JP3564909B2 - 磁気ブラシ現像方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法及び静電記録法における磁気ブラシ現像方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、感光体上に形成された静電潜像を現像する方法として、感光体と対向する現像スリーブ上に現像剤層を形成した後、感光体及び現像スリーブの回転に伴う現像剤層と静電潜像との慴擦によって静電潜像にトナーを付着させる磁気ブラシ現像方法が主流である。この磁気ブラシ現像方法に用いられる現像剤には、キャリアを用いない一成分現像剤とトナー及びキャリアから構成される二成分現像剤がある。一成分現像剤を用いる一成分現像方法は、二成分現像剤を用いる二成分現像方法に比べて、装置の簡素化、小型化が可能であるという利点を有する反面、トナーの搬送量や帯電量の制御が困難であるという欠点を有する。こうした理由から、現像量の精密な制御が必要な高精細フルカラー用複写機、プリンター等には二成分現像方法が多く用いられている。
【0003】
二成分現像方法においては、十分な画像濃度を確保するため、即ち、現像領域に十分な現像剤を供給するために、現像スリーブと感光体とを順方向に回転させ、且つ現像スリーブの周速を感光体の周速より速く設定する方法が一般的に用いられている。しかしながら、この方法では、現像スリーブと感光体間の相対速度差に起因する現像ディフェクト、例えば、ベタ画像後端抜けや、ハーフトーン及びベタ画像が混在する場合のベタ画像先端とハーフトーン後端との境界部でのハーフトーン画像後端抜け等が発生することが知られている。これらの画像抜けは、現像ニップ領域でのトナーの移動に起因する現像剤層電位変化量が潜像構造に依存すること、及びに現像スリーブの周速と感光体の周速とに速度差があるため、現像が行われる領域がこの領域の直前の領域の電界の影響を受けた現像剤により現像されることによって、前記のような潜像構造の不連続点において顕著になるものと考えられる。
【0004】
これらのディフェクトを抑制するために、特公平7−31422号公報には、キャリアの抵抗を低く押さえることが提案されている。しかし、キャリアの抵抗を下げすぎた場合には、現像実効電極の極端な感光体への近接効果のため、感光体に対する現像剤のトナー供給能力の低下及び潜像リークの発生により、所謂ブラシマークが発生する。
【0005】
上記ディフェクト及びブラシマークの発生を防止するために、特公平5−40309号公報、特公平6−29992号公報及び特公平7−31422号公報等にキャリア層の抵抗の下限値が規定されている。しかし、これらの公報に記載された発明は、上記ディフェクトを未だ十分には改善できていないのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、ベタ画像後端抜け、ベタ画像先端とハーフトーン後端との境界部でのハーフトーン画像後端抜け、現像剤の感光体に対するトナー供給能力の低下及び潜像リークに起因するブラシマークを長期にわたり防止し、高画質の白黒及びフルカラー画像の形成が可能な磁気ブラシ現像方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は鋭意検討を重ねた結果、二成分現像方法において、磁気ブラシ現像剤層の抵抗を特定範囲に設定することにより、前記問題点を解決できることを見出し本発明を完成させた。
【0008】
即ち、本発明は、静電潜像を形成するための感光体と、回転可能な現像スリーブと、該感光体及び該現像スリーブの少なくとも一方を移動させることによって該現像スリーブを該感光体表面に沿って相対移動させる移動手段とを備えた現像装置に適用され、該現像スリーブを該感光体表面に沿って相対移動させると共に回転させることによって、静電潜像が形成された該感光体と、該現像スリーブ上に形成され、且つトナー及び磁性キャリアを含む二成分現像剤からなる磁気ブラシ現像剤層とを慴擦させる磁気ブラシ現像方法において、該現像スリーブの軸方向単位長さ当たりの該磁気ブラシ現像剤層の抵抗が、0.4V/μmの電界強度下で5.0×104 〜7.0×108 Ω、2.0V/μmの電界強度下で5.0×104 〜8.0×106 Ωの範囲にあることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0010】
本発明の磁気ブラシ現像方法が適用される現像装置は、静電潜像を形成するための感光体と、回転可能な現像スリーブと、感光体及び現像スリーブの少なくとも一方を移動させることによって現像スリーブを感光体表面に沿って相対移動させる移動手段とを備える。
【0011】
このような現像装置の要部の具体例が図1〜3に示される。なお、図1〜3において、同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。図1の現像装置は、円筒状の感光体10と、感光体10と対向するように配置された現像ハウジング12と、時計回りと反対方向(矢印A方向)に回転可能で、且つ磁石を内蔵した円筒状の現像スリーブ14と、感光体10を現像スリーブ14と順方向、即ち、時計回りと同方向(矢印B方向)に回転させる図示しない駆動手段とを備えている。
【0012】
現像ハウジング12は略箱状であり、感光体10側の壁12Aには感光体10の軸方向に沿ってスリット状の開口部が形成される。現像スリーブ14は、感光体10の軸方向と現像スリーブ14の軸方向とが略平行になるように、且つ壁12Aに形成された開口部からその外周部の一部が露出するように配置される。また、現像ハウジング12の内部には、現像剤(図示省略)、トナーの供給手段(図示省略)及び供給されたトナーと現像剤とを攪拌するためのアジテータ(図示省略)等が配置される。
【0013】
この現像装置では、現像スリーブ14に現像剤が供給されて現像スリーブ14上に磁気ブラシ現像剤層が形成され、現像スリーブ14の回転に伴って磁気ブラシ現像剤層が開口部まで搬送され、ここで磁気ブラシ現像剤層と感光体10上に形成された静電潜像とが慴擦することによって、トナー画像が形成される。図1の現像装置では、感光体10と現像スリーブ14とは、各々の周速が異なるように駆動され、感光体10を回転させる駆動手段が前記移動手段となる。
【0014】
図2の現像装置は、感光体10と、現像ハウジング12と、現像スリーブ14と、現像ハウジング12を、感光体10の外周に沿って時計回りと反対方向(矢印C方向)に移動させる図示しない駆動手段とを備えている。この駆動手段によって現像ハウジング12は壁12Aが常に感光体10側に配置されるように移動し、現像ハウジング12の駆動手段が前記移動手段となる。
【0015】
図3の現像装置は、板状の感光体16と、現像ハウジング12と、現像スリーブ14と、感光体16を上下方向に移動させる図示しない駆動手段とを備えている。図3の現像装置では、感光体16の駆動手段が前記移動手段となる。なお、この図3の現像装置においては、現像スリーブ14を矢印A方向及びその反対方向に回動可能とし、現像ハウジング12の上部と下部のそれぞれに露光手段を設けてもよい。その場合、現像スリーブ14が矢印A方向に回転しているときは、感光体16を下方に移動させ、且つ上部の露光手段を駆動させ、現像スリーブ14が矢印A方向と反対方向に回転しているときは、感光体16を上方に移動させ、且つ下部の露光手段を駆動させることが好ましい。
【0016】
図3の現像装置では、感光体16を移動させたが、感光体16を移動させる代わりに、現像ハウジング12を上下方向に移動させてもよい。また、現像ハウジング12の上部と下部のそれぞれに露光手段を設ける場合、この露光手段を現像ハウジング12と一体的に移動させ、現像スリーブ14が矢印A方向と反対方向に回転しているときは、現像ハウジング12を下方に移動させ、且つ下部の露光手段を駆動させ、現像スリーブ14が矢印A方向に回転しているときは、現像ハウジング12を上方に移動させ、且つ上部の露光手段を駆動させることが好ましい。
【0017】
以上のような現像装置で実施される本発明の磁気ブラシ現像方法は、現像スリーブを感光体表面に沿って相対移動させると共に回転させることによって、静電潜像が形成された感光体と、現像スリーブ上に形成され、且つトナー及び磁性キャリアを含む二成分現像剤からなる磁気ブラシ現像剤層とを慴擦させる。ここで、現像スリーブ14は、感光体表面に対して相対周速を持つように、感光体表面に沿って相対移動される。
【0018】
本発明に使用可能な磁性キャリアは、核体粒子の表面に樹脂被覆層を有するコートキャリアとすることができる。
【0019】
本発明に用いられる核体粒子としては、強磁性を示す公知の材料が使用でき、具体的には、鉄、鋼、ニッケル、コバルト等の磁性金属、及びフェライト、マグネタイト等の磁性酸化物等が挙げられる。この中では、現像装置内で受けるストレスによる樹脂被覆層剥がれやキャリア表面へのトナー汚染を抑制できる低比重のフェライト粒子が好適である。
【0020】
フェライトとしては、Li、Mg、Ca、Mn、Ni、Cu、Znから選ばれた1種以上の元素の酸化物とFe2 O3 とを主成分とし、造粒、焼結により形成されたものが、磁化の点から好ましく、中でも、Li、Mg、Mnから選ばれた1種以上の元素の酸化物とFe2 O3 とを主成分とするものが、磁化と電気抵抗との両立という観点からより好ましい。
【0021】
フェライト粒子は公知の製造方法によって製造することができる。例えば、粉砕されたフェライト組成物をバインダー、水、分散剤、有機溶剤等と混合し、スプレードライ法や流動造粒法を用いて粒子を形成し、粒子をロータリーキルンや回分式焼却炉により焼成した後、篩分により分級して、粒径が所望の範囲にあるフェライト粒子を得る方法が挙げられる。また、焼成段階において、酸素分圧を制御するか、又は焼成後、粒子表面の酸化、還元処理を追加する等してフェライト粒子の電気抵抗を制御することも可能である。
【0022】
このようにして製造された核体粒子の平均粒径は30〜50μmであることが好ましい。核体粒子の平均粒径が50μmを上回ると、トナー濃度(100×トナー重量/磁性キャリア重量)の増大による現像剤の抵抗値の上昇傾向が顕著であり、特に磁気ブラシ現像剤層抵抗が高電界側(2.0V/μm)において現像剤の抵抗が高くなりすぎ、ハーフトーン及びベタ画像が混在近接する場合における、ベタ画像先端とハーフトーン後端との境界部でのハーフトーン画像後端抜けが顕著に発生するため好ましくない。一方、核体粒子の平均粒径が30μm未満だと、現像剤の穂立ちが柔らかくなりすぎて現像剤の抵抗値の上昇幅が却って大きくなると共に、キャリアオーバー等が発生するため好ましくない。
【0023】
また、磁性キャリアの1kOeにおける磁化(実行磁化)は55〜65emu/gであることが好ましい。現像剤層の抵抗は磁気ブラシの穂立ち状態に依存し、現像スリーブに内蔵された磁石の磁束密度及び磁性キャリアの実効磁化が大きいほど低下する傾向にあり、実効磁化が65emu/gを越えると、現像剤穂立ちが硬くなりブラシマークが発生し、55emu/g未満になるとキャリアオーバー等が発生するため好ましくない。
【0024】
さらに、後述する現像剤の抵抗を所望の範囲にするために、現像スリーブ上に核体粒子からなる磁気ブラシ層を形成したときに、現像スリーブの長手方向(軸方向)単位長さ当たりの磁気ブラシ層の抵抗が、0.4V/μmの電界強度下で5.0×103 〜1.0×106 Ω/cm、2.0V/μmの電界強度下で5.0×103 〜6.0×105 Ω/cmの範囲にあることが好ましい。
【0025】
キャリアの樹脂被覆層に使用可能なマトリクス樹脂は、キャリアの樹脂被覆層として当業界で利用され得る任意の樹脂から選択することができ、そのような樹脂を単独で使用しても、二種以上併用してもよい。
【0026】
具体的には、ポリオレフィン系樹脂、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン;ポリビニル及びポリビニリデン系樹脂、例えば、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエーテル及びポリビニルケトン;塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体;スチレン−アクリル酸共重合体;オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコーン樹脂又はその変性品;フッ素樹脂、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン;ポリエステル;ポリウレタン;ポリカーボネート;フェノール樹脂;アミノ樹脂、例えば、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂;エポキシ樹脂;少なくとも一種のイソシアネート化合物と、水、アミン化合物及びポリオール化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物とから重合して得られるウレア結合及び/又はウレタン結合を含む樹脂等が挙げられる。これらの中では、トナー汚染によるキャリア表面の抵抗変化を極小化するという点から、マトリクス樹脂の一部又は全体に臨界表面張力(γc)30dyne/cm以下の樹脂を用いることが好ましい。
【0027】
臨界表面張力が30dyne/cm以下の樹脂としては、ポリフッ化ビニル(γc=28dyne/cm)、ポリフッ化ビニリデン(γc=25dyne/cm)、ポリトリフルオロエチレン(γc=22dyne/cm)、ポリテトラフルオロエチレン(γc=18dyne/cm)、ポリヘキサフルオロプロピレン(γc=16dyne/cm)等のものの他にフッ化ビニリデン−アクリル共重合体、フッ化ビニリデン−フッ化ビニル共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンと非フッ素化モノマーとのターポリマーのようなフルオロターポリマー等で臨界表面張力が35dyne/cm以下の樹脂が使用でき、特に臨界表面張力が30dyne/cm以下のフッ素を含む樹脂、重合体及びシリコーン樹脂が好ましい。
【0028】
マトリクス樹脂が臨界表面張力30dyne/cm以下の樹脂を含む場合、マトリクス樹脂中に含まれる該樹脂の含有率は、10重量%以上であることが好ましい。
【0029】
また、剥離しにくい強固な薄膜を得る観点からは、少なくとも一種のイソシアネート化合物と、水、アミン化合物及びポリオール化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物とから重合して得られる樹脂が好ましい。
【0030】
このような樹脂の合成に使用するイソシアネート化合物には、樹脂を架橋し、樹脂強度を強くする必要があるため、2官能性以上の多官能性イソシアネート化合物が好ましく用いられる。具体的には、2官能性イソシアネート化合物としては、例えば、商品名:「スミジュールH」(住友バイエルウレタン社製)のようなヘキサメチレンジイソシアネート、商品名:「ナフコネート」(ナショナルアニリン社製)のようなメタフェニレンジイソシアネート、商品名:「スミネート80」(住友化学工業社製)や「ハイレンTM」(デュポン社製)のようなトルイレンジイソシアネート(トルイレン−2,4−ジイソシアネートとトレイレン−2,6−ジイソシアネートの混合物)、商品名:「スミジュールT」(住友バイエルウレタン社製)のような2,4−トリレンジイソシアネート、商品名:「ハイレンH」(デュポン社製)や「スミネートBT」(住友化学工業社製)のような3,3’−ジメチル−ジフェニル−4,4’−ジイソシアネート、商品名:「ミリオネートMT」(日本ポリウレタン工業社製)や「Isonate125M」(化成アップジョン社製)や「スミジュール44S」(住友バイエルウレタン社製)のようなジフェニルメタン・ジイソシアネート、商品名:「ハイレンDM」(デュポン社製)のような3,3’−ジメチル−ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、商品名:「スミジュール15」(住友バイエルウレタン社製)のようなナフタレンジイソシアネート、商品名:「デスモジュールW」(住友バイエルウレタン社製)のようなジシクロヘキシルメタン・ジイソシアネート、商品名:「スミネートE」(住友化学工業社製)のようなジフェニルエーテルジイソシアネートが挙げられる。
【0031】
変性処理された2官能性イソシアネート化合物としては、例えば、商品名:「スミジュール44p−90」、「スミジュール3062」、「スミジュールPF」、「スミジュールCD」、「スミジュール0632」、「スミジュールPC」(以上、住友バイエルウレタン社製)、「コロネート2014」、「コロネートAP」、「コロネート2501」、「ミリオネートMS−50」、「コロネート3041」(以上、日本ポリウレタン工業社製)、「デュラネート24A−90CX」、「デュラネートEXPD−101」(以上、旭化成工業社製)、「タケネートM−402」、「タケネートF−513」、「タケネートD−102」、「タケネートL−1150」(以上、武田薬品工業社製)等がある。
【0032】
また、3官能イソシアネート化合物としては、例えば、商品名:「スミジュールN」(住友バイエルウレタン社製)のようなヘキサメチレンジイソシアネート付加物、商品名:「スミジュールL」(住友バイエルウレタン社製)や「コロネートL」(日本ポリウレタン工業社製)のようなトルイレンイソシアネートとトリメチロールプロパンとの反応生成物、商品名:「スミジュールR」(住友バイエルウレタン社製)のようなトリフェニルメタン−トリイソシアネート、商品名:「コロネートHL」(日本ポリウレタン工業社製)のようなヘキサメチレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンとの反応生成物、商品名:「デスモジュールEH」(住友バイエルウレタン社製)のようなヘキサメチレンジイソシアネート付加体、商品名:「Isonate143L」(化成アップジョン社製)のようなジフェニルメチンジイソシアネートシクロ付加体、商品名:「T−100」(東レ社製)のような2−イソシアネートエチル−2,6−ジイソシアネートヘキサノエートを挙げることができる。変性処理された3官能イソシアネート化合物としては、商品名:「タケネートD−110N」(武田薬品工業(株)社製)等がある。
【0033】
3官能性を越える多官能性イソシアネート化合物としては、例えば、次式で表される化合物を挙げることができる。
【0034】
【化1】
【0035】
また、ジフェニルメタンジイソシアネートと多価ポリオールとの付加物、トルイレンジイソシアネートと多価ポリオールとの付加物等も挙げることができる。
【0036】
これらは純品として存在するわけではないが、2官能性及び3官能性以上のイソシアネート化合物を含有する市販品としては、例えば、「スミジュール44V−10」、「スミジュール44V−20」、「SBU−Isocyanate
0389」(以上住友バイエルウレタン社製)、「ミリオネートMR」(日本ポリウレタン工業社製)、「PAPI135」、「PAP20」(以上化成アップジョン社製)等が挙げられる。
【0037】
イソシアネート化合物としては、塗膜の強度向上という効果の点から3官能性以上の多官能性イソシアネートが好ましい。
【0038】
イソシアネート化合物と反応する水としては不純物の含有率の低いものが好ましく、蒸留水、イオン交換水、超純水等が挙げられる。
【0039】
イソシアネート化合物と反応するアミン化合物としては2官能性以上のものが好ましく、以下のものを例示できる。
【0040】
2官能性アミン化合物としては、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、フェニレンジアミン、キシリレンジアミン、ジアミノシクロヘキサン、ピペラジン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノスチルベン−2,2’−スルホン酸及びそのナトリウム塩等が挙げられる。また、3官能性以上のアミン化合物としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、イミノビスプロピルアミン、トリアミノベンゼン、メラミンモノマー等が挙げられる。中でも、3官能性以上のアミン化合物が好ましく、中でもジエチレントリアミン、メラミンモノマーが特に好ましい。
【0041】
さらに、キャリアの表面を低表面エネルギーにする場合等では、フッ素成分又はシリコーン成分を含むアミン化合物が好ましく使用できる。
【0042】
フッ素成分を含むアミン化合物としては、次の化合物が例示できる。
【0043】
【化2】
【0044】
シリコーン成分を含むアミン化合物としては、次の化合物が例示できる。
【0045】
【化3】
【0046】
フッ素成分又はシリコーン成分を含むアミン化合物は、1官能性であっても使用できる。
【0047】
イソシアネート化合物と反応するポリオール化合物としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール等のジオール化合物、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、1,2,6−ヘキサントリオール等のトリオール化合物、ペンタエリスリトール等が挙げられ、特にジオール化合物が好ましく用いられる。
【0048】
また、フッ素又はシリコーン成分を含むポリオール化合物が好ましく使用できる。
【0049】
フッ素成分を含むポリオール化合物としては、次のものが例示できる。
【0050】
【化4】
【0051】
シリコーン成分を含むポリオール化合物としては、次のものが例示できる。
【0052】
【化5】
【0053】
フッ素成分又はシリコーン成分を含むポリオール化合物は1官能性であっても使用できる。
【0054】
水、アミン化合物及びポリオール化合物から選ばれる化合物は単独で使用してもよいが、2種以上のアミン化合物、2種以上のポリオール化合物、水とアミン化合物、水とポリオール化合物、アミン化合物とポリオール化合物のように2種以上を併用してもよい。これらの中では、イソシアネート化合物と水の組合せが好ましい。
【0055】
イソシアネート化合物と、水、アミン化合物及びポリオール化合物から選ばれる化合物との使用割合は、必要とされる樹脂の特性に応じて選択されるが、未反応の化合物が残存しないことが保存安定性維持の観点から好ましいため、一般的にはイソシアネート官能基と、水、アミン化合物及びポリオール化合物から選ばれる化合物の官能基とが化学量論的に反応する程度の量で用いられる。
【0056】
核体粒子とマトリクス樹脂の重量比は100:0.01〜100:5.0の範囲とすることができる。少なくとも1種のイソシアネート化合物と、水、アミン化合物及びポリオール化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物とが重合された樹脂である場合には、薄い樹脂被覆層としても均一塗膜状態が得られること、及び架橋構造により十分な強度が得られ、このため長期にわたり初期抵抗を維持することが可能であることから、樹脂被覆層の厚みを0.5μm以下とすることができ、核体粒子とマトリクス樹脂の重量比を100:0.01〜100:0.5の範囲に設定することができる。
【0057】
それ以外の樹脂では、核体粒子とマトリクス樹脂の重量比は100:1.5〜100:5.0とすることが好ましい。核体粒子100重量部に対しマトリクス樹脂の総重量部が1.5重量部未満だと、磁気ブラシ現像剤層抵抗の電界依存性が強くなり、高電界(2.0V/μm)での抵抗が低くなりすぎ、ブラシマークが顕著に発生してしまう。一方、核体粒子100重量部に対しマトリクス樹脂の総重量部が5.0重量部を越える場合、高電界(2.0V/μm)での磁気ブラシ現像剤層抵抗が高くなりすぎ、ハーフトーン及びベタ画像が混在近接する場合における、ベタ画像先端とハーフトーン後端との境界部でのハーフトーン画像後端抜けが顕著に発生するため好ましくない。
【0058】
樹脂被覆層には導電性微粒子を分散させてもよい。導電性微粒子の具体例としては、金、銀、銅のような金属;カーボンブラック;酸化チタン、酸化亜鉛のような半導電性酸化物;酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム粉末等の表面を酸化スズやカーボンブラック、金属で覆ったもの等が挙げられる。これらの中では、製造安定性、コスト、導電性の良さからカーボンブラックが好ましい。カーボンブラックとしては公知のものが使用できるが、製造安定性のよいDBP(ジブチルフタレート)吸油量が50〜300ml/100gの範囲のカーボンブラックが好ましい。樹脂被覆層に導電性微粒子を添加することによってこの樹脂被覆層の抵抗を下げることができるため、強度があまり強くなくそのため樹脂被覆層を厚膜にすることが必要な樹脂をマトリクス樹脂として使用することが可能になる。また、厚膜の樹脂被覆層を可能とすることによって、クッショニング効果が得られ、現像装置内でストレスを受けてもキャリア表面汚染や樹脂被覆層の磨耗が生じにくく、また多少磨耗が生じても磁性キャリアの抵抗への影響は小さく、長期使用においても抵抗変化が極めて少ない現像剤を提供することができる。
【0059】
導電性微粒子の平均粒径は、0.1μm以下が好ましく、分散のためには一次粒子径が50nm以下が好ましい。
【0060】
樹脂被覆層中の導電性微粒子の体積占有率は7乃至15%であることが好ましい。樹脂被覆層中の導電性微粒子の体積占有率の算出には、下記式(1)を使用する。
【0061】
【数1】
【0062】
樹脂被覆層中の導電性微粒子の体積占有率が7%未満では、低電界(0.4V/μm)における磁気ブラシ現像剤層の抵抗が高くなりすぎ、ベタ画像と非画像部の境界におけるベタ画像後端抜けが顕著に現れ好ましくない。また、この体積占有率が15%を越えると、高電界(2.0V/μm)における磁気ブラシ現像剤層の抵抗が低くなりすぎブラシマークが顕著に発生する。
【0063】
樹脂被覆層には、さらに、帯電制御や被膜強化のために、架橋性有機粒子、磁性微粒子等を添加してもよい。
【0064】
磁性キャリアの製造方法としては、代表的には、樹脂被覆層形成用溶液(溶剤中に、マトリクス樹脂、並びに必要に応じて樹脂微粒子及び導電性微粒子を含む)を利用する。具体的には、例えば、核体粒子を樹脂被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、樹脂被覆層形成用溶液を核体粒子の表面に噴霧するスプレー法、核体粒子を流動エアーにより浮遊させた状態で樹脂被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中で核体粒子と樹脂被覆層形成用溶液を混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法が挙げられる。
【0065】
樹脂被覆層形成用溶液に使用する溶剤は、マトリクス樹脂を溶解するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類が使用できる。
【0066】
また、マトリクス樹脂としてイソシアネート化合物と、水、アミン化合物及びポリオール化合物から選ばれる化合物とが重合された樹脂を使用する場合には、イソシアネート化合物を必要に応じ溶剤で希釈し、これと核体粒子とを混合、攪拌し、必要に応じ溶剤を除去する。次に、水、アミン化合物及びポリオール化合物から選ばれた化合物を所定量添加し、必要に応じ加熱し、攪拌しながら又は静置して反応させる方法も使用できる。表面に低表面エネルギー物質が偏在した磁性キャリアを製造する場合には、上記反応の最後にフッ素含有アミン化合物又はフッ素含有ポリオール化合物のような低表面エネルギー化合物を添加することができる。また、深さ方向に均一な組成の樹脂被覆層を得る場合には、イソシアネート化合物を必要に応じ溶剤で希釈し、これに、水、アミン化合物及びポリオール化合物から選ばれる化合物を加え、混合物を攪拌しながら必要に応じ溶剤を除去して反応させたり、混合物を静置して必要に応じ溶剤を除去して反応させる方法も使用できる。さらに、核体粒子とイソシアネート化合物を予め混合攪拌したものを、水、アミン化合物及びポリオール化合物の少なくとも1種を含む溶液中に入れ、液体中で反応させて磁性キャリアを製造する方法も使用できる。
【0067】
本発明に使用されるトナーは、着色剤と結着樹脂とを含む。トナーに使用される着色剤としては、カーボンブラック、ニグロシン染料、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーン・オキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3、及びこれらの混合物等が挙げられる。
【0068】
結着樹脂としては、スチレン、クロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン、ブタジエン等の不飽和炭化水素類、クロロプレン等のハロゲン系不飽和炭化水素、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のビニルニトリル、2−ビニルピリジン、4−ビニリピリジン等のビニルピリジン等の単独重合体及び共重合体を例示することができる。さらに、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、ポリエーテル、変性ロジン、ロジン変性フェノールホルマリン樹脂、セルロース、パラフィン、ワックス類を挙げることができる。これらは単独で使用しても2種以上併用してもよい。特に代表的な結着樹脂としては、ポリエステル、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレンが挙げられ、ビスフェノールAと多価芳香族カルボン酸とを主モノマー成分とした重縮合物よりなる線状ポリエステル樹脂が特に好ましい。
【0069】
線状ポリエステルの中では、軟化点90〜150°C、ガラス転移点50〜70°C、数平均分子量2000〜6000、重量平均分子量8000〜150000、酸価5〜30、水酸基価5〜40を示す樹脂が特に好ましく使用できる。
【0070】
着色剤以外のトナー成分としては、荷電制御剤、オフセット防止剤等があり、また、必要に応じて磁性体微粉末を含有させてもよい。例えば、サリチル酸金属塩、含金属アゾ化合物、ニグロシン、四級アンモニウム塩等の電荷制御剤や、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン、ワックス等のオフセット防止剤等の成分を添加することができる。
【0071】
また、シリカ、チタニア、アルミナ等の流動化剤や、ポリスチレン微粒子、ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリフッ化ビニリデン微粒子等のクリーニング助剤、若しくは転写助剤等の外添剤を用いることもできる。
【0072】
トナーの平均粒径は、磁性キャリア表面を隠蔽する比率を高くするために比表面積が大きい方が好ましいことから、4.5〜9.0μmであることが好ましい。
【0073】
本発明では、現像スリーブ上に二成分現像剤からなる磁気ブラシ現像剤層を形成したときに、現像スリーブの長手方向(軸方向)単位長さ当たりの磁気ブラシ現像剤層の抵抗が、0.4V/μmの電界強度下で5.0×104 〜7.0×108 Ω/cm、2.0V/μmの電界強度下で5.0×104 〜8.0×106 Ω/cmの範囲になくてはならない。0.4V/μmの電界強度下での磁気ブラシ現像剤層の抵抗が7.0×108 Ω/cmを越えると、ベタ画像部、特に低濃度部の後端抜けが顕著となり、5.0×104 Ω/cm未満になると、ブラシマークが発生する。一方、2.0V/μmの電界強度下での磁気ブラシ現像剤層の抵抗が8.0×106 Ω/cmを越えると、ハーフトーンとベタ画像が接する境界においてハーフトーン後端部抜けが顕著となり、5.0×104 Ω/cm未満になると、ブラシマークが発生する。
【0074】
さらに、本発明をより完全なものとするためには、現像領域における現像剤のパッキング密度を適正化する必要があり、スリーブ上現像剤量は20〜70mg/cm2 の範囲に、スリーブ表面と感光体表面との対向距離は200〜600μmの範囲に設定することが好適である。
【0075】
なお、本発明において、核体粒子の抵抗は以下のように行った。
現像装置から感光体を取り外し、この現像装置に核体粒子のみを実装し、現像スリーブ上に核体粒子からなる磁気ブラシを形成させた後、感光体と同一サイズのアルミニウムパイプを感光体の代わりに装填する。次いで、アルミニウムパイプと感光体との間に直流電圧を(印加電圧)/(アルミニウムパイプと感光体との間の対向距離)で割った値が所定の電界強度となるように印加し、このときに流れる電流の値を測定する。次に、印加電圧と電流値から抵抗を求め、求めた抵抗を現像スリーブ実効長で割った値を所定の電界強度の時の抵抗とする。ここで、実効長さとは、図1〜3の現像装置において、現像ハウジング12の壁12Aに形成された開口部の、現像スリーブの長手方向(軸方向)における幅が、現像スリーブの長さより短い場合には、開口部の幅であり、開口部の幅と現像スリーブの長さが同じ又は開口部の幅が現像スリーブの長さより長い場合には、現像スリーブの長さである。
【0076】
現像剤の抵抗は、核体粒子の代わりに現像剤を実装し、トナー濃度を調節した後、上記と同様の手順で求める。トナー濃度は、得られる画像濃度が、黒トナーの場合には1.2以上、カラートナーの場合には、グロスが30以上で1.2以上となるように、調節する。
【0077】
本発明は、多種画像レベルが連続的に混在する場合が多いために前述のディフェクトが目立ちやすいフルカラー画像用のカラートナーに適用した場合に著しい効果を奏することができるが、白黒画像用の黒トナーに適用してもよい。
【0078】
【実施例】
以下、実施例によって具体的に説明する。
(実施例1〜3、比較例1〜3)
<磁性キャリアの作製>
磁性キャリア1〜5
核体粒子としての平均粒径45μmの球状Mn−Mgフェライト粒子3kgに対して10gの3官能性イソシアネート(商品名:タケネートD110N、武田薬品工業(株)社製)と溶媒としての酢酸エチル150gを加え、加圧ニーダーを用いて60℃で攪拌混合した。次に、水200gを加え120℃で攪拌混合し、減圧しながら溶媒を除去した。これを75μmメッシュで篩分し、磁性キャリア1を得た。 マトリクス樹脂の被覆量及び必要に応じて核体粒子を変えたことを除いて、上記と同様の手順により、表1に示す磁性キャリア2〜5を作製した。
【0079】
磁性キャリア6
15gのポリメチルメタクリレート(Mn=10000、Mw=50000)を250gのトルエンに溶解させ、これに平均粒径45μmの球状Mn−Mgフェライト粒子3kgを添加し、加圧ニーダーを用いて ℃で攪拌混合し、減圧しながら溶媒を除去した。これを75μmメッシュで篩分し、磁性キャリア6を得た。
【0080】
【表1】
【0081】
表1において、電界強度0.4V/μm時の核体粒子の抵抗は、A Ccolor630複写機(富士ゼロックス(株)社製、アルミニウムパイプとの間の対向距離500μm、現像スリーブ実効長30cm、アルミニウムパイプと現像スリーブ順方向、周速差330mm/s)を用い、現像スリーブ上の核体粒子量が50mg/cm2 となるように調整後、200Vの直流電圧を印加し、印加後10秒経過したときの電流値を使用した他は、上記の手順により求めた。 また、印加電圧を1000Vとし、上記と同様の手順で求めた抵抗を電界強度2.0V/μm時の抵抗とした。
<トナーの作製>
ポリエステル樹脂 95重量部
(ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物−
テレフタル酸:TG:65℃、Mn:3500、Mw:10000)
C.I.ピグメントレッド57:1 5重量部
上記材料をエクストルーダーで混練し、ジェットミルで粉砕した後、風力分級機で分級し平均粒径7μmの樹脂粒子を得た。この樹脂粒子100重量部に対して平均粒径20nmのチタニア粒子0.4重量部及び平均粒径40nmのシリカ粒子0.8重量部を添加し、ヘンシェルミキサーにて混合してマゼンタトナーAを調整した。
<現像剤の調整>
上記磁性キャリア600gに対してマゼンタトナーA40gを混合し現像剤1〜6を調整した。
<評価>
調整した現像剤1〜6をA Color630複写機に入れて複写を行ったところ、得られた画像濃度はそれぞれ1.41、1.45、1.50、1.47、1.52、1.50であった。次いで、核体粒子の抵抗測定と同様の手順で、現像剤の抵抗を測定した。次に、アルミニウムパイプを取り外して感光体を装填した後、プリントテストを行った。結果を表2に示す。
【0082】
【表2】
【0083】
現像剤1、2、6において画像後端抜け、ハーフトーン部ベタ画像部境界抜けは殆ど目立たないのに対して、現像剤3、4では画像抜けが顕著に発生した。また現像剤5では、画像抜けは発生しなかったが、ブラシマークが顕著であった。
【0084】
次に、現像剤1及び6を用いて25000枚の繰り返しプリントテストを行ったところ、両者とも初期の画質を維持した。
【0085】
さらに、現像剤1及び6を用いて50000枚の繰り返しプリントテストを行ったところ、現像剤1では初期の画質を維持したが、現像剤6においては顕著なブラシマークの発生が見られた。これら現像剤中の磁性キャリア表面を観察したところ、現像剤6では磁性キャリアの樹脂被覆層の剥離が顕著であるのに対して、現像剤1では磁性キャリアの樹脂被覆層の剥離は全く見られなかった。このことから、イソシアネート化合物と水との重合により得られたマトリクス樹脂で形成された樹脂被覆層は薄膜でも十分な強度を有することがわかる。
(実施例4〜9、比較例4〜8)
<樹脂被覆層形成用溶液の作成>
表3に示す各組成をサンドミルで20分間撹拌分散し、樹脂被覆層形成用溶液を作成した。
【0086】
【表3】
【0087】
<磁性キャリアの調製>
表4及び表5に示す核体粒子1000重量部と上記樹脂被覆層形成用溶液とを真空脱気型ニーダー(内壁を100℃に加熱)に投入し、15分撹拌した後、減圧して溶媒を留去して、核体粒子上に樹脂被膜層が形成された磁性キャリアを得た。なお、磁性キャリア9には乾燥後200℃60分の焼きつけ処理を施した。
【0088】
【表4】
【0089】
【表5】
【0090】
<トナーの調整>
線状ポリエステル樹脂 100重量部
(テレフタル酸−ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物/シクロヘキサンジメタノールから得られた線状ポリエステル、Tg=62℃、Mn=4,000、Mw=35,000、酸価=12、水酸価=25)
マゼンタ顔料(C.I.ピグメント レッド57) 3重量部
上記成分をエクストルーダーで混練し、ジェットミルで粉砕した後、風力式分級機で分散してd50=6.6μmの樹脂粒子を得た。この樹脂粒子100重量部にシリカ(商品名:R972、日本アエロジル社製)0.5重量部をヘンシェルミキサーで添加してマゼンタトナーBを得た。
<現像剤の調製>
上記磁性キャリア7〜17各100重量部を、上記マゼンタトナーB8重量部と混合して現像剤7〜17を調製した。
<評価>
調整した現像剤7〜17をA Color630複写機に入れて複写を行ったところ、得られた画像濃度はそれぞれ1.46、1.50、1.51、1.53、1.48、1.47、1.51、1.50、1.54、1.45、1.43であった。次いで、核体粒子の抵抗測定と同様の手順で、現像剤の抵抗を測定した。次に、アルミニウムパイプを取り外して感光体を装填した後、プリントテストを行った。結果を表6に示す。
【0091】
【表6】
【0092】
次に、現像剤7及び12を用いて25000枚の繰り返しプリントテストを行ったところ、両者とも初期の画質を維持した。
【0093】
さらに、現像剤7及び12を用いて50000枚の繰り返しプリントテストを行ったところ、現像剤7では初期の画質を維持したが、現像剤12においては顕著なブラシマークの発生が見られた。これら現像剤中の磁性キャリア表面を観察したところ、現像剤12の磁性キャリアの樹脂被覆層の剥離が顕著であるのに対して、現像剤7の磁性キャリアの樹脂被覆層の剥離は全く見られなかった。このことから、膜厚の厚いもの程長期の使用に耐えられることがわかる。
【0094】
【発明の効果】
本発明は、現像スリーブの長手方向単位長さ当たりの磁気ブラシ現像剤層の抵抗を特定の範囲にしたため、ベタ画像後端抜け、ベタ画像先端とハーフトーン後端との境界部でのハーフトーン画像後端抜け、現像剤の感光体に対するトナー供給能力の低下及び潜像リークに起因するブラシマークを長期にわたり防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される現像装置の要部を示す図である。
【図2】本発明が適用される別例の現像装置の要部を示す図である。
【図3】本発明が適用される別例の現像装置の要部を示し、図3(A)は斜視図、図3(B)は断面図である。
【符号の説明】
10 感光体
12 現像ハウジング
14 現像スリーブ
Claims (13)
- 静電潜像を形成するための感光体と、回転可能な現像スリーブと、該感光体及び該現像スリーブの少なくとも一方を移動させることによって該現像スリーブを該感光体表面に沿って相対移動させる移動手段とを備えた現像装置に適用され、該現像スリーブを該感光体表面に沿って相対移動させると共に回転させることによって、静電潜像が形成された感光体と、該現像スリーブ上に形成され、且つトナー及び磁性キャリアを含む二成分現像剤からなる磁気ブラシ現像剤層とを慴擦させる磁気ブラシ現像方法において、
該現像スリーブの長手方向単位長さ当たりの該磁気ブラシ現像剤層の抵抗が、0.4V/μmの電界強度下で5.0×104 〜7.0×108 Ω/cm、2.0V/μmの電界強度下で5.0×104 〜8.0×106 Ω/cmの範囲にあることを特徴とする磁気ブラシ現像方法。 - 前記磁性キャリアが核体粒子の表面に樹脂被覆層を有することを特徴とする請求項1に記載の磁気ブラシ現像方法。
- 前記現像スリーブの長手方向単位長さ当たりの前記核体粒子からなる磁気ブラシ層の抵抗が、0.4V/μmの電界強度下で5.0×103 〜1.0×106 Ω/cm、2.0V/μmの電界強度下で5.0×103 〜6.0×105 Ω/cmの範囲にあることを特徴とする請求項2に記載の磁気ブラシ現像方法。
- 前記核体粒子の平均粒径が30〜50μmである請求項2又は3に記載の磁気ブラシ現像方法。
- 前記樹脂被覆層が少なくとも1種のイソシアネート化合物と、水、アミン化合物及びポリオール化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物との重合により得られる樹脂で形成されたことを特徴とする請求項2、3及び4のいずれか1項に記載の磁気ブラシ現像方法。
- 前記核体粒子と前記樹脂被覆層の樹脂との重量比が100:0.01〜100:0.5である請求項5に記載の磁気ブラシ現像方法。
- 前記樹脂被覆層がマトリクス樹脂中に導電性微粒子が分散された樹脂被覆層であることを特徴とする請求項2、3及び4のいずれか1項に記載の磁気ブラシ現像方法。
- 前記樹脂被覆層における前記導電性微粒子の体積占有率が7〜15%であることを特徴とする請求項7に記載の磁気ブラシ現像方法。
- 前記核体粒子と前記樹脂被覆層の樹脂との重量比が100:1.5〜100:5.0である請求項7又は8に記載の磁気ブラシ現像方法。
- 前記マトリクス樹脂が臨界表面張力が30dyne/cm以下である樹脂を含むことを特徴とする請求項7、8及び9のいずれか1項に記載の磁気ブラシ現像方法。
- 前記磁性キャリアの1kOeにおける磁化が55〜65emu/gであることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9及び10のいずれか1項に記載の磁気ブラシ現像方法。
- 前記現像スリーブ表面と前記感光体表面の間の対向距離が200〜600μmの範囲である請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10及び11のいずれか1項に記載の磁気ブラシ現像方法。
- 前記現像スリーブ上の現像剤量が20〜70mg/cm2 であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11及び12のいずれか1項に記載の磁気ブラシ現像方法。
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