JP3564808B2 - コンテナスプレッダ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フォークリフトに装着されてコンテナ荷役に用いられるコンテナスプレッダに係り、詳しくは左右の伸縮レールの各先端部に、上端部にツイストロック装置を備えたツイストロック支柱が直立されているウイング式コンテナスプレッダに関する。
【0002】
【従来の技術】
図4及び図5に示すように、ウイング式コンテナスプレッダは、フォークリフトのマスト39にリフトブラケット40を介して昇降可能に装着された車幅方向に水平に延在するスプレッダ本体としての筒状のレールホルダ31と、このレールホルダ31に摺動可能に嵌入される左右一対の伸縮レール32と、それら伸縮レール32の先端部にそれぞれ直立される左右のツイストロック支柱33と、それらツイストロック支柱33の上端部に設けられたツイストロック装置34とから構成されている。
【0003】
ツイストロック装置34は、そのツイストロックボックスに水平回動可能に垂設されたコンテナC吊下用のツイストロックピン35を備えており、また、ボックス内には、ツイストロックピン35作動用のツイストロックシリンダ及びロックピン作動確認用の非接触式近接スイッチ(共に図示省略)が収容されている。そして、レールホルダ31の上方にはツイストロックシリンダ用の油圧配管及び非接触式近接スイッチ、作動確認ランプ並びに作業灯用の電気配線36が、伸縮レール32の伸縮動作に対応するように、パワートラック37及びツイストロック支柱33側から略水平状に突出するブラケット38を介して配設されている。
【0004】
上記のようなウイング式コンテナスプレッダは、ツイストロックピン35が運転席上の乗員から見やすいこと、コンテナ荷役時において左右のツイストロック支柱33の前面下部よりコンテナCの強度的に保障された左右のコーナ部を支える関係で、コンテナCの揺れを回避できること等の特長を有する。なお、このようなウイング式コンテナスプレッダとしては、例えば実開平1−174397号公報を挙げることができる。
【0005】
ところが、従来のウイング式コンテナスプレッダにおいては、レールホルダ31及び伸縮レール32がフロントタイヤ41の前方に配置されている関係で、アクスル中心から荷重中心(コンテナ中心)までの距離Lが大となり、ロストロードが大きくなってしまう。それに対応するには、カウンタウェイトを大型化して車両重量を増大する必要がある。
【0006】
そのため、このような不具合を解決するものとして、図6及び図7に示すように、伸縮レール32の先端部にツイストロック支柱33の上下方向の略中間部を結合してレールホルダ31及び伸縮レール32がフロントタイヤ41に干渉しない上方位置へ変位する一方、マスト39をフロントアクスルの上方へ配置して車体フレーム42に支持させるように構成し、マスト39と共にスプレッダ全体を車体寄りに配置してアクチュエータする中心から荷重中心までの距離Lを短縮するようにした提案がなされている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記のような構成を採用した場合、レールホルダ31及び伸縮レール32の上方への変位に伴い油圧配管や電気配線36及びそれを案内するブラケット38も必然的に上方へ変位することになる。その結果、図7に仮想線で示すように、コンテナスプレッダを上昇させた高揚高時において、ツイストロックピン35がブラケット38の陰に隠れて乗員から見えなくなる。即ち、コンテナスプレッダを車体寄りに接近配置する構成の場合は、ロストロードの問題を解決し得る反面、ブラケット38により高揚高時の前方視野が阻害されるという新たな問題が生じることとなる。
【0008】
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、コンテナスプレッダにおいて、配管類を案内するブラケットによる前方視野の妨害を回避して前方視野を改善することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を講じている。
即ち、請求項1の発明は、
フォークリフトのマストに昇降可能に装着されるスプレッダ本体に、車幅方向に伸縮自在な左右の伸縮レールを備え、
前記伸縮レールの先端部には、ツイストロック装置を上端部に備えたツイストロック支柱が立設され、
前記ツイストロック支柱には、そのツイストロック支柱と前記スプレッダ本体との間で配管類を案内するブラケットが幅方向内向きに延出して設けられているコンテナスプレッダにおいて、
前記ブラケットを、全揚高に関して乗員が前記ツイストロック装置のツイストロックピンを視認可能となるように、前記ツイストロック支柱に対する取付基部側が先端側よりも下位となるように屈曲した形状に形成したことを特徴とする。
このような構成を採用したときは、ツイストロックピンがブラケットの陰に隠れるといった問題が解決されるほか、ブラケットの形状を変えるだけであるから、ブラケットを容易かつ低コストで生産することが可能となる。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1記載のコンテナスプレッダにおいて、前記ブラケット及びツイストロック支柱が共に筒状に形成されており、その筒孔内を前記配管類が延在していることを特徴とする。
このような構成を採用したときは、ツイストロックピンがブラケットの陰に隠れるといった問題が解決されるほか、ブラケット及びツイストロック支柱の筒孔内に配置される配管類の保護を図る上で有効となり、かつまたスプレッダの軽量化に役立つ。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に示す実施例を用いて説明する。図1はウイング式コンテナスプレッダの正面図であり、図2は同じく平面図であり、図3は同じく側面図である。
図示のように、コンテナ荷役に用いられるコンテナスプレッダは、車幅方向に水平状に延在する角筒状のレールホルダ1をスプレッダ本体として備えており、このレールホルダ1はフォークリフトのマスト11にリフトブラケット12を介して昇降可能に装着される。なお、本実施例では、マスト11は、図3に示すように、フロントアクスル中心の上方に配置されるとともに、その下端部が車体フレーム13にマストサポートピン14により支持され、ティルトシリンダ15により前後傾されるようになっている。
【0012】
レールホルダ1は左右のフロントタイヤ16の外側方まで延出する長さを有しており、これに左右一対の伸縮レール2が車幅方向に摺動自在に嵌入されるとともに図示省略の油圧シリンダ又は油圧モータにより同期して伸縮作動されるようになっている。左右の伸縮レール2の先端部には、それぞれ角筒状に形成されたツイストロック支柱3が直立状に結合され、各ツイストロック支柱3の上端にはツイストロック装置4が設けられている。
【0013】
ツイストロック装置4はボックスを有し、そのボックスにはコンテナCのトップコーナに設けられている吊孔に係脱自在なコンテナ吊下用のツイストロックピン5が垂下状に備えられ、ボックス内にはツイストロックピン作動用の油圧アクチュエータである油圧シリンダ又は油圧モータとピン作動確認用の検出器である非接触式近接スイッチ(共に図示省略)が収納されている。
【0014】
なお、前記レールホルダ1は図3に示すように、コンテナスプレッダが下降端にあるとき、フロントタイヤ16の上方に位置するように配置され、そのときツイストロック支柱3はその下端が地上に僅かな間隔を置いて対向する位置となるように、上下方向の略中程において伸縮レール2の端部に結合されている。このことにより、コンテナスプレッダはフロントタイヤ16に干渉することなく、マスト11と共に車体寄りに接近して配置され、フロントタイヤ中心から荷重中心(コンテナ中心)までの距離Lが短縮されている。
【0015】
また、前記ツイストロック装置4における油圧アクチュエータ用の油圧配管及び検出器、作動確認ランプ並びに作業灯用の電気配線6(以下、配管類という)は、車体側からコンテナスプレッダ側に引き出されたのち、レールホルダ1の上面及びツイストロック支柱3の後側(車長方向における後側)を通って左右のツイストロック装置4のボックス内に至っている。配管類6は、伸縮レール2の伸縮作動に対応するために、レールホルダ1の上面に屈曲変位可能なパワートラック7を介して略横U字状に屈曲配置されている。そして、パワートラック7の一端はレールホルダ1の先端部に固定され、他端はツイストロック支柱3から車幅方向内向きに延出された配管類6を案内するブラケット8の延出端に固定されている。
【0016】
ブラケット8は、パワートラック7とツイストロック支柱3間において配管類6を中継するものにして、両端開放の角筒状又は円筒状に形成され、配管類6がその筒孔内を通過後、ツイストロック支柱3の後側を通ってツイストロック装置4のボックス内に引き出され、油圧アクチュエータ、検出器に接続される。
【0017】
さて、上記のように、コンテナスプレッダを車体寄りに接近して配置する構成を採用したときは、スプレッダにおけるレールホルダ1が上方へ相対変位することに伴い配管類6及びそれを案内するブラケット8も上方へ変位し、その結果として、高揚高位置ではツイストロックピン5がブラケット8の陰に隠れて運転席上の乗員が視認できない状況となる。
【0018】
しかるに、本実施例においては、ブラケット8を、図1に示すように、ツイストロック支柱3に対する取付基部側が延出端部よりも下位となるように屈曲した形状に形成することにより、視野の改善を図っている。即ち、ブラケット8は、ツイストロック支柱3との結合部を起点として水平状に延出後、その延出方向をその途中で上方に転換し、さらに水平方向に延出する略Z字状に形成され、その延出端部が配管類6の上辺側と整合している。また、ブラケット8の取付基端部は、極力、伸縮レール2寄りに接合される。
【0019】
本実施例は、上述のように構成することにより、図2及び図3に示すように、最大揚高状態において、乗員がツイストロックピン5の全体又はその一部を視認できるようにしたものである。しかして、最大揚高位置で乗員がツイストロックピン5を視認できるならば、それよりも低い揚高ではツイストロックピン5がブラケット8の陰に隠れることがないため、結果として全揚高について乗員はツイストロックピン5を視認可能となる。従って、本実施例によれば、乗員が常にツイストロックピン5の位置を確認してコンテナCの荷役作業を行うことができるため、その作業能率を向上する上で有効となる。
【0020】
また、本実施例では、ブラケット8の形状の変更により対応したので、ブラケット8を簡単かつ低コストで生産できる利点があるが、ブラケット8の全体又は一部を透明材から形成し、ブラケット8を透視してツイストロックピン5を視認できるようにしてもよい。また、ブラケット8を網状に形成又は開口部を形成することにより、網目又は開口を通してツイストロックピン5を視認できるようにしてもよい。ただし、上記対応策では、ブラケット8内を通る配管類6が視野の妨害部材になるも、それはブラケット8に比べて細小であるため、ツイストロックピン5全体が隠れるといった虞はない。
【0021】
また、本実施例では、配管類6をブラケット8の筒孔内を通したのち、ツイストロック支柱3の後側に沿って配管する構成としたので、配管類6を保護する上で効果があり、また、ブラケット8及びツイストロック支柱3を筒状に構成してあるため、コンテナスプレッダを軽量化できる。
【0022】
なお、本実施例では、配管類6をツイストロック支柱3の後側に沿って配置する構成としたが、配管類6をブラケット8の筒孔のみならずツイストロック支柱3の筒孔に通す構成に変更してもよく、このような構成を採用したときは配管類6の保護効果をより一層高めることが可能となる。また、ブラケット8の形状についても、図示形状に限るものではなく、要するに運転席上の乗員がツイストロックピン5を見るに際してこれを妨害しないような形状であれば良い。
【0023】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、乗員がコンテナスプレッダの全揚高に関してツイストロックピンの位置を確認できるため、コンテナの吊孔に対する位置決め作業がやり易くなり、コンテナ荷役作業の能率向上に大きく役立つことになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のコンテナスプレッダの正面図である。
【図2】同じく平面図である。
【図3】同じく側面図である。
【図4】従来のコンテナスプレッダの正面図である。
【図5】同じく側面図である。
【図6】車体寄りに配置されたコンテナスプレッダの正面図である。
【図7】同じく側面図である。
【符号の説明】
1…レールホルダ
2…伸縮レール
3…ツイストロック支柱
4…ツイストロック装置
5…ツイストロックピン
6…配管類
8…ブラケット
Claims (2)
- フォークリフトのマストに昇降可能に装着されるスプレッダ本体に、車幅方向に伸縮自在な左右の伸縮レールを備え、
前記伸縮レールの先端部には、ツイストロック装置を上端部に備えたツイストロック支柱が立設され、
前記ツイストロック支柱には、そのツイストロック支柱と前記スプレッダ本体との間で配管類を案内するブラケットが幅方向内向きに延出して設けられているコンテナスプレッダにおいて、
前記ブラケットを、全揚高に関して乗員が前記ツイストロック装置のツイストロックピンを視認可能となるように、前記ツイストロック支柱に対する取付基部側が先端側よりも下位となるように屈曲した形状に形成したコンテナスプレッダ。 - 前記ブラケット及びツイストロック支柱が共に筒状に形成されており、その筒孔内を前記配管類が延在している請求項1記載のコンテナスプレッダ。
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