも起立状態を保持することができるようにする機構が必要になる。
【0044】
とくに、ボトムフレーム222には、前記受光部31Aと独立した受光部31Bがあるが、これらの受光部31A、31Bは同一水平面内に位置するように制御されるのであって、しかも、後の受光部31Bは前記主軸を含む垂直面内に起立させられている。言い換えると、ボトムフレーム222をリバースさせた状態であっても受光部31Bはその位置的変化、すなわち姿勢の変化の影響を受けることのないようになっている。受光部31Bは前記水平センサ32Aに置き換えることができ、これにより受光部31Aと、この水平センサ32Aとの二つの場所からの検出信号により作業機10の姿勢を水平に制御することもできる。
【0045】
また、トラクタが備えるロアリンクRLには、リフト機構50を形成するリフトロッド51の端部が連結されており、このリフトロッド51の他端部は枢着点52により回転運動が許容されているリフトアーム53に連結されている。このリフトアーム53の端部にはリフトシリンダ54のロッド54Aが連接され、このリフトシリンダ54の伸縮運動によって、リフトアーム53を回転させることでリフトロッド51を介してロアリンクRLを上下させることができるようになっている。
【0046】
前記リフトシリンダ54は、前記受光部31A、31Bが受けたレーザ発光部33が描く水平面からの偏差を制御ボックス34が演算して得た信号によって制御されるのであって、駆動源は油圧ポンプ36であり、それからの圧油により駆動される。すなわち、制御マイコンを含む制御回路50に入力され、この制御回路50において作業機10を前部あるいは後部のいずれか、あるいは両右方を上げ、下げして作業機の水平を保持、言い換えると、ボトムにより形成される鋤床Sが水平になるように制御される。この制御には、制御ボックス34からの信号を受けて圧油の流れを切換える切換弁35が用いられ、これによりポンプ36から、流量制御弁37を経て前記リフトシリンダ54に圧油が供給される。この流量制御弁37も前記制御ボックス34からの信号を受けてその開度が制御される。
【0047】
また、前記ゲージホィール41を上下させることで作業機10の水平姿勢を制御する。すなわち、作業機10が前上がり状態のときは、リフトシリンダ54を伸長させて(リフトロッド51を介して)作業機10の前部を下げ、これと共にゲージホィール41を支えるスウィングアーム42の対地角度θ(水平面との角度)を小さくすることで作業機10の後部を高くする方向に制御し、全体として作業機10が水平状態、言い換えると、ボトム223により形成される鋤床Sが水平状態になるべく制御する。
【0048】
前記ゲージホィール41を上下動させる機構も前記リフト機構同様に、受光部31A、31Bにおいて受光したレーザ発光部33からの水平信号Hに基いて制御ボックス44からの信号により駆動圧油の流量をコントロールするのであって、油圧ポンプ(前記油圧ポンプと同一)からの圧油を切換弁45、流量制御弁46を経て制御シリンダ43に対して供給する。スウィングアーム42を回転させることによりゲージホィール41の対地角度θを大きくする場合には、前記制御シリンダ43を収縮させることによって行い、シリンダ内の圧油室43Xに圧油を供給する。このとき圧油室43Yには圧縮ばね43Aがあって、ピストンに対して押し作用をしているのでこの圧縮ばね43Aの抵抗力を越える圧力の油圧を加える。言い換えると、作業機10の後部を上げる必要のときは制御シリンダ43を収縮し、逆に後部を下げるときには制御シリンダ43を伸長することで姿勢制御を行う。
【0049】
この圧縮ばね43Aは常時ピストンを押しているので、圧力室43Xの圧油を解放するだけでピストンは押されて、制御シリンダ43は伸長し、加えて、リバース運動をするために作業機10をリフトすると、前記スウィングアーム42はゲージホィールが接触していた地面のような制約から解除されるので、ゲージホィール41を含む自重により常時ゲージホィール41が接地する方向に回転させられることになる。
【0050】
このような操作はレーザ発光部33の水平信号Hが描く水平面の信号を受光部31A、31Bが(あるいは、何れかの受光部に変わる水平センサにより)受光することで作業機10の姿勢を検出して、その状態をトラクタのオペレータに表示されるのであり、最も原始的にはそのオペレータが手動により前記制御シリンダ43あるいはリフト機構のリフトシリンダ54の伸縮により行うことができるのであるが、これでは能率的な作業は不可能である。
そこで、本発明の実施例によれば自動的制御を可能にしている。また、受光部31A、31Bの何れか、とくに、受光部31Bに代わる前記水平センサからの信号を用いて姿勢制御、さらには、水平センサ32A、32Bから得られる二つの信号、すなわち作業進行方向の水平と、作業幅方向の水平姿勢に関する情報を前記制御ボックス34に入力して作業機10の姿勢が水平になるようにすることも可能である。以上の説明では鋤底Sを水平にするために、ボトム作業機10の姿勢を制御するものを説明した。
【0051】
次に、ボトム作業機10を用いて耕起反転した後の表面土を均平にする作業機、いわゆる均平作業機60について説明する。この均平作業機60は作業機のフレーム61に作業進行方向先頭からタイン形式の砕土機62、均平板63、スプリングコイル形式の鎮圧機64を備えるもので、この鎮圧機64のフレーム65は鎮圧機の左右両端において、その回転中心軸を支えるアーム65Aをもち、前記フレーム65はフレーム61に対して枢着軸66により垂直面内で回転できるように支持されている。さらに、フレーム65の水平部にマスト65Bがあって、このマスト65Bに後で詳しく説明する伸縮シリンダ67のロッド67Aの端部が取付けられており、前記フレーム61に対して枢着ピン66により作業進行方向の垂直面内でフレーム65が上下動することが許容されている。この伸縮シリンダ67の伸縮により鎮圧機64を支える支持アーム64Aの対土角度θに変化を与えることで、作業機60全体は鎮圧機64を支点として上下させられることになるが、前記均平板63の地表面からの高さを制御する。
【0052】
本発明の均平作業機60はトラクタのアッパリンク、ロアリンクにより装着されて使用されるものであるから、アッパリンクULを取り付けるためのマスト68をもち、前記伸縮シリンダ67の伸縮制御にはフレーム61に立設してある受光部38が受光する水平信号Hが用いられ、その制御は前述のボトム作業機10におけるゲージホィール41の対地土角度、言い換えると、ゲージホィール41の高さ制御と同様に行うことができ、図6におけるスウィングアーム42に代えて図7の支持アーム65Aの対地角度θが制御されるのであり、鎮圧機64を形成するコイルが前記ゲージホィールと同様の機能を果たしている。
【0053】
すなわち、水平信号Hを基準として、均平板63が所定深さより深い位置にあるときは伸縮シリンダ67を伸長させて鎮圧機を形成するコイルを深い位置、言い換えると、支持アーム65Aの対地角度θを大きくすることで均平板63の位置を上昇させる。
【0054】
また、均平板63が所定深さより浅い位置にあるときには、前述とは逆に支持アーム65Aの対地角度θを小さくすることでに、均平板63の位置を低くする。この操作は伸縮シリンダ67を収縮させることで、支持アーム65Aの対地角度θを小さくする。このような操作を繰り返しながらトラクタにより均平作業機60を牽引して圃場の表面を均平にする。
【0055】
以上の説明では、鎮圧機64を上下動させて均平板63の位置を制御する形式のものを挙げたが、図8に示すように、伸縮シリンダ69を用いて、これにより支持されている均平板63を上下動させる形式にすることも可能である。すなわち、伸縮シリンダ69のロッド69Aが、均平板63を支持する支持部材63Aから張り出した腕部材63Bに取付けられ、このロッド69Aは腕部材63Bとともに、フレーム61に設けてあるガイド63Cに沿って上下動される構成になっている。この均平板63の上下動方向と一致して受光部38も上下動できるように、受光部38を支える支柱38Aが側面視上、均平板63の真上に位置して配置されている。
【0056】
この実施例では、鎮圧機64の高さを調節するためにマスト65Bとマスト68との間にターンバックル69Xを設け、クランクハンドル69Yにより鎮圧機64の高さを作業に先立ち手動により調節設定する。この設定高さを基準とした高さ制御にはレーザ光で描かれる水平面にを基準としてトラクタのリフト機構を用いて前記リバーシブルボトム作業機同様に均平作業機全体を上下動させる。
【0057】
次に、図17に示す実施例による均平作業機60は、レーザ発光部33が描く水平面の水平信号Hを均平作業機60の支柱38Aに装備した受光部38で受光することで、得たる信号によりリフトロッド51を介してロアリンクRLを上下動させる。この上下動駆動操作は前記実施例におけるものと同様であるが、アッパリンクULとマスト68との装着部分に特徴がある。即ち、作業進行方向に沿った垂直面内に長孔68Aがあって、アッパリンクの装着ピンULX、言換えると、アッパリンクのヒッチ点が長孔68Aの範囲で作業進行方向に沿って前後動することが可能になっている。
【0058】
したがって、圃場表面の凹凸(図20)にトラクタが乗って移動すると、均平作業機60も上下動することになるが、例えば、トラクタが凸部に乗り均平作業機60が上昇すると、均平板63を下げることになるが、鎮圧輪64は常時接地状態にあるから、均平板63が下降するにしても、前記接地点64Aを支点としたてこ運動となり、フレーム61を前下りにする方向に修正する。このことは長孔68A内にあるアッパリンクULの装着ピンULXによるヒッチ点はその長孔68Aの前側に移動することになる。
【0059】
言い換えると、アッパリンクULに引張荷重が加えられることになるので、後で述べる油圧制御回路を切換え、リフトアーム53、リフトロッド51を介してロアリンクRLを押下げる。このとき、トラクタの上下動制御幅より均平板63の上下動幅は必ず小さく、極端な上下動はなく小さいピッチの凹凸が表土の表面に形成されるが圃場面全体としては水平面に形成される。言い換えると、トラクタによる上下制御幅が直接的に均平板63の上下動にならず長孔の幅だけ(装着ピンULXの運動幅だけ)小刻みな上下動になり極端な上下動にならず、圃場面全体としては水平面に形成される。
【0060】
即ち、装着ピンULXによるヒッチ点が長孔68Aの範囲で動くと、その動きをワイヤW1やロッドなどを介して移動量を検出するセンサS1に送り込み、マイコンなどのコントロールボックスCBによる出力により、油圧回路の切換弁V1のポジションを切換え、油圧ポンプPからの油流の方向を切換える。同時に、コントロールボックスCBの出力信号を油圧ポンプPからの油量を制御する制御弁CVに入力して、その開度を制御する油圧制御回路50を備える。
【0061】
このことは、受光部34が水平信号Hの領域から上側に外れた状態であって、その信号によっても油圧制御回路50の油路が切換えられて、受光部34が水平信号Hの領域に戻るようにロアリンクRLに対して押下げ方向の負荷が加えられる。これにより、均平板63は水平信号Hの描く水平面と平行な面内で移動しながら均平作業を行うことになる。この場合、トラクタの走行速度との関係で、図20に示すように均平板63の下縁部63Aは小さい上下運動を繰返すことになるが、全体としての(平均的)平面はレーザ光の描く水平面と平行なものになる。
【0062】
本発明による均平作業機60におけるマスト68の長孔68Aの効能は、これを備えない均平作業機と比較すると、その機能が一目瞭然となる。即ち、受光部34が水平面領域から下へ外れたとすると、制御機構としては均平作業機60全体を上方へ引上げる作用を行うのである。ところが、均平作業機60全体を引上げることになるので当然均平板63も上方へ上がることになる。この場合、均平作業機60を上方へ上げる高さと、均平板63が上方へ上げるリフト高さは等しくなるため、均平板63による圃場表面には比較的大きな凹凸が形成されることになる。言い換えると、凹凸の位置が変化するも凹凸の大きさに変化はなく表土表面の水平化に問題を残す結果となる。
【0063】
しかしながら、本発明の均平作業機60によれば、アッパリンクULと、均平作業機のマスト68との装着点に長孔68Aによる遊びを可能にしているので、リフトロッド51によるリフト高さがそのまま均平作業機に伝わらず、ロアリンクRLのリフト高さに比較して均平板63の下縁部のリフト高さは小さくなる。即ち、均平作業機60のリフト高さは鎮圧輪64の接地点64Aを支点としたてこ運動になるので、ロアリンクRLの装着点と前記接地点64Aとの間にある均平板63の下縁部63Aのリフト高さは均平作業機60のリフト高さに比較して当然小さくなり、均平板63が鎮圧輪64に近い程そのリフト高さは小さくなり、圃場表面にピッチの小さい凹凸は形成されるも、全体としてほぼ水平状態の表面に仕上げることができる。
【0064】
以上の実施例ではアッパリンクULとマスト68との間に装着ピンULXが遊ぶ長孔、いわゆるフリーゾーンを形成したものを示したが、図19(A)に示すように、アッパリンクULとトラクタとの取付け部においてフリーゾーンをもたせても作業機の姿勢を検出することができ、トラクタとの取り付け部における装着ピンの位置を伝達手段によりセンサS1に伝達する構成にすることもできる。この実施例では伝達手段としてのワイヤなどの引き回しは容易であるが、トラクタ側に変更加工が必要になることがやや難点である。
【0065】
さらに、図19(B)に示すように、マスト68を固定マスト68Xと、ピンヒンジ68Zされた可動マスト68Yとにより構成し、可動マスト68Yを前記長孔68Aの長さの分だけアッパリンクのヒッチ点が前後方向に傾動できるようにして、これにアッパリンクULを装着することができる。その可動マスト68Yの傾動の動きをワイヤW1などを介してセンサS1に伝え、その出力で油圧制御回路50を切換えるようにすることも可能である。この実施例によれば、トラクタについての改良加工は必要なく、簡便なものであるが、マストの一部に改造が必要となるが、ストッパ68Bの位置の選択によりフリーゾーンの選択が容易になる。
【0066】
また、トラクタ、作業機の何れでもなく、図19(C)に示すように、アッパリンクを二つの部材68M、68Nにより構成し、両者の間にスライドを可能とした構造、部材68Mに長孔68Pを、部材68Nに長孔68Pに嵌るピン68Eを形成して、このピン68Eが長孔68Pの範囲で移動することができるようにして。その動きを伝達手段としてのワイヤなどのよりセンサに伝達するように構成することも可能である。
【0067】
これらの何れを選択するかは、作業機の姿勢検出位置からセンサまでに伝達手段としてのワイヤなどの引き回しする上での都合により選択すればよく、また作業機の能力に適合したものを選択する。
【0068】
次に、以上説明したボトム作業機10、均平作業機60を用いた水田の耕起反転、均平作業について説明する。図10において二点差線は計画高さを表し、実線は未耕地を表す。高い区画をD、低い区画をCとする。D部作土層の更に下部の耕盤層や心土層に届く深さに犂床の標高を一定にして圃場全体を反転耕起すると、図11の状態になる。D部の耕起反転した部分をD'、C部の耕起反転した部分をC'とすると、D'の表面には若干の耕盤層や心土層の土が乗った状態である。
【0069】
D'部の表面の耕盤層や心土層の土を均平作業機でC'部に移動させて均平にすると図12の状態になる。もともと高かった区画をD"、もともと低かった区画をC"とすると、D"の表面は土が移動されて作土が表面に出ている状態である。C"の状態は作土層の上に若干の耕盤層や心土層の土が乗った状態である。作物は作土層が十分にあるので、C"、D"共に同じ発育をするようになる。
従来の「表土扱い無し」といわれる工法と比較して、作土層がかつて高かった部分で保護でき、かつ排水性に優れ、工事コストは増えない利点がある。
【0070】
完全に作土層を表面に出す方法は図13〜図16にて説明する。図13で高い区画をB、低い区画をAとする。最初にB部作土層の更に下部の耕盤層や心土層に届く深さに犂床の標高を一定にしてB区画全体を反転耕起し、B'部の表面の耕盤層や心土層の土を均平作業機でA'部に移動させて均平にすると図14の状態になる。B'部は反転耕起され上層にあった耕盤層や心土層がA'部に移動されているため作土層が表面に出た状態となる。A'部は作土層の上にB'部の耕盤層や心土層の土が移動されて計画高さで均平になっている状態である。
【0071】
次にA'部を作土層直下から反転耕起して運土された耕盤層や心土層の土を下層に犂込み作土層を表面に出した状態が図15である。A"もB"も作土が表面に出た状態である。最後に全体を均一平面に仕上げる整地工法を行ったのが、図16の状態である。
【0072】
従来の「表土扱いあり」工法は、表土である作土を一旦別の場所に剥ぎ取り移動して堆積し、しかる後に心土部分を均平して、その上に作土を敷き詰めて整地する方法である。このような従来工法と比較して、本発明は費用と時間が大幅に軽減できるのみならず、排水性に優れた圃場になる。
【0073】
本発明における水平検出手段をもったプラウ作業機について、図1及び図2で説明する。通常水平検出手段をもったプラウ作業機はロアリンク(RL)の上下でプラウ作業機の犂床の深さを制御する。しかしながらロアリンクの上下だけではプラウ作業機が傾いてしまい、最前部から最後部の全てのプラウの犂床の深さを一定させることはできない。そこでトップリンクの取り付け部を前後方向に長穴にし最後尾にゲージホイルを制御シリンダ43で犂床の深さを上下できるようにした。ロアリンクの上下とゲージホイルの上下を同調させることで、最前部から最後部の全てのプラウの犂床の深さを一定させることができるようになった。
【0074】
本発明における水平検出手段をもった均平作業機について、図17で説明する。作業機のフレームにトラクタ側から均平板、砕土機、鎮圧輪の順序で取り付け、レーザー光により定める作業基準面に対して所定の高さになるように作業機の均平板を上下動させて制御するように構成したもので、均平板の通過後は圃場が硬くなって播種しにくいが、そのあとにタインが通過することで表面をやわらかくすることができる。最後に鎮圧輪が通過し適度なやわらかさを保つことができる。
【0075】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の方法によれば、高低差のある複数の区画の圃場の作土層を壊すことなく均一平面にすることができる。一旦作土層をなくすと再生するまで4〜5年の間の不作を余儀なくされることを回避することができる。
また本発明の場合は一回反転耕起してあるためルーズな状態での押し土となり運土時間が余りかからないことと、作物残査物は下層に鋤き込まれているためそれらを処理する事を考慮しないコスト積算になる。そのため、運土・均平時間が短くてすみ、工事コストを大幅に低減できる。
更にボトム作業機で反転するため、水分率の高い下層土の耕盤層や心土層が表層に出てきて天日や風にさらされ乾くことになる。乾かした土の上をブルドーザーやトラクタなどの原動機が運土の為に走行しても土の練り返しは発生せず土壌の物理構造は破壊されず排水性の良い圃場に仕上げることができる。
【0076】
また、本発明のボトム作業機によれば、その前部と後部とにおいて設定された平面に沿った鋤床ができるように制御されて耕起反転を行い得て、これにより耕起反転で形成される鋤底の水平化を容易に実施することができ、耕起反転後の均平作業においては上層土を移動させることがなく、再度耕起作業をボトム作業機により行えば、作土が圃場表面に戻り、作土の移動の少ない圃場改良が可能になり、プラウ効果により作土の乾きが早く、次の作業工程の開始を早くすることができる。
【0079】
以上は表土表面を水平にする作業について説明したが、レーザ光により描く平面に所定の勾配を付することで、この勾配面に沿って均平機を作業させれば、圃場の表面に傾斜を施すことができ畑地灌漑の便を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のボトム作業機の平面図である。
【図2】本発明に係るボトム作業機の側面図である。
【図3】本発明に係るボトム作業機のほかの実施例の平面図である。
【図4】本発明に係るのボトム作業機のほかの実施例の側面図である。
【図5】本発明に係るボトム作業機のリフト機構の制御回路図である。
【図6】本発明に係るボトム作業機のゲージホィールの制御回路図である。
【図7】本発明に係る均平作業機の側面図である。
【図8】本発明のほかの実施例による均平作業機の側面図である。
【図9】本発明に係る均平作業機の平面図である。
【図10】本発明を施す水田の断面図である。
【図11】本発明を施す水田の耕起反転を施した水田の説明断面図である。
【図12】本発明を施す水田の粗砕土の後に耕起均平作業を施した状態の説明断面図である。
【図13】水田の規模拡大を行う作業対象水田の説明断面図である。
【図14】同じく水田中間畦を除去した状態の説明断面図である。
【図15】同じく水田を耕起反転した状態の説明断面図である。
【図16】作業を完了して拡大された水田の説明断面図である。
【図17】本発明に係る他の均平作業機の側面図である。
【図18】本発明に係る均平作業機の制御系の説明図である。
【図19】フリーゾーンの実施例の説明図である。
【図20】表土の凹凸の補正作業の説明図である。
【符号の説明】
10 ボトム作業機
11 フロントフレーム
12 マスト
13 下部フレーム
14 リバースシリンダ
221 主フレーム
222 ボトムフレーム
223 ボトム
224 支持フレーム
30 制御回路
31 受光部
32 受光部
33 レーザ発光部
38 均平作業機の受光部
35 切換弁
41 ゲージホィール
42 スウィングアーム
43 制御シリンダ
43X 圧油室
43Y 圧油室
43A 圧縮ばね
45 切換弁
46 流量制御弁
50 油圧制御回路
51 リフトロッド
52 枢支点
53 リフトアーム
54 リフトシリンダ
54A ロッド
60 均平作業機
61 フレーム
62 砕土機
63 均平板
64 鎮圧輪
65 フレーム
66 枢着ピン
67 伸縮シリンダ
68 マスト
68A アッパリンクを取付ける長孔
UL アッパリンク
ULX 装着ピン
RL ロアリンク

Claims (3)

  1. 高低差のある複数の区画の圃場を均一平面に形成する方法において、
    最初に犂床の標高が水平となるように姿勢制御されたボトム作業機で高低差のある複数区画の圃場全体を反転耕起し、
    その後前記作業により反転され表面に出た高い部分の耕盤層や心土層の土を低い部分へ運土して均平作業機で均一平面とすることを特徴とする均一な土層の圃場を形成する方法。
  2. 高低差のある複数の区画の圃場を均一平面にする方法において、
    最初に、犂床の標高が水平となるように姿勢制御されたボトム作業機で高い部分だけを耕盤層や心土層に届く深さで反転耕起し、
    その後前記作業により反転され表面に出た高い部分の耕盤層や心土層の土を低い部分へ運土して均平作業機で均一平面とし、
    次にかつて低かった部分を前記ボトム作業機で作土層直下より反転耕起し、前記作業で運土された耕盤層や心土層の土を下層に犂込み作土層を表面に出した後、
    圃場全体を均平作業機で均一平面に仕上げることを特徴とする均一な土層の圃場を形成する方法。
  3. トラクタに牽引可能に装着されて使用するボトム作業機であって
    作業基準信号の受信部をもち、この受信部が受信した信号により、
    作業機の前端部はトップリンクの取り付け部を進行方向に長穴構造としてトラクタのリフト機構により上下動を制御し、
    作業機の後端部はゲージホイルまたはこれと同じ機能を持つヒールの上下動により制御して、ボトム全体を水平に上下動させるように構成したことを特徴とするボトム作業機。
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