JP3564444B2 - 版面処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像に応じて、処理液に対する異なる性質を有する版面を、処理液で処理する版面処理装置に関し、特に、版胴に形成された版面を、印刷版の形成のため、処理液で処理する版面処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
オフセット印刷機では、版胴に製版されたPS版(版面)を装着し、これに湿し水とインクを供給し、湿し水とインクの反発作用によるPS版上の画像をブランケット胴に転写し、紙に印刷を行うものである。このPS版を製版するには、版材を露光し、画像を版材に形成し、更に、画像が形成された版材を現像する必要がある。この現像方法として、液体現像方式が利用されている。このような印刷機では、印刷内容の変更に伴い、版面の交換作業が必要となる。
【0003】
この版面の交換作業を省くため、印刷機上で、製版を行う版再生型印刷方法が提案されている(例えば、特開平1−152459号公報等)。この版再生型印刷方法では、版胴に、感光性樹脂を塗布し、感光性樹脂を露光し、その後、現像処理液で現像して、版胴に版面を作成する。そして、この版胴の版面に湿し水とインクを供給し、湿し水とインクの反発作用による版上の画像をブランケット胴に転写し、紙に印刷を行う。更に、印刷終了後、版胴に剥離液を塗布し、感光性樹脂を剥離し、版胴を元の初期状態に復帰させる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような版再生を印刷機上で行う方法では、複数種類の溶液(例えば、感光性樹脂、現像処理液、剥離液)を版胴に塗布する必要があるため、従来は、各々の溶液の塗布装置を版胴の周囲に配置していた。しかし、各溶液の塗布装置を版胴の周囲に配置すると、印刷機全体が大型化し、コンパクトな印刷機を実現するのが困難であるという問題が生じる。
【0005】
従って、本発明の目的は、少スペースで複数の処理液を版面に作用させるための版面処理装置を提供することにある。
【0006】
又、本発明の他の目的は、版再生型製版機構の小型化を図るための版面処理装置を提供することにある。
【0007】
更に、本発明の別の目的は、印刷機上の製版機構に好適な版面処理装置を提供することにある。
【0008】
本願発明のさらに他の目的および利点は、以下の説明から明らかになるであろう。
【0009】
【課題を解決するための手段】
(1)第1の手段に係る版面処理装置は、 感光性版剤の塗布、書き込み、現像、印刷、洗浄、再生の処理を行う版再生型印刷機又は版再生型製版機において、画像に応じて、処理液に対する特性が異なる性質を有するように、版胴に準備された版面に対し、前記処理の何れかを行う処理液(印刷工程で使用する処理液、インク及び湿し水を除く)を作用させ、前記版面を処理する版面処理装置であって、前記版面に前記処理液を搬送する第1のローラと、前記第1のローラとローラニップを形成する第2のローラと、少なくとも、前記版面を処理する第1の処理液、前記第1の処理液の洗浄液、前記版面を処理する第2の処理液を、前記両ローラのローラニップ部に、選択的に供給する液供給装置とを有し、前記第1の処理液を前記ローラニップ部に供給し、前記第1のローラにより、前記版面に搬送し、前記版面に作用させた後、前記洗浄液を前記ローラニップ部に供給し、前記両ローラを洗浄し、更に、前記第2の処理液を前記ローラニップ部に供給し、前記第1のローラにより、前記版面に搬送し、前記版面に作用させることを特徴とする。
【0010】
本発明では、処理液と洗浄液とを供給するため、複数の異なる処理液を1つの装置で取り扱うことができ、設置スペースを削減できる。又、2つのローラのニップに処理液で供給し、液溜めを形成するため、少ない廃液で、容易に複数の処理液の切替えが可能となる。
【0011】
更に、薄膜の処理液を版面に作用させ、版面処理できるため、多量の処理液を収容した容器を、版胴の最下部に設ける必要がない。即ち、版胴の最下部に限らず、版胴のいずれの位置でも、版面処理が可能となる。このため、版胴を有する印刷機等を小型に構成できる。しかも、処理液の溜めが極めて少なく、適量の処理液を塗布するため、処理液の飛散を防止できる
【0012】
(2)第2の手段に係る版面処理装置は、画像に応じて、処理液に対する特性が異なる性質を有するように、版胴に準備された版面に対し、前記処理液を作用させ、前記版面を処理する版面処理装置において、前記版面に前記処理液を搬送する第1のローラと、前記第1のローラとローラニップを形成する第2のローラと、少なくとも、現像処理液、現像処理液の洗浄液、剥離液を、前記両ローラのローラニップ部に、選択的に供給する液供給装置とを有し、前記版胴上に版面形成材料を塗布した後、前記版面形成材料に前記画像を書込んで形成された前記版面に、前記ローラニップ部に供給された前記現像処理液を、前記第1ローラにより塗布して現像処理を行って印刷版を形成し、次に、前記ローラニップ部に前記洗浄液を供給して前記両ローラを洗浄した後、前記ローラニップ部に供給された前記剥離液を、前記第1ローラにより前記版面に塗布して前記版面形成材料を剥離することを特徴とする。これにより、印刷機の製版機構を小型にできる。
【0013】
(3)第3の手段に係る版面処理装置は、前記(1)又は(2)に記載の版面処理装置において、前記第1のローラと前記第2のローラとを互いに、逆方向に回転させることを特徴とする。これにより、液溜めの処理液の純度を維持しつつ、複数の処理液の切替えが可能となる。
【0014】
(4)第4の手段に係る版面処理装置は、前記(1)ないし(3)の何れかに記載の版面処理装置において、前記第1のローラと前記第2のローラとの前記ローラニップ部に、前記処理液の液溜めを形成することを特徴とする。これにより、より少ない液溜め量で、版面処理でき、処理液の切替えも容易となる。
【0015】
(5)第5の手段に係る版面処理装置は、前記(1)ないし(4)の何れかに記載の版面処理装置において、前記第1のローラを、前記版胴の回転方向と同一の回転方向に回転させて、前記版面処理を行うことを特徴とする。これにより、版胴との周速差で、版胴の処理液の膜厚を制御できる。又、光触媒方式の版作成のため必要な物理刺激を版胴に与えることができる。更に、版胴面のゴミ除去時には、有効にゴミを除去できる。
【0016】
(6)第6の手段に係る版面処理装置は、前記(1)ないし(5)の何れかに記載の版面処理装置において、少なくとも、前記第1のローラを前記版胴の回転軸方向に揺動する揺動機構を設けることにより、版胴にリブマークのない均一な厚みの膜を形成できる。
【0017】
(7)第7の手段に係る版面処理装置は、前記(1)ないし(6)の何れかに記載の版面処理装置において、前記第1のローラが弾性ローラで構成され、前記弾性ローラの回転により、回転する版胴の前記版面に、膜厚が制御された処理液を塗布することを特徴とする。このため、版面処理を塗布で行うことができ、装置の配置の自由度を増加し、且つ装置を小型にできる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、版面処理装置、版面処理装置を適用した版再生型印刷機、他の実施の形態の順で説明する。各図において、同一の部分については同一の符号を付すものとする。なお、これらの図及び説明は本願発明を例示するものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。本願発明の趣旨に合致する限り他の実施の形態も本願発明の範疇に属し得ることは言うまでもない。
【0019】
[版面処理装置]
図1は、本発明の版面処理装置の一実施の形態の構成図、図2は、図1の版面処理装置の詳細構成図、図3は、図1の版面処理装置を利用した版再生プロセスの説明図、図4は、図1の版面処理装置の版面処理動作説明図、図5は、図1の版面処理装置に版面処理の特性図である。
【0020】
先ず、図1の版面処理装置を説明する前に、図3により、版面処理装置を適用した印刷機上製版方法(版再生方法)を、説明する。この印刷機上製版方法は、図3(A)乃至図3(E)に示すように、「画線材塗布・乾燥工程」(図3(A))、「画像書込み工程」(図3(B))、「現像工程」(図3(C))、「印刷工程」(図3(D))及び「洗浄・再生工程」(図3(E))からなる。
【0021】
図3(A)に示すように、印刷用版体(版体)Pは、基材1と、基材1の表面(版体表面、版面)に形成される画線材(感光性版剤層)2とからなる。なお、本願明細書において、版体表面または版面とは、以下の説明から明らかになるとおり、基材1の表面のみ、画線材(感光性版剤)層2のみの各種要素から構成され得るものであり、具体的構成は、場合に応じて判断されるべきものである。同様に、「版体」と言う場合は、感光性版剤層2を含む場合も、含まない場合もあり得るため、具体的構成は、場合に応じて判断されるべきものである。
【0022】
基材1は、砂目処理されたアルミニウムやステンレス等の金属、ポリマーフィルムなどで構成されている。ただし、基材1の材質は、これらアルミニウムやステンレス等の金属あるいはポリマーフィルムに限定されるものではない。この基材1の表面上には、図示しない中間層(後述する親水化層)が形成される。中間層としては、例えば、シリカ(SiO2)、シリコーン樹脂、シリコーンゴム等のシリコーン系化合物がその材質として利用される。この中間層は、基材1に親水性を付与するためと、後述する感光性版剤層2との付着を確実なものとならしめるため、また密着性を向上させるために形成されるものである。
【0023】
感光性版剤層2としては、種々の光重合性組成物を使用でき、例えば、特開平1−152459号公報に開示された疎水性感光樹脂の一層又は多層のものを適用できる。特に、次の光重合性組成物は、好適な例である。
【0024】
(1)エチレン性単重量体及び光重合開始系を含有する光重合性組成物であって、エチレン性単量体として、一分子中に、4つ以上のウレタン結合と、4つ以上の付加重合可能な二重結合を有するウレタン系化合物を含有する光重合性組成物(特願2001−016536号)。
【0025】
(2)エチレン性化合物、ポリメチレン鎖を介して複数環が結合した構造のシアニン系増感色素カチオン及び/又はフタロシアニン系増感色素、有機硼素アニオン及び/又はハロメチル基含有化合物を含有する、800〜1300nmの近赤外線レーザー露光用光重合性組成物(特願2000−362422号)。
【0026】
(3)エチレン性不飽和化合物及び光重合開始系を含有する光重合性組成物であって、光重合開始系が、ヘキサアリールビイミダゼール系化合物又はチタノセン化合物と、ジアルキルアミノベンゼン系化合物である、400〜420nmの青紫色レーザー露光用光重合性組成物(特願2000−364310号)。
【0027】
先ず、図3(A)に示すように、感光性版剤を溶液に溶解又は分散させた画線材液を、基材1に塗布し、乾燥、加熱して、基材1上に感光性版剤層2を形成する。
【0028】
次に、図3(B)に示すように、感光性版剤層2に、レーザー等で画像を書き込む。更に、図3(C)に示すように、感光性版剤層2を現像処理液で現像する。これにより、感光性版剤層2の光照射部2−1は、溶解し、基材1の親水性表面が露出する。非光照射部2−2では、感光性版剤層2が残り、疎水性のままである。
【0029】
ここで、親水性表面とは、水の接触角が10°以下の表面であり、疎水性表面とは、水の接触角が50°以上、好ましくは80°以上の疎水性部分であり、印刷用の疎水性インキが容易に付着し、一方、湿し水の付着は困難な状態になっている。
【0030】
上記までの処理が終了したら、図3(D)に示すように、感光性版剤層2表面に、印刷用の疎水性インキ3と湿し水4を混合した状態で塗布する。すると、感光性版剤層2の疎水性部2−2に、疎水性インキ3が付着し、残りの親水性部分2−1には、湿し水4が優先的に癒着する一方、疎水性インキ3ははじかれて付着しない。このように画像を形成することにより、感光性版剤層2表面は、印刷用版体としての機能を有することになる。この後、通常の印刷工程を実行し、これを終了させる。即ち、ブラケット胴に転写し、紙に転写して、印刷する。
【0031】
次に、印刷用版体Pの再生方法について説明する。図3(E)に示すように、まず、インキ除去工程として、印刷終了後の感光性版剤層2表面に付着したインキ、湿し水、紙粉などを拭き取る。次に、剥離液を供給し、感光性版剤層2を分解して除去し、プレートクリーナー液で洗浄する。これにより、基材1から感光性版剤層2を剥離する。これにより、再生が終了する。
【0032】
次に、図1及び図2により、本発明の版面処理装置の実施の形態を説明する。図1において、版胴11の表面に感光性版剤層(版面)2が形成されている。版面処理装置13は、第1のローラ13−1と、第2のローラ13−2で構成されている。
【0033】
第1のローラ13−1は、ゴムローラ等の弾性ローラで構成され、第2のローラ13−2と所定のニップを持って、接触している。この第1のローラ13−1は、矢印(反時計)方向に回転し、処理液を版胴11の感光性版剤層2に搬送し、塗布する。
【0034】
第2のローラ13−2は、第1のローラ13−1とともに、処理液の溜部Cを形成するとともに、ニップを通過する処理液で、第1のローラ13−1の処理液の膜厚を一定に規制する。溜り部Cの形成を安定にし、第1のローラ13−1に処理液の膜を形成するため、第2のローラ13−2は、時計方向に回転する。
【0035】
ブレード13−3は、第2のローラ13−2の処理液を掻き落し、溜り部Cでの処理液の量及び純度を管理する。液供給装置49は、溜り部Cの上部に設けられ、例えば、滴下管で構成され、処理液を溜り部Cに滴下する。液供給装置49には、処理液1(ここでは、現像処理液)供給装置45と、洗浄液供給装置46と、処理液2(ここでは、剥離液)供給装置47とから各々切替えバルブ50A〜50Cを介し、処理液が供給される。
【0036】
図2に示すように、第1のローラ13−1は、複数の処理液を版面に供給するため、処理の必要な時点で、版面11と接触し、又退避するよう構成される。即ち、各々ローラ13−1、13−2の回転軸130、131を支持する支持アーム50、52が設けられ、この支持アーム50、52は、版面処理装置13のフレーム13−4に、回転軸51、53を中心に、回転可能に取り付けられる。
【0037】
両アーム50、52の下端は、リンク54により接続される。第2のローラ13−2の回転軸131を支持する支持アーム50の下端には、エアシリンダ等のアクチュエータ33が接続されている。
【0038】
従って、アクチュエータ33を駆動し、支持アーム50の下端を右方向に駆動すると、支持アーム50が回転軸51を中心に時計方向に回動する。これにより、リンク54を介し支持アーム52が、回転軸53を中心に、時計方向に回動する。これにより、両ローラ13−1、13−2のニップを維持したまま、版11から第1のローラ13−1を退避できる。
【0039】
逆に、アクチュエータ33を駆動し、支持アーム50の下端を左方向に駆動すると、支持アーム50が回転軸51を中心に時計方向に回動する。これにより、リンク54を介し支持アーム52が、回転軸53を中心に時計方向に回動する。これにより、両ローラ13−1、13−2のニップを維持したまま、版11に第1のローラ13−1を接触できる。
【0040】
図1に戻り、版面処理装置の動作を説明する。先ず、版胴(版面)11の感光性版剤層2を現像するには、バルブ50Aを開き、現像処理液供給装置45から液供給装置49に現像処理液を供給する。これにより、弾性ローラ13−1と、膜厚規制をする第2のローラ13−2の間に、現像処理液の溜りCを形成する。
【0041】
溜りCの現像処理液は、膜厚規制をする第2のローラ13−2により、弾性ローラ13−1に一定膜厚の現像処理液5を形成する。弾性ローラ13−1の回転により、第2のローラ13−2で形成された一定膜厚の現像剤処理液5が、版胴11の感光性版剤層2に搬送され、感光性版剤層2の現像処理液5の置換を行う。このため、版胴11の複数回の回転により、感光性版剤層2の全周囲の現像処理液の置換が複数回行われ、現像が進行する。
【0042】
このように、版面に現像処理液を搬送、塗布するローラに、弾性ローラ13−1を用いたので、膜厚規制をする第2のローラ13−2により、弾性ローラ13−1に一定膜厚の現像処理液を形成することができる。このため、薄膜の現像処理液を版面に作用させ、現像できる。
【0043】
この現像処理液の塗布を行うため、多量の現像処理液を収容した現像容器を、版胴11の最下部に設ける必要がない。即ち、版胴の最下部に限らず、版胴11のいずれの位置でも、現像が可能となる。このため、版胴を有する印刷機等を小型に構成できる。しかも、適量の現像処理剤を塗布するため、現像処理剤の飛散を防止できる。更に、現像処理剤の置換を行い、現像の進行を制御するため、このようにしても、所望の現像結果が得られる。又、このようにしても、現像処理液の溜めが少ないため、現像処理液の飛散を防止できる。
【0044】
次に、版面11の感光性版剤層2を剥離するには、バルブ50Bを開き、洗浄液供給装置46から液供給装置49に洗浄液を供給する。これにより、弾性ローラ13−1と、膜厚規制ローラ13−2の間に、処理液の滴下管から滴下される洗浄液の溜りCを形成する。
【0045】
溜りCの洗浄液は、膜厚規制ローラ13−2により、弾性ローラ13−1に一定膜厚の洗浄液を形成する。弾性ローラ13−1の回転により、膜厚規制ローラ13−2で形成された一定膜厚の洗浄液が、版胴11の感光性版剤層2に搬送され、感光性版剤層2の洗浄を行うとともに、両ローラ13−1、13−2が洗浄される。即ち、現像処理液5が除去される。
【0046】
次に、バルブ50Cを開き、剥離液供給装置47から液供給装置49に剥離液を供給する。これにより、弾性ローラ13−1と、膜厚規制をする第2のローラ13−2の間に、処理液の滴下管から滴下される剥離液の溜りCを形成する。
【0047】
溜りCの剥離液は、膜厚規制ローラ13−2により、弾性ローラ13−1に一定膜厚の剥離液を形成する。弾性ローラ13−1の回転により、膜厚規制ローラ13−2で形成された一定膜厚の剥離液が、版胴11の感光性版剤層2に搬送され、感光性版剤層2に剥離液を作用して、感光性版剤層2を溶解する。版胴11の複数回の回転により、感光性版剤層2の全周囲の剥離液の置換が複数回行われ、剥離動作が進行する。
【0048】
同様に、剥離終了後、前述の洗浄液での洗浄を行う。このように、複数の異なる処理液を1つの装置で取り扱えるため、装置スペースを削減できる。又、2つのローラで液溜めを形成するため、少ない廃液で、容易に複数の処理液の切替えが可能となる。又、ブレード13−3により、ローラ13−2の溶液を取り除くため、処理液の切替えが迅速に、且つ円滑に実行できる。
【0049】
次に、図4及び図5により、本発明の版面処理装置による版面処理を現像処理で説明する。図4(A)乃至図4(F)において、図3(B)の画像書込み後の基材1上の感光性版剤層2の露光部を「2−3」、非露光部を「2−2」で示す。
【0050】
図4(A)に示すように、所定量の現像処理液5を、感光版剤層2に塗布する。これにより、図4(B)に示すように、感光性版剤層2の露光部2−3が表面から溶解する。図4(C)に示すように、現像処理液5の溶解の飽和に達した時点で、再度、所定量の現像処理液5を、感光版剤層2に塗布し、溶解した露光部2−4と置換する。これにより、図4(D)に示すように、感光性版剤層2の露光部2−3が更に溶解する。
【0051】
図4(E)に示すように、現像処理液5の溶解の飽和に達した時点で、再度、所定量の現像処理液5を、感光剤版剤層2に塗布し、溶解した露光部2−4と置換する。これを繰り返すことにより、図4(F)に示すように、露光部2−3を溶解し、基材1の親水化表面2−1を露出する。
【0052】
図5は、この動作を、現像の進度と、時間で示したものであり、所定量の現像処理塗布して、感光版剤層2を溶解し、この所定量の現像処理5での溶解が飽和に到達すると、新たに、所定量の現像処理5を塗布し、感光性版剤層2での現像処理5を置換する。この置換の回数、及び現像処理5の膜厚(量)により、現像の進度を制御できる。
【0053】
この現像処理液の塗布を行うため、多量の現像処理液を収容した現像容器を、版胴11の最下部に設ける必要がない。即ち、版胴11の最下部に限らず、版胴11のいずれの位置でも、現像が可能となる。このため、版胴を有する印刷機等を小型に構成できる。しかも、適量の現像処理を塗布するため、現像処理の飛散を防止できる。更に、現像処理の置換を行い、現像の進行を制御するため、このようにしても、所望の現像結果が得られる。
【0054】
又、剥離液の供給の場合も、同様の版面処理動作を行う。
【0055】
[版面処理装置を適用した版再生型印刷機]
次に、この版面処理装置を適用した版再生型印刷機を、図6乃至図8により、説明する。図6は、本発明の版面処理装置を適用した版再生型印刷機の構成図、図7は、その部分詳細図、図8は、版再生型印刷機の動作シーケンスの説明図である。
【0056】
図6において、印刷機10は、印刷用版体(版面)Pが巻きつけられる版胴11と、版胴11に湿し水4を供給する湿し水供給器18と、版胴11に疎水性インク3を供給するインク供給ローラ17と、版胴11のインク画像が転写されるブラケット胴(ゴム胴)20と、用紙22をブラケット胴20と挟んで、搬送する圧胴21とを有する。
【0057】
この構成により、回転する版胴11に巻きつけられた印刷用版体Pに、インク3と湿し水4が供給され、インク画像が形成され、これが、回転するブラケット胴20に転写され、圧胴21に挟まれた用紙22に転写され、印刷が行われる。
【0058】
印刷機上製版装置では、この版胴11の周囲に、版再生モジュール(装置)19が設けられる。この版再生モジュール19は、図の矢印Aの方向に移動可能であり、版の交換時や、印刷機及び版再生モジュールのメインテナンス時に、版胴11から退避することができる。
【0059】
この版再生モジュール19は、画線材(ポリマー)塗布装置14と、現像装置と剥離装置を兼ねる水溶液塗布装置(版面処理装置)13と、版面洗浄装置15と、画像書き込み装置16と、非接触温度センサ36とを備えている。この版再生モジュール19に対し、版胴11を挟んで、乾燥装置12が設けられている。
【0060】
この画線材(ポリマー)塗布装置14と、水溶液塗布装置13と、版面洗浄装置15と、画像書き込み装置16とには、各々アクチュエータ30,31,32,33が設けられ、版胴11に接近、退避できる。これらのアクチュエータ30〜33は、例えば、エアシリンダーで構成され、制御部35により、制御される。
【0061】
印刷用版体Pは、版胴11に巻き付けられて設置される。版面洗浄(クリーニング)装置15は、ガム引き装置を内蔵し、印刷終了後の版面のインキ、湿し水、紙粉などを除去するものである。水溶液塗布装置13は、版体Pの版面に現像液を塗布し、版体Pの感光性版剤層2を現像する現像機能と、版体Pの版面に剥離液を塗布して、感光性版剤層2を分解、除去する剥離機能とを有する。
【0062】
画線材塗布装置14は、感光性版剤層2を形成する感光性版剤液(ポリマーという)を、版体Pの基材1に塗布するものである。乾燥装置12は、印刷用版体Pを乾燥するものであり、基材1上に塗布された感光性版剤液を乾燥して、有機溶剤等をとばして、感光性版剤層2を容易に形成するものである。画線書き込み装置16は、版体Pの感光性版剤層2表面に光(赤外線等)を照射して、画線部を形成するものである。例えば、レーザー露光装置で構成される。
【0063】
これら装置の配置を説明する。画線材塗布装置14は、版胴11のできるだけ上の位置に設けられる。即ち、版胴11の回転方向の上流側に設けられる。画線材、即ち、ここでは、ポリマーは、版の性能を左右する感光性版剤層2を形成するため、最も不純物の混入を回避する必要があり、最も高い精度の塗布が必要である。感光性版剤層2を形成するだけのため、溶剤の使用量が少なく、液漏れや飛び散りも少ない。このため、洗浄装置15、水溶液塗布装置13よりも上方に配置する。
【0064】
次に、水溶液塗布装置13は、現像及び剥離の版面処理液を使用するため、水溶液を多量に使用する。このため、液漏れ量や飛び散り量が比較的多い。これによる他の装置への影響を防止するため、版胴11の出来るだけ下の位置、即ち、版胴11の回転方向の最下流側に設ける。
【0065】
画線部書き込み装置16は、処理液体による光学系の汚染、電気精密部品への悪影響を避けるため、洗浄装置15、水溶液塗布装置13より上方に設ける。又、版面に対し、水平にすることにより、部品の加工精度、取り付け精度を向上できる。逆説すれば、取り付け精度の確認が容易となる。更に、この実施の形態では、書き込み装置16が単体で退避できるため、液漏れや版胴11からの溶剤、インの飛び散りによる汚れを回避できる。
【0066】
版面洗浄装置15は、洗浄液の飛び散り、漏れの懸念から、ポリマー塗布装置14、書き込み装置16より下方に設ける。この実施の形態では、溶剤を使用していないため、装置全体の可動が容易であるため、書き込み装置16入れ換えるように構成し、スペースの削減を図る。
【0067】
乾燥装置12は、多量の熱を発生するため、他の装置(特に、レーザー書き込み装置16)への熱の影響を防止するため、書き込み装置16から出来るだけ遠くの位置に配置する。この実施の形態では、湿し水供給装置18の下に空きスペースがあるため、書き込み装置16から遠く、且つ空きスペースに配置している。
【0068】
版面温度センサ36は、現像工程において、現像時間(版面回転数、時間)を調整するため、版面温度を検出するものであり、水溶液塗布装置13の近くに設置し、温度測定精度を向上させる。
【0069】
このように配置するため、版胴11の基材1に形成する感光性版剤層2の不純物の混入を回避でき、しかもコンパクトに構成できる。このため、既存の印刷機に設置しても、印刷機の大型化を防止できる。又、多量に溶液を使用する水溶液塗布装置13を下部に設けたため、書き込み装置や洗浄装置の汚れを防止できる。
【0070】
次に、これら装置12〜16の詳細構成を、図7により説明する。尚、図7では、図6で示したものと同一のものは、同一の記号で示してある。図7に示すように、画線材(ポリマー)塗布装置14は、版胴11の回転(時計)方向と反対(反時計)方向に回転する塗布ローラ14−1と、ワイヤーバー14−2とを有する。
【0071】
ポリマー液供給・回収装置40は、塗布ローラ14−1とワイヤーバー14−2との間に、ポリマー液を滴下し、且つ塗布装置14からポリマー液を回収し、再使用する。塗布ローラ14−1とワイヤーバー14−2の間を通過したポリマー液が、塗布ローラ14−1で版胴11の基材1に塗布されるため、均一の厚みの感光性版剤層2を形成できる。
【0072】
洗浄装置15は、プレートクリーナ液供給装置41とインク洗浄液供給装置42とに切り換え弁43を介し接続された滴下管44を有する。洗浄装置15の本体は、洗浄用のフェルト15−1を先端に有し、滴下管44からの滴下液をフェルト15−1に受け、版胴11を洗浄する。この洗浄装置15の本体は、図のように移動可能である。
【0073】
水溶液塗布装置13は、版胴11の回転(時計)方向と反対(反時計)方向に回転する塗布ローラ(弾性ローラ)13−1と、膜厚規制ローラ(膜厚規制部材)13−2とを有する。図1に示したように、現像処理液供給装置45と洗浄液供給装置46と剥離液供給装置47は、切り換え弁50(図1の50A〜50C)を介し、水溶液塗布装置13の両ローラ13−1,13−2の間の上部に設けられた液供給装置49に、各々現像液、現像停止液(例えば、水)、剥離液を供給する。
【0074】
廃液タンク48は、水溶液塗布装置13からの廃液を回収する。塗布ローラ13−1と層厚規制ローラ13−2の間を通過した処理液(現像液、現像停止液、剥離液)が、塗布ローラ13−1で版胴11の基材1に塗布されるため、多量の水溶液を使用しても、液漏れ、液の飛散を最小限に抑えることができる。
【0075】
又、水溶液塗布装置13は、現像装置と、剥離装置を兼ねているため、コンパクトな構成で、感光性版剤層2の現像と剥離ができ、印刷機上製版装置の導入が容易である。
【0076】
乾燥装置12は、版胴11にエアーを吹き付けるエアーパージ装置12−2と、版胴11に熱風を吹き付ける熱風12−1で構成されている。エアーパージ装置12−2は、版胴11の異物を除去する。
【0077】
次に、図8により、この印刷機の動作シーケンスを説明する。
【0078】
(1)版再生装置退避工程
版再生モジュール19を版胴11から手動で退避し、版胴11にスペースを付与する。これにより、版(基材)1の交換スペースを確保できる。同様に、印刷機や再生装置のメインテナンススペースを確保できる。即ち、版再生装置の各装置を版再生モジュールとして、一体に構成することにより、モジュールを移動することにより、基材の交換、装置のメインテナンスを容易に行うことができる。
【0079】
(2)基材交換
版胴11を1回転し、旧基材1を取り出し、新基材1を取り付ける。
【0080】
(3)版再生装置復帰
版再生モジュール19を動作位置に復帰する。これにより、動作可能となる。
【0081】
(4)画線材塗布工程
図6の矢印Bに示すように、ブラケット胴20を偏心機構により、版胴11から離し、アクチュエータ30により、画線材(ポリマー)塗布装置14の塗布ローラ14−1を版胴11の基材1に接触させる。次に、ポリマー液供給・回収装置40から塗布ローラ14−1にポリマー液を供給しながら、塗布ローラ14−1と版胴11を回転する。版胴11の1回転により、版胴11に取り付けられた基材1にポリマー液(画線材)を塗布する。
【0082】
(5)乾燥工程
図6の塗布ローラ14−1を退避し、乾燥装置12を動作し、版胴11を回転して、版胴11の基材1に塗布されたポリマー液を乾燥し、基材1上に感光性版剤層2を形成する。この基材1上に感光性版剤層2を定着するのに、版胴11の複数回転を行う。
【0083】
(6)画像書込み工程
図6に示すように、アクチュエータ31により、画像書込み装置16を書込み位置(書込み装置16のレーザー光が、基材1の感光性版剤層2に焦点する位置)に、移動し、版胴11を回転しながら、版胴11の感光性版剤層2へ画像データに応じレーザー照射し、螺旋状に画像露光し、画像を書き込む。
【0084】
(7)現像工程
図2及び図6に示すように、アクチュエータ33により、水溶性塗布装置13の塗布ローラ13−1を版胴11の感光性版剤層2に接触させる。次に、現像液供給装置45から塗布ローラ13−1に現像液(現像処理液)を供給しながら、塗布ローラ13−1と版胴11を回転する。これにより、塗布ローラ13−1は、版胴11の感光性版剤層2に現像液を塗布し、現像を行う。この時、書込み装置16は、現像処理液による汚染を避けるため、退避することが望ましい。
【0085】
制御部50は、温度センサ36の版面検出温度を検出し、現像の進行状況を監視し、版胴11の回転数を制御する。制御部50は、版面検出温度から現像が終了(画線部と非画線部が形成された)と判定すると、現像液供給装置45からの現像液(現像処理液)の供給を停止する。
【0086】
次に、現像停止液供給装置46から塗布ローラ13−1に現像停止液(定着液、例えば、水)を供給しながら、塗布ローラ13−1と版胴11を回転し、塗布ローラ13−1により、現像停止液を版胴11の感光性版剤層2に塗布する。これにより、定着が行われる。更に、エアーパージ装置12−2により、版胴11の感光性版剤層2の現像処理液が除去される。
【0087】
(8)印刷工程
図6に示すように、印刷工程は、アクチュエータ33により、水溶液塗布装置13の塗布ローラ13−1を版胴11から退避し、インク供給ローラ17、湿し水供給装置18及びブランケット胴20を、版胴11に対して接する状態とする。そして、圧胴21により、紙22をブランケット胴19に接するようにして、かつ矢印Dの方向に搬送する。こうすることによって、版胴11の印刷版Pに形成されたインク像が、ブラケット胴20を介し紙22に転写され、連続的な印刷が行われる。
【0088】
(9)洗浄工程
上記したように印刷を終了した版体の再生のための洗浄は、次のように行われる。まず、アクチュエータ32により、洗浄装置15を版胴11に対して接した状態とし、インク洗浄液供給装置42から滴下管44に、インク洗浄液を供給する。これにより、洗浄装置15のフェルト15−1にインク洗浄液が滴下され、版胴11の感光性版剤層2の表面上に付着したイン、湿し水、紙粉などを拭き取る。
【0089】
その後、洗浄装置15を版胴11から脱離させ、水溶性塗布装置13の塗布ローラ13−1を版胴11の感光性版剤層2に接触させる。次に、剥離液供給装置47から滴下管49に、剥離液を供給し、塗布ローラ13−1により、剥離液を版胴11の感光性版剤層2に塗布する。これにより、感光性版剤層2が分解し、塗布ローラ13−1で回収され、感光性版剤層2を剥離する。
【0090】
(10)再生工程
浄装置15を版胴11に対して接した状態とし、プレートクリーナ液(親水性処理液)供給装置41から滴下管44に、プレートクリーナ液を供給する。これにより、洗浄装置15のフェルト15−1にプレートクリーナ液が滴下され、版胴11の基材1にプレートクリーナ液が塗布され、基材1が親水化処理される。
【0091】
次に、現像停止液供給装置46から液供給装置49に、現像停止液(水)を供給し、塗布ローラ13−1により、現像停止液(水)を版胴11の基材1に供給し、親水化処理液を除去する。基材1が水洗浄され、(4)の画線材の塗布が可能となる。
【0092】
[他の実施の形態]
図9は、本発明の他の実施の形態の版面処理装置の構成図である。図9において、図1乃至図2で説明したものと同一のものは、同一の記号を付してある。この構成では、第1のローラ13−1と第2のローラ13−2を、図1のローラ回転方向と逆方向に回転させる。即ち、第1のローラ13−1を、版胴11の回転方向である時計方向に、第2のローラ13−2を反時計方向に回転する。
【0093】
このように、逆回転させるのに有効な例としては、前述の製版プロセスにおいて、光感応性材料の種類によっては、洗浄工程において、版剤溶解液を塗布した後、版面に物理刺激を与え、感光性版剤層2を除去するものがある。この場合に、製版溶解液を塗布した後、ローラ13−1、13−2を逆回転させ、版面に物理刺激を与えることができる。又、製版プロセスの現像工程として、画像露光後の版面に、製版処理液としてインクや湿し水を付与した後、版面に物理的刺激を与え、感光性版剤層2の未露光部を剥離し、印刷版を作成するものがある。この場合も、製版処理液を供給後、ローラ13−1、13−2を逆回転させ、版面に物理刺激を与えることができる。
【0094】
又、処理液の種類によっては、版面の膜厚を制御する必要がある。この場合には、ローラ13−1、13−2を逆回転させると、ローラ13−1と版胴11の周速比でローラ13−1が塗布することによる、版胴11の液の膜厚を制御でき、有効である。更に、図8の(10)の再生工程において、ゴミを除去するため、ローラ13−1、13−2を逆回転させ、版面から物理的にゴミを除去でき、有効である。
【0095】
図10は、本発明の更に他の実施の形態の構成図であり、図1の版面処理装置を上部から見た上面図であり、図1及び図2で説明したものと同一のものは、同一の記号で示してある。
【0096】
図10では、図1及び図2の構成に付加し、版面処理装置のフレーム13−4を版胴11の回転軸方向に揺動する揺動機構60を設けている。両ローラ13−1、13−2の回転で版面処理中に、揺動機構60の動作により、フレーム13−4、両ローラ13−1、13−2を、版胴11の回転軸方向に動させる。これにより、第1のローラ13−1により、版胴11にリブマークのない均一の膜を形成できる。揺動機構60としては、カム機構等の周知の往復運動機構を利用できる。又、この揺動機構は、少なくとも第1のローラ13−1を揺動できるものであれば良く、第1のローラ13−1の揺動でリブマークを防止できる。
【0097】
図11は、本発明の他の実施の形態の製版型印刷機の構成図であり、図6乃至図7で説明したものと同一のものは、同一の記号で示してある。この実施の形態では、図6における構成から、湿し水供給装置18を除去している
【0098】
即ち、(8)の印刷工程において、水溶液塗布装置13の塗布ローラ13−1を版胴11に接触したままとし、湿し水を版胴11に供給する。そして、インク供給ローラ17及びブランケット胴20を、版胴11に対して接する状態とし、圧胴21により、紙22をブランケット胴19に接するようにして、かつ矢印Dの方向に搬送する。こうすることによって、版胴11の印刷版Pに形成されたインク像が、ブラケット胴20を介し紙22に転写され、連続的な印刷が行われる。
【0099】
これにより、装置の小型化及び低価格化に有効である。
【0100】
前述の実施の形態では、ネガタイプの現像方法で説明したが、ポジタイプの現像方法も適用できる。
【0101】
又、版面処理装置を、印刷機上で、感光性版剤の塗布、書込み、現像、洗浄、再生を行う版再生型印刷機の適用例で説明したが、他の版面製版機にも適用できる。
【0102】
現像処理液の塗布機構を、ゴムローラ等の弾性ローラで説明したが、スポンジローラ等の他の弾性を有するローラを使用できる。
【0103】
更に、前述の実施の形態では、現像装置と剥離装置を兼ねた水溶性塗布装置で説明したが、現像装置とポリマー塗布装置を、又、剥離装置とポリマー塗布装置を兼ねるものであっても良い。
【0104】
【発明の効果】
以上説明したように、複数の異なる処理液を1つの装置で取り扱えるため、装置スペースを削減できる。又、2つのローラで液溜めを形成するため、少ない廃液で、容易に複数の処理液の切替えが可能となる。
【0105】
更に、薄膜の処理液を版面に作用させ、版面処理できるため、多量の処理液を収容した容器を、版胴の最下部に設ける必要がない。即ち、版胴の最下部に限らず、版胴のいずれの位置でも、版面処理が可能となる。このため、版胴を有する印刷機等を小型に構成できる。しかも、処理液の溜めが極めて少なく、適量の処理液を塗布するため、処理液の飛散を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の版面処理装置の一実施の形態の構成図である。
【図2】図1の版面処理装置の詳細構成図である。
【図3】図1の版面処理装置を使用した版再生型印刷方法の説明図である。
【図4】図1の版面処理装置の現像動作説明図である。
【図5】図4の版面現像方法の現像進行動作の説明図である。
【図6】図1の版面処理装置を適用した版再生型印刷機の構成図である。
【図7】図6の版再生型印刷機の部分詳細図である。
【図8】図6の版再生型印刷機の動作シーケンス説明図である。
【図9】本発明の版面処理装置の他の実施の形態の構成図である。
【図10】本発明の版面処理装置の更に他の実施の形態の構成図である。
【図11】本発明の版面処理装置を適用した他の版再生型印刷機の構成図である。
【符号の説明】
1 基材
2 感光性版剤層(光感応性版剤層)
2−1 親水化面
2−2 疎水化部
2−3 画像露光部
2−4 溶解部
3 疎水性インク
4 湿し水
5 現像処理液
10 印刷機
11 版胴
12 乾燥装置
13 版面処理装置(水溶液塗布装置)
14 画線剤塗布装置
15 版面洗浄装置
16 書込み装置
17 インク供給ローラ
18 湿し水供給装置
19 版再生モジュール
20 ブラケット胴
21 圧胴
22 用紙(媒体)
30〜33 アクチュエータ
35 制御部
36 非接触温度センサ

Claims (7)

  1. 感光性版剤の塗布、書き込み、現像、印刷、洗浄、再生の処理を行う版再生型印刷機又は版再生型製版機において、画像に応じて、処理液に対する特性が異なる性質を有するように、版胴に準備された版面に対し、前記処理の何れかを行う処理液(印刷工程で使用する処理液、インク及び湿し水を除く)を作用させ、前記版面を処理する版面処理装置であって、前記版面に前記処理液を搬送する第1のローラと、前記第1のローラとローラニップを形成する第2のローラと、少なくとも、前記版面を処理する第1の処理液、前記第1の処理液の洗浄液、前記版面を処理する第2の処理液を、前記両ローラのローラニップ部に、選択的に供給する液供給装置とを有し、前記第1の処理液を前記ローラニップ部に供給し、前記第1のローラにより、前記版面に搬送し、前記版面に作用させた後、前記洗浄液を前記ローラニップ部に供給し、前記両ローラを洗浄し、更に、前記第2の処理液を前記ローラニップ部に供給し、前記第1のローラにより、前記版面に搬送し、前記版面に作用させることを特徴とする版面処理装置。
  2. 画像に応じて、処理液に対する特性が異なる性質を有するように、版胴に準備された版面に対し、前記処理液を作用させ、前記版面を処理する版面処理装置において、前記版面に前記処理液を搬送する第1のローラと、前記第1のローラとローラニップを形成する第2のローラと、少なくとも、現像処理液、現像処理液の洗浄液、剥離液を、前記両ローラのローラニップ部に、選択的に供給する液供給装置とを有し、前記版胴上に版面形成材料を塗布した後、前記版面形成材料に前記画像を書込んで形成された前記版面に、前記ローラニップ部に供給された前記現像処理液を、前記第1ローラにより塗布して現像処理を行って印刷版を形成し、次に、前記ローラニップ部に前記洗浄液を供給して前記両ローラを洗浄した後、前記ローラニップ部に供給された前記剥離液を、前記第1ローラにより前記版面に塗布して前記版面形成材料を剥離することを特徴とする版面処理装置。
  3. 前記第1のローラと前記第2のローラとを互いに、逆方向に回転させることを特徴とする請求項1又は請求項に記載の版面処理装置。
  4. 前記第1のローラ前記第2のローラとの前記ローラニップ部に、前記処理液の液溜めを形成することを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れかに記載の版面処理装置。
  5. 記第1のローラを前記版胴の回転方と同一の回転方向に回転させて、前記版面処理を行うことを特徴とする請求項1ないし請求項4の何れかに記載の版面処理装置。
  6. 少なくとも前記第1のローラを、前記版胴の回転軸方向に揺動する揺動機構を更に設けたことを特徴とする請求項1ないし請求項5の何れかに記載の版面処理装置。
  7. 前記第1のローラが弾性ローラで構成され、前記弾性ローラの回転により、回転する版胴の前記版面に、膜厚が制御された処理液を塗布することを特徴とする請求項1ないし請求項6の何れかに記載の版面処理装置。
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