JP3564616B2

JP3564616B2 - 携帯無線機用アンテナ

Info

Publication number: JP3564616B2
Application number: JP24536697A
Authority: JP
Inventors: 術也加藤
Original assignee: Yokowo Co Ltd
Current assignee: Yokowo Co Ltd
Priority date: 1997-09-10
Filing date: 1997-09-10
Publication date: 2004-09-15
Anticipated expiration: 2017-09-10
Also published as: JPH1188022A

Description

【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は、携帯電話等の携帯無線機に備えられるアンテナであって、携帯無線機の筐体に対して引き出し，収納自在に設けられる携帯無線機用アンテナに関する。
【０００２】
【従来の技術】
最近になって携帯電話の普及が著しく進んでいるが、この種の携帯無線機には、携帯に便利なように使用時に引き出し、非使用時に無線機の筐体内に収納が可能なアンテナが用いられている。このような収納自在なアンテナでは、アンテナの収納時であっても電波の受信が可能なようにアンテナの先端部分にヘリカルアンテナ部を設けており、アンテナ収納時にはこのヘリカルアンテナ部のみを無線機筐体の外に突出させておく。また、アンテナの引き出し時にはアンテナに内蔵するホイップアンテナ部が作用するようになっている。
【０００３】
上述のような携帯無線機用アンテナの基本構造を図２によって説明する。アンテナ１０はヘリカルアンテナ部２０とホイップアンテナ部３０とを備えている。アンテナ１０の先端部に設けられるヘリカルアンテナ部２０は、ポリエステルエラストマー等の合成樹脂からなるトップ２１内に設けられたボビン２３にコイル２２を巻回することによって構成され、このコイル２２がトップ２１の基端部に結合される導電性スリーブ２４に接続されている。
【０００４】
一方、ホイップアンテナ部３０は、アンテナ導体３１に弾性を有する可撓性のアンテナチューブ３２を被覆することによって構成されており、アンテナ１０の基端部に設けられる導電性を有するストッパ３３にアンテナ導体３１の基端部が接続されている。このホイップアンテナ部３０のアンテナ導体３１としては、例えばニッケルチタン合金からなる超弾性金属が使用され、また、アンテナチューブ３２としては、弾性を有する合成樹脂のポリアセタール等がその材料として用いられる。
【０００５】
そして、上記のホイップアンテナ部３０の先端部分はヘリカルアンテナ部２０の基端部をなす導電性スリーブ２４にジョイント部４０を介して電気的に絶縁された状態で固着されている。ジョイント部４０は絶縁性の樹脂材からなり、一方側にホイップアンテナ部３０の先端部分が一体に結合され、他端側が導電性スリーブ３４内に一体に結合されている。このジョイント部４０は、型枠内にホイップアンテナ部３０の先端部分と導電性スリーブ２４を配置して樹脂成形によって一体に形成することも可能であるし、樹脂成型品を導電性スリーブ２４内に挿入固着して形成することもできる。
【０００６】
次ぎに、アンテナ１０が無線機の筐体に対して収納又は引き出された状態を図３によって説明する。図３の（ａ）はアンテナ１０が無線機筐体に対して収納された状態を示している。ここで、アンテナ１０はホルダ５０によって筐体６０に装着されるが、アンテナ１０はホルダ５０内を摺動可能であり、収納時にはアンテナチューブ３２の大部分が筐体６０内に設けられる収納筒６３内に納められ、先端のトップ２１のみが筐体６０から突出した状態となる。この状態では、ホルダ５０内に設けた弾性変形可能な保持管５１の径を導電性スリーブ２４が若干押し広げた状態で、弾性的にアンテナ１０がホルダ内の保持管５１に保持されている。そして、この保持管５１は導電性を有する材料からなり、保持管５１とプリント基板６１が導線６２によって接続されて、収納時におけるヘリカルアンテナ部とプリント基板との導通を可能にしている。また、図３（ｂ）はアンテナ引き出し時の状態を示すもので、この状態では、ホルダ５０内の保持管５１がストッパ３３を弾性的に保持して、アンテナ引き出し時のホイップアンテナ部とプリント基板６１との通電を可能にしている。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
上述の無線機用アンテナでは、アンテナチューブ３２の外径は上記の保持管５１の内径より小径にしており、図３（ｂ）のアンテナ引き出し状態においてストッパ３３を保持管５１の保持から解放するとアンテナ１０は自然落下する。しかしながら、上記のジョイント部４０の外径をアンテナチューブ３２の外径より構造上大きく形成する必要があることから、自然落下したアンテナ１０はジョイント部４０の手前で一旦停止し、強制的に図３の（ａ）の状態になるまでアンテナ１０を押し込まない限り、図３（ｃ）のような不完全な収納状態が生じることになる。このようなアンテナ１０の不完全な収納状態は別の原因でも生じることがあり、例えば、筐体内の収納筒６３内をストッパ３３が通過する際の抵抗等によってもアンテナの落下が止まってしまう。何れにしても、この種の引き出し又は収納可能な携帯無線機用アンテナにおいては、強制的に完全な収納状態（図３（ａ）の状態）になるまで押し込まない限り、アンテナ１０の不完全な収納状態はアンテナ収納時に頻繁に生じることになる。
【０００８】
そして、上述のような不完全なアンテナの収納状態が生じているときに、携帯無線機の落下等によってアンテナに衝撃力が加わると、金属製の導電性スリーブ２４と可撓性のアンテナチューブ３２との間に介在するジョイント部４０において破損の危険性が最も高くなるが、上述した従来のアンテナ１０におけるジョイント部４０は構造上の欠陥があり強度の面で充分なものではなかった。図４は従来のアンテナのジョイント部付近を拡大して示しているが（図２における同一部位には同一の符号を付して説明を省略する。）、ジョイント部４０には導電性スリーブの端部との境界部分に段差部４０ａが設けられており、このような断面形状では、衝撃に伴う曲げに対して段差部４０ａに過度の応力集中が生じ、このジョイント部でアンテナが折損して、特にアンテナ収納時のヘリカルアンテナ部の作用が損なわれてしまう問題があった。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は以下の特徴を具備するものである。
請求項１に係る発明は、携帯無線機の筐体から引き出された状態で作用するホイップアンテナ部と上記筐体に収納された状態で作用するヘリカルアンテナ部とからなる携帯無線機用アンテナにおいて、上記ヘリカルアンテナ部は、アンテナ部への通電に供する中空状の導電性スリーブを備え、上記ホイップアンテナ部の先端に一体に結合した絶縁性のジョイント部を上記導電性スリーブ内に結合することによって、上記ホイップアンテナ部に対して上記ヘリカルアンテナ部を電気的に絶縁した状態で固着してなり、上記ジョイント部は、上記導電性スリーブ内に結合した部分と該スリーブから導出した部分が応力集中の生じない一様な断面形状となるように形成されることを特徴とする。
請求項２に係る発明は、請求項１に係る発明を前提として、上記ジョイント部は、上記ホイップアンテナ部の先端を一体に結合したロッド状の樹脂材からなり、該ロッドの先端部分が上記導電性スリーブ内に結合した部分と上記導電性スリーブ内にねじ結合される部分とから成ることを特徴とする。
請求項３に係る発明は、請求項１に係る発明を前提として、上記ジョイント部は、上記導電性スリーブ及び上記ホイップアンテナ部の先端と一体に樹脂成形されてなることを特徴とする。
【００１０】
【作用】
ヘリカルアンテナ部における導電性スリーブをホイップアンテナ部の先端部分に電気的に絶縁した状態で固着するジョイント部は、中空状の導電性スリーブ内にジョイント部の先端部分が結合され、ジョイント部の基端部分はホイップアンテナ部の先端部分に一体に結合される。そして、このジョイント部は、導電性スリーブ内に結合した部分と該スリーブから導出した部分が一様な断面形状となるように形成される。これによって、ジョイント部分には部品成形時に起きる形状的な残留応力がなくなり、衝撃的な外力が加わった場合にも材料本来の強度特性が充分に引き出せ、必要な強度を確保できる。また、ジョイント部の段差部分をなくすことで、ジョイント部に大きな曲げが作用した際に導電性スリーブの端部との境界部分に過度の応力集中が生じことがなくなり、折損等の損傷が生じ難くなる。
【００１１】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。図１は本発明の一実施例に係る携帯無線機用アンテナにおけるジョイント部付近の断面を示す説明図である（上述の従来例と同様の部位には同一の符号を付している。）。図１において、アンテナ１はヘリカルアンテナ部２０とホイップアンテナ部３０を備え、ヘリカルアンテナ部２０は、トップ２１内に設けられたボビン２３にコイル２２を巻回することによって構成され、このコイル２２がトップ２１の基端部に結合される導電性スリーブ２４に接続されている。また、ホイップアンテナ部３０は、アンテナ導体３１に弾性を有する可撓性のアンテナチューブ３２を被覆することによって構成されている。このホイップアンテナ部３０の先端部分には絶縁性の樹脂材から成るジョイント部４が一体に結合されており、このジョイント部４を介してホイップアンテナ部３０の先端部分に導電性スリーブ２４を固着することによって、ヘリカルアンテナ部とホイップアンテナ部との電気的な絶縁を確保している。
【００１２】
ここでジョイント部４は、ロッド状の中実な樹脂材であり、高強度のプラスチック等の合成樹脂材料が用いられ、導電性スリーブ２４の内径と等しい外径を有する一様な円形断面形状となっている。そして、ホイップアンテナ部３０の先端部分と一体成形されたロッド状部品の先端部分に雄ねじ部４ａを形成し、このロッド状部品を導電性スリーブ２４内に挿入して導電性スリーブ２４内の雌ねじ部２４ａとねじ結合することによって、ジョイント部４と導電性スリーブ２４を固着するようにしている。しかしながら、ジョイント部４の断面形状や形成方法は上述の記載に何ら限定されるものではなく、断面形状は強度確保に支障のない断面であればよく、また、形成方法は、型枠内にホイップアンテナ部３０の先端部分と導電性スリーブ２４を配置して樹脂成形によって一体に形成することも可能である。
【００１３】
上述のような実施例の構造によると、ジョイント部４は導電性スリーブ２４内に結合した部分と導電性スリーブ２４外に導出した部分とで一様な断面形状となっていることから、ジョイント部分の成形時に起きる形状的な残留応力がなくなり、また、導電性スリーブ４の基端部との境界部Ａに段差部がないので、この境界部Ａに応力集中が生じることがなく、ジョイント部において充分な強度の確保を可能としている。
【００１４】
【発明の効果】
本発明は上記のように構成され、ヘリカルアンテナ部における導電性スリーブをホイップアンテナ部の先端部分に電気的に絶縁した状態で固着するジョイント部を導電性スリーブ内に結合した部分と該スリーブから導出した部分が一様な断面形状となるようにしたので、ジョイント部分には部品成形時に起きる形状的な残留応力がなくなり、衝撃的な外力が加わった場合にも材料本来の強度特性が充分に引き出せ、必要な強度を確保できると共に、ジョイント部の段差部分をなくすことで、ジョイント部に大きな曲げが作用した際に導電性スリーブの端部との境界部分に過度の応力集中が生じことがなくなり、折損等の損傷が生じ難くなる。これによって、無線機の筐体に対して不完全な収納状態となることが多い、引き出し・収納可能な携帯無線機用アンテナにおいて、先端部分の折損によってヘリカルアンテナ部の作用が損なわれる事故を著しく減少させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施例に係る携帯無線機用アンテナにおけるジョイント部付近の断面を示す説明図である。
【図２】従来の携帯無線機用アンテナを示す説明図である。
【図３】携帯無線機用アンテナの収納・引き出しの状態を示す説明図である。
【図４】従来の携帯無線機用アンテナにおけるジョイント部付近の断面を示す説明図である。
【符号の説明】
１，１０アンテナ
２０ヘリカルアンテナ部
２１トップ
２２コイル
２３ボビン
２４導電性スリーブ
３０ホイップアンテナ部
３１アンテナ導体
３２アンテナチューブ
３３ストッパ
４，４０ジョイント部
５０ホルダ
５１保持管
６０無線機筐体
６１プリント基板
６２導線
６３収納筒

Claims

携帯無線機の筐体から引き出された状態で作用するホイップアンテナ部と上記筐体に収納された状態で作用するヘリカルアンテナ部とからなる携帯無線機用アンテナにおいて、
上記ヘリカルアンテナ部は、アンテナ部への通電に供する中空状の導電性スリーブを備え、上記ホイップアンテナ部の先端に一体に結合した絶縁性のジョイント部を上記導電性スリーブ内に結合することによって、上記ホイップアンテナ部に対して上記ヘリカルアンテナ部を電気的に絶縁した状態で固着してなり、上記ジョイント部は、上記導電性スリーブ内に結合した部分と該スリーブから導出した部分が応力集中の生じない一様な断面形状となるように形成されることを特徴とする携帯無線機用アンテナ。
上記ジョイント部は、上記ホイップアンテナ部の先端を一体に結合したロッド状の樹脂材からなり、該ロッドの先端部分が上記導電性スリーブ内に結合した部分と上記導電性スリーブ内にねじ結合される部分とから成ることを特徴とする請求項１に記載の携帯無線機用アンテナ。
上記ジョイント部は、上記導電性スリーブ及び上記ホイップアンテナ部の先端と一体に樹脂成形されてなることを特徴とする請求項１に記載の携帯無線機用アンテナ。